JP2005254712A - 高ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性を有するガスバリヤーフイルムであって、巻き取り性と高バリヤー性を兼ね備えるバリヤーフイルムを提供する。
【解決手段】高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムの第1層表面に、第1層と第2層の界面のAl濃度が10〜20atm%、C濃度が5〜25atm%、O濃度が5〜35atm%となる第2層を設け、さらに、第2層と第3層の界面のSi濃度が5〜35atm%である第3層を順次、設けたことを特徴とする高ガスバリア性フィルム。
【選択図】 図2
【解決手段】高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムの第1層表面に、第1層と第2層の界面のAl濃度が10〜20atm%、C濃度が5〜25atm%、O濃度が5〜35atm%となる第2層を設け、さらに、第2層と第3層の界面のSi濃度が5〜35atm%である第3層を順次、設けたことを特徴とする高ガスバリア性フィルム。
【選択図】 図2
Description
本発明は、高分子フィルム上に無機化合物層を有するフィルムおよびその製造方法に関し、特に、高分子フィルム上にアルミニウム酸化物の層を有するアルミニウム蒸着フィルムに関する。
従来から、プラスチック基材の表面に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の無機物(無機酸化物を含む)を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用して、その無機物の蒸着膜を形成してなるガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために用いられている。
包装用蒸着フィルムのガスバリア性向上のため、蒸着膜形成後の蒸着膜表面を処理する種々の方法が用いられている。例えば、フィルム基材上にPVD法あるいはCVD法により金属酸化物層を形成し、その上に無機・有機ハイブリッドポリマー層を積層する方法がある(例えば、特許文献1)、また、フィルム基材上に酸化アルミニウムと酸化ケイ素の混合物を蒸着する方法(例えば、特許文献2)、酸化アルミニウムの酸化度を変える方法(例えば、特許文献3)、酸化アルミニウム蒸着膜上にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子と金属アルコキシドの混合物を塗布する方法(例えば、特許文献4)、酸化アルミニウム薄膜を設けたあと、水分を吸着させ、次いで熱処理する方法(特許文献5)、蒸着膜の緻密性の指標の一つであるAlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピーク(P(LO))位置が920cm-1以上であるフィルム(例えば、特許文献6参照)、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリスチレン等への有機高分子化合物へを含む組成物からなる被膜層を形成後、乾燥させる方法(特許文献7参照)が提案されている。ガスバリア性ラミネート用接着剤によるガスバリア性の向上の方法が提案されている(特許文献8参照)。
特開2002−46209号公報([0015]〜[0091]段落)
特開平10−95067号公報([0028]〜[0034]段落)
特開平10−323933号公報([0006]〜[0011]段落)
特開2002−337262号公報([0015]〜[0018]段落)
特開昭63−223163号公報([0007]〜[0027]段落)
特願2002−323689号公報([0005]〜[0010]段落)
特開2002−59517号公報([0005]〜[0026]段落)
特開2003−155465号公報 ([0007]〜[0044]段落)
しかしながら、上述のような無機蒸着膜の表面にハイブリッドポリマーを形成、フィルム基材上に酸化アルミニウムと酸化ケイ素の混合物を蒸着、酸化アルミニウムの酸化度を変える、酸化アルミニウム蒸着膜上にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子と金属アルコキシドの混合物を塗布する、酸化アルミニウム薄膜を設けたあと、水分を吸着させ、次いで熱処理する、AlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピーク(P(LO))のピーク位置が920cm-1以上にして蒸着膜の緻密性を向上させたとしても、高バリア性を有するガスバリア性フィルムを安定して製造することは困難であるというのが実状であった。
また、アルミニウム等の無機物を蒸着したこれら従来の蒸着膜は、蒸着直後の膜は完全に酸化されているわけではなく、空気中の酸素あるいは水分などにより無機物の酸化および水和が進むことで、蒸着膜の緻密性が向上して初めて、蒸着フィルムのガスバリア性が向上していたが、この方法だけではガスバリア性向上に限界があることと、時間がかかるためその製造コストが高くなるという問題があった。また、エポキシ樹脂組成物を表面に塗布した後、乾燥するまでに時間がかかるためすぐには巻き取りができないという問題もあった。
これらの状況に鑑み、本発明の目的は、高度なガスバリア性を有する簡便かつ安定して高ガスバリア性フィルムを製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の高ガスバリア性フィルムは主として次の構成を有する。すなわち、高分子フィルム上に無機物化合層(第1層)を有するフィルムの第1層表面に、エポキシ樹脂組成物を主成分とする層(第2層)、有機シロキサンを主成分とする層(第3層)を設けてなるフィルムであって、第1層と第2層の界面のAl濃度が10〜20atm%、C濃度が5〜25atm%、O濃度が5〜35atmであり、かつ、第2層と第3層の界面のSi濃度が5〜35atm%である高ガスバリア性フィルム。
上記課題を解決するため、本発明の高ガスバリア性フィルムの製造方法は主として次の構成を有する。すなわち、高分子フィルム上に形成した無機化合物層表面に、エポキシ樹脂組成物コート処理を行い、引き続いて有機シロキサンコート処理を行うことを特徴とする高ガスバリア性フィルムの製造方法である。
本発明によれば、酸素ガス、水蒸気等に対する高ガスバリア性を有し、例えば、食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために有用な高ガスバリア性フィルムを得ることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の高ガスバリア性フィルムは、高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムの第1層表面に第1層と第2層の界面のAl濃度が10〜20atm%、C濃度が5〜25atm%、O濃度が5〜35atm%であり、かつ、第2層と第3層の界面のSi濃度が5〜35atm%である。
本発明において、第1層目と第2層目の界面は、第1層内のAl濃度の最大値の値が半減した場所を示す。例えば、第1層内のAl濃度の最大値が50atm%のとき、第1層と第2層との間でAl濃度が25atm%となった場所を第1層と第2層の界面とする。同様にして、第2層目と第3層目の界面は、第3層内のSi濃度の最大値の値が半減した場所を示す。 各層の原子濃度の値は、「電子顕微鏡利用の基礎(共立出版株式会社)p.113〜118」「医学・生物学 電子顕微鏡観察法(丸善株式会社)p.300〜319」記載の方法にしたがって測定することができる。
すなわち、高分子フィルムを含む層全体をミクロトームを用いた超薄切片法により切り取り分析電子顕微鏡により分析する。C濃度は第1層の酸化アルミニウム内のエポキシ樹脂組成物量を定量的に表し、その値が高いほど、酸化アルミニウム内にエポキシ樹脂組成物が導入され、酸化アルミニウムの欠陥が塞がれ、緻密化するので、酸素などガスが透過しにくくなる。Si濃度は第2層のエポキシ樹脂組成物内の有機シロキサン量を定量的に表し、その値が高いほど、エポキシ樹脂組成物内に有機シロキサンが導入され、緻密化するので、酸素などガスが透過しにくくなり、全体として、高ガスバリア性が達成できる。
本発明の高ガスバリア性フィルムは、ガスバリア性向上の観点から、分析電子顕微鏡で測定した第1層目と第2層目の界面のOの値が5atm%以上、Cの値が5atm%以上であることが必要である。Alの値は、酸化アルミニウム中の欠陥にエポキシ樹脂組成物を導入してガス透過を抑える観点から、20atm%以下であることが必要であり、好ましくは18atm%以下である。また、分析電子顕微鏡で測定したAlの値が10atm%より少なくなると酸化アルミニウム内の欠陥量が増えエポキシ樹脂組成物による欠陥の封止ができないので、ガスの透過を抑えることが出来ず高ガスバリア性が達成できない。
本発明の無機化合物層に使用する無機化合物としては、本発明の目的の範囲内であれば、特に限定されないが、例えば、珪素、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、それらの酸化物およびこれらの混合物が用いられる。混合物としては、積層されていてもよいし、混合していても良い。好ましくは酸化物であり、特にアルミニウム酸化物が好ましく用いられる。
高分子フィルム上に無機化合物層を形成する方法は特に限定されず、例えば、アルミニウム等の金属等を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって、形成することができる。好ましくは真空蒸着法である。上記において、蒸着原料の加熱方式としては、例えば、エレクトロンビーム(EB)方式、高周波誘導加熱方式、抵抗加熱方式等が用いられる。
本発明の第2層は上述の内容を満足していれば特に限定されないが、好ましくはエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物を主成分とする。エポキシ樹脂としては、例えば、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位および/またはグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンとポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物の反応生成物、またはメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンとポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物の反応生成物および炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体の反応生成物などが挙げられる。
本発明の第3層は上述の内容を満足していれば、特に限定されないが好ましくは、Si、O、C、Nを含有し、有機シロキサンを主成分とする。有機シロキサンとしては、例えば、アミノ基含有シラン化合物、アミノ基含有シラン化合物の加水分解縮合物、アミノ基含有シラン化合物と有機シラン化合物との共加水分解縮合物などが挙げられる。
本発明では、特に、第1層に、酸化アルミニウムを用いることが好ましい。すなわち、高分子フィルム上に酸化アルミニウムを形成し、エポキシ樹脂組成物を主成分とする層を形成することによってエポキシ樹脂組成物が酸化アルミニウムの欠陥部分に入り込み、酸化アルミニウム、エポキシ樹脂組成物単独ではなしえなかった高いガスバリア性を実現できる。さらに、エポキシ樹脂組成物上に有機シロキサンを主成分とする層を形成することによって、巻き取りする事が可能となり、また、エポキシ樹脂組成物内に有機シロキサンが入り込み、酸化アルミニウム、エポキシ樹脂組成物ではなしえなかった高いガスバリア性を実現できる。
本発明において、好ましく用いられる有機シロキサンを主成分とするコーティング用組成物を用いて積層する場合、該コーティング用組成物は、以下に示すアミノ基含有高分子化合物(A)、有機化合物(B)、溶媒(C)を含む組成物であることが好ましく、より好ましくは、さらに有機金属化合物(D)を含むことが好ましい。
アミノ基含有高分子化合物(A)としては、アミノ基を含有している有機高分子であれば特に限定されないが、具体的には、ポリアリルアミン、アミノ基含有(メタ)アクリレートや他の(メタ)アクリレート等との共重合体、ポリアルキレンイミン等が挙げられ、特にポリエチレンイミンが好適である。また、アミノ基を有する有機高分子化合物の数平均分子量は、250〜20万、好ましくは250〜10万、より好ましくは300〜1万の範囲である。分子量が250より小さいと被覆層の可とう性に劣ることがあり、20万より大きいと、被覆層の透明性に劣る可能性がある。
有機化合物(B)としては、アミノ基と反応しうる官能基とSiOR1基(R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を表す)を分子内に有するものであれば特に限定されないが、有機化合物中のアミノ基と反応し得る官能基としては、例えば、(メタ)アクリル基,エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられる。有機化合物中のSiOR1基(R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を表す。)の炭素数1〜4のアルキル基としては、特に制限されるものではなく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の直鎖アルキル基、イソプロピル基の分岐鎖アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基の環状(脂環式)アルキル基のいずれであってもよい。また、アシル基としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロロホルミル基、ピルボイル基、オキサロ基、メトキサリル基、エトキサリル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、シンナモイル基、ナフトイル基などが挙げられる。ガスバリア性、および被覆層の形成時の収縮低減のため、R1がメチル基やエチル基であることが好ましい。有機化合物の具体例としては、γ―(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―(メタ)アクロキシプロピルトリエトキシシラン、γ―(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―(メタ)アクリロキシメチルプロピルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ―イソシアノプロピルトリメトキシシラン、γ―イソシアノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。有機化合物としては、エポキシ基を含有していることが、アミノ基を含有する有機高分子化合物との反応容易性、作業時の取扱い性等の点から好ましい。SiOR1基を有することで、アミノ基含有の高分子化合物と反応する前もしくは反応後に加水分解縮合が進行し、有機金属化合物の加水分解性縮合基と共加水分解縮合を起こして縮重合が進行していく。そのため、緻密な膜を形成することができる。
溶媒(C)としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、その他、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。溶解性の点からアルコール類が好ましい。
有機金属化合物(D)としては、一般式R2mM(OR3)n(ただし、式中Mは金属元素、R2は炭素数1〜4のアルキル基またはアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1以上の整数でかつm+nは金属元素Mの原子価と一致する)が挙げられる。金属元素Mは、Si,Ti,ZrおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましく、特にSiが上記有機化合物との反応性の点から望ましい。上記式中のR2は、炭素数1〜4のアルキル基またはアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4のアルキル基であればよい。ここで、アミノ基と反応しない官能基としては、特に制限されるものではなく、例えば、アミノ基、ビニル基などが挙げられる。また、炭素数1〜4のアルキル基に関しては、上記R1で説明した炭素数1〜4のアルキル基と同様のものが挙げられる。R2として好ましくは、耐熱性の観点からビニル基である。
上記式中のR3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。R3として好ましくは、加水分解縮合の反応性の観点からメチル基、エチル基である。なお、R3は、nが2以上の場合には、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式中のnは1以上の整数であり、mは0以上の整数であり、かつm+nは金属元素Mの原子価と一致するものである。例えば、金属元素MがSiの場合、m+n=4であり、コーティング層の耐熱性の観点から、m=0であり、n=4であることが好ましい。
有機金属化合物(D)の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β―(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−β―(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β―(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−β―(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリメチルシラノール、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリエチキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。この中でコーティング後の耐熱性から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
有機化合物(B)および有機金属化合物(D)はそれぞれ予め公知の方法により、加水分解縮合していてもよく、また共加水分解縮合をしていてもよい。
ここで、有機シロキサンコーティング用組成物は、上記アミノ基含有高分子化合物(A)、および有機化合物(B)、さらに好ましくは必要に応じて有機金属化合物(D)、溶媒(C)を主要な使用原料として含むものであればよい。さらに、コーティング用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤などの無機・有機系各種添加剤を使用原料として含んでいてもよい。また、これらを溶解する適当な溶剤を使用する場合において、特に限定しない場合には、これらの溶剤をも含むものとする。なお、有機シロキサンコーティング用組成物は、製造方法や製造過程に応じて、これら原料、該原料の反応物や加水分解縮合物などが混在している(例えば、反応前の使用原料やその加水分解縮合物を含むもの、使用原料を反応させて反応物を含むもの、使用原料や反応物の加水分解縮合を行って加水分解縮合物を含むもの、反応物と使用原料との共加水分解縮合を行って加水分解縮合物を含むものなど製造過程等により様々に成分構成が変化する)。すなわち、当該コーティング用組成物の成分組成は、製造工程に即して経時的に変化する可能性がある。以下、単に有機シロキサンコーティング用組成物とした場合には、経時的等の変化を含めた組成物を示す。
また、有機シロキサンを主成分とする層(第3層)を形成するにおいて、アミノ基含有高分子化合物(A)の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記有機シロキサンコーティング用組成物の合計量に対して、通常10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜50質量%の範囲である(ただし、溶剤を除く)。アミノ基含有高分子化合物(A)の使用量が10質量%未満の場合には、有機シロキサンを主成分とする層の可とう性が劣ることがあり好ましくない。一方、90質量%を越える場合には、有機シロキサンを主成分とする層の耐水性が劣ることがあり好ましくない。
有機化合物(B)の使用量は、特に限定されないが、上記有機シロキサンコーティング用組成物の合計量に対して、通常5〜50質量%、好ましくは7〜35質量%、より好ましくは10〜20質量%の範囲である(ただし、溶剤を除く)。有機化合物(B)の使用量が5質量%未満の場合には、有機シロキサンを主成分とする層が耐水性に劣ることがあり好ましくない。一方、50質量%を越える場合には、有機シロキサンを主成分とする層がガスバリア性に劣ることがあり好ましくない。
有機金属化合物(D)の使用量は、特に限定されないが、有機シロキサンコーティング用組成物の合計量に対して、通常、80質量%以下、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%の範囲である(ただし、溶剤を除く)。上記有機金属化合物の使用量が80質量%を越える場合には、有機シロキサンを主成分とする層が可とう性に劣ることがあり好ましくない。一方、有機金属化合物の使用量の下限値は0質量%であるが、使用する場合にはその作用効果を十分に発揮し得ることが望ましく、10質量%未満の場合には、有機シロキサンを主成分とする層が耐水性に劣ることがあり好ましくない。
溶剤(C)の使用量は、有機シロキサンコーティング用組成物(ただし、溶剤を除く)の合計量100質量部に対して、通常、30〜95質量部、好ましくは50〜90質量部、より好ましくは70〜85質量部の範囲である。上記溶剤の使用量が30質量部未満の場合には、上記有機シロキサンコーティング用組成物の反応安定性に劣り好ましくない。一方、95質量部を越える場合には、コーティング層を形成する際の生産性が劣り好ましくない。
アミノ基含有高分子化合物(A)と有機化合物(B)との反応前に有機化合物の加水分解縮合を行っても良いし、あるいはアミノ基含有高分子化合物(A)と有機化合物(B)との反応後に、有機化合物の加水分解縮合を行ってもよい。また、アミノ基含有高分子化合物(A)と有機化合物(B)との反応前に、有機化合物(B)と有機金属化合物(D)との共加水分解縮合を行ってもよいし、あるいはアミノ基含有高分子化合物(A)と有機化合物(B)との反応後に、有機金属化合物(D)を加えて有機化合物と有機金属化合物との共加水分解縮合を行っても良いなど、加水分解縮合を行うタイミングや各成分の添加のタイミングに関しては特に制限されるものではない。さらに、無機化合物層表面に有機シロキサンを主成分とする層を形成する関係においても、加水分解縮合を行って得られた加水分解縮合物を有するコーティング用組成物を無機化合物上に被覆し、硬化乾燥後、さらに未反応の有機化合物のSiOR1基や有機金属化合物のMOR3基を反応(縮合)させる処理を行っても良いし、あるいは加水分解縮合させる前に無機化合物上に被覆し、硬化乾燥と同時に加水分解縮合させ、さらに未反応の有機化合物のSiOR1基や有機金属化合物のMOR3基を反応(縮合)させる処理を行っても良いなど、特に制限されるべきものではない。
さらに、コーティング層中の未反応の有機化合物のSiOR1基や有機金属化合物のMOR3基を低減することが高湿・ウエット状態下におけるガスバリア性の特性を向上させる上で望ましい。アミノ基含有高分子化合物(A)、有機化合物(B)、さらには有機金属化合物(D)、溶剤(C)、水、添加剤などの各成分量を上記に規定する使用量を満足するように、あるいは本発明の効果を損なわない範囲で調整する必要があるが、さらには無機化合物上にこれらを適当なコーティング方法によりコーティングした後に、皮膜の硬化および乾燥を行い、その後に有機シロキサン層中の未反応の有機化合物のSiOR1基や有機金属化合物のMOR3基を反応(縮合)させる処理を行うのが好ましく、例えば、有機シロキサンコーティング層形成組成物を無機化合物上に塗布乾燥後に、未反応基を減少させる上で有効な加熱処理(例えば、60℃で2日間程度)やコロナ処理、あるいは酸素ガスや水蒸気を用いたプラズマ処理を行う方法などが好ましい。これらの処理は蒸着機内で行ってもの良い。
ここで、上記コーティング方法としては特に制限されるべきものではなく、フィルム基板の形状に適した方法を利用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法等やこれらを組み合わせた方法を利用することができる。なかでも、ダイコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増す理由で好ましい。
硬化および乾燥では、より早く硬化・乾燥させたい場合には高分子フィルムおよび無機化合物層の耐熱温度以下で加熱することが好ましい。また、加熱に加えて加湿を行えば、さらに速やかに硬化・乾燥を完了させることができる。なお、乾燥の際に有機金属化合物(D)の蒸発を防ぐため、有機金属化合物は予め加水分解縮合を行うことが好ましい。この加水分解縮合反応は公知の触媒を用いることができ、また溶剤中で反応させるのが有利である。有機化合物(B)と予め共加水分解縮合を行うことが好ましい。
上記硬化および乾燥後に、未反応の有機化合物のSiOR1基や有機金属化合物のMOR3基を反応(縮合)させる処理方法としては、例えば、コロナ放電による処理法や加熱する処理法、酸素等のガス、水蒸気を用いたプラズマ処理などが利用できるが、未反応の有機化合物(B)のSiOR1基や有機金属化合物(D)のMOR3基の反応(縮合)を促進させることができるものであれば、特にこれらに制限されるべきものではなく、蒸着機内でこれらの処理を行っても良い。
本発明の有機シロキサンを主成分とする層(第3層)の厚さは、0.01〜20μm、好ましくは0.1〜15μm、より好ましくは0.5〜10μmの範囲である。第3層の厚さが0.01μm未満の場合には、コーティング層にピンホールが発生しやすくなり、一方、20μmを越える場合には、第3層にクラックが生じることがあり高ガスバリア性を達成するためには好ましくない。
本発明の高ガスバリア性フィルムを得るためは、第1層の無機化合物上にエポキシ樹脂組成物を主成分とする層(第2層)を形成、乾燥させた後、有機シロキサンを主成分とする層(第3層)を形成させ、乾燥することが効果的である。乾燥条件としては、前記エポキシ樹脂組成物からなる第2層、有機シロキサンコート用組成物からなる第3層を形成させた後ともに、好ましくは40〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60〜100℃である。40℃より低温であると乾燥に時間を要し、生産性に劣ることがある。200℃より高温であると、乾燥が速すぎて有機シロキサン組成物が緻密な層を形成することができなくなり、気体バリア性が低下することがある。乾燥時の湿度は、好ましくは20%Rh以下、より好ましくは10%Rh以下である。乾燥時の湿度が20%Rhより高いと、被覆用組成物に含まれるSiOR1基(R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)の反応コントロールが困難で、有機シロキサン層が白濁したり、気体バリア性が低下してしまう問題がある。
本発明において、高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムのI(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置およびピーク幅の値はアプライド サーフェス サイエンス(Applied Surface Science)vol.172(2001)第301−311頁、「チャートで見るFT−IR」(講談社サイエンティフィック第11−17頁、第36−37頁、第114−117頁)記載の方法にしたがって測定することが可能である。すなわち、高分子フィルムおよび無機化合物層全体のATRスペクトルを測定後、高分子フィルムの吸収を差し引き、ピーク分割を行う。3400cm-1付近のピークはOHの伸縮振動による吸収であり、その積分強度をI(OH)とする。また、例えば、高分子フィルムがポリエチレンテレフタレートの場合、I(BASE)は1505cm-1のベンゼン環の面内骨格振動(炭素間の伸縮振動)の積分強度となる。I(OH)/I(BASE)の値は、第1層の無機物内の水分量を定量的に表し、その値が高いほど、無機化合物層内の水分量が多くなり、無機化合物層が吸着水を多く含むことで欠陥が減少し、緻密化するので、ガスが透過しにくくなる。
また、AlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピークをP(LO)とする。P(LO)のピーク位置が高波数になり、ピーク幅が狭くなると蒸着膜表面が微結晶化し、緻密性が向上して酸素、水蒸気ガスの透過ボリュームが低下し、酸素ガス、水蒸気ガスが透過しにくくなる。
本発明において、高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムは、ガスバリア性向上の観点から、ATR法で測定したI(OH)/I(BASE)が10〜13であることが好ましい。ATR法で測定したI(OH)/I(BASE)の値が10未満となると、第1層内の無機化合物層内の水分量が減少し、第2層のエポキシ樹脂組成物が第1層に入り込みすぎ、緻密にならないので、ガスの透過を抑えることが出来ず高ガスバリア性が達成できない。また、P(LO)のピーク位置およびピーク幅は、第1層の無機化合物層を緻密化し第2層のコーティングで効果的に酸素、水蒸気透過を抑える観点から、P(LO)のピーク位置が919〜925cm-1、P(LO)のピーク幅が135〜137cm-1であることが好ましい。ATR法で測定したP(LO)のピーク位置が919cm-1より低く、ピーク幅が137cm-1より大きいと、第1層目の無機化合物層の結晶化が進まず、第2層目をコーティングした際に酸素、水蒸気の透過を抑えることが出来ず高ガスバリア性が達成できない。ATR法で測定したP(LO)のピーク位置が925cm-1より高く、ピーク幅がより小さい135cm-1より小さいと、第1層目の無機化合物層の結晶化が進みすぎ、第2層目のコーティング剤が無機化合物中に入り込まず酸素、水蒸気の透過を抑えることが出来ず高ガスバリア性が達成できない。
I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅を上記範囲内にする方法としては、高分子フィルムを巻きだしたのち、次いで金属を蒸気化させる際、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側の導入酸素量の1/5〜1/4に設定しフィルム表面上に無機化合物層を形成後、一定条件下で湿熱処理を行う方法が挙げられる。高分子フィルムを巻きだしてフィルム表面上に無機化合物層を形成後に湿熱処理が行われないと、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置の値を上記範囲内にすることは困難となる場合がある。
I(OH)/I(BASE)、P(LO)の値を上記範囲内にする方法としては、高分子フィルムを巻きだしたのち、次いで金属を蒸気化させ、フィルム表面上に無機化合物物層を形成する際に、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側の導入酸素量の1/5〜1/4にして、かつ、製膜後の酸化アルミニウムを25〜100℃、40〜100%RHの範囲で湿熱処理を行う方法が挙げられる。高分子フィルムを巻きだしてフィルム表面上に無機化合物層を形成する際に導入酸素比率を決定し、後に湿熱処理が行われないと、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅の値を上記範囲内にすることは困難となる場合がある。
高分子フィルム上に形成する無機化合物層の厚みは素材により一概に言えないが、例えば、酸化アルミニウム等の蒸着膜の場合は、0.002〜0.3μmが好ましく、より好ましくは、0.003〜0.2μm、さらに好ましくは0.005〜0.01μmがよい。酸化アルミニウム蒸着膜の膜厚がかかる好ましい範囲であると、その膜の柔軟性を保てるので、膜にクラック等が発生しにくくなり、酸素ガス、水蒸気ガスによる膜の修復が容易となる。また、ピンホール等の影響が小さく、酸素分子の透過を酸化アルミ蒸着膜によって十分に阻止でき高バリア性を維持できるので好ましい。
本発明に使用する高分子フィルムとしては、有機高分子化合物からなるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマからなるフィルムを使用することができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムである。高分子フィルムを構成するポリマは、ホモポリマー、コポリマーのいずれでもよいし、また、単独またはブレンドして用いることができる。
また、高分子フィルムとして、単層フィルム、あるいは、2層以上の共押し出し法で製膜したフィルムや、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用することができる。
本発明に使用する高分子フィルムの厚さは特に限定されないが、無機化合物を形成する時の安定性等から、5〜100μmが好ましく、より好ましくは、7〜60μmである。
本発明に使用する高分子フィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加したフィルム等も用いることができる。帯電防止剤を添加することで、フィルムを巻き取り後、巻き出したとき3層積層時の有機シロキサンコート上に起こる剥離帯電を防止し、層の脱離に効果がある。また、可塑剤、滑剤、充填剤等の添加剤を添加することで、フィルム表面形状を最適化し、3層積層時の有機シロキサンコート後のガスバリア性を最も良く発現することが可能である。
本発明の高ガスバリア性フィルムは、包装材料や包装体の一部として用いる観点からは、酸素透過率は1.0cc/m2・atm・24h以下であることが好ましい。より好ましくは0.8cc/m2・atm・24h以下、更に好ましくは0.5cc/m2・atm・24h以下であり、かつ、水蒸気透過率は、1.0g/m2・24h以下であることが好ましく、より好ましくは0.8g/m2・24h以下、更に好ましくは0.5g/m2・24h以下である。
次に、第1層目の無機化合物層として酸化アルミニウム蒸着膜を形成する場合を例にとって、本発明の高ガスバリア性フィルムを製造する方法の一例を具体的に説明する。
巻き取り式真空蒸着装置を使用し、高分子フィルムを基材とし、真空蒸着装置の巻き取り室から、高分子フィルムを巻きだし、巻き出し側のガイドロールを介して、クーリングドラムに導入する。アルミニウムワイヤーをボートに導入して、抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、酸素を導入することで、導入された高分子フィルムの片面に酸化アルミニウムの蒸着膜を形成する。このとき巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側の導入酸素量の1/5〜1/4以下に設定する。その後、巻き取り側のガイドロールを介して、巻き取りロールに巻き取る。
このようにして、得られた蒸着フィルムを取り出し、25〜100℃、40〜100%RHに設定した恒温恒湿槽内で湿熱処理を行う。湿熱処理を行う場合は、ロール状でも良いし、シート状でも良い。また、巻き取りロールを取り出す前に蒸着装置内で行っても良い。
上記の第1層目の蒸着フィルム上に乾燥時の膜厚が0.005〜5.0μmになるように第2層目のエポキシ樹脂組成物を塗布する。塗布後25〜100℃に設定した熱風オーブン中で効果処理を行う。第3層目に有機シロキサンポリマーを塗布する。塗布後、60〜150℃で10秒以上乾燥させ、溶媒を飛ばす。その後、25〜100℃に設定した熱風オーブン中で硬化処理を行う。いずれの塗布、乾燥、硬化処理はロール状で行っても良いし、シート状で行っても良い。
高分子フィルム上に無機化合物層を形成する方法は特に限定されず、例えば、アルミニウム等の金属等を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって、形成される。このようにして形成された膜中には欠陥が存在するためガス透過が完全には阻止できず、ガスバリア性には限界がある。そのため、本発明では、エポキシ樹脂組成物を主成分とする層、有機シロキサンを主成分とする層を設け、エポキシ樹脂組成物で無機化合物の欠陥を塞ぎ、有機シロキサンがエポキシ樹脂組成物中に入り込むことで高ガスバリア性が達成できる。また、高分子フィルム上に形成した無機化合物層(第1層)を温度25〜100℃、40〜100%RHの範囲で湿熱処理を行うことにより高いバリア性を得ることができる。蒸着後の膜中には欠陥が存在し、その状態でエポキシ樹脂組成物コートを行っても欠陥が十分に閉塞されず、高いバリア性を得にくくなる場合がある。エポキシ樹脂組成物コートを行うフィルムとしては、上述の方法で高分子フィルム上に無機化合物を形成したフィルムであれば特に限定されないが、ATR法で測定したI(OH)/I(BASE)が10〜13より大きいものが好ましく、より好ましくは10.5〜12.8、さらに好ましくは11〜12.5が良い。P(LO)のピーク位置は919〜925cm-1のものが好ましく、より好ましくは920〜924cm-1、さらに好ましくは921〜923cm-1が良い。P(LO)のピーク幅は135〜137cm-1が好ましく、より好ましくは135.3cm-1〜136.8、さらに好ましくは135.8〜136.2cm-1以下のものが良い。
本発明の方法で製造されたフィルムは、例えば、他の樹脂フィルム、紙基材、金属素材、合成紙、セロハン、その他等の包装用容器を構成する包装用素材等と任意に組み合わせ、ラミネートして種々の積層体を製造することもできる。これらの積層体は、例えば、種々の物品を包装するのに適した包装材料として用いることができる。
上記した他の樹脂フィルムとしては、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等、いずれのものでも使用することができる。また、その厚さは、数μmから数100μmの範囲から選択して使用することができる。また、そのフィルム性状は、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状でもよい。使用する樹脂素材は特に限定されず、具体的な素材としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンアクリル酸またはメタクリル酸共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリルブタジェンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース、等から任意に選択して使用することができる。
また、上記した紙基材としては、坪量80〜600g/m2のものが好ましく、より好ましくは、坪量10〜450g/m2 のものを使用することが望ましい。具体的には、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
また、上述の金属素材としては、例えば、アルミニウム箔、あるいは、アルミニウム蒸着膜を有する樹脂フィルム等を使用することができる。
本発明の製造方法で得られる高ガスバリア性フィルムを用いて積層体を得る方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法で好ましく製造される。
本発明の製造方法で得られたフィルムの表面に、必要に応じて、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を施した上で、ポリエステル系、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等を使用して、公知の包装材料をラミネートする方法等により製造することができる。ここで、ラミネート方法は特に限定されず、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法、その他の方法等を使用することができる。
次に、積層体を使用して、製袋ないし製函する方法について説明する。例えば、包装用容器として高分子フィルム等からなる軟包装袋を形成する場合、上記のような方法で製造した積層体を使用し、その内層のヒートシール性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒートシールしてシール部を設けて袋体を構成することができる。また、その製袋方法としては、積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装用容器を製造することもできる。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、上記の積層体を使用してチューブ容器等を製造することもできる。ここで、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。なお、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピースタイプ、ツウーピースタイプ、その他の注出口、あるいは開閉用ジッパー等を任意に取り付けることができる。
また、包装用容器として、紙基材を含む液体充填用紙容器を製造する場合、例えば、積層体として、本発明の製造方法で得られた高ガスバリア性フィルムに紙基材を積層した積層体を製造し、該積層体から所望の紙容器を製造するブランク板を製造後、このブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。また、その容器の形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
本発明の製造方法で得られた高ガスバリア性フィルムを使用した容器は、酸素ガス等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネート加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性に優れ、また、バリア性膜としての無機物の剥離を防止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防止して、バリア性膜として優れた耐性を発揮し、例えば、食品、医薬品、洗剤、シャンプー、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の包装適性、保存適性等に優れているものである。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明を説明する。なお、製造したフィルムの特性は下記の条件下で測定した。
A.(I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置およびピーク幅の値の測定方法)
アプライド サーフェス サイエンス(Applied Surface Science)vol.172(2001)第301−311頁、「チャートで見るFT−IR」(講談社サイエンティフィック第11−17頁、第36−37頁、第114−117頁)記載の方法にしたがって測定した。すなわち、高分子フィルムおよび無機化合物層全体のATRスペクトルを測定後、高分子フィルムの吸収を差し引き、ピーク分割を行った。3400cm-1付近のピークはOHの伸縮振動による吸収であり、その積分強度をI(OH)とした。また、1505cm-1のピークは、ポリエチレンテレフタレートのベンゼン環の面内骨格振動(炭素間の伸縮振動)による吸収であり、その積分強度をI(BASE)とし、I(OH)/I(BASE)を求める。AlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピークをP(LO)とし、そのピーク幅の値を求めた。
アプライド サーフェス サイエンス(Applied Surface Science)vol.172(2001)第301−311頁、「チャートで見るFT−IR」(講談社サイエンティフィック第11−17頁、第36−37頁、第114−117頁)記載の方法にしたがって測定した。すなわち、高分子フィルムおよび無機化合物層全体のATRスペクトルを測定後、高分子フィルムの吸収を差し引き、ピーク分割を行った。3400cm-1付近のピークはOHの伸縮振動による吸収であり、その積分強度をI(OH)とした。また、1505cm-1のピークは、ポリエチレンテレフタレートのベンゼン環の面内骨格振動(炭素間の伸縮振動)による吸収であり、その積分強度をI(BASE)とし、I(OH)/I(BASE)を求める。AlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピークをP(LO)とし、そのピーク幅の値を求めた。
B.(高分子フィルム上の無機化合物層(第1層)を有するフィルムの第1層と第2層の界面のAl濃度、C濃度、O濃度および第2層と第3層の界面のSi濃度の測定方法) 表面分析技術選書 透過型電子顕微鏡(日本表面科学会偏、丸善株式会社)記載の方法にしたがって測定した。すなわち、高分子フィルムを含む層全体をミクロトームを用いた超薄切片法により切り取り分析電子顕微鏡により分析した。Al、C、O、Siの特性X線の発生量を測定し、各元素の濃度に換算した。第1層目と第2層目の界面は、第1層内のAl濃度の最大値の値が半減した場所を示す。例えば、第1層内のAl濃度の最大値が50atm%のとき、第1層と第2層との間でAl濃度が25atm%となった場所を第1層と第2層の界面とする。同様にして、第2層目と第3層目の界面は、第3層内のSi濃度の最大値の値が半減した場所を示す。各層の原子濃度の値は、「電子顕微鏡利用の基礎(共立出版株式会社)p.113〜118」「医学・生物学 電子顕微鏡観察法(丸善株式会社)p.300〜319」記載の方法にしたがって測定することができる。測定条件は以下の通りとした。
・装置:走査透過型電子顕微鏡(HRSTEM)(VG社製HB501)EDX:KEVEX DELTAplus定量トータルシステム エネルギー分散型X線分析計(Si<Li>半導体検出器、UTW型)
・測定条件 加速電圧:100kV 試料吸収電流:10-9A 計測時間:100sec。
・装置:走査透過型電子顕微鏡(HRSTEM)(VG社製HB501)EDX:KEVEX DELTAplus定量トータルシステム エネルギー分散型X線分析計(Si<Li>半導体検出器、UTW型)
・測定条件 加速電圧:100kV 試料吸収電流:10-9A 計測時間:100sec。
C.(酸素透過率の測定方法)
温度23℃、湿度0%および80%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(OXTRAN 2/20))を使用して測定した。
温度23℃、湿度0%および80%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(OXTRAN 2/20))を使用して測定した。
D.(水蒸気透過率の測定方法)
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名、“パ−マトラン”W3/31)を使用して測定した。
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名、“パ−マトラン”W3/31)を使用して測定した。
E.(高分子フィルム上に無機化合物層を形成したフィルムの湿熱処理方法)
作製したA4サイズのフィルムを所定温度、所定湿度に設定した恒温恒湿器(株式会社 ナガノ科学機械製作所製形式 LH−20−4M)に投入し所定時間の湿熱処理を行った。
作製したA4サイズのフィルムを所定温度、所定湿度に設定した恒温恒湿器(株式会社 ナガノ科学機械製作所製形式 LH−20−4M)に投入し所定時間の湿熱処理を行った。
F.(第2層、第3層の乾燥方法)
各層形成後、所定温度に設定したオーブン(タバイエスペック株式会社製のTEMPERTURE CHAMBER(MODEL GPHH−200))に投入し、所定時間て熱処理を行った。
各層形成後、所定温度に設定したオーブン(タバイエスペック株式会社製のTEMPERTURE CHAMBER(MODEL GPHH−200))に投入し、所定時間て熱処理を行った。
(実施例1)
図1に示す装置構造の巻き取り式の真空蒸着装置を使用し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー12T705)を基材とし、その片面に、アルミニウムを蒸着源に用いて抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、膜厚0.01μmの酸化アルミニウムの蒸着膜(第1層)を設けたフィルムを製造した。
図1に示す装置構造の巻き取り式の真空蒸着装置を使用し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー12T705)を基材とし、その片面に、アルミニウムを蒸着源に用いて抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、膜厚0.01μmの酸化アルミニウムの蒸着膜(第1層)を設けたフィルムを製造した。
図1は無機化合物層(第1層)を形成する製造方法を実施するための巻き取り式真空蒸着装置の一例の概略を模式的に示す装置構成図である。まず、巻き取り式真空蒸着装置1の巻き取り室2の中で、巻き出しロール6に高分子フィルム16をセットし、巻出し、ガイドロール8、9、10を介して、クーリングドラム16に通す。ボート5上にはアルミニウム等のワイヤーが導入されていて、ボート5上からアルミニウムが蒸発され、巻き出し側酸素導入装置14、巻き取り側酸素導入装置15から酸素を導入するので、このクーリングドラム17上の位置において高分子フィルム16の表面上に酸化アルミニウム蒸着膜が形成される。その後、このアルミニウム蒸着膜が形成された高分子フィルム16を、ガイドロール13、12、11を介して、巻き取りロール7に巻き取る。巻き取り側導入酸素量を巻き出し側酸素導入量の1/20にして、得られた蒸着フィルムをシート状で恒温恒湿層内で、60℃、80%RHで48時間で湿熱処理をした。該フィルムの第1層表面に、下記の方法で作製したエポキシ樹脂組成物コーティング用組成物を塗布し、110℃で0.5分乾燥後、塗布厚3g/m2のエポキシ樹脂を主成分とする層(第2層)を有するフィルムを得た。その後、下記の方法で作製した有機シロキサンコーティング組成物を110℃で0.5分乾燥後、40℃で48時間処理して塗布厚0.3g/m2の有機シロキサンを主成分とする層(第3層)を有する高ガスバリア性フィルムを得た。
(エポキシ樹脂コーティング用組成物の作製方法)
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製; TETRAD−X)を50重量部および下記のエポキシ樹脂硬化剤を132重量部含むメタノール/酢酸エチル=1/1溶液(固形分濃度;30重量%)を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌し、塗布液を得た。
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製; TETRAD−X)を50重量部および下記のエポキシ樹脂硬化剤を132重量部含むメタノール/酢酸エチル=1/1溶液(固形分濃度;30重量%)を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌し、塗布液を得た。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目の界面のAl、C、O濃度、第2層目と第3層目のSi濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、12atm%、20atm%、10atm%、13atm%、12.4、921cm−1、135cm−1、0.25cc/m2・atm・24h、0.26cc/m2・atm・24h、0.30g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(実施例2)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を用いた以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を用いた以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.33molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.33molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.33molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.33molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目の界面のAl、O、C濃度、第2層と第3層の界面のSi濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、12atm%、9atm%、20atm%、10atm%、12.4、921cm−1、135cm−1、0.30cc/m2・atm・24h、0.35cc/m2・atm・24h、0.25g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(実施例3)
巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、13atm%、18atm%、14atm%、13atm%、10.2、913cm−1、137cm−1、0.31cc/m2・atm・24h、0.33cc/m2・atm・24h、0.40g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(実施例4)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を25℃、湿度を40%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を25℃、湿度を40%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.22molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.22molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が50重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.22molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.22molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が50重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン21g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]62gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン21g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]62gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、11atm%、8atm%、34atm%、33atm%、9.8、913cm−1、136cm−1、0.32cc/m2・atm・24h、0.38cc/m2・atm・24h、0.42g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(実施例5)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、湿熱処理の温度80℃、湿度を80%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、湿熱処理の温度80℃、湿度を80%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.28molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.30molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で170℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が45重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.28molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.30molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で170℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が45重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]32gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール10gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]32gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、18atm%、5atm%、6atm%、7atm%、13.2、920cm−1、138cm−1、0.52cc/m2・atm・24h、0.63cc/m2・atm・24h、0.55g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例1)
第1層目の酸化アルミニウム蒸着のみ行った以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着フィルムを作製した。
第1層目の酸化アルミニウム蒸着のみ行った以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着フィルムを作製した。
得られたフィルムのI(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、12.4、921cm−1、135cm−1、1.40cc/m2・atm・24h、1.36cc/m2・atm・24h、0.70g/m2・24hであった。結果を表1〜3に示す。
(比較例2)
巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/3、湿熱処理の温度20℃、湿度35%RHにして、エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]10g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、テトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]80gとした以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/3、湿熱処理の温度20℃、湿度35%RHにして、エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]10g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、テトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]80gとした以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、21atm%、19atm%、21atm%、20atm%、19.0、921cm−1、135cm−1、1.81cc/m2・atm・24h、2.82cc/m2・atm・24h、5.52g/m2・24hであった。結果を表1〜3に示す。
(比較例3)
有機シロキサンコート処理のみを行った以外は、実施例1と同様にして有機シロキサンコートフィルムを作製した。
有機シロキサンコート処理のみを行った以外は、実施例1と同様にして有機シロキサンコートフィルムを作製した。
得られたフィルムの有機シロキサン層のSi、O、C濃度、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、32atm%、19.3cc/m2・atm・24h、15.0cc/m2・atm・24h、55.8g/m2・24hであった。結果を表1〜3に示す。
(比較例4)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を35℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を35℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.66molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.66molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が72重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.66molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.66molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が72重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン40g、メタノール180gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]70gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン40g、メタノール180gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]70gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、8atm%、21atm%、23atm%、20atm%、11.0、922cm−1、136cm−1、1.35cc/m2・atm・24h、1.38cc/m2・atm・24h、1.02g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例5)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を62%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を62%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.8molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.76molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で170℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.8molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.76molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で170℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30g、メタノール210gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30g、メタノール210gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて48時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、21atm%、12atm%、33atm%、12atm%、11.2、923cm−1、135cm−1、1.21cc/m2・atm・24h、1.22cc/m2・atm・24h、1.05g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例6)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/4、湿熱処理の温度を40℃、湿度を62%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/4、湿熱処理の温度を40℃、湿度を62%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.4molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.36molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が40重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.4molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.36molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が40重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン18g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]50gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン18g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]50gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、20atm%、4atm%、26atm%、10atm%、11.1、923cm−1、136cm−1、2.30cc/m2・atm・24h、2.25cc/m2・atm・24h、2.58g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例7)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を60%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.90molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.90molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.90molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.90molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]13g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]60gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、18atm%、28atm%、23atm%、34atm%、10.5、919cm−1、136cm−1、1.95cc/m2・atm・24h、1.90cc/m2・atm・24h、1.82g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例8)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/10、湿熱処理の温度を40℃、湿度を55%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/10、湿熱処理の温度を40℃、湿度を55%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.88molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.88molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が65重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下100℃に昇温し、0.88molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.88molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が65重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]12g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン22g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]55gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]12g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン22g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]55gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、17atm%、24atm%、3atm%、24atm%、10.3、920cm−1、137cm−1、1.02cc/m2・atm・24h、1.10cc/m2・atm・24h、1.88g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例9)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/10、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/10、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.2molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.2molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で150℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が35重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.2molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.2molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で150℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が35重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]18g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン12g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]25gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]18g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン12g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]25gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、12atm%、3atm%、34atm%、8atm%、10.2、921cm−1、137cm−1、3.52cc/m2・atm・24h、3.46cc/m2・atm・24h、4.55g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例10)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.22molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.22molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で150℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が35重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.22molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.22molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で150℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が35重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]15g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]12gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]15g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]12gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、17atm%、5atm%、33atm%、4atm%、10.3、921cm−1、137cm−1、2.12cc/m2・atm・24h、2.32cc/m2・atm・24h、2.52g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
(比較例11)
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂硬化剤に下記のエポキシ樹脂硬化剤を、有機シロキサンコーティング用組成物を用い、巻き取り側の導入酸素量を巻き出し側導入酸素量の1/5、湿熱処理の温度を40℃、湿度を50%RHに設定した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着、エポキシ樹脂組成物、有機シロキサンフィルムを作製した。
(エポキシ樹脂硬化剤)
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.72molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.72molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下130℃に昇温し、0.72molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で0.5時間攪拌し、さらに、0.72molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら2時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
(有機シロキサンコーティング用組成物の作製方法)
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]15g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]45gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
エポミンSP−018[ポリエチレンイミン、(株)日本触媒の商品名]15g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30g、メタノール200gを混合して、80℃で4時間反応した。室温まで冷却後、水3gとメタノール20gの混合液を加えて1時間反応後、さらにテトラメトキシシランオリゴマー[Mシリケート51、多摩化学(株)の商品名]45gとメタノール200gの混合液を加えて40時間反応し、有機シロキサンコーティング用組成物を得た。
得られたフィルムの第1層目と第2層目のAl、O、C濃度、第2層目のSi、濃度、I(OH)/I(BASE)、P(LO)のピーク位置、ピーク幅、23℃ 0%RHでの酸素透過率、23℃ 80%RHでの酸素透過率、水蒸気透過率を測定したところ、それぞれ、10atm%、17atm%、22atm%、36atm%、10.9、920cm−1、136cm−1、1.23cc/m2・atm・24h、1.24cc/m2・atm・24h、3.83g/m2・24hであった。結果を表1、2に示す。
高ガスバリア性フィルムは、酸素ガス、水蒸気等に対する高ガスバリア性を有し、例えば、食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために有用である。
1:高分子フィルム
2:無機化合物層(第1層)
3:第2層
4:第3層
5:巻き取り式真空蒸着装置
6:巻き取り室
7:蒸着室
8:隔壁
9:ボート
10:巻き出しロール
11:巻き取りロール
12、13、14:巻き出し側のガイドロール
15、16、17:巻き取り側のガイドロール
18:巻き出し側酸素導入装置
19:巻き取り側酸素導入装置
20:高分子フィルム(基材フィルム)
21:クーリングドラム
2:無機化合物層(第1層)
3:第2層
4:第3層
5:巻き取り式真空蒸着装置
6:巻き取り室
7:蒸着室
8:隔壁
9:ボート
10:巻き出しロール
11:巻き取りロール
12、13、14:巻き出し側のガイドロール
15、16、17:巻き取り側のガイドロール
18:巻き出し側酸素導入装置
19:巻き取り側酸素導入装置
20:高分子フィルム(基材フィルム)
21:クーリングドラム
Claims (6)
- 高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムの第1層表面に、第1層と第2層の界面のAl濃度が10〜20atm%、C濃度が5〜25atm%、O濃度が5〜35atm%となる第2層を設け、さらに、第2層と第3層の界面のSi濃度が5〜35atm%である第3層を設けることを特徴とする高ガスバリア性フィルム。
- 高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムが、ATR法で測定したI(OH)/I(BASE)が10〜13である請求項1に記載の高ガスバリア性フィルム。
- 高分子フィルム上に無機化合物層(第1層)を有するフィルムの、AlOxの伸縮振動のLO(縦光学モード)のピークP(LO)のピーク位置が919〜925cm-1、かつ前記P(LO)のピーク幅が135〜137cm-1である請求項1または2に記載の高ガスバリア性フィルム。
- 無機化合物層を構成する無機化合物が、酸化アルミニウムである請求項1〜3のいずれかに記載の高ガスバリア性フィルム。
- 高分子フィルム上に形成した無機化合物層表面にエポキシ樹脂組成物コートを行い、巻き取るまでの間に有機シロキサンコート処理を行うことを特徴とする高ガスバリア性フィルムの製造方法。
- 無機化合物層形成時の巻き取り側の導入酸素量が巻き出し側の導入酸素量の1/5〜1/4であり、かつ、高分子フィルム上に無機化合物層を形成したフィルムを25〜100℃、40〜100%RHの範囲で湿熱処理を行った無機化合物層表面にエポキシ樹脂組成物コートを行い、巻き取るまでの間に有機シロキサンコート処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高ガスバリア性フィルムの製造方法。
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JP2004072128A JP2005254712A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | 高ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-03-15 JP JP2004072128A patent/JP2005254712A/ja active Pending
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