JP2005254613A - 画像記録方法及びプリンタ及び記録材料 - Google Patents

Abstract

【課題】 画像データに基づく対象画像と、テンプレート画像との合成画像を容易に、且つ短時間で記録する。
【解決手段】 記録紙ロール１３は、長尺の感熱記録紙１２からなる。記録紙ロール１３がプリンタ１１に装填される前に、感熱記録紙１２の表面１２ａには、背景画像、図柄、文字などからなるテンプレート画像が予め印画されており、裏面１２ｂには、テンプレート画像が形成されていない画像記録領域の位置を識別するための画像記録パターンが印画されている。光学式センサ３１が画像記録パターンを検出したときにサーマルヘッド３０が駆動され、画像記録領域に画像データに基づく画像を記録する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、画像データに基づく画像を記録材料に記録する画像記録方法と、この画像記録方法を用いたプリンタと、このプリンタで使用される記録材料に関するものである。

記録紙に対して画像を記録するものとしては、インクジェットヘッドを用いたプリンタや、サーマルヘッドを用いたプリンタなどがある。最近では、観光地や、街の現像店などの店頭にプリンタが置かれており、このプリンタに、デジタルカメラで撮影した画像が記憶されているメモリカードなどの記憶メディアを装着し、記憶メディアから読み出された画像データに基づく画像を記録紙に記録してハードコピーを得るというサービスが一般的となっている。さらに、特許文献１に記載されているような画像合成装置では、様々な背景画像や、特殊な文字、図柄などからなるテンプレート画像をメディアから読み出した画像と合成して、記録紙に記録することもできる。

特開平１１−２３４５０６号公報

しかしながら、上述したようなプリンタでは、メディアから読み出した対象画像と、背景画像や、文字、図柄とのデータ上での合成処理などを経てから、記録ヘッドを動作させて、記録紙への記録を行うため、観光地や店頭でこのようなプリンタのサービスを利用するユーザーは、プリンタを操作してから実際にハードコピーが得られるまでに非常に長い待ち時間が必要となっていた。

本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、画像データに基づく対象画像と、予め設定されているテンプレート画像とを合成して記録材料に記録することが容易で、且つ短時間に印画を行うことが可能な画像記録方法、及びこれを用いたプリンタ、及びこのプリンタで使用される記録材料を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の画像記録方法では、複数の記録素子を主走査方向に並べてなる記録ヘッドを用いて、記録材料又は記録ヘッドを副走査方向に送り、画像データに基づく対象画像を前記記録材料に記録する画像記録方法において、テンプレート画像が予め印画されている前記記録材料を使用し、この記録材料の所定の記録領域に前記対象画像を記録することを特徴とする。

本発明のプリンタでは、複数の記録素子を主走査方向に並べてなる記録ヘッドを備えており、記録材料又は記録ヘッドを副走査方向に送り、画像データに基づく対象画像を前記記録材料に記録するプリンタにおいて、テンプレート画像が予め印刷されている前記記録材料を使用し、この記録材料の所定の記録領域に前記対象画像を記録することを特徴とする。なお、前記記録材料には、前記対象画像が記録される所定の記録領域に関する情報を識別するための識別手段が設けられており、この識別手段から前記記録領域を読み出す読み出し手段を備えていることが好ましい。

本発明の記録材料では、プリンタによって画像形成領域内に印画が行われる記録材料において、前記画像形成領域内にテンプレート画像が予め印画されているとともに、前記プリンタが画像データに基づく対象画像を記録する所定の記録領域が設定されていることを特徴とする。なお、前記記録領域に関する情報を識別するための識別手段が設けられていることが好ましい。

本発明では、テンプレート画像が予め印画されている前記記録材料を使用し、複数の記録素子を主走査方向に並べてなる記録ヘッドを用いて、記録材料又は記録ヘッドを副走査方向に送り、画像データに基づく対象画像を前記記録材料の所定の記録領域に記録しているので、画像データから読み出された対象画像と、予め設定されているテンプレート画像とを合成して記録材料に記録することが容易で、且つ短時間に印画を行うことができる。よって、プリンタが店頭においてある場合、短時間でハードコピーを得ることができる。

図１は、本発明を実施したカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。このカラー感熱プリンタ（以下、プリンタという。）１１は、記録材料として長尺のカラー感熱記録紙（以下、感熱記録紙という。）１２を使用する。この感熱記録紙１２は、ロール状に巻かれた記録紙ロール１３の形態でプリンタ１１の記録紙マガジン１６内に装填される。このプリンタ１１は、図２に示すように、背景画像、図柄、文字などからなるテンプレート画像２１と、ユーザーが所有する画像データに基づく対象画像２２とを感熱記録紙１２に印画して、合成画像２５を形成する装置である。テンプレート画像２１は、後述するように、記録紙ロール１３の形態で供給される前に、予め感熱記録紙１２に印画されており（図２（Ａ）、図３（Ａ）に示す状態）、対象画像２２は、ユーザーの操作に基づいてプリンタ１１が感熱記録紙１２に記録する（図２（Ｂ）、図３（Ｂ）に示す状態）。プリンタ１１は、メモリカード１７が着脱自在に取り付けられるカードスロット１８を備えており、このカードスロット１８に装着されたメモリカード１７から、プリンタ１１の全体を制御するマイクロコンピュータ２０が画像データを読み出し、感熱記録紙１２に画像を記録することができる。

記録紙ロール１３は、図４に示すように、樹脂成形された円筒状の巻芯１４に長尺の感熱記録紙１２が巻き付けられて形成されている。なお、本実施形態では、巻芯１４を樹脂成形品としたが、これに限らず例えば紙管でもよい。

感熱記録紙１２は、周知のように、支持体の記録面側にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は、その熱感度が高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は、熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーを与えたときにシアンに発色する。また、中間層となるマゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層とのほぼ中間の大きさの熱エネルギーを与えたときにマゼンタに発色する。

また、イエロー感熱発色層は、４２０ｎｍの近紫外線が照射されたときに、発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、３６５ｎｍの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。

さらに、感熱記録紙１２は、図３に示すように、その表面１２ａにテンプレート画像２１が、裏面１２ｂに画像記録パターン２６が予め印画されている。テンプレート画像２１は、１コマ分の合成画像形成領域２７のうち、対象画像２２を記録するための対象画像記録領域２８を除く全ての領域２９に印画されており、このテンプレート画像領域２９は、詳しくは図２に示すように、対象画像記録領域２８の上方に位置する第１領域２９ａ，下方に位置する第２領域２９ｂからなる。なお、テンプレート画像２１としては、これらに限らず合成画像形成領域２７の少なくとも一部分に印画されてあればよく、１コマ分の全ての領域に印画されていてもよい。

テンプレート画像２１としては、図柄や、文字、背景画像などが印画されており、例えばプリンタ１１が観光地に置いてある場合は、観光地の名所を表す背景画像や名称などが印画されているものを使用する。また、ユーザの操作によって複数種類のテンプレート画像のうちから選択できるようにしてもよい。なお、このテンプレート画像２１は、工場などで予め印画を行って記録紙ロール１３となった状態で市場に供給されるものでもよく、プリンタ１１とは別のプリンタを用意し、１ロール分のテンプレート画像の記録を終えた感熱記録紙１２をロール状に巻いて記録紙ロール１３としたものを使用してもよい。

裏面１２ｂに形成された画像記録パターン２６は、表面１２ａに形成された対象画像記録領域２８に対応するように、感熱記録紙１２の搬送方向、すなわち副走査方向に沿って帯状に形成されており、この画像記録パターン２６の副走査方向に対して先端側に位置する境界線２６ａは対象画像記録領域２８の記録開始位置２８ａに対応しており、後端側の境界線２６ｂは記録終了位置２８ｂに対応している。

サーマルヘッド３０の近傍、且つ光定着器４５側で感熱記録紙１２の裏面１２ｂと対面する位置には、光学式センサ３１が設けられている。光学式センサ３１は、画像記録パターン２６を検出し、マイクロコンピュータ２０へ送信する。

マイクロコンピュータ２０は、画像記録パターン２６の先端側の境界線２６ａが検出されたとき、サーマルヘッド３０を駆動し、対象画像記録領域２８への対象画像２２の記録を開始する。そして、画像記録パターン２６が検出されている間は対象画像２２の記録を継続し、画像記録パターン２６の後端側の境界線２６ｂが検出されたとき、対象画像２２の記録を停止する。

記録紙マガジン１６の内部には、搬送モータ３３によって回転される給紙ローラ３６が設けられている。搬送モータ３３は、パルスモータであり、モータドライバ３４から入力されたパルスによって駆動される。給紙ローラ３６は、記録紙ロール１３から長尺の感熱記録紙１２を引き出してサーマルヘッド３０へ向けて給送する。サーマルヘッド３０近傍には、搬送ローラ３７が設けられている。搬送ローラ３７は、給紙ローラ３６と同様に搬送モータ３３によって回転されるものであり、給紙ローラ３６によって給送されてきた感熱記録紙１２をニップして、ほぼ直線状に設けられた搬送路３８に沿い、サーマルヘッド３０に対して、感熱記録紙１２を副走査方向に沿って図中左方のα方向（給紙方向）と、図中左方のβ方向（巻戻方向）とに往復移動させる。

サーマルヘッド３０は、搬送路３８の上方に配置されており、その下面には、それぞれが１画素分の印画を行う多数の発熱素子を主走査方向に沿ってライン状に配列した発熱素子アレイ３０ａを備えている。また、搬送路３８の途中には、サーマルヘッド３０の発熱素子アレイ３０ａと対峙する位置に、プラテンローラ３９が設けられ、感熱記録紙１２を発熱素子アレイ３０ａに向かって付勢する。発熱素子アレイ３０ａはヘッドドライバ４４によって、各発熱素子が所定の温度に発熱され、感熱記録紙１２の各感熱発色層を発色させる。また、サーマルヘッド３０の下流には、光定着器４５が設けられ、プリンタ１１の出口１１ａ近傍には、カッター４６，排紙ローラ４７が設けられている。

光定着器４５は、３６５ｎｍの紫外線を感熱記録紙１２に放射してマゼンタ感熱発色層を定着するマゼンタ用紫外線ランプ４５ａと、４２０ｎｍの近紫外線を感熱記録紙１２に放射してイエロー感熱発色層を定着するイエロー用紫外線ランプ４５ｂと、これらの背後に設けられ、照射効率を上げるリフレクタ４５ｃとからなる。

また、マイクロコンピュータ２０には、入力操作部４８が接続されており、ユーザーはこの入力操作部４８を操作して、画像選択、プリント開始などの入力操作を行う。さらにまた、マイクロコンピュータ２０には、メディアコントローラ４９が接続されており、このメディアコントローラ４９を制御してメモリカード１７から画像データを読み出す。なお、画像データの入力手段としては、これに限らず、ＣＤやＤＶＤなどのメディアを読み取る読み取り装置を設け、これらのメディアに書き込まれた画像データを読み込んで画像を記録してもよいし、デジタルカメラやパーソナルコンピュータなどと接続、又は赤外線などで転送することによって画像データを入力してもよい。

上記のように構成されたプリンタ１１の作用を図５に示すフローチャートを参照して説明する。ユーザーは、先ずメモリカード１７をカードスロット１８にセットして、プリンタ１１で記録したい画像を入力操作部４８で選択操作する。プリンタ１１で記録したい画像が決定し、プリント開始操作が行われると、感熱記録紙１２への記録が開始される。なお、このとき、プリンタ１１には、記録紙ロール１３が既に装填されており、画像記録可能な状態となっている。また、ユーザが上述の操作を行うときに、日付や名称などの入力を行うようにしてもよい。

プリント処理が開始されると、マイクロコンピュータ２０は、給紙ローラ３６、搬送ローラ３７を回転駆動して、感熱記録紙１２をα方向へ紙送りさせる。予めテンプレート画像２１が印画されている領域２９は、サーマルヘッド３０を通り過ぎていく、そして、光学式センサ３１によって画像記録パターン２６の先端側境界線２６ａが検出され、数ライン分紙送りされた後、搬送モータ３３を逆転させて感熱記録紙１２をβ方向に巻き戻すとともにプラテンローラ３９をサーマルヘッド３０側に圧着させる。そして、再度光学式センサ３１が境界線２６ａを検出し、対象画像記録領域２８の記録開始位置２８ａがサーマルヘッド３０の発熱素子アレイ３０ａの位置に到達する。そしてこのとき、ヘッドドライバ４４の制御が開始され、ヘッドドライバ４４から印加された電源電圧によってサーマルヘッド３０の各発熱素子が通電され、対象画像記録領域２８への対象画像２２の記録を開始する。マイクロコンピュータ２０は、先ず、イエロー画像の画像データを読み出し、１ラインずつ記録していく。そして画像記録パターン２６の後端側境界線２６ｂを検出、すなわち記録終了位置２８ｂにサーマルヘッド３０の発熱素子アレイ３０ａが到達すると、イエロー画像の記録が終了する。イエロー画像の記録が終了すると、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０から離れ、搬送ローラ３７の回転が切り替わって感熱記録紙１２がα方向へ送られる。イエロー画像が記録された部分は、光定着器４５のイエロー用紫外線ランプ４５ｂの位置まで送られ、イエロー用紫外線ランプ４５ｂから４２０ｎｍの近紫外線が照射され、イエロー感熱発色層が定着される。

イエロー感熱発色層の定着終了後、搬送ローラ３７が逆回転して、感熱記録紙１２がβ方向へ巻き戻される。そして、光学式センサ３１が再び先端側境界線２６ａを検出するまで感熱記録紙１２が戻されると、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０側へ圧着され、マゼンタ画像の記録が開始され、対象画像記録領域２８の記録開始位置２８ａから記録終了位置２８ｂまでマゼンタ画像の記録が継続される。そして後端側境界線２８ｂが検出されると、マゼンタ画像の記録が終了する。マゼンタ記録後は、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０から離れ、感熱記録紙１２は、再びα方向へ送られる。マゼンタ画像が記録された部分は、光定着器４５のマゼンタ用紫外線ランプ４５ａの位置まで送られ、マゼンタ用紫外線ランプ４５ａから３６５ｎｍの紫外線が照射され、マゼンタ感熱発色層が定着される。

マゼンタ感熱発色層の定着終了後、搬送ローラ３７が逆回転して、感熱記録紙１２がβ方向へ巻き戻される。光学式センサ３１が先端側境界線２６ａを検出した位置からプラテンローラ３９がサーマルヘッド３０側へ圧着され、対象画像記録領域２８の記録開始位置２８ａから記録終了位置２８ｂまでシアン画像の記録が行われる。このシアン画像については、光定着器４５による定着は行われない。シアン画像の記録後は、搬送モータ３３を反転して感熱記録紙１２をα方向に送り、排紙ローラ４７により感熱記録紙１２がプリンタ１１の外に排出されるとともに、カッター４６が作動して感熱記録紙１２を切断する。このシート状にされた感熱記録紙１２は、プリンタ１１外の排紙トレー（図示せず）に排出される。

このようにして感熱記録紙１２に対象画像２２が記録されると、予め印画されたテンプレート画像２１と合成された合成画像２５のハードコピーを容易に得ることができる。そして、上述したように、予めテンプレート画像２１が印画されている領域２９は、感熱記録紙１２が紙送りされ、対象画像記録領域２８に到達したときからサーマルヘッド３０が駆動されて対象画像２２の印画が開始される。対象画像２２の印画が行われているときは、サーマルヘッド３０への１ラインずつの通電及び紙送りが繰り返されて画像が記録される。よって、テンプレート画像領域２９が紙送りされているときの時間と、対象画像記録領域２８に対象画像２２が記録されているときの時間を１ライン毎の時間で比較すると、テンプレート画像領域２９が紙送りされているときの時間の方が明らかに短い。なお、画像記録時は、画像データに基づいて感熱記録紙１２へ十分な熱エネルギーを印加しなければならず、このため、サーマルヘッド３０の発熱素子に通電し、発熱させなければならないので、紙送りをしているときのように時間を短縮することはできない。よって、このテンプレート画像領域２９では印画を省略し、紙送りのみをしている分だけ、プリンタ１１は画像を記録する時間を短縮し、短時間で合成画像２５のハードコピーを得ることができる。もし、従来のように、テンプレート画像を感熱記録紙１２に予め印画せずに、合成画像を全てプリンタで印画した場合には、合成画像形成領域の全ての位置でサーマルヘッド３０への１ラインずつの通電及び紙送りをして画像を記録するので、非常に時間がかかってしまうが、本実施形態ではそのようなことがない。そして、プリンタ１１が観光地や店頭などに置いてある場合、デジタルカメラなどで撮影した直後に、その画像とテンプレート画像とを合成した合成画像のハードコピーを、待ち時間を短く、迅速に得ることができるようになる。

上記第１の実施形態においては、感熱記録紙１２の裏面１２ｂに設けられた画像記録パターン２６によって、プリンタ１１が対象画像記録領域２８の位置を識別し、この識別した対象画像記録領域２８に対象画像２２を印画するようにしているが、本発明はこれに限るものではない。以下で説明する本発明の第２実施形態では、感熱記録紙１２に設けられた位置マークと、記録紙ロール１３の巻芯１４に設けられた識別手段によって、対象画像記録領域２８の位置を識別し、上記第１の実施形態と同様の効果を得ることができる。

図６は、本発明の第２の実施形態を適用したカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。なお、図６〜図８においては、上記第１の実施形態と同様の部品、部材を使用している場合には、同符号を付して説明を省略する。このカラー感熱プリンタ（以下、プリンタという。）５１は、感熱記録紙１２がロール状に巻かれた記録紙ロール５３を使用する。

記録紙ロール５３は、詳しくは図７に示すように、樹脂成形された円筒状の巻芯５４に長尺の感熱記録紙１２が巻き付けられて形成されている。なお、本実施形態では、巻芯５４を樹脂成形品としたが、これに限らず例えば紙管でもよい。

巻芯５４の端面５４ａには、巻芯５４の中心から放射方向に延びる線で構成されるバーコード５５が印刷されている。このバーコード５５は、記録紙ロール５３の装填直後に行われる給紙動作に伴う巻芯５４の回転時に、記録紙マガジン１６内に設けられたバーコードセンサ５７によって読み取られる。バーコード５５には、感熱記録紙１２の情報（以下記録紙情報という）として、感熱記録紙１２の、後述する画像記録領域情報を含む記録紙ロール５３の製品固有情報が記載されている。製品固有情報としては他に製品名，製造年月日，製造ロット番号等がある。

バーコードセンサ５７から出力されるバーコード読取信号は、マイクロコンピュータ２０に入力される。マイクロコンピュータ２０は、バーコード読取信号から得られる記録紙情報をフラッシュメモリ６１に記憶する。なお、バーコード５５を設けていないロール紙を装填した場合などに、ユーザーが入力操作部４８を操作して手入力で感熱記録紙１２の記録紙情報、特に製造年月日をフラッシュメモリ６１に記憶してもよい。

記録紙ロール１３から引き出された感熱記録紙１２には、図８に示すように、その表面１２ａにテンプレート画像２１が、裏面１２ｂに位置マーク６２が予め印画されている。この裏面１２ｂに形成された位置マーク６２は、表面１２ａに形成された画像記録領域２８の記録開始位置２８ａに合わせた位置に対応するように設けられており、感熱記録紙１２の幅方向に沿ったライン状に形成されている。

マイクロコンピュータ２０は、バーコードセンサ５７によって、記録紙ロール１３のバーコード５５を読み取るとともに、位置マーク６２を光学式センサ３１で検出することによって、対象画像記録領域２８の位置を識別し、対象画像記録領域２８に対象画像２２を記録することができる。すなわち、バーコード５５によって書き込まれている製品固有情報の中には、対象画像記録領域２８の副走査方向の寸法Ｌが記憶されており、マイクロコンピュータ２０は、記録紙ロール１３の記録紙マガジン１６への装填直後、バーコード５５を読み取ることによって、この寸法Ｌを識別することができる。そして、プリンタ５１が、感熱記録紙１２へのプリント処理で位置マーク６２を検出したとき、対象画像記録領域２８への対象画像２２の記録を開始する。そして、バーコード５５から読み取った対象画像記録領域２８の寸法Ｌに合わせて対象画像２２の記録を行う。

上記のように構成されたプリンタ５１の作用を図９に示すフローチャートを参照して説明する。プリンタ１１には、先ず記録紙ロール５３をセットしておく、この記録紙ロール５３の装填直後にバーコードセンサ５７によってバーコード５５が読み取られる。マイクロコンピュータ２０は、バーコード５５から対象画像記録領域２８の副走査方向の寸法Ｌを識別する。そして、ユーザの画像選択操作後、プリント処理が開始される。

プリント処理が開始されると、マイクロコンピュータ２０は、給紙ローラ３６、搬送ローラ３７を回転駆動して、感熱記録紙１２をα方向へ紙送りさせる。そして、光学式センサ３１によって位置マーク６２が検出され、数ライン分紙送りされた後、搬送モータ３３を逆転させて感熱記録紙１２をβ方向に巻き戻すとともにプラテンローラ３９をサーマルヘッド３０側に圧着させる。そして、再度光学式センサ３１が位置マーク６２を検出し、対象画像記録領域２８の記録開始位置２８ａがサーマルヘッド３０の発熱素子アレイ３０ａの位置に到達する。このとき、サーマルヘッド３０の駆動が開始され、対象画像記録領域２８への対象画像２２の記録を開始する。マイクロコンピュータ２０は、先ず、イエロー画像の画像データを読み出し、１ラインずつ記録していく。そして、記録開始位置２８ａから、バーコード５５が読み出した対象画像記録領域２８の副走査方向における寸法Ｌの位置までイエロー画像を記録する。イエロー画像の記録が終了すると、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０から離れ、搬送ローラ３７の回転が切り替わって感熱記録紙１２がα方向へ送られる。イエロー画像が記録された部分は、光定着器４５のイエロー用紫外線ランプ４５ｂの位置まで送られ、イエロー用紫外線ランプ４５ｂから４２０ｎｍの近紫外線が照射され、イエロー感熱発色層が定着される。

イエロー感熱発色層の定着終了後、搬送ローラ３７が逆回転して、感熱記録紙１２がβ方向へ巻き戻される。そして、光学式センサ３１が再び位置マーク６２を検出するまで、感熱記録紙１２が戻されると、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０側へ圧着され、マゼンタ画像の記録が開始され、記録開始位置２８ａから寸法Ｌの位置までマゼンタ画像を記録する。マゼンタ記録後は、プラテンローラ３９がサーマルヘッド３０から離れ、感熱記録紙１２は、再びα方向へ送られる。マゼンタ画像が記録された部分は、光定着器４５のマゼンタ用紫外線ランプ４５ａの位置まで送られ、マゼンタ用紫外線ランプ４５ａから３６５ｎｍの紫外線が照射され、マゼンタ感熱発色層が定着される。マゼンタ感熱発色層の定着終了後、感熱記録紙１２は、再び方向βへ巻き戻され、光学式センサ３１が位置マーク６２を検出して、記録開始位置２８ａから寸法Ｌの位置までシアン画像の記録が行われる。シアン画像の記録後は、搬送モータ３３の回転が切り替わってα方向に感熱記録紙１２を送り、カッター４６が作動してシート状にされた感熱記録紙１２は、プリンタ５１外に排出される。

このようにして、感熱記録紙１２に対象画像２２が記録され、合成画像２５を得ることができる。そして、上記第１の実施形態と同様に、テンプレート画像領域２９で印画を省略し、紙送りのみをしている分だけ、プリンタ５１は画像を記録する時間を短縮し、短時間で合成画像２５のハードコピーを得ることができる。また、上記第１の実施形態と同様の効果に加えて、バーコード５５に書き込む製品固有情報の中に、感熱記録紙１２の紙幅や、対象画像記録領域の主走査方向の寸法などを含めることによって、多数の種類の感熱記録紙１２及び記録紙ロール５３に対応することが可能となる。

以上説明した実施形態では、対象画像記録領域の寸法等の記録紙情報を感熱プリンタに記憶するために、ロール紙の巻芯の端面にバーコードを設け、これをバーコードセンサで読み取るようにしたが、バーコードの代わりに、ＲＦタグやメモリＩＣを巻芯に設けてもよい。また、巻芯の端面に印刷文字を設け、これをＯＣＲで読み取るようにしてもよい。また、第２実施形態に示すように、人手によって感熱記録紙の製造年月日を感熱プリンタに入力してもよい。

また、上記第１，２実施形態では、感熱記録紙にロール紙を用いたが、カット紙を用いてもよい。この場合には、カット紙を収納するカセットの背面等に、記録紙情報を表すバーコードを設けるのがよい。

さらにまた、上記第１，２実施形態では、感熱記録方式のプリンタを例に上げて説明したが、これ以外に他の記録方式、例えば熱転写記録方式や露光方式のプリンタに本発明を実施してもよい。

プリンタの第１実施形態の概略的な構成を示す説明図である。 第１実施形態で使用する感熱記録紙の構成を示す拡大平面図である。 感熱記録紙の構成を示す平面図である。 感熱記録紙をロール状にした記録紙ロールの構成を示す斜視図である。 第１実施形態のプリンタで画像記録を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。 プリンタの第２実施形態の概略的な構成を示す説明図である。 第２実施形態で使用する記録紙ロールの構成を示す斜視図である。 第２実施形態で使用する感熱記録紙の構成を示す拡大平面図である。 第２実施形態のプリンタで画像記録を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。

符号の説明

１１，５１ カラー感熱プリンタ
１２ 感熱記録紙
１３，５３ ロール紙
１４，５４ 巻芯
２１ テンプレート画像
２２ 対象画像
２５ 合成画像
２６ 画像記録パターン
２７ 合成画像形成領域
２８ 対象画像記録領域
２９ テンプレート画像領域
５５ バーコード
５７ バーコードセンサ
６２ 位置マーク

Claims (5)

1. 複数の記録素子を主走査方向に並べてなる記録ヘッドを用いて、記録材料又は記録ヘッドを副走査方向に送り、画像データに基づく対象画像を前記記録材料に記録する画像記録方法において、
   テンプレート画像が予め印画されている前記記録材料を使用し、この記録材料の所定の記録領域に前記対象画像を記録することを特徴とする画像記録方法。
2. 複数の記録素子を主走査方向に並べてなる記録ヘッドを備えており、記録材料又は記録ヘッドを副走査方向に送り、画像データに基づく対象画像を前記記録材料に記録するプリンタにおいて、
   テンプレート画像が予め印刷されている前記記録材料を使用し、この記録材料の所定の記録領域に前記対象画像を記録することを特徴とするプリンタ。
3. 前記記録材料には、前記対象画像が記録される所定の記録領域に関する情報を識別するための識別手段が設けられており、この識別手段から前記記録領域を読み出す読み出し手段を備えていることを特徴とする請求項２記載のプリンタ。
4. プリンタによって画像形成領域内に印画が行われる記録材料において、
   前記画像形成領域内にテンプレート画像が予め印画されているとともに、前記プリンタが画像データに基づく対象画像を記録する所定の記録領域が設定されていることを特徴とする記録材料。
5. 前記記録領域に関する情報を識別するための識別手段が設けられていることを特徴とする請求項４記載の記録材料。

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