JP2005253274A - 長形ダイアフラム型圧電素子、該長形ダイアフラム型圧電素子を用いた液体吐出機構及びインクジェットヘッド、並びに該インクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents

長形ダイアフラム型圧電素子、該長形ダイアフラム型圧電素子を用いた液体吐出機構及びインクジェットヘッド、並びに該インクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 開口形状が、幅に対する長さの比が2以上の細長状である開口部1aを有する基材1と、該基材1上に上記開口部1aを覆うように設けられ、圧電体層4と該圧電体層に電圧を印加するための電極層3,5と該圧電体層4を厚み方向にたわませるための振動板層6とが積層された圧電駆動部2とを備えた長形ダイアフラム型圧電素子に対して、圧電駆動部2の圧電体層4に高電圧を印加しても出来る限りクラックが生じないようにして信頼性を向上させる。
【解決手段】 圧電駆動部2における開口部1a上の部分に、該圧電駆動部2の駆動時に圧電体層4において上記開口部1aの長さ方向に作用する内部応力を緩和させる少なくとも1つの応力緩和部10を、上記開口部1aの幅方向に延びるように形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、開口形状が、幅に対する長さの比が2以上の細長状である開口部を有する基材上に該開口部を覆うように設けられた圧電駆動部を備えた長形ダイアフラム型圧電素子、該長形ダイアフラム型圧電素子を用いた液体吐出機構及びインクジェットヘッド、並びに該インクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置に関する技術分野に属する。
従来より、圧電体層に電圧を印加することで機械振動する圧電素子として、開口部を有する基材と、該基材上に上記開口部を覆うように設けられ、圧電体層と該圧電体層に電圧を印加するための第1及び第2の電極層と該圧電体層を厚み方向にたわませるための振動板層とが積層された圧電駆動部とを備えたダイアフラム型圧電素子が知られており、このダイアフラム型圧電素子は、インクジェットヘッド(インクジエツト式記録装置)等に広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
上記ダイアフラム型圧電素子を用いたインクジェットヘッドは、例えば図11に示すように、ダイアフラム型圧電素子の基材101における圧電駆動部102とは反対側の面に接着層118を介して設けられたノズル部材117を備えており、このノズル部材117と圧電駆動部102とにより基材101の開口部101aが塞がれてインク室119となる。上記ノズル部材117には、インク室119内にインクを供給するインク供給孔117aと、インク室119内のインクを吐出するノズル孔117bと、上記インク供給孔117aに接続された共通インク室117cとが形成されている。尚、図11中、103は第1の電極層であり、104は圧電体層であり、105は第2の電極層であり、106は振動板層である。
上記第1及び第2の電極層103,105を介して圧電体層104に電圧を印加して圧電駆動部102を駆動すると、圧電体層104が厚み方向と垂直な幅方向に収縮し、この収縮が振動板層106により拘束されることで、圧電体層104が厚み方向にたわみ、これにより、圧電駆動部102の開口部101a上の部分が積層方向のインク室119側にたわみ、このたわみによりインク室119内のインクがノズル孔117bより外部へ吐出される。
上記のようなインクジェットヘッドでは、高精細の画像を印刷するために1つのノズル部材117に複数のインク室119及びノズル孔117bを並設する必要があり、これに対応して複数のダイアフラム型圧電素子を並設する(基材101、第2の電極層105及び振動板層106は、全圧電素子に共通の1つのもので構成し、その基材101に複数の開口部101aを並設する)が、インク室119を高密度に配置しなければならないことから、基材101の開口部101aの開口形状は、通常、幅に対する長さの比が2以上の細長状となっており、これに対応して圧電体層104及び第1の電極層103も細長状となっている。このように開口形状が細長状である開口部101aを有する基材101を備えたダイアフラム型圧電素子を、長形ダイアフラム型圧電素子という。尚、図11において、図面の左右方向が開口部101aの長さ方向であり、複数の開口部101aは開口部101aの幅方向(紙面に垂直な方向)に並設される。
特開2001−284671号公報
ところで、上記インクジェットヘッドにおいては、ノズル孔117bからのインクの吐出量は、電圧印加時の圧電駆動部102のたわみ量と基材101の開口部101aの開口面積とに依存する。このため、インクの吐出量を印刷が良好に行える程度に確保するためには、上記たわみ量又は開口部101aの開口面積を出来る限り大きくする必要がある。
ところが、インクジェットヘッドの小型化及びインク室119(開口部101a)やノズル孔117bの高密度配置の要求から、開口部101aの開口面積を大きくすることは困難であり、インクの吐出量を確保するためには、圧電駆動部102のたわみ量を大きくする必要があり、このたわみ量を大きくするためには、駆動電圧を高くする必要がある。
しかしながら、圧電駆動部102は高速駆動が可能でありかつ発生力が大きいという特徴を持つものの、駆動電圧を高くすると、図11に示すように、圧電体層104にクラック108が生じるという問題がある。すなわち、長形ダイアフラム型圧電素子では、圧電体層104に電圧を印加すると、圧電体層104において開口部101aの幅方向よりも長さ方向に作用する内部応力が大きくなるために、圧電体層104に開口部101aの幅方向(圧電体層104の幅方向)に延びるクラックが生じ易くなる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のような長形ダイアフラム型圧電素子に対して、その構成を改良することによって、圧電駆動部の圧電体層に高電圧を印加しても出来る限りクラックが生じないようにして信頼性を向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、圧電駆動部における開口部上の部分に、該圧電駆動部の駆動時に該圧電駆動部の圧電体層において上記開口部の長さ方向に作用する内部応力を緩和させる少なくとも1つの応力緩和部を、上記開口部の幅方向に延びるように形成した。
具体的には、請求項1の発明では、開口形状が、幅に対する長さの比が2以上の細長状である開口部を有する基材と、該基材上に上記開口部を覆うように設けられ、圧電体層と該圧電体層に電圧を印加するための電極層と該圧電体層を厚み方向にたわませるための振動板層とが積層された圧電駆動部とを備えた長形ダイアフラム型圧電素子を対象とする。
そして、上記圧電駆動部における上記開口部上の部分に、該圧電駆動部の駆動時に該圧電駆動部の圧電体層において該開口部の長さ方向に作用する内部応力を緩和させる少なくとも1つの応力緩和部が、上記開口部の幅方向に延びるように形成されているものとする。
上記の構成により、圧電駆動部における開口部上の部分に応力緩和部を開口部の幅方向に延びるように形成することで、圧電体層において開口部の長さ方向に作用する内部応力を低減することができ、圧電体層に高い駆動電圧を印加しても、圧電体層に長形ダイアフラム型圧電素子特有のクラックが生じるのを防止することができる。一方、圧電駆動部のたわみは、圧電体層が開口部の幅方向(圧電体層の幅方向)に収縮する力によって得られるため、応力緩和部を設けても、たわみの低下は少ない。よって、圧電駆動部のたわみ量を高レベルに維持しつつ、信頼性を向上させることができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、応力緩和部は、電極層においてその一部を切除してなる切除部で構成されているものとする。
このことにより、圧電体層において電極層の切除部に対応する部分では、電圧を印加しても収縮しなくなるので、開口部の長さ方向に作用する内部応力が緩和される。よって、応力緩和部を容易に形成することができる。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、応力緩和部は、電極層と圧電体層との間に設けられかつ該圧電体層よりも誘電率が低い低誘電率層で構成されているものとする。
こうすることで、圧電体層において低誘電率層に対応する部分では、印加される電圧が低誘電率層によって他の部分よりも小さくなって収縮量も小さくなるので、開口部の長さ方向に作用する内部応力が緩和される。よって、応力緩和部を容易に形成することができる。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、応力緩和部は、圧電体層において他の部分よりも圧電定数を低下させた低圧電定数部で構成されているものとする。
このことで、圧電体層において圧電定数が他の部分よりも低下した低圧電定数部では、他の部分よりも収縮量が小さくなるので、開口部の長さ方向に作用する内部応力が緩和される。このように圧電体層の一部の圧電定数を低下させるには、圧電体層に対しレーザー光を部分的に照射したり、局所的に加熱したりすることで、圧電体層の構造を部分的に変化させればよく、よって、応力緩和部を容易に形成することができる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1つの発明において、応力緩和部の幅が、圧電体層の厚さ以上でかつ開口部の幅以下であるものとする。
すなわち、応力緩和部の幅(開口部の長さ方向に沿った長さ)は、圧電体層の厚さよりも小さいと、開口部の長さ方向の内部応力低減の効果が不十分となって、クラック発生防止効果が小さくなる一方、開口部の幅よりも大きいと、開口部の長さ方向の内部応力は十分に低減できるものの、圧電体層が収縮する領域が小さくなりすぎて圧電駆動部のたわみ量が減少するので、圧電体層の厚さ以上でかつ開口部の幅以下とするのがよい。よって、この発明により、圧電駆動部のたわみ量の減少を抑制しつつ、信頼性を確実に向上させることができる。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1つの発明において、圧電駆動部における開口部上の部分に、複数の応力緩和部が該開口部の長さ方向に所定ピッチで並んで配設されており、上記応力緩和部の幅をxとし、上記配設ピッチをyとしたとき、1<y/x≦100を満たすものとする。
このことにより、請求項5の発明と同様に、圧電駆動部のたわみ量の減少を抑制しつつ、信頼性を確実に向上させることができる。
請求項7の発明では、請求項6の発明において、1<y/x≦10を満たすものとする。このことで、圧電駆動部のたわみ量の減少を抑制しつつ、クラック発生の防止の効果が最大限に得られる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれか1つの発明において、圧電体層の厚みが0.5μm以上20μm以下であるものとする。
こうすることで、圧電体層を薄膜形成工程で容易に成膜することができるとともに、圧電特性を有効に発揮させることができるようになる。一方、このように成膜した薄膜の結晶は、膜厚方向に延びる柱状となっているため、膜厚方向に垂直な方向の引張強度が低く、このため、クラックが特に生じ易くなる。しかし、この発明では、圧電体層が薄膜からなっていても、クラックの発生を有効に防止することができ、信頼性を向上させることができる。
請求項9の発明は、液体吐出機構の発明であり、この発明では、請求項1〜8のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子と、上記長形ダイアフラム型圧電素子の基材における圧電駆動部とは反対側の面に設けられ、該基材の開口部内に液体を供給する液体供給孔と該開口部内の液体を吐出するノズル孔とを有するノズル部材とを備え、上記長形ダイアフラム型圧電素子の作動により上記開口部内の液体を上記ノズル孔より吐出させるように構成されているものとする。
この発明により、圧電駆動部のたわみ量を高レベルに維持しつつ、開口部(液体室)の高密度配置並びに液体吐出機構の小型化及び高信頼性化を図ることができる。
請求項10の発明は、インクジェットヘッドの発明であり、この発明では、請求項1〜8のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子と、上記長形ダイアフラム型圧電素子の基材における圧電駆動部とは反対側の面に設けられ、該基材の開口部内にインクを供給するインク供給孔と該開口部内のインクを吐出するノズル孔とを有するノズル部材とを備え、上記長形ダイアフラム型圧電素子の作動により上記開口部内のインクを上記ノズル孔より吐出させるように構成されているものとする。
この発明により、圧電駆動部のたわみ量を高レベルに維持しつつ、開口部(インク室)の高密度配置並びにインクジェットヘッドの小型化及び高信頼性化を図ることができる。
請求項11の発明は、インクジェト式記録装置の発明であり、この発明では、請求項10記載のインクジェットヘッドと、上記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段と、上記インクジェットヘッドにおける長形ダイアフラム型圧電素子の圧電駆動部を駆動するための電圧供給手段とを備え、上記相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒体に対して相対移動しているときに、上記電圧供給手段により上記圧電駆動部を駆動して、該インクジェットヘッドのノズル孔より基材の開口部内のインクを記録媒体に吐出させて記録を行うように構成されているものとする。
この発明により、高精細の画像を印刷することが可能な小型で高信頼性の記録装置が容易に得られる。また、相対移動手段としては、通常、インクジェットヘッドを所定方向に往復動させるヘッド移送手段と、記録媒体をその所定方向と略垂直な方向に移送する記録媒体移送手段とで構成されるが、インクジェットヘッドが小型であるので、複数のインクジェットヘッドを上記所定方向に並べて配置することが容易となり、こうすれば、相対移動手段は、記録媒体を上記所定方向と略垂直な方向に移送する記録媒体移送手段のみで構成することができ、その構成を簡略化することができるとともに、インクジェットヘッドを往復動させることなく記録が可能となるので、記録速度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の長形ダイアフラム型圧電素子によると、圧電駆動部における開口部上の部分に少なくとも1つの応力緩和部を開口部の幅方向に延びるように形成したことにより、圧電駆動部のたわみ量を高レベルに維持しつつ、圧電駆動部の圧電体層にクラックが生じる電圧(耐電圧)を向上させることができる。
また、上記長形ダイアフラム型圧電素子を用いた液体吐出機構及びインクジェットヘッド(インクジェット式記録装置)においては、開口部(液体室やインク室)の高密度配置並びに液体吐出機構及びインクジェットヘッドの高信頼性化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る長形ダイアフラム型圧電素子を示し、この長形ダイアフラム型圧電素子は、厚み方向両面に開口する開口部1aを有する基材1を備えている。本実施形態では、この基材1は、後述の如く、Ni電解めっきにより形成されたものである。この基材1の開口部1aの開口形状は、幅Bに対する長さLの比(L/B)が2以上の細長状であり、この実施形態では、短辺の長辺に対する長さの比が2以上の矩形状とされている。尚、開口形状は、矩形状に限らず、例えば長さ方向両端部が円弧状であってもよい。
上記基材1の厚み方向一方の面上には、圧電駆動部2が該基材1の開口部1aを覆うように設けられている。この圧電駆動部2は、基材1とは反対側から順に、第1の電極層3、圧電体層4、第2の電極層5及び振動板層6が積層されてなっている。
上記圧電体層4は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなっているとともに、上記基材1の開口部1a上に位置していて、開口部1aに対応した形状(この実施形態では、圧電体層4の厚み方向から見て矩形状)をなしている。尚、圧電体層4の長さ及び幅は、開口部1aよりも僅かに小さい。
上記第1及び第2の電極層3,5は、圧電体層4の厚み方向両面にそれぞれ設けられていて、圧電体層4に電圧を印加するための電極層である。第1の電極層3は、圧電体層4と同じ矩形状をなしている。一方、第2の電極層5は、上記基材1上全体に亘って設けられている。
上記振動板層6は、第1及び第2の電極層3,5を介して圧電体層4に電圧を印加したときに、該圧電体層4を厚み方向にたわませるためのものであり、上記第2の電極層5と同様に、基材1上全体に亘って設けられている。すなわち、圧電体層4に電圧を印加すると、圧電体層4は厚み方向と垂直な幅方向に収縮し、この収縮が振動板層4により拘束されることで、圧電体層4が厚み方向の開口部1a側にたわみ、これにより、圧電駆動部2の開口部1a上の部分が積層方向の開口部1a側にたわむようになっている。この振動板層6をNiやCr等の導電材料で構成した場合には、上記第2の電極層5を省略して振動板層6が電極層を兼ねるようにしてもよい。
尚、後述のインクジェットヘッドのように、長形ダイアフラム型圧電素子を複数並設する場合には、基材1、第2の電極層5及び振動板層6は、全圧電素子に共通の1つのもので構成し、その基材1に複数の開口部1aを該開口部1aの幅方向に互いに所定間隔をあけて並設すればよく、その際、第1の電極層3は個別電極となり、第2の電極層5は共通電極となる。
上記圧電駆動部2における上記開口部1a上の部分には、該圧電駆動部2の駆動時に該圧電駆動部2の圧電体層4において上記開口部1aの長さ方向に作用する内部応力を緩和させる複数の応力緩和部10が、上記開口部1aの幅方向に延びるように形成されている。
上記応力緩和部10は、本実施形態では、上記第1の電極層3においてその一部(応力緩和部10となる部分)を切除してなる切除部11で構成されている。この切除部11は、第1の電極層3の幅方向の一端から他端近傍に至るように該幅方向に延びている。第1の電極層3を幅方向全体に亘って切除してもよいが、本実施形態では、幅方向の一端部を切除しないで残し(相隣接する切除部11同士で互いに反対側の端部を残す)、第1の電極層3が分割されないようにする。こうすれば、第1の電極層3への配線は1つで済み、圧電駆動部2の駆動時に第1の電極層3全体を同じ電位に維持することが容易にできる。そして、上記圧電体層4において上記第1の電極層3の切除部11に対応する部分は、電圧が印加されないために収縮することはなく、これにより、圧電体層4において開口部1aの長さ方向に作用する内部応力が低減(緩和)されることになる。この結果、高電圧を印加しても圧電体層4にクラックが生じ難くなる。尚、応力緩和部10は、第2の電極層5の一部を切除してなる切除部で構成することも可能である。
上記応力緩和部10(切除部11)の幅x(開口部1aの長さ方向に沿った長さ)は、圧電体層4の厚さ以上でかつ開口部1aの幅B以下であることが好ましい。これは、応力緩和部10の幅xが圧電体層4の厚さよりも小さいと、開口部1aの長さ方向の内部応力低減の効果が不十分となって、クラック発生防止の効果が小さくなる一方、開口部1aの幅Bよりも大きいと、開口部1aの長さ方向の内部応力は十分に低減できるものの、圧電体層4が収縮する領域が小さくなりすぎて圧電駆動部2のたわみ量が減少するからである。
上記のような応力緩和部10は、1つの開口部1a上において少なくとも1つあればよいが、本実施形態のように、複数設ける場合には、複数の応力緩和部10を開口部1aの長さ方向に所定ピッチで並ぶように配設する。このとき、その配設ピッチ(相隣接する応力緩和部10の幅方向中央間の距離)をyとして、1<y/x≦100を満たすようにすることが好ましい。これは、y/xの値は、100よりも大きいと、クラック発生防止の効果が十分に得られなくなるからである。また、1<y/x≦10を満たすようにすることがより一層好ましい。尚、y/xの値は、物理的に当然に1を超える。
上記圧電体層4の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。これは、圧電体層4を後述のような薄膜形成工程で容易に成膜することができるとともに、圧電特性を有効に発揮させることができるからである。
次に、上記長形ダイアフラム型圧電素子の製造方法を図3により説明する。
先ず、図3(a)に示すように、成膜基板としてのシリコン基板31上に、第1の電極層3、圧電体層4、第2の電極層5及び振動板層6を順次スパッタリング法により形成し、その後、図3(b)に示すように、上記振動板層6上にアルカリ現像型ドライフィルム32をラミネートし、このドライフィルム32を露光及び現像して、後に形成する開口部1aに対応する位置において該開口部1aと略同形状にパターニングする。
続いて、図3(c)に示すように、上記振動板層6上における上記ドライフィルム32が存在しない部分に、Ni電解めっきにより基材1を形成し、その後、図3(d)に示すように、上記シリコン基板31をKOH水溶液でエッチングすることで除去する。このとき、上記ドライフィルム32も、アルカリにより劣化するために除去され、開口部1aを有する基材1が出来上がる。
次いで、図3(e)に示すように、上記第1の電極層3及び圧電体層4を上記開口部1aと略同形状にパターニングするとともに、応力緩和部10を形成するために第1の電極層3の一部を切除して切除部11を形成することで圧電駆動部2が完成するとともに、長形ダイアフラム型圧電素子が完成する。
ここで、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
先ず、上記実施形態1と同様に、シリコン基板31上に、第1の電極層3、圧電体層4、第2の電極層5及び振動板層6を順次スパッタリング法により形成した。具体的には、第1の電極層3として、厚さ0.2μmのPt膜を、高周波電力100W、プロセス圧力0.7Pa、基板温度500℃で成膜した。また、圧電体層4として、厚さ2μmのPZT膜(Zr/Ti=58/42、比誘電率800)を、高周波電力800W、プロセス圧力1Pa、基板温度700℃で成膜した。さらに、第2の電極層5として、厚さ3μmのCu膜を成膜し、振動板層6として、厚さ5μmのNi膜を成膜した。
続いて、上記振動板層6上にアルカリ現像型ドライフィルム32をラミネートし、このドライフィルム32を露光及び現像して、開口部1a(長さL=1000μm、幅B=100μm)に対応する位置において該開口部1aと略同形状にパターニングし、この振動板層6上におけるドライフィルム32が存在しない部分に、Ni電解めっきにより厚さ100μmの基材1を形成した。
次いで、上記シリコン基板31を、80℃、4mol/lのKOH水溶液でエッチングすることで除去した。このとき、上記ドライフィルム32も除去して開口部1aを形成した。
その後、上記第1の電極層3及び圧電体層4を上記開口部1aと略同形状(長さ950μm、幅90μm)にパターニングするとともに、応力緩和部10を形成するために第1の電極層3を切除して切除部11を形成した。この切除部11の長さは80μmであり、幅x=10μm、配設ピッチy=50μm(y/x=5)とした。
こうして作製した長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の第1及び第2の電極層3,5間に40Vの駆動電圧を印加して1000時間の連続駆動を行ったところ、圧電体層4等にクラックは全く生じなかった。また、駆動電圧を徐々に上げていったところ、100Vで圧電体層4にクラックが生じた。
(実施例2)
この実施例2では、応力緩和部10(切除部11)の幅xを5μmとし、配設ピッチyを10μm〜600μmの間で変化させ、その他は上記実施例1のものと同様とした。そして、y/xの値が、クラック発生電圧(耐電圧)及び圧電駆動部2のたわみ量(振動板層6のたわみ量)にそれぞれどのように影響するかを調べた。尚、圧電駆動部2のたわみ量は、所定電圧(耐電圧よりも小さい)印加時におけるたわみ量である。
この結果を図6に示す。すなわち、y/xの値が100を越えると、クラック発生電圧は25Vと略一定であり、応力緩和部10を設けない場合と殆ど変わらない(後述の比較例参照)。一方、y/xの値が100以下では、クラック発生電圧の向上効果が得られるとともに、y/xの値が小さいほど、クラック発生電圧が向上して、10以下になると、その向上効果が著しいことが判る。尚、y/xの値が10以下になると、圧電駆動部10のたわみ量も減少するが、クラック発生電圧が向上するので、駆動電圧を高くすることで、最大たわみ量は殆ど減少しなくなる。したがって、1<y/x≦100(特に1<y/x≦10)を満たすようにすることで、圧電駆動部10のたわみ量の減少を抑制しつつ、耐電圧を向上させることができる。
(比較例)
この比較例では、上記実施例1に対して応力緩和部10を形成しない点のみが異なり、その他は上記実施例1と同様とした。この比較例の長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の耐電圧を調べたところ、25Vであった。また、40Vの駆動電圧を印加して1000時間の連続駆動を行うとしたが、途中で圧電体層4にクラックが生じて連続駆動を行うことはできなかった。
したがって、第1の電極層3の一部を切除して応力緩和部10を形成することで、圧電駆動部10のたわみ量を高レベルに維持しつつ、圧電体層4におけるクラックの発生を抑制して信頼性を向上させることができる。
(実施形態2)
図5及び図6は、本発明の実施形態に係る別の長形ダイアフラム型圧電素子を示し(尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、応力緩和部10の構成を上記実施形態1とは異ならせたものである。
すなわち、この実施形態2では、応力緩和部10は、第1の電極層3と圧電体層4との間の一部に設けられかつ該圧電体層4よりも誘電率が低い低誘電率層12(例えばポリイミドからなる)で構成されている。この構成により、圧電体層4において低誘電率層12に対応する部分では、印加される電圧が他の部分よりも小さくなって収縮量も小さくなる。この結果、圧電体層4において開口部1aの長さ方向に作用する内部応力が低減されることになる。尚、低誘電率層12は、第2の電極層5と圧電体層4との間に設けてもよく、振動板層6が電極層を兼ねる場合には、その電極層としての振動板層6と圧電体層4との間に設けてもよい。
本実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、応力緩和部10(低誘電率層12)の幅xは、圧電体層4の厚さ以上でかつ開口部1aの幅B以下であることが好ましい。また、1<y/x≦100を満たすようにすることが好ましく、1<y/x≦10を満たすようにすることがより一層好ましい。さらに、圧電体層4の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
本実施形態2に係る長形ダイアフラム型圧電素子の製造方法を図7により説明する。
先ず、図7(a)に示すように、基材1(この実施形態2では、シリコンからなる)を成膜基板として、該基材1上に、振動板層6、第2の電極層5及び圧電体層4を順次スパッタリング法により形成し、その後、図7(b)に示すように、低誘電率層12をスパッタリング法により形成し、この低誘電率層12を、所定幅xで、後に形成する開口部1aに対応する位置において該開口部1aの長さ方向に所定ピッチ(配設ピッチy)で並ぶようにパターニングする。
続いて、図7(c)に示すように、上記低誘電率層12を形成した圧電体層4上に、第1の電極層3をスパッタリング法により形成し、その後、図7(d)に示すように、上記第1の電極層3及び圧電体層4を開口部1aと略同形状にパターニングすることで圧電駆動部2が完成する。
次いで、図7(e)に示すように、上記基材1の一部をドライエッチングにより除去することで開口部1aを形成し、このことで、長形ダイアフラム型圧電素子が完成する。
尚、上記実施形態1のように基材1とは別の基板31上に各層を形成するようにして本実施形態2に係る長形ダイアフラム型圧電素子を製造してもよく、逆に、本実施形態2のように基材1上に各層を形成するようにして上記実施形態1に係る長形ダイアフラム型圧電素子を製造してもよい。
ここで、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例3)
この実施例3では、第2の電極層5と圧電体層4との間に、ポリイミドからなる応力緩和部10としての低誘電率層12を設けるとともに、上記実施例1と同様の方法(但し、圧電体層4形成後で第2の電極層5形成前に低誘電率層12を形成する)により、長形ダイアフラム型圧電素子を製造した。低誘電率層12は、厚さ0.5μmで、幅x=5μm、配設ピッチy=50μm(y/x=10)とした。
こうして作製した長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の第1及び第2の電極層3,5間に40Vの駆動電圧を印加して1000時間の連続駆動を行ったところ、圧電体層4等にクラックは全く生じなかった。また、耐電圧は120Vであった。
(実施例4)
この実施例4では、上記実施形態2と同様に第1の電極層3と圧電体層4との間に応力緩和部10としての低誘電率層12を設けるとともに、上記実施形態2で説明した方法で長形ダイアフラム型圧電素子を製造した。このとき、振動板層6として、厚さ6μmのCr膜を、高周波電力200W、プロセス圧力1Paで成膜した。また、第2の電極層5として、厚さ0.2μmのPt膜を、高周波電力100W、プロセス圧力0.7Pa、基板温度500℃で成膜した。さらに、圧電体層4として、厚さ2μmのPZT膜(Zr/Ti=58/42、比誘電率800)を、高周波電力800W、プロセス圧力1Pa、基板温度700℃で成膜した。さらに、第1の電極層3として、厚さ0.2μmのPt膜を、高周波電力100W、プロセス圧力0.7Paで成膜した。また、低誘電率層12は、ポリイミドからなっていて、厚さ0.5μmで、幅x=5μm、配設ピッチy=100μm(y/x=20)とした。そして、第1の電極層3及び圧電体層4は、上記実施例1と同様に、長さ950μm、幅90μmにパターニングした。
この長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の第1及び第2の電極層3,5間に40Vの駆動電圧を印加して1000時間の連続駆動を行ったところ、圧電体層4等にクラックは全く生じなかった。また、耐電圧は120Vであった。
したがって、第1の電極層3と圧電体層4との間又は第2の電極層5と圧電体層4との間に低誘電率層12を設けて応力緩和部10を形成することで、上記実施形態1と同様に、圧電駆動部10のたわみ量を高レベルに維持しつつ、圧電体層4におけるクラックの発生を抑制して信頼性を向上させることができる。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態に係る更に別の長形ダイアフラム型圧電素子を示し、応力緩和部10の構成を上記実施形態1,2とは更に異ならせたものである。
すなわち、この実施形態3では、応力緩和部10は、圧電体層4において他の部分よりも圧電定数を低下させた低圧電定数部13で構成されている。この低圧電定数部13は、圧電体層4に対しレーザ光を部分的に照射したり、局所的に加熱したりして、圧電体層4の構造を部分的に変化させることで得られる。この構成により、圧電体層4において圧電定数が他の部分よりも低下した低圧電定数部13では、他の部分よりも収縮量が小さくなる。この結果、圧電体層4において開口部1aの長さ方向に作用する内部応力が低減されることになる。
本実施形態3においても、上記実施形態1と同様に、応力緩和部10(低圧電定数部13)の幅xは、圧電体層4の厚さ以上でかつ開口部1aの幅B以下であることが好ましい。また、1<y/x≦100を満たすようにすることが好ましく、1<y/x≦10を満たすようにすることがより一層好ましい。さらに、圧電体層4の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
ここで、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例5)
上記実施例1において圧電体層4形成後で第2の電極層5形成前に、YAGレーザ装置を用いて、該圧電体層4に対してレーザ光を部分的に照射して、圧電特性を持たないパイロクロア層に改質することで、応力緩和部10としての低圧電定数部13を形成した。この低圧電定数部13は、幅x=5μm、配設ピッチy=80μm(y/x=16)とした。
この長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の第1及び第2の電極層3,5間に40Vの駆動電圧を印加して1000時間の連続駆動を行ったところ、圧電体層4等にクラックは全く生じなかった。また、耐電圧は110Vであった。
したがって、圧電体層4の一部を低圧電定数部13として応力緩和部10を形成することで、上記実施形態1、2と同様の作用効果が得られる。
(実施形態4)
図9は、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドを示し、このインクジェットヘッドは、上記実施形態1に係る長形ダイアフラム型圧電素子(上記実施形態2又は3に係る長形ダイアフラム型圧電素子であってもよい)を複数備えている。この複数の長形ダイアフラム型圧電素子は、基材1の開口部1aの幅方向(図9において紙面に垂直な方向)に並んでいる。そして、基材1、第2の電極層5及び振動板層6は、全圧電素子に共通の1つのもので構成されており、その基材1に複数の開口部1aが該開口部1aの幅方向に互いに所定間隔をあけて並設されている。
上記基材1における振動板層6とは反対側の面には、ノズル部材17が接着層18を介して設けられており、このノズル部材17と上記振動板層6とによって、基材1の各開口部1aが塞がれてその内部がインク室19とされる。
上記ノズル部材17は、上記各開口部1a(インク室19)にそれぞれ接続された複数のインク供給孔17aとノズル孔17bとを有している。この各インク供給孔17aの開口部1aと反対側端は、ノズル部材17内において開口部1aが並ぶ方向に延びるように設けられたインク供給室17cにそれぞれ接続され、このインク供給室17cは図外のインクタンクと接続されており、上記インク供給孔17aより各開口部1a(インク室19)内にインクが供給されるようになっている。そして、上記長形ダイアフラム型圧電素子の作動により、開口部1a内のインクが上記ノズル孔17bより外部(記録媒体)に吐出されるようになっている。
このインクジェットヘッドを製造するには、上記実施形態1と同様にして作製したダイアフラム型圧電素子(但し、基材1には複数の開口部1aを形成するとともに、その各開口部1aにそれぞれ対応するように第1の電極層3及び圧電体層4をパターニングする)の基材1における振動板層6とは反対側の面に、予め作製しておいたノズル部材17を接着層18を介して接着固定すればよい。
(実施例6)
ここで、上記実施形態4と同様のインクジェットヘッド(長形ダイアフラム型圧電素子は上記実施例1と同様のもの)を作製し、このインクジェットヘッドの長形ダイアフラム型圧電素子における圧電駆動部2の第1及び第2の電極層3,5間に、周波数20kHzで電圧が0Vから40Vに変化する矩形波(40Vであるときの時間:0Vであるときの時間=95:5)を連続10日間印加してノズル孔17bよりインクを吐出させたところ、圧電体層4等にクラックは全く発生せず、インクの吐出量の低下も認められなかった。また、印加電圧の最大値を100Vとすると、駆動直後にクラックが生じ、インクが吐出されなくなった。
また、上記実施例3、4及び5と同様の長形ダイアフラム型圧電素子をそれぞれ備えたインクジェットヘッドを作製して上記と同様の試験を行っても、同様の効果が得られた。
したがって、本発明の長形ダイアフラム型圧電素子を用いてインクジェットヘッドを製造することで、圧電駆動部2のたわみ量を高レベルに維持しつつ、インク室19(開口部1a)の高密度配置並びにインクジェットヘッドの小型化及び高信頼性化を図ることができる。
尚、上記実施形態4では、ダイアフラム型圧電素子をインクジェットヘッドに適用したが、上記インクジェットヘッドと同様の構成で、インクの代わりに、金属コロイド溶液、有機半導体溶液、DNA溶液、誘電体溶液等の液体を微少液滴としてノズル孔17bより吐出させる液体吐出機構(インクジェットヘッドのインク室19、インク供給孔17a及びインク供給室17cは、液体吐出機構では、それぞれ、液体を収容する液体室、開口部1a(液体室)内に液体を供給する液体供給孔、及び液体供給室となる)にも適用することができ、この液体吐出機構により、配線基板や、ディスプレイ、DNAチップ、薄膜回路用コンデンサー、抵抗体等を容易に作製することができる。
(実施形態5)
図10は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置を示し、このインクジェット式記録装置は、上記実施形態4で説明したものと同様のインクジェットヘッド22を備えている。このインクジェットヘッド22においてインク室(上記実施形態4におけるインク室19)に連通するように設けたノズル孔(上記実施形態4におけるノズル孔17b)から該インク室内のインクを記録媒体26(記録紙等)に吐出させて記録を行うように構成されている。
上記インクジェットヘッド22は、主走査方向Xに延びるキャリッジ軸23に設けられたキャリッジ24に搭載されていて、このキャリッジ24がキャリッジ軸23に沿って往復動するのに応じて主走査方向Xに往復動するように構成されている。このことで、キャリッジ24は、インクジェットヘッド22と記録媒体26とを主走査方向Xに相対移動させる相対移動手段を構成することになる。
また、このインクジェット式記録装置は、上記記録媒体26を主走査方向Xと略垂直方向の副走査方向Yに移動させる複数のローラ25を備えている。このことで、複数のローラ25は、インクジェットヘッド22と記録媒体26とを副走査方向Yに相対移動させる相対移動手段を構成することになる。尚、図10中、Zは上下方向である。
上記インクジェットヘッド22には、該インクジェットヘッド22における長形ダイアフラム型圧電素子の圧電駆動部(上記実施形態4における圧電駆動部2)を駆動するための電圧供給手段27(電源等)が接続されており、インクジェットヘッド22がキャリッジ24により主走査方向Xに移動しているときに、上記電圧供給手段27により上記圧電駆動部を駆動して、インクジェットヘッド22のノズル孔からインクを記録媒体26に吐出させて記録を行う。そして、この一走査の記録が終了すると、上記ローラ25により記録媒体26を所定量移動させて次の一走査の記録を行う。
したがって、このインクジェット式記録装置は、上記実施形態4と同様のインクジェットヘッド22を備えているので、小型で信頼性が高く、また、高精細の画像を印刷することが可能となる。
尚、上記実施形態5では、インクジェットヘッド22を記録媒体26の移動方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)に移動させるようにしたが、複数のインクジェットヘッド22を記録媒体26の移動方向と垂直な方向全体に亘って並べることで、その並ぶ方向(X方向)の走査が不要となる。このように構成した場合、記録媒体26がローラ25(インクジェットヘッド22と記録媒体26とを相対移動させる相対移動手段を構成する)により移動しているときに、電圧供給手段27により圧電駆動部を駆動して、インクジェットヘッド22のノズル孔からインクを記録媒体26に吐出させて記録を行えばよく、こうすることで、高速で印刷が可能となる。
本発明の長形ダイアフラム型圧電素子は、インクを吐出するインクジェットヘッド(インクジェット式記録装置)に有用であり、また、配線基板や、ディスプレイ、DNAチップ、薄膜回路用コンデンサー、抵抗体等を作製するために、金属コロイド溶液、有機半導体溶液、DNA溶液、誘電体溶液等の液体を吐出する液体吐出機構にも有用である。
本発明の実施形態に係る長形ダイアフラム型圧電素子を示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の長形ダイアフラム型圧電素子の製造方法を示す概略図である。 y/xの値と、クラック発生電圧及び圧電駆動部のたわみ量との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る別の長形ダイアフラム型圧電素子を示す平面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図5の長形ダイアフラム型圧電素子の製造方法を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る更に別の長形ダイアフラム型圧電素子を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。 従来の長形ダイアフラム型圧電素子を備えたインクジェットヘッドを示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 圧電駆動部
3 第1の電極層
4 圧電体層
5 第2の電極層
6 振動板層
10 応力緩和部
11 切除部
12 低誘電率層
13 低圧電定数部
17 ノズル部材
17a インク供給孔
17b ノズル孔
19 インク室
22 インクジェットヘッド
24 キャリッジ(相対移動手段)
25 ローラ(相対移動手段)
26 記録媒体

Claims (11)

  1. 開口形状が、幅に対する長さの比が2以上の細長状である開口部を有する基材と、該基材上に上記開口部を覆うように設けられ、圧電体層と該圧電体層に電圧を印加するための電極層と該圧電体層を厚み方向にたわませるための振動板層とが積層された圧電駆動部とを備えた長形ダイアフラム型圧電素子であって、
    上記圧電駆動部における上記開口部上の部分に、該圧電駆動部の駆動時に該圧電駆動部の圧電体層において該開口部の長さ方向に作用する内部応力を緩和させる少なくとも1つの応力緩和部が、上記開口部の幅方向に延びるように形成されていることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  2. 請求項1記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    応力緩和部は、電極層においてその一部を切除してなる切除部で構成されていることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  3. 請求項1記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    応力緩和部は、電極層と圧電体層との間に設けられかつ該圧電体層よりも誘電率が低い低誘電率層で構成されていることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  4. 請求項1記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    応力緩和部は、圧電体層において他の部分よりも圧電定数を低下させた低圧電定数部で構成されていることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    応力緩和部の幅が、圧電体層の厚さ以上でかつ開口部の幅以下であることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    圧電駆動部における開口部上の部分に、複数の応力緩和部が該開口部の長さ方向に所定ピッチで並んで配設されており、
    上記応力緩和部の幅をxとし、上記配設ピッチをyとしたとき、
    1<y/x≦100
    を満たすことを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  7. 請求項6記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    1<y/x≦10
    を満たすことを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子において、
    圧電体層の厚みが0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする長形ダイアフラム型圧電素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子と、
    上記長形ダイアフラム型圧電素子の基材における圧電駆動部とは反対側の面に設けられ、該基材の開口部内に液体を供給する液体供給孔と該開口部内の液体を吐出するノズル孔とを有するノズル部材とを備え、上記長形ダイアフラム型圧電素子の作動により上記開口部内の液体を上記ノズル孔より吐出させるように構成されていることを特徴とする液体吐出機構。
  10. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の長形ダイアフラム型圧電素子と、
    上記長形ダイアフラム型圧電素子の基材における圧電駆動部とは反対側の面に設けられ、該基材の開口部内にインクを供給するインク供給孔と該開口部内のインクを吐出するノズル孔とを有するノズル部材とを備え、上記長形ダイアフラム型圧電素子の作動により上記開口部内のインクを上記ノズル孔より吐出させるように構成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項10記載のインクジェットヘッドと、
    上記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段と、
    上記インクジェットヘッドにおける長形ダイアフラム型圧電素子の圧電駆動部を駆動するための電圧供給手段とを備え、
    上記相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒体に対して相対移動しているときに、上記電圧供給手段により上記圧電駆動部を駆動して、該インクジェットヘッドのノズル孔より基材の開口部内のインクを記録媒体に吐出させて記録を行うように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
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