JP2005251469A - 非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】正極材料に硫黄単体を用い、電解質としてエーテル系のものを用いた場合であっても、大きな理論容量を有する硫黄単体の特性を損なうことなく、可逆性よく充放電反応が行うことができ、充放電効率を向上させることができる非水電解質電池を提供する。
【解決手段】正極活物質を含む正極1と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極2と、非水電解質4とを備えた非水電解質電池において、上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが添加されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】正極活物質を含む正極1と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極2と、非水電解質4とを備えた非水電解質電池において、上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが添加されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池に係り、特に、正極活物質と非水電解質との組み合わせによって、非常に高いエネルギー密度で良好なサイクル性能、充放電効率を有する非水電解質電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
上記非水電解質二次電池は、通常、リチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極と、リチウム金属やリチウム合金やリチウムの吸蔵・放出が可能な黒鉛等の炭素材料からなる負極と、エチレンカーボネートやジエチルカーボネート等の有機溶媒にLiBF4やLiPF6等のリチウム塩からなる電解質を溶解させた非水電解質とが用いられている。このような電池では、充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う。
ここで、上記移動情報端末の多機能化による消費電力の増加に伴って、さらに高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が要望されるようになってきている。ところが、上記従来構造の非水電解質二次電池では、正極に使用されているLiCoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物は質量が大きく、しかも反応電子数も少ないということに起因して、単位質量当たりの容量を充分に高めることが難しく、更なる電池の高エネルギー密度化を達成するのは困難であった。このため、高容量で高エネルギー密度な正極の材料の開発が必要不可欠となっている。
このようなことを考慮して、近年、正極材料に硫黄単体を用いた非水電解質二次電池の研究が行われている(例えば、下記特許文献1参照)。この硫黄単体は1675mAh/gの大きな理論容量を有していることから、次世代二次電池の有望な正極材料の1つとして注目されている。そして、正極材料に硫黄単体を用いた場合の電解質としては、電池諸特性の向上という観点から、主としてエーテル系のものが検討されている。尚、一部、電解質にポリマーを用いたものも報告されているが、基本的にはエーテル系の有機溶媒をポリマー化したものを用いており、基本的な特性は上記エーテル系の電解質を用いたものと同様である。
しかしながら、正極材料に硫黄単体を用い、電解質としてエーテル系のものを用いた場合、充放電時におけるサイクル性能があまり良好でなく、また、充放電効率が悪いという問題点がある。これは、以下に示す理由によるものと考えられる。
即ち、硫黄は固体となって正極上に析出するが、硫化物イオンまたは多硫化物イオンは電解液に溶解する性質を有する。そのため、初期の放電においては、正極上の硫黄が還元されて多硫化物イオンとなり電解液に溶出し、さらに還元されて硫化物イオンとなる(化1の反応11〜14参照)。一方、充電反応においては、硫化物イオンが酸化されて多硫化物イオンとなり、さらに酸化され硫黄として正極上に析出する(下記化1の反応15〜18参照)。ここで、上記多硫化物イオンは電解液に溶解していることから、充電反応時には、一部の多硫化物イオンが負極に近づき、負極のリチウムによって再び還元されることがある。つまり、充電反応時には、正常な酸化反応が生じる一方、一部で還元反応(化1の反応12〜14参照)が生じ、シャトル電流が流れる。その結果、満充電状態に到達するのに必要以上の電流量を要し、充放電効率が悪くなると考えられる。
そこで本発明は、上記課題を考慮したものであって、正極材料に硫黄単体を用い、電解質としてエーテル系等のものを用いた場合であっても、大きな理論容量を有する硫黄単体の特性を損なうことなく、可逆性よく充放電反応が行われ、充放電効率を飛躍的に向上させることができる非水電解質電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとAl2O3とが添加されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2記載の発明は、正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとSb2O5とが添加されていることを特徴とする。
上記2つの構成の如く、正極に少なくともZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが添加されていれば、理由は定かではないが、正極中の硫黄が溶出するのを抑制することができるものと考えられる。したがって、充電反応時に、一部の多硫化物イオンが負極に近づき、負極のリチウムによって再び還元されることを抑えることができるので、シャトル電流が流れるのを抑制できる。この結果、正極材料に硫黄単体を用いた場合の充放電効率を格段に向上させることができる。
請求項3記載の発明は請求項1又は2記載の発明において、負極活物質として炭素材料又はケイ素材料を用いることを特徴とする。
このように、負極活物質としては黒鉛等の炭素材料やケイ素材料を用いることができるが、本出願人の先の出願である特開2001−266851号公報及び特開2002−083594号公報に示したように、高いエネルギー密度の非水電解質電池を得るためには、容量の大きなケイ素材料を用いることが望ましい。但し、上記の如く負極活物質として炭素材料やケイ素材料を用いた場合には、充放電反応に関与するリチウムを正極、負極の何れかに保持させる必要がある。
このように、負極活物質としては黒鉛等の炭素材料やケイ素材料を用いることができるが、本出願人の先の出願である特開2001−266851号公報及び特開2002−083594号公報に示したように、高いエネルギー密度の非水電解質電池を得るためには、容量の大きなケイ素材料を用いることが望ましい。但し、上記の如く負極活物質として炭素材料やケイ素材料を用いた場合には、充放電反応に関与するリチウムを正極、負極の何れかに保持させる必要がある。
尚、負極活物質としては、上記のものに限定するものではなく、従来の非水電解質電池において一般に使用されているリチウム金属や、リチウム合金を用いることができることは勿論である。
ここで、上記のように硫黄単体を用いた正極において、その導電性を高めて充放電特性を向上させるためには、正極に導電剤を添加させることが好ましく、このような導電剤としては、例えば、導電性の炭素材料等を用いることができる。なお、このように導電性の炭素材料を添加させるにあたり、その添加量が少ないと、正極における導電性を充分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極におけるイオウの割合が少なくなって高い容量が得られなくなるため、炭素材料の量が正極質量の5〜84質量%の範囲、好ましくは5〜54質量%の範囲、より好ましくは5〜20質量%の範囲に規制するのが望ましい。
また、上記の電解質としては、常温溶融塩、鎖状エーテル、環状エーテル等を用いることができる。
上記の常温溶融塩は、第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。すでに開示されているように、第4級アンモニウム塩はイミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等のその他の常温溶融塩と比べると耐還元性が優れており、また、リチウム金属と反応しないということが知られている。イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等の常温溶融塩は耐還元性が低く、リチウム金属と反応するためリチウムイオン電池の電解液として用いることは好ましくないと考えられる。
このような第4級アンモニウム塩としては具体的には、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド{(CH3)3N+(C3H7)N−(SO2CF3)2}、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド{(CH3)3N+(C8H17)N−(SO2CF3)2}、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド{(CH3)3N+(Allyl)N−(SO2CF3)2}、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド{(CH3)3N+(C6H13)N−(SO2CF3)2}、メトキシメチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド{(CH3)3N+(CH2OCH3)N−(SO2CF3)2}から選択される少なくとも1種を用いることができる。
また、上記環状エーテルが、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテルから選択される少なくとも1種、上記鎖状エーテルが、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、 o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルから選択される少なくとも1種を用いることができる。
言うまでもないが、もちろん上記の請求項1〜3に記載の非水電解質にリチウム塩を加えてもよい。加えるリチウム塩としては、従来の非水電解質電池において電解質として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiAsF6、ジフルオロ(オキサラト) ホウ酸リチウム(下記化2参照)から選択される少なくとも1種を用いることができる。
本発明によれば、正極中の硫黄が溶出するのを抑制することができるので、充電反応時に、一部の多硫化物イオンが負極に近づき、負極のリチウムによって再び還元されることを抑えることができる。したがって、シャトル電流が流れるのを抑制できるので、正極材料に硫黄単体を用いた場合の充放電効率を格段に向上させることができるという優れた効果を奏する。
以下、この発明に係る非水電解質電池を、図1に基づいて説明する。なお、この発明における非水電解質電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
〔正極の作製〕
先ず、活物質としての硫黄単体を58質量%と、導電剤としてのケッチェンブラックを32質量%とをボールミルで混合した。次に、この混合物に、結着剤としてのスチレンブタジエンラバー(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をそれぞれ3質量%及び1質量%と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量%と、添加剤としてのZnOとAl2O3との混合物(有限会社エヌ・ティー・エス社製のLattice−Aであって、平均粒径が93nm)を5質量%とを混合し、スラリーを調製した。次いで、このスラリーをドクタープレード法により電解アルミ箔上に塗布した後、ホットプレートを用いて50℃で乾燥させた。最後に、これを2cm×2cmのサイズに切り取った後、50℃で真空乾燥させることにより正極1を作製した。
先ず、活物質としての硫黄単体を58質量%と、導電剤としてのケッチェンブラックを32質量%とをボールミルで混合した。次に、この混合物に、結着剤としてのスチレンブタジエンラバー(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をそれぞれ3質量%及び1質量%と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量%と、添加剤としてのZnOとAl2O3との混合物(有限会社エヌ・ティー・エス社製のLattice−Aであって、平均粒径が93nm)を5質量%とを混合し、スラリーを調製した。次いで、このスラリーをドクタープレード法により電解アルミ箔上に塗布した後、ホットプレートを用いて50℃で乾燥させた。最後に、これを2cm×2cmのサイズに切り取った後、50℃で真空乾燥させることにより正極1を作製した。
〔負極の作製〕
リチウム金属板を3cm×2.5cmのサイズに切り取ることにより、負極2を作製した。
リチウム金属板を3cm×2.5cmのサイズに切り取ることにより、負極2を作製した。
〔非水電解質の調製〕
1,3−ジオキソランと1,2−ジメトキシエタンとを10:90の体積比で混合した電解質に、リチウム塩としてのLiN(CF3SO2)2を3モル/リットルとなるように溶解させることにより非水電解質4を調製した。
1,3−ジオキソランと1,2−ジメトキシエタンとを10:90の体積比で混合した電解質に、リチウム塩としてのLiN(CF3SO2)2を3モル/リットルとなるように溶解させることにより非水電解質4を調製した。
〔試験セルの作製〕
図1に示すように、不活性雰囲気下において、作用極としての上記正極1と、対極としての負極2とを、セパレータ5を介して試験セル容器6内に配置し、試験セル容器6内に上記非水電解質4を注液することにより試験セルを作製した。尚、参照極3にはリチウム金属を用いた。
図1に示すように、不活性雰囲気下において、作用極としての上記正極1と、対極としての負極2とを、セパレータ5を介して試験セル容器6内に配置し、試験セル容器6内に上記非水電解質4を注液することにより試験セルを作製した。尚、参照極3にはリチウム金属を用いた。
本発明の実施例を、図2〜図4に基づいて、以下に説明する。
(実施例1)
実施例1の試験セルとしては、上記発明を実施するための最良の形態で説明した試験セルと同様にして作製したものを用いた。
このようにして作製したセルを、以下、本発明セルAと称する。
(実施例1)
実施例1の試験セルとしては、上記発明を実施するための最良の形態で説明した試験セルと同様にして作製したものを用いた。
このようにして作製したセルを、以下、本発明セルAと称する。
(実施例2)
正極の添加剤として、ZnOとAl2O3との混合物の代わりに、ZnOとSb2O5との混合物(有限会社エヌ・ティー・エス社製のLattice−Bであって、平均粒径が21nm)を用いる他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製したセルを、以下、本発明セルBと称する。
正極の添加剤として、ZnOとAl2O3との混合物の代わりに、ZnOとSb2O5との混合物(有限会社エヌ・ティー・エス社製のLattice−Bであって、平均粒径が21nm)を用いる他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製したセルを、以下、本発明セルBと称する。
(比較例)
正極の添加剤(ZnOとAl2O3との混合物)を添加せず、且つ、活物質としての硫黄単体と導電剤としてのケッチェンブラックとの量を、それぞれ、60質量%、35質量%とした他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製したセルを、以下、比較セルXと称する。
正極の添加剤(ZnOとAl2O3との混合物)を添加せず、且つ、活物質としての硫黄単体と導電剤としてのケッチェンブラックとの量を、それぞれ、60質量%、35質量%とした他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製したセルを、以下、比較セルXと称する。
(実験)
上記本発明セルA、B及び比較セルXを、下記の充放電条件で充放電を繰り返し行い、充放電サイクル数と充放電効率との関係を調べたので、その結果を図2〜図4に示す。尚、図2は本発明セルA、図3は本発明セルB、図4は比較セルXにおけるグラフである。
上記本発明セルA、B及び比較セルXを、下記の充放電条件で充放電を繰り返し行い、充放電サイクル数と充放電効率との関係を調べたので、その結果を図2〜図4に示す。尚、図2は本発明セルA、図3は本発明セルB、図4は比較セルXにおけるグラフである。
・放電条件
放電電流0.25mA/cm2で、放電終止電位1.5V(Vs.Li/Li+)まで放電するという条件。
放電電流0.25mA/cm2で、放電終止電位1.5V(Vs.Li/Li+)まで放電するという条件。
・充電条件
充電電流0.25mA/cm2で、充電終止電位2.8V(Vs.Li/Li+)まで充電するという条件。
尚、充放電効率は充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)とを測定し、下記の式(1)により求めた。また、初期の放電を1サイクル目とし、その後の充電を2サイクル目としたので、初期の充放電効率は図示していない。
充電電流0.25mA/cm2で、充電終止電位2.8V(Vs.Li/Li+)まで充電するという条件。
尚、充放電効率は充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)とを測定し、下記の式(1)により求めた。また、初期の放電を1サイクル目とし、その後の充電を2サイクル目としたので、初期の充放電効率は図示していない。
充放電効率(%)=(Qb/Qa)×100…(1)
本発明セルA、Bでは、図2及び図3から明らかなように、1〜3サイクル目までは充放電効率が若干不安定であるものの、4サイクル目以降は充放電効率が安定しており、且つ4サイクル目以降の充放電効率の平均値は、それぞれ92.2%、91.6%と非常に高くなっていることが認められる。これに対して、比較セルXでは、4サイクル目以降のみならず1〜3サイクル目までの充放電効率も安定しているとはいうものの、4サイクル目以降の充放電効率の平均値は74.0%と非常に低くなっていることが認められる。
このような結果となったのは、以下に示す理由によるものと考えられる。即ち、比較セルXでは、充電反応時に一部の多硫化物イオンが負極に近づき、負極のリチウムによって再び還元されることがある。このため、シャトル電流が流れて、満充電状態に到達するのに必要以上の電流量を要する。これに対して、本発明セルA、Bでは、正極にZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが含まれているので、正極中の硫黄が溶出するのを抑制することができる。したがって、充電反応時に、一部の多硫化物イオンが負極に近づき、負極のリチウムによって再び還元されるのを抑えることができるので、シャトル電流が流れるのを抑制できるという理由によるものと考えられる。
(その他の事項)
上記実施例においては、正極の添加剤としてZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが用いられている場合について説明したが、ZnOとAl2O3とSb2O5とを全て正極の添加剤として用いても上記と同様の効果を奏することは勿論である。
上記実施例においては、正極の添加剤としてZnOとAl2O3と、又は、ZnOとSb2O5とが用いられている場合について説明したが、ZnOとAl2O3とSb2O5とを全て正極の添加剤として用いても上記と同様の効果を奏することは勿論である。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源に適用することができる。
1:正極
2:負極
4:非水電解質
2:負極
4:非水電解質
Claims (3)
- 正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、
上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとAl2O3とが添加されていることを特徴とする非水電解質電池。 - 正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、
上記正極活物質として硫黄単体を用いると共に、上記正極には少なくともZnOとSb2O5とが添加されていることを特徴とする非水電解質電池。 - 上記負極活物質として炭素材料又はケイ素材料を用いる、請求項1又は2記載の非水電解質電池。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008131631A1 (en) * | 2007-04-25 | 2008-11-06 | Dongguan Amperex Electronics Technology Co., Ltd | Safety type battery |
JP2011514638A (ja) * | 2008-03-05 | 2011-05-06 | イーグルピッチャー テクノロジーズ,エルエルシー | リチウム−硫黄電池およびそのカソード |
WO2016159058A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2016-10-06 | 日立化成株式会社 | リチウムイオン二次電池及びその製造方法 |
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2004
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