JP2005249558A - X線分析装置 - Google Patents

X線分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005249558A
JP2005249558A JP2004059964A JP2004059964A JP2005249558A JP 2005249558 A JP2005249558 A JP 2005249558A JP 2004059964 A JP2004059964 A JP 2004059964A JP 2004059964 A JP2004059964 A JP 2004059964A JP 2005249558 A JP2005249558 A JP 2005249558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
rays
dispersion type
sample
intrinsic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004059964A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Kuwabara
章二 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2004059964A priority Critical patent/JP2005249558A/ja
Publication of JP2005249558A publication Critical patent/JP2005249558A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 波長分散型検出器とエネルギー分散型検出器との切替えが可能なX線分析装置において、試料から離れた検出器に到達するまでにX線が拡がってしまうために利用効率が低く感度を上げることができない。
【解決手段】照射チャンバ1内に収容された試料Sに近接して入射端面を、検出チャンバ2内のエネルギー分散型検出器10に向けて出射端面を有するポリキャピラリX線レンズ13を介して固有X線を集光及び案内する。X線レンズ13は大きな立体角で固有X線を効率良く取り込み、ほぼ平行光化してX線を出射する。エネルギー分散モードにおいてX線の入射光路上から分光結晶7が退避されたとき、X線は殆ど拡がらずに離れた位置にある検出器10に到達するから、高い感度で固有X線を分析することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子線プローブ微小分析装置(EPMA)、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)、蛍光X線分析装置等、電子線やX線などを励起線として試料から固有X線を放出させてこれを分析するX線分析装置に関し、更に詳しくは、固有X線の検出方式として波長分散型とエネルギー分散型とを選択することが可能であるX線分析装置に関する。
電子線プローブ微小分析装置(EPMA)では、高エネルギーを有する電子線を励起線として試料に照射し、それによって試料の含有成分の内側電子が励起された際に外部に放出される固有X線を分析することにより、元素の同定や定量を行ったり、元素の分布を調べたりする。一方、蛍光X線分析装置では、一次X線を励起線として試料に照射し、それによって試料から放出される固有X線(蛍光X線)をEPMAと同様に分析する。
こうしたX線分析装置において、試料から放出された固有X線を検出する方法としては、固有X線を分光結晶で分光し、分光された各種回折X線の中で特定波長(エネルギー)を有する回折X線のみを検出器に導入して検出する波長分散型(WDS)と、固有X線を半導体検出器に直接導入して、そのX線の波長(エネルギー)に比例する波高を有するパルス信号を発生させ、波高分析器等によりその波高値を検知することにより電気的に波長分離して検出するエネルギー分散型(EDS)とがある。一般的に、波長分散型は高分解能であるが分析時間が掛かり、一方、エネルギー分散型は分析精度は劣るが分析時間が短くて済むという特徴を持つ。したがって、分析目的等に応じていずれかの方式を適宜に選択したいという要求があり、こうした要求に対応したX線分析装置が従来知られている。
図5はこうした検出方式の切替えが可能な従来の蛍光X線分析装置の要部の構成図であり、(a)は波長分散型として使用する場合の状態、(b)はエネルギー分散型として使用する場合の状態を示している(特許文献1参照)。
この蛍光X線分析装置では、試料Sから蛍光X線を放出させる照射チャンバ1に隣接して、内部に分光手段とこれに対応する検出器とを備える検出チャンバ2を設けている。照射チャンバ1には励起線を照射する励起線源としてX線管3が取り付けられており、照射チャンバ1内に収容された試料Sに対しフィルタ4を介して励起X線を照射する。試料Sにおいて励起X線の照射範囲近傍から蛍光X線が放出される。この蛍光X線の一部がアパーチャ5を通して検出チャンバ2に入射する。
検出チャンバ2内には、入口スリットである1次ソーラスリット6と、蛍光X線を波長分散させる分光結晶7と、出口スリットである2次ソーラスリット8と、検出器9とが備えられている。分光結晶7は所定角度範囲で回転自在であり、2次ソーラスリット8及び検出器9は分光結晶7が回転角θだけ回転する際に、その2倍の角度2θ回転するように構成されている。また、分光結晶7は、図示しない駆動機構により1次ソーラスリット6を通過して入射して来るX線の入射光路上から退避可能となっており、その入射光路の延長線上の検出チャンバ2の壁面には、エネルギー分散型に対応した検出器10(具体的にはリチウム・ドリフト型シリコン検出器などの半導体検出器)が取り付けられている。したがって、分光結晶7が入射光路上から退避された状態では、1次ソーラスリット6を通過して来た蛍光X線は分光結晶7で遮られることなく検出器10に入射する。
本装置を波長分散型として使用する場合には、図5(a)に示すように、分光結晶7を蛍光X線の入射光路上に挿入する。その状態でX線管3から試料Sに励起X線を照射し、試料Sから放出された蛍光X線の一部をアパーチャ5を通して検出チャンバ2に導入する。この蛍光X線は1次ソーラスリット6を通過することで平行光化されて分光結晶7に入射し、分光結晶7ではX線を波長つまりエネルギーに応じて分散する。その分散されたX線のうちの一部が2次ソーラスリット8を通して検出器9に入射して検出される。分光結晶7を回転させ、その回転角θに対して2次ソーラスリット8及び検出器9の回転角を2θに保つことにより、蛍光X線の波長走査を行うことができる。
一方、本装置をエネルギー分散型として使用する場合には、図5(b)に示すように、分光結晶7を蛍光X線の入射光路から外れる位置まで退避させ、2次ソーラスリット8及び検出器9も入射光路上から確実に外れる位置まで回転しておく。その状態で上記波長分散型の場合と同様にX線管3から試料Sに励起X線を照射すると、試料Sから放出された蛍光X線の一部がアパーチャ5を通り1次ソーラスリット6で平行光化される。このとき平行光化された蛍光X線は分光結晶7には当たらないので、直進してエネルギー分散型の検出器10に到達して検出される。
上述のように、上記従来の蛍光X線分析装置は、分光結晶7を蛍光X線の入射光路上に挿入するとともに2次ソーラスリット8及び検出器9を分光結晶7の回転角度に対して所定位置に配置することによって波長分散型の装置として機能し、分光結晶7、2次ソーラスリット8及び検出器9を蛍光X線の入射光路上から退避させることによってエネルギー分散型の装置として機能するように切り替えることが可能である。したがって、分析目的などに応じて、こうした切替えを行って波長分散型又はエネルギー分散型のいずれかの分析を選択的に行うことができる。
しかしながら、上記構成の蛍光X線分析装置では次のような問題がある。図6(a)、(b)は試料Sから検出器10までの蛍光X線の入射光路を図5(b)中の矢印Bの方向から見たときの概略図である。1次ソーラスリット6は複数の平板状のスリット板を略平行に所定間隔保って配置したものであり、上述したように入射して来た蛍光X線を平行光化するが、それはスリット板に直交する面内であってスリット板に平行な面内ではX線は規制を受けない。そのため、図6(a)に示すように検出チャンバ2内で蛍光X線は扇状に広がってしまい、特に検出チャンバ2のX線入射口から最も離れた検出器10の取付位置では蛍光X線の到達範囲はかなり大きくなる。そのため、検出器10に入射するX線は検出チャンバ2に導入された蛍光X線のうちのごく一部にすぎず、十分な感度を得ることが難しい。
励起線が通常のX線(特に照射径を小さく絞ること考慮していない場合)である場合には、図6(b)に示すように試料S上の比較的広い範囲Pに励起X線が当たり、その範囲P内及びその近傍から放出された蛍光X線が重なり合って検出器10に到達するため、或る程度の感度が得られる。そのため、こうした場合には上述したような蛍光X線の利用効率の低さが問題となることは少ない。ところが、図6(a)に示すように、電子線、イオン線、或いはごく小径に絞ったX線を試料S上の微小領域Qに当てて、そこから放出される固有X線を検出する場合には、上記のようなX線の重なり効果が殆ど期待できず、エネルギー分散型の検出器10に到達し得るX線はごく弱いものとなる。そのため、十分な感度を確保することが困難である。
特開平10−206356号公報
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的は、固有X線を放出する試料とX線検出器とを近接して配置することが困難である場合でも、試料から放出された固有X線を効率よく検出器に導入して高感度の分析を行うことができるX線分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料に励起線を照射して試料から固有X線を放出させる励起線照射手段と、該固有X線を波長分散させる分光手段及び該分光手段で分散されたX線を検出する検出器とを含む波長分散型検出手段と、前記分光手段に対する固有X線の入射光路の延長線上に配置されたエネルギー分散型検出手段と、を具備し、前記分光手段を固有X線の入射光路上に配置した状態と該分光手段を固有X線の入射光路上から退避させた状態とを切り替えることによって波長分散型又はエネルギー分散型のX線検出を選択的に行えるようにしたX線分析装置において、
前記試料と前記分光手段との間に、試料に向いた入射端面側で点焦点を有し、分光手段に向いた出射端面側で略平行光となるようなポリキャピラリX線レンズを配置したことを特徴としている。
本発明に係るX線分析装置では、試料とエネルギー分散型検出手段との間の入射光路上に分光手段が挿入されることになるため、試料とエネルギー分散型検出手段との間の距離を或る程度長くせざるを得ない。そのため、試料から放出された固有X線をエネルギー分散型検出手段にまで導く入射光路でのX線の広がりが大きいと、検出手段に到達し得るX線の割合がかなり小さくなる。そこで、この発明に係るX線分析装置では、試料から放出された固有X線を集め平行光化するための手段としてポリキャピラリX線レンズを用いる。
ポリキャピラリは例えばガラス製の細管を多数束ねた基本構造を有しており、X線は各ガラス管内壁面に臨界角以下の入射角で当たることにより全反射しながら進行する。一般的にこの臨界角は1°以下であるため、出射端面から出射するX線の拡がり角も光軸の全周について1°以下(実際には0.2°程度)に抑えられる。一方、入射端面側では、殆ど点とみなし得るX線源から出たX線を大きな立体角で以て効率良く取り込むことができる。したがって、このポリキャピラリX線レンズを試料と分光手段との間に配置することにより、試料からあらゆる方向に放出される固有X線を効率良く収集して分光手段へと導くことができる。分光手段が入射光路上から退避された状態では、X線は分光手段に当たらず直進してゆくが、上述したようにX線レンズの出射端面から出射するX線の拡がり角は非常に小さいので、或る程度の長い距離を進んだ場合でもX線の光径は大きくならない。それによって、エネルギー分散型検出手段の受光面に到達して検出に利用されるX線の利用効率が従来よりも格段に向上する。
上記ポリキャピラリX線レンズはほぼ点とみなし得る微小領域から放出されるX線を効率良く収集することができるから、本発明に係るX線分析装置は、励起線により試料上の狭い範囲を照射し、該照射範囲内の微小部分から放出される固有X線をポリキャピラリX線レンズにより集光して波長分散型検出手段又はエネルギー分散型検出手段で検出するような微小部分析用の装置に特に好適である。具体的には、励起線として電子線や小径に絞ったX線を用い、試料上の数十μm程度の範囲内の分析を高感度で行うものに特に有用である。こうした用途では、ポリキャピラリX線レンズの点焦点が試料表面に来る程度まで、該レンズの入射端面を試料表面に近接させるとよい。
また、固有X線は雰囲気ガスの吸収により減衰するから、好ましくは、試料から検出器までのX線の入射光路を真空雰囲気にするとよいが、試料が液体試料や飛散し易い粉体試料である場合には試料周囲の雰囲気を真空状態にすることは困難である。そこで、本発明の一実施態様として、励起線照射手段による試料への励起線の照射が行われる照射チャンバと、波長分散型検出手段が内部に収容され且つエネルギー分散型検出手段が内部又は壁面に設けられた検出チャンバとが隣接又は近接して配置され、ポリキャピラリX線レンズが照射チャンバと検出チャンバとを跨るように設けられた構成とすることが好ましい。この状態では検出チャンバ内を例えば真空雰囲気とし、照射チャンバ内を大気圧のままとするか或いは大気をヘリウムなどの適宜の雰囲気ガスに置換した状態とすることができる。ポリキャピラリX線レンズはX線に対する一種の導波路として機能するから、上記のように照射チャンバと検出チャンバとが別々に存在しても、その間を跨いで固有X線を効率よく案内することができる。
さらにまた、ポリキャピラリX線レンズは撓んだ状態してもよいため、試料から放出される固有X線の放出方向とは異なる位置に検出手段を配置することも可能である。これによって、例えば上記照射チャンバと検出チャンバとの位置関係の自由度が大きくなり、さらに両チャンバを壁面を隔てて両側に配置せずとも、或る程度離れて配置することも可能となる。
本発明に係るX線分析装置によれば、試料から放出された固有X線をポリキャピラリX線レンズにより効率良く収集し、その出射端面から光軸周りの全周でほぼ平行光として出射するので、試料から離れた位置に配置せざるを得ないエネルギー分散型検出手段にも十分な強度のX線を入射させることができる。それによって、分析感度を向上させることができる。特に試料上の微小領域からの固有X線を分析したい場合においても、固有X線を高い効率で利用して高感度の分析が可能となる。さらにまた、本発明に係るX線分析装置によれば、照射チャンバと検出チャンバの配置の自由度が高まるため、装置の筐体設計やデザインの自由度が増すという利点もある。
以下、本発明の一実施例である電子線プローブ微小分析装置について図面を参照して説明する。図1は本実施例による電子線プローブ微小分析装置の要部の構成図であり、(a)は波長分散型として使用する場合の状態、(b)はエネルギー分散型として使用する場合の状態を示している。なお、既に説明した図5と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
この電子線プローブ微小分析装置においては、図5に示した蛍光X線分析装置におけるアパーチャ5及び1次ソーラスリット6に代えて、照射チャンバ1内に収容された試料Sに近接して入射端面を、検出チャンバ2内の検出器10の受光面に向いて出射端面を有するように、両チャンバ1、2を隔てる隔壁20を貫通してポリキャピラリX線レンズ13が設けられている。
図2はこのポリキャピラリX線レンズ13の拡大図である。ポリキャピラリX線レンズ13は、例えば硼珪酸ガラスから成る細管(最大内径が数μm程度)を多数束ねた基本構造を有しており、1本の細管の内側に入射されたX線が細管の内周面を全反射しながら進行してゆく原理を利用してX線を効率良く案内する。全反射の条件は臨界角以下の角度でX線が細管の内周面に当たることであり、一般に臨界角は1°以下のきわめて小さい角度である。図2に示すように、ポリキャピラリX線レンズ13は入射端面側において細管全体が中央に向かって絞られており、殆ど点とみなし得るX線源Fから出たX線を大きな立体角で以て取り込む。また、各細管の出射端面側は同一内径で開口しており、臨界角よりも小さな拡がり角で以てほぼ平行にX線が出射する。
図1において、照射チャンバ1の上壁には電子銃駆動部12により駆動される電子銃11が取り付けられており、励起線としての電子線を試料Sに照射する。励起用の電子線の照射径は0.1μm以下に絞ることが可能である。この電子線の照射を受けて試料S上で固有X線を放出する領域は試料S内部での電子の拡散によって電子線の照射径よりは大きくなるものの、電子線の加速電圧を抑える等の適切な制御によって1μm程度に抑えられる。一方、ポリキャピラリX線レンズ13の入射側の点焦点領域のサイズは検出対象のX線の波長に依存するが、例えばCuKαに対しては約50μmである。したがって、ポリキャピラリX線レンズ13は上記電子線の照射によって試料Sから放出される固有X線を効率良く収集する。収集された固有X線はポリキャピラリX線レンズ13を通って検出チャンバ2内に導入され、そのレンズ13と略同径に平行ビーム化されて出射される。
本装置を波長分散型として使用する場合には、図1(a)に示すように、固有X線の入射光路上に分光結晶7が存在するから、固有X線は分光結晶7に当たって波長分散され、そのうちの一部が2次ソーラスリット8を通して検出器9に入射して検出される。このとき、信号切替部17は波長分散型検出器9の検出信号を選択するように切り替えられており、検出器9による検出信号であるパルス信号が信号処理部18に送られる。波長分散型の動作モードにおいて、信号処理部18は単位時間当たりに得られたパルス信号を計数することでX線強度に応じた値を得る。そして、このX線強度値がデータ処理部19に送られ、データ処理部19で定性分析や定量分析が実行されるほか、試料表面のマッピングを示す画像が作成される。
一方、本装置をエネルギー分散型として使用する場合には、図1(b)に示すように、分光結晶7は固有X線の入射光路上から外れる位置まで退避されるから、固有X線は分光結晶7に遮られることなく直進する。図3は試料Sから検出器10までの蛍光X線の入射光路を図1(b)中の矢印Aの方向から見たときの概略図である。上述したようにポリキャピラリX線レンズ13から出射するX線の拡がり角は非常に小さく、例えば0.2°程度にすぎない。したがって、図3に示すように、ポリキャピラリX線レンズ13の出射端面と検出器10とは離れているものの、レンズ13から出射した固有X線の殆どが検出器10の受光面に到達して検出される。
このとき、信号切替部17はエネルギー分散型検出器10の検出信号を選択するように切り替えられており、検出器10による検出信号である、波長(エネルギー)に応じた波高値を有するパルス信号がプリアンプ13で増幅された後に信号処理部18に送られる。なお、検出器10及びプリアンプ13は液体窒素を利用した冷却器14により冷却される。エネルギー分散型の動作モードにおいて、信号処理部18は入力されたパルス信号を波高値毎に分離することで波長分離を行ってX線強度に応じた値を得る。上述したように固有X線の利用効率が高いため、試料Sから放出されるX線が微量であっても、これを確実に検出することができる。
以上のように、本実施例による電子線プローブ微小分析装置では、波長分散型、エネルギー分散型のいずれにおいても試料Sから放出された固有X線を有効に利用して、高い感度で分析を行うことができる。
また、ポリキャピラリX線レンズ13は各細管の内部でX線を全反射させながらX線を案内するものであるから、機械的な強度等の制約の範囲で適度に湾曲させてもX線の通過効率は殆ど劣化しない。そこで、例えば図4に示すように、照射チャンバ1と検出チャンバ2との位置関係を変え、X線の入射軸C1と出射軸C2とを斜交させるように撓ませたポリキャピラリX線レンズ13を介して照射チャンバ1内から検出チャンバ2内へと固有X線を案内するようにしてもよい。また、必ずしも隔壁20を挟んで照射チャンバ1と検出チャンバ2とが隣接していなくともよい。このようにポリキャピラリX線レンズ13を用いることによって照射チャンバ1と検出チャンバ2との位置関係の自由度が高くなる。
なお、上記実施例は本発明の一例であるから、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正又は追加を行っても本願請求項に包含されることは当然である。具体的には、例えば上記実施例は、試料に電子線を照射して試料から固有X線を放出させる電子線プローブ微小分析装置を例に挙げて説明したが、試料に照射する励起線の種類は限定されず、X線や、陽子線、α線、γ線などの粒子線のほか、放射光などであってもよい。すなわち、具体的な装置として電子線プローブ微小分析装置のみならず、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、微小部蛍光X線分析装置などにも有用である。
本発明の一実施例による電子線プローブ微小分析装置の要部の構成図。 本実施例の電子線プローブ微小分析装置に用いられるポリキャピラリX線レンズの拡大図。 試料から検出器までの蛍光X線の光路を図1(b)中の矢印Aの方向から見たときの概略図。 本発明の他の実施例による電子線プローブ微小分析装置の要部の構成図。 従来の蛍光X線分析装置の要部の構成図。 試料から検出器までの蛍光X線の光路を図5(b)中の矢印B方向から見たときの概略図。
符号の説明
1…照射チャンバ
2…検出チャンバ
7…分光結晶
8…2次ソーラスリット
9…波長分散型検出器
10…エネルギー分散型検出器
11…電子銃
12…電子銃駆動部
13…ポリキャピラリX線レンズ
20…隔壁
S…試料

Claims (3)

  1. 試料に励起線を照射して試料から固有X線を放出させる励起線照射手段と、該固有X線を波長分散させる分光手段及び該分光手段で分散されたX線を検出する検出器とを含む波長分散型検出手段と、前記分光手段に対する固有X線の入射光路の延長線上に配置されたエネルギー分散型検出手段と、を具備し、前記分光手段を固有X線の入射光路上に配置した状態と該分光手段を固有X線の入射光路上から退避させた状態とを切り替えることによって波長分散型又はエネルギー分散型のX線検出を選択的に行えるようにしたX線分析装置において、
    前記試料と前記分光手段との間に、試料に向いた入射端面側で点焦点を有し、分光手段に向いた出射端面側で略平行光となるようなポリキャピラリX線レンズを配置したことを特徴とするX線分析装置。
  2. 請求項1に記載のX線分析装置において、前記励起線により試料上の狭い範囲を照射し、該照射範囲内の微小部分から放出される固有X線を前記ポリキャピラリX線レンズにより集光して前記波長分散型検出手段又はエネルギー分散型検出手段で検出する、微小部分析用のX線分析装置。
  3. 前記励起線照射手段による試料への励起線の照射が行われる照射チャンバと、前記波長分散型検出手段が内部に収容され且つエネルギー分散型検出手段が内部又は壁面に設けられた検出チャンバとが隣接又は近接して配置され、前記ポリキャピラリX線レンズが照射チャンバと検出チャンバとを跨るように設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線分析装置。
JP2004059964A 2004-03-04 2004-03-04 X線分析装置 Pending JP2005249558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004059964A JP2005249558A (ja) 2004-03-04 2004-03-04 X線分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004059964A JP2005249558A (ja) 2004-03-04 2004-03-04 X線分析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005249558A true JP2005249558A (ja) 2005-09-15

Family

ID=35030169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004059964A Pending JP2005249558A (ja) 2004-03-04 2004-03-04 X線分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005249558A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010197187A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Shimadzu Corp X線分析装置
JP2011039053A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Fei Co X線分光法用の微量熱量測定
CN105652174A (zh) * 2015-12-30 2016-06-08 中国人民解放军国防科学技术大学 用于射线辐照实验的探针台系统及实验方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010197187A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Shimadzu Corp X線分析装置
JP2011039053A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Fei Co X線分光法用の微量熱量測定
CN105652174A (zh) * 2015-12-30 2016-06-08 中国人民解放军国防科学技术大学 用于射线辐照实验的探针台系统及实验方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6041095A (en) X-ray fluorescence analyzer
JP5039342B2 (ja) Maldiサンプルプレート撮像ワークステーション
US20130126727A1 (en) Time-of-Flight Electron Energy Analyzer
Ding et al. Monolithic polycapillary X-ray optics engineered to meet a wide range of applications
EP3790025B1 (en) X-ray analyzer
JP5159068B2 (ja) 全反射蛍光x線分析装置
JP2006344597A (ja) イオン源試料プレート照射システム
CN112305002A (zh) 光谱学和成像系统
JP3511826B2 (ja) 蛍光x線分析装置
JP6814247B2 (ja) カソードルミネッセンス光学ハブ
JP4715345B2 (ja) X線分析装置
US4255656A (en) Apparatus for charged particle spectroscopy
JP2002189004A (ja) X線分析装置
JP2005249558A (ja) X線分析装置
JP5684032B2 (ja) 荷電粒子線分析装置および分析方法
JP4706554B2 (ja) X線分光装置
JP2010197229A (ja) 蛍光x線分析装置
JP5347559B2 (ja) X線分析装置
JP3755034B2 (ja) 全反射蛍光x線分析法およびその装置
JP4639971B2 (ja) X線分析装置
JP2019102464A (ja) 改善されたeels/eftemモジュールを有する透過型荷電粒子顕微鏡
JP2014196925A (ja) 蛍光x線分析装置及びそれに用いられる深さ方向分析方法
JP3860641B2 (ja) 蛍光x線分析装置
JPH04233149A (ja) 試料面分析装置
JP4365687B2 (ja) 分析方法及び分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216