JP2005248841A - 二次空気供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次空気供給装置において、空気を排気ポートの最適位置に供給することで排気浄化効率を向上すると共に加工を容易として低コスト化を図る。
【解決手段】排気バルブ22を支持するステムガイド20の外周部にエア導入リング31を固定することで、両者の間に下端部が排気ポート18に連通する二次空気噴射孔32を設け、二次空気噴射孔32の上端部に空気供給通路33を連結し、この空気供給通路33に所定温度以下で開放する開閉バルブ34と、空気を導入する電動エアポンプ35を連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの運転状態に応じて必要時に排気ポートに空気を供給する二次空気供給装置に関するものである。
エンジンには、気筒ごとに燃焼室が設けられており、この各燃焼室には吸気ポート及び排気ポートが連通しており、吸気ポートは吸気バルブの駆動によって開閉され、排気ポートは排気バルブの駆動によって開閉される。また、吸気ポートには吸気マニホールドを介して吸気管が接続される一方、排気ポートには排気マニホールドを介して排気管が接続され、この排気管に触媒が装着されている。そして、各燃焼室には点火プラグが設けられ、各吸気ポートにはインジェクタが設けられている。
従って、吸気管を通して流入した空気は吸気マニホールドを通して吸気ポートに供給され、所定量の燃料がインジェクタからこの吸気ポートに噴射されると、吸気バルブの開放時に空気と燃料との混合気が燃焼室に流入する。そして、ピストンが上昇して燃焼室内の混合気が圧縮され、点火プラグにより点火されることで爆発、膨張が行われる。その後、混合気の燃焼によって発生した排気ガスは排気バルブの開放時に排気ポートに排出され、排気マニホールドから排気管を通し、触媒に浄化されてから大気に放出される。
このようなエンジンにおいて、低温始動時には、燃焼室が十分に温まっておらずに燃焼状態が良くないため、排気ガス中にCOやHCなどの未燃成分が残留してしまう。また、燃料を直接燃焼室に噴射する直噴エンジンでは、この未燃成分を触媒で再燃焼させることが困難となっている。そのため、排気ポートに二次空気を供給することで、未燃成分を排気ポートや触媒コで再燃焼して除去することが考えられている。
この場合、シリンダヘッドに二次空気供給通路を形成し、エンジンの低温始動時にこの二次空気供給通路を通して空気を排気ポートに供給するが、空気の供給位置は排気との混合性を考慮すると、排気温度の高い燃焼室近傍で、且つ、壁面から離れたポート中央が望ましい。
排気ポートに二次空気を供給するものとしては、例えば、下記特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1に記載された「エンジンにおける排気浄化装置」は、排気ポートに開口してシリンダヘッドに設けられる2次空気通路にて、その少なくとも下流側通路部分の仮想延長部の一部をシリンダヘッドに圧入された状態のバルブシートと重ねるように、バルブシーツの圧入前にシリンダヘッドに形成することで、2次空気供給通路の加工を容易としたものである。
特開2002−004849号公報
上述した特許文献1の「エンジンにおける排気浄化装置」にあっては、2次空気供給通路の下流側通路部分を、燃焼室側への仮想延長部がシリンダヘッドに圧入される前にシート取付座を貫通するように機械加工により形成している。そのため、この加工によりシート取付座に歪が発生する虞があり、シート取付座にバルブシートを適正に圧入することができず、圧入部に隙間が発生した場合には、混合気や排気の漏洩が生じて高い燃焼効率を確保することができないという問題がある。また、2次空気供給通路の下流側通路部分を鋳造により形成する場合には、鋳型が複雑なものとなり、製造コストが増大してしまうという問題がある。更に、この2次空気供給通路は排気ポートの壁面に開口しているため、2次空気は排気ポートの壁面に沿って供給されてポート中央には流動せず、排気との混合性が良くない。
本発明は、このような問題を解決するものであって、空気を排気ポートの最適位置に供給することで排気浄化効率を向上すると共に加工を容易として低コスト化を図った二次空気供給装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の二次空気供給装置は、エンジン本体に設けられた燃焼室に対して吸気ポート及び排気ポートが連通して設けられ、前記燃焼室と前記吸気ポートとが吸気バルブにより開閉自在とされ、前記燃焼室と前記排気ポートとが排気バルブにより開閉自在とされた内燃機関において、前記排気バルブまたは該排気バルブを移動自在に支持するステムガイドに、二次空気を前記排気ポートに噴射する二次空気噴射手段が設けられたことを特徴とするものである。
また、本発明の二次空気供給装置では、前記ステムガイドに前記排気ポートに連通する二次空気噴射孔が形成され、該二次空気噴射孔に空気供給手段が連結されたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記二次空気噴射孔は前記燃焼室を指向して形成されたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記二次空気噴射孔に前記空気供給手段から供給された空気を前記燃焼室に向けて案内するガイド面が設けられたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記排気バルブに軸部から傘部を通して前記排気ポートに開口する二次空気噴射孔が形成され、該二次空気噴射孔に前記ステムガイドを介して空気供給手段が連結されたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記ステムガイドにリング形状をなす連結空間部が形成され、該連結空間部と前記二次空気噴射孔とが連通路を介して連通すると共に、前記連結空間部に前記空気供給手段が連結されたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記空気供給手段における空気供給通路に、エンジン温度が予め設定された所定値以下になると開放する開閉バルブが設けられたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置では、前記空気供給手段における空気供給通路に、エンジンの高回転及び高負荷状態で開放する開閉バルブが設けられたことを特徴としている。
本発明の二次空気供給装置によれば、排気バルブまたはこの排気バルブを移動自在に支持するステムガイドに、二次空気を排気ポートに噴射する二次空気噴射手段を設けたので、排気バルブまたはステムガイドを用いて二次空気噴射手段により空気を排気ポートの最適位置に供給することができ、排気浄化効率を向上することができると共に、排気ポートに壁面に二次空気の供給孔を形成する必要はなく、加工を容易として低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明にかかる二次空気供給装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、実施例1の二次空気供給装置の作用説明図、図4は、実施例1の二次空気供給装置が適用されたエンジンの概略図である。
実施例1において、図1に示すように、エンジン11は火花点火式のガソリンエンジンであって、シリンダブロック12上にシリンダヘッド13が締結されており、このシリンダブロック12に形成されたシリンダボア14にピストン15が上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック12の下部に図示しないクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン15はコネクティングロッドを介してこのクランクシャフトに連結されている。
燃焼室16は、シリンダブロック12とシリンダヘッド13とピストン15により構成されており、燃焼室16の上部には吸気ポート17及び排気ポート18が連通している。そして、シリンダヘッド13にはステムガイド19,20を介して吸気バルブ21及び排気バルブ22が軸方向に移動自在に支持されている。この吸気バルブ21及び排気バルブ22は下端部が吸気ポート17及び排気ポート18に位置し、図示しないバルブスプリングにより閉止方向に付勢されている。従って、この吸気バルブ21及び排気バルブ22が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19と燃焼室16、この燃焼室16と排気ポート20とを開閉することができる。そして、吸気ポート19には吸気マニホールドを介して吸気管が連結され、その入口部にエアクリーナが装着されると共に、その下流側にスロットルバルブが装着されている。一方、排気ポート20には排気マニホールドを介して排気管が連結され、下流部に触媒装置が装着されている。そして、吸気ポート19にガソリン燃料を噴射するインジェクタ23装着されると共に、燃焼室16の上方に位置して点火プラグ24が装着されている。
車両にはエンジン11などを制御する電子制御ユニット(ECU)が設けられ、このECUはこのエンジン11の総合的な制御を行う。即ち、ECUは、検出したエンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度、アクセル開度、エンジン冷却水温などのエンジン11の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ23及び点火プラグ24などを制御可能となっている。具体的には、エンジン回転数と吸入空気量に基づいて燃料噴射量が設定され、スロットル開度、アクセル開度、エンジン冷却水温などの運転状態変化に基づいて補正される。
また、実施例1では、エンジン11の低温始動時などに、二次空気を排気ポート18に供給することで排気浄化性能を向上させる二次空気供給装置が設けられている。即ち、本実施例の二次空気供給装置において、図1及び図2に示すように、排気バルブ22はリング形状をなすステムガイド20により移動自在に支持されており、このステムガイド20の外周部にはエア導入リング31が固定されており、このエア導入リング31がシリンダヘッド13に固定されている。
このエア導入リング31は、内径がステムガイド20の外径とほぼ同径をなす上取付部31aと、内径がステムガイド20の外径より大径のエア導入部31bとを有しており、取付部31aがステムガイド20の外周面に嵌合して固定されている。そして、エア導入リング31のエア導入部31bの内周面とステムガイド20の外周面との間に二次空気噴射手段としての二次空気噴射孔32が設けられる。この二次空気噴射孔32は、リング形状の空間部であり、下端部が排気ポート18に連通しており、燃焼室16を指向するように形成されている。
また、シリンダヘッド13には、先端部がこの二次空気噴射孔32の上端部に連通する空気供給手段としての空気供給通路33が設けられており、この空気供給通路33には開閉バルブ34を介して電動エアポンプ35が連結されている。この開閉バルブ34は形状記憶合金製の弁体34aが内蔵され、シリンダヘッド13の温度に応じて弁体34aが変形し通路を開閉可能となっている。また、電動エアポンプ35は、例えば、吸気管の上流端部に装着されたエアクリーナが取り込んだ空気の一部を空気供給通路33に導入するものである。
従って、エンジン11の低温始動時など、シリンダヘッド13が温まっておらず、その温度が予め設定された所定値以下(例えば、50℃以下)であると、図3に示すように、開閉バルブ34の弁体34aが小さく変形して通路を開放する。そのため、電動エアポンプ35により空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入され、更に、この空気供給通路33から二次空気噴射孔32に供給され、排気ポート18に燃焼室16を指向するように二次空気が噴射される。
この二次空気噴射孔32から排気ポート18に噴射された二次空気は、排気バルブ22が開放されたときに燃焼室16から排出された排気ガスと衝突して良好に混合するため、含有するCOやHCなどの未燃ガスがこの二次空気により燃焼することとなり、排気管への未燃ガスの排出量を低減することができる。
その後、エンジン11が始動して燃焼室内で数サイクルの行程が完了すると、シリンダヘッド13の温度が上昇し、シリンダヘッド13の温度が所定値を超えると、図1に示すように、開閉バルブ34の弁体34aが大きく変形して通路を閉止する。そのため、空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入されることはなく、二次空気噴射孔32から排気ポート18への二次空気の噴射が停止する。
このように実施例1の二次空気供給装置にあっては、排気バルブ22を支持するステムガイド20の外周部にエア導入リング31を固定することで、両者の間に下端部が排気ポート18に連通する二次空気噴射孔32を設け、二次空気噴射孔32の上端部に空気供給通路33を連結し、この空気供給通路33に所定温度以下で開放する開閉バルブ34と、空気を導入する電動エアポンプ35を連結している。
従って、エンジン11の低温始動時など、シリンダヘッド13が低温であるときには、開閉バルブ34が開放するため、電動エアポンプ35により空気がこの開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入され、この空気供給通路33から二次空気噴射孔32に供給され、排気ポート18に噴射されることとなる。そのため、燃焼室16から排出された排気ガスに対して、二次空気噴射孔32から噴射された二次空気が正面から衝突し、両者が良好に混合し、排気ガスに含有するCOやHCなどの未燃ガスがこの二次空気により燃焼することとなり、排気管への未燃ガスの排出量を低減して有害物質の外部放出量を抑制することができ、排気浄化効率を向上することができる。
また、排気バルブ22のステムガイド20の外周部にエア導入リング31を固定することで二次空気噴射孔32を設けている。従って、二次空気を燃焼室16に向けて供給することができると共に、排気ポート18の壁面から離れた中央部に供給することができ、この二次空気を高温の排気ガスと混合させることができ、含有する未燃ガスを効率的に燃焼して浄化することができる。
更に、二次空気噴射孔32をステムガイド20に設けたことで、排気ポート18に壁面やバルブシート取付座などに二次空気の供給孔を形成する必要はなく、二次空気噴射孔の加工を容易として製造コストを低減することができる。
なお、この実施例1では、排気バルブ22のステムガイド20にエア導入リング31を固定して二次空気噴射孔32を設けたが、ステムガイド20に直接二次空気噴射孔を形成しても良い。また、燃焼室16から排出される排気ガスの流動を邪魔しないように、ステムガイド20及びエア導入リング31を燃焼室16側に延長し、二次空気を更に燃焼室16の近傍で排気ポート18の中央部に供給するようにしても良い。
図5は、本発明の実施例2に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の二次空気供給装置において、図5に示すように、排気バルブ22を支持するステムガイド20の外周部にはエア導入リング41が固定されており、このエア導入リング41は、内径がステムガイド20の外径とほぼ同径をなす取付部41aと、内径がステムガイド20の外径より大径のエア導入部41bとを有しており、取付部41aがステムガイド20の外周面に嵌合して固定されている。このエア導入部41bは、燃焼室16の中心側(図5にて右側)におけるエア導入リング41の内周面が三角形をなして凹んでおり、ステムガイド20の外周面との間に二次空気噴射手段としての二次空気噴射孔42が設けられる。この二次空気噴射孔42は、三角形状の空間部であり、導入された空気を燃焼室16に向けて案内するガイド面42aが設けられ、下端部が排気ポート18に連通し、燃焼室16を指向している。そして、二次空気噴射孔42は空気供給通路33が連通し、この空気供給通路33に開閉バルブ34、電動エアポンプ35が連結されている。
従って、エンジン11の低温始動時には、シリンダヘッド13が所定値以下であり、開閉バルブ34の弁体34aが小さく変形して通路を開放するため、電動エアポンプ35により空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入され、この空気供給通路33から二次空気噴射孔42に供給され、この二次空気噴射孔42から排気ポート18に向けて二次空気が噴射される。
このとき、空気供給通路33から二次空気噴射孔42に供給された二次空気は、ガイド面42に案内されて下方に向けられ、燃焼室16の近傍における排気ポート18に噴射される。そのため、二次空気噴射孔42から排気ポート18に噴射された二次空気は、排気バルブ22が開放されたときに燃焼室16から排出された排気ガスと直ちに衝突して良好に混合することとなり、含有する未燃ガスが効率よく燃焼し、排気管への排出量を低減することができる。
その後、エンジン11が始動して燃焼室内で数サイクルの行程が完了し、シリンダヘッド13の温度が所定値を超えると、開閉バルブ34が通路を閉止するため、空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入されることはなく、二次空気噴射孔42から排気ポート18への二次空気の噴射が停止する。
このように実施例2の二次空気供給装置にあっては、排気バルブ22を支持するステムガイド20の外周部にエア導入リング41を固定することで、両者の間にガイド面42aを有して三角形状をなし、下端部が排気ポート18に連通する二次空気噴射孔42を設けている。
従って、エンジン11の低温始動時など、シリンダヘッド13が低温であるときには、開閉バルブ34が開放するために空気が空気供給通路33に導入され、この空気供給通路33から二次空気噴射孔42に供給され、ガイド面42により下方に案内されて燃焼室16の近傍における排気ポート18に噴射されることとなる。そのため、燃焼室16から排出された排気ガスに対して、二次空気噴射孔42から噴射された二次空気が燃焼室16の近傍で衝突することとなり、両者が良好に混合して排気ガスに含有する未燃ガスを効率的に燃焼することができ、排気管への未燃ガスの排出量を確実に低減して有害物質の外部放出量を抑制することができる。
なお、この実施例2では、二次空気噴射孔42を、ガイド面42aを有する三角形状に形成したが、その形状に限定されるものではなく、空気供給通路33から二次空気噴射孔42に供給された空気を燃焼室16の近傍における排気ポート18に案内できるようなガイド面を有する形状であれば良い。
図6は、本発明の実施例3に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図、図7は、図6のVII−VII断面図、図8は、図6のVIII−VIII断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の二次空気供給装置において、図6乃至図8に示すように、排気バルブ51は、シリンダヘッド13に取付けられたステムガイド52により移動自在に支持されている。この排気バルブ51は、軸部51aの中心部に軸方向に沿って空気供給孔53が形成されると共に、放射状をなして複数の連通孔54が形成され、傘部51bに二次空気噴射手段として放射状をなす複数の二次空気噴射孔55が形成されている。各連通孔54は、基端部が空気供給孔53に連通し、先端部が外方に開口している。また、各二次空気噴射孔55は、基端部が空気供給孔53の下端部に連通し、先端部が排気ポート18に開口している。この場合、排気バルブ51は稼動中に周方向に回動するため、各連通孔54及び各二次空気噴射孔55は、この排気バルブ51の周方向に均等間隔で複数形成することが望ましい。
ステムガイド52は、内周面を一部凹ませてリング形状をなす連結空間部56が形成されており、排気バルブ51の各連通孔54の先端部がこの連結空間部56に開口している。この場合、排気バルブ51が上下動しても連通孔54と連結空間部56との連通状態が常時維持されるように、排気バルブ51のストロークに応じて連結空間部56の上下長さが設定されている。そして、連結空間部56には空気供給通路33が連通し、この空気供給通路33に開閉バルブ34、電動エアポンプ35が連結されている。なお、排気バルブ51の上昇位置(排気ポート18の閉止位置)では、空気供給通路33と連通孔54との位置がほぼ一致するようにすることが望ましい。
従って、エンジン11の低温始動時には、シリンダヘッド13が所定値以下であり、開閉バルブ34の弁体34aが小さく変形して通路を開放するため、電動エアポンプ35により空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入され、この空気供給通路33から連結空間部56に導入され、各連通孔54を介して空気供給孔53に供給されて排気バルブ51内を下方に移動し、各二次空気噴射孔42から排気ポート18に向けて二次空気が噴射される。
このとき、各二次空気噴射孔42から噴射された二次空気は、燃焼室16の近傍における排気ポート18に噴射されることで、排気バルブ22が開放されたときに燃焼室16から排出された高温の排気ガスと直ちに衝突し、且つ、排気バルブ51が高速で上下動しながら二次空気を噴射することで排気ガスとの混合が促進される。そのため、二次空気は排気ポート18で排気ガスと良好に混合し、含有する未燃ガスが効率よく燃焼し、排気管への排出量を低減することができる。
その後、エンジン11が始動して燃焼室内で数サイクルの行程が完了し、シリンダヘッド13の温度が所定値を超えると、開閉バルブ34が通路を閉止するため、空気が開閉バルブ34を通して空気供給通路33に導入されることはなく、二次空気噴射孔55から排気ポート18への二次空気の噴射が停止する。
このように実施例3の二次空気供給装置にあっては、排気バルブ51の内部に空気供給孔53を形成すると共に、傘部51bに排気ポート18に連通する放射状をなす複数の二次空気噴射孔55を形成する一方、ステムガイド52に空気供給通路33が連結される連結空間部56を形成し、この連結空間部56と排気バルブ51の各連通孔54を介して空気供給孔53と連通している。
従って、エンジン11の低温始動時など、シリンダヘッド13が低温であるときには、開閉バルブ34が開放するために空気が空気供給通路33から連結空間部56に導入され、連通孔54及び空気供給孔53を介して各空気噴射孔55に供給され、燃焼室16の近傍における排気ポート18に噴射される。そのため、燃焼室16から排出された高温の排気ガスに二次空気を衝突させることができ、この空気と排気ガスを良好に混合して排気ガスに含有する未燃ガスを効率的に燃焼することができ、排気管への未燃ガスの排出量を確実に低減して有害物質の外部放出量を抑制することができる。
なお、この実施例3では、連通孔54及び二次空気噴射孔55を周方向に4つ形成したが、その数に限定されるものではなく、1つでもよく、2つ以上であれば周方向に均等間隔で形成すればよい。また、二次空気噴射孔55の形成位置は、排気バルブ51における傘部の表面としたが、排気バルブ51や排気ポート18の形状に合わせて、噴射する二次空気が高温の排気ガスと混合しやすい位置に設ければよいものである。
また、上述した実施例1,2,3にて、二次空気噴射孔32,42、55をそれぞれ一つ設けたが、複数も受けてもよく、更に、ステムガイドと排気バルブの両方に設けても良い。更に、上述した実施例1,2,3では、シリンダヘッド13の温度に応じて開閉する開閉バルブ34を形状記憶合金製の弁体34aにより構成したが、シリンダヘッド13の外部に設けてもよく、また、電磁バルブとしてエンジン水温を検出して開閉操作するようにしても良い。
図9は、本発明の実施例4に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の二次空気供給装置において、図9に示すように、排気バルブ51は内部に空気供給孔53が形成され、上部に複数の連通孔54が形成され、下部に複数の二次空気噴射孔55が形成されている。ステムガイド52は内側に連結空間部56が形成され、排気バルブ51の各連通孔54が開口している。そして、この連結空間部56に空気供給通路33が連通し、この空気供給通路33には電磁バルブ61及び電動エアポンプ35が装着されている。この電磁バルブ61はECU62により開閉制御可能であり、ECU62はエンジン11の運転状態、つまり、エンジン11の高回転及び高負荷状態で電磁バルブ61開放する。具体的には、エンジン回転数Neが所定回転数以上で、且つ、スロットル開度θが所定開度以上であるときに、電磁バルブ61を開放している。なお、エンジンの高負荷状態の判定をスロットル開度θとしたが、アクセル開度、吸入空気量、筒内圧、体積効率などを用いてもよい。
従って、エンジン回転数Neが所定回転数未満であったり、スロットル開度θが所定開度未満であるとき、ECU62はエンジン11が高回転で且つ高負荷状態でないと判定し、電磁バルブ61を閉止している。そのため、空気が電磁バルブ61を通して空気供給通路33に導入されず、二次空気は二次空気噴射孔55から排気ポート18に噴射されない。そして、ドライバの運転操作によりエンジン11の運転状態が変化し、エンジン回転数Neが所定回転数以上で、且つ、スロットル開度θが所定開度以上になると、ECU62はエンジン11が高回転で且つ高負荷状態であると判定し、電磁バルブ61を開放する。すると、空気が電磁バルブ61を通して空気供給通路33に導入され、この空気供給通路33から連結空間部56、各連通孔54、空気供給孔53を介して各二次空気噴射孔42に供給され、排気ポート18に向けて二次空気が噴射される。
このとき、エンジン11は高回転高負荷状態で運転されているため、常時高温の排気ガスにさらされている排気バルブ51も高温状態となるが、内部(連通孔54、空気供給孔53、二次空気噴射孔42)を低温の空気が流動するために排気バルブ51が冷却され、溶融などの不具合を防止することができる。なお、二次空気噴射孔42から排気ポート18に噴射された二次空気は、排気ガスと混合してから排出される。
このように実施例4の二次空気供給装置にあっては、排気バルブ51の内部に空気供給孔53、連通孔54、二次空気噴射孔55を形成すると共に、ステムガイド52連結空間部56を形成し、この連結空間部56に空気供給通路33を介して電磁バルブ61、電動エアポンプ35を連結し、ECU62がエンジン11の高回転及び高負荷状態を判定すると電磁バルブ61開放するようにしている。
従って、エンジン11の高回転高負荷状態では、排気バルブ51の連通孔54、空気供給孔53、二次空気噴射孔42に低温の空気が流動することとなり、排気ガスにより高温となった排気バルブ51を冷却し、溶融などの不具合を防止することができる。そのため、排気バルブ51の燃料冷却をやめて不要な燃料噴射を停止することで、空燃比のリーン化が可能となり、燃費を向上することができると共に、排気ガスのクリーン化を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、空気供給手段を空気供給通路33、開閉バルブ34,62、電動エアポンプ35等により構成し、吸気管の上流端部に装着されたエアクリーナが取り込んだ空気の一部を導入するようにしたが、これに限らず、吸気管の途中を分岐して空気供給通路33に連結したり、別途空気取入口を設けるようにしても良い。
また、実施例1,2,3と実施例4とを組み合わせ、エンジンの低温始動時に、排気ポートに二次空気を供給して未燃ガスの燃焼を促進させると共に、エンジンの高回転高負荷時に、排気バルブ内に二次空気を流動して冷却させるように構成してもよい。
以上のように、本発明にかかる二次空気供給装置は、排気バルブまたはステムガイドに二次空気を排気ポートに噴射する二次空気噴射手段を設けたものであり、いずれの形式の内燃機関に適用しても有用である。
本発明の実施例1に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の二次空気供給装置の作用説明図である。 実施例1の二次空気供給装置が適用されたエンジンの概略図である。 本発明の実施例2に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。 本発明の実施例3に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。 図6のVII−VII断面図である。 図6のVIII−VIII断面図である。 本発明の実施例4に係る二次空気供給装置を表す排気ポートの断面図である。
符号の説明
11 エンジン
13 シリンダヘッド
16 燃焼室
18 排気ポート
20、52 ステムガイド
22、51 排気バルブ
31,41 エア導入リング
32,42,55 二次空気噴射孔(二次空気噴射手段)
33 空気供給通路(空気供給手段)
34 開閉バルブ
35 電動エアポンプ
42a ガイド面
53 空気供給孔
54 連通孔
56 連結空間部
61 電子制御ユニット,ECU
62 電磁バルブ(開閉バルブ)

Claims (8)

  1. エンジン本体に設けられた燃焼室に対して吸気ポート及び排気ポートが連通して設けられ、前記燃焼室と前記吸気ポートとが吸気バルブにより開閉自在とされ、前記燃焼室と前記排気ポートとが排気バルブにより開閉自在とされた内燃機関において、前記排気バルブまたは該排気バルブを移動自在に支持するステムガイドに、二次空気を前記排気ポートに噴射する二次空気噴射手段が設けられたことを特徴とする二次空気供給装置。
  2. 請求項1記載の二次空気供給装置において、前記ステムガイドに前記排気ポートに連通する二次空気噴射孔が形成され、該二次空気噴射孔に空気供給手段が連結されたことを特徴とする二次空気供給装置。
  3. 請求項2記載の二次空気供給装置において、前記二次空気噴射孔は前記燃焼室を指向して形成されたことを特徴とする二次空気供給装置。
  4. 請求項2記載の二次空気供給装置において、前記二次空気噴射孔に前記空気供給手段から供給された空気を前記燃焼室に向けて案内するガイド面が設けられたことを特徴とする二次空気供給装置。
  5. 請求項1記載の二次空気供給装置において、前記排気バルブに軸部から傘部を通して前記排気ポートに開口する二次空気噴射孔が形成され、該二次空気噴射孔に前記ステムガイドを介して空気供給手段が連結されたことを特徴とする二次空気供給装置。
  6. 請求項5記載の二次空気供給装置において、前記ステムガイドにリング形状をなす連結空間部が形成され、該連結空間部と前記二次空気噴射孔とが連通路を介して連通すると共に、前記連結空間部に前記空気供給手段が連結されたことを特徴とする二次空気供給装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の二次空気供給装置において、前記空気供給手段における空気供給通路に、エンジン温度が予め設定された所定値以下になると開放する開閉バルブが設けられたことを特徴とする二次空気供給装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一つに記載の二次空気供給装置において、前記空気供給手段における空気供給通路に、エンジンの高回転及び高負荷状態で開放する開閉バルブが設けられたことを特徴とする二次空気供給装置。
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