JP4747553B2 - 圧縮着火内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、パイロット噴射を行う圧縮着火内燃機関に関する。
圧縮着火内燃機関(以下、「内燃機関」ともいう。)において、従来から、圧縮行程中期等に総噴射量の一部の燃料を初段噴射として噴射するパイロット噴射に関する技術は知られている。パイロット噴射によって噴射された燃料が着火されることで、主噴射燃料の着火時における燃焼室内の熱発生率の変動が小さくなり、燃焼騒音を低減させることが可能となる。
しかし、パイロット噴射と主噴射との関係から燃焼室内で酸欠状態が発生し、煤の発生が顕著となる場合がある。そこで、圧縮行程中期にパイロット噴射を行い、且つ燃焼室内の限定された領域内で蒸発拡散させ、希薄な均一予混合気を生成し、圧縮行程上死点付近で自己着火させ、更に該上死点付近で主噴射を行う技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。この技術によると、NOxや煤の発生を抑制し得るとともに、燃焼騒音の低下を図ることも可能となる。
特開平10−252476号公報 特開平10−184487号公報 特開2001−254645号公報
内燃機関でパイロット噴射を行うと燃焼騒音は低減されるが、却ってスモークの発生量が増加する問題点がある。これは、パイロット噴射に伴う主噴射燃料の着火遅れ時間の短縮化により、燃焼室内での空気と主噴射の燃料との混合が十分に行われない状態で、燃料が自己着火するからである。
本発明では、上記した問題に鑑み、パイロット噴射を行う圧縮着火内燃機関において、パイロット噴射による燃焼騒音の低減を図りながら、スモークの発生を抑制することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、ピストンの頂部に設けられたキャビティに着目した。スモークの発生量が増加するのは、燃焼室内において噴射燃料と空気とが十分に混合しない状態で主噴射による噴射燃料が自己着火した場合である。従って、噴射燃料と空気との混合を鑑みると、主噴射による噴射燃料が噴射箇所近くで着火するのではなく、噴射箇所から着火地点まである程度の距離が確保されるのが好ましい。
そこで、本発明は、圧縮行程上死点近傍の時期における燃焼室内への燃料噴射である主噴射より早い時期に、該主噴射の燃料量より少ない燃料量の噴射であるパイロット噴射を行う圧縮着火内燃機関において、ピストンと、前記ピストンの頂部に設けられたキャビティであって、主噴射による噴射燃料が吹き込まれるメインキャビティと、前記メインキャビティの開口部縁部の周辺に設けられたキャビティであって、パイロット噴射による噴射燃料を液状又は気液混合状態で保持するトラップキャビティと、を備える。
上述の圧縮着火内燃機関における特徴点は、トラップキャビティが設けられている点である。このトラップキャビティは、メインキャビティの周辺に設けられ、パイロット噴射
による噴射燃料を保持する役割を有する。即ち、トラップキャビティに噴射燃料が保持されるタイミングでパイロット噴射が行われると、該噴射燃料が液状で、若しくはその一部が気化した気液混合状態で、トラップキャビティに燃料が保持される。
ピストンは、シリンダー内で往復運動を行うが、トラップキャビティに保持された噴射燃料は、圧縮行程において気筒内温度が上昇するに従い気化して燃焼し、燃焼室内にパイロット噴射による高温領域が形成される。この高温領域はトラップキャビティからの気化燃料が圧縮されて燃焼することで形成されるため、燃焼室内に広く拡散して形成されるのではなく、その形成位置は、ピストンにおけるトラップキャビティの位置によって決定される。
ここで、トラップキャビティは、メインキャビティの周辺に設けられており、該メインキャビティには主噴射による噴射燃料が吹き込まれるようになっている。従って、トラップキャビティは、主噴射が行われる燃料噴射弁からメインキャビティの大きさ分離れた距離に位置しており、そのトラップキャビティの周辺に高温領域が形成される。
そのため、主噴射が実行されると、その噴射燃料は燃料噴射弁の近くから着火せず、燃料噴射弁からメインキャビティの大きさ分離れた高温領域に噴射燃料が到達したときに着火する。即ち、主噴射の直後ではなく、噴射燃料と空気とが適度に混合された状態となったときに、着火が行われることになる。その結果、燃料濃度の高い混合気ではなく、燃料と空気とが適度に混合された混合気が燃焼されるため、スモークの発生をより効率的に抑制することが可能となる。また、燃焼室内における高温領域の形成により、パイロット噴射本来の効果である燃焼騒音の抑制も得られる。
ここで、上記の圧縮着火内燃機関において、前記トラップキャビティは、前記パイロット噴射を行う燃料噴射弁の噴孔位置に対応する個数のキャビティから構成されるようにしてもよい。即ち、パイロット噴射を行う燃料噴射弁の噴孔から噴射される燃料を、より確実に各キャビティで保持することが可能となり、以てスモークの抑制に寄与する。
また、上記の圧縮着火内燃機関において、前記トラップキャビティは、前記メインキャビティの開口部縁部の周辺に形成された環状のキャビティであってもよい。トラップキャビティを環状で形成することで、パイロット噴射を行う燃料噴射弁の噴孔位置にかかわらず、パイロット噴射による噴射燃料をより確実に保持することが可能となる。
ここで、上述までの圧縮着火内燃機関において、前記パイロット噴射は、噴射燃料が前記トラップキャビティに保持される所定時期に実行され、前記主噴射は、前記所定時期にかかわらず前記圧縮着火内燃機関の運転状態に応じて実行されるようにしてもよい。
上記の所定時期とは、パイロット噴射を行う燃料噴射弁との関係から、パイロット噴射による噴射燃料がトラップキャビティにより確実に保持されるタイミングをいう。該タイミングは、燃料噴射弁の噴孔の向き等によって異なるが、燃料噴射弁の噴孔の中心軸上にトラップキャビティが存在するタイミングで、例えば、燃料噴射弁とピストンとの距離が短くなる吸気行程上死点近傍の時期や、圧縮行程後半の時期等が挙げられる。
この圧縮着火内燃機関においては、パイロット噴射によってトラップキャビティに噴射燃料を保持させるだけで、その後、スモーク抑制のための噴霧形成は、ピストンの圧縮動作に伴って概ね自動的に行われる。即ち、主噴射の噴射燃料の着火源となる高温領域は、ピストンの圧縮動作によって最終的に形成される。従って、パイロット噴射の噴射時期は、主噴射の噴射時期とは連動させる必要はなく、それぞれを独立的に制御することが可能となる。つまり、主噴射の噴射時期は、パイロット噴射の噴射時期との間隔にかかわらず、内燃機関の運転状態、例えば機関負荷や機関回転速度に基づいて決定される噴射時期とすることが可能である。このように主噴射時期を決定しても、主噴射時にはピストンの圧縮動作によって、スモークが抑制される噴霧が燃焼室内に形成されており、主噴射による噴射燃料が空気と適度に混合された状態で着火する。
また、上述までの圧縮着火内燃機関において、前記パイロット噴射の噴射圧が所定圧以下の場合は、前記パイロット噴射は、噴射燃料が前記トラップキャビティに保持される吸気行程上死点近傍の時期に実行され、前記パイロット噴射の噴射圧が所定圧を超える場合は、前記パイロット噴射は、噴射燃料が前記トラップキャビティに保持される圧縮行程後半の時期に実行されるようにしてもよい。
即ち、パイロット噴射の噴射圧によって、噴射時期を吸気行程上死点近傍の時期と圧縮行程後半の時期の二つに大別するものである。これは、パイロット噴射は、トラップキャビティに噴射燃料を保持させることを目的とするため、燃料噴射弁からの噴射燃料が勢いよくトラップキャビティに衝突する場合がある。このとき、燃料噴射弁から高圧の燃料がトラップキャビティに衝突すると、トラップキャビティが破損する虞がある。そこで、上記の所定圧を基準として、パイロット噴射の噴射燃料によってトラップキャビティが破損する程度に噴射圧が高い場合、即ち噴射圧が所定圧を超える場合は、燃焼室内の圧力が高い圧縮行程後半の時期にパイロット噴射を行う。これにより、トラップキャビティが受ける力が相対的に低下する。一方で、パイロット噴射の噴射燃料によってトラップキャビティが破損する程度に噴射圧が高くない場合、即ち噴射圧が所定圧以下である場合は、吸気行程上死点近傍の時期にパイロット噴射を行う。この結果、トラップキャビティの噴射圧による破損を可及的に回避することが可能となる。
尚、上述までの圧縮着火内燃機関において、主噴射とパイロット噴射は同一の燃料噴射弁から行っても良く、また主噴射用およびパイロット噴射用の個別の燃料噴射弁を設けても良い。
パイロット噴射を行う圧縮着火内燃機関において、パイロット噴射による燃焼騒音の低減を図りながら、スモークの発生を抑制することが可能となる。
ここで、本発明に係る圧縮着火内燃機関の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される圧縮着火内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1およびその制御系統の概略構成を表すブロック図である。内燃機関1は、気筒2内の燃焼室14に直接燃料を噴射することが可能な燃料噴射弁3を備えている。更に、燃料噴射弁3は、燃料を概ね一定圧に蓄圧する蓄圧室9に繋がれている。尚、蓄圧室9には、内燃機関1の有する他の燃料噴射弁も繋がれている。
燃焼室14は、主に、図示しないシリンダヘッド、気筒2の内壁面、メインキャビティ14a、トラップキャビティ14bによって区画される空間である。このメインキャビティ14aは、ピストン4の頂部に設けられており、燃料噴射弁3から主噴射が圧縮上死点近傍の時期に実行される際に、噴射燃料が吹き込まれるキャビティである。また、トラップキャビティ14bは、メインキャビティ14aの開口部縁部の周辺に設けられたキャビティである。トラップキャビティ14bについては、後述する。
内燃機関1には吸気通路7が吸気ポート7aを介して燃焼室14に接続される。更に、内燃機関1には排気通路8が排気ポートを介して、燃焼室14に接続される。ここで、吸気ポート7aと燃焼室14との境界には吸気弁5が、排気ポートと燃焼室14との境界には排気弁6が設けられている。そして、吸気通路7の上流側には、吸気通路7を流れて吸気ポート7aへ流入する吸気の流量を検出するエアフローメータ13が設けられている。
更に、内燃機関1には、排気ポート8から吸気ポート7につながる排気再循環通路11が設けられている。排気再循環通路11を介して、排気ポート8を流れる排気の一部がEGRガスとして、吸気通路7へと再循環される。また、排気再循環通路11には、該通路を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ12が設けられ、その下流側には排気再循環通路11を流れるEGRガスの流量を調整するEGR弁10が設けられている。
ここで、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)20が併設されている。このECU20は、CPUの他、後述する各種の制御ルーチン及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ここで、燃料噴射弁3およびEGR弁10は、ECU20からの制御信号によって開閉動作を行う。
更に、クランクポジションセンサ15とアクセル開度センサ16がECU20と電気的に接続されている。これにより、ECU20は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取って内燃機関1の機関回転速度Ne等を算出し、またはアクセル開度に応じた信号を受け取って内燃機関1に要求される機関負荷Tq等を算出する。また、エアフローメータ13がECU20に電気的に接続されている。
次に、図2に基づいて、内燃機関1において行われる燃料噴射、特にパイロット噴射と、トラップキャビティ14bとの関係について説明する。尚、主噴射とは、圧縮行程上死点近傍の時期に行われる燃料噴射である。また、パイロット噴射とは、主噴射より早い時期に行われる燃料噴射であって、主噴射の燃料噴射量より比較的少ない量の燃料を噴射するものである。
図2は、本発明に係る内燃機関1において、トラップキャビティ14bを利用した燃料噴射形態を示す図である。上述したように、トラップキャビティ14bはメインキャビティ14aの開口部縁部に設けられている。このトラップキャビティ14bは、パイロット噴射によって噴射された燃料を一時的に保持することを目的とする。そこで、燃料噴射弁3の有する六個の噴孔に対応する六個のキャビティによって、トラップキャビティ14bは構成される。
従って、燃料噴射弁3からのパイロット噴射は、噴孔から噴射された燃料がトラップキャビティを構成する各キャビティに保持されるべきタイミングで実行される。本実施例の内燃機関1においては、燃料噴射弁3とトラップキャビティ14bの位置関係から、そのタイミングは吸気行程上死点近傍の時期、若しくは圧縮行程後半の時期であって主噴射より早い時期である。これらのタイミングを外すと、燃料をトラップキャビティに保持することが困難となるだけでなく、噴射燃料が気筒2の内壁面に付着する虞がある。このいずれかのタイミングで噴射された燃料は、トラップキャビティ14bに保持される。そして、その後のピストン14の圧縮動作に伴って、トラップキャビティ14bに保持されていた燃料が気化、燃焼し、トラップキャビティ14bの周辺に高温領域19aが形成される。
その後、燃料噴射弁3より主噴射が行われ、主噴射による噴霧(以下、「主噴射噴霧」
という。)19bが、高温領域19aに向かって放射状に形成される。この主噴射噴霧19bにおいては、燃料噴射弁3近傍の噴霧は燃料と空気との混合がまだ十分に行われていないが、燃料噴射弁3から遠い先端部の噴霧は燃料と空気とが比較的よく混合されている。ここで、主噴射噴霧19bの先端部は、先述の高温領域19aに先ず曝されるため、この部位が先に着火し主噴射噴霧19b全体の燃焼へと繋がる。
即ち、パイロット噴射の噴射燃料をトラップキャビティ14bで先ず保持し、主噴射が行われる燃料噴射弁3からある程度の距離を以て、燃焼室14内に高温領域14aを形成する。これにより、主噴射噴霧のうち燃料と空気との混合が促進されている箇所から燃焼を進ませ、スモークの発生を可及的に抑制することが可能となる。また、パイロット噴射によって、主噴射を行う前に高温領域19aを形成することで、主噴射による噴射燃料の燃焼時の騒音も抑制される。
ここで、内燃機関1において行われる燃料噴射の制御(以下、「燃料噴射制御」という。)について、図3に示すフローチャート基づいて説明する。尚、本実施例における燃料噴射制御は、ECU20によって一定のサイクルで繰り返し実行されるルーチンである。
S101では、内燃機関1の運転状態が属する負荷領域が検出される。具体的には、アクセル開度センサ16からの信号に基づく機関負荷と、クランクポジションセンサ15からの信号に基づく機関回転速度とから決定される運転状態が、パイロット噴射を行う低負荷領域、もしくは中負荷以上の負荷領域の何れに属するかが決定される。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、S101で決定された負荷領域に基づいて内燃機関1でパイロット噴射を行うか否か、即ち、内燃機関1の運転状態がパイロット噴射を行う低負荷領域に属しているか否かが判定される。内燃機関1でパイロット噴射を行うと決定されるとS103へ進み、パイロット噴射を行わないと決定されるとS106へ進む。
S103では、燃料噴射弁3の噴射圧が所定圧より高いか否かが判定される。ここで、所定圧とは、パイロット噴射を圧縮行程後半の時期に実行するか、吸気行程上死点近傍の時期に実行するかを決定するための基準値である。吸気行程上死点近傍の時期にパイロット噴射を行うと、圧縮行程後半の時期に行う場合と比べてトラップキャビティ14bに燃料を保持する時間が長くなるため、より確実に高温領域14aを形成することができる。しかし、吸気行程中における燃料噴射は、燃焼室14内の圧力が低いため燃料の噴射圧によってトラップキャビティ14bが破損する虞がある。一方で、圧縮行程後半の時期では燃焼室14内の圧力は比較的高くなっているため、燃料の噴射圧によってトラップキャビティ14bが破損する可能性はより低い。
そこで、燃料の噴射圧によってトラップキャビティ14bが破損する可能性が高いときの噴射圧を前記所定圧に設定する。そして、実際の噴射圧と所定圧とを比較することで、上記の何れのタイミングでパイロット噴射を行うかが決定される。具体的には、噴射圧が所定圧より高い場合は、S104へ進み、圧縮行程後半の時期にパイロット噴射が行われる。一方で、噴射圧が所定圧より高くない場合は、S105へ進み、吸気行程上死点近傍でパイロット噴射が行われる。尚、本実施例においては、燃料噴射弁3が繋がれている蓄圧室9内の圧力を、燃料噴射弁3の噴射圧と見る。
ここで、図4に、燃料噴射の様子を表すタイムチャートを示す。S104で行われる圧縮行程後半の時期でのパイロット噴射は、図中のprej2で表され、S105で行われる吸気行程上死点近傍の時期でのパイロット噴射は、図中のprej1で表される。尚、図中、mainjで表される燃料噴射は、後述する主噴射である。また、パイロット噴射
による燃焼室内での高温領域19aの形成については、上述した通りである。
S106では、燃料噴射弁3から主噴射mainjが行われる。パイロット噴射が行われた際の、主噴射による燃焼室内での噴霧の燃焼については、上述した通りである。また、S102からS106へ直接進んだときの噴射燃料の燃焼については、通常の拡散燃焼のみが行われる。尚、主噴射mainjの噴射時期は、パイロット噴射時期にかかわらず、内燃機関1の運転状態に基づいて決定される。即ち、パイロット噴射がいずれのタイミングで行われていても、ピストン4の圧縮動作によって燃焼室14内に高温領域19aが形成されるため、主噴射を内燃機関1の運転状態に応じた時期に行うことで、燃焼騒音が小さくスモークの発生量が少ない燃焼が可能となる。主噴射時期の制御としては、例えば、機関負荷が増えるに従い、または機関回転速度が高くなるに従い、主噴射時期を進角側に移行する制御が挙げられる。S106の処理後、本制御を終了する。
本制御によると、燃焼騒音を小さくするとともにスモークの発生量を少なくするパイロ
ット噴射が可能となる。更に、パイロット噴射はトラップキャビティ14bに燃料を保持させるために噴射するものであるから、パイロット噴射と主噴射とを独立して制御することが可能となり、以てパイロット噴射および主噴射の燃料噴射制御が容易に行い得る。
本発明に係る内燃機関(圧縮着火内燃機関)の第二の実施例について説明する。該内燃機関の構成要素について、図1、2に示す内燃機関の構成要素と同一のものについては、同一の参照番号を付することで、その詳細な説明は省略する。
本実施例に係る内燃機関1においては、図5に示すように、メインキャビティ14aの開口部縁部の周辺に設けられているトラップキャビティ14cが、メインキャビティ14aを取り囲むように環状に形成されている。このようにトラップキャビティ14cを形成することで、燃料噴射弁3の噴孔数にかかわらず、パイロット噴射の噴射燃料をトラップキャビティ14cが保持することが可能となる。尚、図3に示す燃料噴射制御は、本実施例に係る内燃機関にも適用可能である。
本発明の実施例に係る圧縮着火内燃機関の概略構成を表す図である。 本発明の第一実施例に係る圧縮着火内燃機関で行われる燃料噴射において、パイロット噴射と主噴射の様子を示す図である。 本発明の第一実施例に係る圧縮着火内燃機関で行われる燃料噴射制御に関するフローチャートである。 本発明の第一実施例に係る圧縮着火内燃機関において、図3に示す燃料噴射制御が行われる際のパイロット噴射、主噴射の様子を示す図である。 本発明の第二実施例に係る圧縮着火内燃機関で行われる燃料噴射において、パイロット噴射と主噴射の様子を示す図である。
符号の説明
1・・・・圧縮着火内燃機関(内燃機関)
2・・・・気筒
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・ピストン
14・・・・燃焼室
14a・・・・メインキャビティ
14b・・・・トラップキャビティ
14c・・・・トラップキャビティ
19a・・・・高温領域
19b・・・・主噴射噴霧

Claims (6)

  1. 燃焼室内に燃料を直接且つ放射状に噴射可能な燃料噴射弁から圧縮行程上死点近傍の時期における燃焼室内への燃料噴射である主噴射より早い時期に、該主噴射の燃料量より少ない燃料量の噴射であるパイロット噴射を行う圧縮着火内燃機関において、
    ピストンと、
    前記ピストンの頂部に設けられたキャビティであって、前記燃料噴射弁からの主噴射による噴射燃料が吹き込まれるメインキャビティと、
    前記燃料噴射弁から主噴射が行われるときに前記メインキャビティの開口部縁部の周辺に、前記燃料噴射弁からのパイロット噴射で高温領域を形成するように、該開口部縁部の周辺に設けられ且つ該パイロット噴射による噴射燃料を液状又は気液混合状態で保持するトラップキャビティと、
    を備えることを特徴とする圧縮着火内燃機関。
  2. 前記トラップキャビティは、前記パイロット噴射を行う燃料噴射弁の噴孔位置に対応し該燃料噴射弁の噴孔の数と同数の個数のキャビティから構成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
  3. 前記トラップキャビティは、前記メインキャビティの開口部縁部の周辺に形成された環状のキャビティであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
  4. 前記パイロット噴射は、噴射燃料が前記トラップキャビティに保持される所定時期に実行され、
    前記主噴射は、前記所定時期にかかわらず前記圧縮着火内燃機関の運転状態に応じて実行されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧縮着火内燃機関。
  5. 前記所定時期は、吸気行程上死点近傍の時期であることを特徴とする請求項4に記載の圧縮着火内燃機関。
  6. 前記パイロット噴射の噴射圧が所定圧以下の場合は、前記パイロット噴射は、噴射燃料が前記トラップキャビティに保持される吸気行程上死点近傍の時期に実行され、
    前記パイロット噴射の噴射圧が所定圧を超える場合は、前記パイロット噴射は、噴射燃
    料が前記トラップキャビティに保持される圧縮行程後半の時期に実行されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧縮着火内燃機関。
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