JP2005248798A - 可変動弁機構の潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可変動弁機構において、カムと可変機構の当接位置が変化した場合であっても、当接位置に向けて潤滑油を確実に供給する。
【解決手段】 クランクの回転に応じて回転するカム54と、カム54と弁体12の間に配置され、少なくとも1つの当接部を介してカム54の動きを弁体12に伝達し、当接部の位置を可変することで弁体のリフト量及び作用角を変更する可変機構と、弁体12のリフト量及び作用角を変更した際の当接部の軌跡に沿って潤滑油を供給するオイルデリバリパイプ62と、を備える。
【選択図】 図7
【解決手段】 クランクの回転に応じて回転するカム54と、カム54と弁体12の間に配置され、少なくとも1つの当接部を介してカム54の動きを弁体12に伝達し、当接部の位置を可変することで弁体のリフト量及び作用角を変更する可変機構と、弁体12のリフト量及び作用角を変更した際の当接部の軌跡に沿って潤滑油を供給するオイルデリバリパイプ62と、を備える。
【選択図】 図7
Description
この発明は、可変動弁機構の潤滑装置に関する。
従来から、カムシャフトの回転と同期して開閉する弁体のリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構が開示されている。例えば、特開2002−371816号公報には、カムとバルブとの間に可変動弁機構を配置し、カムと可変機構の当接位置を変更することにより作用角、リフト量を変更可能とする構成が開示されている。
しかしながら、可変動弁機構に潤滑油を供給する場合、潤滑油の噴射方向は一定方向に規定されるため、上述した機構のようにカムと可変機構の当接位置が変化すると、当接位置に向けて潤滑油を常時供給することが困難となる。特に、上述した機構では、カムと可変機構の当接位置の変化量が大きいため、定点に向けてオイルを供給するのみでは、潤滑不良が生じて耐久性が低下するという問題が生じる。
また、当接位置が変動する範囲の全体に潤滑油を供給しようとすると、広範囲に潤滑油を散布する状態となるため、潤滑油中に空気が多く含まれて潤滑油の特性が低下したり、潤滑油が供給される部材の冷却が不足してスラッジが発生する等の問題が生じる。
更に、潤滑油の供給不足によりカムと可変機構の当接部に油膜切れが生じると、当接面が摩耗してフリクションが増大するといった問題が生じる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、可変動弁機構において、カムと可変機構の当接位置が変化した場合であっても、当接位置に向けて潤滑油を確実に供給することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、クランクの回転に応じて回転するカムと、前記カムと弁体の間に配置され、少なくとも1つの当接部を介して前記カムの動きを前記弁体に伝達し、前記当接部の位置を可変することで弁体のリフト量及び作用角を変更する可変機構と、前記弁体のリフト量及び作用角を変更した際の前記当接部の軌跡に沿って潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記潤滑油供給手段は、最小リフト量及び最小作用角時の前記当接部の位置と、最大リフト量及び最大作用角時の前記当接部の位置とを通る仮想線に沿って潤滑油を供給することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記当接部は、前記カムと前記可変手段との当接部であり、前記潤滑油供給手段は、最小リフト量及び最小作用角時に前記カムのカムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置と、最大リフト量及び最大作用角時に前記カムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置とを通る仮想線に沿って潤滑油を供給することを特徴とする。
第1の発明によれば、弁体のリフト量及び作用角の変更に伴って当接部の位置が変化しても、当接部に適切な量の潤滑油を供給することが可能となる。従って、当接部を確実に潤滑することが可能となる。
第2の発明によれば、弁体のリフト量及び作用角の変更した場合、最小リフト量及び最小作用角時の当接部の位置と、最大リフト量及び最大作用角時の当接部の位置とを通る仮想線に沿って当接部が移動するため、仮想線に沿って潤滑油を供給することで、当接部を確実に潤滑することができる。
第3の発明によれば、最小リフト量及び最小作用角時に前記カムのカムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置と、最大リフト量及び最大作用角時に前記カムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置とを通る仮想線に沿って潤滑油を供給することで、当接部に最大荷重がかかる際に、当接部を確実に潤滑することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の一実施形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る可変動弁機構10の主要部の斜視図である。図1に示す可変動弁機構は、内燃機関の弁体を駆動するための機構である。ここでは、内燃機関の個々の気筒に2つの吸気弁と2つの排気弁とが備わっているものとする。そして、図1に示す構成は、単一の気筒に配設された2つの吸気弁、或いは2つの排気弁を駆動する機構として機能するものとする。
図1に示す構成は、吸気弁または排気弁として機能する2つの弁体12を備えている。弁体12には、それぞれ弁軸14が固定されている。弁軸14の端部は、ロッカーアーム16の一端に設けられたピボットに接している。弁軸14には、バルブスプリングの付勢力が作用しており、ロッカーアーム16は、その付勢力を受けた弁軸14により上方に付勢されている。ロッカーアーム16の他端は、油圧ラッシュアジャスタ18により回動可能に支持されている。油圧ラッシュアジャスタ18によれば、ロッカーアーム16の高さ方向の位置を油圧により自動調整することにより、タペットクリアランスを自動調整することができる。
ロッカーアーム16の中央部には、ローラ20が配設されている。ローラ20の上部には、揺動アーム22が配置されている。以下、揺動アーム22の周辺の構造を、図2を参照して説明する。
図2は、第1アーム部材24と第2アーム部材26の分解斜視図である。第1アーム部材24および第2アーム部材26は、何れも図1に示す構成における主要な構成部材である。既述した揺動アーム22は、図2に示すように、第1アーム部材24の一部である。
すなわち、第1アーム部材24は、図2に示すように、2つの揺動アーム22と、それらに挟まれたローラ当接面28とを一体に備える部材である。2つの揺動アーム22は、2つの弁体12のそれぞれに対応して設けられたものであり、それぞれ既述したローラ20(図1参照)に接している。
第1アーム部材24には、2つの揺動アーム22を貫通するように開口した軸受け部30が設けられている。また、揺動アーム22には、それぞれ、ローラ20と接する面に同心円部32と押圧部34とが設けられている。同心円部32は、ローラ20との接触面が軸受け部30と同心円を構成するように設けられている。一方、押圧部34は、その先端側の部分ほど軸受け部30の中心からの距離が遠くなるように設けられている。
第2アーム部材26は、非揺動部36と揺動ローラ部38を備えている。非揺動部36には貫通孔が設けられており、その貫通孔には制御軸40が挿入される。更に、非揺動部36および制御軸40には、両者の相対位置を固定するための固定ピン42が挿入されている。このため、非揺動部36と制御軸40とは、一体の構造物として機能する。
揺動ローラ部38は、2つの側壁44を備えている。これらの側壁44は、回転軸46を介して回動自在に非揺動部36に連結されている。また、2つの側壁44の間には、カム当接ローラ48と、スライドローラ50が配設されている。カム当接ローラ48およびスライドローラ50は、それぞれ側壁44に挟まれた状態で自由に回動することができる。
第1アーム部材24は、軸受け部30を介して制御軸40に回転自在に支持されている。つまり、制御軸40は、軸受け部30に対して回転可能とされた状態で非揺動部36と一体化されるべき部材である。この要求を満たすべく、非揺動部36(つまり第2アーム部材26)は、制御軸40と固定される前に、第1アーム部材24の2つの揺動アーム22の間に位置合わせされる。制御軸40は、この位置合わせがなされた状態で、2つの軸受け部30および非揺動部36を貫通するように挿入される。その後、制御軸40と非揺動部36とを固定すべく固定ピン42が装着される。その結果、第1アーム部材24が制御軸40回りを自由に回動することができ、非揺動部36が制御軸40と一体化され、かつ、揺動ローラ部38が非揺動部36に対して揺動し得る機構が実現される。
第1アーム部材24と第2アーム部材26とが、以上のように組み付けられた場合、第1アーム部材24と制御軸40との相対角、つまり、第1アーム部材24と非揺動部36との相対角が所定の条件を満たす範囲では、揺動ローラ部38のスライドローラ50が、第1アーム部材24のローラ当接面28と接することができる。そして、それら両者の接触を維持しながら、上記の所定の条件を満たす範囲で第1アーム部材24を制御軸40回りで回動させると、スライドローラ50は、ローラ当接面28に沿って転動することができる。本実施形態の可変動弁機構は、その転動を伴いながら弁体12を開閉動作させる。尚、その動作については、後に図3および図4を参照して詳細に説明する。
図1は、第1アーム部材24、第2アーム部材26、および制御軸40が、上記の手順で組み付けられた状態を示している。この状態において、第1アーム部材24および第2アーム部材26の位置は制御軸40の位置により規制される。制御軸40は、図示しない軸受けを介して、既述した条件がみたされるように、つまり、ロッカーアーム16のローラ20が揺動アーム22に当接するようにシリンダヘッド等の固定部材に対して回転自在に支持されている。
制御軸40には、アクチュエータが連結されている。このアクチュエータは、制御軸40を所定の角度範囲内で回動させることができる。図1に示す状態は、そのアクチュエータにより、制御軸40の回転角を上述した所定の条件を満たす範囲に調整し、かつ、スライドローラ50をローラ当接面28に当接させた状態を示している。
本実施形態の可変動弁機構10は、また、クランクシャフトと同期して回転するカムシャフト52を備えている。カムシャフト52には、内燃機関の気筒毎に設けられたカム54が固定されている。図1に示す状態において、カム54は、カム当接ローラ48に接しており、揺動ローラ部38の上方への移動を規制している。つまり、図1に示す状態では、揺動ローラ部38のカム当接ローラ48およびスライドローラ50を介して、第1アーム部材24のローラ当接面28がカム54と機械的に連結された状態が実現されている。
上述した状態によれば、カム54の回転に伴ってカムノーズがカム当接ローラ48を押圧すると、その力はスライドローラ50を介してローラ当接面28に伝達される。スライドローラ50は、ローラ当接面28の上を転動しながらカム54の作用力を第1アーム部材24に伝え続けることができる。その結果、第1アーム部材24に、制御軸40を中心とする回転が生じ、揺動アーム22によりロッカーアーム16が押し下げられ、弁体12に開弁方向の動きが与えられる。可変動弁機構10は、以上説明したように、カム54の作用力を、カム当接ローラ48およびスライドローラ50を介してローラ当接面28に伝達することで弁体12を作動させることができる。
次に、図3および図4を参照して、本実施形態の可変動弁機構10の動作を説明する。可変動弁機構10が弁体12を作動させるためには、カム54とローラ当接面28とが、カム当接ローラ48およびスライドローラ50を介して機械的に連結された状態を維持することが必要である。そして、この要求を満たすためには、ローラ当接面28を、つまり、第1アーム部材24を、カム54の方向に付勢することが必要である。図3及び図4に示すロストモーションスプリング60は、その付勢を実現するためのスプリングである。
ロストモーションスプリング60は、その上端がシリンダヘッド等に固定された状態で、揺動アーム22のローラ当接面28が設けられた側と反対側の後端部を付勢している。従って、この状態において、ロストモーションスプリング60は、揺動アーム22のローラ当接面28を上方に引き上げる方向(図3及び図4において、制御軸40を中心として揺動アーム22が左回りに回転する方向)の付勢力を発生する。この付勢力は、ローラ当接面28がスライドローラ50を上方に付勢する力として、更には、カム当接ローラ48をカム54に押し当てる力として作用する(図1および図2参照)。その結果、可変動弁機構10は、図1に示すように、カム54とローラ当接面28とが機械的に連結された状態を維持することができる。
図3は、可変動弁機構10が弁体12に対して小さなリフトを与えるように動作している様子を示す。以下、この動作を「小リフト動作」と称す。より具体的には、図3(A)は、小リフト動作の過程で弁体12が閉弁している様子を、また、図3(B)は小リフト動作の過程で弁体12が開弁している様子(最大リフト時)を、それぞれ表している。
図3(A)において、符号θCは、制御軸40の回転位置を表すパラメータである。以下、そのパラメータを「制御軸回転角θC」とする。ここでは、便宜上、制御軸40の中心と回転軸46の中心を結ぶ直線と、鉛直方向とのなす角を制御軸回転角θCと定義することとする。また、図3(A)において、符号θAは、揺動アーム22の回転位置を表すパラメータである。以下、そのパラメータを「アーム回転角θA」とする。ここでは、便宜上、揺動アーム22の先端部と制御軸40の中心とを結ぶ直線と水平方向とのなす角をアーム回転角θAと定義することとする。
可変動弁機構10において、揺動アーム22の回転位置、つまり、アーム回転角θAは、スライドローラ50の位置により決定される。また、スライドローラ50の位置は、揺動ローラ部38の回転軸46の位置と、カム当接ローラ48の位置とで決定される。そして、カム当接ローラ48とカム54との接触が維持される範囲では、回転軸46が図3における左回り方向に回転するほど、つまり、制御軸回転角θCが小さくなるほど、スライドローラ50の位置は上方に変化する。このため、可変動弁機構10においては、制御軸回転角θCが小さくなるほど、アーム回転角θAが小さくなるという現象が生ずる。
図3(A)に示す状態において、制御軸回転角θCは、カム当接ローラ48がカム54との接触を保てる範囲で、つまり、カム54がカム当接ローラ48の上方への移動を規制し得る範囲でほぼ最小の値とされている。従って、図3(A)に示す状態において、アーム回転角θAは、ほぼ最小の値となっている。可変動弁機構10は、この場合において、揺動アーム22の同心円部32のほぼ中央がロッカーアーム16のローラ20に接し、その結果、弁体12が閉弁状態となるように構成されている。以下、この場合のアーム回転角θAを、「小リフト時の基準アーム回転角θA0」と称す。
図3(A)に示す状態からカム54が回転すると、図3(B)に示すように、カム当接ローラ48がカムノーズにより押圧され、制御軸40の方向に移動する。揺動ローラ部38の回転軸46からスライドローラ50までの距離は変化しないため、カム当接ローラ48が制御軸40に近づく際には、ローラ当接面28が、その面上を転動するスライドローラ50により押し下げられる。その結果、アーム回転角θAが大きくなる方向に揺動アーム22が回転し、揺動アーム22とローラ20との接触点が、同心円部32から押圧部34に移行する。
小リフト動作の際には、上記の如く基準アーム回転角θA0が小さな値とされる。このため、カム54の回転に伴うアーム回転角θAの最大値も、小リフト動作の場合には比較的小さな値となる。以下、その最大値を「小リフト時の最大アーム回転角θAMAX」とする。弁体12には、アーム回転角θAが最大アーム回転角θAMAXとなる時点で最大のリフトが生ずる。可変動弁機構10は、図3(B)に示すように、小リフト時の最大アーム回転角θAMAXが生じた際に、ローラ20と揺動アーム22との接触点が僅かに押圧部34に入り込み、その結果、僅かなリフトが弁体12に生ずるように構成されている。このため、可変動弁機構10によれば、上述した小リフト動作を行うことで、カム54の回転と同期して、小さなリフトを弁体12に与えることができる。
また、この場合、カム54の作用力が現実に弁体12を押し下げる期間、つまり、カム54の回転に伴って弁体12が非閉弁状態とされる期間(クランク角幅)も比較的小さなものとなる(以下、この期間を「作用角」と称す)。従って、可変動弁機構10によれば、小リフト動作を行うことで、弁体12の作用角を小さくすることができる。
図4は、可変動弁機構10が弁体12に対して大きなリフトを与えるように動作している様子を示す。以下、この動作を「大リフト動作」と称す。より具体的には、図4(A)は、大リフト動作の過程で弁体12が閉弁している様子を、また、図4(B)は大リフト動作の過程で弁体12が開弁している様子(最大リフト時)を、それぞれ表している。
大リフト動作を行う場合は、図4(A)に示すように、制御軸回転角θCが十分に大きな値に調整される。その結果、大リフト動作の実行時には、スライドローラ50がローラ当接部28から脱落しない範囲で、非リフト時におけるアーム回転角θA、つまり、基準アーム回転角θA0が十分に大きな値とされる。可変動弁機構10は、その基準アーム回転角θA0において、揺動アーム22とローラ20との接触点が、同心円部32の端部に位置するように構成されている。このため、大リフト動作の場合にも、弁体12は閉弁状態に維持される。
図4(A)に示す状態からカム54が回転すると、図4(B)に示すように、カム当接ローラ48がカムノーズに押圧されることにより、アーム回転角θAが大きくなる方向に揺動アーム22が回転する。その結果、揺動アーム22とローラ20との接触点が、同心円部32から押圧部34に移行する。大リフト動作の際には、上記の如く基準アーム回転角θA0が大きな値とされているため、カム54の回転に伴って生ずる最大アーム回転角θAMAXも大きな値となる。可変動弁機構10は、図4(B)に示すように、そのような最大アーム回転角θAMAXが生じた際に、ローラ20と揺動アーム22との接触点が、十分に押圧部34に入り込んだ位置となるように構成されている。このため、可変動弁機構10によれば、上述した大リフト動作を行うことで、カム54の回転と同期して、大きなリフトと大きな作用角を弁体12に与えることができる。
以上説明した通り、本実施形態の可変動弁機構10は、制御軸回転角θCを変化させることにより、基準アーム回転角θA0を変化させ、その結果として弁体12に与える作用角およびリフト量を変化させることができる。
このように構成された本実施形態の可変動弁機構10において、可変動弁機構10を潤滑するため、潤滑油供給手段が設けられている。図5は潤滑油供給手段を示す斜視図である。図5に示すように、カム54はカムシャフト52と一体に設けられており、カムシャフト52は気筒の配列方向に延在している。
カムシャフト52の長手方向に沿ってオイルデリバリパイプ62が設けられている。オイルデリバリパイプ62は、各気筒の可変動弁機構10におけるカム54とカム当接ローラ48との接触部の上部に位置するように配置されている。そして、カム54とカム当接ローラ48との接触部の上部に位置するように、オイルデリバリパイプ62に潤滑油供給孔62aが設けられている。従って、オイルデリバリパイプ62に潤滑油を供給すると、潤滑油供給孔62aからカム当接ローラ48とカム54との接触部の近傍に向けてオイルを噴射することができる。図5では、潤滑油供給孔62aからのオイルの噴射方向を矢印Aで示している。
図6は、オイルが噴射される様子を気筒配列方向から見た状態を示す模式図である。ここで、図6(A)および図6(B)は可変動弁機構10が小リフト動作を行う場合を示しており、図6(A)は小リフト動作の際に弁体12のリフト量が0の場合を示している。また、図6(B)は小リフト動作の際に弁体12のリフト量が最大の場合を示している。つまり、図6(A)は図3(A)に対応しており、図6(B)は図3(B)に対応している。
また、図6(C)および図6(D)は可変動弁機構10が大リフト動作を行う場合を示しており、図6(C)は大リフト動作の際に弁体12のリフト量が0の場合を示している。また、図6(D)は大リフト動作の際に弁体12のリフト量が最大の場合を示している。つまり、図6(C)は図4(A)に対応しており、図6(D)は図4(B)に対応している。
図6中に示す矢印Aは、オイルデリバリパイプ62の潤滑油供給孔62aから噴射されるオイルの噴射方向を示している。図6に示すように、オイルはカム当接ローラ48とカム54の当接部近傍に向けてほぼ鉛直方向に噴射される。
そして、図6(B)に示すように、潤滑油の噴射方向は、小リフト動作を行う場合の最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54が接触する接触点64に向かうように設定されている。また、図6(D)に示すように、潤滑油の噴射方向は、大リフト動作を行う場合の最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54が接触する接触点66に向かうように設定されている。
換言すれば、潤滑油の噴射方向は、接触点64と接触点66を結ぶ仮想線と一致する方向に設定されている。図7は、接触点64および接触点66と、潤滑油の噴射方向との関係を示す模式図である。ここで、実線は大リフト動作のときの最大リフト時を示しており、破線は小リフト動作のときの最大リフト時を示している。大リフト動作と小リフト動作の間でリフトを可変した場合、最大リフト時のカム当接ローラ48とカム54との接触点は、接触点64と接触点66を結ぶ線上をほぼ移動するため、潤滑油の噴射方向を接触点64と接触点66を結ぶ延長線上に設定することで、大リフト動作と小リフト動作の間でいかなる状態にリフトが設定された場合であっても、最大リフト時のカム当接ローラ48とカム54の接触部に向けてオイルを噴射することが可能となる。このように、潤滑油の噴射方向は、大リフト動作と小リフト動作の間でリフトを可変した場合に、最大リフト時のカム当接ローラ48とカム54の接触点が移動する軌跡の方向とすることが望ましい。
また、潤滑油の噴射方向を接触点64と接触点66を結ぶ延長線の方向に設定した場合、図6(A)、図6(C)に示すように、弁体12のリフト量が0の場合も、カム当接ローラ48に向けてオイルが供給される。従って、最大リフト時以外においても弁体12がいかなるリフト量にある場合であっても、カム当接ローラ48の近傍に確実にオイルを供給することができる。
カム当接ローラ48がカム54に押される際の面圧は最大リフト時に最も大きくなるため、接触点64と接触点66を結ぶ延長線上に潤滑油の噴射方向を設定することで、カム当接ローラ48とカム54の接触荷重が最も大きくなる最大リフト時に、最大面圧部を確実に潤滑することが可能となる。
これにより、カム当接ローラ48とカム54との接触部に油膜切れが生じてしまうことを抑止することができ、カム当接ローラ48とカム54の接触面に摩耗が生じることを抑止できる。従って、接触面の摩耗に起因するフリクションの増加を確実に抑えることができる。
また、カム当接ローラ48とカム54の接触荷重が最も大きくなる最大リフト時に、接触点64,66に潤滑油を供給することができるため、最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54の接触面を確実に冷却することができる。従って、冷却不足によるスラッジの発生を確実に抑えることができる。
更に、カム当接ローラ48とカム54の接触部の近傍には、第1アーム部材24、第2アーム部材26の揺動ローラ部38、更にはロッカーアーム16等の各可動部材が隣接しているため、カム当接ローラ48とカム54の接触部にオイルを供給することで、周辺の機構部に対して同時にオイルを供給することが可能となる。
なお、潤滑油供給孔62aから噴射されるオイルの勢いはオイルポンプの回転数に応じて変動し、機関始動直後などオイルポンプの回転数が低い場合は、潤滑油供給孔62aから滴下したオイルにより潤滑が行われる場合がある。従って、接触点64と接触点66を結ぶ仮想線が鉛直方向(重力線方向)となるように各機構を配置し、仮想線上に潤滑油供給孔62aを配置することが好適である。これにより、オイルポンプの回転数が低い場合であっても、潤滑油供給孔62aから滴下したオイルを最大リフト時の接触点64,66へ供給することができる。
図8は、本実施形態の他の例を示す模式図である。図3、図4、図6および図7では、図面上でカム54の左側に可変動弁機構10を配置しているが、図8は、カム54の回転方向は図3等と同一とし、可変動弁機構10をカム54の右側に配置した例を示している。図8は、図6と同様に最大リフト時の状態を示しており、実線は可変動弁装置10が大リフト動作に設定された場合を、破線は小リフト動作に設定された場合をそれぞれ示している。
図8の構成は、図3等に示した構成との組み合わせで気筒別に可変動弁機構10の配置を変更した場合、または図3等に示した構成と組み合わせてV型エンジンを構成する場合等に用いられる。このように、カム54の右側に可変動弁機構10を配置した場合であっても、接触点64と接触点66を結ぶ延長線上にオイルの噴射方向を設定することで、最も接触荷重が大きくなる最大リフト時において、カム当接ローラ48とカム54が接触する接触点64,66に潤滑油を供給することが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、可変動弁機構10が小リフト動作を行う場合の最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54が接触する接触点64と、大リフト動作を行う場合の最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54が接触する接触点66との延長線上に潤滑油の噴射方向を設定したため、最も接触荷重が大きくなる最大リフト時において、カム当接ローラ48とカム54との接触部に確実に潤滑油を供給することが可能となる。
これにより、カム当接ローラ48とカム54との接触部に油膜切れが生じてしまうことを抑止することができ、接触面に摩耗が生じてしまうことを抑止できる。従って、接触面の摩耗によるフリクションの増加を確実に抑えることができる。
また、最も接触荷重が大きくなる最大リフト時にカム当接ローラ48とカム54の接触部に潤滑油を供給することができるため、カム当接ローラ48とカム54の接触面を確実に冷却することができる。従って、冷却不足によるスラッジの発生を確実に抑えることができる。
10 可変動弁機構
12 弁体
54 カム
62 オイルデリバリパイプ
64,66 接触点
12 弁体
54 カム
62 オイルデリバリパイプ
64,66 接触点
Claims (3)
- クランクの回転に応じて回転するカムと、
前記カムと弁体の間に配置され、少なくとも1つの当接部を介して前記カムの動きを前記弁体に伝達し、前記当接部の位置を可変することで弁体のリフト量及び作用角を変更する可変機構と、
前記弁体のリフト量及び作用角を変更した際の前記当接部の軌跡に沿って潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、
を備えたことを特徴とする可変動弁機構の潤滑装置。 - 前記潤滑油供給手段は、最小リフト量及び最小作用角時の前記当接部の位置と、最大リフト量及び最大作用角時の前記当接部の位置とを通る仮想線に沿って潤滑油を供給することを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構の潤滑装置。
- 前記当接部は、前記カムと前記可変手段との当接部であり、前記潤滑油供給手段は、最小リフト量及び最小作用角時に前記カムのカムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置と、最大リフト量及び最大作用角時に前記カムノーズ先端部が前記可変機構に当接する位置とを通る仮想線に沿って潤滑油を供給することを特徴とする請求項2記載の可変動弁機構の潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059319A JP2005248798A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 可変動弁機構の潤滑装置 |
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ID=35029519
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JP2004059319A Withdrawn JP2005248798A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 可変動弁機構の潤滑装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009103083A (ja) * | 2007-10-25 | 2009-05-14 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 動弁装置の潤滑構造 |
JP2014125934A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Taiho Kogyo Co Ltd | エンジンの潤滑油供給機構 |
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2004
- 2004-03-03 JP JP2004059319A patent/JP2005248798A/ja not_active Withdrawn
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