JP2005248146A - 軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法、軟質ポリウレタン発泡成形体、及び車両用シート - Google Patents

軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法、軟質ポリウレタン発泡成形体、及び車両用シート Download PDF

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Abstract

【課題】 硬度が高く耐湿熱圧縮性に優れ、しかも、その他の種々の特性についても改良された軟質ポリウレタン発泡成形体、その製造方法、及び車両用シートを提供する。
【解決手段】 (A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネート、(B)ヒドロキシル基を供給するポリオール、(C)ケイ酸塩、(D)水、を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含むことを特徴とする軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法、軟質ポリウレタン発泡成形体、及び車両用シートに関する。
従来、自動車用内装材として用いられる軟質ポリウレタンフォームにおいては、硬度が高いものは湿熱圧縮特性が低く、湿熱圧縮特性を向上させると硬度が低下することが広く知られており、硬度と湿熱圧縮特性の向上という相反する課題を解決する方法が望まれていた(非特許文献1:Macromolecules,2001年,34号,p.337〜339参照)。
本願出願人は先に、ケイ酸塩を含有する軟質ポリウレタンフォームが、高硬度でかつ耐湿熱圧縮性に優れたものであることを見出している(特願2003−445号参照)。
ここで、ポリウレタン発泡原液(軟質ポリウレタンフォームの原料)に発泡剤として配合される水が上記ケイ酸塩に作用し、上記ケイ酸塩がゲル化すると、原料配合時の作業性及び軟質ポリウレタンフォーム中のケイ酸塩の微分散状態が損なわれることとなる。従って、上記特願2003−445号においては、水とイソシアネート成分との混合液と、ケイ酸塩とポリオール成分との混合液とを別個に調製し、発泡直前に両者を混合する方法が採用されている。
しかしながら、ケイ酸塩の微分散状態が実現可能な範囲として、このような配合工程を経る限りにおいてはケイ酸塩の配合量に上限があり、従って、上記のようなケイ酸塩の配合による軟質ポリウレタンフォームの硬度向上効果、並びに耐湿熱圧縮性向上効果も制限を受けることとなっていた。
ポリウレタン発泡原液にケイ酸塩をより高い割合で配合した場合であっても、形成される軟質ポリウレタンフォーム中にケイ酸塩を良好に微分散させることが可能な、新たな軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法の開発が望まれていた。
Ruijian Xu、他3名,Macromolecules,2001年,34号,p.337〜339
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、硬度が高く耐湿熱圧縮性に優れ、しかも、その他の種々の特性についても改良された軟質ポリウレタン発泡成形体、その製造方法、及びその軟質ポリウレタン発泡成形体を用いてなる車両用シート、を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと、(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールと、(C)ケイ酸塩と、(D)水と、を含むポリウレタン発泡原液を発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法において、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製した後に、前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製することによって、ケイ酸塩がゲル化する傾向を抑制することが可能となることを見出した。その結果、より高い割合でケイ酸塩を配合した場合であっても良好な微分散状態を実現し得、従来品に比べて種々の特性が向上した軟質ポリウレタン発泡成形体が実現可能であることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法、軟質ポリウレタン発泡成形体、及び車両用シートを提供する。
請求項1:
次の(A)〜(D)の各成分、
(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネート、
(B)ヒドロキシル基を供給するポリオール、
(C)ケイ酸塩、
(D)水、
を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含むことを特徴とする軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項2:
更に、次の(E),(F)の各成分、
(E)触媒、
(F)整泡剤、
を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(E)成分及び(F)成分を混合し、次いで前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含む請求項1記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項3:
前記(B)成分が、ポリマーポリオールを含まない請求項1又は2記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項4:
前記(C)成分が、前記(B)成分100質量部に対し0.1〜30質量部配合される請求項1,2又は3記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項5:
前記ポリウレタン発泡原液のうち、前記(A)成分を除く各成分からなるポリオール組成物の粘度が、液温25℃において5000mPa・s以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項6:
前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の、JIS K 6400:2004に準拠して測定した湿熱圧縮残留歪み(%)が15%以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項7:
前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の、JASO B 407に準拠して測定した共振周波数(Hz)が、5Hz以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項8:
前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の反力比が、30以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項9:
請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体。
請求項10:
請求項9に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体を用いてなる車両用シートパッド。
本発明によれば、従来品に比べて硬度、耐熱性に優れるのみならず、種々の特性が向上した軟質ポリウレタン発泡成形体を実現し得る。本発明により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体は、車両用シート材として特に好適である。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法は、次の(A)〜(D)の各成分、
(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネート、
(B)ヒドロキシル基を供給するポリオール、
(C)ケイ酸塩、
(D)水、
を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含むことを特徴とする軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であり、好ましくは、更に、次の(E),(F)の各成分、
(E)触媒、
(F)整泡剤、
を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(E)成分及び(F)成分を混合し、次いで前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含む軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法である。
前記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートとしては、成形密度領域の観点から、トリレンジイソシアネート(TDI)及び/又はジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好適に用いられる。
ここで、上記TDIとしては、特に限定されるものではないが、2,4−TDIと2,6−TDIとの配合比が80/20〜50/50(質量比)の混合物であることが好ましく、80/20〜65/35(質量比)の混合物であることが特に好ましい。
一方、MDIとしても特に限定されるものではなく、その分子量分布の広狭を問わず用いることができ、例えば、純(ピュア)MDI(4,4’−MDI)、ポリメリックMDI、粗(クルード)MDIなどを用いることができる。
このようなTDI、MDIとしては市販品を使用することができ、TDIとしては、例えばTDI−80(住友バイエルウレタン(株)製)、MDIとしては、例えば44V20(住友バイエルウレタン(株)製 クルードMDI)を用いることができる。
上記TDIとMDIとを併用する場合、両者の配合比としては、TDI/MDI(質量比)の値として通常20/80〜80/20(質量比)、好ましくは50/50〜80/20(質量比)である。
前記(A)成分が上記ポリウレタン発泡原液中に占める割合(2種以上のイソシアネートを併用する場合には、その総量がポリウレタン発泡原液中に占める割合)としては、その目安としてのイソシアネート当量(軟質ポリウレタン発泡原液中の活性水素量(モル)を100とした時の、軟質ポリウレタン発泡原液中のイソシアネ−ト基の当量(モル)比)値として通常80以上、好ましくは95以上、上限として通常120以下、好ましくは115以下である。イソシアネート当量が80未満であると、攪拌不良が起こる場合があり、一方120を超えると、フォームダウンする場合がある。
本発明における上記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとしては、特に限定されるものではないが、ポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとの混合物を用いることができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、反応性の観点から、アルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールが好適である。このようなアルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
中でも、上記ポリエーテルポリオールとしては、原料活性の観点から、上記POとEOとを共重合して得たポリエーテルポリオールが好適に用いられる。共重合の際のPOとEOとの配合比としては、EO/PO(モル比)として通常8/92〜18/82(モル比)、好ましくは13/87〜15/85(モル比)である。EO/PO(モル比)が上記範囲を逸脱すると、ポリエーテルポリオールの生成が困難になる場合がある。
また、上記ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数としては、通常2〜4個、特に3個であることが好ましい。ヒドロキシル基の数が多すぎると原料粘度が上昇する場合があり、少なすぎると物性が低下する場合がある。
上記ポリエーテルポリオールとしては、不飽和度の小さなものを用いることが好ましい。より具体的には、不飽和度として通常0.07ミリ当量/g以下であるポリエーテルポリオールが好適である。ポリエーテルポリオール中の不飽和度が0.07ミリ当量/gを超えると、本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の耐久性や硬度が損なわれる場合がある。なお、本発明において「不飽和度」とは、JIS K 1557−1970に準拠し、試料中の不飽和結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
上記ポリエーテルポリオールの数平均分子量としては、通常8000未満、好ましくは6000以下、下限として通常3000以上、好ましくは4000以上である。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が8000以上であると、(B)成分の粘度が大きくなりすぎてポリウレタン発泡原液の攪拌効率が劣る場合がある。一方、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が3000未満であると、反発弾性が大きく低下する場合がある。なお、本発明において数平均分子量とは、GPC法によりポリスチレン換算値として算出した値である。
一方、本発明における上記(B)成分として、上記ポリエーテルポリオールと併用されることがあるポリマーポリオールとしては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリマーポリオールを用いることが可能である。より具体的には、例えば、ポリアルキレンオキシドからなる好ましくは数平均分子量が3000以上8000以下、好ましくは4000以上7000以下のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリアルキレンオキシドの原料となるアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシドを含むことが好ましく、プロピレンオキシド単独のもの、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなポリマー成分の割合としては、通常25〜50質量%である。
本発明における上記(B)成分としてポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとの混合物を用いる場合、その両者の配合比としては、(ポリエーテルポリオール)/(ポリマーポリオール)(質量比)として通常30/70〜100/0、好ましくは40/60〜80/20である。両者の配合比が上記範囲を逸脱すると、得られるポリウレタン発泡成形体の物性が低下したり、反応不具合を生じたりする場合がある。
本発明における上記(B)成分としては、粘度((B)成分として複数種のポリオールを混合して使用する場合には、その混合したポリオール全体の粘度)が液温25℃において5000mPa・s以下であるポリオールが好ましく使用される。本発明におけるポリウレタン発泡原液には、イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと、ヒドロキシル基を供給するポリオールとが含まれるが、このような特定の粘度を有するポリオールを用いることにより、ポリウレタン発泡原液の増粘速度を抑制することが可能となって攪拌効率が上昇し、イソシアネート基とヒドロキシル基とがより均一に反応することが可能となるため、従来に比べて発生ガスの発生効率が増加するのみならず、その発生ガスの発生箇所としてもポリウレタン発泡原液内で均一に発生することとなり、軽量かつ均質なポリウレタン発泡成形体を得ることが可能となる。
なお、本発明において「粘度」とは、JIS Z 8803−1991に準拠し、液温25℃において、毛細管粘度計を用いて測定した粘度を意味する。
上記(B)成分の液温25℃における粘度としてより具体的には、通常5000mPa・s以下、好ましくは1800mPa・s以下、下限として通常500mPa・s以上、好ましくは800mPa・s以上である。ポリオールの粘度が大きすぎると、ポリウレタン発泡原液の攪拌効率が低くなって本発明の目的が達成し得ない場合がある。一方、ポリオールの粘度が小さすぎると、反発弾性が低く、かつ湿熱圧縮残留歪み特性が悪くなる場合がある。
本発明における上記(C)ケイ酸塩としては、例えば、単位骨格中にケイ素原子を1つ含むネソケイ酸塩、数個含むソロケイ酸塩、多数のケイ素原子を含むイソケイ酸塩、フェロケイ酸塩等が挙げられ、具体的にはモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、バーキュライト、ハロイサイト、又はマイカなどが挙げられる。これらは天然品でも人工合成品でもよい。また、これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用することも可能である。
本発明において、これらケイ酸塩の膨潤性の有無については特に限定されるものではないが、ポリオール成分への分散性の観点から、膨潤性マイカであることが好ましい。また、ポリオール成分中での分散状態の安定性の観点から、マイカ表面のOH基がフッ素原子で置換されたフッ素化マイカを使用することも好適である。
本発明における上記ケイ酸塩としては、ポリオール成分への分散性の観点から、有機化処理されたケイ酸塩を好適に使用することができる。
このような有機化処理方法としても特に限定されるものではなく、ケイ酸の対イオンのナトリウムイオンをイオン交換することにより、ケイ酸塩を4級アンモニウム塩化する方法や、化学結合やイオン結合等によりケイ酸塩表面に有機基を導入する方法等を挙げることができるが、中でもポリオールへの分散性の観点から、ケイ酸の対イオンのナトリウムイオンをイオン交換することにより、ケイ酸塩を4級アンモニウム塩化する方法が好適である。
上記有機オニウムイオンとしては、例えば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシル(ラウリル)アンモニウムイオン、オクタデシル(ステアリル)アンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモニウムイオンといった有機アンモニウムイオン;アルキルビピリジニウムイオンといった有機ピリジニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、ポリオール成分中での安定性の観点から、有機アンモニウムイオンが好適である。これらは4級アンモニウムイオンであることが好ましいが、1級、2級、3級アミンをプロトン化したものでもよい。
また、上記有機アンモニウムイオンとしては、窒素原子に結合する有機基がアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基であるものが好ましく、特に、ジ(ヒドロキシアルキル)ジアルキルアンモニウムイオンが好ましい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。一方、ヒドロキシアルキル基としては、OH基を1つ有するもの、2つ以上のOH基を有するもののいずれでもよく、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基等の末端の炭素原子に結合するOH基を有するもの、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基等の炭素鎖途中の炭素原子に結合するOH基を有するもの、1,3−ジヒドロキシ−n−ブチル基のように末端及び炭素鎖途中の炭素原子に結合するOH基を有するものなどが挙げられる。中でも、製造される軟質ポリウレタンフォームの強度の観点から、末端にOH基を有するものが好ましい。なお、窒素原子に結合する有機基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基等の炭素鎖の途中にエステル結合、ウレタン結合などを有するものであってもよい。
本発明におけるこの様なケイ酸塩としては市販品を用いても良く、例えば、有機化マイカ、例えばソマシフMEE、ソマシフME−100、ソマシフMAE、ソマシフMTE(いずれもコープケミカル(株)製)が挙げられる。
本発明におけるケイ酸塩の配合量としては、特に限定されるものではないが、前記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常0.1質量部以上、好ましくは1.0質量部以上、上限として通常30質量部以下、好ましくは5質量部以下である。0.1質量部未満であると、耐湿熱圧縮性と硬度の向上がほとんど発現しない場合があり、一方、30質量部を超えるとポリオール成分が高粘度化してしまい、混合液が均一化できず、有機化処理された無機充填材をウレタンフォーム中に均一に分散させることができない場合がある。
本発明における前記ポリウレタン発泡原液には(D)水が含まれる。水はポリイソシアナートと反応して炭酸ガスを発生させることから、本発明において発泡剤として用いることができ、環境への負荷低減、及び製造コスト削減の観点からも好適に用いられる。
ポリウレタン発泡原液中の(D)水の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常1〜7質量部、好ましくは2〜5質量部である。(D)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の熱圧縮残留歪み特性に劣る場合がある。
本発明における前記ポリウレタン発泡原液中には、更に(E)触媒、(F)整泡剤、が含まれることが好適である。これらの各成分は、軟質ポリウレタン発泡成形体の製造サイクルタイムの短縮にも寄与し得る。
前記(E)触媒としては、ポリウレタンフォーム用として常用のものが使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒が挙げられる。ポリウレタン発泡原液中の(E)触媒の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常0.3〜2質量部である。
このような(E)成分としては市販品を用いることができ、例えばトリエチレンジアミン(花王(株)製)、ジエタノールアミン(日本触媒製)等を挙げることができる。
前記(F)整泡剤としては、軟質ポリウレタン発泡成形体用のものとして汎用のものを用いることができ、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤を用いることができる。このような整泡剤としては市販品を用いることができ、例えば、L 5309(日本ユニカー(株)製)、SRX 274C(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)等を用いることができる。なお、上記ポリウレタン発泡原液中の整泡剤の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常0.3〜2質量部である。
本発明において、ポリウレタン発泡原液から前記(A)成分を除いた残りの各成分からなる混合物(ポリオール組成物)の液温25℃における粘度としては、通常5000mPa・s以下、好ましくは1800mPa・s以下、下限として通常500mPa・s以上、好ましくは800mPa・s以上である。ポリオール組成物の粘度が大きすぎると、該ポリウレタン発泡原液の攪拌効率が低下して発泡が不均一かつ不十分となって所望のポリウレタン発泡成形体が得られない場合がある。一方、ポリオール組成物の粘度が小さすぎると、反発弾性が低く、かつ湿熱圧縮残留歪み特性が悪い場合がある。
本発明の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法は、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含むことを特徴とする軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法である。
本発明は、ポリウレタン発泡原液を調製する初期の段階で、前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオール成分と前記(D)水成分とを混合してまず水和ポリオールを調製し、次いで前記(C)ケイ酸塩成分を混合することによって、ケイ酸塩をポリウレタン発泡原液中により良好に分散させることが可能となり、その結果、得られる発泡成形体の硬度及び耐湿熱圧縮性について、さらなる改善が可能となることを見出したものである。
前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程、及び、更に前記(E)成分及び(F)成分を混合する際の混合条件としては、攪拌時の回転数として通常100rpm以上、好ましくは1500rpm以上、上限として通常3000rpm以下、好ましくは2500rpm以下である。また、攪拌時間としては通常10分以上、好ましくは15分以上、上限として通常30分以下、好ましくは20分以下である。
一方、前記水和ポリオール(更に、前記(E)及び(F)成分を混合した場合を含む)に前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する際の混合条件としては、攪拌時の回転数として通常100rpm以上、好ましくは1500rpm以上、上限として通常3000rpm以下、好ましくは2500rpm以下である。また、攪拌時間としては通常10分以上、好ましくは15分以上、上限として通常30分以下、好ましくは20分以下である。
本発明において、ポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る際の条件としては通常の条件を用いることができ、常圧下で発泡硬化させても良いし、減圧下で発泡硬化させても良い。ここでいう減圧工法としては、例えば下型と、この下型の開放部を覆うことにより下型との間に密閉キャビティ空間を形成する上型とを具備し、これら上下型が互いに脱着可能に配設された金型本体の上記キャビティ空間内にポリウレタン発泡原液を供給してこれを発泡、成形する方法が挙げられる。
本発明の製造方法において、発泡成形時の金型温度としては通常50〜70℃である。なお、減圧工法を採用する場合には、キャビティ内に上記ポリウレタン発泡原液を注入する際のポリウレタン発泡原液の温度としては、常温程度とすることができる。
本発明の製造方法において減圧工法を採用する場合、ポリウレタン発泡原液の発泡倍率としては通常10倍以上、好ましくは20倍以上、上限として通常40倍以下、好ましくは30倍以下である。
また、金型内へのポリウレタン発泡原液の注入量としては、金型容積に対するポリウレタン発泡原液の体積比((ポリウレタン発泡原液の体積)/(金型容積))として通常1/10〜1/40、好ましくは1/20〜1/30である。
なお、金型を用いた成形を行なう以上、通常、ポリウレタン発泡原液の発泡後の体積が金型容積よりも大きくなるように見積もって金型内にポリウレタン発泡原液を注入することとなるが、発泡後のポリウレタン発泡原液の体積と、金型容積との比((発泡後のポリウレタン発泡原液の体積)/(金型容積))として通常1/1以上、好ましくは1.2/1以上、上限として通常1.5/1以下、好ましくは1.4/1以下である。
本発明の製造方法において、得られるポリウレタン発泡成形体の反力比を向上させる観点からは、前記(B)成分として、ポリマーポリオールを含まないポリオール成分を用いることが好ましい。
ここで、本発明において「反力比」とは、JIS K 6400:2004に準じた測定装置を用いて測定した、(尻型50%圧縮時反力)/(φ10円盤5%圧縮時反力)の比の値を意味する。
なお、本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の反力比としては通常30以上、好ましくは35以上である。
上記「反力比」の測定方法としてより具体的には、試験片の空気を逃げ易くするために直径6mm、中心距離19mmの多数の小孔のあいた台上にφ300mm以上の円形を含む大きさの試験片を置き、自動記録装置を有するインストロン型圧縮荷重試験機を用いて、まず直径10mmの円形加圧板で試験片の上面から4.9Nかけた時の厚さを測定し、これをはじめの厚さとする。次に、φ10円形加圧板を50mm/minの速さではじめの厚さの75%の距離を押し込んだ後、直ちに50mm/minの速さで加圧板を上昇させ、はじめの厚さまで戻す。1分間放置後、再び同じ速度で初めの厚さの5%の距離まで圧縮し、静止させて20秒後の荷重を読む。これを「φ10円盤5%圧縮時反力」とする。さらに、加圧板として直径200mmの尻型加圧板を用い、初期厚みを測定後、50mm/minの速さではじめの厚さの75%の距離を押し込んだ後、直ちに50mm/minの速さで加圧板を上昇させ、はじめの厚さまで戻す。1分間放置後、再び同じ速度で初めの厚さの50%の距離まで圧縮し、静止させて20秒後の荷重を読む。これを「尻型50%圧縮時反力」とする。
本発明における「反力比」は、このようにして求めた「尻型50%圧縮時反力」を「φ10円盤5%圧縮時反力」で除した値であり、本発明においてはポリウレタン発泡成形体の特性を評価する指標として用いる。反力比が大きいほど、ポリウレタン発泡成形体の表面が柔らかくソフトであると同時に、ポリウレタン発泡成形体の中心部の硬度が高くしっかり感があることを意味する。
本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の密度としては、JIS規格で規定される「見掛け密度」として通常70kg/m3以下、好ましくは60kg/m3以下、より好ましくは55kg/m3以下、更に好ましくは50kg/m3以下である。
本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の、JIS K 6400:2004に準拠して測定した硬度(成形体表皮部の25%硬度)としては通常5kgf以上、好ましくは10kgf以上、上限として通常40kgf以下、より好ましくは30kgf以下である。
また、本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の、JIS K 6400:2004に準拠して測定した湿熱圧縮残留歪み(%)としては通常15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、更に好ましくは6%以下である。
更に、本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体の、JASO B 407に準拠して測定した共振周波数(Hz)としては通常5Hz以下、好ましくは4Hz以下、より好ましくは3.5Hz以下、更に好ましくは3.3Hz以下である。
本発明の製造方法により上述した軟質ポリウレタン発泡成形体を実現し得、吸音性の高いウレタンフォーム、薄肉化に対応可能なシートやパッド材料等の用途に好適に用いることが可能な低密度軟質ポリウレタン発泡成形体を得ることができる。
特に、車両用シートパッド向けの用途を志向する軟質ポリウレタンフォームを製造しようとする場合には共振周波数がより小さなことが望まれる。本発明の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法は配合するケイ酸塩の量を大きく設定することが可能な製造方法であり、共振周波数のより小さな軟質ポリウレタンフォームを製造する方法として特に好適である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜3]
表1に示す配合比にてポリウレタン発泡原液を調製した。ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、まずポリオールと水とを混合して1800rpmで20分間攪拌し、その後アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を混合して1800rpmで10分間攪拌し、その後ケイ酸塩を1800rpmで攪拌しながら徐々に添加して添加終了後、1800rpmで30分間攪拌することにより、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物とイソシアネート1及び2とを混合して5000〜7000rpmで5〜10秒間攪拌し、ポリウレタン発泡原液を得た。
得られたポリウレタン発泡原液を金型(型温60℃、容積20L)のキャビティに注入した。ポリウレタン発泡原液の仕込み量は、1.2kgであった。発泡硬化させて得られた軟質ポリウレタン発泡成形体の諸物性を評価した。結果を表1に併記した。
[実施例4,比較例1]
表1に示す配合比にてポリウレタン発泡原液を調製した。ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、まずポリオール、水、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を混合して1800rpmで30分間攪拌し、その後、必要に応じてケイ酸塩を1800rpmで攪拌しながら徐々に添加して添加終了後、1800rpmで30分間攪拌することにより、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物と、イソシアネート1及び2とを5000〜7000rpmで5〜10秒間攪拌し、ポリウレタン発泡原液を得た。
得られたポリウレタン発泡原液を金型(型温60℃、容積20L)のキャビティに注入した。ポリウレタン発泡原液の仕込み量は、1.2kgであった。発泡硬化させて得られた軟質ポリウレタン発泡成形体の諸物性を評価した。結果を表1に併記した。
[比較例2]
表1に示す配合比にてポリウレタン発泡原液を調製した。ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、ポリオール、水、ケイ酸塩、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を混合して1800rpmで10分間攪拌することによりポリオール組成物を得た。このポリオール組成物とイソシアネート1及び2とを混合して5000〜7000rpmで5〜10秒間攪拌し、ポリウレタン発泡原液を得た。
得られたポリウレタン発泡原液を金型(型温60℃、容積20L)のキャビティに注入した。ポリウレタン発泡原液の仕込み量は、1.2kgであった。発泡硬化させて得られた軟質ポリウレタン発泡成形体の諸物性を評価した。結果を表1に併記した。
[比較例3]
表1に示す配合比にてポリウレタン発泡原液を調製した。ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、まずイソシアネート1及び2と水とを混合して1000rpmで1分間攪拌攪拌してイソシアネート混合物を得た。次に、ポリオール、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び有機化マイカを混合して1800rpmで30分間攪拌してポリオール混合物を得た。このイソシアネート混合物とポリオール混合物とを混合して5000〜7000rpmで5〜10秒間攪拌し、ポリウレタン発泡原液を得た。
得られたポリウレタン発泡原液を金型(型温60℃、容積20L)のキャビティに注入した。ポリウレタン発泡原液の仕込み量は、1.2kgであった。発泡硬化させて得られた軟質ポリウレタン発泡成形体の諸物性を評価した。結果を表1に併記した。
Figure 2005248146
ポリエーテルポリオール
数平均分子量5,000、官能基(OH基)数3、EO15%,PO85%(仕込みモル)。不飽和度0.065ミリ当量/g。粘度1000mPa・s(液温25℃)。
ケイ酸塩
ソマシフMEE(コープケミカル(株)製、有機化マイカ)
アミン触媒
Dabco33LV(三共エアープロダクツ社製)
シリコーン系整泡剤
SRX274C(東レ(株)製)
架橋剤
旭硝子製。数平均分子量400、官能基数4、EO100%(仕込みモル)
イソシアネート1
T−80(三井武田ケミカル(株)製)
イソシアネート2
44V20(住友バイエルウレタン(株)製)
密度(kg/m 3
JIS K 6400:2004に記載の方法により、全密度の測定を実施した。全密度は、JIS規格で規定している「見掛け密度」を指す。本発明では、表皮スキン有りの直方体フォームサンプルを用いて全密度の測定を行った。
25%硬度,65%硬度(kgf)
JIS K 6400:2004に準じて測定した。
試験片の空気を逃げ易くするために、直径6mm、中心距離19mmの多数の小孔のあいた台上に試験片を置いた。次に自動記録装置を有するインストロン型圧縮荷重試験機を用いて、直径200mmの円形加圧板で試験片の上面から押さえつけた。このとき、φ300mm以上の円形を含む大きさの試験片を用い、ILD(局部圧縮)で試験を行った。
前荷重として4.9Nかけた時の厚さを測定し、これをはじめの厚さとした。次に、円形加圧板を50mm/minの速さではじめの厚さの75%の距離を押し込んだ。押し込んだ後、直ちに50mm/minの速さで加圧板を上昇させ、はじめの厚さまで戻した。1分間放置後、再び同じ速度で初めの厚さの25%(又は65%)の距離まで圧縮し、静止させて20秒後の荷重を読んだ。これを25%(又は65%)硬さとした。
湿熱圧縮残留歪み(%)
JIS K 6400:2004に記載の圧縮残留ひずみの測定方法により、湿熱圧縮残留歪みの測定を実施した。ただし、測定に際しては成形した軟質フォームのコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃、相対湿度95%の条件下に、22時間放置した。そして、22時間放置後、この試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みの値と比較し、歪み率を測定し、この歪み率を湿熱圧縮残留歪みとした。
共振周波数(Hz)
JASO B 407に準拠して測定した。サンプルに41kgの加圧板を載せ、周波数を1Hz〜10Hzまで加振させた。最大の伝達率を示した時の周波数を共振周波数とした。
比較例1は、水和ポリオールを調製した後ケイ酸塩を配合せずに、イソシアネートと混合してポリウレタン発泡原液を調製した例である。実施例3との比較により、ケイ酸塩の配合によって湿熱圧縮残留歪み値及び共進周波数値が改善されていることが明らかである。
比較例2は、ポリオール、水、ケイ酸塩、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を一度に混合してポリオール組成物を調製し、イソシアネートと混合してポリウレタン発泡原液を調製した例である。また、比較例3は、ポリオール、ケイ酸塩、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を一度に混合してポリオール組成物を調製し、イソシアネートと水との混合物を配合してポリウレタン発泡原液を調製した例である。実施例1,4との比較により、予め水和ポリオールを調製した後にケイ酸塩を混合し、更にイソシアネートを混合することにより、より湿熱圧縮残留歪み値及び共進周波数値に優れる軟質ポリウレタンフォームが得られることが明らかである。
[実施例5、比較例4,5]
表2に示す配合比にてポリウレタン発泡原液を調製した。ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、まずポリエーテルポリオール、水、アミン触媒、シリコーン系整泡剤、及び架橋剤を混合して1800rpmで30分間攪拌し、その後ケイ酸塩を1800rpmで攪拌しながら徐々に添加して添加終了後、1800rpmで30分間攪拌することにより、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物と、イソシアネート1及び2とを混合して5000〜7000rpmで5〜10秒間攪拌し、ポリウレタン発泡原液を得た。
得られたポリウレタン発泡原液を金型(型温60℃、容積20L)のキャビティに注入した。ポリウレタン発泡原液の仕込み量は、1.2kgであった。発泡硬化させて得られた軟質ポリウレタン発泡成形体の諸物性を評価した。結果を表2に併記した。なお、特に記載しない限り、原料及び評価方法は表1と同様である。
Figure 2005248146
ポリマーポリオール
ベースPPG数平均分子量5000、ベースPPG官能基数3。PPG(ポリプロピレングリコール)にアクリロニトリル−スチレン共重合体のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール。
架橋剤
数平均分子量400、官能基(OH基)数4、EO100%(仕込みモル)。
乾熱圧縮残留歪み(%)
JIS K 6400:2004に記載の圧縮残留ひずみの測定方法により、乾熱圧縮残留歪みの測定を実施した。ただし、測定に際しては成形した軟質フォームのコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、70℃の条件下に、22時間放置した。そして、22時間放置後、この試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みの値と比較し、歪み率を測定し、この歪み率を乾熱圧縮永久歪みとした。
繰返し圧縮厚さ低下率(%)
JIS K 6400:2004に準拠して測定した。
繰返し圧縮硬さ低下率(%)
JIS K 6400:2004に準拠して測定した。
反発弾性率(%)
JIS K 6400:2004に準拠して測定した。
比較例4,5は、ポリマーポリオールを使用する例である。実施例5との比較により、ポリマーポリオールを使用しないで得た軟質ポリウレタンフォームが反力比に優れ、ポリウレタン発泡成形体の表面が柔らかくソフトであると同時に、ポリウレタン発泡成形体の中心部の硬度が高くしっかり感がある軟質ポリウレタンフォームが得られることが明らかである。

Claims (10)

  1. 次の(A)〜(D)の各成分、
    (A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネート、
    (B)ヒドロキシル基を供給するポリオール、
    (C)ケイ酸塩、
    (D)水、
    を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含むことを特徴とする軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  2. 更に、次の(E),(F)の各成分、
    (E)触媒、
    (F)整泡剤、
    を含むポリウレタン発泡原液を金型内で発泡させて成形体を得る軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記(B)成分と前記(D)成分とを混合して水和ポリオールを調製する工程と、前記水和ポリオールに前記(E)成分及び(F)成分を混合し、次いで前記(C)成分を混合してポリオール組成物を調製する工程と、このポリオール組成物と前記(A)成分とを混合してポリウレタン発泡原液を調製する工程と、を含む請求項1記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  3. 前記(B)成分が、ポリマーポリオールを含まない請求項1又は2記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  4. 前記(C)成分が、前記(B)成分100質量部に対し0.1〜30質量部配合される請求項1,2又は3記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  5. 前記ポリウレタン発泡原液のうち、前記(A)成分を除く各成分からなるポリオール組成物の粘度が、液温25℃において5000mPa・s以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  6. 前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の、JIS K 6400:2004に準拠して測定した湿熱圧縮残留歪み(%)が15%以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  7. 前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の、JASO B 407に準拠して測定した共振周波数(Hz)が、5Hz以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  8. 前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて得た成形体の反力比が、30以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法により得られる軟質ポリウレタン発泡成形体。
  10. 請求項9に記載の軟質ポリウレタン発泡成形体を用いてなる車両用シートパッド。
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