JP2005248061A - 導電性インキ、及びそれを用いた非接触型メディア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒子径が0.001〜0.1μmの金属微粒子(A)と、平均円相当径が1〜20μm、平均厚さが0.01〜0.5μmの箔状金属粉(B)と、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体とを含む導電性インキ、および基材上に前記導電性インキ用いて形成された導電回路と、該導体回路に導通された状態で実装されたICチップとを具備する非接触型メディア。
【選択図】なし
Description
最近の例として、従来の磁気記録に代わるICカードの定期券や、商品の安全性を証明し、その履歴等が直ちに確認できるようなICタグが挙げられ、いずれも非接触型で情報の書き換えが可能なものである。
例えば、導電性ペーストとしては、ナノオーダーの導電性微粒子の併用によって比較的薄膜で10-6Ω・cmオーダーの体積抵抗値が得られることが知られている。しかし、この抵抗値を発現させるためには、ペーストを200℃で焼結させる必要があるため、プリント配線板用途としては使用できるが、ICカードやICタグ用途に使用する通常の紙基材や、ポリエステル等のプラスチックフィルム基材に使用することは困難である。また、ペーストの可使時間が常温で24時間と非常に短く、保存条件が−20℃であることを考えると、安定性に優れているとは言えない。
また、本発明は、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の通常の印刷方法により形成される導電回路を具備し、大量生産性、コストダウン、省エネルギー化に寄与する新しい非接触型メディアを提供することを目的とする。
本発明の導電性インキにおいて、金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の混合比は、重量比で(A)/(B)=5/95〜60/40であることが好ましく、金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の合計含有量は、インキの総固形分を基準として70〜95重量%であることが好ましい。また、金属微粒子(A)及び箔状金属粉(B)は銀であることが好ましい。
また、本発明の非接触型メディアは、基材上に、上記導電性インキ用いて形成された導電回路と、該導体回路に導通された状態で実装されたICチップとを具備することを特徴とする。
また、本発明の導電性インキを使用することにより、大量生産によるコストダウンと、省エネルギー化に貢献することができ、将来、低コストで新しい非接触型ICメディアの普及が可能になった。
まず、本発明における導電性インキについて説明する。
導電性インキ中に含まれる金属微粒子(A)及び箔状金属粉(B)は、どちらもインキに導電性を与えるものであり、金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)とを併用することにより、インキの流動性が良くなり、インキの導電性が飛躍的に向上する。
本発明の導電性インキにより形成された塗膜の断面を透過型電子顕微鏡で観察すると、金属微粒子(A)は、塗膜中に偏在することなく、箔状金属粉(B)の層間にほぼ均一に存在している。この事実から、非常に薄く扁平な箔状金属粉(B)に対して、金属微粒子(A)は、ボールベアリングのボールのように作用して箔状金属粉間の摩擦抵抗を低減して流動性を与え、箔状金属粉(B)がきれいに層状に折り重なるよう、作用すると考えることができる。その結果、箔状金属粉同士が、十分に物理接触することが可能となって、導電性が飛躍的に向上すると考えられる。
箔状金属粉(B)の平均円相当径:aは、金属粉の電子顕微鏡画像をLUZEX(株式会社ニレコ製)等の画像解析装置で解析することにより求めることができる。また、平均厚さ:bは、例えば箔状金属粉(B)を含む塗膜の電子顕微鏡写真をLUZEX等の画像解析装置で画像解析することにより求めることができる。
金属微粒子(A)及び箔状金属粉(B)を構成する金属の種類としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、チタン、インジウム、イリジウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル等の金属が挙げられる。なかでも導電性、コストの点で銀が好ましい。
また、導電性インキ中の金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の合計含有量は、インキの総固形分を基準として70〜95重量%であることが好ましく、75〜90重量%であることがより好ましい。金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の合計含有量が70重量%未満の場合は導電性が十分ではなく、95重量%を超える場合は印刷適性及び導電性が低下するためである。
樹脂としては、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ケトン樹脂、ロジン、ロジンエステル、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂等から選ばれる1種または2種以上を、印刷方法の種類及び使用基材の種類や、非接触メディアの用途に応じて使用することができる。
(メタ)アクリレート化合物のうち、単官能(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能のビニルエーテル化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル、ビスフェノールAジエトキシジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル等が挙げられる。
液状媒体は、担体として用いる樹脂、導電回路を形成する基材、印刷方法等の種類に応じて、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、水等を使用することができ、2種類以上を混合して使用することもできる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3‘−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの他に、ビスイミダゾール系、アクリジン系、カルバゾール−フェノン系、トリアジン系、オキシム系等の光重合開始剤を使用することができる。
担体として樹脂の前駆体(エチレン性不飽和二重結合を有する化合物)を用いた場合は、導電性インキの安定性を高める目的で、(熱)重合禁止剤を含ませることができる。(熱)重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、2,6−t−ブチル−p−クレゾ−ル、2,3−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、アンスラキノン、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
導電性インキには、必要に応じて可塑剤、滑剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、耐電防止剤、酸化防止剤、キレート剤等の通常用いられる各種添加剤を含ませることができる。更に、本発明の目的に反しない範囲で、その他の通常用いられる有機・無機充填剤を含ませてもよい。
導電性インキは、平均粒子径が0.001〜0.1μmの金属微粒子(A)と、平均円相当径が1〜20μm、平均厚さが0.01〜0.5μmの箔状金属粉(B)とを、その混合比が重量比で(A)/(B)=5/95〜60/40となるよう、また金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の合計含有量がインキの総固形分を基準として70〜95重量%となるように、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物、および必要に応じて液状媒体と混合することにより製造することができる。
本発明の導電性インキを、使用用途に応じて紙、プラスチック等の基材の片面または両面上に、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷等、従来公知の印刷方法を用いて印刷することで導電回路を形成することができる。
プラスチック基材としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリスチレン、ビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール、ナイロン、ポリイミド、ポリカーボネート等の通常のタグ、カードとして使用されるプラスチックからなる基材を使用することができる。
また、導電回路上に接着剤を塗布し、そのまま絵柄等を印刷した紙基材やプラスチックフィルムを接着、または、プラスチックの溶融押出し等によりラミネートして非接触メディアを得ることもできる。勿論、あらかじめ粘着剤、接着剤が塗布された基材を使用することもできる。
[実施例1]
金属微粒子(A1)分散体(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」、平均粒子径0.01μm、銀含有量30%)17部、箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製「ナノメルトAg−XF301」、平均円相当径6μm、平均厚さ0.1μm)95部、樹脂溶液(荒川化学工業株式会社製ポリウレタン樹脂溶液「ポリウレタンKL−593」、固形分35%)120部、液状媒体(2−プロパノール/酢酸エチル=7/3)52部を混合し、ディソルバーを用いて30分間撹拌して導電性インキを得た。
次に、この導電性インキをハンドKロックス(R.K.Print Coat Instruments製、アニロックス:100線/インチ)を用いてポリエステルフィルム(ユニチカ株式会社製「エンブレットTA」、厚さ100μm)に印刷、乾燥して導電インキ塗工物を得た。
金属微粒子(A1)分散体(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」)200部、箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製「ナノメルトAg−XF301」)40部、樹脂溶液(荒川化学工業株式会社製ポリウレタン樹脂溶液「ポリウレタンKL−593」、固形分35%)17部を混合し、ディソルバーで30分間撹拌して導電性インキを得た。次に、実施例1と同様にして導電性インキ塗工物を得た。
金属微粒子(A1)分散体(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」)33部、箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製「ナノメルトAg−XF301」)90部、樹脂(ユニチカ株式会社製非晶性ポリエステル「エリーテルUE−3220」)11部、液状媒体(シクロヘキサノン)25部を混合し、ミキサーを用いて30分間撹拌した後、3本ロールミルで分散して導電性インキを得た。次に、シルクスクリーン版(400メッシュ)を用いて、ポリエステルフィルム(ユニチカ株式会社製「エンブレットTA」、厚さ100μm)に回路幅3mmとなるように印刷後、80℃で10分間乾燥して導電性インキ塗工物を得た。
金属微粒子分散体(A1)(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」)33部、箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製、「ナノメルトAg−XF301」)90部、樹脂の前駆体(東亞合成化学株式会社製トリプロピレングリコールジアクリレート「アロニックスM−220」/ダイセル・ユーシービー株式会社製ポリエステルアクリレート「Ebecryl812」=4/1、重量比)18部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガキュア907」)2部を混合し、ディソルバーを用いて30分間撹拌して導電性インキを得た。次に、実施例1と同様にポリエステルフィルムに印刷した後、コンベア式紫外線照射器で紫外線を照射し導電性インキ塗工物を得た。
金属微粒子(A2)分散体(NanoPowders Industries製「Ink064」、平均粒子径0.05μm、銀含有量57%)123部、箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製「ナノメルトAg−XF301」)30部、樹脂溶液(荒川化学工業株式会社製ポリウレタン樹脂溶液「ポリウレタンKL−593」、固形分35%)17部、液状媒体(2−プロパノール/酢酸エチル=7/3)76部を混合し、ディソルバーを用いて30分間撹拌して導電性インキを得た。次に、実施例1と同様にポリエステルフィルムに印刷、乾燥して導電インキ塗工物を得た。
箔状金属粉(B1)(福田金属箔粉工業株式会社製「ナノメルトAg−XF301」)100部、樹脂溶液(荒川化学工業株式会社製ポリウレタン樹脂溶液「ポリウレタンKL−593」、固形分35%)120部、液状媒体(2−プロパノール/酢酸エチル=7/3)64部を混合し、ディソルバーを用いて30分間撹拌して導電性インキを得た。次に、実施例1と同様にポリエステルフィルムに印刷、乾燥して導電インキ塗工物を得た。
金属微粒子(A1)分散体(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」)33部、箔状金属粉(B2)(福田金属箔粉工業株式会社製「AgC−A」、平均円相当径5μm、平均厚さ1μm)90部、樹脂(ユニチカ株式会社製非晶性ポリエステル「エリーテルUE−3220」)11部、液状媒体(シクロヘキサノン)25部を混合し、ミキサーを用いて30分間撹拌した後、3本ロールミルで分散して導電性インキを得た。次に、実施例3と同様に印刷、乾燥して導電性インキ塗工物を得た。
金属微粒子分散体(A1)(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアSVE102」)33部、箔状金属粉(B2)(福田金属箔粉工業株式会社製「AgC−A」)90部、樹脂の前駆体(東亞合成化学株式会社製トリプロピレングリコールジアクリレート「アロニックスM−220」/ダイセル・ユーシービー株式会社製ポリエステルアクリレート「Ebecryl812」=4/1、重量比)18部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガキュア907」)2部を混合し、ディソルバーを用いて30分間撹拌して導電性インキを得た。次に、実施例1と同様にポリエステルフィルムに印刷した後、コンベア式紫外線照射器で紫外線を照射し導電性インキ塗工物を得た。
[インキ安定性]
導電性インキをガラス瓶に入れて密栓し、40℃の環境下に7日間保存した後、導電性インキの状態変化を、軟膏へら及び目視により判定した。
○:変化なし
△:変化(分離、沈殿、粘度上昇)あり
×:変化が非常に大きい
導電性インキを所定量秤り取り、スクリーンインキの場合はE型粘度計を、フレキソインキの場合はB型粘度計を使用して、スクリーンインキの場合はローター回転数2及び20回転の粘度を、フレキソインキの場合は6及び60回転の粘度を、25℃環境下で測定した。次に、チキソトロピックインデックス値(TI値)、即ち(2回転時の粘度)÷(20回転時の粘度)、あるいは(6回転時の粘度)÷(60回転時の粘度)の値をそれぞれ算出してインキ流動性の指標とした。
○:流動性良好、TI値<2.0
△:使用可能な範囲、2.0≦TI値≦8.0
×:流動性悪い、TI値>8.0
導電性インキがスクリーンインキの場合は、銅電極が20mm間隔で並んでいるガラスエポキシ基板に、シルクスクリーン版(400メッシュ)を用いて、幅3mmの回路パターンで電極間を接続するように印刷した。これを熱風オーブンまたはコンベア型紫外線照射器を使用して乾燥した後、電極間の抵抗値を四探針抵抗測定器で測定した。塗膜厚さは株式会社仙台ニコン製MH−15M型測定器を用いて測定し、得られた抵抗値、電極間距離、回路幅、回路厚さから体積抵抗値を算出した。
導電性インキがフレキソインキの場合は、導電性インキを基材上にハンドKロックス(アニロックス:100線/インチ)を用いてポリエステルフィルムに塗工して、上記と同様に乾燥後、膜厚を測定し、塗工物を3mmの幅にカットして短冊状の試料を得た。この短冊を20mm間隔で挟み、抵抗値を四探針抵抗測定器で測定した。その後、スクリーンインキの場合と同様に塗膜厚さを測定し、体積抵抗値を算出した。
導電性インキ塗工物の体積抵抗値を算出した後、塗工面を内側にして180°折り曲げた後、今度は塗工面を外側にして180°折り返し、その後、再び体積抵抗値を算出して折り曲げ前後での体積抵抗値の変化の度合いを評価した。
○:体積抵抗値の変化が20%未満
△:体積抵抗値の変化が20%以上30%未満
×:体積抵抗値の変化が30%以上
Claims (5)
- 平均粒子径が0.001〜0.1μmの金属微粒子(A)と、平均円相当径が1〜20μm、平均厚さが0.01〜0.5μmの箔状金属粉(B)と、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体とを含む導電性インキ。
- 金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の混合比が、重量比で(A)/(B)=5/95〜60/40である請求項1記載の導電性インキ。
- 金属微粒子(A)と箔状金属粉(B)の合計含有量が、インキの総固形分を基準として70〜95重量%である請求項1または2記載の導電性インキ。
- 金属微粒子(A)及び箔状金属粉(B)が、銀である請求項1ないし3いずれか記載の導電性インキ。
- 基材上に、請求項1ないし4いずれか1項に記載の導電性インキ用いて形成された導電回路と、該導体回路に導通された状態で実装されたICチップとを具備する非接触型メディア。
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