JP2005247659A - 精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、特定の光学恒数または特定の組成を有するP2O5−Nb2O5−Li2O系ガラスであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法、並びにこの方法で得られた前記プリフォームを加熱・精密プレス成形する光学素子の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
精密プレス成形法は、プレス成形によって、高精度な加工が施されたプレス成形型の成形面をガラスに転写して光学機能面を形成させる方法であって、例えば研磨加工では莫大な手間とコストがかかる非球面レンズなどを生産性よく量産することができる。このような精密プレス成形は、表面が滑らかで内部、表面ともに欠陥のないプリフォームを必要とする。
一方、冷間加工は多くの工程を経てプリフォームを作るため、手間、時間、コストがかかるという問題があるとともに、研磨の際に破損しやすいガラスへの適用にも問題がある。特にプリフォームの重量を目的の重量に正確に合わせるためには、より多くの手間、時間、コストがかかる。
熱間成形法は優れた製法ではあるが、溶融ガラスからプリフォーム1個分に相当する溶融ガラス塊を分離してガラス塊を直接成形してプリフォームにするため、内部品質は勿論、プリフォームの表面状態や重量精度の高いガラス塊を作らなければならない。
ところで、デジカメやデジタルビデオの小型化、高画素化、高性能化に伴い、各種光学ガラス製のレンズの需要は高まっているが、特に需要が高いものの一つに、高屈折率・高分散ガラスを使用したレンズがある。上記レンズを精密プレス成形により製造するには、光学特性に加え低温軟化性を付与しなければならない。このような条件を満たすガラスとしては燐酸塩ガラスがあり、Nb2O5、TiO2、WO3、Bi2O3などの高屈折率付与成分や、Li2Oなどの低温軟化性付与成分が導入される。燐酸塩ガラスは一般に液相温度における粘性(液相粘性という。)が低いが、高屈折率高分散かつ低温軟化性を備えた燐酸塩ガラスの液相粘性はさらに低くなるという傾向がある。
低粘性のガラスが流出してからプリフォームに成形されるまでの間、ガラス表面は高温状態で雰囲気に曝される。そうするとガラス中の揮発しやすい成分(易揮発成分)、例えばLi2Oなどのアルカリ金属酸化物やB2O3などがガラス表面から揮発し、プリフォーム表面近傍に脈理が発生する。失透していないプリフォームであっても、一部に脈理を含むプリフォームは光学素子を精密プレス成形により作製するための素材として使用することができない。
熱間成形において、上記いずれの問題が生じても成形したプリフォームは不良品となってしまう。
(1)溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、
溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、屈折率(nd)1.65以上で、アッベ数(νd)35以下であって、P2O5、Nb2O5およびLi2Oを含む光学ガラスであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法(以下、製造方法1と称す。)、
(2)溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、
溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、モル%表示で、P2O5 15〜45%、Nb2O5 3〜35%、Li2O 2〜35%、TiO2 0〜20%、WO3 0〜40%、Bi2O3 0〜20%、B2O3 0〜30%、BaO 0〜25%、ZnO 0〜25%、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、BrO 0〜20%、Na2O 0〜30%、K2O 0〜30%(但し、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計量が45%以下)、Al2O3 0〜15%、SiO2 0〜15%、La2O3 0〜10%、Gd2O3 0〜10%、Yb2O3 0〜10%、ZrO2 0〜10%およびTa2O5 0〜10%を含む光学ガラスであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法(以下、製造方法2と称す。)、
(3)ガラス塊が、液相温度において10dPa・s以下の粘度を有するガラスからなる上記(1)または(2)項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(4)ガラス塊をエッチング液に浸漬してエッチング処理する上記(1)、(2)または(3)項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(5)ガラス塊の全表面をエッチング処理して、少なくとも深さ0.5μmの表面層を除去し、所定重量の精密プレス成形用プリフォームを作製する上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(6)ガラス塊をアニール処理したのち、エッチング処理する上記(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(7)上記(1)ないし(6)項のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを、加熱し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法、
(8)プレス成形型にプリフォームを導入し、前記成形型とプリフォームを共に加熱して精密プレス成形する上記(7)項に記載の光学素子の製造方法、および
(9)予め加熱されたプリフォームをプレス成形型に導入し、精密プレス成形する上記(7)項に記載の光学素子の製造方法、
を提供するものである。
また本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法によれば、P2O5−Nb2O5−Li2O系ガラスからなる高品質なガラス製プリフォームを高い生産性のもとに製造することもできる。
さらに、上記ガラスが液相温度における粘度が10dPa・s以下のガラスであっても、機械加工することなく、高品質なプリフォームを高い生産性のもとに製造することもできる。
また、熱間成形したガラス塊をエッチング液に浸漬して表面をエッチング処理することにより、容易に所定重量のプリフォームを製造することもできる。
さらに、熱間成形したガラス塊の少なくとも深さ0.5μmの表面層をエッチング除去して、ガラス塊を所定重量に合わせることにより、脈理や気泡などの欠陥が含まれる表面欠陥層を確実に除去したプリフォームを得ることもできる。
また、熱間成形したガラス塊をアニール処理した後、エッチング処理することによりエッチング時に内部応力による損傷を防止することもできる。
また、本発明の光学素子の製造方法によれば、高屈折率ガラスからなる高品質な光学素子を高い生産性のもとに製造することができる。
[プリフォームの製造方法]
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法には、製造方法1および製造方法2の2つの態様がある。
第1の態様である製造方法1は、溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、屈折率(nd)1.65以上で、アッベ数(νd)35以下であって、P2O5、Nb2O5およびLi2Oを含む光学ガラス(以下、ガラス1という。)であることを特徴とするものである。
例えば、底部に上記風圧を加えためのガス(浮上ガスという。)を噴出する口を設けた凹部を備えたガラス塊成形型を用い、上記凹部に溶融ガラス塊を供給し、凹部内でガラスを上下動させて回転させることにより球状のガラス塊を成形することもできるし、ガスを噴出する口を多数設けた凹部あるいは凹部を多孔質体で構成し、凹部内面全体から浮上ガスを噴出してガラスを浮上し、凹部の形状に沿った形状にガラス塊を成形することもできる。
このようにして得たガラス塊の表面を光学顕微鏡で拡大観察すると、ガラス塊全面にわたって脈理が認められる。このようなガラス塊の全表面をエッチング処理により所定の深さまで除去したガラス塊には、上記脈理が認められない。したがって、この脈理は表面近傍に局在する表面脈理である。ガラス塊表面の変質層、例えばヤケなどは、表面から深さ0.1μm以下の部分に限られるが、表面脈理は光学顕微鏡を用いた観察により認識可能な深さにまで達しているため、ガラス塊表面から少なくとも0.5μm以上の深さまでエッチング処理することが望まれる。
精密プレス成形によって作製される光学素子としては、レンズなどの回転対称軸を一つ備える形状のものが圧倒的に多い。したがって、プリフォームの形状としても、球状、回転対称軸を一つ備える形状(例えば、回転楕円体や、球を一定の軸方向に延ばした形状やつぶした形状など)が望まれている。このような形状のプリフォームを作製するには、目的とするプリフォーム形状に相似する形状のガラス塊を成形しエッチングすればよい。
一方、球状ガラス塊の球対称性に注目すると、エッチング処理により除去される深さが対称性のために全表面において均一になり、球状ガラス塊をエッチングすれば容易に球状プリフォームを作製できるというメリットがある。
(ガラス1)
ガラス1は、屈折率(nd)が1.65以上かつアッベ数(νd)が35以下でP2O5、Nb2O5およびLi2Oを含む光学ガラスである。ガラス1は、ガラス網目構造形成成分としてP2O5を含み、高屈折率高分散付与成分としてNb2O5を含む。また低温軟化性付与成分としてLi2Oを含み、屈折率(nd)1.75以上の高屈折率特性を実現している。
TiO2は、高屈折率高分散性を付与し、失透安定性を向上させる効果がある。しかし、その含有量が20%を超えると、ガラスの失透安定性や透過率が急激に悪化し、屈伏点や液相温度も急上昇し、精密プレス成形時にガラスが着色しやすくなる。したがって、その導入量を0〜20%にするのが好ましく、0〜15%にするのがより好ましい。
Na2O、K2Oは、いずれもガラスの耐失透性を向上させるとともに、ガラス転移温度、屈伏点、液相温度を低下させ、ガラスの溶融性を改善するために導入し得る成分である。しかし、Na2OとK2Oのいずれかが30%より多いと、あるいはLi2O、Na2O及びK2Oの合計量が45%よりも多いと、ガラスの安定性が悪くなるばかりでなく、ガラスの耐候性や耐久性が悪くなる恐れがあるため、Na2OとK2Oの導入量をそれぞれ0〜30%にするのが好ましく、Li2O、Na2O及びK2Oの合計量を0〜45%にするのが好ましい。より好ましくは、Na2Oを0〜20%、K2Oを0〜25%であり、Na2Oを0〜5重量%にするのがさらに好ましい。
ただし、TeO2は毒性があるため、環境影響上から使用しないことが望ましく、同様にPbO、As2O3、CdO、Tl2Oや放射性物質、Cr、Hgなどの化合物も使用しないことが望ましい。また、Ag2Oも特別、必要もないので導入しないことが好ましい。
次にガラス2について説明する。ガラス2は、P2O5 15〜45%、Nb2O5 3〜35%、Li2O 2〜35%、B2O3 0〜25%、SiO2 0〜15%、Al2O3 0〜15%、Na2O 0〜30%、K2O 0〜30%(但しLi2O、Na2OおよびK2Oの合計量が45%以下)、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜20%、WO3 0〜40%、Bi2O3 0〜20%、La2O3 0〜10%、Gd2O3 0〜10%、Yb2O3 0〜10%、ZrO2 0〜10%およびTa2O5 0〜10%を含む光学ガラスである。上記組成範囲を設定した理由は、ガラス1について説明したとおりである。また、ガラス2の好ましい範囲はガラス1の組成範囲の好ましい範囲と同様である。
なお、ガラス1、2の原料しては、P2O5についてはH3PO4、メタリン酸塩、五酸化二燐など、B2O3についてはHBO3、B2O3などを用い、他の成分については炭酸塩、硝酸塩、酸化物などを適宜に用いることが可能である。これらの原料を所定の割合に秤取し、混合して調合原料とし、これを1000〜1400℃に加熱した溶解炉に投入し、溶解、清澄、攪拌し、均質化した得られた溶融ガラスを使用することができる。
このようにして作製したプリフォームを洗浄した後に、必要に応じて離型膜などの薄膜を表面に形成してもよい。離型膜としては炭素含有膜、自己組織化膜などを例示することができる。
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、上記製造方法により作製した精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形することを特徴とするものである。
精密プレス成形はモールドオプティクス成形法とも呼ばれ、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法はプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
なお、これら光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。
プレス圧力は適宜調整すればよいが、5〜15MPa程度を目安にすることができる。また、プレス時間も適宜調整すればよいが、10〜300秒の範囲を目安にすることができる。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型とプリフォームを共に加熱し、精密プレス成形するというものである(精密プレス成形法1という)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
(精密プレス成形法2)
この方法は、前記プリフォームを加熱した後に、プレス成形型に導入し、精密プレス成形する、すなわち、プレス成形型とプリフォームを別々に予熱し、予熱したプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形するというものである(精密プレス成形法2という)。
この方法によれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度をプリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、前記型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは105〜109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温させるが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。また、レンズを成形した場合には、心取り加工を行ってもよい。また、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
このようにして、P2O5−Nb2O5−Li2O系ガラスからなる高品質な光学素子を高い生産性のもとに作製することができる。
(1)表1〜表5にプリフォームを作るためのガラス材料の組成及びその特性として屈折率(nd)、アッべ数(νd)、転移温度(Tg)、屈伏点(Ts)、及び液相温度(L.T.)を示す。上記ガラスの特性は各成分の原料として各々相当する酸化物、フッ化物、水酸化物、炭酸塩、及び硝酸塩を使用し、ガラス化した後に表1に示す組成となるように秤量し、十分混合した後、白金坩堝に投入して電気炉で1050〜1200℃の温度範囲で溶融、清澄、攪拌して均質化し、適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ後、ガラス転移温度まで冷却してから直ちにアニール炉に入れ、室温まで徐冷したものを試料にして測定したものである。
(a)屈折率(nd)及びアッべ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/hにして得られた光学ガラスについて測定した。
(b)転移温度(Tg)及び屈伏点温度(Ts)
理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4℃/分にして測定した。
(c)液相温度(L.T.)
400〜1150℃の温度勾配のついた失透試験炉に1時間保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の有り無しを観察し、液相温度を測定した。
(d)液相粘性
“JIS Z 8803−1991「液体の粘度−測定方法」8.単一円筒形回転粘度計による粘度測定”に基づき、回転円筒法によってガラスの液相温度における粘性を測定した。
このようにして成形したいずれのガラス塊とも、室温までに冷却した後、アニ−ル炉に入れてガラス転移温度よりも10℃程度低い温度で一時間アニール処理し、30℃/時の速度で室温まで降温して歪みを低減した。なお、上記いずれの方法で成形したガラス塊も高い重量精度を有している。得られたガラス塊の重量公差は、目的重量を基準にして±1%以内であった。
これらガラス塊の表面を光学顕微鏡で拡大観察すると微細な表面脈理が全表面にわたって観察された。
プレス成形型に予熱された上記プリフォームを導入し、精密プレス成形する方法でも高品質、高精度な弗燐酸塩ガラスからなる非球面レンズを成形することができた。
なお、プリフォームの形状、寸法は作製しようとする精密プレス成形品の形状等により適宜、決めればよい。
上記実施例では非球面レンズを成形したが、最終製品の形状に合わせたプレス成形型を用いつことにより、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、平凸レンズ、両凸レンズ、平凹レンズ、両凹レンズなどの各種非球面レンズあるいは各種球面レンズ、あるいはプリズム、ポリゴンミラー、回折格子などの光学素子を作製することもできる。
なお、得られた各光学素子の光学機能面には必要に応じて反射防止膜あるいは高反射膜などの光学多層膜を形成することもできる。
また、本発明の光学素子の製造方法によれば、高屈折率ガラスからなる高品質な光学素子を高い生産性のもとに製造することができる。
2 下型
3 案内型(胴型)
4 プリフォーム
9 支持棒
10 支持台
11 石英管
12 ヒーター
13 押し棒
14 熱伝対
Claims (9)
- 溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、
溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、屈折率(nd)1.65以上で、アッベ数(νd)35以下であって、P2O5、Nb2O5およびLi2Oを含む光学ガラスであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。 - 溶融ガラスから精密プレス成形用プリフォームを製造する方法において、
溶融ガラスをガラス塊に成形し、該ガラス塊の全表面をエッチング処理することにより、所定重量の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームを作製すること、および前記ガラスが、モル%表示で、P2O5 15〜45%、Nb2O5 3〜35%、Li2O 2〜35%、TiO2 0〜20%、WO3 0〜40%、Bi2O3 0〜20%、B2O3 0〜30%、BaO 0〜25%、ZnO 0〜25%、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、BrO 0〜20%、Na2O 0〜30%、K2O 0〜30%(但し、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計量が45%以下)、Al2O3 0〜15%、SiO2 0〜15%、La2O3 0〜10%、Gd2O3 0〜10%、Yb2O3 0〜10%、ZrO2 0〜10%およびTa2O5 0〜10%を含む光学ガラスであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。 - ガラス塊が、液相温度において10dPa・s以下の粘度を有するガラスからなる請求項1または2に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
- ガラス塊をエッチング液に浸漬してエッチング処理する請求項1、2または3に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
- ガラス塊の全表面をエッチング処理して、少なくとも深さ0.5μmの表面層を除去し、所定重量の精密プレス成形用プリフォームを作製する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
- ガラス塊をアニール処理したのち、エッチング処理する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを、加熱し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
- プレス成形型にプリフォームを導入し、前記成形型とプリフォームを共に加熱して精密プレス成形する請求項7に記載の光学素子の製造方法。
- 予め加熱されたプリフォームをプレス成形型に導入し、精密プレス成形する請求項7に記載の光学素子の製造方法。
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