JP2005246401A - 鋼線材の制御冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱間圧延鋼線材を再圧延してより細径の制御冷却線材を製造し、従来の1次伸線+熱処理の工程を省略する。
【解決手段】 通常の熱間圧延鋼線材0を再加熱し、3.6mm径以下の線材0’に圧延し、レイング式巻取機8により垂直螺旋リング9に成形し、偏心水平回転集積台12に落下させ、熱間で偏心集積リング列となし、幾何的ルーズ・コイル10を形成する。併行してリング集積速度で該集積台12を降下させ、リング集積部位の外側上方に環状配置した冷媒を吹き付ける冷却装置16により加速冷却する。冷却速度に対応して焼準、パテンティング、焼入焼戻し、焼入等の熱処理を施す。該コイルの形成は自工程の均等冷却を可能にし、次工程ではコイルのままの回分処理を可能にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は直径が3.6mm以下に圧延された鋼線材を制御冷却する方法に関するものである。
熱間圧延鋼線材は通常、圧延直後の制御冷却により対象製品に適切な熱処理効果が付与され、線材2次加工における初段熱処理が省略される。
一般に熱間圧延線材の最小径は5.5mmである。一部に3.6mmの線材が製造され、伸線等の下流工程の生産合理化に寄与しているが、この場合大量生産方式の線材圧延工場では、生産性は半減以下、コストは倍増、生産能力の損失を含めて大きな負担となっている。これ以下の線材径への対応は、例えば能率(=生産量/時間)低下による圧延温度の異常低下等解決困難又は解決策があっても新規投資負担等ますます合理性が欠け実質的に不能となる。
他方線材2次加工側から見ると工程の煩雑な各種細径製品の抜本コスト低減を推進するには3.6mmに止まらず、1)より細く、2)任意の寸法の、3)最適熱処理を附加した線材を、4)より安く、5)即納されることが要望される。その背景は、多種多様な製品の造り分けのため、まず通常の線材を酸洗等の表面処理後、種々の寸法に1次伸線し、適当に集約して次工程の熱処理に供給され製品用の材料となる。この1次伸線方式(含熱処理)は少量多品種小ロット生産の進行により日常のコスト、生産能力、納期面でますます不利となっているだけでなく、今後の生産ライン整備や工場全体合理化の難題になりつつある。
その上、1次伸線された鋼線のコイル形状は、平滑な表面と潤滑剤残存によりリングが互いに密接した稠密構造になっている。そのため後続の熱処理や酸洗処理に際して、コスト・能力両面で有利なコイル毎の回分処理の適用は加熱・冷却の不均一、反応の不均一になりやすく問題となる。品質優先に沿い連続走行式処理が多用されているが、該両面での不利は否めない。
上記1次伸線方式の問題解決に関連する先行技術を検討する。
文献1には溶接用鋼線の有力な1次伸線方法が開示されている。酸洗に替えて伸線インラインの脱膜処理を付設し、加工能力(=速度×稼働率)増強のため伸線機に替えて多台連続圧延機(通称マイクロミル)を採用して7.0mmから2.8mm径まで加工し、圧延された鋼線を水平・平行リング列に成形・重合(通称ループロ・プロセス)してトンネル式加熱炉を通過させて仕上げ伸線用の焼鈍を行い、湿式メッキ処理をも後続させている。
当該方法では細径線材を製造する際の加工、熱処理両面に改善が見られが、問題点は以下である。1)設備費が相当高い。2)軟質低炭素鋼の故に圧延に成功しているが、変形抵抗・加工硬化ともに大きい高炭素鋼の冷間圧延では上記の加工度、加工速度は困難であり寸法精度も問題になる。3)冷間加工であるから熱間加工に比べ動力、工具、補助材料等コストが割高である。4)単純な軟化焼鈍に成功しているが他の熱処理への適用、応用、展開等に関して何ら言及、示唆は見られない。
熱処理面に関して、特公昭45−8536に開示された方法では、走行してくる高炭素鋼の赤熱線材をレイング式捲取機によりらせん状リングを形成しつつ温水中に捲き落とし、コイル状態で沸騰冷却により疑似パテンチング処理がなされる。本方法では、1)単一冷却機能の故に汎用性に欠ける、2)リング重なり具合やコイル内での位置により沸騰冷却の強さが異なり、そのため機械的性質のコイル内、コイル間の均一性に欠ける、3)3.6mm径以下の線材に適用すると冷却速度が過大になってパテンチングもなされない等の問題がある。
同様に、一般にステルモア・プロセスといわれる方法では、赤熱線材をレイング式捲取機によりらせん状リングを形成しつつ水平走行中のコンベア上に落下させて非同心平行リング列に拡げた上で衝風冷却する。疑似パテンチングのほか空冷、徐冷等の処理も可能である。本方法を3.6mm径以下の線材に適用すると、平行リング列の両側部におけるリング重なりによる冷却不均一という問題が相変わらず残存する。長大なスペースという設備上の問題もある。
これらとは別に制御冷却線材共通の問題がある。通常赤熱線材は非同心平行リング列に展開し冷却した後にコイル状に集束される。強制的な集束によりコイル形状に無理な歪みが生ずる。また隣接リング間の密接のため厚肉円筒状の正確なコイル形状の形成が意外に困難である。不適切な形状の場合は、束崩れ、取り扱い傷の多発、使用時のもつれ、崩れ等の事故を誘発する。対策として集束時にリングを円周に沿って分散配分して一種のルーズ・コイルとする工夫が多数提案されてきたがリングの弾性に阻害されてうまく行かない。
上記トラブルの他にリングが互いに密接していると後続の酸洗工程において液の浸透が劣り、酸洗が過剰処理になるか、又はやむを得ずコイルの事前解体処理がなされる。この問題に対してもコイルの一層のルーズ化が期待されている。コイル熱処理においても同様の問題がある。
日本塑性加工学会伸線技術分科会42回;ロール伸線はどこまで進歩したか;P63 特公昭45−8536号
上記のように細径制御冷却鋼線材に対して強い需要があるにもかかわらず、既存の線材圧延工場では無理をすれば3.6mm径程度は供給できてもそれ以下の要求には設備能力上、コスト上、新規投資負担上対処困難という問題がある。他方線材2次加工側においても、少量・多品種・小ロット生産の中での広範に応用できる1次伸線方式(含熱処理)の抜本合理化策は見当たらない。
熱処理面だけを取り上げても文献1に示された方法では、特定鋼種、特定熱処理の特定製品では成功しても高炭素鋼等他の鋼種には対応困難、焼鈍以外の熱処理にも対応困難である。特公昭45−8536号に提示された方法では多様な熱処理に対処できず、汎用のステルモア・プロセスでは線材の機械的性質の不均一と設備過大という問題がある。
このような状況における解決方針としては、1)加工原理上、現行の1次伸線方式を抜本合理化できる新プロセスを開発する、2)そのためには加工面では伸線より熱間圧延を採用し、熱処理面では細径・小規模に適した新規冷却法があり得る、3)中小規模の線材2次加工業者が各個に対処するより量産の線材製造業者が集中生産して操業・設備の両コストの低減を図る、という方法がより好ましいと構想される。
本発明は既述の問題に対して、1次伸線(含熱処理)された鋼線に代替可能な線径3.6mm以下の細径制御冷却線材を妥当なコストで提供することを第1の目的とする。
本発明のもう一つの目的は、後続工程においてコイル毎の回分処理が容易となる幾何的ルーズ・コイルの鋼線材を提供することである。
第1の発明は、熱間圧延された鋼線材を制御冷却する方法において、1)静置状態にある熱間圧延鋼線材のコイルを順次接合して無停止で圧延パスに連続送給し、2)該線材を再加熱した後、直径3.6mm以下の所望の直径に再熱間圧延し、3)最終圧延機より直進してきた熱間の細径線材を鉛直軸周りに自転するらせん状誘導管に貫通させて鉛直らせん状リングに成形し、4)該リングを該リング軸に対して偏心して水平に回転し且つ所定速度で降下する集積台上に連続落下させ、5)該偏心軸周りに半径方向には一定で接線方向には等間隔で配列されたリング列の重層からなる厚肉円筒状の幾何的ルーズ・コイルを形成しつつ、6)該リング集積部位に冷媒を吹き付けて所定の冷却速度に制御することを特徴とする鋼線材の制御冷却方法である。
第2発明は、集積台の回転位相角を0.1〜π/2(rad)、偏心率を0.1〜0.9とすることを特徴とする第1発明に記載の鋼線材の制御冷却方法である。
ここで 位相角(rad)=2π×集積台回転数/らせん状誘導管回転数
偏心率=偏心距離/リング半径
第3発明は、1)集積台の降下速度をリング集積速度と同一とし、2)該集積台を上方が開口した保温壁により内包させて該コイルの外周面の放熱を抑制してリング集積部位(コイル上面)を優先冷却し、3)700〜500℃の平均冷却速度を0.5〜400℃/sの間の適切な範囲に制御することにより、鋼種と該冷却速度に対応して焼鈍、焼準、パテンティング、焼入焼戻し併行処理、焼入及び溶体化処理のいずれかを施すことを特徴とする第1発明又は第2発明に記載の鋼線材の制御冷却方法である。
第4発明は、第1発明又は第2発明又は第3発明の方法により製造され、線材直径が3.6mm以下、コイル形状が幾何的ルーズ・コイルであることを特徴とする制御冷却鋼線材である。
第5発明は、材料の鋼線材を連続・無停止で送給するコイル架台と、該線材を熱間に加熱する加熱装置と、該線材を直径3.6mm以下の細径線材に圧延する圧延機と、最終圧延直後の直進する該細径線材を予備冷却する水冷装置と、該細径線材を垂直らせん状リングに形成するためのレイング式巻取機と、該リング軸に対して偏心して水平回転しつつ該リングを受ける回転集積台と、該集積台を内包し且つ上方は開口し自身を予熱する装置を具備した保温壁と、該集積台をリング集積速度で降下させる昇降機構と、集積部位の外側上方に環状配置され該集積部位のリングに冷媒を吹き付ける冷却装置とからなる鋼線材の制御冷却装置である。
上記の発明によると第1に、従来の線材圧延工場では製造困難である直径3.6mm以下の線材が、通常の熱間圧延線材を材料にして熱間でしかも無停止の圧延により製造されるので、伸線方式と比較してコスト、能率、設備費用及び作業上極めて有利になり且つ多様な鋼種に対応できる。
第2に圧延後の巻取に際して、リング列は偏心して且つ規則的に配列、集積される。当該操作から二つの特徴が得られ以下の効果を誘導する。第1の特徴は、コイル形成中の制御冷却においてコイル内各部の冷却条件が一様になることである。その結果、冷却速度を適切に設定することにより焼鈍、焼準、パテンティング、オーステンパー、焼入焼戻し併行処理、焼入等の熱処理が均一であり且つ低コストで附加される。
当該制御冷却線材は所望の機械的性質に容易に調整されるので、補強用、緊張用、結束用、メッシュ用等の鋼材等、用途によってはそのまま線材2次加工製品として使用することが可能になる。即ち従来の線材2次加工は不要になる。
第2の特徴即ち、製品コイルは幾何的ルーズ・コイルを形成していて規則的な空隙がほぼ均等に分布することから、酸洗、化成処理、メッキ、焼戻し等の後続工程においてコイルのままの回分処理を可能にし、コスト上、生産能率上極めて有利になる。従来は全長均等処理のためにはコイルを解体し直進させて処理することが必要であった。
以下実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1において、材料はデッド・ペイオフ方式で、即ち材料の熱間圧延鋼線材0はコイル架台1に静置されたコイル2ら該コイル軸方向に引き出され圧延ライン3に供給される。
該圧延ライン3は主にピンチロール4、直接通電加熱装置5、多スタンド連続圧延機6、予備水冷装置7、垂直レイング式巻取機8、回転式リング集積台12、集積台保温壁11、集積台昇降装置15、コイル集積部位強制冷却装置16から成る。
該線材0はピンチロール4によって引き込まれ、通電加熱装置5により熱間圧延に誘導され、連続圧延機6により圧下・延伸され、細径線材0’となる。該線材0’は予備水冷装置7を貫通しつつ後段の冷却を補助する予備冷却が適用される。図2に示されるように、直進する熱間の該線材0’はレイング式巻取機8に誘導され鉛直軸周りに自転するらせん状誘導管を貫通して鉛直らせん状リング9に成形される。次いで該リング9は該リング軸Xに対して偏心して水平に回転している集積台12上に連続落下する。リング列は偏心軸Yを中心に半径方向には一定で接線方向には等間隔に順次配列され、厚肉円筒状の幾何的ルーズ・コイル10(定義; 隣接リング間の密接が無く、且つリング間隙が適正、均等に構成され、外形が正確な厚肉円筒状で、通気性・通液性が著しく大きくなったコイル)を形成する。図3は該コイルの形状を示す。
該コイル10の形成に当たっては、集積台12の回転位相角は0.1〜π/2(rad)、偏心率は0.1〜0.9と設定される。
ここで、位相角(rad)=2π×集積台回転数/らせん状誘導管回転数
偏心率=偏心距離/リング半径
該集積台12は保温室11に内包され、且つ該集積台12の上面及び該保温壁11の内壁面13を予め所定温度に加熱することにより該コイル10の底面及び外周面の放熱を抑制し、リング集積部位(コイル上面)が優先冷却される。該集積台12をリング集積速度と同一速度で降下させてリング集積部位を一定レベルに維持する。該集積部位の外側上方に環状に配置された送風及びミスト・スプレイ及びジェット・スプレイから成る冷却装置16から適切に選定した条件の冷媒を該集積部位に作用させる。該集積部位と冷却装置の間の位置関係は一定のまま強制冷却する。幾何的ルーズコイルを形成しつつ冷却されるのでリング内、コイル内ともほぼ均等に冷却が作用する。
上記3冷媒の組合せと条件設定により700〜500℃の平均冷却速度を0.5〜400℃/sの間の適切な範囲に制御することによって鋼種と該冷却速度に対応して焼鈍、焼準、パテンティング、焼入焼戻し併行処理、焼入及び溶体化処理のいずれかを施すことができる。1℃/s程度であれば焼鈍、2〜5℃/sなら焼準、高炭素鋼を対象に10〜30℃/sならパテンティング、50℃/s以上になると成分に依存する焼入性との関係次第でマルテンサイト組織が得られて焼入がなされ、条件により焼戻しも同時並行的に進行する。オーステナイト・ステンレス鋼では10℃/s以上で溶体化処理がなされる。
焼入線材はコイル状のままベル型炉で焼戻しをすればよい。
以上に述べた一連の作業において、材料の送給をデッド・ペイオフ方式と限定した理由は、1)高速繰り出しが比較的容易であること、2)稼働中でのコイル間溶接を可能にすること、から無停止と圧延高速化を通して生産能率が一段向上するからである。
次ぎに幾何的ルーズ・コイルの形成条件について説明する。一般にコイル形状には次の関係式が成り立つ。ここでリング形状は厳密には真円ではないが、位相角は過大ではないので実質的には円と見なすことができる。
コイル内径≒リング直径−2×偏心距離
コイル外径≒リング直径+2×偏心距離
コイル形状の点から偏心率は次式で示す値が望ましい。
偏心率=偏心距離/リング半径=0.1〜0.9
偏心率が0.1未満では偏心効果が小さく、リングが密に分布して冷却の均等性が低下する。1.0に接近するとコイル内径が消滅し、中心部の異常集積が発生して規則性に歪みをもたらす。1.0を超えると逆の中空が形成されるが特別の意義が無いので除外する。因みにリング径800mm、偏心率0.6に設定すると外径1300mm、内径300mm、肉厚が500mmになって従来に無い大きな空隙率を持つ形状となる。以上が偏心率特定の根拠である。
コイルの形成には冷却特性が最優先に考慮されなければならない。所定の冷却速度が与えられること及び冷却速度がリング内、コイル内で均等であることが必要である。冷却特性のコイル内位置に関する平準化のため、コイルの幾何的条件を検討する。
図4は偏心集積リング列22と従来方法の非同心平行リング列21のリング重なり状況を模式的に示す。両者とも相前後するリングは交差して重ねられるので冷却を弱めるような全周密接の現象は生じないが、前者は常に後者の平行リング列の中央部Cに比べ密、両側部Eに比べ粗となって平準化され、均一冷却に対して有利であることが解る。
図4に示すようにリング粗密度はコイルの内・外周部で最大となる。粗密度の指標とされる隣接リングの交差点23のピッチは次式により求められる。
コイル内・外周部交差ピッチ=内・外周半径×位相角(rad)
位相角=2π×集積台回転数/らせん状誘導管回転数
リング直径800mm、コイル外径1300mm、内径300mmの場合、交差ピッチを少くとも従来の非同心平行リング列の両側部のそれ(5.5mm径線材の場合、最大で30mm)以上に改善するなら、上式より位相角として約0.2以上が望ましい。これ以上で位相角が大きいほど平準化に有利になる。
位相角を増加、即ち回転数を増加させることについては特に問題は生じない。上限に関して、集積台1回転後同位相となったリング間の平行的接触を防止するには1回転までに数リング以上の積み上げ高さが必要となるので位相角はπ/2以下が望ましい。他方、下限値については、細径になって冷却速度が増加するので交差ピッチが多少小さくなっても冷却低下の問題は小さく、即ち交差ピッチを多少下げてもよく、実用上0.1とした。そこで位相角=0.1〜π/2を適正条件と特定した。
以上説明したように偏心集積リング列は非同心平行リング列に比べリングの粗密度は大きく平準化されコイル内の均一冷却には都合がよいが、他方でリングの重層構造により所期の冷却速度が得られるかどうかが問題となる。
重層構造における冷却速度について検討する。冷却速度C.R.は次式に示されるように熱伝達率αに比例する。
C.R.=4・α・(T1-T2)/(c・r・d)
T1;線材温度、 T2;周辺温度、 α;熱伝達率
c ;線材比熱、 r ;線材密度、 d ;線材径
コイル最上層のリングの熱放射は上方へは自由だが下方へは抑制される。
単なる放熱状態の場合、3mm径リングの冷却速度は最上層(α≒70W/m/K)では約20℃/sになる。重層化により遮蔽、保温が作用し急速に冷却速度が低下する。650℃近辺の層では実効熱伝達率は1/5〜1/10に低下すること、より下層の変態発熱からの加熱の作用を受けることから冷却速度は1.0℃/s以下に低下する。
他方加速冷却を作用させる場合、スプレイによる対流伝熱(平均α=100〜500)が主体となる。幾何的ルーズコイルの場合、スプレイは圧力次第で容易にコイル上面から数10mm浸入させることができ、600℃近辺の冷却速度は10〜100℃/sが可能になる。ジェット水冷(平均α=1000〜2000)では400℃/sが得られ、充分焼入可能になる。
内壁面が予熱された保温壁は外周部リングの放射冷却を抑制するためであり、焼鈍、焼準の場合に、しかも稼働初期のみに必要である。集積台上面の予熱についても同様である。
本発明の制御冷却線材の製造方法を実施する装置の概略側面図である。 本発明に制御冷却装置の例を示す。 本発明に幾何的ルーズコイルの形状例を示す。 (a) 従来の非同心平行リング列によるコイル断面図。 (b) 本発明の偏心集積リング列によるコイル断面図。 1次伸線方式の先行事例を示す。
符号の説明
0:熱間圧延鋼線材 1:コイル架台 2;コイル 3;圧延ライン 4;ピンチロール 5;直接通電加熱装置 6:連続圧延機 0’;細径線材 7:予備水冷装置 8:レイング式巻取機 9:らせん状リング 10:幾何的ルーズ・コイル 11:保温壁 12:偏心回転台 13:内壁面 14:回転駆動機構 15:昇降機構 16;冷却装置 21:非同心平行リング列 22:偏心集積リング列 23:交差点 X;リング軸 Y;偏心軸 C;リング列中央部 E;リング列外側部

Claims (5)

  1. 熱間圧延された鋼線材を制御冷却する方法において、1)静置状態にある熱間圧延鋼線材のコイルを順次接合して無停止で圧延パスに連続送給し、2)該線材を再加熱した後、直径3.6mm以下の所望の直径に再熱間圧延し、3)最終圧延機より直進してきた熱間の細径線材を鉛直軸周りに自転するらせん状誘導管に貫通させて鉛直らせん状リングに成形し、4)該リングを該リング軸に対して偏心して水平に回転し且つ所定速度で降下する集積台上に連続落下させ、5)該偏心軸周りに半径方向には一定で接線方向には等間隔で配列されたリング列の重層からなる厚肉円筒状の幾何的ルーズ・コイルを形成しつつ、6)該リング集積部位に冷媒を吹き付けて所定の冷却速度に制御することを特徴とする鋼線材の制御冷却方法。
  2. 集積台の回転位相角を0.1〜π/2(rad)、偏心率を0.1〜0.9とすることを特徴とする請求項1に記載の鋼線材の制御冷却方法。
    ここで 位相角(rad)=2π×集積台回転数/らせん状誘導管回転数
    偏心率=偏心距離/リング半径
  3. 1)集積台の降下速度をリング集積速度と同一とし、2)該集積台を上方が開口した保温壁により内包させて該コイルの外周面の放熱を抑制してリング集積部位(=コイル上面)を優先冷却し、3)700〜500℃の平均冷却速度を0.5〜400℃/sの間の適切な範囲に制御することにより、鋼種と該冷却速度に対応して焼鈍、焼準、パテンティング、焼入焼戻し併行処理、焼入及び溶体化処理のいずれかを施すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋼線材の制御冷却方法。
  4. 請求項1又は請求項2又は請求項3の方法により製造され、線材直径が3.6mm以下、コイル形状が幾何的ルーズ・コイルであることを特徴とする制御冷却鋼線材。
  5. 材料の鋼線材を連続・無停止で送給するコイル架台と、該線材を熱間に加熱する加熱装置と、該線材を直径3.6mm以下の細径線材に圧延する圧延機と、最終圧延直後の直進する該細径線材を予備冷却する水冷装置と、該細径線材を垂直らせん状リングに形成するためのレイング式巻取機と、該リング軸に対して偏心して水平回転しつつ該リングを受ける回転集積台と、該集積台を内包し且つ上方は開口し自身を予熱する装置を具備した保温壁と、該集積台をリング集積速度で降下させる昇降機構と、集積部位の外側上方に環状配置され該集積部位のリングに冷媒を吹き付ける冷却装置とからなる鋼線材の制御冷却装置。
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