JP2005245542A - ワイパー - Google Patents
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Abstract
【課題】 家庭用および業務用等で使用するのに好適な油汚れなどのしつこい汚れに対する拭き取り性が高く、耐久性がある対物向けあるいは対人向けワイパーを提供する。
【解決手段】 不織布の厚み方向に屈曲しながら凹凸部を形成したメルトブローン不織布であり、かつ隣り合うメルトブロー単繊維同士が複数本集束されて少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成する連結繊維を含むメルトブローン不織布とすることにより、拭き取り作業時に不織布の嵩高性が大幅に低下することなく、拭き取り性の高いワイパーを得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 不織布の厚み方向に屈曲しながら凹凸部を形成したメルトブローン不織布であり、かつ隣り合うメルトブロー単繊維同士が複数本集束されて少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成する連結繊維を含むメルトブローン不織布とすることにより、拭き取り作業時に不織布の嵩高性が大幅に低下することなく、拭き取り性の高いワイパーを得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、家庭用および業務用等に好適であるワイパーに関する。さらに詳しくは、油汚れの出る作業場、厨房等で使用することができる対物ワイパー及び対人ワイパーに関する。
従来から、ワイパー用不織布として、メルトブローン不織布が利用されている。例えば、特開平3−82860号公報(特許文献1)では、熱可塑性樹脂の繊維群で形成された基布部に多数の孔を有するとともに、それぞれの孔の周囲に基布部と同質の繊維群でなる先端閉塞の筒状突起部を有し、その突起部の突き出し高さが基布部の厚さの2倍以上である嵩高メルトブローン不織布をワイパーに用いることが提案されている。
しかし、上記ワイパー用不織布には、以下の問題があった。特許文献1の不織布は、凹凸が形成されて嵩高ではあるが、メルトブローン単繊維自身が繊維径10μm以下と細く、不織布自身にコシがないため、拭き取り作業時に嵩が大幅に低下してしまい、こびり付いた油汚れなどの硬質な汚れに対して拭き取り性を劣り、耐久性にも劣っていた。本発明は、かかる課題を鑑みてなされたものであり、油汚れなどのしつこい汚れに対する拭き取り性が高く、耐久性があるワイパーを提供することを目的とする。
本発明者等は、メルトブローン不織布において凹凸部を形成させるとともに繊維同士を連結させることにより、拭き取り作業時に不織布の嵩高性が大幅に低下することなく、拭き取り性の高いワイパーを得ることを見い出し、本発明に至った。すなわち、本発明のワイパーは、不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成するメルトブローン不織布であって、前記メルトブローン不織布の正味の厚さ(T0)に対する、凹凸部が形成されたメルトブローン不織布の見かけの厚さ(T)との比(T/T0)が2〜60であり、かつメルトブローン不織布を構成する隣り合うメルトブローン単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成する連結繊維を含むことを特徴とする。
本発明のワイパーは、連結繊維を含み、不織布が厚み方向で屈曲しながら所定の凹凸部を形成することにより、拭き取り作業時にも不織布の凹凸部が大幅に低下することがないので、凹凸による汚れの拭き取り性が高い。また、連結繊維を含むので、不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性が高いワイパーが得られる。また、メルトブローン不織布が、鞘成分にポリブテン−1樹脂を用いることにより、油汚れに対する拭き取り性が向上する。
本発明のワイパーに用いられるメルトブローン不織布は、不織布厚み方向に屈曲しながら凹凸部を形成しており、メルトブローン不織布の正味の厚さ(T0)に対する凹凸部が形成されるメルトブローン不織布の見かけの厚さ(T)との比(T/T0)が2〜60である。ここでいう「屈曲しながら凹凸部を形成」するとは、例えばエンボス処理などの2次処理で圧縮部と非圧縮部とによって形成される凹凸とは異なり、不織布自体が厚み方向に1種以上のパターンで曲がりくねって形成される凹凸のことをいう。
前記メルトブローン不織布の正味の厚さ(T0)とは、メルトブローン不織布を構成するメルトブローン単繊維及び連結繊維を集積した繊維群自身の厚さのことを指す。したがって、正味の厚さ(T0)は、実質的には略均一なものである。ただし、メルトブローン単繊維及び連結繊維を集積したときに支持体等の跡が形成される場合があるが、このような1次処理での部分的な圧縮部を含むものは、本発明に包含される。なお、正味の厚さ(T0)は、走査型電子顕微鏡写真により不織布の断面を拡大することにより測定することができる。拡大する倍率は、不織布の断面を拡大したときに、繊維群の正味の厚みが約1cm程度となるように拡大するとよい。一方、「凹凸部が形成されたメルトブローン不織布の見かけの厚さ(T)」とは、不織布が厚み方向に屈曲しながら形成された凹凸部を含んだ厚さのことを指し、不織布を2.94cN/cm2荷重で測定したときの厚さをいう。
前記正味の厚さ(T0)に対する見かけの厚さ(T)との比(T/T0)は、2〜60である。T/T0を求めることにより、不織布が厚み方向に屈曲して形成される凹部または凸部の高低度合いを求めることができる。好ましいT/T0は、5〜50である。T/T0を上記範囲とすることにより、拭き取り作業時における拭き取り対象面への圧力に対する嵩高性(以下、耐圧縮性という)を維持することができる。
前記正味の厚さ(T0)は、0.1〜3mmであることが好ましい。より好ましいT0は、0.1〜2mmである。T0が0.1mm未満であると、耐圧縮性が低下する可能性がある。一方、T0が3mmを超えると、コスト高となるだけでなく、不織布自体が硬くなりすぎて、拭き取り作業性が悪くなる傾向にある。正味の厚さ(T0)は、使用する目的に応じて適宜設定される。例えば、対物ワイパーとして使用するときは、0.5〜3mmに、対人ワイパーとして使用するときは、0.1〜1.5mmに設定するとよい。
前記見かけの厚さ(T)は、0.5〜10mmであることが好ましい。より好ましいTは、1〜8mmである。さらにより好ましいTは、1.2〜8mmである。Tが0.5mm未満であると、こびりついた油汚れなどの拭き取り性が低下する可能性がある。Tが10mmを超えると、拭き取り作業性が悪くなる傾向にある。さらに、不織布製造時に不織布がコンベアベルトから離れにくくなるなどの工程上の問題もある。
前記不織布の見かけ厚さ(T)を1/2に圧縮したときの荷重圧力は、10〜70Nであることが好ましい。より好ましい荷重圧力は、10〜50Nである。上記荷重圧力の範囲内にあるワイパーは、耐圧縮性が高く、厚み方向の凹凸が大幅に低下することがないので、強固な油汚れを掻き落とし、拭き取ることができる。本発明によれば、メルトブローン不織布を構成する隣り合うメルトブローン単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成している連結繊維を含むことにより、耐圧縮性の高い凹凸部が得られる。そして、拭き取り作業時において、不織布表面の凸部を構成する連結繊維は、拭き取り対象物に付着した汚れに接触して掻き落とす効果を奏する。例えば、油で汚れた人の手の場合、皮膚のしわ、指紋の凹部に不織布を構成する単繊維および連結繊維が入り込み、油汚れに接触し掻き落とすことができる。荷重圧力が10N未満であると、掻き落とし効果が低下し、70Nを超えると、拭き取り作業性が悪くなる傾向にある。なお、上記荷重圧力は、以下のようにして測定することができる。
[耐圧縮性]
不織布の耐圧縮性を、引張試験機((株)エー・アンド・ディー製、テンシロンUCT−1(商品名))を用いて測定する。まず、水平台の上に、直径30mmφの大きさに切断した不織布を載置する。次に、引張試験機のヘッド部に直径45mmφの円形をしたステンレス板を装着する。そして、不織布の中心がステンレス板の中心に略一致するように不織布の見かけ厚さ(T)の厚さになる位置までステンレス板が装着されたヘッド部を降ろしてステンレス板と不織布を当接させて開始位置とする。次いで、50mm/分の速度でステンレス板を装着したヘッド部を降ろし、不織布の上から荷重をかけていき、不織布の厚さが不織布の見かけの厚さ(T)の1/2になるときの荷重(N)を測定する。
不織布の耐圧縮性を、引張試験機((株)エー・アンド・ディー製、テンシロンUCT−1(商品名))を用いて測定する。まず、水平台の上に、直径30mmφの大きさに切断した不織布を載置する。次に、引張試験機のヘッド部に直径45mmφの円形をしたステンレス板を装着する。そして、不織布の中心がステンレス板の中心に略一致するように不織布の見かけ厚さ(T)の厚さになる位置までステンレス板が装着されたヘッド部を降ろしてステンレス板と不織布を当接させて開始位置とする。次いで、50mm/分の速度でステンレス板を装着したヘッド部を降ろし、不織布の上から荷重をかけていき、不織布の厚さが不織布の見かけの厚さ(T)の1/2になるときの荷重(N)を測定する。
前記メルトブローン不織布に形成される凸部の数は、10cm×10cmの四辺形あたりに25〜2500個程度であることが好ましい。より好ましい凸部の数は、50〜200個/10cm四方である。上記範囲の凹凸部を形成することにより、拭き取り性の高いワイパーが得られる。
前記メルトブローン不織布は、構成する隣り合うメルトブローン単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成している連結繊維を含むものである。かかる連結繊維を含むことにより、コシがなく、耐久性に劣る従来のメルトブローン不織布の欠点を克服することができる。さらに、不織布の厚み方向に形成される凹凸部において、凹凸間を構成する屈曲部〜立ち上がり部にかかる不織布強度が高いので、耐圧縮性の高い凹凸部が得られる。ここでいう連結繊維における複数本集束とは、2〜20本程度の単繊維が束状となって集合した状態を指す。好ましい集束本数は、2〜10本である。そして集束されて繊維相互が接触している箇所が主として接着されて連結部を形成している。前記連結部における接着は、単繊維を構成する樹脂の溶融によってなされ、繊維長さ方向の少なくとも一部で形成されているとよく、長さ方向全体であってもよい。前記連結部は、繊維長さ方向の1mm以上にわたり形成していることが好ましい。より好ましい連結部の長さは、3mm以上である。連結部の長さが1mm以上であると、連結部の強度が向上して繊維強度が向上し、ひいては不織布表面が硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れたメルトブローン不織布が得られる。また、耐圧縮性の高いメルトブローン不織布が得られる。なお前記連結部は、不織布表面を走査型電子顕微鏡で30倍以上に拡大すれば確認することができる。
前記連結繊維は、不織布表面を電子顕微鏡で40倍に拡大したとき、1mm四方あたり不織布表層部に3本以上存在することが好ましい。ここでいう不織布表層部とは、不織布表面を電子顕微鏡で撮影したときに視認できる範囲のことをいう。より好ましい連結繊維量は、不織布表層部に5本以上である。連結繊維量が不織布表層部に3本未満であると、不織布の表面硬さに劣る傾向であり、ひいてはこびりついた汚れの拭き取り性に劣るからである。なお連結繊維は、不織布表層部に存在するだけでなく、連結繊維やメルトブローン単繊維が接着しながら重なり合って、不織布内部にも存在している。
前記連結繊維は、メルトブローン不織布を構成する繊維との交点で接着していることが好ましい。さらに、構成繊維全体としても溶融し接着していることが好ましい。連結繊維とメルトブローン不織布を構成する他の繊維とが接着することにより、不織布表面がより硬く、がさがさした独特の風合いを有し、耐摩耗性に優れ、好ましい。
前記メルトブローン不織布を構成するメルトブローン単繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。前記連結繊維を効率よく得ようとする場合、メルトブローン単繊維は、複合メルトブローン単繊維であることが好ましい。複合メルトブローン単繊維は、例えば上記樹脂を組み合わせて繊維表面に低融点樹脂の少なくとも一部が露出するように配置するとよい。特に、繊維表面の少なくとも一部にポリブテン−1が露出した複合メルトブローン単繊維は、連結繊維を製造しやすいだけでなく、油汚れに対する掻き落とし性が高く、好ましく用いられる。具体的には、前記複合メルトブローン単繊維が、ポリブテン−1樹脂を1成分とし、ポリブテン−1樹脂の融点より10℃以上高い融点を持つ樹脂を他の成分とする複合メルトブローン単繊維であることが好ましい。他の成分には、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられる。複合メルトブローン単繊維の断面形状は、このような他のポリマーと並列型、芯鞘型、あるいはポリマーが交互に配列した複合型である。最も好ましい複合メルトブローン単繊維は、鞘成分をポリブテン−1樹脂とし、芯成分をポリブテン−1樹脂の融点より10℃以上高い融点を持つポリオレフィン樹脂とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維である。そして、不織布の構成繊維のうち50mass%以上の繊維は、ポリブテン−1樹脂を用いた複合メルトブローン単繊維を使用することが好ましい。より好ましい含有量は、70mass%以上である。
前記メルトブローン単繊維の平均繊維径は、8μm以上30μm以下の範囲であることが好ましい。好ましい平均繊維径は、10μmより大きい径である。より好ましい平均繊維径は、15μm以上である。好ましい平均繊維径の上限は、25μmである。ここでいう平均繊維径は、不織布表面を走査型電子顕微鏡で500倍に拡大したとき、100本の繊維の直径を測定した中位値で示す。ただし、前記連結繊維は、連結部の境界が電子顕微鏡で視認できる場合は、それぞれを単繊維に分けて測定することとした。メルトブローン単繊維の平均繊維径が8μm未満であると、こびりついた汚れなどを拭き取る際に単繊維が切断されて毛羽が発生し易く、不織布表面の耐摩耗性に劣り、ひいてはこびりついた汚れの拭き取り性が不十分となる可能性がある。メルトブローン単繊維の平均繊維径が30μmを超えると、汚れの保持性が不十分となる可能性がある。上記平均繊維径のメルトブローン単繊維は、溶融粘度を低くして繊維径を調整することにより得ることができる。
次に、本発明のワイパーの製造方法について説明する。メルトブロー紡糸時に、構成する繊維同士を効率よく接着し、連結繊維を効率よく紡糸するには、紡糸ノズルの吐出孔間隔(吐出孔の中心間の距離)を0.5〜8mmの範囲にすることが好ましい。より好ましい吐出孔間隔を0.6〜2mmの範囲である。紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.5mm未満では、紡糸ノズル自体の作製が困難であり、吐出孔間隔が8mmを超えると、隣り合うメルトブローン単繊維同士がコンベアと接するまでに集束し接着することが困難となるからである。
そして、不織布の厚み方向に屈曲した凹凸部を形成するには、メルトブロー紡糸された繊維を集積するコンベアとして、表面に凹凸があり、通気性を有するコンベアベルトを用いることにより得ることができる。表面に凹凸があり、通気性を有するコンベアベルトとしては、例えばメッシュ数が30メッシュ以下の粗目の織物、パンチングプレート、通気性を有する凹凸ベルト等が挙げられ、材質も金属、プラスチック等が用いられる。上記コンベアベルトを用いることにより、コンベアベルトのパターンに沿った屈曲しながら凹凸部を形成したメルトブローン不織布を得ることができる。例えば、粗めの織物であれば、織り目にそってメルトブロー紡糸された繊維が屈曲して集積されるので、集積されるメルトブローウェブは、織り糸が表面に浮き出ている部分に集積される繊維が凸部として、織り糸が沈んでいる部分に集積される繊維が凹部として形成される。
また、不織布の厚み方向に屈曲した凹凸部を形成するには、メルトブロー紡糸された単繊維が直接集積される位置のコンベア下から吸引することが好ましい。例えば、吸引量は、20〜60m3/分で処理するとよい。
連結繊維を効率よく作製し、不織布の厚み方向に屈曲した凹凸部を形成するのに、紡糸ノズルとコンベアとの距離は、5〜30cmであることが好ましい。より好ましい距離は、10〜20cmである。紡糸ノズルとコンベアとの距離が5cm未満であると、紡糸後の冷却が不十分となり繊維形状を保持することが困難となり、不織布自体がフィルム様となり風合いが硬くなりすぎる恐れがある。紡糸ノズルとコンベアとの距離が30cmを超えると、メルトブローン不織布を構成する繊維同士の接着が不十分となる恐れがある。さらに、コンベアのパターンに対応した凹凸が形成しにくい場合がある。
本発明のワイパーは、紡糸ノズルとコンベア間の距離とエアの流量、速度と溶融樹脂のノズル単孔あたりの吐出量を調整することにより、得ることが可能である。具体的な一例としては、紡糸ノズルとコンベアとの距離が15cmの場合、エア流量は5m3/分以上、エア速度は約100m/秒、吐出量は0.3g/孔・分程度とするとよい。
前記コンベア上に集積されたメルトブローンウェブは、吹き付けられたときに単繊維が溶融した状態を維持しながら構成する繊維を接着させてもよいし、必要に応じて、熱風加工機、熱ロール加工機など公知の熱処理によりメルトブローン単繊維を再溶融させて、不織布表面の硬さを調整することができる。
本発明のワイパーは、目付10〜200g/m2であることが好ましい。より好ましい目付は、15〜150g/m2である。目付が10g/m2未満であると、不織布強度が低下し、使用中に破れることがある。目付が200g/m2を超えると、拭き取り作業時の取り扱い性が悪くなる傾向にある。
次に、本発明のワイパーを図面で説明する。図1は、本発明のワイパーに用いられる複合メルトブローン単繊維の断面形状を示す略図である。符号1は第1成分、符号2は第2成分である。図1A及び図1Bは、鞘芯型複合メルトブローン単繊維の断面形状を示し、芯成分(第1成分)と、鞘成分(第2成分)で構成される。鞘芯型の場合、鞘成分に低融点樹脂を配置すると、連結繊維を効率よく製造することができる。図1Cは、第1成分及び第2成分ともに繊維表面に露出した三層状の断面形状である。三層状の場合、いずれか一成分が低融点樹脂となるが、露出割合の大きい第2成分に低融点樹脂を配置する方が連結繊維を効率よく製造することができる。
図2は、本発明のワイパーにおける表面状態を示す拡大略図である。符号3はメルトブローン不織布、符号4はメルトブローン単繊維、符号5は連結繊維、符号6は連結部である。本発明のワイパーは、図2に示すとおり隣り合うメルトブローン単繊維(4)同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着して連結部(6)を形成した連結繊維(5)を含んだメルトブローン不織布(3)である。
図3は、本発明のワイパーにおける断面略図である。符号7は凸部、符号8は凹部、符号9は正味の厚さ(T0)を示す。本発明のワイパーは、正味の厚さ(9)がT0を有するメルトブローン不織布(3)が厚み方向に屈曲しながら凹部(8)と凸部(7)を形成している。
以下、本発明のワイパー用不織布の実施例を説明する。不織布の正味の厚さ、不織布の見かけの厚さ、及びふき取り性能をそれぞれ次の方法で測定した。
[不織布の正味の厚さ]
走査型電子顕微鏡を用いて、不織布の断面を30倍(実施例1)および50倍(実施例2)に拡大して写真撮影し、不織布の正味の厚さを測定した。
走査型電子顕微鏡を用いて、不織布の断面を30倍(実施例1)および50倍(実施例2)に拡大して写真撮影し、不織布の正味の厚さを測定した。
[不織布の見かけの厚さ]
厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm2荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm2荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
[ふき取り性能]
一日中機械整備作業をした作業者の手を実施例、比較例の試料に石鹸をつけて泡立てて洗浄した。2分間両手を試料で強くこするようにして洗浄したあとの汚れの落ち具合を目視により判定した。手のしわ、指紋の中の汚れが完全に洗浄されなくなっているものを○、少しでも残っていれば×とした。
一日中機械整備作業をした作業者の手を実施例、比較例の試料に石鹸をつけて泡立てて洗浄した。2分間両手を試料で強くこするようにして洗浄したあとの汚れの落ち具合を目視により判定した。手のしわ、指紋の中の汚れが完全に洗浄されなくなっているものを○、少しでも残っていれば×とした。
[実施例1]
経糸の線径が1.1mm、緯糸の線径が1.5mm、たてメッシュ数4の豊国金網製平織りネットをコンベアベルトに用い、速度4.4m/分で運転するコンベア上に、ポリブテン−1樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cm、コンベア下からの吸引量30m3/分でメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを軟化溶融した状態でコンベア上に集積して、目付50g/m2の本発明のワイパーを得た。得られたワイパーは、不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成していた。
経糸の線径が1.1mm、緯糸の線径が1.5mm、たてメッシュ数4の豊国金網製平織りネットをコンベアベルトに用い、速度4.4m/分で運転するコンベア上に、ポリブテン−1樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cm、コンベア下からの吸引量30m3/分でメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを軟化溶融した状態でコンベア上に集積して、目付50g/m2の本発明のワイパーを得た。得られたワイパーは、不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成していた。
[実施例2]
経糸の線径が1.1mm、緯糸の線径が1.6mm、たてメッシュ数2.7の豊国金網製平織りネットをコンベアベルトに用い、速度4.4m/分で運転するコンベア上に、ポリブテン−1樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cm、コンベア下からの吸引量40m3/分でメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを軟化溶融した状態でコンベア上に集積して、目付100g/m2の本発明のワイパーを得た。得られたワイパーは、不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成していた。
経糸の線径が1.1mm、緯糸の線径が1.6mm、たてメッシュ数2.7の豊国金網製平織りネットをコンベアベルトに用い、速度4.4m/分で運転するコンベア上に、ポリブテン−1樹脂(三井化学(株)製、商品名タフマー、融点123℃)を鞘成分とし、融点163℃のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維を、紡糸ノズルの吐出孔間隔が0.8mmで配置された紡糸ノズルから、紡糸温度290℃、エア流量8.8m3/分、エア速度156m/秒、吐出量0.2g/孔・分、紡糸ノズルとコンベアとの距離17cm、コンベア下からの吸引量40m3/分でメルトブロー紡糸し、メルトブローンウェブを軟化溶融した状態でコンベア上に集積して、目付100g/m2の本発明のワイパーを得た。得られたワイパーは、不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成していた。
[比較例1]
実施例1において複合繊維に替えてポリプロピレンを単独でメルトブローン不織布とした以外は、実施例1と同様の方法でメルトブローン不織布を得た。
上記実施例及び比較例における厚さ、耐圧縮性、及びふき取り性能を表1に示す。
実施例1において複合繊維に替えてポリプロピレンを単独でメルトブローン不織布とした以外は、実施例1と同様の方法でメルトブローン不織布を得た。
上記実施例及び比較例における厚さ、耐圧縮性、及びふき取り性能を表1に示す。
実施例1,2ともに不織布表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、連結部が繊維長さ方向の3mm以上にわたり形成された連結繊維を含んでおり、連結繊維が1mm四方あたり約9本存在していた。メルトブローン単繊維の平均繊維径は、約17μmであった。さらに、連結繊維を含むメルトブローン不織布を構成する繊維同士は、接着していた。一方、比較例1の不織布には連結繊維が含まれていなかった。そのため、耐圧縮性の高い実施例1,2のワイパーは、拭き取り性能に優れていた。一方、耐圧縮性に劣る比較例1は、汚れを十分に拭き取ることができなかった。さらに、実施例1,2のワイパーは、鞘成分をポリブテン−1樹脂で構成されているため、特に油汚れに対する拭き取り性能に優れていた。
本発明のワイパーは、ガラス、金属、プラスチック、タイル、陶磁器等にこびりついた汚れ、油汚れ等の拭き取りや研磨し得るワイパー、皮膚の角質、こびりついた汚れ、皮脂汚れ等人体の拭き取りに使用し得るワイパー、洗浄剤を付与した洗浄用ワイパー、洗浄剤を泡立てて対物および対人用の洗顔、手洗いなど使用される洗浄用ワイパー等の用途に有用である。
1 第1成分
2 第2成分
3 メルトブローン不織布
4 メルトブローン単繊維
5 連結繊維
6 連結部
7 凸部
8 凹部
9 正味の厚さ(T0)
2 第2成分
3 メルトブローン不織布
4 メルトブローン単繊維
5 連結繊維
6 連結部
7 凸部
8 凹部
9 正味の厚さ(T0)
Claims (6)
- 不織布の厚さ方向に屈曲しながら凹凸部を形成するメルトブローン不織布であって、前記メルトブローン不織布の正味の厚さ(T0)に対する、凹凸部が形成されたメルトブローン不織布の見かけの厚さ(T)との比(T/T0)が2〜60であり、かつメルトブローン不織布を構成する隣り合うメルトブローン単繊維同士が複数本集束され、繊維長さ方向の少なくとも一部が相互に接着した連結部を形成する連結繊維を含むワイパー。
- 前記メルトブローン単繊維が、複合メルトブローン単繊維である請求項1記載のワイパー。
- 前記複合メルトブローン単繊維が、鞘成分をポリブテン−1樹脂とし、芯成分をポリブテン−1樹脂の融点より10℃以上高い融点を持つポリオレフィン樹脂とする鞘芯型複合メルトブローン単繊維である請求項2記載のワイパー。
- 前記見かけ厚さ(T)を1/2の厚さに圧縮したときの荷重圧力が、10〜50Nである請求項1〜3のいずれかに記載のワイパー。
- 前記正味の厚さ(T0)が、0.1〜3mmである請求項1〜4のいずれかに記載のワイパー。
- 前記見かけの厚さ(T)が、0.5〜10mmである請求項1〜5いずれか記載のワイパー。
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