JP2005245225A - 藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロック - Google Patents

藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロック Download PDF

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Abstract

【課題】昆布等の海藻類の増殖効率の増大を図ること
【解決手段】モルタルと貝殻とからなる。モルタルを組成するセメントCに対する砂Sの配合比(S/C)が同量程度乃至1/4程度多である。セメントCに対する水Wの配合比(W/C)が52.5%程度乃至62.5%程度である。貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量が80%程度乃至100%程度である。上記貝殻は破砕されたもの、破砕されていないもの又は/及び破砕されたものと破砕されていないものとの混合である。また上記貝殻は一定期間野積みにしたものを用いる。上記コンクリートを使用して、海藻類を着生させる着生基質とする。
【選択図】図6

Description

本願発明は、特に昆布などの海藻類を増殖させるための藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロックに関する。
従来、昆布などの海藻類を増殖させる着生基質として、天然石、コンクリートブロック等のコンクリート製品が用いられている。
しかし、これら素材からなる藻場は、経年効果に乏しいものが多く、増殖効率が低いという問題がある。「経年効果」というのは海中に投入された藻場資材の経時的な着生効率をいう。天然石やコンクリートブロック等においては経時的に海藻類の着生が悪くなり、これを経年効果が低いという。
そこで貝殻等を使用した着生基質が提案されている。例えば特許文献1の如きものがある。
特開平5−192048号公報
特許文献1は貝殻を骨材の代わりに用いたコンクリートからなり、生コンクリートを型枠等に流し込んで成形し硬化後に使用するか、あるいは成形体の表面にセメントもしくは接着剤によって貝殻を固着させ使用する。このコンクリートは従来の一般コンクリートと外観は殆ど変わらず、藻場としての経年効果に乏しく、貝殻による空隙や凹凸による基質の表面積の増大が難しいという問題があった。
これはコンクリートの配合が一般コンクリートと略同様であることによると考えられる。即ち、一般コンクリートと略同様の場合、空隙率が低く圧縮強度が大であることがコンクリートの強度維持のためむしろ必要とされるのであるが、かかるコンクリートを海藻類の藻場用材に用いると更新性が小となり不適である。「更新性」というのは、新しい着生基質面を出現することができる特性をいう。
昆布等の海藻類の採取方法として、先端が二股に分かれた棒状の採取具により海藻類を絡め根ごとむしりとる方法がある。この時、昆布等の海藻類の根に着生基質の断片が付着し剥離する。これにより新たな着生基質面が表れるが、昆布等の海藻類の胞子は新たな着生基質面を好むことから再び着生繁茂し藻場が形成される。
従来のように一般コンクリートと略同様の構造であると、コンクリートの表面が固いため昆布などの有用海藻類を採取する際や冬場の時化でも、茎の部分からちぎれることが多く根だけが残ってしまう。このため、根が朽ちるまでにある程度の時間を要し、新たな昆布の胞子(遊走子)を付着することができずに繁殖シーズン(10月〜12月頃)を終える。この場合は、代わって他の海藻類などの胞子が付着してしまうことから、雑海藻類や石灰藻類へと置き換わっていき、増殖を図ることができない。
またコンクリートの表面に貝殻を露出させるためには、特許文献1の場合、硬化していない状態の内に水により洗い出すか貝殻を貼り付けるかしなければならず、手間がかかるという欠点があった。
本願発明は、上記問題を解消し、昆布等の海藻類の増殖効率の増大を図ることを目的とする。本願発明の他の目的は以下の説明から明らかとする。
上記目的達成のため、本願発明による藻場造成用コンクリートは、モルタルと貝殻とからなり、モルタルを組成するセメントCに対する砂Sの配合比(S/C)が同量程度乃至1/4程度多であり、かつセメントCに対する水Wの配合比(W/C)が52.5%程度乃至62.5%程度であり、貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量が80%程度乃至100%程度であることを特徴とする。
また、上記貝殻は破砕されたものであることを特徴とする。
また、上記貝殻は破砕されていないものであることを特徴とする。
また、上記貝殻は破砕されたものと破砕されていないものとの混合であることを特徴とする。
また、上記貝殻は一定期間野積みにしたものであることを特徴とする。
また、上記藻場造成用コンクリートを使用して、海藻類を着生させる着生基質とする増殖ブロックであることを特徴とする。
本願発明にかかる藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロックによれば、モルタルの配合比につき、セメントCに対する砂Sの配合比(S/C)を同量程度乃至1/4程度多とし、かつセメントCに対する水Wの配合比(W/C)を52.5%程度乃至62.5%程度とするから、貝殻を適正な力にて付着させることができる。これにより、海藻類の収穫時において、海藻類が付着している表層部分の貝殻を海藻類の根とともに剥離させることができる。よって着生基質の更新性を得るから、海藻類の増殖効率を増大する効果がある。
また、モルタルの使用量(付着率)につき、貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量を80%程度乃至100%程度とするから、コンクリートの圧縮強度と空隙率とを調節することができ、空隙率の適正化を図ることができる。これにより着生基質は見かけ以上に大なる表面積となり、着生面積の増大を図ることができる。よって、これによってもまた海藻類の増殖効率を増大することができる。
次に、本願発明による藻場造成用コンクリート1及びこれを使用した増殖ブロック11を実施の形態を示す図面に基づきさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、失敗例につき述べると、モルタルが硬化していない状態において貝殻を貼り付け藻場造成用コンクリート1をつくってみたが、貼付け手間がかかりすぎ、後述する現場施工性がなかった。次に固化剤を使用し貝殻を固定してつくってみたが、貝殻等の使用量が少ないこと、固化剤と上手く混合できなかったこと、施工する手間がかかること、強度にばらつきがあり施工管理が難しいこと、固化剤が高価であることから、現実的でなかった。次に、モルタルを入れた容器に、金網で製作した箱に充填した貝殻を浸すことでモルタル皮膜を形成してみたが、金網の網目の大きさと貝殻を浸す時間により貝殻を被うモルタルの皮膜に違いが生ずること、金網使用後のモルタル残痕の処理、モルタルに浸した貝殻着生基質の運搬方法が問題となり、施工が困難であった。次に、網状のベース材に貝殻を充填し固化剤を吹き付け固めてつくってみたが、固化剤の吹き付け量と時間、金網の最適な目の大きさの把握、吹き付け作業による固化剤の飛散の点で製作場所を選ぶこと、固化剤の残処理、吹き付けの手間による価格の上昇、強度特性の把握が困難等の理由から現場施工にそぐわなかった。そこで、次に詳しく述べるように、本願発明ではモルタルの改良を試みた。
本願発明による藻場造成用コンクリート1は、所定のモルタルをつくり、その中に破砕又は/及び無破砕のホタテ貝の貝殻を混合し攪拌して製造する。上記モルタルは、セメントCに対する砂Sの配合比(S/C)を1対1乃至1.25とし、セメントCに対する水Wの配合比(水セメント比W/C)を52.5%乃至62.5%とする。貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量は80%乃至100%とする。上記貝殻は例えば1年間以上野積みにしたものを用いる。
モルタルの配合比及びモルタルの使用量(付着率)に関しては次の実験結果に基づく。
まず、基礎となるモルタルの配合試験結果を表1に示す。水セメント比(W/C)を変化させフロー値(モルタルの軟らかさ)、圧縮強度を測定した結果、水セメント比(W/C)が高くなるとフロー値、圧縮強度が低くなる。水セメント比(W/C)とは水とセメントの重量混合比であるから、数値が高くなるほどモルタルは水様になり流動性を増し、セメント分が少なくなることから強度も低下する。逆に水セメント比(W/C)が低くなると、モルタルは固形状になり流動性が減少し、セメント分が多くなることから強度が向上する。かかる配合試験結果より、水セメント比(W/C)とフロー値の関係につき図1のグラフを、水セメント比(W/C)と圧縮強度の関係につき図2のグラフを得た。
Figure 2005245225
上記モルタルの配合試験結果より得られたフロー値と圧縮強度に基づき、本願発明にかかるコンクリートの配合試験を行う。上記モルタル中に貝殻を投入し練り混ぜたとき、貝殻に付着するモルタルの付着量と粘性を想定し、水セメント比(W/C)を52.5%、57.5%、62.5%、67.5%、72.5%と変化をさせ、本願コンクリートの配合試験を行った。本願コンクリートの配合試験では同時にモルタルの配合比S/Cも変化させ、貝殻に付着するモルタルの付着率や空隙率、圧縮強度を測定した。この配合試験の結果を表2に示す。
Figure 2005245225
表2に示す各配合条件を変化させた場合の本願コンクリートの性質の変化をまとめたものが図3及び図4のグラフである。上記配合条件においては、これらのグラフから判るようにモルタルを硬くすると空隙率は大きくなり、軟らかくすると空隙率は小さくなる。
コンクリートの圧縮強度の変動要因としてモルタル量、貝殻の粒径などが挙げられ、本願発明コンクリートは普通コンクリートと違い水セメント比W/Cに支配されていないことがわかった。これらモルタル量、貝殻の粒径は空隙率と密接な関係がある(図4参照)。圧縮強度と空隙率についても密接な関係があり(図3)、空隙率を測定することによってある程度圧縮強度の推定が可能であると考えることができ、空隙率の調節が可能となる。
また図5より、水セメント比W/Cを大きくすると貝殻に付着するモルタルの厚さが薄くなり、水セメント比(W/C)を小さくすると貝殻に付着するモルタルの厚さが厚くなる。モルタルの配合比S/Cでは反対の傾向である。
これらの配合結果より最も優れたコンクリートの配合を選定し得られた結果を示すのが表3である。
Figure 2005245225
表3より、本願コンクリート1はセメントと砂と水、破砕及び/又は無破砕の貝殻とからなり、貝殻の使用量を900kg/m3、モルタルの配合比S/C(砂SとセメントCの混合比)1:1乃至1:1.25、水セメント比W/C(水WとセメントCの重量混合比)52.5%乃至62.5%、付着率(貝殻の使用重量に対するモルタルの使用重量)80%乃至100%とする。このときのコンクリートの圧縮強度は平均2.15N/mm2、曲げ強度は圧縮強度の1/2程度である。図6はこのようにしてつくられた藻場造成用コンクリート1である。3は通常組成のコンクリートからなる基礎コンクリートを示す。
ここで、本願発明にかかるモルタルの配合比とモルタルの使用量(付着率)につき、各上限値と下限値を説明する。
まず、モルタル配合比S/Cの上限値を「1.25」程度としたのは次の理由による。セメントCに対する砂Sの配合比S/Cを1対1.75以上とした場合、表2に示す供試番号22乃至同25の供試体ではセメントCの量に対し砂Sの量が多いことから、練り上がった貝殻基質コンクリートが通常のコンクリート組成に近い状態となり、供試番号24のように殆どコンクリート状態になってしまうものもあった。この状態の供試体を打設すると、空隙が少なく基質強度が過大となっているため、更新性が低下する。よって、モルタル配合比を「1.75以上」とすることは不適であるので、上限値をそれより値の小さい「1.25」程度とした。
モルタル配合比S/Cの下限値を「1」程度としたのは次の理由による。通常のモルタルの配合比は「1対1」である。この数値を下回りセメントCの量を相対的に多くするとコンクリートの流動性が低下し、またコンクリートの強度が過大となるため、更新性が低下する。よって、下限値を「1」程度とした。
次に、水セメント比W/Cの上限値を「62.5%」程度としたのは次の理由による。セメントCに対する水Wの配合比を「67.5%」以上とした場合、例えば供試番号24及び同25では、練り上がった貝殻基質コンクリートが水様となり流動性が増し通常のコンクリート組成に近い状態となり、供試番号24のように殆どコンクリート状態になってしまうものもあった。また、貝殻にモルタル分がうまく被覆せず分離状態に近くなっていた。この状態の供試体を打設すると、空隙が少なく基質強度が過大となっているため、更新性が低下する。よって、水セメント比W/Cの上限値を「67.5%」より値の小さい「62.5%」程度とした。
水セメント比W/Cの下限値を「52.5%」程度としたのは次の理由による。表2より供試番号21乃至同31において、モルタル配合比が「1.75」かつ水セメント比(W/C)「67.5%」以上の不適供試体を除くと、供試番号21、同26、同27となり、これらの水セメント比W/Cは「52.5%」となる。表1より供試番号11乃至同17において水セメント比W/C「52.5%」以下をみると、「50.0%」ではモルタルの軟らかさを示すフロー値「64.56秒」、圧縮強度「29.2N/mm2」(7日)「40.1N/mm2」(28日)となり、いずれも過大となるため、不適である。よって水セメント比W/Cの下限値を「50.0%」より値の大きい「52.5%」程度とした。
次に、貝殻の使用重量に対するモルタルの使用重量(付着率)の上限値を「100%」程度としたのは次の理由による。表2より供試番号21乃至同25の付着率がいずれも「130」以上の数値となったため、これよりも低い数値が適値と考えられる。
一方貝殻の使用重量に対するモルタルの使用重量(付着率)の下限値を「80%」程度としたのは、表2より付着率を「70%」以下とした供試番号30及び同31では、貝殻へのモルタル分の被覆が薄くパサパサの状態であり、貝殻とモルタルとが絡み合わず分離し易い状態であった。よって下限値は、これよりも高い数値が適値と考えられる。これらより、貝殻の使用重量に対するモルタルの使用重量を80%程度乃至100%程度としたのである。
このように配合された本願コンクリート1は粘性に関し、S/C及びW/Cのモルタル配合比のいずれの点においても軟らかすぎず、また流動性が低下し過ぎず適性を示した。また付着率の点につき、貝殻とモルタルの分離を起こさす適性を示した。
次に、上記配合条件のコンクリートを<1>工場から現場へコンクリートミキサー車にて運搬可能か否か、また<2>現場での施工性を検証した。
その結果、<1>の点については、コンクリートミキサー車での運搬・排出が可能であることを確認した。この点に関し、一般の生コンクリート工場のバッチングプラントでの製造が可能であること、貝殻の貯蔵は石材等の一般骨材と同様の設備で足りること、モルタルと貝殻を練り混ぜることで、貝殻の破砕が時間と共に進むことから空隙が減少すること、その結果、練り混ぜ時間は貝殻を投入してから1分ほどで排出することができること、扁平な貝殻を使用し空隙が多いため、少量づつ排出するのが望ましいことが判った。
<2>の点につき、実際の現場でコンクリートの打設が可能か否か、藻場造成が可能か否かをみたところ、いずれも可能であることを確認した。この点に関し、本願コンクリートの打設は、一般コンクリートのようにバイブレータの如きを使用しないで施工できること、打設は足で踏んだりしないでそのまま型枠に敷き詰めるだけで良いこと、よって施工が容易であることが判った。また、着生基質として打設されたコンクリートの施工管理が可能かどうか検証したところ、テストピースによる圧縮強度試験が可能であること、コンクリートの施工管理に準じ圧縮強度にて管理することができることが判った。
よって本願コンクリート1は現場施工できる粘性を確保しつつ、生コンクリート工場で製造し、コンクリートミキサー車で運搬できる。
このようにこの実施の形態による藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロックによれば、モルタルを適切配合とすることにより、貝殻を適正な力にて付着させることができるから、海藻類の収穫時において、海藻類が付着している表層部分の貝殻を海藻類の根とともに剥離させることができる。よって着生基質の更新性を得るから、海藻類の増殖効率を増大する効果がある。
またモルタルの使用量につき、貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量を80%程度乃至100%程度とするから、コンクリートの圧縮強度と空隙率とを調節することができ、空隙率の適正化を図ることができる。これにより着生基質は見かけ以上に大なる表面積となり、着生面積の増大を図ることができる。よって、これによってもまた海藻類の増殖効率を増大することができる。
さらに上記した如く現場への運搬及び現場での施工性が良好であるという効果がある。
さらにまた、天然石に代え貝殻を使用するから、天然素材の枯渇という資源問題の解消と、毎年約20万トン発生する産業廃棄物としての貝殻処理問題の解消及びその有効利用とを一挙同時に達成することができる。
図7は上記の如き組成の藻場造成用コンクリート1を増殖ブロック11用に成形した実施例を示す。Aは藻場造成用コンクリート1を扁平の円柱状のブロック1Aとした場合、Bは同中央部に円形のくり抜き孔5を設けたブロック1Bとした場合、Cは藻場造成用コンクリート1を12角形の柱状のブロック1Cとした場合である。A及びBは砂浜域専用、Cは砂浜域及び岩盤域兼用である。13は通常組成のコンクリートからなる基礎ブロックである。
上記各増殖ブロック11を水深5mのところに設置して藻場を造成し昆布の繁茂状況をみたところ、一般石材の昆布着生本数168本/m2に対し、本願発明による増殖ブロック11は平均357本/m2と2倍以上の着生を確認した。これは、本願発明による増殖ブロック11では構造上空隙が多くあり起伏のある凹凸が内部まで構成されていることから、見かけ以上に海藻類の着生面積(普通コンクリートの約1.5倍)が多くあることによる。
本願発明は上記した実施の形態に限定されない。例えば、貝殻は破砕されたものであっても破砕されていないものであっても又は両者の混合であってもよい。また、使用する貝殻としてはホタテ貝以外の貝殻を使用することができる。また、モルタルを組成する砂Sは陸砂だけでなく貝砂も使用可能である。また、増殖ブロックの形状及び大きさは藻場の状況に対応して設計可能である。また、昆布以外の海藻としては、例えば、ガゴメ、ワカメ、ホンダワラ類、アラメ、カジメ等があり、本願発明は種々の海藻に適用可能である。
本願発明は、特に昆布などの海藻類を増殖させるための藻場造成用コンクリート及びこれを使用した増殖ブロックに利用される。
本願発明による藻場造成用コンクリートの水セメント比(W/C)とフロー値の関係を示すグラフである。 本願発明による藻場造成用コンクリートの水セメント比(W/C)と圧縮強度の関係を示すグラフである。 本願発明による藻場造成用コンクリートの空隙率と圧縮強度との関係を示すグラフである。 本願発明による藻場造成用コンクリートの空隙率の変動要因を示すグラフである。 本願発明による藻場造成用コンクリートの配合条件とモルタルの厚さを示すグラフである。 本願発明による藻場造成用コンクリートの実施の形態を示す斜視図である。 Aは本願発明による藻場造成用コンクリートを使用した増殖ブロックの一の実施例を示す斜視図、Bは他の実施例を示す斜視図、Cはさらに他の斜視図である。
符号の説明
1 藻場造成用コンクリート
1A ブロック
1B ブロック
1C ブロック
3 基礎コンクリート
5 くり抜き孔
11 増殖ブロック
13 基礎ブロック

Claims (6)

  1. モルタルと貝殻とからなり、モルタルを組成するセメントCに対する砂Sの配合比(S/C)が同量程度乃至1/4程度多であり、かつセメントCに対する水Wの配合比(W/C)が52.5%程度乃至62.5%程度であり、貝殻の使用重量に対する上記モルタルの使用重量が80%程度乃至100%程度であることを特徴とする藻場造成用コンクリート。
  2. 上記貝殻は破砕されたものであることを特徴とする請求項1記載の藻場造成用コンクリート。
  3. 上記貝殻は破砕されていないものであることを特徴とする請求項1記載の藻場造成用コンクリート。
  4. 上記貝殻は破砕されたものと破砕されていないものとの混合であることを特徴とする請求項1記載の藻場造成用コンクリート。
  5. 上記貝殻は一定期間野積みにしたものであることを特徴とする請求項1記載の藻場造成用コンクリート。
  6. 請求項1乃至請求項5記載の藻場造成用コンクリートを使用して、海藻類を着生させる着生基質とすることを特徴とする増殖ブロック。
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