JP2005243536A - 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LiとNiとを含む複合酸化物の粒子からなり、前記複合酸化物は、さらに元素M1および元素M2を含んでおり、元素M1は、Cr、Mn、FeおよびCoよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、元素M2は、13族に属する元素(B、Al、Ga、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、元素M1は、前記粒子中に均一に分布しており、元素M2は、前記粒子の内部よりも表層部に多く分布している非水電解質二次電池用正極活物質。
【選択図】図1
Description
a、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、元素M1は、前記粒子中に均一に分布しており、元素M2は、前記粒子の内部よりも表層部に多く分布している非水電解質二次電池用正極活物質に関する。
(1)Cr、Mn、FeおよびCoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M1とNiとを含み、元素M1とNiとが均一に分布している化合物Xを調製する工程A、
(2)13族に属する元素(B、Al、Ga、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M2を含む化合物Yと、化合物Xと、リチウム化合物とを、混合し、得られた混合物を加熱することにより、LiとNiとM1とM2とを含む複合酸化物Zを得る工程B、
(3)複合酸化物Zと13族に属する元素(B、Al、Ga、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M2を含む化合物Yとを混合し、得られた混合物を加熱することにより、LiとNiとM1とM2とを含む複合酸化物を得る工程C、を有する非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
2は、割合R1以下であることが好ましい。
工程Aでは、Cr、Mn、FeおよびCoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M1とNiとを含み、元素M1とNiとが均一に分布している化合物Xを調製する。化合物Xには、例えばM1を含む水酸化ニッケル、M1を含む酸化ニッケル、M1を含む炭酸ニッケルなどが適する。
単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に硫酸が好ましい。
工程Bでは、まず、化合物Xと、リチウム化合物とを、混合する。その混合物を加熱させてLi、Ni、M1を含む複合酸化物Zを得る。工程Cでは、複合酸化物Zと化合物Yとを混合し、加熱することで、Li、Ni、M1、M2とを含む複合酸化物を得る。その際、Li、Ni、M1、M2とを含む複合酸化物に含まれるLi、Ni、M1、M2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1は、0.5%以上25%以下、さらには5%以上15%以下とし、前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2は、0.01%以上5%以下、さらには0.02%以上2.5%以下とすることがより好ましい。
。また、Mgを含む化合物としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硫化マグネシウムなどを用いることができる。Caを含む化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどを用いることができる。また、Baを含む化合物としては、水酸化バリウム、酸化バリウムなどを用いることができる。また、Srを含む化合物としては、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウムなどを用いることができる。また、Yを含む化合物としては、水酸化イットリウム、酸化イットリウムなどを用いることができる。
次いで、得られた混合物を加熱することにより、LiとNiとM1とM2とを含む複合酸化物を調製する。
および元素M2を含んでおり、M1は、前記粒子中に均一に分布しており、M2は、前記粒子の内部よりも表層部に多く分布している正極活物質を得ることができる。
正極活物質に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1および前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2として、表1に示す値を有する正極活物質を調製し、これを用いて実施例の電池A1〜A6および比較例の電池B1〜B4を作製した。ここでは、M1としてCo、M2としてAlを採用した。
電池A1〜A6に用いる正極活物質は、以下に述べる共沈法を採用して調製した。
硫酸ニッケルおよび硫酸コバルとを溶解させた金属塩水溶液を調製した。前記金属塩水溶液における硫酸ニッケルの濃度は1mol/Lとし、硫酸コバルトの濃度は表1に従って適宜調整した。攪拌下にある前記金属塩水溶液を50℃に維持し、その中に、水酸化ナトリウムを30質量%含む水溶液をpH12になるように滴下して、コバルト含有水酸化ニッケル水和物を沈殿させた。コバルト含有水酸化ニッケル水和物の沈殿を濾過して水洗し、80℃空気中で乾燥させ、コバルト含有水酸化ニッケルを得た。
得られたコバルト含有水酸化ニッケルと、水酸化リチウムとを、Li:(Ni+Co)のモル比で1:1として混合した。この混合物を、酸素雰囲気中で電気炉内で800℃まで2時間で昇温させ、800℃で10時間焼成することにより、正極活物質を合成した。
次いで、工程Bで得られた正極活物質と、水酸化アルミニウムとを、表1に従って、所定のモル比で混合した。この混合物をロータリーキルンに入れ、空気雰囲気中で750℃で10時間加熱することにより、正極活物質を合成した。
測定用の試料は、各活物質を、エポキシ樹脂と混合し、硬化させたのち、硬化物を切断、研磨して調製した。この試料を、上記分析法で面分析して、粒子の表層部と中心部の元素分布および濃度分布を測定した。
粒子表面からの深さ方向の分析には、スパッタリングを採用した。また、特に粒子表面の分析は、TOF−SIMS測定を中心に行った。
平均粒子径が約20μmになるように粉砕・分級した100質量部の鱗片状黒鉛に、結着剤としてスチレン/ブタジエンゴムを3質量部と、カルボキシメチルセルロースを1質量%含む水溶液100質量部とを加え、撹拌・混合し、ペースト状の負極合剤を得た。この負極合剤を、集電体となる厚さ15μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥後、圧延し、所定寸法に裁断して、負極を得た。
所定の正極と、上記負極を用いて、角型非水電解質二次電池(厚み6mm、幅34mm、高さ50mm)を組み立てた。図1に、本実施例で作製した角型電池の一部を切り欠いた斜視図を示す。
[放電容量]
環境温度20℃で、各電池の充放電サイクルを繰り返した。前記充放電サイクルにおいて、充電は、最大電流値600mAで、充電終止電位4.2Vの定電流放電を行い、電位が4.2Vに到達してからは2時間の定電圧充電を行った。また、放電は、電流値600mAで、放電終止電位2.5Vの定電流放電を行った。1サイクル目の正極活物質1gあたりの放電容量を測定し、その平均値を表1に示す。
上記充放電サイクルにおいて、100サイクル目の放電容量の、1サイクル目の放電容量に対する割合を、容量維持率として百分率(%)で求めた結果を表1に示す。
上記充放電サイクルにおいて、3サイクル充放電終了後に、環境温度20℃で、最大電流値600mA、終止電圧4.4Vで定電流充電を行い、4.4Vに到達してからは2時間の定電圧充電を行った。充電終了後、電池を分解し、正極より正極合剤を取り出し、そのうちの2mgをSUS PANに入れ、熱安定性の指標を与えるDSC測定を行った。測定は、RIGAKU Thermo Plus(理学電機製)を用い、室温から400℃まで10℃/分で空気雰囲気で行った。測定で観測された第1発熱温度を表1に示す。
正極活物質に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1および前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2として、表2に示す値を有する正極活物質を調製し、これを用いて実施例の電池A7〜A12および比較例の電池B5〜B8を作製した。ここでは、M1としてCo、M2としてAlを採用した。
電池A7〜A12に用いる正極活物質は、Coの割合R1を5%に固定し、Alの割合R2を変化させたこと以外、実施例1と同様に合成した。
とに基づくものと考えられる。
正極活物質に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1および前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2として、表3に示す値を有する正極活物質を調製し、これを用いて実施例の電池A13〜A21および比較例の電池B9〜B17を作製した。ここでは、M1としてCoを採用し、M2としてB、Ga、In、Tl、Mg、Ca、Ba、Sr、Yを採用した。
電池A13〜A21に用いる正極活物質は、Coの割合R1を5%に固定し、工程Cにおいて、水酸化アルミニウムの代わりに酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化インジウム、酢酸タリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化イットリウムを用いるとともに、B、Ga、In、Tl、Mg、Ca、Ba、SrまたはYの割合R2を1.5%に固定したこと以外、実施例の電池A1と同様に合成した。
正極活物質に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1および前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2として、表4に示す値を有する正極活物質を調製し、これを用いて実施例の電池A22〜A24および比較例の電池B18〜B20を作製した。ここでは、M1としてCr、MnまたはFeを採用し、M2としてAlを採用した。
正極活物質に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の
割合R1および前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2として、表5に示す値を有する正極活物質を調製し、これを用いて実施例の電池A25〜A26および比較例の電池B21〜B22を作製した。ここでは、M1としてCo、M2としてAlを採用した。
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 負極端子
7 封栓
Claims (10)
- LiとNiとを含む複合酸化物の粒子からなり、前記複合酸化物は、さらに元素M1および元素M2を含んでおり、元素M1は、Cr、Mn、FeおよびCoよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、元素M2は、13族に属する元素(B、Al、Ga、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、元素M1は、前記粒子中に均一に分布しており、元素M2は、前記粒子の内部よりも表層部に多く分布している非水電解質二次電池用正極活物質。
- 前記複合酸化物に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1が、0.5%以上25%以下であり、前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2が、0.01%以上5%以下である請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 割合R2が、割合R1以下である請求項2記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 前記粒子の半径をrとするとき、粒子表面から0.3r以内の領域には、粒子中心から0.3r以内の領域の1.2倍以上の濃度で元素M2が分布している請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- 前記粒子の平均粒子径が、1μm以上20μm以下であり、比表面積が、0.1m2/g以上1.2m2/g以下である請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
- (1)Cr、Mn、FeおよびCoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M1とNiとを含み、元素M1とNiとが均一に分布している化合物Xを調製する工程A、
(2)化合物Xと、リチウム化合物とを、混合し、得られた混合物を加熱することにより、LiとNiとM1を含む複合酸化物Zを得る工程B、得られた複合酸化物Zと13族に属する元素(B、Al、Ga、In、Tl)およびMg、Ca、Ba、Sr、Yよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素M2を含む化合物Yとを混合し、得られた混合物を加熱することにより、LiとNiとM1とM2とを含む複合酸化物を得る工程C、を有する非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記混合物に含まれるLi、Ni、M1およびM2の合計モル数に占めるM1のモル数の割合R1が、0.1%以上25%以下であり、前記合計モル数に占めるM2のモル数の割合R2が、0.01%以上5%以下である請求項6記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 割合R2が、割合R1以下である請求項7記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記工程Bが、前記混合物を650℃以上1050℃以下で加熱する工程からなる請求項6記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記工程Cが、前記混合物を500℃以上850℃以下で加熱する工程からなる請求項6記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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