JP2005243527A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】小形かつ高効率で点灯可能であって光出力特性が向上した蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】蛍光ランプ1は、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブ2aから形成された略矩形状バルブ2の一辺の長さと、このバルブから構成された蛍光ランプを10kHz以上の高周波で点灯するときのランプ電力範囲が規定されている。略矩形状バルブ2の一辺の長さが215〜235mmのときにはランプ電力は25〜35Wの範囲内、同じく290〜310mmのときには35〜45Wの範囲内、365〜385mmのときには45〜55Wの範囲内、同じく440〜460mmのときには55〜65Wの範囲内、同じく490〜510mmのときには55〜85Wの範囲内で高周波点灯することでランプ寸法との関係で最適なランプ効率、全光値、光束維持率等が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光ランプ1は、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブ2aから形成された略矩形状バルブ2の一辺の長さと、このバルブから構成された蛍光ランプを10kHz以上の高周波で点灯するときのランプ電力範囲が規定されている。略矩形状バルブ2の一辺の長さが215〜235mmのときにはランプ電力は25〜35Wの範囲内、同じく290〜310mmのときには35〜45Wの範囲内、365〜385mmのときには45〜55Wの範囲内、同じく440〜460mmのときには55〜65Wの範囲内、同じく490〜510mmのときには55〜85Wの範囲内で高周波点灯することでランプ寸法との関係で最適なランプ効率、全光値、光束維持率等が得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
一般照明用蛍光ランプとして直管形、環形または片口金形の蛍光ランプが知られており、特に、近年の省エネルギー、省資源の要求に基づき、管外径が15〜18mmであり、高周波点灯専用の細径環形蛍光ランプが開発され、商品化されている(特許文献1参照)。この細径環形蛍光ランプは、商品上「FHC」という形名で識別されている。この細径環形蛍光ランプは、従来の環形蛍光ランプと環外径がほぼ同サイズでありながら管外径が細く、かつ同等以上の効率または明るさを確保することが可能であるので、省エネルギー、省資源のニーズを満足することができ、特に住居空間における視環境を快適にすることが可能である。
また、1本の直管バルブを部分的に屈曲形成することで全ての直管部が同一平面内で略四角形を形成するように構成された蛍光ランプが知られている(特許文献2参照)。
特許第3055769号公報(第5−7頁、図3)
特公平3-59548号公報(第5欄、第1図)
しかしながら、特許文献1の細径環形蛍光ランプは、直管バルブに保護膜および蛍光体層を形成した後、両端に電極を封装し、直管バルブ全体が軟化するように加熱して直管バルブを環状に曲成して製造されるものであるので、蛍光体層の熱劣化により初期光束が低下しやすい。また、加熱工程によってバルブ中のアルカリ成分が析出し、蛍光体層と反応して経時的に劣化しやすく、光束維持率が低下しやすいという欠点を有している。
さらに、細径環形蛍光ランプは、直管バルブが長手方向に引き伸ばされながら曲成されるため、直管バルブに形成された保護膜および蛍光体層が曲成時にひび割れを起こしやすく、保護膜および蛍光体層を厚膜化できないという問題がある。このため、蛍光体層の厚膜化による初期光束の向上や、保護膜の厚膜化による光束維持率の改善には限界があった。
この点、特許文献2の蛍光ランプは部分的に屈曲形成しているので、屈曲形成されていない直管部における蛍光体層の熱劣化が少ない。
しかし、特許文献2の蛍光ランプは、電極が封装される両端部が環状に屈曲形成されたバルブの内側方向に位置するように互いに平行な向きで配設されるので、略矩形状バルブの内側における部品や器具の取付けが自由に行うことができないという不具合があった。例えば、特許文献2の蛍光ランプでは、光出力を高くするために略矩形状バルブの最大環径が異なる相似形状の複数の蛍光ランプを同心円状に配置することができないという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、小形かつ高効率で点灯可能であって光出力特性が向上した蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
請求項1の蛍光ランプは、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが215〜235mmの略矩形状バルブと;バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;を具備しており、25〜35Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする。
請求項2の蛍光ランプは、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが290〜310mmの略矩形状バルブと;バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;このバルブの両端部に設けられた口金と;を具備しており、35〜45Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする。
請求項3の蛍光ランプは、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが365〜385mmの略矩形状バルブと;バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;このバルブの両端部に設けられた口金と;を具備しており、45〜55Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする。
請求項4の蛍光ランプは、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが440〜460mmの略矩形状バルブと;バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;このバルブの両端部に設けられた口金と;を具備しており、55〜65Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする。
請求項5の蛍光ランプは、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが490〜510mmの略矩形状バルブと;バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;このバルブの両端部に設けられた口金と;を具備しており、55〜85Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
本発明は、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブから形成された略矩形状バルブの一辺の長さと、このバルブから構成された蛍光ランプを10kHz以上の高周波で点灯するときのランプ電力範囲を規定したことに最大の特徴を有する。すなわち、管外径12〜20mmと比較的細いバルブから構成され、部分的な加熱によって略矩形状に形成された熱劣化の少ない高効率な蛍光ランプをどのようなランプ電力で点灯させるかは、ランプ効率とバルブ寸法毎に要求される全光束値との関係で決まってくるが、本発明者らはこれらの最適な値を試験結果から次のように求めた。
すわなち、略矩形状バルブの一辺の長さが215〜235mmのときにはランプ電力は25〜35Wの範囲内、同じく290〜310mmのときには35〜45Wの範囲内、365〜385mmのときには45〜55Wの範囲内、同じく440〜460mmのときには55〜65Wの範囲内、同じく490〜510mmのときには55〜85Wの範囲内で高周波点灯することが蛍光ランプの外形寸法とランプ効率、要求される全光値、光束維持率等の関係から最適であることが分かった。この数値のうち、ランプ電力の下限は、本発明の略矩形状バルブと最大外寸形状(対角線方向の幅寸法)の環外径で構成された従来形の環形蛍光ランプよりも温度特性を改善させることが考慮されている。
また、本発明の第2の特徴は、来形の環形蛍光ランプよりも温度特性を改善させるために、一対の電極の配設位置については、一方の電極のバルブ端面からの長さMhが他方のそれよりも長く、またこのMhの長さが30〜50mmの範囲内とすることにより最適な最冷部温度を確保した点である。Mhが30mm未満の場合には、最冷部温度が高くなるため従来環形蛍光ランプよりも全光束が低くなり、適当でない。また、Mhが50mmを超えると最冷部温度が下がらずにMhが50mm以下の場合とあまり変わらないため、それ以上の温度特性改善は図れない。また暗部が広くなって外観が悪くなるとともに、放電路長が短くなる傾向にあるため妥当ではない。
略矩形状バルブは、複数の直管部と、この直管部に挟まれて連通する屈曲部とから形成されている。屈曲部は、1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより形成される。また、複数の直管状バルブを曲げ加工し、この端部同士を接続して形成されたものであってもよい。屈曲部は直管状バルブを単純に曲げ加工しただけのものの他、モールド成形により形成してもよい。
屈曲部は内側面と外側面の曲率半径の中心が略同一位置になるように形成されるのが好ましいがこれに限らない。屈曲部の「曲率半径の中心が略同一位置」とは、屈曲部の内側面の曲率半径の中心点と外側面の曲率半径の中心点とが重なっているか、ややずれて位置していることを意味する。本発明の作用上では、各中心点の互いの離間長さが、曲率半径の10%以内、より好ましくは5%以内であれば許容範囲内である。
屈曲部の管径は隣接する直管部の管径と略同一になるように形成される。屈曲部の管径は、略矩形状バルブが形成する仮想の環状平面の中心点から同平面に沿って平行に放射する方向に直交するバルブ管断面における管径で定義され、管断面が真円形状ではなく、やや扁平している場合には、平均管径で定義される。「略同一」とは、屈曲部の管径が直管部の管径の±10%以内、好ましくは±5%以内であることを意味する。
このように屈曲部を形成することによって、略矩形状バルブの屈曲部の外観が直管部から連続した曲線を描いて構成されているように視認されるため、発光管の外観が向上するとともに、点灯時に局部的に温度が低い部分が形成されないため、最冷部が形成されにくく、屈曲部に凝集水銀による黒化やしみなどが発生しにくくなる。
直管状バルブの管長は、ほぼ放電路長になるので、従来の細径環形蛍光ランプと同等の光出力を得ることを考慮して800〜2500mmの範囲とする必要がある。
直管部の管内径は、12〜20mmの範囲内であり、ランプ効率などのランプ特性や製造条件を考慮した管内径の最適範囲は14〜18 mmである。なお、屈曲部近傍の直管部は屈曲部の形成加工において若干管外径が変化して部分的に上記範囲から外れることが考えられるが、本発明の場合、直管部の大部分が上記範囲内であればよい。なお、直管部の肉厚は約0.8〜1.2mm程度とするのがよい。
蛍光ランプは一般的にその管径を小さくすればランプ効率が向上することが知られており、本発明では、直管部の管外径を20mm以下としている。直管部の管外径が20mm以下であれば、従来技術の細径環形蛍光ランプと同等のランプ効率を達成することが可能となる。一方、直管部の管外径を12mm未満とすると、屈曲部を有するガラスバルブとしての機械的強度を確保するのが困難となるので不可であり、また同サイズの従来の環形蛍光ランプと同等の光出力が得られないので実用的ではない。
管外径が29mmである従来の環形蛍光ランプ(形名「FCL」)のランプ効率を10%以上向上させるためには、管外径を65%以下に小さくする必要がある。すなわち、直管部の管外径は18mm以下であればよい。この管外径であれば、蛍光ランプとしての薄形化も十分満足できる。また、光出力やランプ効率などの特性面を考慮すると、直管部の管外径は14mm以上とするのが好ましい。
略矩形状バルブは、直管部を3本以上有している。また、直管部同士をつなぐ屈曲部は、直管部よりも1個少なくなるように形成されている。屈曲部は、直管部が略同一平面状に位置するように屈曲形成されている。そして、略矩形状バルブは、両側に位置する直管部の屈曲部がつながっていない端部に電極が封装され、この一対の端部が互いに対向するように形成されている。ここでいう「一対の端部が互いに対向する」とは、各バルブ端部を構成する直管部の管軸を同一軸線上に位置させて各バルブ端部の端面同士が互いに向き合うような形態のほか、端面同士が互いに正対して向き合っていないが各バルブ端部を構成する直管部の管軸同士が交わってなす角度が略90°となるように端面同士が互い角度を有して対向しているものであってもよい。
略矩形状バルブは、複数の直管部の配置関係の略中心を囲む1本の放電路を形成する。すなわち、略矩形状バルブは、屈曲部によって直管部の管内部が連結されており、両端部に封装された一対の電極によって1本の放電路が形成される。なお、直管部は、全てが同一の長さである必要はなく、1本のみまたは複数本の長さが異なっていてもよい。管長が略同じの4本の直管部を3個の屈曲部でつないだ場合には、バルブは、直管部によって略四角形状を形成する。
直管状バルブの管長は800〜2500mmであり、屈曲部形成予定部の長さが直管状バルブの全長の5〜50%の範囲内であることが望ましい。また、屈曲部形成予定部の長さは、直管状バルブの全長の15〜50%の範囲内であることが望ましい。
蛍光体層の熱劣化が少ない直管部がバルブ全体に占める割合が大きいほど初期光束の低下が少なくなり、光出力の改善効果が高い。そこで、屈曲部形成予定部の長さは、直管状バルブの全長の50%以下とすることとした。屈曲部形成予定部の長さが50%を超えると、曲げ加工時に熱劣化する蛍光体層が多くなり、光出力の改善効果が低くなってしまう。一方、屈曲部形成予定部の長さが5%未満、好ましくは15%未満であると、屈曲部の加工が困難となり、また屈曲部の機械的強度を確保することも困難である。
直管状バルブの直管部の長さlは、150〜500mmであって、屈曲部の内側面の曲率半径rが0.03≦r/l≦0.3の関係を満たしていることが望ましい。
本発明の蛍光ランプは、蛍光体層の熱劣化が少ない直管部からの光放射を主な光出力とするため直管部の長さlを極力多くする必要があるので、一般照明用の照度を得るためには直管部の長さlを150〜500mm、好ましくは180〜400mmとすることが望ましい。
一方、屈曲部の内側面の曲率半径rは、屈曲部の大きさを示しており、曲率半径rが大きければ屈曲部形成予定部の長さも大きくなり、その分光出力が低下する。反対に曲率半径rが小さいと屈曲部形成時のバルブの変形度合いが大きくなり、製造が困難になるとともにバルブ強度が低下するおそれがある。そこで、本発明の発明者は、光出力と屈曲部の成形のしやすさとのバランスを種々検討し、内側面の曲率半径rを直管部の長さlとの比率関係が所定範囲内で最適な組合せになることを見出した。直管部の長さlが150〜500mmの場合において、屈曲部の内側面の曲率半径rと直管部の長さlとの比r/lが0.03未満であると、屈曲部の変形度合いが大きくなり、製造が困難になるとともに、バルブに変形ストレスが加わると屈曲部に応力が局部的に集中しやすくなって破損するおそれがある等の原因により強度が低下するため不可である。また、r/lが0.3を超えると、略矩形状バルブにおける屈曲部の占める割合が大きくなるため、屈曲部における蛍光体層の熱劣化影響が大きくなり、ランプ効率が低下するため不可である。
略矩形状バルブは、4本の直管部により略四角形状に形成され、この略四角形状の対角線位置に屈曲部が3箇所形成され、残りの1箇所に口金が設けられている形態、5本の直管部により略四角形状に形成され、この略四角形状の対角線位置それぞれに屈曲部が形成され、この略四角形状の一辺の略中央に口金が設けられている形態のいずれであってもよい。
請求項6の照明器具は、器具本体と;互いに異なる曲率半径を有するとともに曲率半径の中心がそれぞれ略同一位置にあって隣接するバルブ同士の間隔が略同一となるように略同心状に器具本体に配設された請求項1ないし5いずれかに記載された複数の蛍光ランプと;蛍光ランプへ10kHz以上の高周波でランプ電力を供給する高周波点灯回路と;
を具備していることを特徴とする。
を具備していることを特徴とする。
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形であって、グローブ、セード、反射笠などが取付けられるものであってもよく、蛍光ランプが露出するもの、導光板を備えたものであってもよい。
蛍光ランプは、請求項1ないし5いずれかに記載された蛍光ランプであって、照明器具本体の形状または照明器具の光学特性に合わせて複数本取付けられる。この複数の蛍光ランプは、外観形状が相似するように互いに異なる最大環径(幅)を有しており、隣接するバルブ同士の間隔が略同一となるように略同心円状に器具本体に配設される。また、複数の蛍光ランプは、器具本体に配設された状態で略矩形状バルブの各屈曲部の曲率半径の中心がそれぞれ略同一位置となるように組み合わされている。なお、複数の蛍光ランプは、バルブ同士の配設高さを変えて器具本体に装着されていてもよい。
高周波点灯回路には、切換手段が設けられていてもよい。切換手段は、蛍光ランプを高効率点灯させるモードと、高出力点灯させるモードとに分かれていてもよく、これらモード間を連続的に変化させるものであってもよい。点灯回路の切換手段を切換えることによって、蛍光ランプの点灯が調整される。例えば、切換手段が高効率点灯させるモードと、高出力点灯させるモードとに分けられている場合には、これらモードを使用条件に合わせることにより、適宜選択して蛍光ランプを使用することができる。
本発明の蛍光ランプによれば、管外径12〜20mmの1本の直管状バルブから形成された略矩形状バルブの一辺の長さと、このバルブから構成された蛍光ランプを10kHz以上の高周波で点灯するときのランプ電力範囲を規定したことにより、従来の環形蛍光ランプと同等の大きさながら高い全光束を得ることができるとともに、優れたランプ効率、光束維持率を備えた蛍光ランプとすることができる。
以下、本発明の蛍光ランプおよび照明器具の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示し、図1は蛍光ランプの正面図、図2は図1の蛍光ランプの屈曲部2cの一部を拡大して示す正面図である。
図において、1は蛍光ランプで、直線部が略正方形を形成する矩形状の環状ガラスバルブ2を有している。この環状ガラスバルブ2内にはアルゴン、ネオンまたはクリプトンなどの希ガスおよび水銀からなる放電媒体が封入される。本実施形態における希ガスはアルゴン(Ar)ガスであり、封入圧力は約320Paである。
環状ガラスバルブ2は、5本の直管部2b,2dおよび4箇所の屈曲部2cを有しており、5本の直管部2b,2dが略正方形の各辺を形成するように同一平面状に連接配置されている。このときのガラスバルブ2の1辺の長さLは215mm以上とするのが好ましく、本実施形態の場合、Lは約300mmである。直管部2bの管外径は12〜20mm、肉厚は0.8〜1.5mmであり、本実施形態の場合は管内径が約14mm、肉厚が約1.2mmである。
バルブ2は、ソーダライムガラスや鉛ガラスなどの軟質ガラスで形成されるが、ほうケイ酸ガラスや石英ガラスなどの硬質ガラス製であってもよい。バルブ2の肉厚は0.8〜1.2mm程度が望ましいがこれに限定されない。
ガラスバルブ2の内面には金属酸化物微粒子としての平均粒径が約2.5μmのリン酸ストロンチウム(Sr2P2O7)微粒子からなる膜厚約10〜20μmの保護膜が形成されており、この保護膜の内面には蛍光体層が形成されている。保護膜の塗布量は、0.6〜0.8mg/cm2である。保護膜は、アルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2)など周知の金属酸化物微粒子を用いてもよい。また、光束維持率やバルブ加工時の膜剥がれなどの不具合が問題にならないようであれば、保護膜を介在させることなくバルブ2の内面に蛍光体層を直接形成してもよい。
蛍光体層は、屈曲部形成前の直管状バルブ2の内面に塗布、形成されるものである。蛍光体層を構成する蛍光体は、三波長発光形蛍光体、ハロ燐酸塩蛍光体など周知の蛍光体で構成可能であるが、発光効率の観点から三波長発光形蛍光体の使用が好ましい。三波長発光形の蛍光体としては、450nm付近に発光ピーク波長を有する青系蛍光体としてBaMg2Al16O27:Eu2+、540nm付近に発光ピーク波長を有する緑系蛍光体として(La,Ce,Tb)PO4、610nm付近に発光ピーク波長を有する赤系蛍光体としてY2O3:Eu3+などが適用可能であるが、これらに限定されない。
本実施形態では、蛍光体層は、三波長発光形で相関色温度5000Kとなる蛍光体微粒子を塗布量が6.0〜7.5mg/cm2の範囲内で塗布し、乾燥・焼成工程を経て約20μmの膜厚で形成されている。
ガラスバルブ2の両端に位置する直管部2dの各端部2dには互いに近接配置されており、この両端部2dにはエミッタ物質が塗布されたトリプルコイルからなるフィラメント電極5a,5bがそれぞれ封装されている。一対の電極5a,5bは、図示しないフレアステムに封着された一対のリード線に支持され、このフレアステムが両端部に封着されることでフィラメント電極5a,5bはバルブ内に封装される。フレアステムには、図示しない排気用細管が取付けられている。
この細管内にアマルガムが収容されていてもよい。アマルガムは、バルブ内に封入されるものであり、配設位置は排気用細管に限らず、例えばフレアステムの溶着部分に固着させてもよい。アマルガムは、溶融、機械的保持などの手段によってこれらいずれかの位置に固定または収納される。また、アマルガムはバルブ内を移動可能に収容されていてもよく、例えば蛍光体層が形成されているバルブ2の内面部分を移動可能に封入されていてもよい。アマルガムは、水銀と合金を作る物質と水銀との合金であり、ペレット状、柱状、板状などどのような形状であってもよい。例えば、水銀の定量封入のために亜鉛−水銀などのアマルガムを封入してもよい。水銀蒸気圧制御用のアマルガムをバルブ内に配設すると、周囲温度が比較的高くなっても最適な状態で蛍光ランプが点灯される。なお、本実施形態のアマルガムは、ビスマス(Bi)−錫(Sn)−鉛(Pb)系の水銀蒸気圧制御用のアマルガムである。
直管部2bは、屈曲部2cを介して内部が連通されており、一対の電極5,5間に直管部2bが形成する略正方形の中心を囲むように1本の放電路が形成される。
一対の電極5,5は、フィラメントにエミッタ物質が塗布された熱陰極形の電極が適用可能であるが、他の電極であってもよい。なお、ランプを高出力点灯させる必要がある場合には、熱陰極形の電極5にトリプルコイルを用いることが好ましい。電極5を支持するリードワイヤはボタンステム、ビードステム、ピンチシール部などによって封装支持されていてもよい。
ガラスバルブ2の一対の端部2d,2dには口金6が両端部2d,2dを跨ぐように被着されている。口金6は、一対の電極5,5と電気的に接続された4本のピンからなる給電部6aを備えている。蛍光ランプ1は、ガラスバルブ2の直管部2bがなす略正方形状の対角線位置に屈曲部2cが3箇所形成され、残りの1箇所に口金6が設けられるように構成されている。ガラスバルブ2の両端部2d,2dは、各端部2d,2dを構成する直管部2b,2bの管軸同士が交わってなす角度が90°となるように端面同士が互い角度を有して対向している。
口金6の4本のピンからなる給電部6aは、ソケットなどの給電手段と接続する電気接続手段であるが、この電気接続手段は、バルブの両端部2d,2dから離れた位置に設けられていてもよい。また、口金6は、ソケットなどの給電手段との機械的接続によって保持手段としての機能を発揮するような構成であってもよい。
バルブ2は、蛍光ランプの点灯時に最冷部が少なくとも1つの屈曲部に形成されるように構成されていてもよい。最冷部は、蛍光ランプ1の点灯時にバルブの最も温度の低い部位に形成されるものであり、屈曲部の形状を点灯時に温度上昇しにくいように形成すればよい。例えば、放電路から離れた空間を形成する構造や、表面積が他の部位よりも大きく放熱効果に優れた構造などである。
口金6は、互いの管軸がほぼ同一線上に位置するように対向配置された両端部2d,2dの間に掛け渡されており、略四角形状のバルブ2の一辺の略中央に位置している。口金6は円筒状の樹脂中空体からなり、その表面には給電部である口金ピン6aが4本突設されている。口金ピン6aは、バルブ2がなす平面に対して約45°傾いてバルブ2中心側を向いて突設されている。
口金6は、バルブ端部2d,2dの管軸を中心として約±45°回動するように回動規制手段とともにバルブ端部2d,2dに取付けられている。この回動規制手段は、ある回動角を超えると口金6側とバルブ端部2d,2d側とが相対的に干渉して回動できなくなるように口金6の内側面とバルブ端部2d,2dの外面との所定位置に突部をそれぞれ設けることなどによって実現することができるが、回動規制手段はこれに限らない。口金6が所定角度を超えて回動可能に構成されていると、口金ピン6aと電極5とを接続するアウターリード線が張力によって変形し、口金6内部でアウターリード線同士が接触して短絡するおそれがあるため、所定回動角度以下で回動するように規制する必要がある。
屈曲部2cは、図2に示すように、直管部2bとほぼ同様の略円管形状の断面形状を有している。屈曲部2cは、屈曲部2cの内側面と外側面との曲率半径の中心が略同一位置となるように形成されている。屈曲部2cは、直管状バルブを曲げ加工した後、モールド成形により形成されたものである。図2に示すように、屈曲部2cは内側面2c1の曲率半径r1と外側面2c2の曲率半径r2の中心Oが略同一位置になるように形成されている。屈曲部の内側面2c1は、略矩形状バルブが形成する仮想の環状平面の中心部に対向する面を意味し、屈曲部の外側面2c2は、屈曲部において内側面2c1から管軸を中心として180°反対側に位置する面(略矩形状バルブ2が形成する環状平面の中心部から同平面に沿って平行に放射する方向を向いた面)を意味する。
曲率半径r1、r2は、内側面2c1および外側面2c2と略矩形状バルブ2が形成する仮想の環状平面とが直交する位置に形成される曲線によって定義され、簡易的には略矩形状バルブ2が形成する仮想の環状平面の直交方向から略矩形状バルブを観察したときに屈曲部2cに形成される内郭線および外郭線の曲率半径でそれぞれ定義することが可能である。なお、曲率半径r1の最適範囲は13〜20mm、曲率半径r2の最適範囲は25〜45mmであり、本実施形態における曲率半径r1は15mm、曲率半径r2は31.5mmである。
屈曲部2cの管径Dcは隣接する直管部2bの管径Dbと略同一になるように形成される。このように屈曲部2cを形成することによって、略矩形状バルブ2の屈曲部2cの外観が直管部2bから連続した曲線を描いて構成されているように視認されるため、発光管2の外観が向上するとともに、点灯時に局部的に温度が低い部分が形成されないため、最冷部が形成されにくく、屈曲部2cに凝集水銀による黒化やしみなどが発生しにくくなる。なお、本実施形態における屈曲部2cの管径Dcおよび直管部2bの管径Dbはいずれも16.5mmである。また、直管部2bの長さlは237mmである。
一方の電極5aは、バルブ端部2dの端面(口金6内に収容されているバルブ2とのステムとの封着部分)からの長さが他方の電極5bよりも大きくなる位置に配設されている。また、この一方の電極5aの配設位置の長さは、バルブ端部2dの端面からの長さMhが30〜50mmの範囲内であり、本実施形態の場合にはMhが40mmである。このように、Mhの長さを30〜50mmの範囲内とすることにより、最冷部を一方のバルブ端部2dの所望箇所に形成することが可能となる。最冷部を所望の温度に制御することが可能であれば、周囲温度が高くても水銀蒸気圧制御用のアマルガムを使用することなく最適な水銀蒸気圧を確保することが可能となり、ランプ効率を一層向上させることが可能となる。
図3は、第1の実施形態の蛍光ランプ1の周囲温度特性を表すグラフである。このグラフは、蛍光ランプ1を30Wの定格ランプ電力で高周波点灯させて周囲温度を変化させたときの下方照度を測定し、その温度変化に伴う照度を相対値で表したものである。図3のグラフからも分かるように、第1の実施形態の蛍光ランプ1は一方の電極5aの長さMhを40mmとしたので、周囲温度が40℃付近で照度がピークになる特性を有している。これは、一方の電極5aの長さMhを30〜50mmの範囲内とすることにより、周囲温度が40℃のときに一方のバルブ端部2d近傍に最適温度の最冷部が形成されたためである。
ガラスバルブ2の1辺の長さLは300mmの蛍光ランプ1のランプ電流は300mAであり、ランプ電力は約40Wである。なお、インバータ装置の調整により、ランプ電流は380mA、ランプ電力を約50Wとして高出力点灯させることも可能である。
なお、蛍光ランプ1のランプ電流が300mAの場合、ガラスバルブ2の1辺の長さLが225mmのときはランプ電力は約30W、Lが375mmのときはランプ電力は約50W、Lが450mmのときはランプ電力は約60Wで点灯することが可能である。また、Lを500mmとしてランプ電流を380mAとすると、ランプ電力が85W、ランプ全光束が約8300lmとなり、オフィス等に施工されているグリッド天井用の照明装置への使用に最適な高照度、高効率の蛍光ランプとすることが可能である。
図4は、ガラスバルブ2の1辺の長さLが異なる5種類の蛍光ランプ1a、1b、1c、1d、1eを同心状に配置した場合を表す正面図である。なお、図4における蛍光ランプ1bが図1の蛍光ランプ1に相当する。
蛍光ランプ1aは、バルブ2の一辺の長さL1aが215〜235mm、ランプ電力が25〜35Wの範囲内で高周波点灯するものであり、具体的にはLが225mm、ランプ電流が300mA、定格ランプ電力が30Wで高周波点灯したときに全光束は2800lmであった。
蛍光ランプ1bは、バルブ2の一辺の長さL1bが290〜310mm、ランプ電力が35〜45Wの範囲内で高周波点灯するものであり、具体的にはLが300mm、ランプ電流が300mA、定格ランプ電力が40Wで高周波点灯したときに全光束は3900lmであった。
蛍光ランプ1cは、バルブ2の一辺の長さL1cが365〜385mm、ランプ電力が45〜55Wの範囲内で高周波点灯するものであり、具体的にはLが375mm、ランプ電流が300mA、定格ランプ電力が50Wで高周波点灯したときに全光束は5000lmであった。
蛍光ランプ1dは、バルブ2の一辺の長さL1dが440〜460mm、ランプ電力が55〜65Wの範囲内で高周波点灯するものであり、具体的にはLが450mm、ランプ電流が300mA、定格ランプ電力が60Wで高周波点灯したときに全光束は6100lmであった。
蛍光ランプ1eは、バルブ2の一辺の長さL1eが490〜510mm、ランプ電力が55〜85Wの範囲内で高周波点灯するものであり、具体的にはLが500mm、ランプ電流が350mA、定格ランプ電力が80Wで高周波点灯したときに全光束は8000lmであった。
なお、蛍光ランプ1a〜1eの最適なランプ電流は275〜310mAの範囲内であり、好ましくは280〜300mAの範囲内である。この範囲のランプ電流で点灯すると、一方の電極5aの配設位置の長さMhを30〜50mmの範囲内にしたことと相俟って、周囲温度が40℃付近で一方のバルブ端部2d近傍に最適温度の最冷部が形成され、ランプ効率を高くすることができる。
蛍光ランプ1aおよび1b、蛍光ランプ1bおよび1c、蛍光ランプ1cおよび1dの間に形成される隙間の間隔S1はいずれも21mmであるが、蛍光ランプ1dおよび1eの間に形成される隙間の間隔S2は8.5mmである。また、各蛍光ランプ1a〜1eには同一の口金6が取付けられ、その幅寸法Wは50mmである。
次に、本実施形態の蛍光ランプ1に使用されるガラスバルブ2の製造方法について説明する。
図5は図1の蛍光ランプの製造工程を説明する概略図である。
まず、保護膜および蛍光体層があらかじめ形成された1本の直管状バルブ2aを用意し、両端部2d,2dに排気管2fを備え、一対のリード線を導入するフレアステム(図示しない)を介して電極5a,5bをバルブ2a内に装着する。
直管状バルブ2aは全長1200mmであり、屈曲部形成予定部2eを4箇所有している。この予定部2eの1箇所の長さl1,l2,l3,l4はそれぞれ約90mmであり、4箇所の予定部2eの合計長さは360mmであっての直管状バルブ2a全長の約30%である。
図5(a)に示すように、4ヶ所の屈曲部形成予定部2eのうち1箇所(本実施形態では一番左端)をガスバーナーBで加熱軟化し、図5(b)に示すように直管部2b同士のなす角度が約90°となるように曲げ加工を行った後、モールド成形などにより所定の形状に第1の屈曲部2cを形成する。その後、第1の屈曲部2cの隣の屈曲部形成予定部2eおよび一番右端の屈曲部形成予定部2eをガスバーナーBで加熱軟化、曲げ加工およびモールド成形を行い、図5(c)に示すように第2および第3の屈曲部2cを形成する。最後に第4の屈曲部2cの隣の屈曲部形成予定部2eをガスバーナーBで加熱軟化、曲げ加工およびモールド成形を行い、図5(d)に示すように第3の屈曲部2cを形成し、排気管2fから排気を行い、水銀を封入してガラスバルブ2が完成する。
本実施形態の蛍光ランプ1の特徴について説明する。発明者らは、蛍光ランプの光出力と屈曲部2cの成形のしやすさとのバランスを検討した結果、直管部2bの長さlを150〜500mmとし、屈曲部2cの内側面2c1の曲率半径r1が0.03≦r1/l≦0.3の範囲内にすることが望ましいことを突き止めた。直管部2bの長さlが150〜500mmの場合において、屈曲部2cの内側面2c1の曲率半径r1と直管部2bの長さlとの比r1/lが0.03未満であると、屈曲部の変形度合いが大きくなり、製造が困難になるとともに強度が低下するため不可である。また、r1/lが0.3を超えると、略矩形状バルブにおける屈曲部の占める割合が大きくなるため、屈曲部2cにおける蛍光体層4の熱劣化影響が大きくなり、ランプ効率が低下するため不可である。本実施形態の蛍光ランプ1は、直管状バルブ2aの直管部2bの長さlは150〜500mmの範囲内の237mmであり、屈曲部2cの内側面2c1の曲率半径r1は15mmであるため、r1/lは約0.06となり、0.03≦r1/l≦0.3の関係を満たしている。
このように、第1の実施形態の蛍光ランプによれば、屈曲部2cの内側面2c1と外側面2c2の曲率半径の中心Oが略同一位置にあって屈曲部2cの管径Dcが直管部2bの管径Dbと略同一であるので、略矩形状バルブ2の屈曲部2cの外観が直管部2bから連続した曲線を描いて構成されているように視認されて発光管2の外観が向上する。さらに、一対の端部が互いに対向するように配設されているので、略矩形状バルブ2の内側に略矩形状バルブ2の端部が配設されることがなく、照明器具の部品や器具の取付けを自由に行うことができる。
さらに、直管状バルブ2aの直管部2bの長さlを150〜500mmとしたときの屈曲部2cの内側面2c1の曲率半径r1が0.03≦r1/l≦0.3の関係を満たすようにしているので、屈曲部2cの形成が容易に行えるとともに、屈曲部2cの蛍光体層4の熱劣化による影響を最小限にして直管部2bからの光出力を有効に利用することができる。
屈曲部2cは、曲げ加工により形成されるが、直管状バルブ2aの屈曲部形成予定部2e以外は過度に加熱する必要がないので、蛍光体層4を屈曲部2cの形成前に塗布しても蛍光体が熱的に劣化しにくく、光束維持率が大きく改善されるという利点を有している。この効果は、直管状バルブ2aの全長に対する屈曲部形成予定部2eの全長さが50%以下、好ましくは30%以下、最適には20%以下としたときに特に顕著に現れる。
図6は、本発明の第2の実施形態である照明装置を示すものであり、図6aは正面図を、図6bは側面図をそれぞれ示す。本実施形態は、第1の実施形態の蛍光ランプ1を使用した照明装置である。蛍光ランプ1は、器具本体10のソケット11に接続されるとともに、バルブ側面に沿った形状を有するバネからなるランプホルダ12に装着される。蛍光ランプ1の中央部には、器具本体10に取付けられた四角錐形状のピラミッド形白色反射体13が配置される。この反射体13は中空に形成されており、内部に点灯装置などが収納されている。なお、この反射体13はランプ1側に直接取付けられていてもよい。
本実施形態の照明装置は、四角錐形状の反射体13が四角形蛍光ランプ1の中心に配設されているので、器具下側方向への反射効率が高く、照明効率を向上させることができる。
図7は、本発明の第3の実施形態である照明装置に取付けられた蛍光ランプの組合せ状態を示す概念図である。本実施形態は、第6の実施形態の照明装置に第5実施形態の蛍光ランプを複数組合わせて使用したものであるため、蛍光ランプ以外の構成は図6と同一であり、その図示は省略してある。蛍光ランプは、照明器具本体の形状または照明器具の光学特性に合わせて複数本取付けられる。
照明装置には、2本の第1実施形態の蛍光ランプ1a,1bが略矩形状バルブ2,2の中心が同一位置となり、かつ各屈曲部が中心から同一の方向を向くように略同心円状に組み合わされ、略矩形状バルブ2の各屈曲部2cの曲率半径の中心がそれぞれ略同一位置になるように器具本体10に配設されている。すなわち、サイズの小さい蛍光ランプ1aの内側面2c1の曲率半径r1a、外側面2c2の曲率半径r2a、サイズの大きい蛍光ランプ1bの内側面2c1の曲率半径r1bおよび外側面2c2の曲率半径r2bのそれぞれの中心点がほぼ同一の点Oに位置するように各蛍光ランプ1a,1bの屈曲部2cが形成されて照明装置本体に取付けられている。
このようにサイズの異なる蛍光ランプとの組合せにおいて屈曲部2cの曲率半径が同一位置に合わせられた複数の蛍光ランプ1a,1bを配設することで、隣接する屈曲部2c、2c同士の間隔を直管部2b、2b同士の間隔と略同一にすることができるので、照明装置の外観性が向上する。なお、取付けられる蛍光ランプは、第1の実施形態に記載された蛍光ランプ1a〜1eのいずれであってもよい。
このように、複数の蛍光ランプが略同心円状に器具本体に配設された場合に、略矩形状バルブの各屈曲部の曲率半径の中心がそれぞれ略同一位置になっていると、屈曲部の曲率半径が同一となるように形成された複数の蛍光ランプを同様に配設した場合に比べて、隣接する屈曲部同士の間隔を直管部同士の間隔と略同じにすることができるので、外観性が向上するとともに、輝度を均一化させることができる。
1…蛍光ランプ、2…略矩形状バルブ、2a…直管状バルブ、2b…直管部、2c…屈曲部、2d…端部、5a,5b…電極、6…口金、10…照明器具本体。
Claims (6)
- 管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが215〜235mmの略矩形状バルブと;
バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;
を具備しており、25〜35Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが290〜310mmの略矩形状バルブと;
バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;
を具備しており、35〜45Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが365〜385mmの略矩形状バルブと;
バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;
を具備しており、45〜55Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが440〜460mmの略矩形状バルブと;
バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;
を具備しており、55〜65Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 管外径12〜20mmの1本の直管状バルブの屈曲部形成予定部を加熱して曲げ加工することにより、管径が隣接する直管部の管径と略同一の複数の屈曲部を形成し、一対の端部が互いに対向するように屈曲部を介して直管部を同一平面状に配設し、直管部および屈曲部を介して1本の放電路が形成され、内面に蛍光体層が形成され、水銀を含む放電媒体が封入された一辺の長さが490〜510mmの略矩形状バルブと;
バルブ両端部にそれぞれ封装され、一方のバルブ端面からの長さが他方のそれよりも大きく、かつ前記一方のバルブ端面からの長さが30〜50mmの範囲内となるように配設された電極と;
このバルブの両端部に設けられた口金と;
を具備しており、55〜85Wの範囲内のランプ電力で、かつ、10kHz以上の高周波で点灯するように構成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 器具本体と;
隣接するバルブ同士の間隔が略同一となるように略同心状に器具本体に配設された請求項1ないし5いずれかに記載された複数の蛍光ランプと;
蛍光ランプへ10kHz以上の高周波でランプ電力を供給する高周波点灯回路と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
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