しかし、この場合、プラスイオンとマイナスイオンとは略同一空間に同時に発生するため、気流が少ない条件で使用すると、両イオンがすぐに結合してしまう。そのため、プラスイオン及びマイナスイオンの発生効率が下がってしまう。
そこで、本発明では、空気流れのどのような流速条件下でも効率的にプラスイオン及びマイナスイオンを空気中に発生することができるイオン発生器を提供することを目的とする。また、このイオン発生器を空気清浄装置に組み込み、空気通路内の空気流れの流速に合わせて効率的にプラスイオン及びマイナスイオンを室内に排出することができる空気清浄装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るイオン発生器及びこれを用いた空気清浄装置では、プラスイオンとマイナスイオンとを交互に発生する。さらに、発生タイミングを気流の流速に合わせて変えることで、発生後のプラスイオンとマイナスイオンとの距離を調節する。具体的には、本発明は、正の電圧の印加によりプラスイオンを発生する針状陽電極と、負の電圧の印加によりマイナスイオンを発生する針状陰電極と、前記針状陽電極に正電圧を印加することと前記針状陰電極に負電圧を印加することとを交互に周期的に繰返して行う電圧印加手段と、を有することを特徴とするイオン発生器である。
プラスイオンとマイナスイオンとの発生タイミングを変えることで、両イオンの分散のタイミングがずれ、両イオンの結合を防止することができる。そのため、効果的にプラスイオン及びマイナスイオンを空気中に分散させることができる。
ここで、本発明に係るイオン発生器において、前記針状陽電極の針先と前記針状陰電極の針先とを所定間隔離して前記針状陽電極と前記針状陰電極とを配置することが望ましい。
針先同士を所定間隔離すことで、プラスイオンとマイナスイオンとの発生場所を離して、両イオンの結合を防止することができる。そのため、両イオンを略同一空間内に効果的に分散させることができる。
また、本発明は、空気吸気口と浄化空気吐出口とを備える空気通路と、前記空気通路に配置され、前記空気吸気口から前記浄化空気吐出口に向かって空気流れを形成するブロアと、前記空気通路に配置され、正の電圧の印加によりプラスイオンを前記空気通路に発生する針状陽電極と、前記空気通路に配置され、負の電圧の印加によりマイナスイオンを前記空気通路に発生する針状陰電極と、前記針状陽電極に正電圧を印加することと前記針状陰電極に負電圧を印加することとを交互に周期的に繰返して行う電圧印加手段と、を有することを特徴とする空気清浄装置である。
プラスイオン及びマイナスイオンは空気通路内で空気流れと共に流される。そのため、プラスイオンとマイナスイオンとを交互に発生させることで、プラスイオンとマイナスイオンとを一定間隔離すことができる。その結果、プラスイオンとマイナスイオンとの結合を防止し、効果的に両イオンを室内に排出し、且つ分散させることができる。
ここで、本発明に係る空気清浄装置において、前記電圧印加手段は、前記針状陽電極及び前記針状陰電極を配置した場所での前記空気流れの流速に応じて、前記正電圧及び前記負電圧の印加周期を前記流速が速いときには短くし且つ前記流速が遅いときには長くすることが望ましい。
電圧の印加周期を空気流れの流速に合わせて変えることで、プラスイオンとマイナスイオンとの距離を流速に関わらず一定に保つことができる。そのため、どのような流速条件においても両イオンの分散の状態を一定に保つことができる。
また、本発明に係る空気清浄装置において、前記電圧印加手段は、前記ブロアの作動信号情報を取得し、前記作動信号情報に基づいて、前記ブロアの作動信号の電圧値若しくは電流値が上昇するに従って前記印加周期を短くし、且つ前記ブロアの作動信号の電圧値若しくは電流値が下降するに従って前記印加周期を長くすることが望ましい。
ブロアの回転数が大きいとブロアによって形成される空気流れの流速が速く、ブロアの回転数が小さいとブロアによって形成される空気流れの流速が遅くなるため、電圧の印加周期をブロアの作動信号に合わせて変えることで、プラスイオンとマイナスイオンとの発生タイミングを空気流れの流速に合わせて変えることができる。
また、本発明に係る空気清浄装置において、前記電圧印加手段は、前記プラスイオン及び前記マイナスイオンの発生量情報を取得し、前記発生量情報に基づいて、前記正電圧の電圧値若しくは印加時間又は前記負電圧の電圧値若しくは印加時間のうち少なくとも1つの値を前記プラスイオン及び前記マイナスイオンの前記浄化空気吐出口からの排出量が略同量となる値に設定することが望ましい。
プラスイオンとマイナスイオンとを最適なイオンバランスに保つための手段を実現したものである。
また、本発明に係る空気清浄装置において、前記針状陽電極の針先と前記針状陰電極の針先とを所定間隔離し、且つ前記針状陽電極の針先と前記針状陰電極の針先との並びの方向が前記空気流れの方向と交差するように前記針状陽電極と前記針状陰電極とを配置することが望ましい。
針先同士を空気流れに対して上流、下流の関係となるように配置しないため、プラスイオンとマイナスイオンとがどのようなタイミングで発生しても一方の針先から発生するイオンと他方の針先から発生するイオンとの接触を回避し、両イオンの結合を防止することができる。
また、本発明に係る空気清浄装置において、前記針状陽電極と前記針状陰電極とを前記浄化空気吐出口の口際に配置することが望ましい。
針状電極を浄化空気吐出口の口際に配置することで、発生したイオンを空気通路内で結合させることなく直接車室内に排出することができる。そのため、車室内の快適性を向上させることができる。
また、本発明に係る空気清浄装置において、HVACユニットのエバポレータ下流の冷風側の空気通路又はエアミックスチャンバ内の空気通路に前記針状陽電極と前記針状陰電極とを配置することが望ましい。
空気清浄装置をHVACユニットに組み込む場合、エバポレータ下流の冷風側の空気通路又はエアミックスチャンバ内の空気通路では、空気流れに対する障害物が少なく、空気流れが乱れることがない。そのため、発生後のプラスイオン及びマイナスイオンとが空気流れの乱れによって攪拌されて接触機会が増加するようなこともない。よって、両イオンの結合による消失を回避することができる。そのため、効果的にプラスイオンとマイナスイオンとを室内に排出することができる。
また、本発明に係る空気清浄装置は、空気吸気口と浄化空気吐出口とを備える空気通路と、前記空気通路に配置され、前記空気吸気口から前記浄化空気吐出口に向かって空気流れを形成するブロアと、前記空気通路に配置され、正の電圧の印加によりプラスイオンを発生し、且つ負の電圧の印加によりマイナスイオンを発生するイオン発生素子と、正電圧と負電圧とを交互に周期的に繰返して前記イオン発生素子に印加する電圧印加手段と、を有する空気清浄装置において、前記電圧印加手段は、前記正電圧及び前記負電圧の印加周期を、前記イオン発生素子を配置した場所での前記空気流れの流速に応じて、前記流速が速いときには短くし且つ前記流速が遅いときには長くすることを特徴とする。
従来のイオン発生素子を備える空気清浄装置において、プラスイオンとマイナスイオンとを発生させる制御方法を実現したものである。プラスイオン及びマイナスイオンは空気通路内で空気流れと共に流されるため、電圧の印加周期を空気流れの流速に合わせて変えることで、同一の場所で発生するプラスイオンとマイナスイオンとの発生タイミングをずらし、両イオンを一定間隔離すことができる。そのため、プラスイオンとマイナスイオンとの結合を防止し、効果的に両イオンを室内に排出し、且つ分散させることができる。
本発明に係るイオン発生器では、空気流れのどのような流速条件下でも効率的にプラスイオン及びマイナスイオンを空気中に発生することができる。また、本発明に係る空気清浄装置では、空気通路内の空気流れの流速に合わせて効率的にプラスイオン及びマイナスイオンを室内に排出することができる。そのため、空気通路内又は室内に存在する微生物を減少させ、エアコン臭の低減及び室内の快適性を向上させることができる。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
本実施形態では、空気調和装置の空気通路内にプラスイオン及びマイナスイオンを発生するイオン発生素子を配置することにより、空気調和装置に本実施形態に係る空気清浄装置を組み込んだ。以下、空気調和装置を説明することにより、本実施形態に係る空気清浄装置について説明する。図1に本実施形態に係る空気清浄装置について車両のHVACユニットの一部に組み込んだときの空気吸気口から浄化空気吐出口までの空気通路の側面概略図を示す。
この空気調和装置100は、空気通路を形成する本体ケース6を備えている。本体ケース6は、インテークドア1によって開閉される内気吸込み口10b及び外気吸込み口10cからなる空気吸気口10aと、空気吸気口10aに連なる空気通路27と、浄化空気吐出口としてのサイドベント(不図示)、ベント(不図示)、ソフトディフュージョン(不図示)、デフロスタ(不図示)及びフット(不図示)と、これらに通じる空気通路22、23、24、25、26とを形成する。また、空気通路22、23、25、26のそれぞれには、開閉するモードドア13、14、16、17を設けている。
空気通路27には、空気流れ3を形成するブロア9を配置し、さらに、エバポレータ5と、ヒータコア8と、空気流れ10の分岐比を調節するエアミックスドア7と、ヒータコア8の下流側で空気を混合するエアミックスチャンバ21と、を本体ケース6内に配置して、HVACユニットを兼用している。また浄化空気吐出口から吹出す空気を浄化しておくために、図1に示すようにフィルタユニット4を例えば本体ケース6内の空気通路27に配置してもよい。
ブロア9は、本体ケース6内の空気通路27に設けている。ブロア9を駆動すると、空気吸気口10aのうち開いた側から空気通路19内に、空気が取り込まれ、空気通路19内に空気流れ2を形成する。空気流れ2は、ブロア9を通過して空気流れ3となり、さらに空気通路27内を下流側へと流れる。なお、図1ではブロア9は、遠心式のシロッコファンを示したが、ターボファンであってもよく、さらに貫流式ブロアであってもよい。
フィルタユニット4は空気流れ3を通過させて浄化する。フィルタユニット4は、フィルタ面が覆われないようにフィルタ端部を固定するフィルタ枠に、集塵フィルタと脱臭フィルタとを組み合わせて組み込むことが好ましい。また、フィルタ枠には集塵フィルタのみ或いは集塵フィルタと脱臭フィルタとを組み合わせたフィルタが組み込まれている。これらのフィルタはフィルタ面積を大きくするためにプリーツ状に加工されていることが望ましい。また、脱臭フィルタを設ける場合には脱臭フィルタに光触媒を担持させ、紫外線発生ランプにより脱臭フィルタに付着した脱臭成分を分解させることがより望ましい。
エバポレータ5は、フィルタユニット4を通過した空気流れを冷却するための冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクルは、少なくとも、気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(不図示)と、コンプレッサから吐出された冷媒を冷却し冷媒を凝縮するコンデンサ(不図示)と、コンデンサで凝縮した冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁(不図示)と、膨張弁で気液混合体となった冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータ5とを備える。なお、図1では、空気流れ3の上流からブロア9、フィルタユニット4、エバポレータ5の順に配置したが、フィルタユニット、エバポレータ、ブロアの順或いはフィルタユニット、ブロア、エバポレータの順に配置してもよい。
ヒータコア8は、エバポレータ5を通過した冷却後の空気流れ10を再加熱する。ヒータコア8によって加熱された空気流れ12は、非加熱の空気流れ11とエアミックスチャンバ21内で混合される。このとき、エアミックスドア7によって、ヒータコア8を通過する空気流れ12の量を調節して、エアミックスチャンバ21で混合された空気の温度調節をする。
モードドア13、14、16、17は、それぞれ空気通路22、23、25、26に空気を送るか否かの切り替えを行う。空気流れ11と空気流れ12とはエアミックスチャンバ21内で混合された後、モードドア13、14、16、17のうち開いている空気通路及び空気通路24を通過して、浄化空気吐出口としてのソフトディフュージョン(不図示)、デフロスタ(不図示)に、サイドベント(不図示)、ベント(不図示)、若しくはフット(不図示)のいずれかから車室内へ吹出される。なお、サイドベント(不図示)へ通ずる空気通路24は常時開である。また、図1では空調の吹出しモードをモードドア13、14、16、17の開閉によって切り替える装置の一形態を示したが、本発明では各空気通路へ所望の空気風量を流すことができれば、モードドアと空気通路との構成を変更してもよい。
本実施形態に係る空気調和装置100では、空気通路内にプラスイオン及びマイナスイオンを発生するイオン発生素子60を本体ケース6に配置した。イオン発生素子60を本体ケース6に配置することにより、空気調和装置100に空気清浄装置を組み込んだこととなる。空気調和装置100に組み込んだ空気清浄装置は、イオン発生素子60に電圧を印加するための電圧印加手段40を有する。
イオン発生素子60は、プラスイオン及びマイナスイオンを発生する素子で、エアミックスチャンバ21内の空気通路28に配置している。イオン発生素子60から発生した両イオンは、空気流れ12と共にエアミックスチャンバ21の下流側へ流される。エアミックスチャンバ21内の空気通路28では、空気流れ12に対する障害物が少なく、空気流れ12が乱れることがない。そのため、イオン発生素子60をこの位置に配置することで発生後のプラスイオン及びマイナスイオンとが空気流れの乱れによって攪拌されて接触機会が増加するようなこともない。よって、両イオンの結合による消失を回避することができる。そのため、効果的にプラスイオンとマイナスイオンとを車室内に排出することができる。また、空気流れに対する障害物が少ない場所として、イオン発生素子60を第2実施形態である図6に示すように、空気調和装置200のエバポレータ5下流の冷風側の空気通路29に配置することとしてもよい。
また、イオン発生素子60を第3実施形態である図7に示すように、空気調和装置300の浄化空気吐出口の1つであるサイドベント18の口際30に配置することとしてもよい。イオン発生素子60をサイドベント18の口際30に配置することで、両イオンを空気通路内で結合させることなく直接車室内に排出することができる。そのため、車室内の快適性を向上させることができる。さらに、サイドベントへ通ずる空気通路24は常時開であるため、モードドア13、14、16、17の開閉に関わらず、イオン発生素子60で発生したイオンを常に車室内に排出させることができる。この他にも、不図示のソフトディフュージョン、デフロスト、ベント又はフットの口際にイオン発生素子を配置することとしてもよく、イオン発生素子で発生したイオンを直接車室内に排出することができるため、車室内の快適性を向上させることができる。
また、第1(図1)、第2(図6)又は第3実施形態(図7)で示した位置にイオン発生素子を配置することに加え、さらにフィルタユニット4の上流側に配置することとしてもよい。また、フィルタユニット4の上流側のみにイオン発生素子を配置することとしてもよい。イオン発生素子をフィルタユニット4の上流側に配置することによりエアコン臭の原因の1つである微生物をフィルタから除去することができる。
電圧印加手段40(図1)は、イオン発生素子60に信号電圧を印加する手段である。このとき、電圧印加手段40はイオン発生素子60に印加する信号電圧の波形を制御する不図示のCPUを備えることとしてもよい。電圧印加手段40がCPU(不図示)を備えることにより、電圧印加手段40に種々の情報を入力して、入力した情報を基にイオン発生素子60を細かく駆動制御することが可能となる。ここで、電圧印加手段40にブロア9の作動信号情報41を入力することとしてもよい。作動信号情報41を入力することにより、電圧印加手段40は、ブロア9の駆動開始と共にイオン発生素子60への信号電圧の印加を開始することができる。また、電圧印加手段40に車室内のイオン発生量情報42を入力することとしてもよい。車室内のイオン発生量情報42は、例えば車室内にイオンセンサ50を設けることで取得することができる。電圧印加手段40は、イオン発生量情報42に基づいて印加電圧を制御して、イオン発生素子60からのイオン発生量を調節することができる。また、電圧印加手段40には、車室内の埃の量等の臭気情報43を入力することとしてもよい。車室内の臭気情報43は、例えば車室内にガスセンサ51を設けることによって取得することができる。電圧印加手段40は、臭気情報43に基づいて、例えば車室内の埃の量や臭気強度が一定値以下となったらイオン発生素子60の運転を停止したり弱めたりする等の制御をすることができる。
ここで、図2に、本実施形態に係るイオン発生器の概略構成図を示す。イオン発生器70は、正の電圧の印加によりプラスイオンを発生する針状陽電極61と、負の電圧の印加によりマイナスイオンを発生する針状陰電極62と、針状陽電極61及び針状陰電極62に電圧を印加する電圧印加手段40と、を有する。なお、図2に示す空気流れ12は、図面手前から奥に流れる空気流れを斜視的に記載した。また、針状陽電極61と針状陰電極62とで図1に示すイオン発生素子60となる。
針状陽電極61は、一方の端部に電圧印加部81を有し、他方の端部に曲率を小さくした針先71を有する電極である。針先71の曲率は、なるべく小さいほうがよく、例えばφ0.05mm以下とすることが望ましい。曲率をφ0.05mm以下とすることでプラスイオンを効果的に発生させることができる。また、針状陽電極61は、例えばタングステン、ステンレス、炭素鋼等の金属材料を適用することができる。針状陽電極61は、正の高電圧を印加することにより針先から陽電子を放射し、空気中の水等の分子に電荷移動が起こり、プラスイオンを発生することができる。このとき、針状陽電極61への印加電圧値は、1000V以上、より望ましくは、3000V以上とすれば、陽電子を効果的に放射することができる。また、針状陽電極61から発生するプラスイオンは、針状陽電極61への印加電圧の実効値が大きいほど単位時間に対する発生量が多く、印加時間が長くなるほど総発生量が多くなる。
針状陰電極62は、一方の端部に電圧印加部82を有し、他方の端部に曲率を小さくした針先72を有する電極である。針状陰電極62も、針状陽電極61と同様に、針先72の曲率は、なるべく小さいほうがよく、例えばφ0.05mm以下とすることが望ましい。曲率をφ0.05mm以下とすることでマイナスイオンを効果的に発生させることができる。また、針状陰電極62は、例えばタングステン、ステンレス、炭素鋼等の金属材料を適用することができる。針状陰電極62は、負の高電圧を印加することにより針先72から陰電子を放射し、空気中の水等の分子に電荷移動が起こり、マイナスイオンを発生することができる。このとき、針状陰電極62への印加電圧値は、−1000V以下、より望ましくは、−3000V以下とすれば、陰電子を効果的に放射することができる。また、針状陰電極62から発生するマイナスイオンは、針状陽電極61と同様に、針状陰電極62への印加電圧の実効値が大きいほど単位時間に対する発生量が多く、印加時間が長くなるほど総発生量が多くなる。
針状陽電極61の針先71と針状陰電極62の針先72とは、所定間隔91に離して配置することが望ましい。針先71と針先72とを所定間隔91に離すことで、プラスイオンとマイナスイオンとの発生場所が離れるため、両イオンの結合を防止することができる。そのため、両イオンを効果的に分散させることができる。また、イオン発生器70では、針先71と針先72との並びの方向が空気流れ12の方向と交差するように針状陽電極61と針状陰電極62とを配置することが望ましい。針先71、72同士を空気流れ12に対して上流、下流の関係となるように配置しないため、プラスイオンとマイナスイオンとがどのようなタイミングで発生しても、例えば一方の針先71から発生するプラスイオンが空気流れ12に流されて他方の針先72から発生するマイナスイオンと接触することを回避し、両イオンの結合を防止することができる。
電圧印加手段40は、例えば針状陽電極61及び針状陰電極62のそれぞれに印加する信号電圧の波形の基準パルスを出力する発振器44と、発振器44から出力されたパルス波73を制御するパルス制御回路45と、パルス制御回路45から出力された信号電圧74、75をそれぞれ昇圧する圧電トランス46、47とを有することで実現することができる。
発振器44は、例えば水晶発振器を例示することができる。発振周波数は、針状陽電極61及び針状陰電極62に印加する信号電圧波形の周波数よりも大きければいずれの周波数であってもよい。
パルス制御回路45は、発振器44から出力されたパルス波形の位相、振幅又は波長を制御する。本実施形態では、電圧印加手段40は、針状陽電極61に正電圧を印加することと針状陰電極62に負電圧を印加することとを交互に周期的に繰返して行うため、パルス制御回路45は、発振器44から出力された1つのパルス波73から、互いに同期した2つの信号電圧74、75を出力する。また、パルス制御回路45は、図1に示すイオン発生量情報42、臭気情報43を処理してパルス波形の位相等のパラメータを制御するためのCPU(不図示)を備えることとしてもよい。
圧電トランス46は、針状陽電極61に印加する電圧を正の高電圧とするために、パルス制御回路45から出力された信号電圧74を昇圧する。また、圧電トランス47は、針状陰極電極62に印加する電圧を負の高電圧とするために、パルス制御回路45から出力された信号電圧75を昇圧する。ここで、図3に、針状陽電極及び針状陰電極に印加する電圧波形の概略図を示す。図3において、縦軸は電圧値を示し、横軸は時間を示す。なお、電圧印加手段40は、上記の構成のみに限定されない。
針状陽電極に印加する電圧波形92は、0Vと正電圧(例えば、1500V)との繰り返し形状で、例えば、矩形波を適用することができる。また、針状陰電極に印加する電圧波形93は、0Vと負電圧(例えば、−1500V)との繰り返し形状の電圧で、電圧波形92と同様に例えば、矩形波を適用することができる。なお、図3では、繰り返し形状の波形として矩形波を記載したが、正弦波、三角波等の繰り返し形状の波形を適用することができる。ここで、電圧波形92及び電圧波形93の印加周期T1を同一とする。また、電圧波形92の印加時間83は、電圧波形92の立ち上がり点85を基準に印加周期T1の半分の値の範囲内で変更可能とし、電圧波形93の印加時間87は、電圧波形93の立ち下がり点86を基準に印加周期T1の半分の値の範囲内で変更可能とする。また、電圧値もそれぞれ適宜変更可能とする。針状陽電極及び針状陰電極は、印加される電圧の電圧値の絶対値が大きければ大きいほど単位時間に対するイオン発生量が多く、また印加時間83、87を短くするとイオンの総発生量を抑えることができるため、これらの値を可変することで、針状陽電極及び針状陰電極からのイオン発生量を調節することができる。すなわち、電圧波形92の電圧値の絶対値を大きくするとプラスイオンの単位時間に対する発生量は増加し、逆に電圧波形92の電圧値の絶対値を小さくするとプラスイオンの単位時間に対する発生量は減少する。また、電圧波形92の印加時間83を長くするとプラスイオンの総発生量は増加し、逆に電圧波形92の印加時間83を短くするとプラスイオンの総発生量は少なくなる。一方、電圧波形93の電圧値の絶対値を大きくするとマイナスイオンの単位時間に対する発生量は増加し、逆に電圧波形93の電圧値の絶対値を小さくするとマイナスイオンの単位時間に対する発生量は減少する。また、電圧波形93の印加時間87を長くするとマイナスイオンの総発生量は増加し、逆に電圧波形93の印加時間87を短くするとマイナスイオンの総発生量は少なくなる。また、電圧波形92の電圧値の絶対値、電圧波形93の電圧値の絶対値、印加時間83及び印加時間87の値の変更は任意に組み合わせて行うことができる。
ここで、図4に、プラスイオン及びマイナスイオンの発生の概略図を示す。図4(a)に本実施形態に係るイオン発生器のプラスイオン及びマイナスイオンの発生の概略図を示す。図4(b)、(c)に従来のイオン発生器のプラスイオン及びマイナスイオンの発生の概略図を示す。図4(d)に、図4(b)、(c)に示すイオン発生器への印加電圧波形の概略図を示す。図4(a)、(b)、(c)において、イオン発生器70は、図3に示す信号電圧が印加される本実施形態に係るイオン発生器である。また、イオン発生器400は、電極間に絶縁体を挟んだ構造で、図4(d)に示すパルス信号電圧の印加により、略同一箇所からプラスイオンとマイナスイオンとを同時に発生するイオン発生器である。また、イオン発生器500は、図4(d)に示すパルス信号電圧のうち、正電圧の印加によりプラスイオンを発生し、負電圧の印加によりマイナスイオンを発生する従来のイオン発生器である。なお、図4においてプラスイオンとマイナスイオンとは電圧を印加している間中発生するために、両イオンは、空気流れ12の流れ方向に印加時間分だけ流された幅をもって存在する。
図4(b)に示すように、従来のイオン発生器400では、電極間に絶縁体を挟んだ構造であるために、プラスイオンとマイナスイオンとが略同一箇所から同時に発生していた。そのため、両イオンのイオン間距離202が短く、両イオンは発生と同時に結合してしまい、両イオンの発生効率を低下させていた。また、イオン発生器400では、プラスイオン105及びマイナスイオン106のうちイオンの極性が変わる境界域206に存在する両イオンは、イオン間距離が短いために結合しやすい。このとき、従来のイオン発生器400では、印加電圧(図4(d))の波形の印加周期T2を一定値に固定してイオンを略同一箇所から一定時間ごとに発生していたために、プラスイオン105とマイナスイオン106は、空気流れ12の流速が速い場合にはイオン間距離203が長くなりプラスイオン105及びマイナスイオン106が共に疎になるため結合する割合は少ないが、空気流れ12の流速が遅い場合には、イオン間距離203が短くなりプラスイオン105及びマイナスイオン106が共に密になるため結合する割合が多くなってしまう。一方、図4(a)に示すように、本実施形態に係るイオン発生器70では、針状陽電極61への正電圧の印加と針状陰電極62への負電圧の印加とを交互に繰返す。そのため、針状陽電極61と針状陰電極62への信号電圧の印加タイミングを半波長分ずらすことで、針状陽電極61及び針状陰電極62にプラスイオン101とマイナスイオン102とを交互に時間をずらして発生させることができる。プラスイオン101とマイナスイオン102とをタイミングをずらして交互に発生するため、イオン間距離205を確保し、同時発生による両イオンの結合を回避することができる。このとき、空気流れ12の流速に応じて図3に示す正電圧及び負電圧の印加周期T1を流速が速いときには短くし且つ流速が遅いときには長くすることが望ましい。空気流れ12の流速に合わせて印加周期T1を可変することによりイオン間距離205を一定距離に保つことができる。そのため、プラスイオン及びマイナスイオンが共に密になることによる両イオンの結合を回避することができる。また、針先同士を所定間隔91に離して配置することにより、プラスイオン101とマイナスイオン102との発生場所が離れるため、イオン間距離201を確保し、両イオンが略同一箇所から発生することによる両イオンの結合をさらに防止することができる。そのため、空気通路内又は車室内に存在する微生物の減少効果を向上させ、エアコン臭の低減及び車室内の快適性を向上させることができる。また、アレルギー等の症状を改善することができる。
また、プラスイオンとマイナスイオンとを交互に発生する図4(c)に示す従来のイオン発生器500は、例えば、針状の電極にパルス電圧を印加するイオン発生器を例示できる。イオン発生器500は、図4(d)に示すパルス信号電圧の印加により略同一箇所からプラスイオン103とマイナスイオンと104とを交互に発生する。そのため、プラスイオン103及びマイナスイオン104のうちイオンの極性が変わる境界域207に存在する両イオンは、イオン間距離が短いために結合しやすい。このとき、空気流れ12の流速が速い場合にはイオン間距離204が長くなりプラスイオン103及びマイナスイオン104が共に疎となるため結合する割合は少ないが、空気流れ12の流速が遅い場合には、イオン間距離204が短くなりプラスイオン103及びマイナスイオン104が共に密となるため結合する割合が多くなってしまう。そのため、イオン発生器500においても空気流れ12の流速に応じて正電圧及び負電圧の印加周期T2を流速が速いときには短くし且つ流速が遅いときには長くする。このよう、イオンの発生場所が略同一の場所である場合でも、イオン発生器500に少なくとも印加周期を変えて電圧を印加することで、どのような流速条件下でもプラスイオン103とマイナスイオン104とのイオン間距離204を一定距離に保つことができる。そのため、両イオンの結合の割合を減少させ、分散状態を一定に保つことができる。
このとき、図3に示す印加周期T
1(s)と空気流れ12の流速v(m/s)とイオン間距離L(mm)との関係は、数1によって表すことができる。
数1において、例えばv=10(m/s)、L=0.5mmとする場合、T1=1.0×10―4(s)(印加周波数10kHz)となる。このようにして印加周期T1を空気流れ12の流速に合わせて変えることで、図4(a)に示すプラスイオン101とマイナスイオン102とのイオン間距離205を所定距離に保つことができる。そのため、どのような流速条件においても両イオンの結合を防止し、分散状態を一定に保つことができる。
空気流れ12の流速は、例えば翼の回転数により流速を算出する回転式流速計、流れによる風圧と大気圧との差から流速を算出する風圧式流速計、流れがある空気中を一定距離伝わる超音波の時間と流れがない空気中を一定距離伝わる超音波の時間との差から流速を算出する超音波式流速計又は流れがある空気中の温度と外気温との差から流速を算出する熱式流速計等の流速計によって計測することができる。いずれの流速計も簡単な構成によって実現できるが、図1に示すブロアの回転数によっても流速を算出することができる。空気流れ12の流速は、ブロア9の回転数が大きければ速く、ブロア9の回転数が小さければ遅くなる。また、ブロア9の回転数は、ブロア9の作動信号の電圧値若しくは電流値が上昇するに従って大きく、ブロア9の作動信号の電圧値若しくは電流値が下降するにしたがって小さくなるためである。そのため、図1に示す電圧印加手段40は、ブロア9の作動信号情報41を取得し、作動信号情報41に基づいて、ブロア9の作動信号の電圧値若しくは電流値が上昇するに従って図3に示す印加周期T1を共に短くし、且つブロア9の作動信号の電圧値若しくは電流値が下降するに従って印加周期T1を共に長くすることが望ましい。電圧印加手段40にブロア9の作動信号情報41を入力することにより、流速計を別途設ける必要がなくなる。
また、電圧印加手段40が図1に示すイオン発生量情報42を取得する場合、電圧印加手段40は、イオン発生量情報42に基づいて、図3に示す電圧波形92の電圧値若しくは印加時間83又は電圧波形93の電圧値若しくは印加時間87の4つのパラメータのうち少なくとも1つの値をプラスイオン及びマイナスイオンの浄化空気吐出口からの排出量が略同量となる値に設定することが望ましい。このような値に設定することで、プラスイオンとマイナスイオンとを最適なイオンバランスに保つことができる。
ここで、図2に示すイオン発生器70の制御手順について図1、図2、図3、図5を参照して説明する。乗員が乗り込みイグニションをONとして空調が稼動されると共にエンジンスタートした場合を想定する。図5に、イオン発生器70の制御フローの1例を示す。図5に示す制御フローは、例えば、図1に示す電圧印加手段40が備えたCPU(不図示)によって実行する。まず、最初のステップS1で、図1に示す作動信号情報41としてのブロア9のブロア作動電圧情報を取得する。なお、本実施形態では、作動信号情報41として、ブロア9のブロア作動電圧情報を取得する形態を示すが、作動信号情報41としてブロア作動電流情報を取得することとしてもよい。このブロア作動電圧情報を基に、図3に示す印加周期T1をブロア作動電圧値と定数K1との掛け算した値に設定する(ステップS2)。次に、ステップS3で、車室内に設けたイオンセンサ50(図1)から出力されるイオン発生量情報42を取得し、次のステップへ進む。
ステップS4で、ステップS3で取得したイオン発生量情報を基に、プラスイオン数とマイナスイオン数とが所定量C1を超えているかを判定する。所定量C1は、例えば2000個/ccとする。プラスイオン数とマイナスイオン数とのうち一方でも所定量C1を超えていない場合には、図3に示す電圧波形92の正電圧値と電圧波形93の負電圧値とを最大値±VMAX(例えば、±VMAX=±1500V)に設定してイオン発生器を最大駆動する(ステップS5)。プラスイオン数及びマイナスイオン数が共に所定量C1を超えた場合には、ステップS6で正電圧値と負電圧値とを例えば最大値±VMAXの半分の値に設定してイオン発生器を安定駆動する。なお、ステップS4においてプラスイオン数とマイナスイオン数とのいずれの値が所定量C1を超えているかを判定して、ステップS5において所定量C1を超えていない方の電圧値のみを最大値に設定し、所定量C1を超えている方の電圧値を最大値の半分の値に設定することとしてもよい。プラスイオン数及びマイナスイオン数を共に所定量C1を超えさせることが目的であるためである。
以下は、プラスイオンとマイナスイオンとの排出量を同量とするためのステップである。まず、ステップS3で取得したイオン発生量情報を基に、ステップS7でプラスイオン数とマイナスイオン数との差を計算してパラメータSに代入する。次に、パラメータSが0以上であるか判定する(ステップS8)。パラメータSが0以上である場合、プラスイオン数がマイナスイオン数以上であるため、ステップS9で負電圧の絶対値を設定値からさらに大きく設定してマイナスイオンの発生量を増やすようにする。同時に、ステップS10で正電圧を設定値から小さく下げて設定してプラスイオンの発生量を抑えるようにする。負電圧及び正電圧は、ステップS9、S10に示すように、定数K2とパラメータSの絶対値との掛け算した値を負電圧及び正電圧から減算することで設定することができる。一方、パラメータSが0より小さい場合、プラスイオン数がマイナスイオン数より少ないため、ステップS11で正電圧の絶対値を設定値からさらに大きく設定してプラスイオンの発生量を増やすようにする。同時に、ステップS12で負電圧を設定値から上げて設定してマイナスイオンの発生量を抑えるようにする。負電圧及び正電圧は、ステップS11、S12に示すように、定数K2とパラメータSの絶対値との掛け算した値を負電圧及び正電圧に加算することで設定することができる。このように正電圧及び負電圧を設定した後、ステップS13で再び車室内に設けたイオンセンサ50(図1)から出力されるイオン発生量情報42を取得する。なお、本実施形態では、プラスイオン数とマイナスイオン数とを同数とするために、ステップS9、S10、S11、S12において正電圧及び負電圧を可変させたが、図3に示す印加時間83、87を可変することとしてもよい。すなわち、プラスイオンの発生量を多くする場合は印加時間83を長くし、プラスイオンの発生量を少なくする場合は印加時間83を短くする。また、マイナスイオンの発生量を多くする場合は印加時間87を長くし、マイナスイオンの発生量を少なくする場合は印加時間87を短くする。
次に、ステップS14において、ステップS13で取得したイオン発生量情報を基に、プラスイオン数とマイナスイオン数とが所定量C1を超えているかを判定する。プラスイオン数とマイナスイオン数とのうち一方でも所定量C1より下がってしまった場合には、正電圧値と負電圧値とを最大値±VMAXに再設定してイオン発生器を最大駆動する(ステップS5)。一方、プラスイオン数及びマイナスイオン数が共に所定量C1を超えている場合には、図1に示す車室内に設けたガスセンサ51から臭気情報43を取得する(ステップS15)。取得した臭気情報43を基に、臭気強度が一定値C2より小さくなった場合には、イオン発生器の駆動を終了し、臭気強度が一定値C2以上である場合には、ステップS7に戻り、安定駆動を続ける(ステップS16)。
ここで、図1を参照しながら空気調和装置100の使用方法を説明する。ブロア9を駆動すると、空気吸気口10aのうち開いた側から空気通路19内に、空気が取り込まれ、空気流れ2を形成する。これと同時期に、電圧印加手段40は、イオン発生素子60に正電圧と負電圧とを交互に印加してプラスイオンとマイナスイオンとを空気通路28内に交互に発生させる。
ブロア9から吐出された空気流れ3は、フィルタユニット4で清浄化され、エバポレータ5により冷却される。エバポレータ5を通過した空気流れ10は、エアミックスドア7の調節により一部が空気流れ12としてヒータコア8で加熱され、一部が非加熱の空気流れ11となる。空気流れ12は、イオン発生素子60から発生するプラスイオン及びマイナスイオンと共にエアミックスチャンバ21内で、空気流れ11と共に混合される。このとき、電圧印加手段40がブロア9から作動信号情報41を取得する構成とすれば、空気流れ12の流速に合わせてプラスイオンとマイナスイオンとの発生タイミングを変えることができるため両イオンの結合を防止し、両イオンを効果的に車室内に排出することができる。空気流れ11、空気流れ12、プラスイオン及びマイナスイオンを混合後、モードドア13、14、16、17のうち開いている空気通路及び空気通路24を通過して、浄化空気吐出口としてのソフトディフュージョン(不図示)、デフロスタ(不図示)に、サイドベント(不図示)、ベント(不図示)、若しくはフット(不図示)のいずれかから車室内へ吹出される。このとき、電圧印加手段40が、車室内に設けたイオンセンサ50からイオン発生量情報42を取得する構成とすれば、イオン発生素子60から車室内のプラスイオン及びマイナスイオンの発生量が同量となるようにプラスイオンとマイナスイオンとを交互に空気通路28内に発生させることができる。その結果、車室内を最適なイオンバランスに保つことができる。車室内に吹出されたプラスイオン及びマイナスイオンによって車室内に存在する微生物や臭いが除去される。そのため、車室内の快適性を向上させ、アレルギーの防止にもなる。このとき、電圧印加手段40が、車室内に設けたガスセンサ51から臭気情報43を取得する構成とすれば、車室内の埃量や臭気強度が一定値以下となった場合にイオン発生素子60からイオンの発生を停止させたり弱めたりすることができるため、イオン発生素子60の過度の駆動を防止することができる。