JP2005241516A - 車両用表示装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者に煩わしさを感じさせないで、事故多発地点または区間における注意喚起情報を運転者に表示する。
【解決手段】自車両の現在位置を検出する自車両位置検出装置1と、自車両位置検出装置1で検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故多発地点・区間データベース2と、事故多発地点・区間データベース2から出力される事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御装置3と、注意喚起表示制御装置3から出力される注意喚起画像を表示するHUD4とを有し、注意喚起表示制御装置3は、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】自車両の現在位置を検出する自車両位置検出装置1と、自車両位置検出装置1で検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故多発地点・区間データベース2と、事故多発地点・区間データベース2から出力される事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御装置3と、注意喚起表示制御装置3から出力される注意喚起画像を表示するHUD4とを有し、注意喚起表示制御装置3は、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両に搭載される車両用表示装置および方法に関する。
車両が走行する地点における運転注意事項を当該車両の運転者に通知し、該運転者に注意を促す車両用表示装置として、例えば下記特許文献1記載の「車両用ナビゲーションシステム」が提案されている。
本従来例では、データベース装置に所定の地点における過去の交通事故データに基づく注意情報を有しており、車両が所定の地点に近づいたときに、例えば「二輪車の巻き込みに注意」等の該当する運転注意事項を、車両の運転者に表示や音声で通知するものである。
本従来例では、データベース装置に所定の地点における過去の交通事故データに基づく注意情報を有しており、車両が所定の地点に近づいたときに、例えば「二輪車の巻き込みに注意」等の該当する運転注意事項を、車両の運転者に表示や音声で通知するものである。
しかしながら、このような従来の車両用表示装置では、運転注意事項の通知が必要な地点、所謂、事故多発地点は、特に、都市において密集して存在する場合があり、このような区間を走行している間、運転注意事項の通知が頻繁に行われることになり、通常の表示方法では、煩わしくて使用に堪えないという問題があった。
また、所定の地点における運転注意事項が、単一の注意対象物に限定されているため、運転者は、通知された注意対象物のみに注意を払うようになり、他の対象物に対しては、注意が払われにくくなるという問題があった。例えば上記の例のように「二輪車の巻き込みに注意」という注意事項が通知された場合、運転者は、側方に存在する二輪車には注意が向くが、その他の対象物、例えば、横断中の歩行者に対する注意が疎かになる場合がある。特に、運転注意事項が、統計データに基づき、確率的に対象物が限定されている場合、実際には、該対象物が存在しないことも多い。その場合は、運転者が該対象物を探索する可能性があり、その他の対象物に対する注意は、ますます払われにくくなる可能性がある。この問題を解決するためには、まず、注意対象物を限定しない「左折時注意」等の漠然とした注意喚起の通知が考えられるが、対象物が限定されない分、注意喚起の効果は低くなる。さらに、車両周囲をセンサ類で監視して、実際に存在する対象物に対する注意喚起情報を通知する方法も考えられるが、この場合、システムが複雑、高価になる。
このような従来技術の問題を鑑み、本発明では、運転者に煩わしさを感じさせないで、事故多発地点または区間における注意喚起情報を運転者に表示することができる車両用表示装置および方法を提供することにある。
また、所定の地点における運転注意事項が、単一の注意対象物に限定されているため、運転者は、通知された注意対象物のみに注意を払うようになり、他の対象物に対しては、注意が払われにくくなるという問題があった。例えば上記の例のように「二輪車の巻き込みに注意」という注意事項が通知された場合、運転者は、側方に存在する二輪車には注意が向くが、その他の対象物、例えば、横断中の歩行者に対する注意が疎かになる場合がある。特に、運転注意事項が、統計データに基づき、確率的に対象物が限定されている場合、実際には、該対象物が存在しないことも多い。その場合は、運転者が該対象物を探索する可能性があり、その他の対象物に対する注意は、ますます払われにくくなる可能性がある。この問題を解決するためには、まず、注意対象物を限定しない「左折時注意」等の漠然とした注意喚起の通知が考えられるが、対象物が限定されない分、注意喚起の効果は低くなる。さらに、車両周囲をセンサ類で監視して、実際に存在する対象物に対する注意喚起情報を通知する方法も考えられるが、この場合、システムが複雑、高価になる。
このような従来技術の問題を鑑み、本発明では、運転者に煩わしさを感じさせないで、事故多発地点または区間における注意喚起情報を運転者に表示することができる車両用表示装置および方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、自車両の現在位置を検出する自車両位置検出手段と、検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故情報出力手段と、前記事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御手段と、出力される前記注意喚起情報を表示する表示手段とを有し、前記注意喚起表示制御手段は、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、前記注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御するという構成になっている。
本発明によれば、運転者に煩わしさを感じさせないで、事故多発地点または区間における注意喚起情報を運転者に表示することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
実施の形態1
《車両用表示装置の構成》
本実施の形態1は、自車両に搭載される車両用表示装置であって、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を自車両内部のデータベースに記憶し、GPS(Global Positioning System)測位を用いたナビゲーション装置から出力される自車両の現在位置情報、および事故多発地点または区間の位置情報とから、自車両が事故多発地点または区間を走行していると判断された場合、事故統計情報に基づいて生成される運転者の注意を喚起するための注意喚起画像を、運転座席の正面に設置されたHUD(Head Up Display)に運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示する。これにより、運転者が有する一連の安全確認行動パターンを活性化させ、実際の状況に応じた安全確認行動が素早く行われるようにし、かつ、運転者に煩わしさを感じさせないようにする、実用的な注意喚起画像呈示用の車両用表示装置および方法を提供するものである。
図1は、本実施の形態1の車両用表示装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は自車両位置検出装置、11はGPS受信機、12はナビゲーション装置、2は事故多発地点・区間データベース、3は注意喚起表示制御装置、4はHUD(ヘッドアップディスプレイ)である。
自車両位置検出装置1は、GPS受信機11とナビゲーション装置12とから構成され、注意喚起表示制御装置3に、自車両の現在位置を出力する。事故多発地点または区間(すなわち、事故多発地点・区間)の情報出力手段である事故多発地点・区間データベース2は、車載のハードディスクまたはDVD(Digital Versatile Disk)−ROM(Read Only Memory)のような大容量記憶装置に格納されたデータベースであり、注意喚起表示制御装置3により、事故多発地点・区間の位置情報および事故統計情報が読み出される。
実施の形態1
《車両用表示装置の構成》
本実施の形態1は、自車両に搭載される車両用表示装置であって、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を自車両内部のデータベースに記憶し、GPS(Global Positioning System)測位を用いたナビゲーション装置から出力される自車両の現在位置情報、および事故多発地点または区間の位置情報とから、自車両が事故多発地点または区間を走行していると判断された場合、事故統計情報に基づいて生成される運転者の注意を喚起するための注意喚起画像を、運転座席の正面に設置されたHUD(Head Up Display)に運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示する。これにより、運転者が有する一連の安全確認行動パターンを活性化させ、実際の状況に応じた安全確認行動が素早く行われるようにし、かつ、運転者に煩わしさを感じさせないようにする、実用的な注意喚起画像呈示用の車両用表示装置および方法を提供するものである。
図1は、本実施の形態1の車両用表示装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は自車両位置検出装置、11はGPS受信機、12はナビゲーション装置、2は事故多発地点・区間データベース、3は注意喚起表示制御装置、4はHUD(ヘッドアップディスプレイ)である。
自車両位置検出装置1は、GPS受信機11とナビゲーション装置12とから構成され、注意喚起表示制御装置3に、自車両の現在位置を出力する。事故多発地点または区間(すなわち、事故多発地点・区間)の情報出力手段である事故多発地点・区間データベース2は、車載のハードディスクまたはDVD(Digital Versatile Disk)−ROM(Read Only Memory)のような大容量記憶装置に格納されたデータベースであり、注意喚起表示制御装置3により、事故多発地点・区間の位置情報および事故統計情報が読み出される。
《事故多発地点・区間データベースのデータフォーマット》
図2(a)、(b)は、本実施の形態1の事故多発地点・区間データベース2のデータフォーマットの例を示す図で、(a)は位置情報、(b)は事故統計情報を示す。
事故多発地点・区間データベース2は、図2のような形式で事故多発地点・区間の位置情報と事故統計情報を格納している。まず、位置情報は、図2(a)に示すように、ID番号(識別番号)、事故多発地点・区間の種別、代表点の位置座標、複数の補間点の位置座標に関するフォーマット(書式)で構成される。なお、事故多発地点・区間の種別は、交差点もしくは単路を識別するデータであり、交差点の場合は、交差点中心付近の位置座標が続けて記入される。単路の場合は、該道路区間の開始点、単数もしくは複数の変曲点、終了点の位置座標が、代表点、複数の補間点に順に記入される。事故統計情報については、各事故多発地点(交差点)・区間(単路)について、図2(b)に示すような事故発生場面と事故相手種別の分類からなるクロス集計表形式のフォーマットで構成される。この事故統計情報は、該地点または区間で、車両が加害者となった過去の事故を集計したものである。事故発生場面は、事故発生時の車両運行状況であり、一部、事故の発生状況に関する記述も含まれている。運行状況としては、左折時、右折時、進入時、巡行時であるが、進入時の事故発生状況として「出会い頭」と表現し、巡行時の事故発生状況として「追突」と「正面衝突」と2つに分けて表現している。一方、事故相手種別は、車両が引き起こした事故の被害者の分類である。位置情報と事故統計情報は、ID番号により関連づけが行われる。
図2(a)、(b)は、本実施の形態1の事故多発地点・区間データベース2のデータフォーマットの例を示す図で、(a)は位置情報、(b)は事故統計情報を示す。
事故多発地点・区間データベース2は、図2のような形式で事故多発地点・区間の位置情報と事故統計情報を格納している。まず、位置情報は、図2(a)に示すように、ID番号(識別番号)、事故多発地点・区間の種別、代表点の位置座標、複数の補間点の位置座標に関するフォーマット(書式)で構成される。なお、事故多発地点・区間の種別は、交差点もしくは単路を識別するデータであり、交差点の場合は、交差点中心付近の位置座標が続けて記入される。単路の場合は、該道路区間の開始点、単数もしくは複数の変曲点、終了点の位置座標が、代表点、複数の補間点に順に記入される。事故統計情報については、各事故多発地点(交差点)・区間(単路)について、図2(b)に示すような事故発生場面と事故相手種別の分類からなるクロス集計表形式のフォーマットで構成される。この事故統計情報は、該地点または区間で、車両が加害者となった過去の事故を集計したものである。事故発生場面は、事故発生時の車両運行状況であり、一部、事故の発生状況に関する記述も含まれている。運行状況としては、左折時、右折時、進入時、巡行時であるが、進入時の事故発生状況として「出会い頭」と表現し、巡行時の事故発生状況として「追突」と「正面衝突」と2つに分けて表現している。一方、事故相手種別は、車両が引き起こした事故の被害者の分類である。位置情報と事故統計情報は、ID番号により関連づけが行われる。
注意喚起表示制御装置3は、記憶装置、演算回路、入出力装置、情報発生装置から構成される制御装置であり、ナビゲーション装置12から入力される自車両の現在位置に基づき、事故多発地点・区間データベース2を検索して、自車両が事故多発地点または区間上を走行しているか否かを判定し、走行している場合は、後述するロジックに従って、事故統計情報に基づく注意喚起情報を生成し、注意喚起画像を運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間でHUD4に出力する。
図3は、本実施の形態1のHUD4の投影面を示す斜視図である。
図3において、21はハンドル、22はフロントガラス、23はルームミラー、41はHUD4(図1)の投影面である。
HUD4は、運転者の正面のフロントガラス22に虚像を投影する表示装置であり、外景に表示画像を重畳することが可能である。図3に示すように投影面(コンバイナ)41は、運転者が正面を向いた状態における消失点を中心に左右約20°程度をカバーする。投影面41は、裏面反射を防ぐために、透明な表面反射コーティングが施されており、投影される虚像が2重像とならないようになっている。HUD4の表示ユニットは、インストルメントパネル内部に搭載されている。
図3において、21はハンドル、22はフロントガラス、23はルームミラー、41はHUD4(図1)の投影面である。
HUD4は、運転者の正面のフロントガラス22に虚像を投影する表示装置であり、外景に表示画像を重畳することが可能である。図3に示すように投影面(コンバイナ)41は、運転者が正面を向いた状態における消失点を中心に左右約20°程度をカバーする。投影面41は、裏面反射を防ぐために、透明な表面反射コーティングが施されており、投影される虚像が2重像とならないようになっている。HUD4の表示ユニットは、インストルメントパネル内部に搭載されている。
《処理フロー》
次に、注意喚起表示装置3における注意喚起情報の生成方法、並びに注意喚起画像の出力方法について、図4のフローチャートに従って説明する。図4は、本実施の形態1の注意喚起表示制御装置3の処理フローを示す図である。
まず、S401の分岐判断において、ナビゲーション装置12から入力された自車両の現在位置座標により、事故多発地点・区間データベース2を検索し、現在位置から所定の半径(例えば50m)の円内に事故多発地点(交差点)または区間(単路)が存在するか否かを計算し、存在する場合は、現在位置が事故多発地点または区間上と判定する。交差点の場合は、現在位置座標と図2(a)の代表点座標の2点間の距離が所定の半径以下であるかを判定すればよく、単路の場合は、現在位置座標と図2(a)の代表点および各補完点を結ぶ直線群との最短距離が所定の半径以下であるかを判定すればよい。ただし、この処理を、事故多発地点・区間データベース2の全てのデータ(図2においてID番号)について毎回実施すると、計算負荷が高くなり、リアルタイム性が確保できなくなる可能性があるため、ナビゲーション装置12における地図管理コード(例えばマップコード)と事故多発地点・区間データベース2のID番号との対応付けを予め記憶しておき、現在位置が含まれる地図管理コードに対応する事故多発地点・区間データベース2のID番号についてのみ、前述の判定処理を実施すれば、計算負荷を低く抑えることができる。判定処理の結果、現在位置が事故多発地点または区間上と判定された場合は、S402へ進み、その他の場合は、S407へ進む。
S401において、現在位置が事故多発地点または区間上と判定された場合は、S402において、該当する事故多発地点または区間の事故統計情報(図2(b)の対応するID番号のデータ)を読み込む。
次に、注意喚起表示装置3における注意喚起情報の生成方法、並びに注意喚起画像の出力方法について、図4のフローチャートに従って説明する。図4は、本実施の形態1の注意喚起表示制御装置3の処理フローを示す図である。
まず、S401の分岐判断において、ナビゲーション装置12から入力された自車両の現在位置座標により、事故多発地点・区間データベース2を検索し、現在位置から所定の半径(例えば50m)の円内に事故多発地点(交差点)または区間(単路)が存在するか否かを計算し、存在する場合は、現在位置が事故多発地点または区間上と判定する。交差点の場合は、現在位置座標と図2(a)の代表点座標の2点間の距離が所定の半径以下であるかを判定すればよく、単路の場合は、現在位置座標と図2(a)の代表点および各補完点を結ぶ直線群との最短距離が所定の半径以下であるかを判定すればよい。ただし、この処理を、事故多発地点・区間データベース2の全てのデータ(図2においてID番号)について毎回実施すると、計算負荷が高くなり、リアルタイム性が確保できなくなる可能性があるため、ナビゲーション装置12における地図管理コード(例えばマップコード)と事故多発地点・区間データベース2のID番号との対応付けを予め記憶しておき、現在位置が含まれる地図管理コードに対応する事故多発地点・区間データベース2のID番号についてのみ、前述の判定処理を実施すれば、計算負荷を低く抑えることができる。判定処理の結果、現在位置が事故多発地点または区間上と判定された場合は、S402へ進み、その他の場合は、S407へ進む。
S401において、現在位置が事故多発地点または区間上と判定された場合は、S402において、該当する事故多発地点または区間の事故統計情報(図2(b)の対応するID番号のデータ)を読み込む。
次に、S403において、事故統計情報のうち、事故発生場面の小計が所定の発生件数を越えているものを抽出する。例えば、所定の件数を5件とすると、図2(b)の例では、「左折時」と「追突」が抽出される。所定の件数とは、注意喚起を必要と判断する件数であり、事故統計情報が過去何年のデータが蓄積されているかによって設定すべき件数は変わってくる。また、事故多発地点・区間として登録される段階において、既に、発生件数に関する条件が適用されている、すなわち、所定の発生件数以上の事故が記録された地点・区間を事故多発地点・区間として登録する場合は、所定の発生率によって注意喚起を必要と判断する方法も有効である。この場合は、図2(b)の発生率が所定の値を超えている事故発生場面を抽出することになる。
所定の発生件数を超える事故発生場面が抽出されれば、S404に進み、一つも抽出されなかった場合は、S407へ進む。
所定の発生件数を超える事故発生場面が抽出されれば、S404に進み、一つも抽出されなかった場合は、S407へ進む。
S404の分岐判断では、S403において抽出された事故発生場面が一つの場合は、S405へ、複数存在する場合は、S406へ移行する。
S405では、S403において抽出された事故発生場面が一つの場合、すなわち、注意喚起を必要とする事故発生場面が一つの場合に、該事故発生場面についての注意喚起情報の生成並びに注意喚起画像の出力を行う。
まず、注意喚起情報を生成するために、事故多発地点・区間データベースにおける該当する事故統計情報から、該当する事故発生場面における事故相手種別の中で、最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を一つ抽出する。例えば、図2(b)を例として、該当する事故発生場面が「左折時」のみだったとすると、左折時の事故相手種別の中で最も件数の多い、「自転車」を抽出する。この例では、「自転車」と「歩行者」が同数の4件であるが、このような場合は、任意に一方を選択すればよい。このようにして、最も確率の高い事故相手種別を一つ抽出し、注意喚起情報として、事故発生場面と事故相手種別との組合せによる内容を作成する。例えば、「左折時自転車注意」とする。
S405では、S403において抽出された事故発生場面が一つの場合、すなわち、注意喚起を必要とする事故発生場面が一つの場合に、該事故発生場面についての注意喚起情報の生成並びに注意喚起画像の出力を行う。
まず、注意喚起情報を生成するために、事故多発地点・区間データベースにおける該当する事故統計情報から、該当する事故発生場面における事故相手種別の中で、最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を一つ抽出する。例えば、図2(b)を例として、該当する事故発生場面が「左折時」のみだったとすると、左折時の事故相手種別の中で最も件数の多い、「自転車」を抽出する。この例では、「自転車」と「歩行者」が同数の4件であるが、このような場合は、任意に一方を選択すればよい。このようにして、最も確率の高い事故相手種別を一つ抽出し、注意喚起情報として、事故発生場面と事故相手種別との組合せによる内容を作成する。例えば、「左折時自転車注意」とする。
次に、HUD4に表示する注意喚起画像を作成する。注意喚起画像は、前述の事故発生場面と事故相手種別との組合せによる内容を、例えばそのまま言語(文字)で表現する。前述の例では、「左折 自転車注意」とする。本実施の形態1では言語表現としたが、同様の内容を示すアイコンで表現しても、同様の効果を得ることができる。
注意喚起画像の表示位置は、HUD4に出力することを想定し、運転者の正面に対して、事故発生場面が意味する側(該事故発生場面が発生するとしたら、該事故発生場面が存在する側)にオフセットさせて表示する。図5(a)、(b)は、本実施の形態1における注意喚起画像の表示位置を示す図である。図5において、42、43は注意喚起画像、44はインジケータ表示(後で詳述)である。
例えば左折時の場合は、図5(a)に示すように注意喚起画像42は左側にオフセットさせ、追突の場合は、図5(b)のように注意喚起画像43を正面に(オフセットさせないで)表示する。図2(b)の事故発生場面の分類では、「左折時」は左側オフセット、「右折時」は右側オフセット、「出会い頭」、「追突」、「正面衝突」は正面に表示する。これにより、実際の運転状況において、運転者が視線を向ける側に、対応する事故発生場面に関する注意喚起画像が表示されることになり、注意喚起情報が、運転者の視野の中心に入りやすくなる。
注意喚起画像の表示位置は、HUD4に出力することを想定し、運転者の正面に対して、事故発生場面が意味する側(該事故発生場面が発生するとしたら、該事故発生場面が存在する側)にオフセットさせて表示する。図5(a)、(b)は、本実施の形態1における注意喚起画像の表示位置を示す図である。図5において、42、43は注意喚起画像、44はインジケータ表示(後で詳述)である。
例えば左折時の場合は、図5(a)に示すように注意喚起画像42は左側にオフセットさせ、追突の場合は、図5(b)のように注意喚起画像43を正面に(オフセットさせないで)表示する。図2(b)の事故発生場面の分類では、「左折時」は左側オフセット、「右折時」は右側オフセット、「出会い頭」、「追突」、「正面衝突」は正面に表示する。これにより、実際の運転状況において、運転者が視線を向ける側に、対応する事故発生場面に関する注意喚起画像が表示されることになり、注意喚起情報が、運転者の視野の中心に入りやすくなる。
図6(a)〜(c)は、本実施の形態1における注意喚起画像の表示シーケンスを示す図である。注意喚起画像の表示シーケンスは、図6(a)〜(c)に示す通りである。図6(b)において45はノイズ画像である。
運転者の意識に上らせないよう、閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示を実施するため、まず、図6(a)に示すように、150msec程度の間、文字列からなる注意喚起画像42を表示する。その後、逆行性マスキングのために、文字列からなる注意喚起画像42が表示されていた箇所に、図6(b)に示すように、ドット列からなるノイズ画像45を、50msec程度の間表示する。このドット列は、各一文字表示範囲の4隅に点を配置したもので、感覚貯蔵庫にバッファリングされた文字列からなる注意喚起画像42の情報を、効果的に上書き消去することができる。このノイズ画像45は、50msec程度の短時間表示されるため、ノイズ画像45自体を運転者が意識することはほとんどなく、逆行性マスキングの効果により、先行刺激である図6(a)の注意喚起画像42の表示も、運転者に意識されなくなる。次に、図6(c)に示すように、800msec程度のインターバルを経て(a)の注意喚起画像42と(b)のノイズ画像45の繰り返し表示を行う。つまり、表示の繰り返し周期は、150msec+50msec+800msec=約1secとなる。また、この繰り返し表示が行われている間、表示が行われていることを運転者に意識させるための作動表示として、例えば丸形のインジケータ表示44をHUD4の表示領域の下部に連続表示する。このインジケータ表示44は、運転者の注意を引き過ぎないように、サイズ、色、形状を抑えるべきであり、具体的には、視覚にして5mrad以下、緑系または青系の色、鋭角な角がない丸形、四角形がよい。このような作動表示により、運転者は、注意喚起画像42の表示自体は意識できないものの、注意喚起画像42が表示されていることを意識できるようになり、HUD4の表示領域方向、すなわち、前方に軽く注意が向けられ、注意喚起画像42の閾下知覚が確実に行われるようになる。また、本実施の形態1では、作動表示をHUD4の表示領域に画像として表示したが、HUD4とは別にLED(Light Emitting Diode。発光ダイオード)等の専用インジケータを設け、注意喚起画像42の繰り返し表示が行われている間、点灯させる方式としてもよい。
運転者の意識に上らせないよう、閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示を実施するため、まず、図6(a)に示すように、150msec程度の間、文字列からなる注意喚起画像42を表示する。その後、逆行性マスキングのために、文字列からなる注意喚起画像42が表示されていた箇所に、図6(b)に示すように、ドット列からなるノイズ画像45を、50msec程度の間表示する。このドット列は、各一文字表示範囲の4隅に点を配置したもので、感覚貯蔵庫にバッファリングされた文字列からなる注意喚起画像42の情報を、効果的に上書き消去することができる。このノイズ画像45は、50msec程度の短時間表示されるため、ノイズ画像45自体を運転者が意識することはほとんどなく、逆行性マスキングの効果により、先行刺激である図6(a)の注意喚起画像42の表示も、運転者に意識されなくなる。次に、図6(c)に示すように、800msec程度のインターバルを経て(a)の注意喚起画像42と(b)のノイズ画像45の繰り返し表示を行う。つまり、表示の繰り返し周期は、150msec+50msec+800msec=約1secとなる。また、この繰り返し表示が行われている間、表示が行われていることを運転者に意識させるための作動表示として、例えば丸形のインジケータ表示44をHUD4の表示領域の下部に連続表示する。このインジケータ表示44は、運転者の注意を引き過ぎないように、サイズ、色、形状を抑えるべきであり、具体的には、視覚にして5mrad以下、緑系または青系の色、鋭角な角がない丸形、四角形がよい。このような作動表示により、運転者は、注意喚起画像42の表示自体は意識できないものの、注意喚起画像42が表示されていることを意識できるようになり、HUD4の表示領域方向、すなわち、前方に軽く注意が向けられ、注意喚起画像42の閾下知覚が確実に行われるようになる。また、本実施の形態1では、作動表示をHUD4の表示領域に画像として表示したが、HUD4とは別にLED(Light Emitting Diode。発光ダイオード)等の専用インジケータを設け、注意喚起画像42の繰り返し表示が行われている間、点灯させる方式としてもよい。
S406では、S403において抽出された事故発生場面が複数の場合、すなわち、注意喚起を必要とする事故発生場面が複数の場合に、各事故発生場面についての注意喚起情報の生成並びに注意喚起画像の出力を行う。
まず、注意喚起情報を生成するために、事故多発地点・区間データベースにおける該当する事故統計情報から、該当する各々の事故発生場面における事故相手種別の中で、最も件数の多い事故相手種別を一つ抽出する。例えば、図2(b)を例として、該当する事故発生場面が「左折時」と「追突」だったとする。「左折時」に対し、左折時の事故相手種別の中で最も件数の多い「自転車」を抽出する。また、「追突」に対し、追突時の事故相手種別の中で最も件数の多い「四輪車両」を抽出する。このようにして、各々の事故発生場面に対して、最も確率の高い事故相手種別を一つずつ抽出し、注意喚起情報として、事故発生場面と事故相手種別の組合せによる内容を各々作成する。例えば、「左折時自転車注意」と、「追突先行車注意」とする。
注意喚起画像の表示位置は、S405の単独表示と同様、HUD4に出力することを想定し、運転者の正面に対して、事故発生場面が意味する側にオフセットさせて表示する。
まず、注意喚起情報を生成するために、事故多発地点・区間データベースにおける該当する事故統計情報から、該当する各々の事故発生場面における事故相手種別の中で、最も件数の多い事故相手種別を一つ抽出する。例えば、図2(b)を例として、該当する事故発生場面が「左折時」と「追突」だったとする。「左折時」に対し、左折時の事故相手種別の中で最も件数の多い「自転車」を抽出する。また、「追突」に対し、追突時の事故相手種別の中で最も件数の多い「四輪車両」を抽出する。このようにして、各々の事故発生場面に対して、最も確率の高い事故相手種別を一つずつ抽出し、注意喚起情報として、事故発生場面と事故相手種別の組合せによる内容を各々作成する。例えば、「左折時自転車注意」と、「追突先行車注意」とする。
注意喚起画像の表示位置は、S405の単独表示と同様、HUD4に出力することを想定し、運転者の正面に対して、事故発生場面が意味する側にオフセットさせて表示する。
図7(a)〜(f)は、本実施の形態1における注意喚起を必要とする事故発生場面が複数の場合の、注意喚起画像の表示シーケンスを示す図である。注意喚起画像の表示シーケンスは、図7(a)〜(f)に示す通りである。基本的には、S405の単独表示と同様であるが、注意喚起情報が複数存在するため、時分割で各々の注意喚起画像を表示する。まず、文字列からなる左折時の注意喚起画像42を150msec程度の間表示し(図7(a))、その後、逆行性マスキングのために、文字列からなる注意喚起画像42が表示されていた箇所に、ドット列からなるノイズ画像45を50msec程度の間表示する(図7(b))。その後、300msecのインターバルを経て(図7(c))、文字列からなる追突に関する注意喚起画像43を150msec程度の間表示し(図7(d))、その後、逆行性マスキングのために、文字列からなる注意喚起画像43が表示されていた箇所に、ドット列からなるノイズ画像46を50msec程度の間表示する(図7(e))。さらに、300msec程度のインターバルを経て(図7(f))、繰り返し表示を行う。表示の繰り返し周期は、150msec+50msec+300msec+150msec+50msec+300msec=約1secである。また、この繰り返し表示が行われている間、S405の単独表示と同様に、作動表示として、丸形のインジケータ表示44をHUD4の表示領域の下部に連続表示する。
S407では、注意喚起画像42、43の消去を行い、前述の作動表示44も消去する。
S407では、注意喚起画像42、43の消去を行い、前述の作動表示44も消去する。
《サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果》
以下、サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果について説明する。まず、プライミングとは、先行する刺激が、後続する刺激の処理に影響を及ぼす現象である。この現象は、主に心理学の分野で1970年代から研究が進められており、Meyerらの実験等が有名である。心理学の実験でよく使われる刺激は、単語の視覚呈示であり、先に呈示された単語が、後に呈示された単語に関する判断に影響を及ぼすことが実証されている。ここで、先行刺激と、後続刺激が、意味的に関連がある場合を、セマンティック・プライミングと呼び、さらに、先行刺激が意識されない閾下知覚の場合を、サブリミナル・セマンティック・プライミングと呼ぶ。サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果は、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がある場合は、後続刺激の処理が促進される点と、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がない場合は、後続刺激の処理に影響を与えない点の2点である。特に、後者の効果、すなわち、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がない場合に、後続刺激の処理に影響を与えない点は、先行刺激が意識されないサブリミナル・セマンティック・プライミング固有の効果である。
これらの効果を示す実験結果を図8に示す。図8は、Posner&Snyde(1975年)により行われたサブリミナル・セマンティック・プライミングに関する実験の結果を示す図である(川口潤 認知情報処理における文脈効果と自動的処理・意識的処理41頁より引用)。
この実験では、同時に呈示された2文字が同じかどうかを判断する課題(同時マッチング)が用いられ、そのマッチングすべき2文字を呈示する直前に、先行刺激が呈示される。先行刺激は、マッチング文字対と一致するアルファベット1文字(一致条件)、あるいは一致しないアルファベット1文字(不一致条件)、あるいは中立条件としてプラス印(+)の何れかであった。図8は、同時マッチング課題における反応時間の促進量(一致条件の反応時間−中立条件の反応時間)および抑制量(中立条件の反応時間−不一致条件の反応時間)を先行刺激と後続刺激の時間間隔(ISI:Inter Stimulus Interval)でプロットしたものである。ISIが50msec以上になると、一致条件において先行刺激による促進効果があらわれ、後続刺激の処理(マッチング課題の反応)が速くなることがわかる。一方、ISIが200msec以上になると、不一致条件において先行刺激による抑制効果が現れ、後続刺激の処理が遅くなっている。これは、先行刺激が意識されたために、先行刺激に関連する後続刺激を予測した結果、予測がはずれた場合に、処理がかえって遅くなったと考えられる。すなわち、誤情報による悪影響が出ていることになる。しかし、ISIが150msec以下の場合は、不一致条件における抑制効果が現れず、誤情報による悪影響が出ていない。これは、先行刺激が意識されていない領域と考えられる。このように、ISIが50msec以上150msec以下の領域では、一致条件における促進効果のみが現れ、不一致条件における抑制効果が現れない領域が存在する。すなわち、正しい情報による処理の促進のみが得られ、誤情報による悪影響がない、情報提示が可能である。これがサブリミナル・セマンティック・プライミングの効果である。
以下、サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果について説明する。まず、プライミングとは、先行する刺激が、後続する刺激の処理に影響を及ぼす現象である。この現象は、主に心理学の分野で1970年代から研究が進められており、Meyerらの実験等が有名である。心理学の実験でよく使われる刺激は、単語の視覚呈示であり、先に呈示された単語が、後に呈示された単語に関する判断に影響を及ぼすことが実証されている。ここで、先行刺激と、後続刺激が、意味的に関連がある場合を、セマンティック・プライミングと呼び、さらに、先行刺激が意識されない閾下知覚の場合を、サブリミナル・セマンティック・プライミングと呼ぶ。サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果は、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がある場合は、後続刺激の処理が促進される点と、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がない場合は、後続刺激の処理に影響を与えない点の2点である。特に、後者の効果、すなわち、先行刺激と後続刺激に意味的に関連がない場合に、後続刺激の処理に影響を与えない点は、先行刺激が意識されないサブリミナル・セマンティック・プライミング固有の効果である。
これらの効果を示す実験結果を図8に示す。図8は、Posner&Snyde(1975年)により行われたサブリミナル・セマンティック・プライミングに関する実験の結果を示す図である(川口潤 認知情報処理における文脈効果と自動的処理・意識的処理41頁より引用)。
この実験では、同時に呈示された2文字が同じかどうかを判断する課題(同時マッチング)が用いられ、そのマッチングすべき2文字を呈示する直前に、先行刺激が呈示される。先行刺激は、マッチング文字対と一致するアルファベット1文字(一致条件)、あるいは一致しないアルファベット1文字(不一致条件)、あるいは中立条件としてプラス印(+)の何れかであった。図8は、同時マッチング課題における反応時間の促進量(一致条件の反応時間−中立条件の反応時間)および抑制量(中立条件の反応時間−不一致条件の反応時間)を先行刺激と後続刺激の時間間隔(ISI:Inter Stimulus Interval)でプロットしたものである。ISIが50msec以上になると、一致条件において先行刺激による促進効果があらわれ、後続刺激の処理(マッチング課題の反応)が速くなることがわかる。一方、ISIが200msec以上になると、不一致条件において先行刺激による抑制効果が現れ、後続刺激の処理が遅くなっている。これは、先行刺激が意識されたために、先行刺激に関連する後続刺激を予測した結果、予測がはずれた場合に、処理がかえって遅くなったと考えられる。すなわち、誤情報による悪影響が出ていることになる。しかし、ISIが150msec以下の場合は、不一致条件における抑制効果が現れず、誤情報による悪影響が出ていない。これは、先行刺激が意識されていない領域と考えられる。このように、ISIが50msec以上150msec以下の領域では、一致条件における促進効果のみが現れ、不一致条件における抑制効果が現れない領域が存在する。すなわち、正しい情報による処理の促進のみが得られ、誤情報による悪影響がない、情報提示が可能である。これがサブリミナル・セマンティック・プライミングの効果である。
《サブリミナル・セマンティック・プライミングの活性化拡散の効果》
次に、サブリミナル・セマンティック・プライミングの活性化拡散の効果について説明する。前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングの現象(例えば上記図8)は、一般に、活性化拡散モデル(Collins&Loftus,1975年)によって説明される。
図9は、サブリミナル・セマンティック・プライミングにおける活性化拡散モデルのイメージ図である。活性化拡散モデルは、まず、人の記憶構造を図9に示すようなネットワーク構造で記述し、意味の近いものは空間的に近くに、遠いものは遠くに配置する。先行刺激により、対応する概念ノード(図9では単語)が活性化されると、その活性化は、リンクを伝わって意味的に近い概念ノードへと広がっていく。そして、先行刺激と関連のある後続刺激が呈示されると、先行刺激による活性化が広がっているため、後続刺激に対応する概念ノードは、既にある程度活性化が高まっている。従って、後続刺激を評価するために必要な活性化レベルを超えることは容易となっており、反応が速くなると解釈できる。ここでの先行刺激は、言語刺激であるが、絵刺激についても、同様の効果が確認されている。また、活性化される記憶は、言語情報に対応した意味情報のこともあれば、行動に関するスキーマ(定型化された行動パターン)のこともある(川口、1999年)。
さらに、先行刺激が意識された場合は、関連のある記憶が活性化されるだけでなく、関連のない記憶が抑制されるのに対し、先行刺激が閾下知覚の場合は、関連のない記憶が抑制されることはなく、さらに、関連のない複数の記憶を同時に活性化することも可能である。これらは、Marcel(1980年)の実験等により、その効果が実証されている。
以上から、サブリミナル・セマンティック・プライミングを利用すれば、適切な言葉や図形を呈示することで、運転者の安全確認行動パターンを活性化させることが可能である。また、活性化拡散により、一種類の言葉または図形の呈示で、関連する一連の安全確認行動パターンを活性化させることができる。さらに、関連のない複数の安全確認行動パターンを同時に活性化することも可能である。ここで重要なのは、サブリミナル・セマンティック・プライミングは、一連の安全確認行動パターンを活性化させるだけで、直接、行動や意識的処理を誘発するわけではなく、活性化した分、関連する後続刺激に対応する行動や意識的処理の反応が速くなるということである。本実施の形態1においては、後続刺激として、運転者が外界から得る実際の運転状況を想定しており、実際の運転状況に対応する安全確認行動の反応が速くなる効果をねらっている。
次に、サブリミナル・セマンティック・プライミングの活性化拡散の効果について説明する。前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングの現象(例えば上記図8)は、一般に、活性化拡散モデル(Collins&Loftus,1975年)によって説明される。
図9は、サブリミナル・セマンティック・プライミングにおける活性化拡散モデルのイメージ図である。活性化拡散モデルは、まず、人の記憶構造を図9に示すようなネットワーク構造で記述し、意味の近いものは空間的に近くに、遠いものは遠くに配置する。先行刺激により、対応する概念ノード(図9では単語)が活性化されると、その活性化は、リンクを伝わって意味的に近い概念ノードへと広がっていく。そして、先行刺激と関連のある後続刺激が呈示されると、先行刺激による活性化が広がっているため、後続刺激に対応する概念ノードは、既にある程度活性化が高まっている。従って、後続刺激を評価するために必要な活性化レベルを超えることは容易となっており、反応が速くなると解釈できる。ここでの先行刺激は、言語刺激であるが、絵刺激についても、同様の効果が確認されている。また、活性化される記憶は、言語情報に対応した意味情報のこともあれば、行動に関するスキーマ(定型化された行動パターン)のこともある(川口、1999年)。
さらに、先行刺激が意識された場合は、関連のある記憶が活性化されるだけでなく、関連のない記憶が抑制されるのに対し、先行刺激が閾下知覚の場合は、関連のない記憶が抑制されることはなく、さらに、関連のない複数の記憶を同時に活性化することも可能である。これらは、Marcel(1980年)の実験等により、その効果が実証されている。
以上から、サブリミナル・セマンティック・プライミングを利用すれば、適切な言葉や図形を呈示することで、運転者の安全確認行動パターンを活性化させることが可能である。また、活性化拡散により、一種類の言葉または図形の呈示で、関連する一連の安全確認行動パターンを活性化させることができる。さらに、関連のない複数の安全確認行動パターンを同時に活性化することも可能である。ここで重要なのは、サブリミナル・セマンティック・プライミングは、一連の安全確認行動パターンを活性化させるだけで、直接、行動や意識的処理を誘発するわけではなく、活性化した分、関連する後続刺激に対応する行動や意識的処理の反応が速くなるということである。本実施の形態1においては、後続刺激として、運転者が外界から得る実際の運転状況を想定しており、実際の運転状況に対応する安全確認行動の反応が速くなる効果をねらっている。
《逆行性マスキングの効果》
次に、逆行性マスキングの効果について説明する。人は、視覚で得たイメージを、一旦、感覚貯蔵庫(Iconic Memory:Neisser,1967年)にバッファリングした後、記号化を行っていると言われている。ここで、先行刺激を閾下知覚の範囲で呈示しようとして、短時間表示を行ったとしても、人は感覚貯蔵庫にバッファリングされたイメージからの読み出しが可能なため、意識に上ってしまう可能性がある。ここで、短時間表示の後に、ノイズ画像(図6、7の45、46)を呈示すると、感覚貯蔵庫のイメージが上書きされ、バッファリングされた先行刺激を消去することができ、意識に上りにくくなる。これが逆行性マスキングの効果である。逆行性マスキングを行わないで、先行刺激の呈示時間を短くすることで、閾下知覚を行おうとすると、呈示時間が数10msecとなってしまい、閾下知覚も行われない(何も表示しないのと同じ)場合が増加する。逆行性マスキングを行えば、先行刺激の呈示時間を数100msec程度にしても意識に上らないようにすることが可能で、閾下知覚が十分に行えるようになり、サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果を得やすくなる。すなわち、逆行性マスキングは、閾下知覚の範囲を広げる効果がある。
次に、逆行性マスキングの効果について説明する。人は、視覚で得たイメージを、一旦、感覚貯蔵庫(Iconic Memory:Neisser,1967年)にバッファリングした後、記号化を行っていると言われている。ここで、先行刺激を閾下知覚の範囲で呈示しようとして、短時間表示を行ったとしても、人は感覚貯蔵庫にバッファリングされたイメージからの読み出しが可能なため、意識に上ってしまう可能性がある。ここで、短時間表示の後に、ノイズ画像(図6、7の45、46)を呈示すると、感覚貯蔵庫のイメージが上書きされ、バッファリングされた先行刺激を消去することができ、意識に上りにくくなる。これが逆行性マスキングの効果である。逆行性マスキングを行わないで、先行刺激の呈示時間を短くすることで、閾下知覚を行おうとすると、呈示時間が数10msecとなってしまい、閾下知覚も行われない(何も表示しないのと同じ)場合が増加する。逆行性マスキングを行えば、先行刺激の呈示時間を数100msec程度にしても意識に上らないようにすることが可能で、閾下知覚が十分に行えるようになり、サブリミナル・セマンティック・プライミングの効果を得やすくなる。すなわち、逆行性マスキングは、閾下知覚の範囲を広げる効果がある。
以上説明したように本実施の形態1の車両用表示装置は、自車両の現在位置を検出する自車両位置検出装置1と、自車両位置検出装置1で検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故多発地点・区間データベース2と、事故多発地点・区間データベース2から出力される事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像(例えば図5〜図7の42または43。以下同じ)を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御装置3と、注意喚起表示制御装置3から出力される注意喚起画像を表示するHUD4とを有し、注意喚起表示制御装置3は、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御するようになっている。
また、本実施の形態1の車両用表示方法は、自車両の現在位置を検出する自車両位置検出工程と、自車両位置検出工程で検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故情報出力工程と、事故情報出力工程により出力される事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御工程と、注意喚起表示制御工程により出力される注意喚起画像を表示する表示工程とを有し、注意喚起表示制御工程において、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御するようになっている。
また、本実施の形態1の車両用表示方法は、自車両の現在位置を検出する自車両位置検出工程と、自車両位置検出工程で検出された自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故情報出力工程と、事故情報出力工程により出力される事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御工程と、注意喚起表示制御工程により出力される注意喚起画像を表示する表示工程とを有し、注意喚起表示制御工程において、自車両の事故多発地点または区間の走行中に、注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御するようになっている。
このように自車両が事故多発地点または区間を走行している間、該地点または区間において発生する確率の高い事故発生場面と、各事故発生場面において最も発生する確率の高い事故相手種別とに対する注意喚起画像を、運転者の正面のHUD4の表示領域上に、運転者の閾下知覚の表示持続時間で繰り返し表示するため、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングの効果によって、注意喚起画像により注意喚起が行われた事故相手種別に対する運転者の安全確認行動パターンが活性化されると共に、前述の活性化拡散の効果により、注意喚起画像に関連する事故相手種別に対する運転者の一連の安全確認行動パターンも活性化される。このため、実際の運転状況に応じた安全確認行動のみが素早く行われるようになる。
また、活性化された一連の安全確認行動パターンの何れについても、実際の運転状況が対応しない場合、すなわち、現在の状況とは異なる注意喚起画像の表示を行った場合は、安全確認行動パターンが活性化されるだけで、実際の行動には至らないため、注意対象物が存在しない場合にも、探索行動の誘発といった悪影響を与えることなく、注意対象物の存在の有無に関わらず注意喚起画像を表示することができる。
また、活性化された一連の安全確認行動パターンの何れについても、実際の運転状況が対応しない場合、すなわち、現在の状況とは異なる注意喚起画像の表示を行った場合は、安全確認行動パターンが活性化されるだけで、実際の行動には至らないため、注意対象物が存在しない場合にも、探索行動の誘発といった悪影響を与えることなく、注意対象物の存在の有無に関わらず注意喚起画像を表示することができる。
例えば図5(a)、(b)で示したように、「左折 自転車注意」と「追突 先行車注意」の2つの注意喚起画像が時分割で表示される場合、左折に関しては、自転車に対する安全確認行動パターンを中心として、通常、左折時に注意を払うべき、歩行者や、バイクの巻き込みについての安全確認行動パターンについても活性化が行われる。また、同時に、追突に関して、先行車に対する安全確認行動パターンも活性化される。この状態で、実際に左折しようとして、図5(a)、(b)のように歩行者が存在する場合は、左折に関して自転車、歩行者、バイク巻き込みに関する一連の安全確認行動パターンが活性化されているため、その中に含まれる歩行者に関する安全確認行動が素早く実施されるようになる。このとき、左折に関するその他の対象に対する安全確認行動パターン、並びに追突に関する先行車に対する安全確認行動パターンは、活性化されているものの、実際の状況に合致しないため、行動に移行することはなく、探索行動の誘発といった悪影響はない。これは、活性化された安全確認行動パターンの何れもが、実際の状況に合致しない、すなわち、注意喚起情報が誤情報であった場合も同様で、誤情報の表示による悪影響はない。従って、実際の運転状況や、周囲の対象物を検知する必要がなく、事故統計情報に基づく確率により注意喚起情報を提供することが可能となり、簡易かつ安価な構成で、効果的な注意喚起が可能となる。さらに、注意喚起画像自体は、運転者の意識に上らないため、頻繁かつ日常的な情報提示であっても、また事故多発地点が密集している場合においても、各々について注意喚起画像を表示することが可能となり、運転者に煩わしさを感じさせることがなく、実用に堪える注意喚起情報提示が可能となる。
また、本実施の形態1は、事故多発地点・区間データベース2が出力する事故統計情報は、少なくとも該事故多発地点または区間における事故発生場面と事故相手種別により分類されており、注意喚起表示制御装置3は、該事故多発地点または区間における所定の発生件数または発生率以上の事故発生場面を示す言葉または図形と、該事故発生場面において最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を示す言葉または図形とを組み合わせて注意喚起画像を生成し、表示手段に出力するようになっている。これにより発生率の高い事故発生場面について、最も確率の高い事故相手種別に対する運転者の安全確認行動パターンを活性化させることはもちろんのこと、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングの活性化拡散の効果により、注意喚起を行う事故相手種別のみならず、該事故発生場面において関連する事故相手種別に対する安全確認行動パターンも活性化され、結果として該事故発生場面における一連の安全確認行動パターンが活性化される。そして、実際の運転状況と該事故発生場面が一致した場合は、一連の安全確認行動が素早く実施されるようになる。これにより、従来例のように、注意喚起を行った事故相手種別のみに注意が払われ、他の相手に注意が払われにくくなるという問題は発生せず、さらに他の相手についても安全確認行動が素早く実施されるという効果がある。
また、事故多発地点または区間において、所定の発生件数または発生率以上の事故発生場面が複数存在する場合、注意喚起表示制御装置3は、各々の事故発生場面について、事故発生場面を示す言葉または図形と、該事故発生場面において最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を示す言葉または図形との組合せからなる注意喚起画像を、時分割で出力するようになっている。これにより前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングの活性化拡散の効果により、一方の情報に対応する運転者の安全確認行動パターンが他方の情報に対応する安全確認行動パターンを抑制することなく、同時に複数の事故発生場面の各々について、一連の安全確認行動パターンが活性化され、実際の運転状況と一致する事故発生場面についての一連の安全確認行動のみが素早く実施されるようになる。これにより、実際の運転状況を外界から認識すると、センサ類で検出したり、ナビゲーション装置の設定ルートから推定したりする必要がなくなり、簡易かつ安価な構成で、常時、効果的に実際の運転状況に即した注意喚起を行うことが可能となる。
また、注意喚起表示制御装置3は、HUD4に表示される注意喚起画像を、運転者視点における自車両の正面方向を基準として、該注意喚起情報の事故発生場面が意味する側にオフセットさせて表示するように制御するようになっている。これにより実際の運転状況において、運転者が視線を向ける側に、対応する事故発生場面に関する注意喚起情報が表示されることになり、注意喚起画像が、運転者の視野の中心に入りやすくなる。このため、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングによる該事故発生場面についての一連の安全確認行動パターンの活性化がさらに起こりやすくなり、より効果的に上記の効果を得ることができる。
また、注意喚起表示制御装置3は、HUD4に表示される注意喚起画像を、運転者視点における自車両の正面方向を基準として、該注意喚起情報の事故発生場面が意味する側にオフセットさせて表示するように制御するようになっている。これにより実際の運転状況において、運転者が視線を向ける側に、対応する事故発生場面に関する注意喚起情報が表示されることになり、注意喚起画像が、運転者の視野の中心に入りやすくなる。このため、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングによる該事故発生場面についての一連の安全確認行動パターンの活性化がさらに起こりやすくなり、より効果的に上記の効果を得ることができる。
また、HUD4において注意喚起画像が表示されている間、該注意喚起画像の近傍に、該注意喚起画像が表示されていることを示す作動表示(図5〜図7のインジケータ表示44)を、意識的に知覚できる表示持続時間で表示する作動表示手段を有する。このように注意喚起画像が表示されている間、該注意喚起画像の近傍に、注意喚起画像が表示されていることを示す作動表示を、意識的に知覚できる表示持続時間で表示するため、運転者は、注意喚起情報が表示されていることを認識し、運転者の注意力が高まると共に、運転者の注意が、注意喚起画像が表示されている方向に、軽く向けられることになる。このため、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングによる一連の安全確認行動パターンの活性化がさらに起こりやすくなり、より効果的に上記効果を得ることができる。
また、注意喚起表示制御装置3は、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示される注意喚起画像が消去される度に、該注意喚起画像が表示されていた位置に、ノイズ画像45、46を閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示するように制御するようになっている。このため、前述の逆行性マスキングの効果により注意喚起画像が意識に上りにくくなり、確実に注意喚起画像を運転者の閾下知覚の範囲に留めることができ、安定して上記効果を得ることができる。
さらに注意喚起画像の表示手段としてがHUD4を用いている。これにより注意喚起画像がHUD4に表示されるため、運転者が外界を視認している通常の運転状態において、注意喚起画像が、運転者の視野の中心に入りやすくなる。このため、前述のサブリミナル・セマンティック・プライミングによる一連の安全確認行動パターンの活性化がさらに起こりやすくなり、より効果的に上記効果を得ることができる。
実施の形態2
図10は、本発明の実施の形態2の車両用表示装置の構成を示すブロック図である。図10において、5は事故多発地点・区間情報受信装置である。
上記実施の形態1では、事故多発地点・区間情報出力手段として、自車両に搭載した事故多発地点・区間データベース2を設けたが、他の実施の形態としては、自車両外部から通信により、自車両周辺の事故多発地点・区間の位置情報並びに事故統計情報を取得する方法が考えられる。本実施の形態2は、図10に示したように、図1の実施の形態1の事故多発地点・区間データベース2を事故多発地点・区間情報受信装置5によって置き換えたものである。事故多発地点・区間情報受信装置5は、光ビーコン、電波ビーコンといった通信手段が考えられ、道路側の発信装置から送信される周囲の事故多発地点・区間の位置情報、事故統計情報を事故多発地点・区間情報受信装置5内部の記憶装置に保存しておくことで、図1の事故多発地点・区間データベース2と同等の処理が可能となる。通信による事故多発地点・区間情報の取得は、インフラの設置が前提となり、実現が簡単ではないが、メンテナンスされた最新の事故統計情報が得られる点で、優れた方法と言える。
なお、データベース方式と通信方式の折衷案も考えられる。基本的には実施の形態1のような車載の事故多発地点・区間データベース2に事故多発地点・区間情報を構築し、データベースに変更があった場合に、通信で差分情報を取得し、車載データベースをアップデートすることが可能である。この場合の通信は、携帯電話やFM多重通信等が考えられる。
図10は、本発明の実施の形態2の車両用表示装置の構成を示すブロック図である。図10において、5は事故多発地点・区間情報受信装置である。
上記実施の形態1では、事故多発地点・区間情報出力手段として、自車両に搭載した事故多発地点・区間データベース2を設けたが、他の実施の形態としては、自車両外部から通信により、自車両周辺の事故多発地点・区間の位置情報並びに事故統計情報を取得する方法が考えられる。本実施の形態2は、図10に示したように、図1の実施の形態1の事故多発地点・区間データベース2を事故多発地点・区間情報受信装置5によって置き換えたものである。事故多発地点・区間情報受信装置5は、光ビーコン、電波ビーコンといった通信手段が考えられ、道路側の発信装置から送信される周囲の事故多発地点・区間の位置情報、事故統計情報を事故多発地点・区間情報受信装置5内部の記憶装置に保存しておくことで、図1の事故多発地点・区間データベース2と同等の処理が可能となる。通信による事故多発地点・区間情報の取得は、インフラの設置が前提となり、実現が簡単ではないが、メンテナンスされた最新の事故統計情報が得られる点で、優れた方法と言える。
なお、データベース方式と通信方式の折衷案も考えられる。基本的には実施の形態1のような車載の事故多発地点・区間データベース2に事故多発地点・区間情報を構築し、データベースに変更があった場合に、通信で差分情報を取得し、車載データベースをアップデートすることが可能である。この場合の通信は、携帯電話やFM多重通信等が考えられる。
なお、図1の自車両位置検出装置1が特許請求の範囲の自車両位置検出手段に、事故多発地点・区間データベース2が事故情報出力手段に、注意喚起表示制御装置3が注意喚起表示制御手段に、HUD4が表示手段に相当する。
さらに以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
さらに以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…自車両位置検出装置 2…事故多発地点・区間データベース
3…注意喚起表示制御装置 4…HUD
5…事故多発地点・区間情報受信装置
11…GPS受信機 12…ナビゲーション装置
21…ハンドル 22…フロントガラス
23…ルームミラー 41…HUDの投影面
42、43…注意喚起画像 44…インジケータ表示
45、46…ノイズ画像
3…注意喚起表示制御装置 4…HUD
5…事故多発地点・区間情報受信装置
11…GPS受信機 12…ナビゲーション装置
21…ハンドル 22…フロントガラス
23…ルームミラー 41…HUDの投影面
42、43…注意喚起画像 44…インジケータ表示
45、46…ノイズ画像
Claims (9)
- 自車両の現在位置を検出する自車両位置検出手段と、
前記自車両位置検出手段で検出された前記自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故情報出力手段と、
前記事故情報出力手段から出力される前記事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御手段と、
前記注意喚起表示制御手段から出力される前記注意喚起画像を表示する表示手段とを有する車両用表示装置であって、
前記注意喚起表示制御手段は、
前記自車両の事故多発地点または区間の走行中に、前記注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御することを特徴とする車両用表示装置。 - 前記事故情報出力手段が出力する前記事故統計情報は、少なくとも該事故多発地点または区間における事故発生場面と事故相手種別により分類されており、
前記注意喚起表示制御手段は、該事故多発地点または区間における所定の発生件数または発生率以上の事故発生場面を示す言葉または図形と、
該事故発生場面において最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を示す言葉または図形とを組み合わせて前記注意喚起画像を生成し、前記表示手段に出力することを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。 - 前記事故多発地点または区間において、所定の発生件数または発生率以上の事故発生場面が複数存在する場合、
前記注意喚起表示制御手段は、
各々の事故発生場面について、事故発生場面を示す言葉または図形と、該事故発生場面において最も発生件数の多いまたは発生率の高い事故相手種別を示す言葉または図形との組合せからなる前記注意喚起画像を、時分割で出力することを特徴とする請求項2記載の車両用表示装置。 - 前記注意喚起表示制御手段は、
前記表示手段に表示される前記注意喚起画像を、運転者視点における自車両の正面方向を基準として、該注意喚起情報の事故発生場面が意味する側にオフセットさせて表示するように制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の車両用表示装置。 - 前記表示手段において前記注意喚起画像が表示されている間、該注意喚起画像の近傍に、該注意喚起画像が表示されていることを示す作動表示を、意識的に知覚できる表示持続時間で表示する作動表示手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の車両用表示装置。
- 前記注意喚起表示制御手段は、
運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示される前記注意喚起画像が消去される度に、該注意喚起画像が表示されていた位置に、ノイズ画像を閾下知覚の範囲の表示持続時間で表示するように制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の車両用表示装置。 - 前記表示手段がヘッドアップディスプレイであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の車両用表示装置。
- 前記事故情報出力手段が、
前記自車両の外部から通信により前記事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を取得することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の車両用表示装置。 - 自車両の現在位置を検出する自車両位置検出工程と、
前記自車両位置検出工程で検出された前記自車両の現在位置の周辺の道路上における、事故多発地点または区間に関する位置情報および事故統計情報を出力する事故情報出力工程と、
前記事故情報出力工程により出力される前記事故統計情報に基づき注意喚起情報を生成し、該注意喚起情報に基づき注意喚起画像を生成し、該注意喚起画像の表示を制御する注意喚起表示制御工程と、
前記注意喚起表示制御工程により出力される前記注意喚起画像を表示する表示工程とを有する車両用表示方法であって、
前記注意喚起表示制御工程において、
前記自車両の事故多発地点または区間の走行中に、前記注意喚起画像を、運転者の閾下知覚の範囲の表示持続時間で繰り返し表示するように制御することを特徴とする車両用表示方法。
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