JP2016020876A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントガラス上に旋回方向画像を表示した場合においても、自車両周囲に存在する対象物を認識し易くすることが可能な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】自車両のフロントガラス上に画像を表示するHUD画像表示部15と、フロントガラス上の視認領域或いはその近傍に対応するHUD画像表示部15での画像表示を制御する画像表示制御部30を有する。更に、自車両周囲の映像を撮像するカメラ11と、カメラ11で撮像された画像から、歩行者等を検出する対象物センサ12を備える。画像表示制御部30は、案内ルートを示す旋回方向画像を表示する際に、対象物センサ12で検出された歩行者のフロントガラス上での視認領域が、フロントガラス上での旋回方向画像と重複する第1重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の第1重複領域の輝度を低減して表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のフロントガラスに情報を表示する車両用表示装置に係り、特に、周囲映像に旋回方向画像が重複することによる視認性の低下を防止する技術に関する。
特許文献1には、車両のフロントガラス上に、道路の案内ルートを示す旋回方向画像を表示して、運転者に案内ルートを提示することが記載されている。このような従来の車両用表示装置では、交差点における右折や左折を案内するための旋回方向画像をフロントガラス上に表示するので、例えば、交差点の横断歩道を渡ろうとする歩行者が存在する場合に、この歩行者へ向く運転者の視線が、旋回方向画像の表示によって遮られることがある。
特開平8−86661号公報
上述したように、特許文献1に開示された従来の車両用表示装置では、運転者は、フロントガラス上にルート案内用の旋回方向画像を表示した際に、この旋回方向画像の表示により、自車両周囲の対象物を認識し難くなるという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フロントガラス上に旋回方向画像を表示した場合においても、自車両周囲に存在する対象物を認識し易くすることが可能な車両用表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明は、自車両の周囲を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された映像から、対象物を検出する対象物検出部と、自車両の窓ガラス上の、乗員が視認可能な領域に画像を表示する画像表示部を有する。更に、自車両の窓ガラス上での対象物が見える領域である視認領域或いはその近傍に、対象物に関連する画像の表示を制御する表示制御部を備える。表示制御部は、案内ルートを示す旋回方向画像を画像表示部に表示する際に、対象物検出部で検出された対象物の窓ガラス上での視認領域が、窓ガラス上での旋回方向画像と重複する第1重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の少なくとも第1重複領域の輝度を低減して表示するか、或いは旋回方向画像を縮小して表示する。
本発明に係る車両用表示装置では、画像表示部に表示する旋回方向画像の表示領域が、車両前方に存在する対象物の視認領域と重複する場合には、旋回方向画像の輝度を低減させるか、或いは旋回方向画像を縮小して表示する。従って、旋回方向画像が表示された場合においても、自車両周囲に存在する対象物を認識し易くすることが可能となる。
本発明の実施形態に係る車両用表示装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用表示装置の、表示コントローラの詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用表示装置を用いて、車両のフロントガラスに画像を表示する原理を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の、処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の、処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両用表示装置の、処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る車両用表示装置の、処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図であり、(a)は第1実施形態を採用しない場合、(b)は採用した場合を示す。 本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の他の表示例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図であり、(a)は第2実施形態を採用しない場合、(b)は採用した場合を示す。 本発明の第1実施形態の変形例に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用表示装置の、旋回方向画像の表示例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置、及びその周辺機器の構成を示すブロック図、図2は、図1に示す表示コントローラ14の詳細な構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1実施形態に係る車両用表示装置10は、車両のフロントガラス(窓ガラス)上に運転者に有用な各種の情報を表示するものであり、車両のフロントガラスに沿ったHUD(Head-Up Display)画像の表示領域を有するHUD画像表示部15(画像表示部)と、該HUD画像表示部15へのHUD画像の表示を制御する表示コントローラ14と、を備えている。また、車両用表示装置10は、カメラ11(撮像部)と、対象物センサ12を備えている。また、車両用表示装置10は、車両に搭載されるナビゲーション装置16、操舵角センサ17、及び車速センサ18に接続されている。
カメラ11は、自車両周囲の映像を撮影し、撮影した画像データを表示コントローラ14に出力する。
対象物センサ12は、ミリ波やレーダ波等を用いて自車両の周囲に存在する歩行者、自転車、或いは他車両等の移動対象物までの距離を検出し、検出した距離データを表示コントローラ14に出力する。
ナビゲーション装置16は、GPS機能を備えており、運転者が入力した目的地に到達するまでの経路を誘導する。そして、経路を誘導する際の案内ルートを示すデータを表示コントローラ14に出力する。具体的には、交差点の右折或いは左折を案内する場合には、該交差点での旋回情報を表示コントローラ14に出力する。
操舵角センサ17は、自車両のステアリングが操作されたときの操舵角を検出し、検出した操舵角データを表示コントローラ14に出力する。車速センサ18は、自車両の走行速度を検出し、速度データを表示コントローラ14に出力する。
次に、図2に示すブロック図を参照して、表示コントローラ14の詳細な構成について説明する。図2に示すように、表示コントローラ14は、白線位置検出部21(対象物検出部)と、歩行者位置検出部22(対象物検出部)と、交差点位置検出部23と、2D座標変換部24を備えている。また、白線位置算出部25と、注意喚起画像位置算出部26と、注意喚起画像形成部27と、旋回方向画像位置算出部28を備えている。更に、旋回方向画像形成部29と、画像表示制御部30(表示制御部)を備えている。なお、表示コントローラ14は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。また、本実施形態では、路上に敷設された白線、或いは路上を通行する歩行者や自転車等の運転に注意を要する指標或いは物体を「対象物」と称し、このうち、歩行者や自転車等の移動するものを「移動対象物」と称する。
白線位置検出部21は、カメラ11で撮像される自車両周囲の画像データを取得し、この画像データに含まれる白線を検出する。該白線位置検出部21では、画像データに含まれる各画素の輝度を検出し、予め設定した上限輝度よりも高い輝度を有する画素を白線であると検出する。その結果、横断歩道や、中央分離帯等の路面に敷設される白線を検出することができる。また、これ以外の方法を用いて白線を検出することも可能である。そして、検出した白線位置データを2D座標変換部24に出力する。
歩行者位置検出部22は、カメラ11で撮像される自車両周囲の画像データ、及び対象物センサ12で検出される歩行者までの距離データに基づき、自車両に対する歩行者の位置を検出する。更に、車速センサ18にて検出される速度データに基づき、自車両の動きに応じた歩行者の位置を算出する。そして、検出した歩行者位置データを2D座標変換部24に出力する。
交差点位置検出部23は、ナビゲーション装置16より取得される地図データ、及びGPSデータに基づき、自車両が走行している走行路の前方に存在する交差点位置を検出する。検出した交差点位置データを2D座標変換部24に出力する。
2D座標変換部24は、白線位置検出部21で検出された白線位置の3次元データ、歩行者位置検出部22で検出された歩行者位置の3次元データ、及び交差点位置検出部23で検出された交差点位置の3次元データを、2次元データに変換する。そして、変換後の2次元データを白線位置算出部25、注意喚起画像位置算出部26、及び旋回方向画像位置算出部28に出力する。
白線位置算出部25は、白線位置の2次元データに基づき、路上に敷設された白線の、フロントガラス上での表示位置を算出する。具体的には、運転者がフロントガラス越しに白線を視認したときの、フロントガラス上での領域を算出する。なお、以下では、車両の乗員(運転者)が、自車両前方に存在する白線等の対象物を視認したときの、フロントガラス上での領域を「視認領域」ということにする。従って、白線位置算出部25は、フロントガラス上での白線の視認領域の位置を算出する。
注意喚起画像位置算出部26は、自車両の周囲に存在する歩行者位置の2次元データに基づき、歩行者のフロントガラス上での視認領域を算出する。そして、歩行者の視認領域を示すデータを注意喚起画像形成部27に出力する。
注意喚起画像形成部27は、フロントガラス上での歩行者の視認領域に基づき、該歩行者が存在することを自車両の運転者に注意喚起するための注意喚起画像の表示位置を算出する。具体的には、図10(a)に示す歩行者q1の存在を知らせる注意喚起画像P1をHUD画像表示部15に表示する際の表示位置を算出する。なお、図10の詳細については後述する。
旋回方向画像位置算出部28は、交差点位置の2次元データと、ナビゲーション装置16より取得される自車両の案内ルートに基づき、乗員に右折、或いは左折を告知するための旋回方向画像の、HUD画像表示部15上での表示位置を算出する。
旋回方向画像形成部29は、白線位置、歩行者位置、及び注意喚起画像の表示位置に基づいて、旋回方向画像を形成する処理を行う。具体的には、旋回方向画像と白線、歩行者、或いは注意喚起画像が重複する場合には、旋回方向画像の輝度や大きさを適宜変更する。詳細については、後述する。
画像表示制御部30(表示制御部)は、HUD画像表示部15に表示する画像を生成し、生成した画像をHUD画像表示部15に投影する。即ち、画像表示制御部30は、自車両の乗員が窓ガラス越しに白線等の対象物を視認したときの、窓ガラス上での対象物が見える領域である視認領域或いはその近傍に対応する画像表示部の領域に、対象物に関連する画像の表示を制御する表示制御部としての機能を備えている。
図3は、自車両のフロントガラス45にHUD画像を表示するHUD画像表示部15、及びその周辺機器の構成を模式的に示す説明図である。HUD画像表示部15は、フロントガラス45上の運転者が視認可能な領域に設けられており、画像表示制御部30で生成され照射された画像データを投影する。具体的には、画像表示制御部30より照射された画像データの投影光は、ミラー42,43で反射して、HUD画像表示部15の所望領域に投影される。この際、運転者のアイポイントa1から前方を見た場合に、自車両前方の映像46(例えば、交差点)と、HUD画像表示部15に投影される画像が整合するように、画像表示制御部30により画像表示位置が調整される。
即ち、本実施形態に係る車両用表示装置10は、自車両のフロントガラス45上の、乗員が視認可能な領域に対してHUD画像表示部15を設けている。そして、自車両の前方に交差点が存在し、且つ、この交差点で案内ルートを示すための旋回方向画像をHUD画像表示部15(画像表示部)に表示する場合には、この旋回方向画像と、歩行者のフロントガラス45上での視認領域が重複する領域(第1重複領域)が存在するか否かを判断する。そして、第1重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の、少なくとも第1重複領域を含む領域の輝度を、通常時に旋回方向画像を表示する際の輝度に対して、相対的に低減して表示する。第1実施形態では、旋回方向画像全体の輝度を低減している。
また、後述する第2実施形態では、旋回方向画像と、該歩行者に付帯してHUD画像表示部15に表示する注意喚起画像が重複する領域(第2重複領域)が存在するか否かを判断し、第2重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の、少なくとも第2重複領域を含む領域の輝度を、通常時に旋回方向画像を表示する際の輝度に対して、相対的に低減して表示する。
こうすることにより、HUD画像表示部15に旋回方向画像を表示することにより、歩行者やその注意喚起画像、或いは横断歩道の視認性が低下するという問題を解決する。なお、詳細については、図8〜9を参照して後述する。
次に、上述のように構成された第1実施形態に係る車両用表示装置10の処理手順を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
初めに、ステップS11において、歩行者位置検出部22は、カメラ11で撮影される自車両の周囲画像、及び対象物センサ12で検出される移動対象物の位置データで検出される自車両の走行速度に基づき、自車両の周囲に存在する歩行者の位置データを求める。
ステップS12において、交差点位置検出部23は、ナビゲーション装置16より、自車両の走行路の前方に存在する交差点の位置データを求める。
ステップS13において、白線位置検出部21は、カメラ11で撮影される自車両の周囲画像に基づき、自車両の走行路前方に存在する横断歩道等の白線の位置データを求める。
ステップS14,S15,S16において、2D座標変換部24は、3次元の歩行者位置座標、交差点位置座標、及び白線位置座標を、3次元データに変換する。
ステップS17において、2D座標変換部24は、車速センサ18より取得される自車両の走行速度、及び操舵角センサ17より取得される操舵角データに基づき、歩行者位置補正量を算出し、歩行者位置を補正する。
ステップS18において、旋回方向画像位置算出部28は、ナビゲーション装置16より出力される案内ルートデータ、及び自車両前方に存在する交差点データに基づき、HUD画像表示部15上での、旋回方向画像の表示位置を算出する。具体的には、運転者が自車両前方に存在する交差点をフロントガラス越しに視認した際に、該交差点での旋回方向を示す旋回方向画像をHUD画像表示部15上に表示する際の表示位置を算出する。更に、旋回方向画像形成部29は、旋回方向画像を形成する。具体的には、図8(a)に示す如くの、旋回方向を案内するための旋回方向画像Q1を形成する。なお、図8の詳細については、後述する。ステップS18の後、ステップS21に処理を進める。
ステップS21において、画像表示制御部30は、自車両の周囲に存在する白線或いは歩行者の視認領域と、旋回方向画像が重複するか否かを判断する。そして、重複しない場合には(ステップS21でNO)、ステップS22に処理を進め、重複する場合には(ステップS21でYES)、ステップS23に処理を進める。
ステップS22において、旋回方向画像形成部29は、通常輝度の旋回方向画像を形成する。その後、ステップS24において、画像表示制御部30は、旋回方向画像をHUD画像表示部15に出力する。
一方、ステップS23において、旋回方向画像形成部29は、輝度を低減させた旋回方向画像(少なくとも第1重複領域を含む領域の輝度を低減させた旋回方向画像)を形成する。その後、前述したステップS24の処理を実行する。こうして、交差点に存在する白線や歩行者等の対象物の位置に応じた旋回方向画像の表示が可能となる。
以下、図8,図9を参照して、具体的な表示例について説明する。図8は、自車両の前方に交差点が存在し、更に、ナビゲーション装置16による案内ルートが右折方向である場合の、フロントガラス越しに視認される画像、及びHUD画像表示部15に表示する画像を示す説明図である。そして、図8(a)は、本実施形態の表示制御を採用しない場合を示し、図8(b)は本実施形態の表示制御を採用した場合を示している。
図8(a)に示すように、自車両が右折しようとする交差点において、ナビゲーション装置16より得られる案内ルートを示すための旋回方向画像Q1がHUD画像表示部15に表示される。この際、交差点に横断歩道51が存在する場合には、運転者の視線で、旋回方向画像Q1と横断歩道51の白線が重複することになる。即ち、横断歩道51のフロントガラス上での視認領域と、HUD画像表示部15に表示する旋回方向画像Q1が重複することになる。この場合、横断歩道51の視認性が低下し、該横断歩道51を渡ろうとする歩行者q1への注意が疎かになる可能性がある。
これに対して、本実施形態の表示制御を採用した場合には、図8(b)に示すように、横断歩道51と旋回方向画像Q2が重複する場合(対象物の窓ガラス上での視認領域と窓ガラス上での旋回方向画像が重複する第1重複領域が存在する場合)には、旋回方向画像Q2の輝度を低減させている。即ち、図8(a)に示す旋回方向画像Q1よりも、図8(b)に示す旋回方向画像Q2の方が輝度が低くなるように輝度が調整される。従って、運転者に対して、横断歩道51の視認性を低下させることなく、旋回方向画像Q2を認識させることが可能となる。
また、図9に示すように、運転者の視線で、交差点を横断中の歩行者q1と旋回方向画像Q3が重複する場合についても、旋回方向画像Q3の輝度を低減させる。従って、交差点を横断中の歩行者の視認性を低下させることなく、旋回方向画像Q3を表示することが可能となる。
このようにして、第1実施形態に係る車両用表示装置では、HUD画像表示部15に表示する旋回方向画像の表示領域が、車両前方に存在する歩行者q1や横断歩道51等の対象物の視認領域と重複する場合には、旋回方向画像の輝度を低減させて表示する。従って、旋回方向画像が表示されることにより、自車両前方映像の視認性が低下することを抑制することが可能となる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。図11は、第1実施形態の変形例に係る車両用表示装置の表示例を示す説明図である。該変形例では、旋回方向画像Q6と横断歩道51の白線が重複する領域のみ、旋回方向画像Q6の輝度を低減させ、それ以外の領域は通常の輝度としている。そして、このような表示態様においても、前述した第1実施形態と同様に、横断歩道51の視認性を低下させることなく、旋回方向画像Q6を表示して運転者に対して案内ルートを知らせることができる。
更に、通常輝度の領域と輝度を低減させた領域との間で、徐々に輝度を変化させるようにしてもよい。具体的には、図11に示す旋回方向画像Q6において、矢印の先端に行くに連れて徐々に輝度が低減するように表示してもよい。このような表示態様においても前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る車両用表示装置の構成は、前述した図1,図2と同一であるので詳細な構成説明を省略する。第2実施形態では、交差点の周囲に歩行者や自転車等の移動対象物が存在する場合に、運転者に対してこの移動対象物を認識し易くするための注意喚起画像をHUD画像表示部15に表示する場合の、旋回方向画像の表示態様を変更する。
以下、第2実施形態に係る車両用表示装置10の処理手順を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示すステップS11〜S18の処理は、第1実施形態で示した図4のS11〜S18と同一であるので、動作説明を省略する。ステップS18の後、ステップS31に処理を進める。
図5に示すステップS31において、注意喚起画像位置算出部26は、歩行者の視認領域近傍となるHUD画像表示部15に表示する注意喚起画像の表示位置を算出する。例えば、図10(a)に示す歩行者q1に対し、該歩行者q1の存在に対する注意を喚起するための注意喚起画像P1を表示する位置を算出する。注意喚起画像形成部27は、歩行者に付帯して表示する注意喚起画像を形成する。例えば、図10(a)に示すように、歩行者q1の下側に、横長の楕円形状を有する注意喚起画像P1を形成する。なお、図10の詳細については後述する。
ステップS32において、画像表示制御部30は、自車両の周囲に存在する白線或いは歩行者と、旋回方向画像が重複するか否かを判断する。即ち、白線や歩行者等の対象物と旋回方向画像が重複する第1重複領域が存在するか否かを判断する。そして、重複しない場合には(ステップS32でNO)、ステップS33に処理を進め、重複する場合には(ステップS32でYES)、ステップS35に処理を進める。
ステップS33において、画像表示制御部30は、注意喚起画像と旋回方向画像が重複するか否かを判断する。即ち、注意喚起画像と旋回方向画像が重複する第2重複領域が存在するか否かを判断する。そして、重複しない場合には(ステップS33でNO)、ステップS34に処理を進め、重複する場合には(ステップS33でYES)、ステップS35に処理を進める。
ステップS34において、旋回方向画像形成部29は、通常輝度の旋回方向画像を形成する。その後、ステップS36において、画像表示制御部30は、旋回方向画像をHUD画像表示部15に出力する。また、歩行者が存在する場合には、該歩行者の存在に対する注意を喚起するための注意喚起画像をHUD画像表示部15に出力する。
一方、ステップS35において、旋回方向画像形成部29は、輝度を低減させた旋回方向画像を形成する。即ち、旋回方向画像と注意喚起画像が重複する第2重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の少なくとも第2重複領域を含む領域の輝度を低減させる。その後、前述したステップS36の処理を実行する。こうして、交差点に存在する白線や歩行者等の対象物の位置に応じた旋回方向画像の表示が可能となる。
以下、図10を参照して、具体的な表示例について説明する。図10は、自車両の前方に交差点が存在し、更に、ナビゲーション装置16による案内ルートが右折方向である場合の、フロントガラス越しに視認される画像、及びHUD画像表示部15に表示する画像を示す説明図である。そして、図10(a)は、本実施形態の表示制御を採用しない場合を示し、図10(b)は本実施形態の表示制御を採用した場合を示している。
図10(a)に示すように、自車両が右折しようとする交差点において、ナビゲーション装置16より得られる案内ルートを示すための旋回方向画像Q4がHUD画像表示部15に表示される。この際、交差点の横断歩道51を渡ろうとする歩行者q1が存在し、且つ、この歩行者q1の下側に横長の楕円形状をなす注意喚起画像P1がHUD画像表示部15に表示される場合には、HUD画像表示部15上で、旋回方向画像Q4と注意喚起画像P1が重複することになる。この場合、注意喚起画像P1による注意喚起の効果が低下してしまい、該横断歩道51を渡ろうとする歩行者q1への注意が疎かになる可能性がある。
これに対して、第2実施形態の表示制御を採用した場合には、図10(b)に示すように、注意喚起画像P1と旋回方向画像Q5が重複する場合(第2重複領域が存在する場合)には、旋回方向画像Q5の輝度を低減させている。即ち、図10(a)に示す旋回方向画像Q4に対して、図10(b)に示す旋回方向画像Q5の方が輝度が低くなるように輝度が調整される。従って、運転者に対して、注意喚起画像P1による注意喚起の効果を低下させることなく、旋回方向画像Q5を認識させることが可能となる。
このようにして、第2実施形態に係る車両用表示装置では、HUD画像表示部15に表示する旋回方向画像の表示領域が、車両前方に存在する歩行者q1に対して表示する注意喚起画像P1の表示領域と重複する場合には、旋回方向画像の輝度を低減させて表示する。従って、旋回方向画像が表示されることにより注意喚起画像による注意喚起の効果が低下するという問題の発生を回避することができる。
次に、第2実施形態の変形例について説明する。図12は、第2実施形態の変形例に係る車両用表示装置の表示例を示す説明図である。該変形例では、旋回方向画像Q7と、注意喚起画像P1及び横断歩道51の白線が重複する領域のみ、旋回方向画像Q7の輝度を低減させ、それ以外の領域は通常の輝度としている。そして、このような表示態様においても、前述した第2実施形態と同様に、注意喚起画像による注意喚起効果を低下させることなく、旋回方向画像Q7を表示して運転者に対して案内ルートを知らせることができる。
更に、通常輝度の領域と輝度を低減させた領域との間で、徐々に輝度を変化させるようにしてもよい。具体的には、図12に示す旋回方向画像Q7において、矢印の先端に行くに連れて徐々に輝度が低減するように表示してもよい。このような表示態様においても前述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態の説明]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る車両用表示装置の構成は、前述した図1,図2と同一であるので詳細な構成説明を省略する。前述した第1実施形態では、旋回方向画像と、白線や歩行者等の対象物の画像がフロントガラス上で重複した場合に、旋回方向画像の輝度を低減させることにより、対象物の視認性が低下することを回避した。これに対して、第3実施形態では、旋回方向画像を縮小して表示することにより、対象物の視認性が低下することを回避する。
以下、第3実施形態に係る車両用表示装置の処理手順を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6において、ステップS11〜S21までの処理は、図4に示したステップS11〜S21と同一であるので、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図6の、ステップS21の処理でNOと判断された場合、即ち、白線或いは歩行者と旋回方向画像が重複しないと判断された場合には、ステップS41に処理を進め、ステップS21の処理でYESと判断された場合、即ち、白線或いは歩行者と旋回方向画像が重複すると判断された場合には、ステップS42に処理を進める。
ステップS41において、旋回方向画像形成部29は、通常の大きさの旋回方向画像を形成する。その後、ステップS24において、画像表示制御部30は、旋回方向画像をHUD画像表示部15に出力する。
一方、ステップS42において、旋回方向画像形成部29は、大きさを縮小した旋回方向画像を形成する。その後、前述したステップS24の処理を実行する。こうして、交差点に存在する白線や歩行者等の対象物の位置に応じた旋回方向画像の表示が可能となる。
以下、図13を参照して、第3実施形態に係る車両用表示装置の具体的な表示例について説明する。図13は、旋回方向画像Q8を縮小して表示した場合の、フロントガラス越しに視認される画像、及びHUD画像表示部15に表示する画像を示す説明図である。図13に示すように、旋回方向画像Q8を、前述した図8(a)に示した旋回方向画像Q1に対して縮小することにより、旋回方向画像Q8と横断歩道51の白線との重複を回避している。
このようにして、第3実施形態に係る車両用表示装置では、HUD画像表示部15に表示する旋回方向画像の表示領域が、車両前方に存在する歩行者q1や横断歩道51等の対象物の視認領域と重複する場合には、重複する領域が低減するように、旋回方向画像の大きさを縮小して表示する。従って、旋回方向画像が表示されることにより、自車両前方映像の視認性が低下することを抑制することが可能となる。
[第4実施形態の説明]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る車両用表示装置の構成は、前述した図1、図2と同一であるので詳細な構成説明を省略する。前述した第2実施形態では旋回方向画像と注意喚起画像が、HUD画像表示部15上で重複した場合に、旋回方向画像の輝度を低減させることにより、対象物の視認性が低下することを回避した。これに対して、第4実施形態では、旋回方向画像を縮小して表示することにより、対象物の視認性が低下することを回避する。
以下、第4実施形態に係る車両用表示装置の処理手順を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7において、ステップS11〜S33までの処理は、図5に示したステップS11〜S33と同一であるので、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図7の、ステップS33の処理でNOと判断された場合、即ち、白線或いは歩行者と旋回方向画像が重複せず、且つ、注意喚起画像と旋回方向画像が重複しないと判断された場合には、ステップS51に処理を進め、ステップS32、或いはS33の処理でYESと判断された場合、即ち、白線或いは歩行者と旋回方向画像が重複するか、或いは、注意喚起画像と旋回方向画像が重複すると判断された場合には、ステップS52に処理を進める。
ステップS51において、旋回方向画像形成部29は、通常の大きさの旋回方向画像を形成する。その後、ステップS36において、画像表示制御部30は、旋回方向画像をHUD画像表示部15に出力する。
一方、ステップS52において、旋回方向画像形成部29は、大きさを縮小した旋回方向画像を形成する。その後、前述したステップS36の処理を実行する。こうして、交差点に存在する白線や歩行者等の対象物の位置、及び注意喚起画像の表示位置に応じた旋回方向画像の表示が可能となる。
以下、図14を参照して、第4実施形態に係る車両用表示装置の具体的な表示例について説明する。図14は、旋回方向画像Q9を縮小して表示した場合の、フロントガラス越しに視認される画像、及びHUD画像表示部15に表示する画像を示す説明図である。図14に示すように、旋回方向画像Q9を、前述した図10(a)に示した旋回方向画像Q4に対して縮小することにより、旋回方向画像Q9と注意喚起画像P1及び横断歩道51の白線との重複を回避している。従って、運転者に対して、注意喚起画像P1及び横断歩道51の視認性を低下させることなく、旋回方向画像Q9を認識させることが可能となる。
このようにして、第4実施形態に係る車両用表示装置では、HUD画像表示部15に表示する旋回方向画像の表示領域が、車両前方に存在する歩行者q1に対して表示する注意喚起画像P1の表示領域と重複する場合には、重複する領域が低減するように、旋回方向画像の大きさを縮小して表示する。従って、旋回方向画像が表示されることにより注意喚起画像による注意喚起の効果が低下するという問題の発生を回避することができる。
以上、本発明の車両用表示装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
10 車両用表示装置
11 カメラ(撮像部)
12 対象物センサ
14 表示コントローラ
15 HUD画像表示部(画像表示部)
16 ナビゲーション装置
17 操舵角センサ
18 車速センサ
21 白線位置検出部(対象物検出部)
22 歩行者位置検出部(対象物検出部)
23 交差点位置検出部
24 2D座標変換部
25 白線位置算出部
26 注意喚起画像位置算出部
27 注意喚起画像形成部
28 旋回方向画像位置算出部
29 旋回方向画像形成部
30 画像表示制御部(表示制御部)
42,43 ミラー
45 フロントガラス
46 映像
51 横断歩道
P1 注意喚起画像
a1 アイポイント
q1 歩行者

Claims (4)

  1. 自車両の周囲を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で撮像された映像から、対象物を検出する対象物検出部と、
    自車両の窓ガラス上の、乗員が視認可能な領域に画像を表示する画像表示部と、
    自車両の乗員が窓ガラス越しに対象物を視認したときの、前記窓ガラス上での前記対象物が見える領域である視認領域或いはその近傍に対応する前記画像表示部の領域に、前記対象物に関連する画像の表示を制御する表示制御部と、を備え、
    前記表示制御部は、案内ルートを示す旋回方向画像を前記画像表示部に表示する際に、前記対象物検出部で検出された対象物の前記窓ガラス上での視認領域が、前記窓ガラス上での旋回方向画像と重複する第1重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の少なくとも前記第1重複領域の輝度を低減して表示すること
    を特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記対象物検出部は、前記撮像部で撮像された映像から移動対象物を検出し、
    前記表示制御部は、
    前記窓ガラス上の、前記移動対象物の視認領域近傍の画像表示部に注意喚起画像を表示し、前記画像表示部に表示する旋回方向画像と前記注意喚起画像が重複する第2重複領域が存在する場合には、旋回方向画像中の少なくとも前記第2重複領域の輝度を低減して表示すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 自車両の周囲を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で撮像された映像から、対象物を検出する対象物検出部と、
    自車両の窓ガラス上の、乗員が視認可能な領域に画像を表示する画像表示部と、
    自車両の乗員が窓ガラス越しに対象物を視認したときの、前記窓ガラス上での前記対象物が見える領域である視認領域或いはその近傍に対応する前記画像表示部の領域に、前記対象物に関連する画像の表示を制御する表示制御部と、を備え、
    前記表示制御部は、案内ルートを示す旋回方向画像を前記画像表示部に表示する際に、前記対象物検出部で検出された対象物の前記窓ガラス上での視認領域が、前記窓ガラス上での旋回方向画像と重複する第1重複領域が存在する場合には、前記第1重複領域が低減するように前記旋回方向画像を縮小して表示すること
    を特徴とする車両用表示装置。
  4. 前記対象物検出部は、前記撮像部で撮像された映像から、移動対象物を検出し、
    前記表示制御部は、
    前記窓ガラス上の、前記移動対象物の視認領域近傍の画像表示部に注意喚起画像を表示し、前記画像表示部に表示する旋回方向画像と前記注意喚起画像が重複する第2重複領域が存在する場合には、前記第2重複領域が低減するように、前記旋回方向画像を縮小して表示すること
    を特徴とする請求項3に記載の車両用表示装置。
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