JP2005240049A - 室温硬化性組成物およびその製造方法 - Google Patents

室温硬化性組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充分な柔軟性を有する硬化物を与え、かつ低粘度の硬化性組成物を提供する。
【解決手段】全分子末端基の50%以上が加水分解性ケイ素基である分子量8000〜30000の高分子重合体(I)および高分子重合体(I)100重量部に対し、全分子末端基の50%未満が加水分解性ケイ素基である分子量4000〜30000の高分子重合体(II)を1〜200重量部を混合してなる室温硬化性組成物。本発明の室温硬化性組成物は充分に粘度が低く、無機充填剤を使用しても、硬化物の柔軟性を低下させない効果を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は湿分存在下で硬化する室温硬化性組成物に関する。
加水分解性ケイ素基を有する各種の重合体を硬化させてシーリング材、接着剤等に使用する方法はよく知られており工業的に有用な方法である。
このような化合物のうち、特に主鎖がポリエーテルである重合体は、室温で液状であり、かつ硬化物が比較的低温でも柔軟性を保持し、シーリング材、接着剤等に利用する場合好ましい特性を備えている。
そのような湿分硬化性の重合体としては、特開平3−72527、特開平3−47825などに記載されている末端に加水分解性ケイ素基を有する湿分硬化性の重合体が挙げられる。このような末端に加水分解性ケイ素基を有する重合体では、一般にその分子量が大きいほど、硬化物の柔軟性が増すが重合体の粘度は高くなり、作業性が著しく悪くなる。
また、そのような重合体の分子量が小さいと、粘度は低くなるが硬化物は柔軟性に劣るものとなる。これまで、硬化物の柔軟性を保ったまま重合体を低粘度とするためには各種の可塑剤が用いられてきた。
そのような可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステル類、グリコールエステル類、リン酸エステル類、エポキシ可塑剤、塩素化パラフィン等が使用されている。しかし、これらの可塑剤は移行性があるためシーリング材等に使用した場合シーリング部周辺の汚染や塗装後の表面汚染、接着性への悪影響を及ぼす欠点がある。
こうした欠点を解消する目的で加水分解性ケイ素基を有する湿分硬化性の重合体に対して、硬化物の柔軟性を低下させず、かつ移行性が非常に低い反応性の可塑剤を添加した硬化性組成物を特開平5−59267で提案した。しかし、シーリング材等への使用においては、より柔軟性の高く、伸びの良い特性をもち、表面に塗装した際、表面の汚染性が改善された硬化性組成物が求められている。また、普通、実際のシーリング材や接着剤といった配合においては各種の無機充填剤が使用されるが、充填剤の使用は硬化物の物性を硬くするため、重合体自身の柔軟性が一層必要である。
そのような観点から特開平1−279958には、分子量分布の狭い末端不飽和基含有ポリエーテル化合物を加水分解性ケイ素基含有ポリエーテル重合体に混合し、フタル酸ジオクチル等の可塑剤を含まない組成物が記載されている。しかしそのような組成物の硬化物は末端不飽和基含有ポリエーテル化合物の添加量が特に多くなると硬化後、架橋基を全くもたないポリエーテルが徐々に表面に染みだして、硬化物表面がべたべたになる欠点があった。
また、特開平5−65403には、分子量分布の狭い加水分解性ケイ素基含有ポリエーテル重合体を可塑剤なしで配合する組成物が記載されているが、可塑剤を使用しなくとも実用的な粘度を有し、かつ硬化物が柔軟である場合には、硬化が非常に遅くなる欠点があった。
さらに特開平5−65405には、分枝の数の異なる2種以上の加水分解性ケイ素基含有ポリエーテル重合体を混合して使用する例が、特開平5−65406には、分子量分布の異なる2種以上の加水分解性ケイ素基含有ポリエーテル重合体を混合して使用する例が、示されている。しかしいずれも混合するポリエーテル重合体の全分子末端基における加水分解性ケイ素基の割合が80%より多いため、可塑剤なしで、特に炭酸カルシウムなどの無機充填剤を使用した場合は硬化物の柔軟性にかける欠点がある。
特開平3−72527号公報 特開平3−47825号公報 特開平5−59267号公報 特開平1−279958号公報 特開平5−65403号公報 特開平5−65405号公報 特開平5−65406号公報
そこで、組成物の粘度が実用上満足でき、無機充填剤を使用しても硬化物が柔軟であり、硬化物の伸び特性が良好で、かつ、表面塗膜を汚染しない組成物を検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の発明である。
全分子末端基の50%以上が加水分解性ケイ素基である分子量8000〜30000の高分子重合体(I)および高分子重合体(I)100重量部に対し、全分子末端基の50%未満が加水分解性ケイ素基である分子量4000〜30000の高分子重合体(II)1〜200重量部を含有する室温硬化性組成物、および、高分子重合体(I)100重量部に対し、高分子重合体(II)1〜200重量部を混合することを特徴とする室温硬化性組成物の製造方法。
本発明の室温硬化性組成物は充分に粘度が低く、無機充填剤を使用しても、硬化物の柔軟性を低下させない効果を有する。本発明の組成物をシーリング材等に使用した場合シーリング部周辺や塗装表面の汚染や接着性への悪影響を及ぼすことがない。
本発明で使用する高分子重合体(I)および高分子重合体(II)はともに、分子の主鎖は本質的にポリエーテルからなることが好ましい。
このような重合体は水酸基含有ポリエーテルに適当な方法で加水分解性ケイ素基を導入することによって得られるものが好ましい。
このような重合体は、たとえば特開平3−47825、特開平3−72527、特開平3−79627、特公昭46−30711、特公昭45−36319、特公昭46−17553などに提案されている。
水酸基含有ポリエーテルは、開始剤および触媒の存在下アルキレンオキシドなどのモノエポキシドを重合させて得られる。
開始剤としては2〜10個の活性水素を有する化合物が好ましい。ポリヒドロキシ化合物が好ましく、2〜8個、特に2〜4個の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、シュークロースおよびこれらにモノエポキシドを反応させて得られる目的物より低分子量のポリオールがある。これらは1種単独使用でも2種以上の併用でもよい。また、アリルアルコールのような、不飽和基含有モノヒドロキシ化合物も使用できる。
モノエポキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシド、アリルグリシジルエーテルなどがある。プロピレンオキシドが特に好ましい。
触媒としては、アルカリ金属触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリンなど触媒が挙げられる。
特に好ましい水酸基含有ポリエーテルはポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオールおよびポリオキシプロピレンヘキサオールである。また、下記(1)や(4)の方法に用いる場合、ポリオキシプロピレングリコールモノアリルエーテルなどのオレフィン末端のポリエーテルも使用できる。
加水分解性ケイ素基は、湿分で加水分解および架橋反応が起こるケイ素基であればよい。ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を有するケイ素含有基が使用できる。たとえば、式(A)で表される基が好ましい。
−R2 −SiXa1 3-a・・・(A)
式中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基であり、R2 は2価の有機基であり、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。
式(A)中のR1 としては、炭素数8以下のアルキル基、フェニル基やフルオロアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などが特に好ましい。
Xは水酸基または加水分解性基であり、加水分解性基としては、たとえばハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基、ヒドリド基がある。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の炭素数は6以下、特には4以下が好ましい。好ましいXとしては炭素数4以下の低級アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが例示できる。aは2または3が好ましい。
次に高分子重合体(I)および(II)の製造方法について説明する。これら重合体は、下記(1)〜(4)のような方法により水酸基含有ポリエーテルの末端に加水分解性ケイ素基を導入して製造される。
(1)水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入したものと式(B)で表される水素化ケイ素化合物を触媒の存在下反応させる方法。
HSiXa1 3-a・・・(B)
ただし、式中R1 、X、aは前記に同じである。
ここで、水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入したものとは水酸基末端ポリエーテルの末端の1個以上に不飽和基を導入したものである。この方法としては、水酸基末端ポリエーテルの末端水酸基OHをOM(Mはアルカリ金属)とした後、塩化アリル等の不飽和基含有ハロゲン化炭化水素と反応させる方法または不飽和基および水酸基と反応しうる官能基を有する化合物を水酸基末端ポリエーテルと反応させて、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる方法がある。
さらに、水酸基末端ポリエーテルの製造においてモノエポキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和基含有モノエポキシドを共重合させることにより側鎖に不飽和基を導入する方法や開始剤として末端不飽和基含有モノヒドロキシ化合物を用いることによっても得られる。
(2)イソシアネート基と式(A)で表される加水分解性ケイ素基を有する化合物を水酸基末端ポリエーテルと反応させる方法。
(3)水酸基末端ポリエーテルとトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシアネート基に式(C)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
1 3-a−SiXa −R3 W・・・(C)
ただし、式中R1 、X、aは前記に同じであり、R3 は2価の有機基であり、Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基である。
(4)水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入した物の不飽和基と、Wがメルカプト基である式(C)で表されるケイ素化合物のメルカプト基を反応させる方法。
本発明の高分子重合体(I)の加水分解性ケイ素基数は全分子末端基の50%以上100%以下であり、60%以上100%以下が好ましい。なお、1分子あたりの分子末端基数は2〜8が好ましく、2〜4が特に好ましい。
本発明の高分子重合体(II)の加水分解性ケイ素基は全分子末端基の50%未満であり、25%以上50%未満が好ましい。なお、1分子あたりの分子末端基数は2〜8が好ましく、3〜8が特に好ましく、3〜6がさらに好ましい。
本発明の高分子重合体(I)として、分子量8000〜30000の重合体が使用できる。特に、該重合体の分子量が8000より低い場合は、硬化物を柔軟なものにするために全分子末端基のうちの加水分解性ケイ素基の割合を分子量がより大きなものと比較して少なくしなければならず硬化性が悪くなる欠点が生じる。分子量が30000を超える場合は高分子重合体(II)と混合した後でも、高粘度のため作業性が著しく悪くなる。好ましい分子量は10000〜20000である。
また本発明の高分子重合体(II)としては、分子量4000〜30000の重合体が使用できる。特に、該重合体の分子量が4000より低い場合は高分子重合体(I)と混合しても硬化性が悪いものとなり、分子量が30000を超える場合は高粘度のため作業性が著しく悪くなる。好ましい分子量は8000〜20000である。
なお高分子重合体(I)および高分子重合体(II)の分子量は、原料である水酸基末端ポリエーテルの水酸基価換算価分子量に基づいて算出される。
本発明では高分子重合体(I)100重量部に対して高分子重合体(II)を1〜200重量部使用する。好ましくは高分子重合体(II)を10〜150重量部、特に好ましくは20〜100重量部使用する。
本発明における室温硬化性組成物は、高分子重合体(I)100重量部に対し、高分子重合体(II)1〜200重量部を混合することにより製造できる。
このように2種以上の高分子重合体を混合して使用することの利点は、混合する比率によって硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の物性がコントロールできることである。この方法を用いると少ない重合体の品種で多くの硬化物物性をかなり自由に発現させうる。すなわち高分子重合体(I)の使用量を多くすることで硬い硬化物が得られ、また高分子重合体(II)の使用量を多くすることでより柔軟な硬化物が得られ、その途中は任意に選択できる。
本発明の組成物では、公知の種々の硬化触媒、充填剤、添加剤、さらに必要ならば溶剤、可塑剤等を含むことができる。
硬化触媒としては下記の化合物が使用できる。
アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス−2−エチルヘキサノエート等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物。
ジオクチル酸錫、ジナフテン酸錫、ジステアリン酸錫等の2価の錫と上記アミン類の混合物。
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートおよび下記のカルボン酸型有機錫化合物およびこれらのカルボン酸型有機錫化合物と上記のアミン類との混合物。
(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)2
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)2
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17-iso)2
下記の含硫黄型有機錫化合物。
(n-C4H9)2Sn(SCH2COO)、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COO) 、
(n-C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、
(n-C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-n)2
(n-C4H9)2SnS。
(n-C4H9)2SnO、(n-C8H17)2SnO 等の有機錫オキシド、およびこれらの有機錫オキシドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物。
下記等のキレート錫化合物およびこれらの錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(ただし、acacはアセチルアセトナト配位子)。
(n-C4H9)2Sn(acac)2
(n-C8H17)2Sn(acac)2
(n-C4H9)2 (C8H17O)Sn(acac)。
下記の錫化合物。
(n-C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n-C4H9)2
(n-C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n-C4H9)2
充填剤としてはたとえば公知の下記の充填剤が使用できる。
表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤。ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤。
充填剤の使用量は高分子重合体(I)と高分子重合体(II)の合計に対して1〜1000重量%、特に50〜250重量%が好ましい。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明における室温硬化性組成物はそれ自体で充分に低粘度であり、可塑剤を実質的に使用しないことが好ましいが、可塑剤を使用してもよい。
可塑剤としては、たとえばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル等;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;等が単独または2種以上の混合物で使用できる。
しかし、このような可塑剤のうち、低分子可塑剤は本発明の室温硬化性組成物硬化後ブリードアウトしやすい問題があり、使用しないことが好ましい。すなわち、本発明の室温硬化性組成物がさらに可塑剤を含有し、かつその可塑剤として低分子可塑剤を含有しないことが好ましい。低分子可塑剤とは化合物自体が低分子量であり、かつ反応性基を有しない可塑剤を指す。たとえばフタル酸アルキルエステル類である。
また、本発明の組成物には、硬化物の物性や硬化性を調節する目的で加水分解性ケイ素化合物を任意に添加できる。そのような化合物としては具体的にはテトラメチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどやこれらのメトキシ基がエトキシ基に置換された化合物などが例示できるがこれらに限定されない。
添加剤としては、チキソ性付与剤、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等や各種のシランカップリング剤といった接着付与剤、顔料、各種の安定剤、オリゴエステルアクリレートのような表面改質を目的とした光硬化性化合物等が挙げられる。また、粘度を調製する目的で溶剤を使用することもできる。
本発明の室温硬化性組成物はシーリング材、特に弾性シーリング材、接着剤として使用できる。
以下に合成例、実施例、比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。合成例1〜6は高分子重合体(I)の、合成例7〜12は高分子重合体(II)の、合成例13は比較のための重合体の、合成例である。
[合成例1]
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ全分子末端基の60%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約17000の重合体aを合成した。25℃での粘度は15000cPであった。
[合成例2]
合成例1と同様の方法で全分子末端基の75%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約17000の重合体bを合成した。25℃での粘度は15200cPであった。
[合成例3]
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ全分子末端基の60%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約18000の重合体cを合成した。25℃での粘度は10500cPであった。
[合成例4]
合成例3と同様の方法で全分子末端基の84%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約10000の重合体dを合成した。25℃での粘度は3000cPであった。
[合成例5]
合成例3と同様の方法で全分子末端基の91%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約15000の重合体eを合成した。25℃での粘度は8800cPであった。
[合成例6]
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒として全分子末端基に対して120%相当量のメチルジメトキシシランを反応させたのち減圧下で未反応物を留去し、末端にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約9000の重合体fを合成した。25℃での粘度は5400cPであった。
[合成例7]
合成例3と同様の方法で全分子末端基の35%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約18000の重合体gを合成した。25℃での粘度は10500cPであった。
[合成例8]
合成例3と同様の方法で全分子末端基の35%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約9000の重合体hを合成した。25℃での粘度は2800cPであった。
[合成例9]
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジエトキシシランと反応させ全分子末端基の45%にメチルジエトキシシリルプロピル基を導入した分子量約9000の重合体iを合成した。25℃での粘度は2800cPであった。
[合成例10]
ペンタエリスリトールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンテトラオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランを反応させ全分子末端基の35%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約17000の重合体jを合成した。25℃での粘度は6000cPであった。
[合成例11]
合成例10と同様の方法で全分子末端基の25%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約8000の重合体kを合成した。25℃での粘度は2000cPであった。
[合成例12]
ソルビトールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンヘキサオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランを反応させ、全分子末端基の20%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した分子量約12000の重合体lを合成した。25℃での粘度は2200cPであった。
[合成例13]
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製し、分子量約9000の重合体mを得た。25℃での粘度は2500cPであった。
[実施例1〜6および比較例1〜6]
高分子重合体(I)と高分子重合体(II)(または比較のための重合体)またはそれらとフタル酸ジオクチル(DOP)を表1〜2に記載の割合で混合して混合液を得、その25℃における粘度(単位:cP)を測定した。
つぎに高分子重合体(または高分子重合体およびDOP)の混合液160重量部(以下、部とする)に対して、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、白艶華CCR)75部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンSB)75部、二酸化チタン30部、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤の混合物、チバガイギー社製、チヌビンB75)2部、光硬化性樹脂(東亞合成化学工業社製、アロニクスM6020)5部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM603)2部、ディスパロン6500(楠本化成社製、脂肪酸アミド系チキソ性付与剤)1部およびジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日本化学産業社製、ナーセムスズ)2部を加えて水分の混入しない条件下で混練し、均一な混合物とした。次いで以下の(1)〜(5)の評価を行い結果を表1〜2に示した。
(1)50%モジュラス(単位:kg/cm2 )、破断強度(単位:kg/cm2 )および伸び(単位:%):混合物を厚さ約2mmのシートとした後、20℃で7日間、ついで50℃で7日間養生硬化した後、JIS3号ダンベルで打ち抜いたものについて測定した。
(2)硬化性:混合物を20℃、65%RHの条件下に6時間放置後の硬化性を指触で判定した。評価は、○はタックフリーになっているもの、×はタックフリーになっていないもの、とした。
(3)硬化物の柔軟性:該混合物を養生硬化させて得た硬化物の柔軟性も評価した。○は建築用のシーリング材として好ましい柔軟性を有する、×は建築用のシーリング材としては硬すぎるかまたは柔らかすぎる、とした。
(4)経時変化:未塗装の硬化物表面を50℃で2週間放置後表面に未反応物等のブリードアウト等がないか指触で試験した。○はブリードアウトが認められなかったもの、×はブリードアウトが認められたもの、とした。
(5)塗装表面の汚染性:1cm厚シートとして硬化させたものに溶剤系アルキッド塗料(ロックペイント社製、ハウスペイント)を塗装後、70℃で1週間加熱後、屋外に暴露して1ヶ月後に塗装表面の汚れ状況を観察した。○は若干汚れが付着しているがきれいなもの、×は埃等の付着が顕著で汚れているもの、とした。
表からわかるとおり、高分子重合体(II)を使用しなかった場合(比較例2、比較例4)では硬化物が硬すぎてシーリング材として好ましい柔軟性を発現できない。また表面塗装を行ったものではフタル酸ジオクチルを使用した配合物では塗膜表面を汚染させ好ましくない。また加水分解性ケイ素基を1つも持たない重合体を使用した場合では硬化物から硬化物表面に未架橋の重合体がブリードアウトし、好ましくない。
Figure 2005240049
Figure 2005240049

Claims (6)

  1. 全分子末端基の50%以上が加水分解性ケイ素基である分子量8000〜30000の高分子重合体(I)、および高分子重合体(I)100重量部に対し、全分子末端基の50%未満が加水分解性ケイ素基である分子量4000〜30000の高分子重合体(II)1〜200重量部を含有する室温硬化性組成物。
  2. 高分子重合体(I)の主鎖および高分子重合体(II)の主鎖がともに本質的にポリエーテルである請求項1の室温硬化性組成物。
  3. 高分子重合体(I)加水分解性ケイ素基および高分子重合体(II)の加水分解性ケイ素基がともに下記式(A)で表される請求項1の室温硬化性組成物。
    −R2 −SiXa1 3-a・・・(A)
    式中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基であり、R2 は2価の有機基であり、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。
  4. 室温硬化性組成物が実質的に可塑剤を含有しない、請求項1、2または3の室温硬化性組成物。
  5. 室温硬化性組成物がさらに可塑剤を含有し、かつその可塑剤として低分子可塑剤を含有しない、請求項1、2または3の室温硬化性組成物。
  6. 全分子末端基の50%以上が加水分解性ケイ素基である分子量8000〜30000の高分子重合体(I)100重量部に対し、全分子末端基の50%未満が加水分解性ケイ素基である分子量4000〜30000の高分子重合体(II)1〜200重量部を混合することを特徴とする室温硬化性組成物の製造方法。

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