JP3661246B2 - 室温硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は湿分存在下で硬化する室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
加水分解性ケイ素基(ケイ素原子に直接結合した水酸基または加水分解性基を有するケイ素含有基)を有する各種の重合体を硬化させてシーリング材、接着剤等に使用する方法はよく知られており工業的に有用な方法である。
【0003】
このような重合体のうち、特に主鎖がポリエーテルである重合体は、室温で液状であり、かつ硬化物が比較的低温でも柔軟性を保持し、シーリング材、接着剤等へ利用する場合に好ましい特性を備えている。
【0004】
そのような湿分硬化性の重合体および組成物としては、特公昭59−21893、特公昭61−18570、特公昭61−18582などに記載の、末端に加水分解性ケイ素基を有する湿分硬化性の重合体および組成物が知られていたが、近年、特開平3−72527、特開平3−47825、特開平3−79627などに記載の、分子量分布が狭いポリエーテルポリオールを原料とした、末端に加水分解性ケイ素基を有する湿分硬化性の重合体が提案され、硬化物の伸び等の物性や優れた硬化性が知られるようになった。
【0005】
しかし、分子量分布が狭いポリエーテルポリオールを原料として製造した加水分解性ケイ素基含有重合体はその優れた硬化性が原因となって、可使時間が短くなるという欠点をも有する。
【0006】
一般的には、硬化のために使用する硬化触媒の量の低減や硬化触媒の種類の選択によって配合物の硬化性を調整できるが、硬化触媒の種類や使用量は硬化物の物性や基材との接着性などに影響を及ぼすため、場合によっては加水分解性ケイ素基含有重合体の硬化性を遅くすることが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、硬化性組成物の硬化物性に影響を及ぼすことなく、加水分解性ケイ素基含有重合体の硬化性を適正な範囲にコントロールする方法を検討した結果、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(a)ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を含有するケイ素含有基を1分子に平均して1個以上有する分子量6000〜50000の高分子重合体、(b)充填剤、および、(c)硬化触媒からなる硬化性組成物において、
(1)高分子重合体(a)の1種以上が、2種以上の加水分解性基が1個のケイ素原子に結合したケイ素含有基を有する高分子重合体であるか、
(2)高分子重合体(a)の1種以上が、加水分解性基が異なるケイ素含有基を2種以上有する高分子重合体であるか、
または、
(3)高分子重合体(a)が、高分子重合体相互のケイ素含有基における加水分解性基が異なる2種以上の高分子重合体の混合物であり、かつ高分子重合体(a)中に、ケイ素原子に直接結合したメトキシ基およびケイ素原子に直接結合したエトキシ基が存在することを特徴とする室温硬化性組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する高分子重合体(a)は、分子の主鎖は本質的にポリエーテルからなることが好ましい。
【0010】
このような重合体は水酸基含有ポリエーテルに適当な方法でケイ素含有基を導入することによって得られるものが好ましい。
【0011】
このような重合体は、たとえば特開平3−47825、特開平3−72527、特開平3−79627、特公昭46−30711、特公昭45−36319、特公昭46−17553などに提案されている。
【0012】
水酸基含有ポリエーテルは、開始剤および触媒の存在下アルキレンオキシドなどのモノエポキシドを重合させて得られる。
【0013】
開始剤としては1〜10個の活性水素を有する化合物が好ましい。2〜10個の活性水素を有する化合物としてはポリヒドロキシ化合物が好ましく、2〜8個、特に2〜4個の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセリン、シュークロースおよびこれらにモノエポキシドを反応させて得られる目的物より低分子量のポリオールがある。これらは1種単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0014】
また、1個の活性水素を有する化合物としては、たとえばアリルアルコールのような、不飽和基含有モノヒドロキシ化合物が好ましい。
【0015】
モノエポキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシド、アリルグリシジルエーテルなどがある。プロピレンオキシドが特に好ましい。
【0016】
触媒としては、アルカリ金属触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリンなど触媒が挙げられる。
【0017】
特に好ましい水酸基含有ポリエーテルはポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオールおよびポリオキシプロピレンヘキサオールである。また、下記(1)や(4)の方法に用いる場合、ポリオキシプロピレングリコールモノアリルエーテルなどのオレフィン末端のポリエーテルも使用できる。
【0018】
高分子重合体(a)は、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を含有するケイ素含有基を1分子に平均して1個以上有する。ケイ素含有基は加水分解性ケイ素基とも呼ばれ、湿分で加水分解および架橋反応が起こるケイ素含有基である。ケイ素含有基はケイ素原子を1個または2個以上がシロキサン結合により結合してなることが好ましい。たとえば、式(A)で表される基が好ましい。
【0019】
−R2 −SiX0 aR1 3-a ・・・(A)
【0020】
式(A)中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基であり、R2 は2価の有機基であり、X0 は加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。
【0021】
式(A)中のR1 としては、炭素数8以下のアルキル基、フェニル基やフルオロアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などが特に好ましい。
【0022】
X0 は加水分解性基であり、加水分解性基としては、たとえばハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基、ヒドリド基、から選ばれる。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の炭素数は6以下、特には4以下が好ましい。X0 としては炭素数は4以下の低級アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がさらに好ましい。aは1〜3の整数であり、2または3が好ましい。ただし、高分子重合体(a)中に、少なくともケイ素原子に直接結合したメトキシ基およびケイ素原子に直接結合したエトキシ基が存在することが必要である。
【0023】
次に高分子重合体(a)の製造法について説明する。これら高分子重合体(a)は、下記(イ)〜(ホ)のような方法により水酸基含有ポリエーテルの末端にケイ素含有基を導入して製造される。
【0024】
(イ)水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入したものと式(B)で表される水素化ケイ素化合物を触媒の存在下反応させる方法。ただし、式(B)中R1 、X0 、aは式(A)におけると同じである。
【0025】
HSiX0 aR1 3-a・・・(B)
【0026】
ここで、水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入したものとは、水酸基末端ポリエーテルの末端の1個以上に不飽和基を導入したものである。この方法としては、水酸基末端ポリエーテルの末端水酸基OHをOM(Mはアルカリ金属)とした後、塩化アリル等の不飽和基含有ハロゲン化炭化水素と反応させる方法または不飽和基および水酸基と反応しうる官能基を有する化合物を水酸基末端ポリエーテルと反応させて、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる方法がある。
【0027】
さらに、水酸基末端ポリエーテルの製造においてモノエポキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和基含有モノエポキシドを共重合させることにより側鎖に不飽和基を導入する方法や開始剤として末端不飽和基含有モノヒドロキシ化合物を用いても得られる。
【0028】
(ロ)イソシアネート基と式(A)で表されるケイ素含有基を有する化合物を水酸基末端ポリエーテルと反応させる方法。
【0029】
(ハ)水酸基末端ポリエーテルとトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシアネート基に式(C)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
【0030】
R1 3-a−SiX0 a−R3 W・・・(C)
【0031】
ただし、式(C)中R1、X0、aは式(A)におけるものと同じであり、R3は2価の有機基であり、Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基である。
【0032】
(ニ)水酸基末端ポリエーテルの末端に不飽和基を導入したものの不飽和基と、Wがメルカプト基である式(C)で表されるケイ素化合物のメルカプト基を反応させる方法。
【0033】
(ホ)上記(イ)〜(ニ)の方法で得た高分子重合体のケイ素含有基における加水分解性基を他の加水分解性基に置換する。たとえば特開昭58−132022などに記載されている。
【0034】
(ホ)の方法を用いて具体的にはたとえば、加水分解性基としてハロゲンを含有するケイ素含有基を有する高分子重合体を製造した後、アルカリの存在下2種のアルコール(たとえば、メタノールとエタノール)を反応させることにより、ケイ素原子に直接結合したアルコキシ基2種が存在するような高分子重合体(a)が得られる。
【0035】
本発明において高分子重合体(a)は、(1)高分子重合体(a)の1種以上が、2種以上の加水分解性基が1個のケイ素原子に結合したケイ素含有基を有する高分子重合体であるか、(2)高分子重合体(a)の1種以上が、加水分解性基が異なるケイ素含有基を2種以上有する高分子重合体であるか、または、(3)高分子重合体(a)が、高分子重合体相互のケイ素含有基における加水分解性基が異なる2種以上の高分子重合体の混合物であり、かつ高分子重合体(a)中に、ケイ素原子に直接結合したメトキシ基およびケイ素原子に直接結合したエトキシ基が存在することを特徴とする。
【0036】
(1)の、2種以上の加水分解性基が1個のケイ素原子に結合したケイ素含有基を有する高分子重合体とは、たとえば、式(A)において、aが2または3であり、かつa個の加水分解性基X0 が、メトキシ基とエトキシ基とからなるような、ケイ素含有基を有する高分子重合体をさす。
【0037】
(2)の加水分解性基が異なるケイ素含有基を2種以上有する高分子重合体とは、式(A)において、X0 がメトキシ基であるケイ素含有基とX0 がエトキシ基であるケイ素含有基の2種以上を有する高分子重合体をさす。
【0038】
(3)の高分子重合体相互のケイ素含有基における加水分解性基が異なる2種以上の高分子重合体の混合物とは、式(A)において、X0 がメトキシ基であるケイ素含有基を有する高分子重合体とX0 がエトキシ基であるケイ素含有基を有する高分子重合体の2種以上の混合物をさす。
【0039】
すなわち、高分子重合体(a)中に、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基が少なくともメトキシ基とエトキシ基を含む2種以上存在していればよい。これら2種以上の加水分解性基において、どの1種の加水分解性基の数もすべての加水分解性基の数の90%以下、特に85%以下であることが好ましい。
【0040】
本発明においては、高分子重合体(a)中に、ケイ素原子に直接結合したメトキシ基およびケイ素原子に直接結合したエトキシ基が存在する。
【0041】
(c)硬化触媒の種類など他の配合剤にもよるが、得られる室温硬化性組成物の可使時間は一般にメトキシ基とエトキシ基の割合を変えることによって、調整できる。メトキシ基とエトキシ基の割合(モル比)は70/30〜90/10が好ましい。この範囲であれば、得られる室温硬化性組成物の可使時間は10時間以下、好ましくは6時間以下程度、かつ1日後にはタックフリーとなるように調整される。
【0042】
本発明における高分子重合体(a)は、1分子に平均して1個以上のケイ素含有基を有する分子量6000〜50000の高分子重合体である。高分子重合体(a)の1分子あたりの分子末端基数は2〜8が好ましく、2〜4が特に好ましい。
【0043】
高分子重合体(a)の分子量は6000〜50000である。高分子重合体(a)の分子量が6000より低い場合は硬化物の伸びが低くなり、分子量が50000を超える場合は高粘度のため作業性が著しく悪くなる。分子量は10000〜40000が好ましく、10000〜30000が特に好ましい。なお高分子重合体(a)の分子量は、原料である水酸基末端ポリエーテルの水酸基価換算価分子量に基づいて算出される。
【0044】
本発明では(b)充填剤を使用する。充填剤の使用量は高分子重合体(a)100重量部に対して1〜1000重量部、特に50〜250重量部が好ましい。充填剤としてはたとえば公知の下記の充填剤が使用できる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、粒径や表面処理の異なる2種以上の充填剤を併用してもよい。
【0045】
表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤。ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤。
【0046】
本発明では(c)硬化触媒を使用する。(c)硬化触媒の使用量は(a)高分子重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。具体的には下記の化合物が挙げられる。
【0047】
アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物。
【0048】
ジオクチル酸錫、ジナフテン酸錫、ジステアリン酸錫等の2価の錫と上記アミン類の混合物。
【0049】
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートおよび下記のカルボン酸型有機錫化合物およびこれらのカルボン酸型有機錫化合物と上記のアミン類との混合物。
(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、
(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)2 、
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)2、
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17-iso)2 。
【0050】
下記の含硫黄型有機錫化合物。
(n-C4H9)2Sn(SCH2COO)、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COO) 、
(n-C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、
(n-C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2 、
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-n)2 、
(n-C4H9)2SnS。
【0051】
(n-C4H9)2SnO、(n-C8H17)2SnO 等の有機錫オキシド、およびこれらの有機錫オキシドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物。
【0052】
下記等のキレート錫化合物およびこれらの錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(ただし、acacはアセチルアセトナト配位子)。
(n-C4H9)2Sn(acac)2、
(n-C8H17)2Sn(acac)2 、
(n-C4H9)2 (C8H17O)Sn(acac)。
【0053】
下記の錫化合物。
(n-C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n-C4H9)2 、
(n-C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n-C4H9)2 。
【0054】
本発明における室温硬化性組成物は必要に応じて可塑剤を使用しても使用しなくてもよい。可塑剤としては、たとえばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル等のグルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;等が単独または2種以上の混合物で使用できる。
【0055】
また、本発明の組成物においては、硬化物の物性や硬化性を調節する目的で加水分解性ケイ素化合物を任意に添加してもよい。そのような化合物としては具体的にはテトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどやこれらのメトキシ基がエトキシ基に置換された化合物などが例示できるがこれらに限定されない。
【0056】
さらに使用しうる添加剤としては、チキソ性付与剤、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等や各種のシランカップリング剤といった接着付与剤、顔料、各種の安定剤、オリゴエステルアクリレートのような表面改質を目的とした光硬化性化合物等が挙げられる。また、粘度を調節する目的で溶剤を使用することもできる。
【0057】
本発明により可使時間が充分に確保された室温硬化性組成物が得られる。すなわち、硬化するまでの時間が充分にあるため、作業性に優れる。本発明の室温硬化性組成物はシーリング材、特に弾性シーリング材、接着剤として使用できる。
【0058】
【実施例】
以下に具体例によって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下において部は重量部を示す。例1〜6は高分子重合体A〜Fの合成例を、例7〜15は本発明の実施例を、例16〜20は比較例を示す。
【0059】
[例1]
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒を用いて得られたポリオキシプロピレンジオールにアルカリ触媒の存在下、塩化アリルと反応させることにより末端水酸基をアリルオキシ基に変換し、アリル基末端ポリオキシプロピレンを得た。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランを反応させ、末端に1分子あたり平均1.2個のメチルジメトキシシリルプロピル基を有する分子量約18000の重合体Aを合成した。
【0060】
[例2]
例1と同様の方法で得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに、さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランとメチルジエトキシシランを反応させ、末端に1分子あたり平均1.0個のメチルジメトキシシリルプロピル基と0.2個のメチルジエトキシシリルプロピル基を有する分子量約18000の重合体Bを合成した。
【0061】
[例3]
例1と同様の方法で得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに、さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジエトキシシランを反応させ、末端に1分子あたり平均1.2個のメチルジエトキシシリルプロピル基を有する分子量約18000の重合体Cを合成した。
【0062】
[例4]
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒を用いて得られたポリオキシプロピレントリオールにアルカリ触媒の存在下、塩化アリルと反応させることにより末端水酸基をアリルオキシ基に変換し、アリル基末端ポリオキシプロピレンを得た。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランを反応させ、末端に1分子あたり平均2.4個のメチルジメトキシシリルプロピル基を有する分子量約18000の重合体Dを合成した。
【0063】
[例5]
例4と同様の方法で得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに、さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジクロロシランを反応させ、反応混合物にさらにメタノールとエタノールとオルトギ酸メチルを添加して反応させ、末端に1分子あたりケイ素含有基が平均2.4個でかつケイ素原子基に結合したメトキシ基とエトキシ基との割合が75対25である分子量約18000の重合体Eを合成した。
【0064】
[例6]
例4と同様の方法で得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに、さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジエトキシシランを反応させ、末端に1分子あたり平均2.4個のメチルジエトキシシリルプロピル基を有する分子量約18000の重合体Fを合成した。
【0065】
[例7〜20]
合成した重合体A〜Fを使用して、以下の配合法(配合pまたは配合q)で硬化性組成物を作成して、物性および可使時間の評価を行った。表1〜2に重合体とDOPの組成、重合体混合物の粘度、配合法、評価結果を示した。
【0066】
(配合p)
表に示した重合体A〜Fおよびまたはフタル酸ジオクチル(DOP)の混合液160部に対して、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、白艶華CCR)75部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンSB)75部、二酸化チタン30部、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤の混合物、チバガイギー社製、チヌビンB75)2部、光硬化性樹脂(東亜合成化学工業社製、アロニクスM6020)5部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM603)2部、水添ひまし油1部、およびジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日本化学産業社製、ナーセムスズ)2部を加えて水分の混入しない条件下で混練し、均一な混合物とした。
【0067】
(配合q)
表に示した重合体A〜Fおよびまたは可塑剤との混合液160部に対して、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、白艶華CCR)75部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンSB)75部、二酸化チタン30部、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤の混合物、チバガイギー社製、チヌビンB75)2部、光硬化性樹脂(東亜合成化学工業社製、アロニクスM6020)5部、アマニ油2部、水添ひまし油1部、ヘキサメチルジシラザン3部およびオクチル酸錫1.5部とラウリルアミン0.5部との混合物を加えて水分の混入しない条件下で混練し、均一な混合物とした。
【0068】
(物性の評価法)
厚さ約2mmのシートを作成し、20℃で7日間、ついで50℃で7日間養生硬化させた後、JIS3号ダンベルで打ち抜いたものの、50%モジュラス(M50、単位:kg/cm2 )、破断強度(単位:kg/cm2 )、伸び(%)を測定した。
【0069】
(可使時間の評価法)
配合物をカップにとり、可使時間の目安とするため、30℃での初期粘度、および2、4、6時間後の粘度を測定し、30℃での粘度変化を測定した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は硬化後の物性を変えることなく、柔軟性を有する硬化物を与え、かつ、夏期など硬化が速い時期においても初期の硬化速度を遅くして、充分な可使時間を確保できる。
Claims (4)
- (a)ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を含有するケイ素含有基を1分子に平均して1個以上有する分子量6000〜50000の高分子重合体、(b)充填剤、および、(c)硬化触媒からなる硬化性組成物において、
(1)高分子重合体(a)の1種以上が、2種以上の加水分解性基が1個のケイ素原子に結合したケイ素含有基を有する高分子重合体であるか、
(2)高分子重合体(a)の1種以上が、加水分解性基が異なるケイ素含有基を2種以上有する高分子重合体であるか、
または、
(3)高分子重合体(a)が、高分子重合体相互のケイ素含有基における加水分解性基が異なる2種以上の高分子重合体の混合物であり、かつ高分子重合体(a)中に、ケイ素原子に直接結合したメトキシ基およびケイ素原子に直接結合したエトキシ基が存在することを特徴とする室温硬化性組成物。 - ケイ素含有基が下記式(A)で表される、請求項1の室温硬化性組成物。
−R2 −SiX0 aR1 3-a ・・・(A)
ただし、式(A)中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基であり、R2 は2価の有機基であり、X0 は加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。 - 高分子重合体(a)の主鎖が本質的にポリエーテルである請求項1または2の室温硬化性組成物。
- 前記ケイ素原子に直接結合したメトキシ基とケイ素原子に直接結合したエトキシ基との割合がモル比で70/30〜90/10である請求項1〜3のいずれか1項の室温硬化性組成物。
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