JP2005236165A - ピエゾボンディングテーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来、真空中で被接合物をナノレベルに高精度アライメントして加圧接合する方法において、LMガイド方式では、グリスなどが必要であるため、真空中では使用できなく、ピエゾテーブル方式では、ピエゾの伸縮によりナノレベルの高精度は期待できるが、バネ支持構造であるため、高荷重に耐えれないという課題があった。
【解決手段】
そこで本発明はピエゾテーブルの可動ステージと加圧方向に隣り合う少なくとも一方の部材間に隙間を有し移動可能とし、加圧時にバネ支持のたわみにより接触し、加圧力を伝達することで、真空中でのナノレベルの高精度アライメントと、表面活性化による低温接合が可能となり、より高精度に接合できる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、被接合物を高精度にアライメントして接合するピエゾテーブルに関する。
従来、アライメントテーブルとしては図8に示すLMガイドとボールネジの組み合わせからなるLMガイド方式と、図1に示すピエゾアクチュエータとバネ支持された可動ステージからなるピエゾテーブル方式があった。図8の方式では、LMガイドにより移動方向をガイドされボールネジに連結されたサーボモータの回転をボルト・ナット機構によりリニア方向への移動へと変えている。LMガイドは複数のボールがガイドレール上をころがり軌道して位置規制しながら移動する。図1に示すピエゾテーブル方式ではバネ支持された可動テーブルが0.3mm程度微少に移動するだけなのでシュウ動面を持たず、バネ支持されているだけである。移動手段としては、ピエゾの伸縮を利用して、直接または、図1のように拡大機構を介して可動ステージを移動させる。
しかし、図8に示すLMガイド方式では、ボールころがりのためのシュウ動面を持ち、そのためグリスなどが必要であるため、真空中では使用できない。また、ボールネジのボルト・ナット機構部分にはバックラッシュが存在するためナノレベルの高精度は出せないという課題がある。
また、図1に示すピエゾテーブル方式では、ピエゾの伸縮によりナノレベルの高精度は期待できるが、バネ支持構造であるため、高荷重に耐えれないという課題があった。ナノレベルの精度で高荷重に耐えうるアライメントテーブルは存在しない。また、対向配置した2つの被接合物をアライメントして真空中で加圧接合するには、両アライメントテーブルでは課題があり使用できない。
そこで本発明は上記のごとき事情に鑑みてなされたものであって、真空中でナノレベルに高精度にアライメントでき、かつ、高荷重に耐えうるアライメントテーブルを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明に係る接合方法及び接合装置双方の手段を一括して以降に説明する。上記課題を解決するために本発明に係る接合方法及び接合装置は、加圧方向に垂直な平面方向に移動するピエゾ素子をアクチュエータとするアライメントテーブルを備え、補正移動後、加圧する方法において、アライメントテーブルがピエゾの伸縮によりバネ支持された可動ステージが移動する方式であり、移動時は可動ステージと加圧方向に隣り合う少なくとも一方の部材間に隙間を有し、加圧時にバネ支持のたわみにより接触し、加圧力を伝達する方法及び接合装置からなる。従来のピエゾテーブルの課題である高荷重を受ける方法として、図4または図5に示すように可動ステージを加圧方向に隣り合う少なくとも一方の部材間に隙間を持たせ移動できるようにし、加圧時には、バネ支持のたわみにより接触し、加圧力を伝達することによりナノレベルの高精度と接合時の高荷重を達成することができる。
また、前記部材間の隙間が0.1mm以内である方法及び接合装置からなる。アライメント後、接合時のたわみが少ない方が、平面方向の位置ずれを小さく押さえることができる。また、バネ支持のたわみが弾性変形範囲内でないと塑性変形してしまい、その後の動作に異常をきたしてしまう。そのため、塑性変形しない0.1mm以内に納める必要がある。また、前記部材間の隙間が10μm以内である方法及び接合装置からなる。10μm以内であればたわみ時の平面方向のずれはほとんど無視できるレベルとなり、より好ましい。
また、前記アライメントテーブルが複数のピエゾテーブルを組み合わせた複数軸の移動方向を持つアライメントテーブルである方法及び接合装置からなる。複数軸を組み合わせることでX、Y、θ方向など移動可能となる。1枚のピエゾテーブル内にXの可動ステージ内にY軸のピエゾステージを中子構造とすることで1枚でX、Y2軸の構造が可能となる。また、Xの外にθ軸を設けてθ軸の中子にX、Yを入れる構造とすることでX、Y、θ3軸の平面方向アライメントテーブルとすることもできる。また、単純に縦に重ねて複数軸を構成することもできる。
また、前記アライメントテーブルが1軸ピエゾテーブルをXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、可動ステージ(60)を対向してつなげ、上下の部材間に隙間(d、d')を設ける方法及び接合装置からなる。図4に示すように、1軸ピエゾテブルを90°回転させて対向配置し、可動ステージを連結することで2軸のアライメントテーブルとすることができ、同時に、上下の部材間に隙間(d、d')を設けることができるので、移動が可能で、加圧時にはバネ支持のたわみにより接触し加圧力を伝達することができる構造となる。
また、前記アライメントテーブルがXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、固定ベース(61)を対向してつなげ、可動ステージ間に隙間(d)を設ける方法及び接合装置からなる。図5に示すように、1軸ピエゾテーブルを90°回転させて対向配置し、固定ベースを連結することで2軸のアライメントテーブルとすることができ、同時に、上下の可動ステージ間に隙間(d)を設けることができるので、移動が可能で、加圧時にはバネ支持のたわみにより接触し加圧力を伝達することができる構造となる。前記可動ステージを連結する方法と比べ、隙間はd+d'に比べdのみとなるため加圧時のたわみによる位置ずれは少なくなるため好ましい。
また、前記アライメントテーブルを固定部に連結する場合において、フリー端(A,B)を固定部へ個々に連結する方法及び接合装置からなる。図1に示すフリー端(A,B)は可動ステージ(D)に荷重が加わった場合、バネ支持に伝達され、フリー端(A,B)がたわむことになる。そうすることで可動ステージ(D)は斜めにたわむことから位置ずれを起こす。それを回避するためには、フリー端(A,B)を固定部に個々に連結することにより回避することができる。また、前記複数のアライメントテーブルをつなげる場合において、フリー端(A,B)を個々に固定ベース(GまたはHまたはC)へ連結する方法及び接合装置からなる。図3に示すように複数のピエゾテーブルを組み合わせてアライメントテーブルを構成する場合、フリー端(A,B)を個々に固定ベース(GまたはHまたはC)へ連結することで回避できる。
また、前記アライメントテーブルにより対向配置した2つの被接合物をアライメントして加圧接合する方法及び接合装置からなる。対向配置された被接合物同士をアライメントして接合する方法において、前記アライメントテーブルを使用することでナノレベルに高精度にアライメントして、かつ、高荷重のもと接合することが可能となる。
また、減圧チャンバーを備え、前記アライメントテーブルが減圧チャンバー中に配されている方法及び接合装置からなる。前記アライメントテーブルはピエゾ素子をアクチュエータとしたピエゾテーブルから成り、図8に示すLMガイド方式のアライメントテーブルに比べ、バネ支持構造からシュウ動面を持たない構造であるため、潤滑油であるグリスを使用する必要がなく、真空中でも使用できる。そのため、真空中でボイドレスで接合する場合などに適する。
また、前記減圧チャンバー中に配されたアライメントテーブルの移動軸が平面方向の移動軸であり、Z軸及び/またはθ軸をチャンバー外部に構成する方法及び接合装置からなる。また、前記Z軸及び/またはθ軸の外部と遮断するパッキンとしてOリングを2列使いとし、Oリング間をチャンバー内部圧と外部大気圧の間の値で吸引する方法及び接合装置からなる。XYアライメントテーブル6はピエゾ素子をアクチュエータとし、バネ支持によるシュウ動面を持たない可動テーブル構造とすることで、グリスやモータを使用しないので真空中でも使用できる。Z、θ軸機構は真空中に設置しなくともOリング5により容易にZ、θ移動可能にヘッド部と外部を遮断させることができるので、真空チャンバー外部に設置する。また、Z、θのような大ストロークを移動させる軸はピエゾで構成しにくいため外部が適する。また、図7に示すようにθ軸が微少移動であるならば、θ軸をピエゾテーブル構成として、X、Y、θをピエゾテーブルとし、Z軸のみチャンバー外部に設置することもできる。また、OリングはZやθ軸のシュウ動を考慮すると2段構造とすることが好ましい。図6におけるOリング5を上下に2列使いとし、2本の間をチャンバー内部圧と外部大気圧の約中間に値する真空度で吸引してやることにより、例え高速で大ストローク移動させたことによりOリングに隙間が出来たとしても中間部を吸引しているので漏れは発生しない。そのためOリングで漏れなく高速でかつ大ストロークをシュウ動させることが可能となる。
また、原子ビーム、イオンビームまたはプラズマであるエネルギー波照射手段を備え、前記減圧中で、両被接合物の接合面を原子ビーム、イオンビームまたはプラズマであるエネルギー波により減圧中でドライ洗浄した後、180℃以内の低温で固層で接合する方法及び接合装置からなる。真空中に配置することができるので、接合前に事前に接合表面をエネルギー波により表面の付着物をエッチング除去することで表面を活性化し、真空中で保持して接合することにより、180°以内の低温で固層接合することができる。従来低温で金属接合させる方法はハンダがあり融点183℃であるので、それより低い温度で金属接合できることは好ましい。また、前記エネルギー波がプラズマである方法及び接合装置からなる。プラズマであれば10−8Torrの高真空が必要で高価なイオンビームや原子ビームに比べ、真空度も10−2Torr程度で良く簡易装置で工業化が容易である。
真空中でナノレベルに高精度にアライメントできるピエゾ素子をアクチュエータとし、かつ、高荷重に耐えうる構造とすることができる。また、真空中でのナノレベルの高精度アライメントと、表面活性化による低温接合が可能となり、より高精度に接合できる。
以下に本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図6に本発明の一実施形態に係る真空中での表面活性化接合装置を示す。この実施形態では第1の被接合物である上ウエハーと第2の被接合物である下ウエハーを接合するための装置として例に上げる。
まず、図1に示すアライメントテーブルとなるピエゾ素子をアクチュエータとして使用するピエゾテーブルを解説する。ピエゾテーブルは中央に可動ステージ60がバネ支持59に四方から支持された状態で保持されている。矢印方向に可動ステージ60を移動させるための駆動系として、ピエゾ素子58が駆動バー53に連結点52に連結され、支点51を支点として作用点55は拡大移動され可動ステージを移動させる構造となっている。
図2にピエゾ素子を伸縮させて可動ステージを移動させる方法を示す。また、これをXY2軸に組み合わせた構造とするには、図3に示すように2つのピエゾテーブルを90°ずらして対向配置する。連結方法としては、図4に示すように可動ステージ部(D)を上下に連結する方法と、図5に示す固定ベース61を連結する方法がある。可動ステージが移動できるように固定ベースとの高さに違いを設けることで図4における加圧力を伝達する上部部材62と下部部材63との間に隙間d、d'が存在する。図5においては可動ステージ間に隙間dが存在する。図4に比べ、隙間は上下の両可動ステージ兼用1箇所とできるので小さく押さえられ、加圧時のたわみによる平面方向の位置ずれも押さえられるので好ましい。隙間はバネ支持材が塑性変形に至らない弾性変形内である0.1mm以内が好ましく、加圧時のたわみによる平面方向の位置ずれを考慮すると10μm以内であることが好ましい。連結方法としては、ボルトなどによる締結や接着、溶接、挟み込みなどいかなる方法でも良い。アライメント移動する場合は、スキマを維持した状態で移動し、加圧時には移動停止した状態で加圧力が伝達され、隙間が、バネ支持のたわみにより接触し、加圧力を上部部材62へ伝達する構造となっている。但し、可動ステージは平行にたわまず傾くと平面方向の位置ずれを起こしてしまう。図1ピエゾテーブルのフリー端54,56がフリーのままであると可動ステージは傾きながらたわむことになるので、フリー端54,56は固定部に連結しておく必要がある。XY2軸を組み合わせる場合は図3に示すようにA,B点をA'、B'点に連結することで傾きは回避できる。
次に上記アライメントテーブルを真空中で使用した表面活性化接合装置について記述する。上ウエハーを保持するヘッド7と下ウエハーを保持するステージ8が減圧下の真空チャンバー11中に配置され、ヘッドはトルク制御式昇降駆動モータ1が連結されたZ(θ)軸昇降機構2によるZ軸機構と回転させるθ軸機構と、ヘッド部をXY水平方向へアライメント移動させるピエゾテーブルからなるXYアライメントテーブル6により、X、Y、θ方向のアライメント移動手段とZ方向の昇降手段からなる。圧力検出手段4により検出された接合時の加圧力をトルク制御式昇降駆動モータ1にフィ−ドバックすることで位置制御と圧力制御が切り替えながら行えるようになっている。また、圧力検出手段4は被接合物同士の接触検出にも利用できる。
XYアライメントテーブル6はピエゾ素子をアクチュエータとし、バネ支持によるシュウ動面を持たない可動テーブル構造とすることで、グリスやモータを使用しないので真空中でも使用できる。Z、θ軸機構は真空中に設置しなくともOリング5により容易にZ、θ移動可能にヘッド部と外部を遮断させることができるので、真空チャンバー外部に設置する。また、図7に示すようにθ軸をピエゾテーブル構成として、X、Y、θをピエゾテーブルとし、Z軸のみチャンバー外部に設置することもできる。また、OリングはZやθ軸のシュウ動を考慮すると2段構造とすることが好ましい。図6におけるおリング5を上下に2列使いとし、2本の間をチャンバー内部圧と外部大気圧の約中間に値する真空度で吸引してやることにより、漏れなく高速でかつ大ストロークをシュウ動させることができる。
ステージ8は接合位置と待機位置間をスライド移動手段29によりスライド移動することができる。スライド移動手段には高精度なガイドと位置を認識するリニアスケールが取り付けられており、接合位置と待機位置間の停止位置を高精度に維持することができる。また、移動手段としては、真空チャンバー内部に組み込んだかたちとしているが、移動手段を外部に配置し、パッキンされた連結棒で連結することで外部にシリンダやリニアサーボモータなどを配置することが可能である。また、移動手段は真空中、外部設置を問わずいかなる移動手段であったも良い。ヘッド及びステージの被接合物保持手段としては、メカニカルなチャッキング方式であっても良いが、静電チャックを設けることが好ましい。また、加熱のためのヒータを備え、プラズマ電極ともなっており、保持手段、加熱手段、プラズマ発生手段の3つの機能を備える。減圧手段としては、排気管15に真空ポンプ17がつながれ、排気弁16により開閉と流量調整が行われ、真空度を調整可能な構造となっている。また、吸入側は、吸気管18に吸入ガス切り替え弁20が連結され吸気弁19により開閉と流量調整が行われる。吸入ガスとしてはプラズマの反応ガスを2種類連結でき、例えばArと酸素をつなぐことができる。もう一つは大気解放用の大気または窒素がつながれる。真空度や反応ガス濃度は吸気弁19と排気弁16の開閉含めた流量調整により最適な値に調整可能となっている。また、真空圧力センサーを真空チャンバー内に設置することで自動フィードバックすることもできる。
アライメント用の光学系からなるアライメントマーク認識手段がステージ待機位置の上方とヘッド下方に真空チャンバー外部に配置される。認識手段の数は最低ステージ、ヘッド側に1つずつあれば良く、チップのような小さなものを認識するのであれば、アライメントマークがθ方向成分も読みとれる形状や2つのマークを1視野内に配置することで1つの認識手段でも十分読み取ることができるが、本実施例のようにウエハーのような半径方向に大きなものは両端に2つずつ配置した方がθ方向の精度を高く読み取ることができるので好ましい。また、認識手段は水平方向や焦点方向へ移動可能な手段を設けて、任意の位置のアライメントマークを読みとれるようにしても良い。また、認識手段は、例えば可視光やIR(赤外)光からなる光学レンズをともなったカメラからなる。真空チャンバーには認識手段の光学系が透過できる材質、例えばガラスからなる窓が配置され、そこを透過して真空チャンバー中の被接合物のアライメントマークを認識する。被接合物上には例えば各上ウエハー、下ウエハーの対向する表面にアライメントマークが施され位置精度良く認識することができる。アライメントマークは特定の形状であることが好ましいが、ウエハー上に施された回路パターンなどの一部を流用しても良い。また、マークとなるものが無い場合はオリフラなどの外形を利用することもできる。ステージ待機位置で上下ウエハーの両アライメントマークを読み取り、接合位置へステージを移動させ、ヘッド側でX、Y、θ方向へアライメント移動を行う。待機位置の読みとり結果を接合位置で反映させるため、ステージの待機位置と接合位置の相対移動距離ベクトルは繰り返し同じ結果となるよう精度が必要である。そのため、ガイドには高精度な繰り返し精度を持つものを使用し、かつ、両サイドでの位置認識を高精度に読み取るリニアスケールを配置している。リニアスケールを移動手段にフィードバックすることで停止位置精度を高める方法と移動手段が簡易なシリンダのようなものやボルトナット機構のようなバックラッシュのあるものである場合は、リニアスケールを両停止位置で読み取り、行き過ぎや行き足りない分をヘッド側アライメント移動手段を移動させる時に考慮して補正することで容易に高精度を達成することができる。また、ナノレベルにより高精度にファインアライメントする場合は、粗位置決めを行った後、上ウエハーと下ウエハーを数μm程度に近接させた状態でヘッド側認識手段に可視光、IR(赤外)兼用認識手段を使用し、ステージのアライメントマーク位置には透過孔や透過材を設けることで、下部からステージを透過して両ウエハー上のアライメントマークを同時認識して再度X、Y、θ方向へアライメントすることができる。認識手段が焦点方向に移動手段を持つ場合は上下個別に認識することもできるが、近接させて同時認識した方が精度上より好ましい。ファインアライメントする場合、繰り返してアライメントすることで精度向上が可能となり、また、θ方向は芯ぶれの影響が出るので一定以内に入った後はXY方向のみのアライメントを行うことでナノレベルまで精度を向上できる。画像認識手段としてはサブピクセルアルゴリズムを使用することで赤外線の解像度以上の認識精度を得ることが可能となる。また、近接させてアライメントしておけば接合時に必要なZ移動量は最低限の数μm以内となるため、Z移動に対するガタや傾きを最小限に押さえられ高精度なナノレベルの接合精度を達成することができる。
次に動作フローを解説する。まず、真空チャンバーの前扉を開いた状態で上ウエハーと下ウエハーをステージとヘッドに保持させる。これは人手でも良いが、カセットから自動でローディングしても良い。次に前扉を閉め、真空チャンバー内を減圧する。不純物を取り除くために10−3Torr以下に減圧することが好ましい。続いて、プラズマ反応ガスである例えばArを供給し、例えば10−2Torr程度の一定の真空度でプラズマ電極にプラズマ電源を印加し、プラズマを発生させる。発生されたプラズマイオンは電源側に保持されたウエハーの表面に向かって衝突し、表面の酸化膜や有機物層などの付着物がエッチングされることにより表面活性化される。同時に両ウエハーを洗浄することも可能であるが、1つのマッチングボックスを切り替えることで交互に洗浄することもできる。また、洗浄後または洗浄中に反応ガスやエッチング物を取り除くために10−3Torr以下に減圧することが好ましい。接合表面に打ち込まれたArを取り除くには100〜180℃程度に加熱を併用することもできる。続いてステージ待機位置でヘッド側、ステージ側の各々の認識手段で真空中で上下ウエハー上のアライメントマークを読み取り、位置を認識する。続いて、ステージは接合位置へスライド移動する。この時の認識された待機位置とスライド移動した接合位置の相対移動はリニアスケールを用いて高精度に行われる。ナノレベルの高精度が要求される場合は、粗位置決めを行った後、上ウエハーと下ウエハーを数μm程度に近接させた状態でヘッド側認識手段に可視光、IR(赤外)兼用認識手段を使用し、ステージのアライメントマーク位置には透過孔や透過材を設けることで、下部からステージを透過して両ウエハー上のアライメントマークを赤外透過して同時認識し、再度X、Y、θ方向へアライメントすることができる。この場合、繰り返してアライメントすることで精度向上が可能となり、また、θ方向は芯ぶれの影響が出るので一定以内に入った後はXY方向のみのアライメントを行うことでナノレベルまで精度を向上できる。また、前述のようにピエゾ素子は絶対精度が期待できないので補正移動後、画像認識し、再度補正移動させ繰り返して補正させることで精度アップできる。続いて、ヘッドを下降させ、両ウエハーを接触させ、位置制御から圧力制御へと切り替え加圧する。圧力検出手段により接触を検出し高さ位置を認識しておいた状態で、圧力検出手段の値をトルク制御式昇降駆動モータにフィードバックし設定圧力になるように圧力コントロールする。また、必要に応じて接合時に加熱を加える。常温で接触させた後、昇温させることで精度をキープさせた状態で加熱することができる。続いて、ヘッド側保持手段を解放し、ヘッドを上昇させる。続いて、ステージを待機位置に戻し、真空チャンバー内を大気解放する。続いて、前扉を開けて接合された上下ウエハーを取り出す。人手でも良いが自動でカセットにアンローディングすることが好ましい。
接合時に超音波振動を併用する場合には、ヘッド7はホーン保持部、ホーン、振動子から構成され、振動子による振動がホーンに伝達され、超音波振動をホーンが保持する被接合物へ伝達する。ホーン保持部はホーンや振動子の振動を殺さないように保持する手段からなる。この時の伝達率はホーンと被接合物の摩擦係数と圧力で決まるため、接合が進むにつれ接合面積に比例して加圧力を制御してやることが好ましい。また、チップのような接合面積が小さい費接合物であれば横振動タイプの超音波ヘッドで良いが、ウエハーのような大面積を接合する場合は、横振動タイプの超音波ヘッドでは横振動させるには接合面積が大きくては不可能であるが、縦振動タイプの超音波ヘッドであれば、大面積な面接合も可能となる。また、超音波振動と呼ぶが振動周波数は特に超音波の領域でなくとも良い。特に縦振動タイプにおいては、低周波でも十分効力を発揮する。
前記実施例では、XY軸をピエゾテーブルとしZ、θ軸を真空チャンバー外部としたが、θ軸もピエゾテーブルとし、X、Y、θをピエゾテーブルとすることもできる。その構成図を図3に示す。
前記実施例では被接合物としてウエハーを上げたが、チップと基板であっても良い。被接合物はウエハーやチップ、基板に限らずいかなる形態のものでも良い。
被接合物の保持手段としては静電チャック方式が望ましいが、メカニカルにチャッキングする方式でも良い。また、大気中でまず真空吸着保持させておいて密着させた後、メカニカルチャックする方法が密着性が上がり好ましい。
実施例ではヘッド側がアライメント移動手段と昇降軸を持ち、ステージ側がスライド軸を持ったが、アライメント移動手段、昇降軸、スライド軸はヘッド側、ステージ側にどのように組み合わせられても良く、また、重複しても良い。また、ヘッド及びステージを上下に配置しなくとも左右配置や斜めなど特に配置方向に依存しない。
ステージをスライドさせた状態でプラズマ洗浄する場合は、ヘッドとステージの電極形状、周囲の形状が似かよっているため電界環境は似かよっている。そのため、プラズマ電源を自動調整するマッチングボックスは個別のものを使用しなくとも、一つのもので電極を切り替え、順次ヘッド側、ステージ側と洗浄することができる。そうすることでコンパクト、コストダウンを達成できる。
ピエゾ素子をアクチュエータとするバネ支持構造のピエゾテーブル図 ピエゾテーブルの移動方式説明図 1軸ピエゾテーブルのXY2軸連結方式図 XY2軸連結における可動ステージ連結方式図 XY2軸連結における固定ベース連結方式図 表面活性化接合装置(XYピエゾテーブル)図 表面活性化接合装置(X、Y、θピエゾテーブル)図 LMガイド方式アライメントテーブル構成図
符号の説明
1 トルク制御式昇降駆動モータ
2 Z(θ)軸昇降機構
3 θ軸回転機構
4 圧力検出手段
5 Oリング
6 XYアライメントテーブル
7 ヘッド
8 ステージ
9 下ウエハー
10 上ウエハー
11 真空チャンバー
12 ヘッド側ウエハー認識カメラ
13 ステージ側ウエハー認識カメラ
14 ガラス窓
15 排気管
16 排気弁
17 真空ポンプ
18 吸気管
19 吸気弁
20 吸入ガス切り替え弁
21 Ar
22 O2
23 大気
27 上アライメントマーク
28 下アライメントマーク
29 スライド移動手段
51 支点
52 連結点
53 駆動バー
54 フリー端
55 作用点
56 フリー端
57 支点保持ベース
58 ピエゾ素子
59 バネ支持
60 可動ステージ
61 固定ベース
62 上部部材
63 下部部材
70 可動ステージ
71 LMガイド
72 ボールネジ
73 ボールネジ支持部及びサーボモータ

Claims (20)

  1. 加圧方向に垂直な平面方向に移動するピエゾ素子をアクチュエータとするアライメントテーブルを備え、補正移動後、加圧する方法において、アライメントテーブルがピエゾの伸縮によりバネ支持された可動ステージが移動する方式であり、移動時は可動ステージと加圧方向に隣り合う少なくとも一方の部材間に隙間を有し、加圧時にバネ支持のたわみにより接触し、加圧力を伝達する方法。
  2. 前記部材間の隙間が0.1mm以内である請求項1に記載の方法。
  3. 前記アライメントテーブルが複数のピエゾテーブルを組み合わせた複数軸の移動方向を持つアライメントテーブルである請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記アライメントテーブルが1軸ピエゾテーブルをXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、可動ステージ(60)を対向してつなげ、上下の部材間に隙間(d、d')を設ける請求項3に記載の方法。
  5. 前記アライメントテーブルがXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、固定ベース(61)を対向してつなげ、可動ステージ間に隙間(d)を設ける請求項3に記載の方法。
  6. 前記アライメントテーブルにより対向配置した2つの被接合物をアライメントして加圧接合する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記アライメントテーブルが減圧チャンバー中に配されている請求項6に記載の方法。
  8. 前記減圧チャンバー中に配されたアライメントテーブルの移動軸が平面方向の移動軸であり、Z軸及び/またはθ軸をチャンバー外部に構成する請求項7に記載の方法
  9. 前記Z軸及び/またはθ軸の外部と遮断するパッキンとしてOリングを2列使いとし、Oリング間をチャンバー内部圧と外部大気圧の間の値で吸引する請求項8に記載の方法
  10. 前記減圧中で、両被接合物の接合面を原子ビーム、イオンビームまたはプラズマであるエネルギー波により減圧中でドライ洗浄した後、180℃以内の低温で固層で接合する請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 対向配置された複数の被接合物保持手段と、加圧方向に垂直な平面方向に移動するピエゾ素子をアクチュエータとするアライメントテーブルと接合方向に加圧制御可能な昇降機構を備え、補正移動後、加圧する接合装置において、アライメントテーブルがピエゾの伸縮によりバネ支持された可動ステージが移動する方式であり、移動時は可動ステージと加圧方向に隣り合う少なくとも一方の部材間に隙間を有し、加圧時にバネ支持のたわみにより接触し、加圧力を伝達する接合装置。
  12. 前記部材間の隙間が0.1mm以内である請求項11に記載の接合装置。
  13. 前記アライメントテーブルが複数のピエゾテーブルを組み合わせた複数軸の移動方向を持つアライメントテーブルである請求項11または12のいずれかに記載の接合装置。
  14. 前記アライメントテーブルが1軸ピエゾテーブルをXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、可動ステージ(60)を対向してつなげ、上下の部材間に隙間(d、d')を設ける請求項13に記載の接合装置。
  15. 前記アライメントテーブルがXY方向に組み合わせられた2方向に移動可能なアライメントテーブルであり、固定ベース(61)を対向してつなげ、可動ステージ間に隙間(d)を設ける請求項13に記載の接合装置。
  16. 前記アライメントテーブルにより対向配置した2つの被接合物をアライメントして加圧接合する請求項11〜15のいずれかに記載の接合装置。
  17. 減圧チャンバーを備え、前記アライメントテーブルが減圧チャンバー中に配されている請求項16に記載の接合装置。
  18. 前記減圧チャンバー中に配されたアライメントテーブルの移動軸が平面方向の移動軸であり、Z軸及び/またはθ軸をチャンバー外部に構成する請求項17に記載の接合装置
  19. 前記Z軸及び/またはθ軸の外部と遮断するパッキンとしてOリングを2列使いとし、Oリング間をチャンバー内部圧と外部大気圧の間の値で吸引する請求項18に記載の接合装置
  20. 原子ビーム、イオンビームまたはプラズマであるエネルギー波照射手段を備え、前記減圧中で、両被接合物の接合面を原子ビーム、イオンビームまたはプラズマであるエネルギー波により減圧中でドライ洗浄した後、180℃以内の低温で固層で接合する請求項17〜19のいずれかに記載の接合装置。
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