JP2005235715A - 色素増感型太陽電池及びそれを用いた太陽電池ユニットパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 パネル本体への着脱が容易な色素増感型太陽電池及びそれを用いた太陽電池ユニットパネルを提供する。
【解決手段】 本発明の色素増感型太陽電池は、透光性基板1(ガラス基板等)と、透光性基板1に対向して配置された基板2(セラミック基板等)と、透光性基板1の一面側に配設された増感色素(ルテニウム錯体色素等)を有する半導体電極3(チタニア等からなる。)と、基板2の一面側に配設された触媒電極4(白金等からなる。)と、電解質5(Iと4級アンモニウム化合物のヨウ素塩との組み合わせ等)と、を備え、基板2の他面側に、半導体電極3と導通する負極側電極端子31及び触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池、及びこの色素増感型太陽電池をパネル本体に配置した太陽電池ユニットパネルに関する。更に詳しくは、本発明は、パネル本体に配置するための負極側及び正極側電極端子を備え、パネル本体への着脱が容易な色素増感型太陽電池、及びこの色素増感型太陽電池をパネル本体に配置した太陽電池ユニットパネルに関する。
現在、太陽光発電では、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びこれらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin−layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっている。これらの太陽電池では光電変換の効率も20%に近く優れている。しかし、シリコン系太陽電池は素材製造にかかるエネルギーコストが高く、環境負荷などの面でも課題が多く、価格及び材料供給等における制限もある。一方、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。この太陽電池は、増感色素を担持させたチタニア多孔質電極と対極との間に電解質を介在させた構造を有し、現行のシリコン系太陽電池に比べて光電変換効率は低いものの、材料、製法等の面で大幅なコストダウンが可能である。
従来から用いられているシリコン系太陽電池は、通常、一対の正極と負極とを備える複数のセルを直列又は並列に接続して所定の電圧及び容量を有するユニットパネルとして実用に供されている。また、色素増感型太陽電池の場合も、複数のセルを直列又は並列に接続することで、所定の電圧及び容量のユニットパネルとすることができる。
特開平1−220380号公報 Nature誌(第353巻、pp.737−740、1991年)
しかし、従来の太陽電池ユニットパネルは、ユニットパネル上のセルを部分的に交換することが難しく、このユニットパネルでは、一部のセルが劣化又は損傷した場合でも、ユニットパネルそのものを交換しなければならなかった。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、基板にパネル本体への着脱が容易な電極端子が設けられた色素増感型太陽電池、及びこの太陽電池が、電極端子に対応するソケットを備えるパネル本体に配置されてなる太陽電池ユニットパネルを提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された、増感色素を有する半導体電極3及び触媒電極4のうちの少なくとも該半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された、少なくとも、該半導体電極3に対向する触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該透光性基板1又は該基板2に、該半導体電極3と導通する負極側電極端子31及び該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された増感色素を有する半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該基板2の他面側に、該半導体電極3と導通する負極側電極端子31及び該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
3.上記基板2がセラミック基板である上記1.又は2.に記載の色素増感型太陽電池。
4.上記半導体電極3と上記負極側電極端子31とは、上記透光性基板1の上記一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、上記基板2の上記一面側との間に、上記半導体電極3及び上記触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6と、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール211に充填された導電体71とを介して導通し、上記触媒電極4と上記正極側電極端子41とは、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
5.上記導電体71の他端面側は上記負極側電極端子31に接続され、且つ該導電体71の一端面側は上記基板2の上記一面側に、上記触媒電極4を取り囲むように配設された接続用導電体73に接続されており、上記導電体72の他端面側は上記正極極側電極端子41に接続され、且つ該導電体72の一端面側は上記触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている上記4に記載の色素増感型太陽電池。
6.上記導電性接合層6の一面側は、上記負極側集電電極81と接続され、且つ該導電性接合層6の他面側は、上記接続用導電体73と接続されている上記5.に記載の色素増感型太陽電池。
7.上記負極側電極端子31及び上記正極側電極端子41の各々が、それぞれピンコネクタを構成するピン311、411である上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
8.透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された増感色素を有する半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該基板2は、少なくとも一方向に突き出し部22を有し、該突き出し部22の一面側に該半導体電極3と導通する負極側電極端子31が設けられ、且つ該突き出し部22の他面側に該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
9.上記基板2がセラミック基板である上記8.に記載の色素増感型太陽電池。
10.上記半導体電極3と上記負極側電極端子31とは、上記透光性基板1の上記一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、上記基板2の上記一面側との間に、上記半導体電極3及び上記触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6を介して導通し、上記触媒電極4と上記正極側電極端子41とは、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している上記1.、9.又は10.に記載の色素増感型太陽電池。
11.上記基板2の上記一面側に、上記触媒電極4を取り囲むように接続用導電体73が配設され、上記負極側電極端子31は、該接続用導電体73に接続され、又は該接続用導電体73が延設されて形成され、上記導電体72の他端面側は上記正極極側電極端子41に接続され、且つ該導電体72の一端面側は上記触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている上記10.に記載の色素増感型太陽電池。
12.上記導電性接合層6の一面側は、上記負極側集電電極81と接続されている上記10.又は11.に記載の色素増感型太陽電池。
13.上記負極側電極端子31及び上記正極側電極端子41の各々が、それぞれカードエッジコネクタを構成するエッジ端子312、412である上記1.又は8.乃至12.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
14.上記7.に記載の色素増感型太陽電池と、複数の該色素増感型太陽電池を配置するためのパネル本体101とを備える太陽電池ユニットパネルであって、該パネル本体101は、各々の該色素増感型太陽電池に設けられたそれぞれの上記ピン311、411に対応するソケット1011、1012を備え、該ピン311、411が該ソケット1011、1012に差し込まれ、該色素増感型太陽電池が該パネル本体101に配置されていることを特徴とする太陽電池ユニットパネル。
15.上記ピン311、411の各々が、上記色素増感型太陽電池を上記パネル本体101の一定の方向のみに配置することができるように設けられている上記14.に記載の太陽電池ユニットパネル。
16.上記ピン311、411の各々の個数及び形状の少なくとも一方が異なる上記14.又は15.に記載の太陽電池ユニットパネル。
17.上記13.に記載の色素増感型太陽電池と、複数の該色素増感型太陽電池を配置するためのパネル本体102とを備える太陽電池ユニットパネルであって、該パネル本体102は、各々の該色素増感型太陽電池に設けられたそれぞれの上記エッジ端子312、412に対応するソケット1021、1022を備え、該エッジ端子312、412が該ソケット1021、1022に差し込まれ、該色素増感型太陽電池が該パネル本体102に配置されていることを特徴とする太陽電池ユニットパネル。
透光性基板1の一面側に配設された、半導体電極3及び触媒電極4のうちの少なくとも半導体電極3と、基板2の一面側に配設された、少なくとも、半導体電極3に対向する触媒電極4と、を備え、透光性基板1又は基板2に、負極側電極端子31及び正極側電極端子41が設けられている本発明の色素増感型太陽電池は、負極側及び正極側電極端子によりパネル本体101、102に導通させると同時に電池を固定させることができる。
透光性基板1の一面側に配設された半導体電極3と、基板2の一面側に配設された触媒電極4と、を備え、基板2の他面側22に、負極側電極端子31及び正極側電極端子41が設けられている他の本発明の色素増感型太陽電池は、パネル本体101への配置が容易であり、パネル本体101への導通と同時に電池を固定させることができる。
また、基板2がセラミック基板である場合は、強度が大きく、耐久性に優れ、且つ透光性導電層が付設された基板を用いる場合と比較して集電電極の面積を大きくすることができ、その抵抗を低くすることが可能であるため光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。尚、集電電極の面積を大きくすることができるのは、電解質との反応性が低く、融点が高いニッケル、チタン、タングステン等を用いて、基板2の一面側に、電解質と直接接触する形態で集電電極を設けることができるためである。
更に、半導体電極3と負極側電極端子31とは、透光性基板1の一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、基板2の一面側との間に、半導体電極3及び触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6と、基板2を貫通して形成されたスルーホール211に充填された導電体71とを介して導通し、触媒電極4と正極側電極端子41とは、基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している場合は、簡易な構造であって、半導体電極3と負極側電極端子31及び触媒電極4と正極側電極端子41を確実に導通させることができる。
また、導電体71の他端面側は負極側電極端子31に接続され、且つ導電体71の一端面側は、基板2の一面側に触媒電極4を取り囲むように配設された接続用導電体73に接続されており、導電体72の他端面側は正極極側電極端子41に接続され、且つ導電体72の一端面側は触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている場合は、簡易な構造であって、半導体電極3と負極側電極端子31及び触媒電極4と正極側電極端子41の導通が容易である。
更に、導電性接合層6の一面側は、負極側集電電極81と接続され、且つ導電性接合層6の他面側は、接続用導電体73と接続されている場合は、半導体電極3と負極側電極端子31とをより確実に導通させることができる。
また、負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々が、それぞれピンコネクタを構成するピン311、411である場合は、各々の色素増感型太陽電池をパネル本体101に容易に着脱することができる。
透光性基板1の一面側に配設された半導体電極3と、基板2の一面側に配設された触媒電極4と、を備え、基板2の突き出し部22の一面側に負極側電極端子31が設けられ、且つ突き出し部22の他面側に正極側電極端子41が設けられている更に他の本発明の色素増感型太陽電池は、パネル本体102への配置が容易であり、パネル本体102への導通と同時に電池を固定させることができる。
更に、基板2がセラミック基板である場合は、強度が大きく、耐久性に優れ、且つ透光性導電層が付設された基板を用いる場合と比較して集電電極の面積を大きくすることができ、その抵抗を低くすることが可能であるため光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。尚、集電電極の面積を大きくすることができる理由は上記のとおりである。
また、半導体電極3と負極側電極端子31とは、透光性基板1の一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、基板2の一面側との間に、半導体電極3及び触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6を介して導通し、触媒電極4と正極側電極端子41とは、基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している場合は、簡易な構造であって、半導体電極3と負極側電極端子31及び触媒電極4と正極側電極端子41を確実に導通させることができる。
更に、基板2の一面側に、触媒電極4を取り囲むように接続用導電体73が配設され、負極側電極端子31は、接続用導電体73に接続され、又は接続用導電体73が延設されて形成され、導電体72の他端面側は正極極側電極端子41に接続され、且つ導電体72の一端面側は触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている場合は、簡易な構造であって、半導体電極3と負極側電極端子31及び触媒電極4と正極側電極端子41の導通が容易である。
また、導電性接合層6の一面側が、負極側集電電極81と接続されている場合は、半導体電極3と負極側電極端子31とをより確実に導通させることができる。
更に、負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々が、それぞれカードエッジコネクタを構成するエッジ端子312、412である場合は、各々の色素増感型太陽電池をパネル本体102に容易に着脱することができる。
負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々がピン311、411である色素増感型太陽電池と、複数の色素増感型太陽電池を配置するためのソケット1011、1012を有するパネル本体101とを備える本発明の太陽電池ユニットパネルは、各々の電池の着脱が容易であり、劣化又は損傷した電池のみを取り替えることができ、安定した電池性能を維持することができる。
また、ピン311、411の各々が、色素増感型太陽電池をパネル本体101の一定の方向のみに配置することができるように設けられている場合は、短絡等の発生を防止することができる。
更に、ピン311、411の各々の個数及び形状の少なくとも一方が異なる場合も、短絡等の発生を防止することができる。
負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々がエッジ端子312、412である色素増感型太陽電池と、複数の色素増感型太陽電池を配置するためのソケット1021、1022を有するパネル本体102とを備える他の本発明の太陽電池ユニットパネルは、各々の電池の着脱が容易であり、劣化又は損傷した電池のみを取り替えることができ、安定した電池性能を維持することができる。
以下、図1〜図18を参照して本発明の色素増感型太陽電池及び太陽電池ユニットパネルを詳細に説明する。
上記「透光性基板1」としては、ガラス、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。樹脂シートは特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等からなる樹脂シートが挙げられる。複数の太陽電池がパネル本体に配置されて用いられる場合、各々の太陽電池の透光性基板1はそれぞれガラス基板でもよいし、樹脂基板でもよい。また、樹脂基板であるとき、樹脂は同じ樹脂でもよく、異なる樹脂でもよい。
尚、透光性とは、波長400〜900nmの可視光の透過率が10%以上であることを意味する。この透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。以下、透光性の意味及び好ましい透過率はすべて同様である。
透過率(%)=(透過した光量/入射した光量)×100
透光性基板1の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、上記の透過率が60〜99%、特に85〜99%となる厚さであることが好ましい。
透光性基板1に対向して配置される上記「基板2」は、透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。透光性を有する基板2は、透光性基板1の場合と同様にガラス及び樹脂シート等を用いて形成することができる。この基板2が樹脂シートからなるとき、この樹脂シートの形成に用いる樹脂としては、上記の各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。基板2が透光性を有する基板である場合、その厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、上記の透過率が60〜99%、特に85〜99%となる厚さであることが好ましい。
透光性を有していない基板2はセラミックにより形成することができる。セラミック基板は強度が大きく、この基板が支持基板となって優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。セラミック基板の形成に用いられるセラミックは特に限定されず、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック及び炭化物系セラミック等の各種のセラミックを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。
基板2がセラミックからなる場合、その厚さは特に限定されないが、100μm〜5mmとすることができ、300μm〜4mm、特に500μm〜2mm、更に700μm〜1.5mmとすることができる。セラミック基板の厚さが100μm〜5mm、特に500μm以上であれば、この強度の大きい基板が支持基板となり、優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
複数の太陽電池がパネル本体に配置されて用いられる場合、この基板2はガラス基板、樹脂基板及びセラミック基板のうちのいずれであってもよい。更に、樹脂基板であるとき、樹脂は同じ樹脂でもよく、異なる樹脂でもよい。また、セラミック基板であるとき、セラミックは同じセラミックでもよく、異なるセラミックでもよい。
透光性基板1は、ガラス及び樹脂等により形成することができ、基板2は、ガラス、樹脂及びセラミック等により形成することができるが、透光性基板1はガラス基板であり、基板2はセラミック基板であることが好ましい。このセラミック基板に用いるセラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。このように、透光性基板1はガラス基板であり、基板2はアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等からなるセラミック基板であることが好ましく、透光性基板1はガラス基板であり、基板2はアルミナ基板であることがより好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池における上記「半導体電極3」は、少なくとも透光性基板1の一面側に配設され、特に、複数の半導体電極が配設される場合、基板2の一面側に配設されていてもよい。また、他の本発明の色素増感型太陽電池、及び更に他の本発明の色素増感型太陽電池における半導体電極3は、透光性基板1の一面側に配設される。この半導体電極3の電極基体は、金属酸化物、金属硫化物等により形成することができる。金属酸化物としては、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化二ニオブ等の酸化ニオブ、酸化タンタル及びジルコニア等が挙げられる。また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸バリウム等の複酸化物を用いることもできる。更に、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化鉛及び硫化ビスマス等が挙げられる。
電極基体の作製方法は特に限定されず、例えば、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子を含有するペーストを透光性基板1等の表面に塗布し、焼成することにより作製することができる。ペーストの塗布方法も特に限定されず、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等が挙げられる。このようにして作製された電極基体は微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
電極基体は、透光性基板1等の表面に、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子及び少量の有機高分子等が分散されたコロイド溶液を塗布し、その後、乾燥し、次いで、加熱して有機高分子を分解させて除去する等の工程により作製することもできる。このコロイド溶液も、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法により塗布することができる。この方法により作製した電極基体も微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
半導体電極3の厚さは特に限定されないが、0.1〜100μmとすることができ、1〜50μm、特に2〜40μm、更に5〜30μmとすることが好ましい。半導体電極3の厚さが0.1〜100μmであれば、光電変換が十分になされ、発電効率が向上する。また、半導体電極3は、その強度並びに透光性基板1及び基板2等との密着性を向上させるため熱処理することが好ましい。熱処理の温度及び時間は特に限定されないが、熱処理温度は40〜700℃、特に100〜500℃、熱処理時間は10分〜10時間、特に20分〜5時間とすることが好ましい。尚、透光性基板1及び基板2として樹脂シートを用いる場合は、樹脂が熱劣化しないように低温で熱処理することが好ましい。
半導体電極3が有する上記「増感色素」としては、光電変換の作用を向上させる錯体色素及び有機色素を用いることができる。錯体色素としては金属錯体色素が挙げられ、有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素等が挙げられる。金属錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。更に、光電変換がなされる波長域を拡大し、光電変換効率を向上させるため、増感作用が発現される波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。この場合、照射される光の波長域と強度分布とによって併用する増感色素の種類及びそれらの量比を設定することが好ましい。また、増感色素は半導体電極に結合するための官能基を有することが好ましい。この官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基等が挙げられる。
電極基体に増感色素を付着させる方法は特に限定されず、例えば、増感色素を有機溶媒に溶解させた溶液に電極基体を浸漬し、溶液を含侵させ、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることができる。また、この溶液を、電極基体に塗布し、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることもできる。この塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スピンコート法、スプレーコート法等が挙げられる。更に、この溶液は、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法により塗布することもできる。
増感色素の付着量は半導体電極1gに対して0.01〜1ミリモル、特に0.5〜1ミリモルであることが好ましい。付着量が0.01〜1ミリモルであれば、半導体電極における光電変換が効率よくなされる。また、半導体電極に付着しなかった増感色素が電極周辺に遊離していると、変換効率が低下することがある。そのため、増感色素を付着させる処理の後、半導体電極を洗浄して余剰の増感色素を除去することが好ましい。この除去は、洗浄槽を用いてアセトニトリル等の極性溶媒及びアルコール系溶媒などの有機溶媒で洗浄することにより行うことができる。また、電極基体に多くの増感色素を付着させるためには、半導体電極を加熱して、浸漬、塗布等の処理を行うことが好ましい。この場合、半導体電極の表面に水が吸着するのを避けるため、加熱後、常温に降温させることなく40〜80℃で速やかに処理することが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池における上記「触媒電極4」は、少なくとも基板2の一面側に配設され、特に、複数の触媒電極が配設される場合、透光性基板1の一面側に配設されていてもよい。また、他の本発明の色素増感型太陽電池、及び更に他の本発明の色素増感型太陽電池における触媒電極4は、基板2の一面側に配設される。この触媒電極4は、後記の導電性接合層6及び接続用導電体73と導通しないように設けなければならない。触媒電極4は、触媒活性を有する物質、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、後記の透光性導電層91等の形成に用いられる導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種により形成することができる。触媒活性を有する物質としては、白金、金、ロジウム等の貴金属(但し、銀は電解質等に対する耐腐食性が低いため好ましくない。以下、電解質等が接触し得る部分には同様に銀は好ましくない。)、カーボンブラック等が挙げられ、これらは併せて導電性を有する。触媒電極は、触媒活性を有し、且つ電気化学的に安定な貴金属により形成することが好ましく、触媒活性が高く、電解質に対する耐腐食性が高い白金を用いることが特に好ましい。
触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いる場合、触媒電極に混合されて用いられる金属としては、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、タングステン等が挙げられる。更に、触媒電極に混合されて用いられる導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等が挙げられる。また、この導電性高分子としては、導電性を有さない樹脂に各種の導電性物質を配合して調製したものが挙げられる。この導電性を有さない樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。更に、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。導電性物質も特に限定されず、カーボンブラック、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム及びタングステン等の金属、ポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。導電性物質としては、導電性と触媒活性とを併せて有する貴金属及びカーボンブラックが特に好ましい。導電性物質は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いる場合、上記の触媒活性を有する物質の含有量は、金属、導電性酸化物、導電性高分子等を100質量部とした場合に、1〜99質量部、特に50〜99質量部であることが好ましい。
このように、触媒電極4は、導電性及び触媒活性を有する物質により形成することができる。また、触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種により形成することもできる。更に、触媒電極4は、1種の材料のみからなる層でもよく、2種以上の材料からなる混合層でもよい。また、触媒電極4は、単層でもよく、金属層、導電性酸化物層、導電性高分子層、並びに金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの2種以上からなる混合層のうちの2層以上からなる多層の触媒電極でもよい。この触媒電極の厚さは特に限定されないが、単層及び多層のいずれの場合も、3nm〜10μm、特に3nm〜2μmとすることができる。触媒電極の厚さが3nm〜10μmであれば、十分に抵抗の低い触媒電極とすることができる。
触媒活性を有する物質からなる触媒電極4は、触媒活性を有する物質の微粒子を含有するペーストを、基板2等の表面に塗布して形成することができる。また、触媒活性を有する物質を含有する金属、導電性酸化物からなる触媒電極4も、触媒活性を有する物質の場合と同様の方法により形成することができる。この塗布方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。更に、これらの触媒電極4は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により、基板2等の表面に金属等を堆積させて形成することもできる。
また、触媒活性を有する物質を含有する導電性高分子からなる触媒電極4は、導電性高分子と、粉末状又は繊維状等の触媒活性を有する物質とを、バンバリーミキサ、インターナルミキサー、オープンロール等の装置により混練して調製した樹脂組成物をフィルムに成形し、このフィルムを基板2等の表面に接合して形成することもできる。更に、樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散させて調製した溶液又は分散液を基板2等の表面に塗布し、乾燥して、溶媒を除去し、必要に応じて加熱して形成することもできる。尚、触媒電極4が混合層であるときは、含有される材料の種類に応じて、上記の各種の方法等のうちの適宜の方法により形成することができる。
上記「電解質5」は、半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ透光性基板1と基板2との間に充填される。電解質5は、通常、半導体電極3の全体に含有され、また、透光性基板1と基板2との間の間隙の全体に充填される。
電解質としては、(1)Iとヨウ化物、(2)Brと臭化物、(3)フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、(4)ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、(5)ビオロゲン色素、(6)ヒドロキノン−キノン、などを含有する電解質が挙げられる。(1)におけるヨウ化物としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、及びテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などが挙げられる。また、(2)における臭化物としては、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属臭化物、及びテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物の臭素塩などが挙げられる。これらの電解質のうちでは、Iと、LiI及びピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩とを組み合わせてなる電解質が特に好ましい。これらの電解質は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電解質5は、各種の添加剤等とともに溶媒に配合し、電解質溶液として用いることができる。この溶媒は、粘度が低く、イオン易動度が高く、十分なイオン伝導性を有するものであることが好ましい。このような溶媒としては、(1)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、(2)3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、(3)ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、(4)エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、(5)メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のモノアルコール類、(6)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、(7)アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、(8)ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電解質溶液を用いる場合、この溶液は、透光性基板1と基板2との間を、半導体電極3等の周囲において樹脂又はガラスにより封着し、形成される空隙に電解質溶液を注入し、充填させることができる。この空隙への電解質溶液の注入は、透光性基板1の側からでも、基板2の側からでもよく、穿孔し易い側に注入口を設け、この注入口から注入することが好ましい。尚、注入口は1個でよいが、空気抜きのため更に他の孔を設けることもできる。このように空気抜きのための孔を設けることで、電解質溶液をより容易に注入することができる。
半導体電極3と触媒電極4との間隔は特に限定されないが、200μm以下、特に100μm以下、更に50μm以下(通常、1μm以上)とすることができる。この間隔が所定値以下であれば、変換効率を十分に高くすることができる。
半導体電極3等の周囲の封着に用いられる樹脂としては、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、マレイン酸変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィン樹脂及びエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等の接着性を有するポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。更に、この封着はガラスにより行うこともでき、特に長期の耐久性を必要とする太陽電池では、ガラスにより封着することが好ましい。
透光性基板1の一面側には、図1、3、4、7、8、10等のように、上記「負極側集電電極81」及び上記「透光性導電層91」のうちの少なくとも一方を設けることができる。この場合、半導体電極3と負極側電極端子31とは、負極側集電電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方を介して導通させることができる。
負極側集電電極81の形状は透光性が保持される限り特に限定されず、図1、7、8のように、半導体電極3を取り囲むように形成することができる。更に、線状の電極からなり且つ特定の電極パターンにより形成されている電極とすることができ、例えば、格子状(図3、4、10、14参照)、櫛歯状、放射状等の形状の電極とすることができる。また、この線状の電極からなり且つ特定の電極パターンにより形成されている負極側集電電極81の場合、線状の電極の幅及び厚さは特に限定されず、その電気抵抗及びコスト等を勘案し設定することが好ましい。負極側集電電極81の全面積は、負極側集電電極81を半導体電極3に投影したときに、半導体電極3の全面積に対して0.1〜20%、特に0.1〜5%、更に0.1〜1%であることが好ましい。負極側集電電極81の全面積が半導体電極3の全面積に対して0.1〜20%であれば、半導体電極3に照射される光量を十分に保持することができ、且つ集電効率を高めることができる。
透光性導電層91は、透光性及び導電性を有しておればよい。この透光性導電層91の材質は特に限定されず、導電性酸化物からなる薄膜、金属薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム及び酸化亜鉛等が挙げられる。また、金属としては、白金、金、銅、アルミニウム、ロジウム及びインジウム等が挙げられる。この透光性導電層91の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/cm以下、特に1〜10Ω/cmとなる厚さであることが好ましい。更に、透光性導電層91の形成方法は特に限定されず、金属、導電性酸化物等の微粒子を含有するペーストを、透光性基板1の表面に塗布して形成することができる。この塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。また、透光性導電層91は、金属、導電性酸化物等を用いたスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成することもできる。
更に、負極側集電電極81が設けられる場合、透光性導電層91が併設されれば集電効率はより向上するが、透光性導電層91は必ずしも設ける必要はない。特に、図4のような特定の構造を備える色素増感型太陽電池では、透光性導電層91を設けなくても十分に発電効率の高い太陽電池とすることができる。この色素増感型太陽電池では、基板2と透光性基板1との間に、基板2の側から順に、触媒電極4、負極側と正極側とを電気的に絶縁する多孔質絶縁層I、負極側集電電極81及び半導体電極3が積層され、設けられている。また、触媒電極4と多孔質絶縁層Iとの界面から透光性基板1と半導体電極3との界面までの間には電解質が充填され含有されている。従って、負極側集電電極81が平板状であるときは、この負極側集電電極81は多孔質体である必要がある。この多孔質体からなる負極側集電電極81の空孔率は特に限定されないが、2〜40%、特に10〜30%、更に15〜25%とすることができる。空孔率が10〜30%であれば、集電効率を低下させることなく、且つ電解質を容易に含有させることができる。
多孔質絶縁層Iの材質は特に限定されず、セラミック、樹脂及びガラス等が挙げられ、セラミックが好ましい。セラミックとしては、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック及び炭化物系セラミック等の各種のセラミックを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素及びジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。
多孔質絶縁層Iの平面形状は、負極側と正極側とを電気的に絶縁することができる限り特に限定されず、例えば、平面状でもよく、格子状、櫛歯状、放射状等の特定の形状であってもよい。更に、多孔質絶縁層Iの空孔率は特に限定されないが、2〜40%、特に10〜30%、更に15〜25%であることが好ましい。この空孔率が10〜30%であれば、電解質が容易に含有され、太陽電池としての作用が損なわれることがない。また、多孔質絶縁層Iの厚さも特に限定されないが、色素増感型太陽電池の製造方法によっても異なる。例えば、この色素増感型太陽電池を、基板2、触媒電極4、多孔質絶縁層I、負極側集電電極81及び半導体電極3をこの順に配設してなる積層体と、透光性基板1とを対向させて積層して製造する場合は、多孔質絶縁層Iの厚さは0.5〜20μm、特に1〜10μm、更に2〜5μmとすることができる。この多孔質絶縁層Iの厚さが0.5〜20μmであれば、負極側と正極側とを電気的に十分に絶縁することができる。
多孔質絶縁層Iは、各々のセラミック成分等を含有するペーストを用いて、スクリーン印刷法等により触媒電極4の表面に塗膜を形成し、その後、所定温度で焼成する方法により形成することができる。更に、マグネトロンスパッタ法、電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法などにより、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等のセラミックを触媒電極4の表面に堆積させて設けることができる。
尚、この図4の色素増感型太陽電池において、基板2と触媒電極4との間に後記の正極側集電電極82を設けることもできる。
基板2の一面側には、図7のように、正極側集電電極82及び導電層92のうちの少なくとも一方を設けることができる。この場合、触媒電極4と正極側電極端子41とは、正極側集電電極82及び導電層92のうちの少なくとも一方を介して導通させることができる。但し、正極側集電電極82及び導電層92は、後記の導電性接合層6及び接続用導電体73と導通しないように設けなければならない。
正極側集電電極82は、触媒電極4を白金、金等の導電性に優れる貴金属により形成し、特に20nm以上、更に1μm以上(通常、10μm以下)と厚くした場合は、導電性の観点からは設ける必要はないが、コストの面では設けることが好ましい。即ち、白金等は高価であるため、触媒電極4をできるだけ薄層とすることが好ましいが、薄層であると抵抗が高くなるため、タングステン、チタン、ニッケル等の金属からなる正極側集電電極82を設けることで、集電効率を向上させるとともに、コストを低減することができる。更に、触媒電極4を前記の導電性酸化物に触媒活性を有する物質を配合した組成物等により形成したときは、触媒電極4の抵抗はより高くなるため、正極側集電電極82を設け、集電効率を高めることがより好ましい。
正極側集電電極82の形状は特に限定されないが、基板2の側では透光性は必須でないため平面状とすることができる。この正極側集電電極82が平面状である場合、抵抗の低い正極側集電電極82とするためには、触媒電極4と類似の平面形状であり、且つ触媒電極4に対して50%以上、特に65%以上、更に80%以上(同面積でもよい。)の面積の平面状の電極であることが好ましい。更に、触媒電極4と相似形に配設されることがより好ましい。また、正極側集電電極82は、線状の電極からなり且つ特定の電極パターンにより形成されている電極とすることもできる。この特定のパターンは特に限定されず、例えば、格子状、櫛歯状、放射状等とすることができる。この線状の電極からなり且つ特定の電極パターンにより形成されている正極側集電電極82の場合、線状の電極の幅及び厚さは特に限定されず、その電気抵抗及びコスト等を勘案し設定することが好ましい。正極側集電電極82が線状の電極からなり且つ特定の電極パターンにより形成されている電極である場合、正極側集電電極82の全面積は特に限定されないが、正極側集電電極82を触媒電極4に投影したときに、触媒電極4の全面積に対して0.1%以上、特に5%以上、更に10%以上とすることができる。また、この全面積は90%以上とすることもでき、このように面積の広い正極側集電電極82であれば、集電効率をより高めることができる。
導電層92は、透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。この導電層92は、透光性導電層91と同様の材料等を用いて形成することができる。導電層92は、透光性を有している必要がないこともあって、その厚さは特に限定されないが、コストの面からは薄膜とすることが好ましい。尚、薄膜とすれば透光性となるが、内部抵抗は高くなる。従って、導電層92の厚さは透光性と内部抵抗とを勘案して設定することが好ましく、通常、表面抵抗が100Ω/cm以下、特に1〜10Ω/cmとなる厚さとすることができる。導電層92は透光性導電層91と同様の方法により形成することができる。
負極側集電電極81及び正極側集電電極82を設ける方法は特に限定されないが、例えば、所定のパターンが形成されたマスクを用いて、マグネトロンスパッタ法及び電子ビ−ム蒸着法等の物理的蒸着法などでタングステン、チタン、ニッケル等の金属を堆積させ、その後、フォトリソグラフィー等によりパターニングする方法が挙げられる。また、各々の金属成分を含有するメタライズインクを用いてスクリーン印刷法等によりパターニングし、その後、焼成する方法などにより形成することができる。物理的蒸着法などに用いる金属としては、タングステン、チタン、ニッケルの他、白金、金等の貴金属及び銅等を用いることもできる。この金属としては、耐腐食性に優れるタングステン、チタン、ニッケル及び貴金属等を用いることが好ましい。更に、メタライズインクに含有される金属としても、タングステン、チタン、ニッケル、白金、金等の貴金属及び銅等を用いることができる。この金属としては、耐腐食性に優れるタングステン、チタン、ニッケル、貴金属等を用いることが好ましい。
半導体電極3と導通する上記「負極側電極端子31」及び触媒電極4と導通する上記「正極側電極端子41」は、ともに透光性基板1に設けるか、又は基板2に設けることができる。この負極側電極端子31と正極側電極端子41とは、透光性基板1の他面側又は基板2の他面側に設けることができ、特に、他の本発明の色素増感型太陽電池、及び更に他の本発明の色素増感型太陽電池のように、透光性が必須ではない基板2に設けることができる(図1、3、4、7、8、10等参照)。この場合、基板2は、ガラス基板、樹脂基板及びセラミック基板等のいずれであってもよいが、負極側電極端子及び正極側電極端子の配設が容易であり、耐久性に優れた色素増感型太陽電池とすることができるセラミック基板が好ましい。
負極側電極端子31及び正極側電極端子41を備える色素増感型太陽電池において、半導体電極3と負極側電極端子31とは、どのようにして導通されていてもよい。他の本発明の色素増感型太陽電池では、図1、3、4、7のように、半導体電極3と負極側電極端子31とは、透光性基板1の一面側に設けられた負極側集電電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、基板2の一面側との間に、半導体電極3及び触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6と、基板2を貫通して形成されたスルーホール211に充填された導電体71とを介して導通させることができる。また、触媒電極4と正極側電極端子41とは、どのようにして導通されていてもよいが、例えば、図1、3、4、7のように、触媒電極4と正極側電極端子41とは、基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通させることができる。
上記「導電性接合層6」は、半導体電極3等の周囲の封着に用いられる前記の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に、導電性成分を配合した導電性樹脂を用いて形成することができる。導電性成分としては、チタン、ニッケル、タングステン及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの導電性成分は1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。導電性接合層6は、導電性樹脂を含有する導電性ペーストを調製し、この導電性ペーストを透光性基板1の一面側及び/又は基板2の一面側に塗布し、必要に応じて加熱する等の工程により形成することができる。また、予め導電性樹脂からなる枠体を形成しておき、この枠体を透光性基板1の一面側と基板2の一面側との間に介装させ、必要に応じて加熱する等の工程により形成することができる。
上記「導電体71」は、基板2を貫通して形成された上記「スルーホール211」に導電材を充填することにより設けることができる。更に、上記「導電体72」は、基板2を貫通して形成された上記「スルーホール212」に導電材を充填することにより設けることができる。更に、導電層92が設けられている場合は、基板2及び導電層92を貫通して形成されたスルーホール212に導電材を充填することにより設けることができる。導電材はスルーホール211、212の全体に充填されていてもよいし、スルーホールの壁面に導体層が形成されていてもよい。
スルーホール211、212の横断面の形状は特に限定されず、円形、楕円形及び三角形、四角形等の多角形などとすることができる。この横断面の形状は、通常、円形である。また、スルーホールの径方向の寸法も特に限定されず、横断面が円形である場合は、直径が0.05〜1mm、特に0.1〜0.8mmの貫通孔とすることができる。更に、横断面が円形でない場合は、面積が円形の場合と同等となる開口寸法を有する貫通孔とすることができる。スルーホール211、212は、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等のレーザー光の照射、ドリル加工、孔開けパンチを用いたパンチングなど各種の方法により形成することができる。尚、基板2がセラミック基板である場合は、未焼成セラミックシートに孔開けパンチ等を用いて容易にスルーホールを形成することができる。
スルーホール211、212への導電材の充填は、導体用ペーストを穴埋め印刷法等によりスルーホールの少なくとも一方の開口から充填し、その後、焼成して行うことができる。この導体用ペーストは特に限定されないが、金属粉末、有機バインダ、有機溶剤及び水等の溶媒などを混合して調製したものを用いることができる。金属粉末は特に限定されず、金、銀、白金、パラジウム、銅、タングステン、ニッケル及びチタン等の金属の粉末、並びに銀−白金合金、銀−パラジウム合金等の合金の粉末が挙げられる。また、導体用ペーストにはガラス成分を含有させることもできる。ガラス成分を含有する場合は、より低温で焼成することができるため好ましい。更に、スルーホール壁面への導体層の形成は、無電解めっき法等により行うこともできる。
導電体71の他端面側が負極側電極端子31に接続され、且つ導電体71の一端面側が導電性接合層6に接続されることで、半導体電極3と負極側電極端子31とが導通される。また、電気的な接続をより確実にするため、図1、3、4、7、8、10等のように、基板2の一面側に、触媒電極4を取り囲むように接続用導電体73を設け、導電性接合層6の一面側と透光性基板1の一面側に設けられた負極側集電電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方とを接続させ、且つ導電性接合層6の他面側と接続用導電体73とを接続させることが好ましい。特に、図1、3、4、7、8、10等のように、透光性基板1の一面側に、半導体電極3を取り囲むように負極側集電電極81を設け、導電性接合層6の一面側と負極側集電電極81の全面とを接続させ、且つ導電性接合層6の他面側と接続用導電体73の全面とを接続させることがより好ましい。
接続用導電体73を設ける方法は特に限定されず、負極側集電電極81及び正極側集電電極82の場合と同様に、マグネトロンスパッタ法及び電子ビ−ム蒸着法等の物理的蒸着法により金属を堆積させ、その後、フォトリソグラフィー等によりパターニングする方法、並びに金属成分を含有するメタライズインクを用いてスクリーン印刷法等によりパターニングし、その後、焼成する方法などにより形成することができる。金属としては、タングステン、チタン、ニッケルの他、白金、金等の貴金属及び銅等を用いることができ、電解質に対する耐腐食性に優れるタングステン、チタン、ニッケル及び貴金属等を用いることが好ましい。尚、接続用導電体73が導電性接合層6に覆われてしまうときは、銀等の耐腐食性が十分ではない金属を用いることもできる。
導電体72の他端面側が正極極側電極端子41に接続され、且つ導電体72の一端面側が触媒電極4に接続されることで、触媒電極4と正極側電極端子41とが導通される。また、基板2の一面側に正極側集電電極82及び導電層92のうちの少なくとも一方が設けられている場合は、導電体72の一端面側は正極側集電電極82及び/又は導電層92に接続されていてもよい。尚、導電体72の一端面側が触媒電極4に直接接続され、且つ正極側集電電極82及び/又は導電層92に接触していてもよい。
負極側電極端子31及び正極側電極端子41は、色素増感型太陽電池を太陽電池ユニットパネルの上記「パネル本体101、102」に配置することができればよく、その形状等は特に限定されない。他の本発明の色素増感型太陽電池の場合、図1、3、4、7のように、負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々は、それぞれ上記「ピンコネクタ」を構成する上記「ピン311、411」とすることができる。このように負極側電極端子31及び正極側電極端子41がピンである色素増感型太陽電池は、このピンに対応するソケット1011、1012を備えるパネル本体101に、ピン311、411をソケット1011、1012に差し込むことで配置することができる(図16、17参照)。
ピン311、ピン411は、色素増感型太陽電池を太陽電池ユニットパネルのパネル本体101に配置することができればよく、その材質、形状、寸法等は特に限定されない。ピン311、411は銅、黄銅等により形成することができ、表面が金、スズ、ニッケル等により被覆されていてもよい。また、ピン311、411の各々の横断面の形状は円形、楕円形及び三角形、四角形等の多角形等のいずれであってもよい。更に、ピン311、411は、導電体71、72の各々の他端面側に、銀−パラジウムロー材等のロー材を用いて接合して固定することができる。また、ピン311、411は、導電体71、72の各々の他端面側に、レーザー光の照射により接合して固定することもできる。
パネル本体101は、ピン311、411の各々に対応するソケット1011、1012を備え、このソケット1011、1012にピン311、411を差し込むことで、導通と色素増感型太陽電池のパネル本体への固定とを同時に行うことができ、上記「太陽電池ユニットパネル」を作製することができる(図16、17参照)。この太陽電池ユニットパネルでは、各々の太陽電池を直列又は並列に接続することができ、所定の電圧及び容量の太陽電池ユニットパネルとすることができる。尚、太陽電池ユニットパネルには、配置された各々の色素増感型太陽電池を塵埃、風雨等から保護するための保護材1013が配設されることが好ましい。この保護材としては、ガラス及び透明性の高いポリカーボネート、ポリスルフォン等の樹脂からなるものを用いることができる。
ピン311、411の各々は、色素増感型太陽電池をパネル本体101の一定の方向のみに配置することができるように設けられていることが好ましい。これにより、短絡等の発生を防止することができる。より具体的には、例えば、各々の個数及び形状の少なくとも一方が異なるピン311、411とすることができる。また、太陽電池の平面形状等及びそれぞれ複数の半導体電極と触媒電極とを備える太陽電池パッケージの平面形状等と、これらをパネル本体101へ嵌め込む際の方向とを特定することにより、色素増感型太陽電池をパネル本体101の一定の方向のみに配置することもできる。更に、太陽電池及び太陽電池パッケージの視認可能な位置に嵌め込み方向を表示しておく等の方法により、色素増感型太陽電池をパネル本体101の一定の方向のみに配置することもできる。
更に他の本発明の色素増感型太陽電池では、図8、10のように、基板2が少なくとも一方向に突き出し部22を有し、この突き出し部22の一面側に半導体電極3と導通する負極側電極端子31が設けられ、突き出し部22の他面側に触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられる。この場合、基板2は、ガラス基板、樹脂基板及びセラミック基板等のいずれであってもよいが、負極側電極端子及び正極側電極端子の配設が容易であり、耐久性に優れた色素増感型太陽電池とすることができるセラミック基板が好ましい。セラミックとしては前記のものが挙げられ、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。
この更に他の本発明の色素増感型太陽電池では、負極側電極端子31は、接続用導電体73とは別体として形成し、且つ接続用導電体73に接触させて設けることができる。また、接続用導電体73が延設された態様で設けることもできる。このように、接続用導電体73を延設して負極側電極端子31とした場合は、工程が簡易となり、且つ接続用導電体73と負極側電極端子31とが一体であるため、導通不良はあり得ず、半導体電極3と負極側電極端子31とをより確実に導通させることができる。
半導体電極3と負極側電極端子31とは、どのようにして導通されていてもよいが、例えば、図8、10のように、半導体電極3と負極側電極端子31とは、透光性基板1の一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、基板2の一面側との間に、半導体電極3及び触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6を介して導通させることができる。また、触媒電極4と正極側電極端子41とは、どのようにして導通されていてもよいが、例えば、図8、10のように、触媒電極4と正極側電極端子41とは、基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通させることができる。
導電性接合層6の一面側が、負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方に接続され、且つ導電性接合層6の他面側が負極側電極端子31に接続されることで、半導体電極3と負極側電極端子31とが導通される。また、電気的な接続をより確実にするため、基板2の一面側に、触媒電極4を取り囲むように接続用導電体73を設け、導電性接合層6の一面側と負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方とを接続させ、且つ導電性接合層6の他面側と接続用導電体73とを接続させることが好ましい。特に、図8、10のように、透光性基板1の一面側に、半導体電極3を取り囲むように負極側集電電極81を設け、導電性接合層6の一面側と負極側集電電極81の全面とを接続させ、且つ導電性接合層6の他面側と接続用導電体73の全面とを接続させることがより好ましい。
導電体72の他端面側が正極極側電極端子41に接続され、且つ導電体72の一端面側が触媒電極4に接続されることで、触媒電極4と正極側電極端子41とが導通される。また、基板2の一面側に正極側集電電極82及び導電層92のうちの少なくとも一方が設けられている場合は、導電体72の一端面側は正極側集電電極82及び/又は導電層92に接続されていてもよい。尚、導電体72の一端面側が触媒電極4に直接接続され、且つ正極側集電電極82及び/又は導電層92に接触していてもよい。
導電性接合層6の材質及び形成方法等については前記の記載をそのまま適用することができる。また、スルーホール212の横断面の形状、径方向の寸法及び形成方法、並びに導電体72の材質及びスルーホール212への充填方法ついても前記の記載をそのまま適用することができる。更に、接続用導電体73の材質及び形成方法ついても前記の記載をそのまま適用することができる。
更に他の本発明の色素増感型太陽電池の場合、負極側電極端子31及び正極側電極端子41の各々は、図8、10のように、それぞれ上記「カードエッジコネクタ」を構成する上記「エッジ端子312、412」とすることができる。このように負極側電極端子31及び正極側電極端子41がエッジ端子である色素増感型太陽電池は、このエッジ端子に対応するソケット1021、1022を備えるパネル本体102に、エッジ端子312、412をソケット1021、1022に差し込むことで配置することができる。また、導通と固定とを同時に行うことができ、太陽電池ユニットパネルを作製することができる(図18参照)。この太陽電池ユニットパネルでは、各々の太陽電池を直列又は並列に接続することができ、所定の電圧及び容量の太陽電池ユニットパネルとすることができる。また、エッジ端子は、負極側集電電極81、正極側集電電極82、接続用導電体73等と同様の材質とすることができ、同様の方法で形成することができる。尚、太陽電池ユニットパネルには、配置された各々の色素増感型太陽電池を塵埃、風雨等から保護するための保護材1023が配設されることが好ましい。この保護材としては、ガラス及び透明性の高いポリカーボネート、ポリスルフォン等の樹脂からなるものを用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
以下のようにして、図1、2、6の色素増感型太陽電池201及び太陽電池ユニットパネル(図16、17参照)を作製した。
(1)半導体電極を備える積層体の作製
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのガラス基板1の一面側に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性導電層91を形成した。その後、ガラス基板1の透光性導電層91が形成された面に、銀を用いて、RFスパッタリングにより幅1mm、厚さ1μmの負極側集電電極81を、後工程で作製される半導体電極3を取り囲むような形状に形成した。次いで、粒径が10〜20nmのチタニア粒子を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Ti−Nonoxide D/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、120℃で1時間乾燥し、その後、480℃で30分焼成して、縦95mm、横95mm、厚さ20μmのチタニア電極層(電極基体)を形成した。その後、この積層体を、ルテニウム錯体(Solaronix社製、商品名「535bis−TBA」)のエタノール溶液に10時間浸漬して、チタニア焼結粒子に増感色素であるルテニウム錯体を付着させて半導体電極3を形成した。
(2)触媒電極を備える積層体の作製
純度99.9質量%のアルミナ粉末100質量部に、焼結助剤として5質量部のマグネシア、カルシア及びシリカの混合粉末及び2質量部のバインダ並びに溶媒を配合してスラリーを調製し、このスラリーを用いてドクターブレード法によりアルミナグリーンシートを作製した。その後、このアルミナグリーンシートの所定個所に孔開パンチにより各々2個のスルーホール211、212を形成した。次いで、タングステン成分を含有するメタライズインク(タングステン成分の含有量96質量%)を用いて、アルミナグリーンシートの一面側に、スクリーン印刷法により接続用導電体73となる導電塗膜を、後工程で作製される触媒電極4を取り囲むような形状に形成した。同時にスルーホール211に上記のタングステン成分を含有するメタライズインクを充填した。その後、100℃で30分乾燥し、導電塗膜の表面を0.2MPaの圧力でプレスし、平滑性を向上させた。
次いで、白金成分を含有するメタライズインクを用いてアルミナグリーンシートの一面側にスクリーン印刷法により触媒電極4となる導電塗膜を形成した。同時にスルーホール212に白金成分を含有するメタライズインクを充填した。次いで、還元雰囲気にて1500℃で一体焼成し、縦100mm、横100mm、厚さが1mmのアルミナ基板2の一面側に、幅1mm、厚さ5μmの接続用導電体73及び縦90mm、横90mm、厚さ500nmの触媒電極4が形成された積層体を作製した。また、スルーホール211に導電体71を、スルーホール212に導電体72を形成した。
(3)ピン311、411の接合
その後、アルミナ基板2の他面側の2個の導電体71の他端面側に、断面円形で一端面(導電体71の他端面側に接合される側)の直径が4mm、他端面(先端側)の直径が3.5mm、長さが10mmのピン311を銀−パラジウムロー材を用いて接合した。また、アルミナ基板2の他面側の2個の導電体72の他端面側に、断面長方形で一端面(導電体72の他端面側に接合される側)の長辺が6mm、短辺が3mm、他端面(先端側)の長辺が5mm、短辺が2.5mm、長さが10mmのピン411を銀−パラジウムロー材を用いて接合した。
(4)電解質層の形成
熱硬化型樹脂に99質量%のタングステン粉末が配合された導電性接着剤を用いて、ガラス基板1の一面側に形成された負極側集電電極81を覆うように、幅1mm、厚さ60μmの塗膜をスクリーン印刷により形成し、その後、ガラス基板1を、負極側集電電極81がアルミナ基板2の一面側に設けられた接続用導電体73と対向するように、且つ半導体電極3が触媒電極4と対向するように配置し、次いで、アルミナ基板2の側を下にして100℃に調温された乾燥機中に1時間静置し、透光性導電層91及び負極側集電電極81と、アルミナ基板2及び接続用導電体73とを接合した。導電性接合層6は、幅2mm、厚さ30μmであった。その後、アルミナ基板2の所定の位置に設けられた電解質溶液の注入口からヨウ素電解液(Solaronix社製、商品名「Iodolyte PN−50」)を注入し、電解質5を半導体電極3に含有させるとともに、半導体電極3と集電電極4との間に電解質5を充填した。ヨウ素電解液注入後、注入口は上記の接着剤を用いて封止した。このようにして色素増感型太陽電池201を作製した。
(5)太陽電池ユニットパネルの作製
上記(1)〜(4)で作製した色素増感型太陽電池を、縦4個、横5個、計20個配置することができるパネル本体101に、各々の色素増感型太陽電池のピン311、411を、このピン311、411に対応するパネル本体101のそれぞれのソケット1011、1012に差し込み、導通させると同時に固定し、配置して太陽電池ユニットパネルを作製した。尚、縦方向の各々の4個はそれぞれ並列に接続し、横方向は、並列に接続された縦方向の各々の4個をそれぞれ直列に接続した。
実施例2
以下のようにして、図8、9の色素増感型太陽電池205及び太陽電池ユニットパネル(図18参照)を作製した。
(1)半導体電極を備える積層体の作製
実施例1と同様にして、ガラス基板1の一面側に、実施例1と同様の形状及び厚さの透光性導電層91、負極側集電電極81及び半導体電極3を形成し、半導体電極3を備える積層体を作製した。
(2)触媒電極を備える積層体の作製
実施例1の(2)と同様にしてアルミナグリーンシートを作製した。このアルミナグリーンシートは、焼成後、基板2に突き出し部22が形成されるように縦方向に対して横方向の寸法が大きいものとした。その後、このアルミナグリーンシートの所定個所に孔開パンチによりスルーホール212を4個形成した。次いで、実施例1の(2)と同様にしてアルミナグリーンシートの一面側に、接続用導電体73となる導電塗膜を、後工程で作製される触媒電極4を取り囲むような形状に形成した。その後、実施例1の(2)と同様にしてアルミナグリーンシートの一面側に触媒電極4となる導電塗膜を形成した。同時にスルーホール212に白金成分を含有するメタライズインクを充填した。
次いで、アルミナグリーンシートの、焼成後、アルミナ基板2の突き出し部22となる部分の一面側に、接続用導電体73となる導電塗膜と一端縁が接触するように、負極側電極端子31となる導電塗膜を、接続用導電体73となる導電塗膜の場合と同様にして形成した。また、突き出し部22となる部分の他面側に、スルーホール212に充填されたメタライズインクの一端面側と接触するように、正極側電極端子41となる導電塗膜を、接続用導電体73となる導電塗膜の場合と同様にして形成した。その後、還元雰囲気にて1500℃で一体焼成し、縦100mm、横114mm(突き出し部の幅14mm)、厚さが1mmのアルミナ基板2の一面側に、幅1mm、厚さ5μmの接続用導電体73及び縦90mm、横90mm、厚さ500nmの触媒電極4が形成され、且つ突き出し部22の一面側に厚さ5μmのエッジ端子312(負極側電極端子31)が形成され、他面側に厚さ5μmのエッジ端子412(正極側電極端子41)が形成された積層体を作製した。また、スルーホール212に導電体72を形成した。
(3)電解質層の形成
実施例1の(3)と同様の導電性接着剤を用いて同様にしてガラス基板1の一面側に形成された負極側集電電極81を覆うように、幅1mm、厚さ60μmの塗膜を形成し、その後、ガラス基板1を、負極側集電電極81がアルミナ基板2の一面側に設けられた接続用導電体73と対向するように、且つ半導体電極3が触媒電極4と対向するように配置し、次いで、実施例1の(3)と同様にして透光性導電層91及び負極側集電電極81と、アルミナ基板2、接続用導電体73及び負極側電極端子31とを接合し、その後、アルミナ基板2の所定の位置に設けられた電解質溶液の注入口からヨウ素電解液(Solaronix社製、商品名「Iodolyte PN−50」)を注入し、電解質5を半導体電極3に含有させるとともに、半導体電極3と集電電極4との間に電解質5を充填した。ヨウ素電解液注入後、注入口は上記の接着剤を用いて封止した。このようにして色素増感型太陽電池205を作製した。
(4)太陽電池ユニットパネルの作製
上記(1)〜(3)で作製した色素増感型太陽電池を、縦4個、横5個、計20個配置することができるパネル本体102に、各々の色素増感型太陽電池のエッジ端子312、412を、このエッジ端子312、412に対応するパネル本体102のそれぞれのソケット1021、1022に差し込み、導通させると同時に固定し、配置して太陽電池ユニットパネルを作製した。尚、縦方向の各々の4個はそれぞれ並列に接続し、横方向は、並列に接続された縦方向の各々の4個をそれぞれ直列に接続した。
尚、本発明では、上記の実施例の記載に限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、図13のように、一対の基板の間に、半導体電極3と、この半導体電極3に対向する触媒電極4とが各々複数配設された色素増感型太陽電池とすることができ、この太陽電池を用いれば電圧が高い又は容量が大きい太陽電池ユニットパネルを容易に作製することができる。また、図14、15のように、負極側電極端子31と正極側電極端子41とは、ともに基板2の突き出し部22の他面側に設けることもできる。この場合、負極側電極端子31は、基板2に設けられたスルーホール211に充填された導電体71及び導電性接合層6を介して、又は接続用導電体73が設けられている場合は、導電体71、接続用導電体73及び導電性接合層6を介して半導体電極3と導通させることができる。また、正極側電極端子41は、基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して触媒電極4と導通させることができる。
更に、基板2等の他面側に設けられたピン311、411の先端側に、差し込み方向と略直角方向に突き出した係止部を形成し、ピン311、411をそれぞれソケット1011、1012に差し込んだ後、太陽電池をスライドさせる、又は回転させることにより、太陽電池をパネル本体101に確実に固定するとともに、太陽電池のパネル本体101からの脱落を防止することもできる。また、電解質5としては、不揮発性のイミダゾリウム塩等のイオン性液体及びこのイオン性液体をゲル化させたもの、並びにヨウ化銅、チオシアン化銅等の固体を用いることもできる。
実施例1の色素増感型太陽電池201の断面を示す模式図である。 実施例1の色素増感型太陽電池201をガラス基板1の側からみた説明図である。 図2の色素増感型太陽電池201において、負極側集電電極81が格子状に形成された色素増感型太陽電池202の断面を示す模式図である。 透光性導電層91が設けられておらず、且つ特定の構造を備える色素増感型太陽電池203の断面を示す模式図である。 図3の色素増感型太陽電池202をガラス基板1の側からみた説明図である。 図1、2の色素増感型太陽電池201、図3、4、5の色素増感型太陽電池202、203の各々をセラミック基板2の側からみた説明図である。 図1の色素増感型太陽電池201において、更に正極側集電電極82及び導電層92が設けられた色素増感型太陽電池204の断面を示す模式図である。 実施例2の色素増感型太陽電池205の断面を示す模式図である。 実施例2の色素増感型太陽電池205をガラス基板1の側からみた説明図である。 図8の色素増感型太陽電池205において、負極側集電電極81が格子状に形成された色素増感型太陽電池206の断面を示す模式図である。 図10の色素増感型太陽電池206をガラス基板1の側からみた説明図である。 図8、9の色素増感型太陽電池205及び図10、11の色素増感型太陽電池206の各々をセラミック基板2の側からみた説明図である。 一対の基板の間に複数のセルが形成された色素増感型太陽電池207を模式的に示す説明図である。 エッジ端子312、412が、ともにセラミック基板2の突き出し部22の他面側に設けられている色素増感型太陽電池208の断面を示す模式図である。 図14の色素増感型太陽電池208のA−A断面における断面を示す模式図である。 ソケット1011、1012を備えるパネル本体101に3個の色素増感型太陽電池201が配置された様子を示す正面図である。 図16のB−B断面における断面を示し、更に色素増感型太陽電池201を配置する様子を示す模式図である。 ソケット1021、1022を備えるパネル本体102に色素増感型太陽電池205を配置した太陽電池ユニットパネルの断面を示し、更に色素増感型太陽電池205を配置する様子を示す模式図である。
符号の説明
1;透光性基板、2;基板、211、212;スルーホール、22;突き出し部、3;半導体電極、31、負極側電極端子、311、ピン、312;エッジ端子、4;触媒電極、41;正極側電極端子、411;ピン、412;エッジ端子、5;電解質、6;導電性接合層、71;72;導電体、73;接続用導電体、81;負極側集電電極、82;正極側集電電極、91;透光性導電層、92;導電層、101、102;パネル本体、1011、1012、1021、1022;ソケット、1013、1023;保護材、201、202、203、204、205、206、207、208;色素増感型太陽電池。

Claims (17)

  1. 透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された、増感色素を有する半導体電極3及び触媒電極4のうちの少なくとも該半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された、少なくとも、該半導体電極3に対向する触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該透光性基板1又は該基板2に、該半導体電極3と導通する負極側電極端子31及び該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された増感色素を有する半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該基板2の他面側に、該半導体電極3と導通する負極側電極端子31及び該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  3. 上記基板2がセラミック基板である請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 上記半導体電極3と上記負極側電極端子31とは、上記透光性基板1の上記一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、上記基板2の上記一面側との間に、上記半導体電極3及び上記触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6と、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール211に充填された導電体71とを介して導通し、上記触媒電極4と上記正極側電極端子41とは、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 上記導電体71の他端面側は上記負極側電極端子31に接続され、且つ該導電体71の一端面側は上記基板2の上記一面側に、上記触媒電極4を取り囲むように配設された接続用導電体73に接続されており、上記導電体72の他端面側は上記正極極側電極端子41に接続され、且つ該導電体72の一端面側は上記触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 上記導電性接合層6の一面側は、上記負極側集電電極81と接続され、且つ該導電性接合層6の他面側は、上記接続用導電体73と接続されている請求項5に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 上記負極側電極端子31及び上記正極側電極端子41の各々が、それぞれピンコネクタを構成するピン311、411である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 透光性基板1と、該透光性基板1に対向して配置された基板2と、該透光性基板1の一面側に配設された増感色素を有する半導体電極3と、該基板2の一面側に配設された触媒電極4と、該半導体電極3の少なくとも一部に含有され、且つ該半導体電極3と該触媒電極4との間に充填された電解質5と、を備え、該基板2は、少なくとも一方向に突き出し部22を有し、該突き出し部22の一面側に該半導体電極3と導通する負極側電極端子31が設けられ、且つ該突き出し部22の他面側に該触媒電極4と導通する正極側電極端子41が設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  9. 上記基板2がセラミック基板である請求項8に記載の色素増感型太陽電池。
  10. 上記半導体電極3と上記負極側電極端子31とは、上記透光性基板1の上記一面側に設けられた負極側触媒電極81及び透光性導電層91のうちの少なくとも一方と、上記基板2の上記一面側との間に、上記半導体電極3及び上記触媒電極4を取り囲むように配設された導電性接合層6を介して導通し、上記触媒電極4と上記正極側電極端子41とは、上記基板2を貫通して形成されたスルーホール212に充填された導電体72を介して導通している請求項1、9又は10に記載の色素増感型太陽電池。
  11. 上記基板2の上記一面側に、上記触媒電極4を取り囲むように接続用導電体73が配設され、上記負極側電極端子31は、該接続用導電体73に接続され、又は該接続用導電体73が延設されて形成され、上記導電体72の他端面側は上記正極極側電極端子41に接続され、且つ該導電体72の一端面側は上記触媒電極4に直接又は他部材を介して接続されている請求項10に記載の色素増感型太陽電池。
  12. 上記導電性接合層6の一面側は、上記負極側集電電極81と接続されている請求項10又は11に記載の色素増感型太陽電池。
  13. 上記負極側電極端子31及び上記正極側電極端子41の各々が、それぞれカードエッジコネクタを構成するエッジ端子312、412である請求項1又は8乃至12のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  14. 請求項7に記載の色素増感型太陽電池と、複数の該色素増感型太陽電池を配置するためのパネル本体101とを備える太陽電池ユニットパネルであって、該パネル本体101は、各々の該色素増感型太陽電池に設けられたそれぞれの上記ピン311、411に対応するソケット1011、1012を備え、該ピン311、411が該ソケット1011、1012に差し込まれ、該色素増感型太陽電池が該パネル本体101に配置されていることを特徴とする太陽電池ユニットパネル。
  15. 上記ピン311、411の各々が、上記色素増感型太陽電池を上記パネル本体101の一定の方向のみに配置することができるように設けられている請求項14に記載の太陽電池ユニットパネル。
  16. 上記ピン311、411の各々の個数及び形状の少なくとも一方が異なる請求項14又は15に記載の太陽電池ユニットパネル。
  17. 請求項13に記載の色素増感型太陽電池と、複数の該色素増感型太陽電池を配置するためのパネル本体102とを備える太陽電池ユニットパネルであって、該パネル本体102は、各々の該色素増感型太陽電池に設けられたそれぞれの上記エッジ端子312、412に対応するソケット1021、1022を備え、該エッジ端子312、412が該ソケット1021、1022に差し込まれ、該色素増感型太陽電池が該パネル本体102に配置されていることを特徴とする太陽電池ユニットパネル。
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