JP2005232568A - 金属帯の制御装置および溶融めっき金属帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属帯1を挟むように対向して設けられた一対の電磁石2a,2bおよび金属帯1の面外方向変位を測定するセンサ3aからなる3組の電磁石ユニット4を有し、これらを金属帯1の最小板幅Wminよりも狭い範囲内の板幅方向に並べ、センサ3aの情報に基づいて3組の電磁石ユニット4の出力を制御して金属帯1の少なくともパスラインを非接触で制御する第1の金属帯制御手段10と、金属帯1の最小板幅Wminよりも広くかつ最大板幅Wmaxよりも狭い範囲内の板幅方向に並べられた複数個の電磁石2c,2dを有し、これら電磁石の出力を制御して金属帯1の少なくとも反りを矯正する第2の金属帯制御手段20とを備えている。
【選択図】図1
Description
電磁石は一方向すなわち吸引力しか発生することができないので、金属帯を任意のパスラインに移動させるには,金属帯の表裏両面側に電磁石を設置する必要がある。ただし、最小板幅の600〜700mmを想定した場合、金属帯は板幅方向にある程度の剛性を有しているので、通板される金属帯の最小板幅の中央部および両エッジ部の3ヵ所の表裏面両側に電磁石を設置してパスライン制御を行えば金属帯全体を任意のパスラインに移動させることが可能で、それ以上の電磁石を設置する必要はない。板幅が広くかつ板厚が薄い場合には、金属帯の剛性が低下するため、金属帯全体のパスライン制御に確実を期す観点から上記3ヵ所の他に電磁石を設置することが好ましい場合もあるが、その場合には上記3ヵ所に加えて板幅エッジ部付近で電磁石を作用させればよい。一方で板幅が広い場合でも、板厚がある程度厚ければ最小板幅内の上記3ヵ所の電磁石で十分に金属帯全体のパスライン制御が可能となる。
金属帯の振動は表裏両方向への動きとなるので、パスライン制御同様、金属帯の表裏両面側に電磁石を設置する必要がある。ただし、抑制すべき振動モードは通常、曲げ1次モードおよび捩れ1次モードのみであり、最小板幅の600〜700mmを想定した場合、通板される金属帯の最小板幅の中央部および両エッジ部の3ヵ所の表裏面両側に電磁石を設置して制振を行えば金属帯全体の振動を抑制することが可能であり、それ以上の電磁石を設置する必要はない。一般に、ある振動モードを抑制しようとする際、制振力は等価質量の小さいところ、すなわち振動振幅の大きいところに作用させるのが効率的である。したがって、曲げ1次モードの場合は板幅方向のどの場所でも大差ないが、捩れ1次モードの場合には板幅エッジ部付近に電磁石を設置することが望ましい。つまり金属帯の板幅が広い場合にはその板幅に応じてエッジ部付近で電磁石を作用させるのがよいことになる。しかし、上記最小板幅内の3ヵ所に設置された電磁石でも、最適効率ではないが、曲げ1次モードおよび捩れ1次モードを制振することは可能であり、実用上の問題はほとんどない。
5通常問題となるのはC反りと呼ばれる略C状の反りであり、最小板幅の600〜700mmを想定した場合、金属帯は板幅方向にある程度の剛性を有しているので、通板される金属帯の最小板幅の中央部および両エッジ部の3ヵ所に電磁石を設置して反り矯正を行えば金属帯全体の反りを抑制することが可能で、それ以上の電磁石を設置する必要はない。しかも一般にそのC反りの方向はロール配置などライン仕様で一定方向に決まるので、電磁石を金属帯の表裏両面側に設置する必要はなく、板幅中央部はC反りの凹側、板幅エッジ部はC反りの凸側のみに設置すれば良い。ただし、C反りは板幅エッジ部の矯正が非常に重要となるので、電磁石ができるだけ金属帯のエッジ部付近に位置していることが望まれる。
(a)通板される金属帯の最小板幅内では金属帯の表裏両面側の板幅方向3ヵ所で必要十分である。できればその3ヵ所は最小板幅の中央部および両エッジ部であることが望ましい。
(b)通板される金属帯の最小板幅を超えて最大板幅までの範囲においては、どの板幅に対しても両エッジ部付近に力を作用できるよう、電磁石を金属帯の表裏両面側の板幅方向に隙間なく複数並べることが望ましい。ただし、C反りの方向が一定である場合には、表裏両面側でなく、C反りの凸側のみで十分である。
前記金属帯の表裏を挟むように対向して設けられた一対の電磁石および前記金属帯の面外方向変位を測定するセンサからなる3組の電磁石ユニットを有し、これらを前記通板される金属帯の最小板幅よりも狭い範囲内の板幅方向に並べ、前記センサの情報に基づいて前記3組の電磁石ユニットの出力を制御して前記金属帯の少なくともパスラインを非接触で制御する第1の金属帯制御手段と、
通板される金属帯の最小板幅よりも広く、かつ通板される金属帯の最大板幅よりも狭い範囲内の板幅方向に並べられた複数個の電磁石を有し、これら電磁石の出力を制御して前記金属帯の少なくとも反りを矯正する第2の金属帯制御手段と、
を備えたことを特徴とする金属帯の制御装置。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る金属帯の制御装置の構成を示す図である。図中、金属帯1は幅方向の断面で表現されており、紙面と直交方向に走行している。Wminは通板される金属帯1の最小板幅を示し、Wmaxは最大板幅を示している。
図3は、本発明の第2の実施形態の金属帯の制御装置の構成を示す図である。図3に示すように、この実施形態では、第1の金属帯制御手段10は、上記第1の実施形態と全く同様に構成されているが、第2の金属帯制御手段20aは、第1の実施形態の第2の金属帯制御手段20とは異なり、金属帯1の片面のみに電磁石が設けられている。すなわち、最小板幅Wminよりも広く、最大板幅Wmaxよりも狭い範囲に、電磁石2cが複数個(図3では10個)隙間なく配置されており、図1に示す電磁石2dは存在しない。第2の金属帯制御手段20aの他の構成は、第2の金属帯制御手段20と同様である。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る金属帯の制御装置の構成を示す図である。図5に示すように、この実施形態では、第1の金属帯制御手段10は、上記第1、2の実施形態と全く同様に構成されているが、第2の金属帯制御手段20bは、第1、2の実施形態の第2の金属帯制御手段20、20aとは異なっている。すなわち、第2の金属帯制御手段20bは、電磁石の配置は第2の実施形態の第2の金属帯制御手段20aと全く同じであるが、非接触変位センサ3bの代わりに反りセンサとしてカメラ6が設置されている。
図7は、一般的な溶融めっき金属帯の製造ラインの構成を示す図である。前工程である冷間圧延プロセスにおいて圧延され、続く洗浄プロセスにおいて表面が洗浄された金属帯1は、溶融めっき金属帯製造ラインに運搬され、無酸化性あるいは還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉31において表面酸化膜が除去され焼鈍処理をされた後、溶融金属の温度とほぼ同程度まで冷却されて溶融金属浴32内に導かれる。
2a,2b,2c,2d;電磁石
3a,3b;非接触変位センサ
4;電磁石ユニット
5;制御ユニット
5a;第1の制御部
5b;第2の制御部
6;カメラ(反りセンサ)
10;第1の金属帯制御手段
20,20a,20b;第2の金属帯制御手段
Claims (10)
- 金属帯の製造ラインまたは処理ラインに設置され、ライン内走行中の前記金属帯の少なくともパスラインおよび反りを非接触で制御する金属帯の制御装置であって、
前記金属帯の表裏を挟むように対向して設けられた一対の電磁石および前記金属帯の面外方向変位を測定するセンサからなる3組の電磁石ユニットを有し、これらを前記通板される金属帯の最小板幅よりも狭い範囲内の板幅方向に並べ、前記センサの情報に基づいて前記3組の電磁石ユニットの出力を制御して前記金属帯の少なくともパスラインを非接触で制御する第1の金属帯制御手段と、
通板される金属帯の最小板幅よりも広く、かつ通板される金属帯の最大板幅よりも狭い範囲内の板幅方向に並べられた複数個の電磁石を有し、これら電磁石の出力を制御して前記金属帯の少なくとも反りを矯正する第2の金属帯制御手段と、
を備えたことを特徴とする金属帯の制御装置。 - 前記センサは、前記一対の電磁石のいずれか一方の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第1の金属帯制御手段は、前記3組の電磁石ユニットが、最小板幅の中央部および両エッジ部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第1の金属帯制御手段は、前記センサの情報に基づいて前記3組の電磁石ユニットに制御情報を出力して前記金属帯の少なくともパスラインを非接触で制御する第1の制御部をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第2の金属帯制御手段の複数個の電磁石が、前記金属帯の表裏何れか片面側のみに配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第1の金属帯制御手段は、通板される金属帯の板幅にかかわらず全ての電磁石ユニットが使用されるようにし、前記第2の金属帯制御手段は、複数の電磁石のうち通板される金属帯の板幅に応じて必要なもののみが選択的に使用されるようにすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第2の金属帯制御手段は、前記複数個の電磁石に制御情報を出力して金属帯の少なくとも反りを矯正する第2の制御部を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第2の金属制御手段は、前記金属帯の面外方向変位を測定するセンサをさらに有し、前記第2の制御部は、前記センサの情報に基づいて前記電磁石を制御することを特徴とする請求項7に記載の金属帯の制御装置。
- 前記第2の金属制御手段は、前記金属帯をその板幅方向から臨むように配置された反り測定センサをさらに有し、前記第2の制御部は、前記反り測定センサの情報に基づいて前記電磁石を制御して前記金属帯の反りを矯正することを特徴とする請求項7に記載の金属帯の制御装置。
- 金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、前記金属帯に溶融金属を付着させ、前記金属帯を溶融金属浴外に引き上げる付着工程と、前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパによって溶融金属の付着量を調整する調整工程とを有する溶融めっき金属帯の製造方法において、前記ワイパの直前または直後に、請求項1から請求項9のいずれかに記載の金属帯の制御装置により、前記金属帯の少なくともパスラインおよび反りを非接触で制御する制御工程とを有することを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
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