JP2005232114A - N−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体及び農園芸用植物病害防除剤 - Google Patents

N−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体及び農園芸用植物病害防除剤 Download PDF

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JP2005232114A JP2004045593A JP2004045593A JP2005232114A JP 2005232114 A JP2005232114 A JP 2005232114A JP 2004045593 A JP2004045593 A JP 2004045593A JP 2004045593 A JP2004045593 A JP 2004045593A JP 2005232114 A JP2005232114 A JP 2005232114A
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Yoshinori Izuki
義則 伊月
Taku Shibata
卓 柴田
Tatsu Kajiki
龍 加治木
Katsumi Furuse
勝美 古瀬
Koji Yamaji
孝二 山路
Satoshi Takahashi
智 高橋
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Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、植物病害に対し、顕著な効果を示すN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有する農園芸用植物病害防除剤を提供する。
【解決手段】一般式[I]
【化1】
Figure 2005232114

[式中、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基又はC−Cハロアルキル基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基又はニトロ基を示し、Rは水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はC−Cアルキル基を示し、Zはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基を示し、nは0から5の整数を示し、mは0から5の整数を示す]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有する農園芸用植物病害防除剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、N−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を有効成分とする農園芸用植物病害防除剤に関するものであり、更に詳細には特定のN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体の使用方法に関するものである。
これまでN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体に属する化合物について特許文献1〜4に記載された化合物が知られている。特許文献1,3及び4は医薬に関して、特許文献2は感熱記録シートの原料に関して記載されているが、いずれも農園芸用植物病害防除活性に関する記載は無い。
特開平11−171856号 特開平6−234729号 国際特許公報WO−9724334号 ドイツ国特許公開DE−4220983号
農作物或いは園芸作物の栽培において、植物病原菌によって引き起こされる病害発生は生産効率に重大な影響を与えるため、植物病害防除には、これまで主として病原菌に直接作用する様々な化学合成農薬が使用されてきた。しかしながら、これらの化学合成農薬を多用してきた結果、耐性菌の出現による薬剤効力低下等の問題が発生してきている。また、化学物質の安全性、環境に対する影響への要求が高まってきており、より安全な農園芸用植物病害防除剤の開発が望まれている。本発明はこのような問題点に対処するためになされたものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、これまで植物病害防除活性の知られていないN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体を多数合成し、その植物病害防除活性と有用性について鋭意検討した。その結果、本発明のN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体(以下、本願化合物という)を植物に対して施用しておくことにより、長期間に亘って植物病害を防除し、植物に薬害を与えることなく顕著な植物病害防除効果を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(1)一般式[I]
Figure 2005232114
[式中、
は、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はベンジル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、−NR10基、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルコキシ基、−C(=Y)−R基、−C(=Y)−Y−R基、−S(O)基、フェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)又はフェニルオキシ基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、
は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又は−NR基を示し、
は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はフェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基又はフェニル基を示し、
及びR10はそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基又はC−Cシクロアルキル基を示し、
Y及びYはそれぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
pは0から2の整数を示し、
Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
nは0から5の整数を示し、mは0から5の整数を示す]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(2)一般式[I]
一般式[I]
Figure 2005232114
[式中、
は、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、ベンジル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
は、シアノ基、ニトロ基、−C(=Y)R基、−C(=Y)−Y−R基又は−S(O)基を示し、
は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、
は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又は−NR基を示し、
は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はフェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基又はフェニル基を示し、
Y及びYはそれぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
pは0から2の整数を示し、
Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
nは0から5の整数を示し、mは0から5の整数を示す]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩。
(3)(2)記載のN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
−C等の表記は、これに続く置換基の炭素数が、この場合では1〜6であることを示している。
−Cアルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等を挙げることができる。
−Cハロアルキル基とは、ハロゲン原子によって置換された、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2−ブロモ−2−クロロエチル基、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、1−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、3−ヨードプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル基、4−ブロモブチル基、3−ブロモ−2−メチルプロピル基、2−ブロモ−1,1−ジメチルエチル基、2,2−ジクロロ−1,1−ジメチルエチル基、2−クロロ−1−クロロメチル−2−メチルエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,3−トリフルオロ−1−メチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル基、2,3,4−トリクロロブチル基、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチル基、4−クロロ−4,4−ジフルオロブチル基、4,4−ジクロロ−4−フルオロブチル基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロブチル基、2,4−ジブロモ−4,4−ジフルオロブチル基、3,4−ジクロロ−3,4,4−トリフルオロブチル基、3,3−ジクロロ−4,4,4−トリフルオロブチル基、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル基、4−ブロモ−3−クロロ−3,4,4−トリフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−1−トリフルオロメチルエチル基、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4−クロロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基等を挙げることができる。
−Cアルケニル基とは、特に限定しない限り、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基を示し、例えばビニル基、1−プロペニル基、i−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、1−エチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,3−ペンタジエニル基、1−ビニル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、1−プロピル−2−プロペニル基、2−へキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−(i−ブチル)ビニル基、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−(i−プロピル)−2−プロペニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1,5−ヘキサジエニル基、1−ビニル−3−ブテニル基又は2,4−ヘキサジエニル基等を挙げることができる。
〜Cアルキニル基とは、特に限定しない限り、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基を示し、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−エチル−2−プロピニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ヘキシニル基、1−(n−プロピル)−2−プロピニル基、2−ヘキシニル基、1−エチル−2−ブチニル基、3−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、1−エチル−3−ブチニル基、1−エチル−1−メチル−2−プロピニル基、1−(i−プロピル)−2−プロピニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基又は2,2−ジメチル−3−ブチニル基等を挙げることができる。
−Cアルコキシ基とは、アルキル部分が前記の意味を有する炭素数が1〜6の(アルキル)−O−基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
−CアルコキシC−Cアルキル基とはアルキル部分及びアルコキシ部分が前記の意味を有する炭素数が1〜6のアルコキシ基により置換された炭素数が1〜6のアルキル基を示し、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、メトキシエチル基、ブトキシエチル基を挙げることができる。
−Cハロアルコキシ基とは、ハロアルキル部分が前記の意味を有する同一又は相異なるハロゲン原子1〜13で置換されている炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を示し、例えばクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
−Cシクロアルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が3〜6のシクロアルキル基を示し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等を挙げることができる。
次に、一般式[I]で示される本願化合物の具体例を表1〜表13に記載する。しかしながら、本願化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。
式中の記号はそれぞれ以下の意味を示す。
本明細書における表中の次の表記は下記の通りそれぞれ該当する基を表す。例えばMeとはメチル基を示し、Etとはエチル基を示し、Prとはプロピル基を示し、Pr−iとはイソプロピル基を示し、Buとはn−ブチル基を示し、Bu−sとはセカンダリーブチル基を示し、Bu−iとはイソブチル基を示し、Bu−tとはターシャリーブチル基を示し、Pn−nとはn−ペンチル基を示し、Pn−cとはシクロペンチル基を示す。C613とはn−ヘキシル基を、C715とはn−ヘプチル基を、Phとはフェニル基を示す。また、例えばPh(4−Cl)とは4−クロロフェニル基を示す。
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114

本願化合物である一般式[I]で示されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体の代表的な製造方法を以下に例示するが、これらの方法に限定されるものではない。
<製造方法1>
Figure 2005232114
[式中、X、Z、m、及びnは前記と同じ意味を表し、R’は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はベンジル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、R11は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、−C(=Y)−R基(式中、Y及びRは前記と同じ意味を示す)、−C(=Y)−Y−R基(式中、Y、Y及びRは前記と同じ意味を示す)、−S(O)基(式中、p及びRは前記と同じ意味を示す)、フェニル基{該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はNR(式中、R及びRは、前記と同じ意味を示す)で置換されてもよい}又はフェニルオキシ基{該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はNR(式中、R及びRは、前記と同じ意味を示す)で置換されてもよい}を示し、R12は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、R13は、ヒドロキシル基、C−Cアルコキシ基、フェニルオキシ基又はハロゲン原子を示し、Aは、メタンスルホニルオキシ基等の低級アルキルスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の低級ハロアルキルスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等の(置換)フェニルスルホニルオキシ基又はハロゲン原子を示す。]
(工程1)
一般式[3]で表されるベンゼンスルホンアミド誘導体は、化合物[1]と化合物[2]とを溶媒中又は無溶媒で、塩基存在下又は非存在下、カップリング活性化剤存在下又は非存在下、反応させることにより製造することができる。
本工程で使用する化合物[2]の使用量は、化合物[1]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は必要に応じて、化合物[1]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できるカップリング活性化剤としては、例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−カルボニルジイミダゾール、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド及びその塩酸塩又はベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
カップリング活性化剤の使用量は必要に応じて、化合物[1]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、エタノール又はメタノール等のアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基類、或いは水等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[3]で表されるベンゼンスルホンアミド誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程2)
一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、ベンゼンスルホンアミド誘導体[3]と、化合物[4]とを溶媒中又は無溶媒で、塩基存在下又は非存在下、反応させることにより製造することができる。
本工程で使用する化合物[4]の使用量は、化合物[3]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は必要に応じて、化合物[3]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、エタノール又はメタノール等のアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類、或いは酢酸等の有機酸等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜150℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[5]で表される本願化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程3)
一般式[6]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、化合物[5]を溶媒中、塩基存在下、R1’Aと反応させることにより製造することができる。
本工程で使用するR1’Aの使用量は、化合物[5]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物等が挙げられる。
塩基の使用量は化合物[5]1モルに対して1.0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類、或いはアセトン等のケトン類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜150℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[6]で表される本願化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法2>
Figure 2005232114
(式中、X、Z、m、n、R11及びR12は前記と同じ意味を表し、R14は、C−Cアルキル基を示し、Halはハロゲン原子を示す。)
(工程10)
一般式[9]で表される桂皮酸誘導体は、化合物[4]と化合物[12]とを溶媒中、無水酢酸存在下又は非存在下、塩基存在下で反応させることにより製造することができる。
本工程で使用する化合物[12]の使用量は、化合物[4]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、ピペリジン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物[4]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
無水酢酸の使用量は、化合物[4]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基類、酢酸又は無水酢酸等の有機酸等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[9]で表される桂皮酸誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程4)
一般式[8]で表される桂皮酸誘導体は、化合物[4]と化合物[7]とを溶媒中、塩基存在下又は非存在下、金属触媒存在下又は非存在下、反応させることにより製造することができる。
本工程で使用する化合物[7]の使用量は、化合物[4]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、ピペリジン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は必要に応じて、化合物[4]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜4.0モルである。
本工程で使用できる金属触媒としては、例えば四塩化チタン又はビス[p−(ジメチルアミノ)フェニル]テルロキシド等が挙げられる。
金属触媒の使用量は必要に応じて、化合物[4]1モルに対して0.01〜1.0モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.01〜0.1モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、エタノール又はメタノール等のアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基類、酢酸又は無水酢酸等の有機酸類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[8]で表される桂皮酸誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程5)
一般式[9]で表される桂皮酸誘導体は、化合物[8]を加水分解させることにより製造することができる。
加水分解の条件としては塩基性条件が好ましく、本反応で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等が挙げられる。
塩基の使用量は化合物[8]1モルに対して0.1〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜2.0モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、エタノール又はメタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類、或いは水等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常10分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[9]で表される桂皮酸誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程6)
一般式[10]で表されるシンナモイルハライド誘導体は、化合物[9]とハロゲン化剤とを溶媒中又は無溶媒で、反応させることにより製造するとこができる。
本反応で使用できるハロゲン化剤としては、例えば塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン又はオキザリルクロライド等が挙げられる。
ハロゲン化剤の使用量は、化合物[9]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜5.0モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジエチルアニリン、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[10]で表されるシンナモイルハライド誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。
(工程7)
一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、化合物[10]とベンゼンスルホンアミド誘導体[1]とを溶媒中又は無溶媒で、塩基存在下、反応させることにより製造するとこができる。
本工程で使用するベンゼンスルホンアミド誘導体[1]の使用量は、化合物[10]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は化合物[10]1モルに対して1.0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
(工程8)
一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、化合物[9]とベンゼンスルホンアミド誘導体[1]とを溶媒中、塩基存在下又は非塩基存在下、カップリング活性化剤存在下、反応させることにより製造するとこができる。
本工程で使用するベンゼンスルホンアミド誘導体[1]の使用量は、化合物[9]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は必要に応じて、化合物[9]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜1.2モルである。
本工程で使用できるカップリング活性化剤としては、例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド又はその塩酸塩等が挙げられる。
カップリング活性化剤の使用量は化合物[9]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法3>
Figure 2005232114
(式中、X、Z、m、n、R11及びR12は前記と同じ意味を示す。)
(工程9)
一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、化合物[11]と桂皮酸誘導体[9]とを溶媒中又は無溶媒で、塩基存在下、反応させることにより製造することができる。
本工程で使用する桂皮酸誘導体[9]の使用量は、化合物[11]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩に代表される金属カルボン酸塩類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、ピリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。
塩基の使用量は化合物[11]1モルに対して1.0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類、ピリジン又はトリエチルアミン等の有機塩基等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[5]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、一般式[I]で示されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を有効成分として含有してなる。本願化合物を農園芸用植物病害防除剤として使用する場合には、単独で用いてもよいが、その目的に応じて有効成分を適当な剤型で用いることができる。通常は有効成分を不活性な液体又は固体の担体で希釈し、必要に応じて界面活性剤、その他をこれに加え、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等の製剤形態で使用できる。有効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及び粒剤とする場合は0.1〜50%(重量)、また、乳剤及び水和剤とする場合は5〜80%(重量)が適当である。
製剤化に際して用いられる担体としては、例えばタルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、炭酸カルシウム、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロヘキサン、メチルナフタレン等の液体担体等があげられる。
界面活性剤及び分散剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等があげられる。補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等があげられる。
さらに、本発明の農園芸用植物病害防除剤には、上記様々な製剤形態において有効成分である本願化合物以外に必要に応じて他の公知の活性化合物、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、昆虫生育調整剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物病害防除剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤等と混合してもよい。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、これらの製剤をそのまま、あるいは希釈して茎葉散布、種子処理、土壌施用、水面施用または育苗箱施用等により使用することができる。これらの施用量は、使用される化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤型などによって変動する。
例えば粉剤及び粒剤のようにそのまま使用する場合には、有効成分で10アール当り0.1g〜5kg、好ましくは1g〜1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。
また、乳剤及び水和剤のように液状で使用する場合には、0.1ppm〜10,000ppm、好ましくは10〜3,000ppmの範囲から適宜選ぶのがよい。
また、育苗箱施用によって用いる場合、化合物の溶出性を制御した製剤化を行うことにより、長期にわたる効果を付与することが可能である。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は上記の施用形態により、糸状菌、細菌およびウィルスに起因する植物の病害を防除できる。
次に、具体的な病害を非限定例としてあげる。キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca cucurbitae)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis)、コムギふ枯病菌(Septoria nodorum)、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、キュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、キュウリ斑点細菌病(Pseudomonas syringe)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネもみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、イネ苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、イネ褐状病(Acidovorax avenae)、内穎褐変病(Erwinia ananas)。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、イネいもち病、イネ紋枯病、キュウリうどんこ病、キュウリ斑点細菌病などに対して高い防除効果を有し、しかも、作物に薬害を生ずることなく、残効性、耐雨性に優れるという特徴をも併せ持っているため、農園芸用植物病害防除剤として有用である。
以下、本発明の農園芸用植物病害防除剤で用いる一般式[I]の誘導体の製造例を下記の実施例をあげて本願化合物の製造法、製剤法並びに用途を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。尚、以下の説明において「%」は重量百分率を示す。また、化合物番号は以後の記載において参照される。
N−(α−シアノ−2−フルオロシンナモイル)−2−メチルベンゼンスルホンアミドの製造(化合物番号I−12)
(1)N−(2−シアノアセチル)−2−メチルベンゼンスルホンアミドの製造
2−メチルベンゼンスルホンアミド10g(58.4ミリモル)及びシアノ酢酸エチル7.9g(70.0ミリモル)をメタノール(100ml)に溶解し、(28%)ナトリウムメチラートメタノール溶液12.4g(64.3ミリモル)を加え、加熱還流下で6時間撹拌した。反応終了確認後、減圧下で溶媒を留去し、残渣を水中にあけた。水層を10%塩酸水溶液でpH=1とした後、酢酸エチルにて抽出し、得られた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色粉末のN−(2−シアノアセチル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド4.8g(収率:35%)を得た。
(2)N−(α−シアノ−2−フルオロシンナモイル)−2−メチルベンゼンスルホンアミドの製造(化合物番号I−12)
N−(2−シアノアセチル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド0.5g(2.1ミリモル)及び2−フルオロベンズアルデヒド0.31g(2.5ミリモル)をジメトキシエタン(ジグライム)(30ml)に溶解し、ピペリジン3滴を加え、加熱還流下、4時間撹拌した。反応終了確認後、反応溶液を水中にあけ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。無機物を濾別した後減圧下溶媒を留去した。残渣をヘキサン及びエタノールで洗浄し、白色粉末(融点200−202℃)のN−(α−シアノ−2−フルオロシンナモイル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド0.4g(収率:50%)を得た。
1H-NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)):2.73(3H,s)、7.39(6H,m)、8.25(2H,m)、
8.56(1H,s)、8.84(1H,br)
N−(2−クロロシンナモイル)−2−メチルベンゼンスルホンアミドの製造(化合物番号I−44)
2−クロロ桂皮酸0.6g(3.3ミリモル)及び2−メチルベンゼンスルホニルイソシアネート0.65g(3.3ミリモル)をクロロホルム(30ml)に溶解し、トリエチルアミン0.36g(3.6ミリモル)を加え、室温下、4時間撹拌した。反応終了確認後、反応溶液を水中にあけ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。無機物を濾別した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をイソプロピルエーテルで洗浄し、白色粉末(融点152−155℃)のN−(2−クロロシンナモイル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド0.55g(収率:46%)を得た。
1H-NMRデータ(CDCl3/TMS δ(ppm)):2.67(3H,s)、6.46(1H,d)、7.39(6H,m)、8.19(2H,m)
前記実施例に準じて合成した本願化合物[I]の構造式と物性値を、前記実施例を含め表15、表16に示す。ただし、表中の記号は前記と同様の意味を表す。
Figure 2005232114
Figure 2005232114
次に、本発明の農園芸用植物病害防除剤の代表的な製剤例を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の製剤例に限定されるものではない。以下の説明において「%」は重量百分率を示す。
粉剤
化合物番号I−9の化合物2%、珪藻土5%及びクレー93%を均一に混合粉砕して粉剤とした。また、化合物番号I−9に代えて、表1〜16に記載の化合物各々を用いて同様に粉剤を得ることができる。
水和剤
化合物番号I−18の化合物50%、珪藻土45%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。また、化合物番号I−18に代えて、表1〜16に記載の化合物各々を用いて同様に水和剤を得ることができる。
乳剤
化合物番号I−40の化合物30%、シクロヘキサノン20%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタリン35%を均一に溶解して乳剤とした。また、化合物番号I−40に代えて、表1〜16に記載の化合物各々を用いて同様に乳剤を得ることができる。
粒剤
化合物番号I−21の化合物24%、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー67%を均一に混合粉砕する。この混合物に水20%相当量を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。また、化合物番号I−21に代えて、表1〜16に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができる。
次に、本発明の農園芸用植物病害防除剤の奏する効果について試験例をあげて具体的に説明する。
試験例1 イネいもち病水面施用試験
直径9cmの白磁鉢に1.5葉期の水稲(品種:愛知旭)稚苗を3茎ずつ4カ所に移植し、温室内で育成した。2.5葉期に、実施例4に準じて調製した水和剤を有効成分濃度が10アールあたり1000gになるように鉢に水面施用処理をした。処理10日後に、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の分生胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時間入れた。その後、温室内に移し、接種5日後に接種時の最高位葉の病斑数を調査した。数1により防除価を求め、表17の基準により評価した結果を表18に示した。
Figure 2005232114
Figure 2005232114
Figure 2005232114

Claims (3)

  1. 一般式[I]
    Figure 2005232114

    [式中、
    は、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はベンジル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、−NR10基、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルコキシ基、−C(=Y)−R基、−C(=Y)−Y−R基、−S(O)pR基、フェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)又はフェニルオキシ基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
    は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、
    は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又は−NR基を示し、
    は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はフェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
    及びRはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基又はフェニル基を示し、
    及びR10はそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基又はC−Cシクロアルキル基を示し、
    Y及びYはそれぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
    pは0から2の整数を示し、
    Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    nは0から5の整数を示し、mは0から5の整数を示す]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
  2. 一般式[I]
    Figure 2005232114

    [式中、
    は、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシC−Cアルキル基、ベンジル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
    は、シアノ基、ニトロ基、−C(=Y)R基、−C(=Y)−Y−R基又は−S(O)pR基を示し、
    は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cハロアルキル基を示し、
    は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又は−NR基を示し、
    は、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基又はフェニル基(該基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又は−NR基で置換されてもよい)を示し、
    及びRはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基又はフェニル基を示し、
    Y及びYはそれぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
    pは0から2の整数を示し、
    Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
    nは0から5の整数を示し、mは0から5の整数を示す]で表されるN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩。
  3. 請求項2記載のN−シンナモイル−ベンゼンスルホンアミド誘導体又はその塩を活性成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102838515A (zh) * 2011-06-23 2012-12-26 南京大学 肉桂酰磺酰胺类化合物的制备及其在抗癌治疗药物中的应用

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