JP2005231954A - 湿式シリカ分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各種のコーティング剤の原料として使用したときに、吸水性が高く、光沢性の高いコーティング層を得ることが可能であり、更に高濃度化においても、高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性を有する湿式シリカ分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 極性溶媒中に湿式シリカ粒子を分散させたシリカ分散液であって、該分散液の原料として湿式シリカの水性ケークを用い、該分散液中のシリカ濃度が18重量%以上、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm以下、該分散液のpHが2〜5、該分散液の電気伝導度が0.3〜1.5mS/cm、該分散液中の湿式シリカ粒子の吸水性指数が2.5以上であることを特徴とする湿式シリカ分散液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、沈澱法により得られる湿式シリカを分散させた湿式シリカ分散液、及びその製造方法に関する。詳しくは、該分散液の原料として湿式シリカの水性ケークを用いており、高濃度であるにもかかわらず高分散性、低粘性、高吸水性、且つ良好な保存安定性を有する湿式シリカ分散液を提供するものである。
シリカ分散液は、インクジェット用記録シートをはじめ、フィルム・樹脂・ガラス・金属等にガスバリア性、耐食性、親水性、光沢性、吸水性、絶縁性等を付与するための各種コーティング剤の原料として使用されており、中でも乾式シリカ又は湿式シリカを極性溶媒中に分散したシリカ分散液が好適に使用されている(特許文献1〜2参照)。
このなかで、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼して得られる乾式シリカは、シリカ分散液を製造する際、乾式シリカの平均粒子径をサブミクロンオーダーまで微粒化しやすい。シリカ分散液を用いて製造されるコーティング層表面は、シリカ分散液中のシリカ粒子の平均粒子径が小さいほど、平滑性に優れてコーティング層の光沢性が高いため、極性溶媒中に乾式シリカを分散した乾式シリカ分散液は、光沢性を重視するコーティング剤の原料として好ましく使用されている。なお、平均粒子径とは、シリカの一次粒子が集まって形成されるシリカ凝集粒子の平均凝集粒子径を指している。
しかしながら、乾式シリカは、湿式シリカと比較して吸水性が低いという問題に加え、コーティング剤製造時にシリカ分散液と混合するポリビニルアルコールやゼラチン等の有機系バインダーに対する安定性も低く、バインダーの選択の幅が狭くなるという問題が見られる。更に乾式シリカ分散液は、極性溶媒中のシリカ濃度が15重量%よりも高い場合、極性溶媒中に分散してしばらく放置すると分散液全体がゲル化するといった問題を有している。シリカ分散液が数時間でゲル化してしまうと、コーティング剤を製造するための以降に続く製造工程に進めなくなるので好ましくない。
これに対し、珪酸ソーダと鉱酸の反応で析出させて得られる、いわゆる「沈澱法」で製造される湿式シリカは、乾式シリカと比較して吸水性が高く、コーティング剤製造時に添加される有機系バインダーによるゲル化等の現象が起こりにくく、バインダーの選択の幅が広いという利点がある。しかしながら、湿式シリカは粒子同士の凝集性が強いため、極性溶媒中で大きな凝集粒子を形成しやすく、溶媒中に分散しても分散液中の平均粒子径が大きくなる傾向がある。したがって、乾式シリカ分散液を原料としたコーティング剤から得られたコーティング層と比較すると、湿式シリカ分散液を原料としたコーティング層は、光沢性に劣るという問題を有している。
このようなことから、コーティング層にしたときの光沢性及び吸水性のバランスが良好なシリカ分散液の開発が望まれている。
湿式シリカ分散液をコーティング剤の原料とする場合には、上記したようにコーティング層の光沢性を向上させることが必要であり、そのためには、分散液中に含まれる湿式シリカ粒子を高分散化することが重要である。極性溶媒中に湿式シリカ粒子を湿式メディア式分散機、あるいは高圧ホモジナイザー等を用いて高分散化し、湿式シリカ分散液を得る方法(特許文献2、3参照)が提案されている。原料として用いる湿式シリカの形態としては、湿式シリカの乾燥粉、あるいは乾燥工程前の湿式シリカの水性ケークが挙げられるが、湿式シリカの水性ケークを用いた方が、凝集構造を有する湿式シリカ粒子を高分散化させやすいため、原料として好適に用いられる。
湿式シリカの水性ケークを用いて特許文献2に示される技術により湿式シリカ分散液を製造した場合、湿式シリカ分散液をpHが9〜11のアルカリ側で安定化させているため、コーティング剤の添加剤として使用するカチオン性樹脂、あるいはバインダーとして使用するポリビニルアルコール等との混合時にコーティング液がゲル化しやすい。更に、特許文献3に示されているように、湿式シリカの水性ケークを用いて得られた湿式シリカ分散液は、シリカ濃度が低いため、調製されるコーティング液に含まれる湿式シリカの濃度も低く、コーティング工程における生産性が低いという問題がある。
コーティング工程では、一回の塗工で十分な厚みのコーティング層が得ること、及びコーティング後に乾燥する際のエネルギー効率の向上が重要な課題であり、このためコーティング剤中のシリカ濃度を高くできるよう、高濃度のシリカ分散液が望まれている。
しかし湿式シリカの水性ケークの含水率は湿式シリカ粒子の比表面積に大きく影響されるものであり、比表面積の高い湿式シリカの水性ケークは含水率が高くなる。従って、湿式シリカの水性ケークより比表面積に関係なく高濃度の湿式シリカ分散液を得ることは困難であった。
低濃度のシリカ分散液を高濃度化する方法としては、シリカ分散液を限外濾過、常圧加熱、遠心分離等の濃縮処理を行うことによってシリカ分散液を高濃度化する方法(特許文献4〜6参照)等も提案されている。しかし、単に湿式シリカを極性溶媒に分散させた湿式シリカ分散液をそのまま濃縮処理すると、湿式シリカ分散液の高濃度化に伴って湿式シリカ分散液の分散性低下、増粘、あるいはゲル化といった問題が生じ、高濃度の状態で、高分散性、低粘性な湿式シリカ分散液を得ることが困難であることがわかった。
特開昭59−185690号公報 特開平5−170424号公報 特開平9−142827号公報 特開平5−97422号公報 特開平5−170423号公報 特開2002−283702号公報
従って本発明の目的は、高濃度においても、高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性を有する湿式シリカ分散液であって、各種のコーティング剤の原料として使用した場合に、高い光沢性、吸水性を併せ持つコーティング層を与える湿式シリカ分散液及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、湿式シリカを極性溶媒中に分散させる際に、原料として湿式シリカの水性ケークを用い、特定の分散条件において分散処理を行った後、特定の濃縮方法により濃縮処理を行うことによって、高濃度においても、高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性を有する湿式シリカ分散液が得られること、更に該分散液はバインダーとの混和性も良好であり、且つ該分散液をコーティング剤の原料に用いてコーティングしたコーティング層は、高光沢性及び高吸水性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、極性溶媒中に湿式シリカ粒子を分散させたシリカ分散液であって、該分散液の原料が湿式シリカの水性ケークであり、該分散液中のシリカ濃度が18重量%以上、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm以下、該分散液のpHが2〜5、該分散液の電気伝導度が0.3〜1.5mS/cm、該分散液中の湿式シリカ粒子の吸水性指数が2.5以上であることを特徴とする湿式シリカ分散液及びその製造方法である。
本発明の湿式シリカ分散液は高濃度においても、高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性に優れており、インクジェット用記録紙の塗工液原料をはじめ、各種のコーティング剤の原料として好適に使用することができる。
また、本発明のカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は高濃度において高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性に優れており、インクジェット用記録紙のコーティング剤として好適に使用される。
本発明において用いられる湿式シリカは、珪酸アルカリ及び鉱酸の中和反応によりシリカ粒子を析出させる、いわゆる「沈殿法」によって製造されるシリカを総称するものである。上記湿式シリカは、好ましくはBET比表面積が180〜400m/g、より好ましくは250〜350m/gのものを用いることが好ましい。BET比表面積が180〜400m/gの湿式シリカを用いることによって、高光沢性及び高吸水性を有するコーティング層を得ることが可能である。BET比表面積とは、S.Brunaure、P.H.Emmett、E.TellerによるJ.Am.Chem.Soc., 60, 309 (1938)に記載された多分子層吸着理論を応用して測定される比表面積である。
本発明においては、湿式シリカの中でも、中和反応後に濾過や洗浄、及び圧搾を行うがその後の乾燥工程は施さない、湿式シリカの水性ケーク(以下、単に湿式シリカケークともいう)を用いる。該水性ケークは、乾燥工程を行った後の湿式シリカ乾燥粉と比較して凝集粒子が柔らかいため、得られる湿式シリカ分散液の分散性が高くなる。
本発明において用いられる極性溶媒は、湿式シリカが分散し易い極性溶媒であれば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒が使用でき、また、水と上記極性との混合溶媒も好適に使用できる。また、シリカ分散液における黴の発生を防ぐ目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、防黴剤を少量添加しても良い。
本発明において、湿式シリカ分散液中のシリカ濃度は18重量%以上である。湿式シリカ分散液中のシリカ濃度が18重量%以上であると、(1)コーティング剤調製後のコーティング工程において一回のコーティングで十分な厚みのコーティング層を形成することが可能であり、(2)コーティング後乾燥する際のエネルギー効率が良い。更に湿式シリカ分散液中のシリカ濃度が高いと物流コストの面からも有利である。
本発明において、湿式シリカ分散液のpHは2〜5の範囲である。pHが2未満の場合、湿式シリカ分散液の保存安定性が悪くなり、pHが5超〜7の場合、粘性が高く場合によってはゲル化することがある。更にpHが7以上のアルカリ性の場合は、湿式シリカ分散液中の湿式シリカ粒子の溶解や、湿式シリカ分散液とコーティング剤の添加剤として使用するカチオン性樹脂及びバインダーとして使用するポリビニルアルコール等と混合した場合にゲル化するという問題がある。
本発明において、湿式シリカ分散液の電気伝導度は、0.3〜1.5mS/cmである。湿式シリカ分散液の電気伝導度が0.3mS/cm未満であると、湿式シリカ分散液の粘性が高く、また1.5mS/cm超であると、湿式シリカ分散液の保存安定性が低下する。
本発明においては、湿式シリカ分散液中の湿式シリカの平均粒子径は、0.5μm以下であり、好ましくは30nm〜0.5μmである。湿式シリカの平均粒子径が0.5μm超であると、湿式シリカ分散液中に含まれる湿式シリカの分散性が低く、コーティング剤の原料とした場合、コーティング層の表面の平滑性が得られないだけではなく、光の乱反射が発生し、光沢が不足するといった問題を生じる。本発明において平均粒子径とは、湿式シリカ分散液中のシリカ凝集粒子の平均粒子径を指しており、光散乱回折式の粒度分布計で測定した時の体積基準算術平均径D50のことである。
本発明において、湿式シリカ分散液中に含まれる湿式シリカ粒子の吸水性指数は2.5以上であり、好ましくは2.5〜5.0である。吸水性指数が2.5未満であると、湿式シリカ分散液をコーティング剤の原料として使用した場合、コーティング層の吸水性が不十分である。吸水性指数が2.5〜5.0の範囲であると、湿式シリカ分散液の粘性が低く、湿式シリカ分散液をコーティング剤の原料として形成した際のコーティング層の吸水性に優れる。
本発明における吸水性指数は以下の方法で求められる。製造したシリカ分散液を極性溶媒によりシリカ濃度が5重量%となるように希釈する。その後、遠心分離機を用いて、シリカ分散液中に含まれるシリカ粒子と極性溶媒とを遠心分離する。沈降したシリカ粒子の乾燥前後の重量を測定し、以下に示す式(1)を用いて吸水性指数を算出する。
Figure 2005231954
本発明の湿式シリカ分散液は、更にカチオン性樹脂を含んだ、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液とすることも可能である。
本発明の湿式シリカ分散液に含まれる湿式シリカ粒子はアニオン性を呈している。インクジェット用のインクには、一般的にアニオン性化合物が用いられているため、湿式シリカ分散液をインクジェット用記録紙のコーティング層として使用する場合は、画像濃度及び耐水性向上のためにカチオン性樹脂などを用いてアニオン性のシリカ表面をカチオン化させることが一般的である。本発明のカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は、特定の構造、及び平均分子量を有するカチオン性樹脂を用いることによって、高濃度においても高分散性、高吸水性、低粘性、且つ良好な保存安定性に優れたカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を得ることが可能であり、該分散液はインクジェット用記録紙のコーティング剤として好適に使用される。
本発明で使用されるカチオン性樹脂は、平均分子量4,000〜40,000の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂である。本発明で使用される環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂は、ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体を重合して得られる環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂であり、具体例としては、下記の式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位を有するジアリルアンモニウム塩及びその誘導体のポリマー、式(2)また式(3)で示される繰り返し単位10〜90モル%とジアリルアンモニウム塩またはその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位90〜10モル%を有するコポリマーを挙げることができる。
Figure 2005231954
式(2)、式(3)において、R及びRは、水素原子又はメチル基を表す。ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位としては、好ましくは、アクリルアミド、モノアリルアミン塩酸塩、マレイン酸、二酸化硫黄に基づく繰り返し単位が挙げられる。更に、本発明においてカチオン性樹脂を使用する場合、上記に示すものを2種類以上併用することも可能である。
平均分子量が4,000未満、あるいは40,000超の環状アンモニウム塩型カチオン性樹脂を用いて、シリカ濃度18重量%以上、平均粒子径0.5μm以下、湿式シリカ粒子の吸水性指数2.5以上、湿式シリカケークを原料としたカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を製造すると、製造途中にシリカ粒子が凝集、分散液が高粘度化、場合によっては分散液がゲル化する。なお、本発明において、カチオン性樹脂の平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーから求めたポリエチレン換算値である。環状アンモニウム塩型カチオン性樹脂の平均分子量は、好ましくは5,000〜30,000である。
また、環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂以外、例えば、メタクリル酸エステルメチルクロライドポリマーやアリルアミン塩酸塩ポリマー、アリルアミンポリマーなどの1〜4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いた場合、平均分子量が4,000〜40,000の範囲にあっても、製造途中にシリカ粒子が凝集、分散液が高粘度化、場合によっては分散液がゲル化する。
即ち、平均分子量4,000〜40,000の環状アンモニウム塩型カチオン性樹脂を使用することにより、製造途中の分散液のゲル化等の現象を起こすことなく、シリカ濃度18重量%以上、平均粒子径0.5μm以下、湿式シリカ粒子の吸水性指数2.5以上、湿式シリカケークを原料としたカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を安定に製造することが可能であり、また得られたカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は保存安定性が良好である。
本発明において使用されるカチオン性樹脂の添加量は、シリカ100重量部に対して1〜30重量部、特に4〜20重量部であることが好ましい。
本発明の湿式シリカ分散液を製造する方法としては、湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させて湿式シリカスラリーを得る際に、湿式シリカスラリー中に含まれる湿式シリカ粒子の平均粒子径を0.5μm以下、該スラリーのpHを2〜5、電気伝導度を0.3〜1.5mS/cmの範囲に調整した後に、該スラリーを減圧蒸留法、あるいは限外濾過法により濃縮処理を行う方法が好ましく採用される。本発明において採用される方法を用いることにより、高濃度、高分散性、且つ低粘性の湿式シリカ分散液を効率的に製造することが可能であり、且つ得られた湿式シリカ分散液の吸水性はより向上する。
尚、本発明において湿式シリカスラリーとは、湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた、濃縮処理を行う前のものを指し、カチオン性樹脂を含有するものは含まない。また湿式シリカ分散液は、湿式シリカスラリーを濃縮処理して得られるものを指し、カチオン性樹脂を含有するものは含まない。更に、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は、カチオン性樹脂を含有する湿式シリカ分散液を指す。
本発明では、湿式シリカとして、中和反応後に濾過や洗浄、及び圧搾を行うがその後の乾燥工程は施さない、湿式シリカケークを用いる。該シリカケークは、乾燥工程を行った後の湿式シリカ乾燥粉と比較して凝集粒子が柔らかく、分散させやすい。
本発明においては、湿式シリカスラリーの濃縮処理を行う前に、湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた湿式シリカスラリー中に含まれる湿式シリカ粒子の平均粒子径を0.5μm以下、該分散液のpHを2〜5、電気伝導度が0.3〜1.5mS/cmの範囲になるように調整することが好ましい。濃縮処理を行う前に、湿式シリカスラリーを上記に示す範囲に調整することによって、湿式シリカスラリーの濃縮処理を効率的に行うことが可能となる。
湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた湿式シリカスラリー中の湿式シリカの平均粒子径を0.5μm以下、好ましくは30nm〜0.5μmにした状態で濃縮処理を行うと、該スラリーが高濃度化するにつれて強くなるシリカ凝集粒子同士の凝集作用が緩和できるため、高濃度の湿式シリカ分散液を得ることができる。湿式シリカの平均粒子径が0.5μm以上である湿式シリカスラリーについて濃縮処理を行った場合、該スラリーが高濃度化するにつれて、該スラリー中に存在する湿式シリカ凝集粒子同士の凝集が強くなるため、該スラリーの高粘度化が激しくなり、ゲル化する場合がある。
湿式シリカスラリー中の湿式シリカの平均粒子径を0.5μm以下に高分散化する方法としては、特に制限されないが、ビーズミル、サンドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、薄膜遠心式高速回転分散機等を用いて高分散化する方法が挙げられる。高分散化に用いることができる装置の代表例を具体的に例示すると、ポットミル(ニッカトー製)、ビスコミル(アイメックス製)、システムゼータ、アジテーターミル(アシザワファインテック製)、エムピーミル、スパイクミル、マイティーミル(井上製作所製)、ダイアモンドファインミル(三菱重工業製)、OBミル(ターボ工業製)、SCミル(三井鉱山製)、グレンミル(浅田鉄工製)、スーパーアペックスミル、ウルトラアペックスミル(コトブキ技研工業製)、ダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーファン製)、ナノマイザー(ナノマイザー製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス製)、アルティマイザー(スギノマシン製)、フィルミックス(特殊機化工業製)、クレアミックス、メディアレス分散機SS5(エム・テクニック製)などが挙げられる。
湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた湿式シリカスラリーのpHを2〜5に調整すると、濃縮処理途中において湿式シリカスラリーの粘度上昇が少ないため、湿式シリカスラリーのpHを2〜5に調整した後に濃縮処理を行うと高濃度の湿式シリカ分散液を容易に得ることができる。
湿式シリカスラリーのpHを調整する方法としては、(1)湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた後に、酸を後添加する方法、(2)予め酸を添加しておいた極性溶媒中に湿式シリカケークを分散させ湿式シリカスラリーを得る方法、(3)湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させる途中に、酸を添加させる方法が挙げられる。本発明においては、これら3種類の方法がいずれも問題なく使用できる。本発明において用いられる、上記に示す酸の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グリコール酸、フマル酸、酪酸、グルタル酸、グリシリオル酸、マレイン酸、ヒドロキシイソ酪酸、酢酸、アジピン酸、サリチル酸、アスパラギン酸、酒石酸、フタル酸、ステアリン酸、リンゴ酸、マロン酸などの有機酸が挙げられ、特に制限なく使用できる。
湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた湿式シリカスラリーの電気伝導度を0.3〜1.5mS/cmに調整すると、濃縮処理途中において湿式シリカスラリーの粘度上昇が少ないため、湿式シリカスラリーの電気伝導度を0.3〜1.5mS/cmに調整した後に濃縮処理を行うと高濃度の湿式シリカ分散液を容易に得ることができる。
湿式シリカスラリーの電気伝導度の調整は、酸あるいは/及び塩の添加により可能である。酸あるいは/及び塩を添加する方法としては、(1)湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた後に酸あるいは/及び塩を後添加する方法、(2)極性溶媒中に予め酸あるいは/及び塩を添加しておいた後に湿式シリカケークを分散する方法、(3)湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させる途中に、酸あるいは/及び塩を添加させる方法が挙げられる。本発明においては、これら3種類の方法がいずれも問題なく使用できる。酸の添加は、上記したpH調整を兼ねたものであり、pH調整の際の鉱酸の添加のみで湿式シリカスラリーの電気伝導度が上記範囲内となる場合、塩を必ずしも添加しなくてもよい。
本発明において用いられる塩の種類としては、アルカリ金属であるナトリウム、カリウム、リチウムの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アルカリ土類金属であるカルシウム、マグネシウム、バリウムの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、更に、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩やアミン塩などが挙げられ、特に制限なく使用できる。
本発明においては、湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させ、湿式シリカスラリーを得た後に濃縮処理を行い、シリカ濃度を18重量%以上とする。湿式シリカスラリーを濃縮処理することにより、シリカ濃度を高めるだけでなく、湿式シリカ分散液中に含まれる湿式シリカの持つ吸水性をより向上させることができる。濃縮処理を行うことにより、湿式シリカ分散液中に含まれる湿式シリカの吸水性が向上する原因については不明であるが、濃縮処理を行うことにより、湿式シリカの一次粒子同士の結合が強化され、湿式シリカの凝集粒子が持つ吸水性が向上するためと推定される。
本発明において、湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させた湿式シリカスラリーを濃縮する方法は、(1)湿式シリカスラリーを限外濾過膜により、極性溶媒を除去する方法(限外濾過法)、(2)湿式シリカスラリーを減圧下において蒸留処理を行い、極性溶媒を除去する方法(減圧蒸留法)である。湿式シリカケークを極性溶媒中に分散させ湿式シリカスラリーを得た後、該スラリーを限外濾過法、あるいは減圧蒸留法により濃縮処理を行うと、湿式シリカスラリーがゲル化すること無く、高濃度、高分散性、低粘性な湿式シリカ分散液を得ることが可能である。
湿式シリカスラリーを濃縮する方法としては他に、湿式シリカスラリーを常圧において加熱し、極性溶媒を強制気化させる常圧加熱法や、湿式シリカスラリーを遠心分離し、上澄み液を回収除去する遠心分離法があるが、常圧加熱法では湿式シリカスラリー中に含まれる極性溶媒を強制気化させるために50℃以上に加熱することが一般的であり、湿式シリカスラリーを50℃以上に加熱した場合はシリカ粒子同士の凝集が促進されるため、湿式シリカスラリーが濃縮され高濃度になるにしたがって高粘度化しやすく、場合によってはゲル化する。
また、湿式シリカスラリーを遠心分離法により濃縮処理を行った場合には、遠心力により分離濃縮された湿式シリカ分散液はシリカ粒子同士の凝集を引き起こし、分散性が低下する。
以下に本発明において用いられる限外濾過法について説明する。限外濾過法は、限外濾過膜を使用し、該濾過膜を通して湿式シリカスラリー中に含まれる極性溶媒を選択的に分離する方法である。濾過の種類としては、濾過膜面に対して液の流れが垂直であるデッドエンド濾過、及び濾過膜面に対して液の流れが平行であるクロスフロー濾過に大別されるが、本発明で用いられる限外濾過法においては、クロスフロー濾過が好適に採用される。
通常限外濾過膜を用いた分離は、対象となる粒子の大きさが1nmから数μmであるが、本発明において使用される限外濾過膜は、その孔径が1nm〜1μm、好ましくは1nm〜0.5μmのものが好適に使用される。限外濾過膜の孔径が1nm未満である場合、濾過抵抗が大きくなりすぎるため、処理時間が増大し好ましくない。また限外濾過膜が1μm以上の場合は、濃縮処理時に湿式シリカ粒子が系外に排出されるため好ましくない。尚、限外濾過膜は、溶媒中に溶解している高分子物質の分離にも用いられるため、限外濾過膜の濾過精度は分画分子量でも表現される。本発明においては、限外濾過膜の分画分子量が1,000〜500,000、好ましくは3,000〜100,000の限外濾過膜が好適に使用できる。分画分子量1,000未満の限外濾過膜では濾過抵抗が大きくなりすぎるため、処理時間が増大し好ましくない。また分画分子量500,000以上の限外濾過膜では、濃縮処理時に湿式シリカ粒子が系外に排出されるため好ましくない。
限外濾過膜の材質は、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、焼結金属、セラミック、カーボンなどが挙げられいずれも使用可能である。限外濾過膜の形状は、平膜型、スパイラル型、チューブラー型、中空糸型などが挙げられいずれも使用できるが、操作性、洗浄性の面から中空糸型が好適に使用できる。なお、湿式シリカ分散液を限外濾過法により濃縮処理を行う場合、処理温度は通常10〜40℃の範囲で行われる。
次に本発明において用いられる減圧蒸留法について説明する。減圧蒸留法は、湿式シリカスラリーを仕込んだ系内を減圧させ、且つ系内を10〜80℃、好ましくは20〜70℃の範囲内に温度調節を行いながら、湿式シリカスラリーに含まれる極性溶媒を強制気化させる方法である。減圧蒸留法では、湿式シリカスラリーの液面から極性溶媒が気化されるため、湿式シリカスラリーの液面でのシリカ濃度が高くなり、且つ高粘度化する。そのため、湿式シリカスラリー内でのシリカの濃度分布を均一化するために、湿式シリカスラリーの攪拌操作が必要である。湿式シリカスラリーを均一に攪拌するために、ヘリカルリボン型攪拌翼、スクリュー型攪拌翼、マックスブレンド型攪拌翼、パドル型攪拌翼、アンカー型攪拌翼等を具備した高粘度対応型攪拌機、高速回転遠心放射型撹拌機、高速回転剪断型撹拌機、混練型攪拌機、あるいは、それらを組み合わせた複合型攪拌機を用いて湿式シリカスラリーの攪拌を行う。
本発明においては、バッチ処理に限らず、連続処理も可能である。更に本発明では、減圧下において、湿式シリカスラリーを攪拌槽壁面に高速旋回させ薄膜上にし、気液の接触効率を向上させる濃縮方法も好適に使用できる。該方法に用いることができる装置の代表例を具体的に例示すると、高速旋回式真空蒸発機(大川原製作所製)、遠心式薄膜真空乾燥機(日立製作所製)、コイル濃縮機(カツラギ工業製)、攪拌式薄膜蒸発機(桜製作所製)などが挙げられる。
本発明の湿式シリカ分散液にカチオン性樹脂を含んだカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を製造するとしては、上記の製造方法により得られた湿式シリカ分散液と、カチオン性樹脂を混合・分散する方法が好適に採用される。
湿式シリカ分散液と、カチオン性樹脂を混合・分散する際には、極性溶媒に溶解させたカチオン性樹脂の溶液に、湿式シリカ分散液を段階的に添加しながら混合・分散する方法が一般的であるが、本発明においても上記方法が好適に採用される。
湿式シリカ分散液とカチオン性樹脂を混合・分散する際に使用される分散機は特に制限はないが、プロペラ羽根、タービン羽根、パドル翼等を有する一般攪拌機、ディスパーミキサー等の高速回転遠心放射型攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ウルトラミキサー等の高速回転剪断型分散機、コロイドミル、プラネタリーミキサー、吸引式分散機などの分散機、更に上記の高速回転剪断型分散機とプロペラ羽根及びパドル翼を組み合わせた複合型分散機、プラネタリーミキサーと高速回転遠心放射型攪拌機と高速回転剪断型分散機を組み合わせた複合型分散機等が挙げられる。
更に、上記に示した攪拌機、あるいは分散機を用いて湿式シリカ分散液とカチオン性樹脂を混合・分散しカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を得た後に、前述したビーズミル、サンドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、薄膜遠心式高速回転分散機等を用いて高分散処理を行うことも可能である。
本発明により得られた湿式シリカ分散液は、各種コーティング剤や半導体ウェハーやIC絶縁膜の研磨剤、エマルジョンの安定剤等として好適に使用することができる。また本発明により得られたカチオン性樹脂を含有するカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は、インクジェット用記録紙のコーティング剤の原料として好適に使用される。
以下に、本発明を具体的に説明するため、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
なお本発明では、以下の方法により、湿式シリカケーク、湿式シリカスラリー、及びシリカ分散液に関する測定、調製を行った。更にシリカ分散液を原料として調製したコーティング層の性能評価も行った。
(1)測定方法
(1−1)BET比表面積の測定方法
湿式シリカケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製のアサップ2010を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用した。
(1−2)湿式シリカケークの水分含有率の測定
湿式シリカケークを150℃に保温した乾燥器中に24時間入れ、水分乾燥前後の重量から算出した。
(1−3)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液中のシリカ濃度測定
湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液10gを秤量瓶に採取し、150℃の乾燥機で24時間乾燥を行い、乾燥前後の重量から湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液のシリカ濃度を算出した。
(1−4)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液のpH測定
湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液のpHは、pH計(堀場製作所製)を用いて、測定温度25℃において測定した。
(1−5)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液の電気伝導度測定
湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液の電気伝導度は、電気伝導度計(京都電子工業製)を用いて、測定温度25℃において測定した。
(1−6)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液の粘度測定
湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液の粘度は、BL型粘度計(トキメック社製)を用いて測定温度25℃において測定した。シリカ分散液の粘度は1,000mPa・s以下の状態であるとハンドリング性がよく、使用可能レベルである。
(1−7)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液中のシリカの平均粒子径測定
光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター製、コールターLS−230)を用いて、シリカの屈折率1.458、分散媒として用いている水の屈折率1.332として粒度分布を測定し、体積基準算術平均径D50を算出した。
(1−8)湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液中のシリカの吸水性指数測定
製造した湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液を用いて極性溶媒によりシリカ濃度を5重量%まで純水により希釈する。湿式シリカスラリー、又はシリカ分散液を希釈した後、遠心分離機を用いて遠心力 29,200G、分離時間1時間でシリカ粒子と極性溶媒とを遠心分離する。極性溶媒を除去し、沈降したシリカ粒子を回収した後、乾燥温度150℃、乾燥時間24時間の乾燥条件において、シリカ粒子を乾燥させ、シリカ粒子の乾燥前後の重量を測定し、以下に示す式(1)を用いて吸水性指数を算出する。
Figure 2005231954
(1−9)シリカ分散液の保存安定性評価
製造して1日以内にシリカ分散液を上記に示した測定条件において粘度を測定した後、保存温度25℃においてシリカ分散液を1週間静置保存する。1週間経過後、測定温度25℃において再びシリカ分散液の粘度を測定し、以下に示す式(4)を用いて粘度増加率を算出し、シリカ分散液の保存安定性を4段階で評価した。
Figure 2005231954
◎:粘度増加率が1.1未満である。
○:粘度増加率が1.1以上2未満である。
△:粘度増加率が2以上5未満である。
×:粘度増加率が5以上である。
(2)コーティング液の調整、及びコーティング剤の性能評価
(2−1)コーティング層の作成
製造したシリカ分散液をシリカ濃度12重量%まで純水により希釈する。希釈後に、平均分子量20,000のジアリルメチルアンモニウムクロライドホモポリマーを、シリカ:ポリマーの固形分比=100:5になるように添加し、ホモジナイザー(IKA製)により分散処理を行った。更に、得られたシリカ分散液に、10重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ製、PVA117)、及び4重量%のホウ酸水溶液を、シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸の固形分比=100:50:4になるようにプロペラミキサーで撹拌、混合し、コーティング剤を得た。このコーティング剤をフィルムコーター(テスター産業製、PI−1210 Film Coater)を用いて、コーテング層のウエット膜厚が114μmとなるようにPETシート(アイ・シー・アイ・ジャパン製、メリネックス705)の表面にコーティングした後、乾燥してPETシート上にコーティング層を作成した。
(2−2)コーティング層の光沢性
コーティング層の85°鏡面光沢を、変角光度計(スガ試験社製、UGV−5D)を用いて、JIS Z 8741の測定方法に準じて測定を行い、コーティング層の光沢性を下記の4段階で評価を行った。
◎:85°鏡面光沢 90以上
○:85°鏡面光沢 75以上〜90未満
△:85°鏡面光沢 60以上〜75未満
×:85°鏡面光沢 60未満
(2−3)コーティング層の吸水性
インクジェットプリンタ(エプソン製、PM700C)を用いてブラックインク、シアンインク、イエローインク、及びマゼンダインクでベタ印刷を行い、印刷直後から印刷面に市販のPPC用紙を貼り合わせ、PPC用紙に転写する程度を目視観察し、コーティング層の吸水性を下記の4段階で評価をおこなった。
◎:全く転写せず、吸水性は非常に良好である。
○:印字された面積の50%未満で転写されているが、転写された色は薄い。
△:印字された面積は50%以上であるが、転写された色は○と同程度の濃さである。
×:印字された面積のほぼ100%が転写されており、転写された色の濃さは、△よりも濃い。
(3)湿式シリカケークの調製
(3−1)湿式シリカケーク(A1)の調製
市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中に珪酸ソーダの濃度が5%となるように投入した。反応槽の温度を40℃にして、22重量%硫酸を用いて中和反応(中和率50%まで)を行った後、反応液の温度を95℃にした。この反応液に中和率が100%になるまで上記の硫酸を加えた。生成した湿式シリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、湿式シリカケーク(A1)(水分量85重量%)を得た。この湿式シリカケークを乾燥させたシリカの比表面積は280m/gであった。
(3−2)湿式シリカケーク(A2)の調製
市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中に珪酸ソーダが5重量%となるように投入した。反応槽の温度を90℃に昇温した後、硫酸と珪酸ソーダとを反応槽中に一定の比率で添加していった。添加終了後、さらに反応槽中に硫酸を加えてpHを3にして反応を終了させた。生成した湿式シリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、湿式シリカケーク(A2)(水分量85重量%)を得た。この湿式シリカケークを乾燥させたシリカの比表面積は190m/gであった。
(4)湿式シリカスラリーの調製
(4−1)湿式シリカスラリー(B1)の調製
湿式シリカケーク(A1)3,600gに、純水900gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いてスラリー化を行った。その後、10重量%硫酸、及び10重量%硫酸ナトリウム水溶液を用いてスラリーのpHを4.6、電気伝導度を0.60mS/cmに調整した。更に、該スラリーを高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製)により処理圧力80MPa、処理回数3回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B1)を得た。湿式シリカスラリー(B1)の分析結果を表1に示す。
更に、湿式シリカスラリー(B1)をシリカ濃度5重量%に希釈した後、該希釈スラリーを用いて吸水性指数を測定したところ、吸水性指数は2.7であった。
(4−2)湿式シリカスラリー(B2)の調製
湿式シリカケーク(A2)3,600gに、純水900gを加え、ウルトラタラックス(IKA製)を用いてスラリー化を行い、その後、10重量%硫酸、及び10重量%硫酸ナトリウム水溶液を用いてスラリーのpHを4.2、電気伝導度を1.00mS/cmに調整した。更に、該スラリーを高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数3回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B2)を得た。湿式シリカスラリー(B2)の分析結果を表1に示す。
(4−3)湿式シリカスラリー(B3)の調製
湿式シリカケーク(A1)3,600gに、純水900gを加え、ウルトラタラックスを用いてスラリー化を行い、その後、10重量%硫酸を用いてスラリーのpHを4.5、電気伝導度を0.44mS/cmに調整した。更に、該スラリーを高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数1回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B3)を得た。湿式シリカスラリー(B3)の分析結果を表1に示す。
(4−4)湿式シリカスラリー(B4)の調製
湿式シリカケーク(A1)3,600gに、純水900gを加え、ウルトラタラックスを用いてスラリー化を行った。その後、10重量%硫酸ナトリウム水溶液を添加し、スラリーの電気伝導度を0.50mS/cmに調整した。更に、該スラリーを高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数3回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B4)を得た。湿式シリカスラリー(B4)の分析結果を表1に示す。
(4−5)湿式シリカスラリー(B5)の調製
湿式シリカケーク(A1)3,600gに、純水900gを加え、ウルトラタラックスを用いてスラリー化を行った。その後、該スラリーに10重量%硫酸、及び10重量%硫酸ナトリウム水溶液を添加し、スラリーのpHを4.3、電気伝導度を1.70mS/cmに調整した。該スラリーを高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数3回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B5)を得た。湿式シリカスラリー(B5)の分析結果を表1に示す。
(4−6)湿式シリカスラリー(B6)の調製
湿式シリカケーク(A1)3,600gに、純水900gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いてスラリー化を行った。その後、10重量%のアスパラギン酸水溶液を用いてスラリーのpHを4.0、電気伝導度を0.35mS/cmに調整した。更に、該スラリーを高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製)により処理圧力80MPa、処理回数3回において高分散処理を行い、湿式シリカスラリー(B6)を得た。湿式シリカスラリー(B6)の分析結果を表1に示す。
実施例1
マックスブレンド型攪拌翼を具備した攪拌機を設置したバッチ式の減圧蒸留装置内に、湿式シリカスラリー(B1)を300g投入した。真空ポンプにより系内を3.3kPaまで減圧した。攪拌機を起動させ、回転数800rpmにおいて湿式シリカスラリー(B1)を攪拌しながら、温度30℃に制御して濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C1)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C1)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C1)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
実施例2
限外濾過膜の孔径が0.05μm、濾過面積が0.005mのセラミック製限外濾過膜(日本ポール製)を具備したクロスフロー型限外濾過装置により、湿式シリカスラリー(B1)2,000gを用いて濾過圧力0.42MPa、処理温度35℃において濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C2)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C2)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C2)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
実施例3
分画分子量が6,000、濾過面積が0.1mの中空糸型限外濾過膜(旭化成工業製)を具備したクロスフロー型限外濾過装置において、湿式シリカ分散液(B1)4,000gを用いて濾過圧力0.25MPa、処理温度25℃において濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C3)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C3)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C3)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
実施例4
湿式シリカスラリー(B2)を用いた以外は、実施例3と同様の方法により湿式シリカスラリー(B2)の濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C4)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C4)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C4)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
実施例5
湿式シリカスラリー(B6)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により湿式シリカスラリー(B6)の濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C5)を得た。更に湿式シリカ分散液(C5)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C5)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
比較例1
湿式シリカスラリー(B3)を用いた以外は、実施例3と同様の方法により湿式シリカスラリー(B3)の濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C6)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C6)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C6)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
比較例2
湿式シリカスラリー(B4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により湿式シリカスラリー(B4)の濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C7)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C7)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C7)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
比較例3
湿式シリカスラリー(B1)50gをナルゲン梨型沈殿管に充填した。高速遠心分離機(Sigma製MODEL3630)内に沈殿管を仕込み、遠心力29,200G、分離時間1時間において濃縮処理を行った後、上澄み液を除去し、湿式シリカ分散液(C8)を得た。沈殿管の底部に濃縮された湿式シリカ分散液(C8)は、強固にシリカが凝集してゲル化しており、ウルトラタラックスにより再分散を試みたが不可能であった。そのため、コーティング層の作成ができなかった。
比較例4
湿式シリカスラリー(B5)を用いた以外は、実施例3と同様の方法により湿式シリカスラリー(B5)の濃縮処理を実施し、湿式シリカ分散液(C9)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C9)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C9)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
比較例5
純水3,200gに湿式シリカ(トクヤマ製ファインシールX37B)800gを添加しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製)により分散処理を行い、スラリー化を行った。その後、該スラリーに10重量%硫酸を添加し、スラリーのpHを4.7、電気伝導度を0.96mS/cmに調整した。更に、該スラリーをビーズミル(コトブキ技研工業製)により、ビーズ径0.3mm、滞留時間5min、周速9.2m/sにおいて高分散処理を行い、湿式シリカ分散液(C10)を得た。更に、湿式シリカ分散液(C10)を用いて保存安定性の評価、及びコーティング層の作成を実施した。湿式シリカ分散液(C10)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
比較例6
純水3,250gに乾式シリカ(トクヤマ製レオロシールQS30)750gを添加しながら、ウルトラミキサーにより分散処理を行い、スラリー化を行った。その後、該スラリーに10重量%硫酸ナトリウム水溶液を添加し、電気伝導度を0.60mS/cmに調整した後、高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数1回において分散処理を行い、乾式シリカ分散液(C11)を得た。更に、乾式シリカ分散液(C11)を用いてコーティング層の作成を実施した。乾式シリカ分散液(C11)を保存温度25℃において、1週間静置保存したが、1週間後強固にゲル化しており、使用不可能であった。乾式シリカ分散液(C11)の分析結果、及びコーティング層の評価結果を表2に示す。
実施例6
平均分子量が10,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマーの25重量%水溶液40gに、実施例3により得られた湿式シリカ分散液(C3)500gを添加しながら、ウルトラタラックス(IKA製)を用いて混合し、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を得た。更に、該分散液を高圧ホモジナイザーにより処理圧力80MPa、処理回数1回において分散処理を行い、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)を得た。カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)を用いて保存安定性の評価を行った。
また、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)を用いてコーティング層の作成を以下の方法により行った。カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)をシリカ濃度12重量%まで純水により希釈した。希釈後に、10重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ製、PVA117)、及び4重量%のホウ酸水溶液を、シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸の固形分比=100:50:4になるようにプロペラミキサーで撹拌、混合し、コーティング剤を得た。このコーティング剤をフィルムコーター(テスター産業製、PI−1210 Film Coater)を用いて、コーテング層のウエット膜厚が114μmとなるようにPETシート(アイ・シー・アイ・ジャパン製、メリネックス705)の表面にコーティングした後、乾燥してPETシート上にコーティング層を作成した。得られたコーティング層を用いて、光沢性及び吸水性の評価を実施した。
カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表3に示す。
また、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C12)の原液を用いた他は同様の方法でコーティング層を作成した。得られたコーティング層を用いて、光沢性、吸水性の評価を行ったところ、光沢性、吸水性の評価は共に「○」であった。
実施例7
平均分子量が6,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライドホモポリマーの50重量%水溶液20gに変更した以外は、実施例6と同様の方法によりカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C13)を得た。更に、実施例6と同様の方法により、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C13)の保存安定性の評価、コーティング層の作成、コーティング層を用いた光沢性及び吸水性の評価を実施した。なお、コーティング層の作成は、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C13)をシリカ濃度12重量%まで純水により希釈したものを用いた。
カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液(C13)の分析結果、保存安定性の評価結果、及びコーティング層の評価結果を表3に示す。
比較例7
平均分子量が2,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマーの25重量%水溶液40gに、実施例3により得られた湿式シリカ分散液(C3)500gを添加しながら、ウルトラタラックス(IKA製)を用いて混合したところ、製造途中に分散液がゲル化し、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を得ることができなかった。
比較例8
平均分子量が5,000のアリルアミン塩酸塩ホモポリマーの40重量%水溶液25gに、実施例3により得られた湿式シリカ分散液(C3)500gを添加しながら、ウルトラタラックス(IKA製)を用いて混合したところ、製造途中に分散液がゲル化し、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液を得ることができなかった。
Figure 2005231954
Figure 2005231954
Figure 2005231954
実施例1〜5で得られた湿式シリカ分散液は、高濃度、高分散性、低粘性、高吸水性、且つ良好な保存安定性を有していることがわかる。更に、該分散液をコーティング剤の原料として使用した場合においても、光沢性、吸水性が高いものが得られた。
実施例1〜3で得られたシリカ分散液の吸水性指数は、湿式シリカスラリー(B1)と比較して高いことから、濃縮処理を行うことによって、湿式シリカの吸水性が更に向上していることがわかる。
比較例1、2で得られたシリカ分散液は、粘性が高く、また保存安定性に問題がある。また、比較例3〜6については、得られたシリカ分散液の分散性、粘性、吸水性、及び保存安定性のバランスが悪く、更に、コーティング剤の原料として用いた場合、光沢性、吸水性のバランスが悪いことがわかる。したがって、シリカ分散液として性能が不十分である。
実施例6、7、比較例7、8に示されるように、平均分子量が4,000〜40,000までの環状アンモニウム塩型カチオン性樹脂を用いることによって、カチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液がゲル化することなく安定的に製造することが可能であり、且つ該分散液は保存安定性が良好である。また、本発明で得られた該分散液をコーティング層として用いた場合、光沢性、吸水性が高いことがわかる。更に、実施例6に示されるように、本発明において得られたカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液は、高濃度の状態においてもコーティング剤として使用することが可能である。


Claims (4)

  1. 極性溶媒中に湿式シリカ粒子を分散させた分散液であって、該分散液の原料が湿式シリカの水性ケークであり、該分散液中のシリカ濃度が18重量%以上、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm以下、該分散液の該分散液のpHが2〜5、該分散液の電気伝導度が0.3〜1.5mS/cm、該分散液中の湿式シリカ粒子の吸水性指数が2.5以上であることを特徴とする湿式シリカ分散液。
  2. 極性溶媒中に湿式シリカ粒子及びカチオン性樹脂を含有する分散液であって、該分散液の原料が湿式シリカの水性ケークであり、該分散液中のシリカ濃度が18重量%以上、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm以下、湿式シリカ粒子の吸水性指数が2.5以上であること、更にカチオン性樹脂が、平均分子量4,000〜40,000の環状アンモニウム塩型であることを特徴とするカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液。
  3. 湿式シリカ分散液を製造する製造方法において、湿式シリカの水性ケークを極性溶媒中に分散して湿式シリカスラリーを得る際に、湿式シリカスラリー中に含まれる湿式シリカ粒子の平均粒子径を0.5μm以下、該スラリーのpHを2〜5、電気伝導度を0.3〜1.5mS/cmの範囲に調整した後に、該スラリーを減圧蒸留法、あるいは限外濾過法により濃縮処理を行うことを特徴とする請求項1記載の湿式シリカ分散液の製造方法。
  4. 請求項1記載の湿式シリカ分散液と、平均分子量4,000〜40,000の環状アンモニウム塩型カチオン性樹脂を混合・分散することを特徴とする請求項2記載のカチオン性樹脂変性湿式シリカ分散液の製造方法。


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