JP2005231939A - ガラスパネルの減圧処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空排気中のシールエッジからのガスリークを抑制することができ、真空引き時間を短縮させ、且つ、高真空度を長時間維持することができるガラスパネルの減圧処理装置を提供する。
【解決手段】 排気カップ1は、円柱状の本体100と、本体中央位置にあってPDP200における背面板ガラス203への接触面にほぼその全面に亘って開口する本排気部104と、本排気部104の外周にあって背面板ガラス203への接触面にほぼその全面に亘って開口する差動排気部102とを備える。本排気部104のシールエッジ107aと差動排気部102のシールエッジ107bは、表面粗さRaが0.1μm未満である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラスパネルの減圧処理装置に関し、特に、複数の板ガラスと、該板ガラスの間に形成された減圧層とを有するガラスパネルの減圧処理装置に関する。
従来、真空ガラス、例えば「スペーシア」(登録商標)やプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)等に好適な基本構造を有するガラスパネルとして、図6(a)及び図6(b)に示すような対向する2枚の板ガラス600,601と、該板ガラス600,601の間に形成される減圧層602と、該減圧層602の周縁をシールする低融点ガラスからなる周縁シール材603と、板ガラス600を貫通する穴に一端が埋め込まれ、該一端側において低融点ガラスからなるシール材604によって板ガラス600に溶着される排気管605とを備えるガラスパネル606が知られている。このガラスパネル606における減圧層602は、真空ガラスにおいては真空とされ、PDPにおいては減圧された後、キセノン(Xe)やネオン(Ne)等の希ガスが充填される。
そして、このガラスパネル606は、ペアリングされた板ガラス600,601の周縁部に塗布された周縁シール材603と、板ガラス600及び排気管605の接合部に塗布されたシール材604とを焼成によって溶融して板ガラス600,601を接合し且つ排気管605を板ガラス600に溶着した後、排気管605を介して減圧層602を減圧し、さらに排気管605の他端を封じ切ることによって作製される。
減圧層602の減圧の際には、排気管605の他端にニトリルゴム(NBR)等からなるO−リング607を介して減圧管608が接続される。減圧管608は、一端において径が拡大されて形成されたゲッタ室609を有する円管であり、その他端は不図示のターボ分子ポンプ(以下「TMP」という。)に接続され、ゲッタ室609内に非蒸発型ゲッタ610を有する(図6(b))。そして、ガラスパネル606及び減圧管608を不図示の炉内において所定温度まで加熱して減圧層602に存在する水分、有機物、油脂等をガス化させると共に、非蒸発型ゲッタ610を活性化し、その後、TMPを稼働させて上記ガス及び空気を減圧層602から除去して減圧層602を減圧すると共に、活性化された非蒸発型ゲッタ610によって減圧管608を流れる上記ガスを吸着して除去するが、O−リング607は高温に耐えることができないため、非蒸発型ゲッタ610を高温で活性化することができず、減圧層602の減圧の効率低下を招くという問題があり、特に、この効率低下により、減圧層602の減圧は長時間となるため、PDPにおいては蛍光体膜の劣化等を招くという問題があった。
そして、近年、この長時間に亘る減圧層602の減圧を避けるため、O−リングの代わりに金属製のガスケットを使用した全金属製の排気装置が減圧層602の減圧に用いられるようになった。
この全金属製の排気装置である排気カップ700は、図7(a)に示すように、ステンレス製の円柱部材から成り、その中心軸上に形成された円筒状の本排気部701と、該本排気部701と連通する金属製の本排気系702と、本排気部701を同心円的に包囲する環状溝状差動排気部703と、該差動排気部703と連通する金属製の差動排気系704と、本排気部701内に配設される横置きのコイル状のフィラメント705とを備える。図7(b)に示すように、本排気部701が板ガラス600に接触する部分(以下「シールエッジ」という。)は、本排気部701の外周縁を形成するシールエッジ700aと差動排気部703の外周縁を形成するシールエッジ700bとから成り、シールエッジ700a及びシールエッジ700bの各下端面の平面度は可能な限りフラットとして大きな掻き傷の無いようにすることで、減圧層602の減圧の際において、排気カップ700は、フィラメント705がガラスパネル606の排気管605に対向するように、板ガラス600上に確実に装着される。このとき、差動排気部703は不図示のロータリーポンプ(以下「RP」という。)によって減圧されるので、排気カップ700は板ガラス600に吸着する(例えば、特許文献1参照)。
この排気カップ700では、O−リングを使用しないため、非蒸発型ゲッタ610を高温で活性化することができ、減圧層702の減圧における効率を向上することができる。また、真空排気時に、ガラス自体を高温にすることができ、ガラスパネル内部表面からのガス脱離を促進させ、排気時間を短縮することができる。
特表2002−530184号公報
しかしながら、上述した排気カップ700は、シールエッジ700a,700bの平面度を高くして、減圧時の吸着度を高めても、0.1Pa未満の圧力にまで減圧することができず、パネル内部の表面から発生するガスを排気するのに多大な時間を必要とした。
また、ディスプレイ用ガラスパネルにおいては、発光ガスを導入した場合に残留したガスが不純物となり、ガラスパネルの寿命を短縮させたり、発光特性を変化させたりしていた。
さらに、真空ガラスにおいては、内部との連通部を封止するために必要な真空度が十分に得られず、少し内部からガス脱離が生じると断熱性能が劣化するという問題が生じる。
本発明の目的は、真空排気中のシールエッジからのガスリークを抑制することができ、真空引き時間を短縮させ、且つ、高真空度を長時間維持することができるガラスパネルの減圧処理装置を提供することにある。
請求項1記載の減圧処理装置は、複数の板ガラス、該複数の板ガラスの間に設けられた減圧層、及び前記板ガラスの周縁部に配設されて前記減圧層と連通する排気孔を有するガラスパネルの前記板ガラスに接触するように構成された減圧処理装置であって、前記板ガラスとの接触面に開口し且つ前記排気孔と対向する減圧室と、前記板ガラスとの接触面に開口し且つ前記減圧室を包囲する環状の差動排気部とを備えるガラスパネルの減圧処理装置において、前記減圧室の外周縁を形成する第1のシールエッジ及び前記差動排気部の外周縁を形成する第2のシールエッジは、表面粗さRaが0.1μm未満であることを特徴とする。
請求項2記載の減圧処理装置は、請求項1記載の減圧処理装置において、前記表面粗さRaは0.01μm未満であることを特徴とする。
請求項1記載の減圧処理装置によれば、減圧室の外周縁を形成する第1のシールエッジ及び差動排気部の外周縁を形成する第2のシールエッジは、表面粗さRaが0.1μm未満であるので、真空排気中のシールエッジからのガスリークを抑制することができ、真空引き時間を短縮させ、且つ、高真空度を長時間維持することができる。
請求項2記載の減圧処理装置によれば、上記表面粗さRaは0.01μm未満であるので、真空排気中のシールエッジからのガスリークを確実に抑制することができる。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、減圧室の外周縁を形成する第1のシールエッジ及び差動排気部の外周縁を形成する第2のシールエッジは、表面粗さRaが0.1μm未満であると、真空排気中のシールエッジからのガスリークを抑制することができ、真空引き時間を短縮させ、且つ、高真空度を長時間維持することができることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る減圧処理装置の構成を概略的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、線Ib−Ibに沿う断面図である。
図1において、減圧処理装置としての排気カップ1は、円柱状の本体100と、本体100の中央位置において、ガラスパネルとしてのPDP(プラズマディスプレイパネル)200における背面板ガラス203への接触面にほぼその全面に亘って開口する円筒状の本排気部104と、本排気部104を同心円的に包囲すると共に上述の背面板ガラス203への接触面にほぼその全面に亘って開口する環状溝状差動排気部102と、差動排気部102と連通する管状の差動排気系105と、本排気部104と連通する管状の本排気系106と、本排気部104内に配設される横置きのコイル状のフィラメント108とを備える。
本排気部104の外周縁を形成する部分(以下「シールエッジ」という。)107aと差動排気部102の外周縁を形成する部分(以下「シールエッジ」という。)107bは、その夫々の幅が0.5mm〜2.0mmの範囲、例えば1.0mmで、その表面粗さRaは0.1μm未満、好ましくは0.01μm未満である。
差動排気系105は不図示のRP(ロータリーポンプ)に接続される一方、本排気系106は不図示のTMP(ターボ分子ポンプ)に接続され、差動排気系105及び本排気系106は、排気カップ1がPDP200に装着された際に、RP及びTMPの作動によって減圧される。
本排気部104内に配設されたフィラメント108は、図1(a)において本排気部104のほぼ中央に設けられ、接触面からの高さは約5mmである。
ここで、排気カップ1の材質はステンレスであであるが、0〜500℃の間において背面板ガラス203の膨張係数(8.5×10−6/℃)と排気カップ1の膨張係数との差の絶対値が20×10−6/℃以下であり、且つ高温時の耐酸化性に優れていれば、これに限定されない。また、本排気系106及び差動排気系105の材質は金属であり、排気カップ1と同様の材質を用いることが好ましい。また、カップ本体の形状は、円柱状に限定されず、例えば楕円形状や四角形状などでもよい。
また、本実施の形態に係る本排気部は、排気カップ700の略中央付近に取り付けられたものに限定されるわけでわく、中央からずれた位置に取り付けた「偏芯型」のものであってもよい。
さらに、シールエッジ107a,107bとPDP200の間に不図示の金属製のガスケットを配してもよい。これにより、排気をより効率的に行うことができる。
次に、排気カップ1が装着されるPDP200について図面を参照しながら説明する。
図2は、図1におけるPDP200の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
図2において、PDP200は、厚さが、例えば2.8mmの前面板ガラス201と、前面板ガラス201との間に減圧層202を形成すべく前面板ガラス201から、例えば0.1mmの間隔を隔てて配設され、厚さが、例えば2.8mmの背面板ガラス203とから成り、前面板ガラス201及び背面板ガラス203は、その外周縁において低融点ガラスフリットからなる封着部204により封着される。
前面板ガラス201の内面上には、透明電極205a及び金属電極205bとから成る表示電極205がパターン形成され、該表示電極205を覆うように誘電体ガラス層206が積層され、誘電体ガラス層206上には、酸化マグネシウム(MgO)製誘電体保護層207が積層されている。
また、背面板ガラス203の内面上には、蛍光体212〜214の発光を制御するアドレス電極208が所定のピッチでスパッタリングやスクリーン印刷によってパターン形成され、該アドレス電極208を覆うように誘電体ガラス層209が同じくスパッタリングやスクリーン印刷によって積層され、該誘電体ガラス層209上には、複数のチャンネル状放電空間210を画成する複数のガラス製リブ211がサンドブラスト法やブレード成型法によってパターン成形され、各放電空間210におけるリブ211の表面には、カラー表示をすべく赤色(R)の蛍光体212、緑色(G)の蛍光体213、及び青色(B)の蛍光体214が順に連続して塗布されている。
リブ211は、その高さが、例えば0.1mmであり、前面板ガラス201と背面板ガラス203との間隔を約0.1mmに保持する。また、放電空間210には、希ガスが封入されている。希ガスは、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)を組成とする混合ガス系が用いられており、その封入圧力は約40〜70kPaの範囲に設定される。
そして、蛍光体212〜214は、放電空間210への放電によって発生する波長の短い紫外線により励起発光する。
図3は、図2における背面板ガラス203の構成を概略的に示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)の線IIIb−IIIbに沿う断面図である。
図3(a)及び図3(b)において、背面板ガラス203は、減圧層202に希ガスを封入する封止部300を有する。この封止部300は、図2(b)におけるリブ211が形成されるリブ形成範囲301の外側且つ封着部204の内側に形成された内径2mmの貫通孔302と、貫通孔302に内嵌された外径2mmのガラス管303と、ガラス管303と背面板ガラス203とを接合する低融点ガラス304とからなる。このとき、貫通孔302はリブ形成範囲301の外側且つ封着部204の内側に形成されるので、封止部300は背面板ガラス203の角部近傍に配設される。また、ガラス管303は、後述する減圧層202の減圧処理においてフィラメント108から加熱されることによってその先端が溶融されて封止される。
次に、排気カップ1のよるPDP200における減圧層202の真空排気処理について説明する。
図4は、図1における排気カップ1により実行されるPDP200の減圧層202の真空排気処理の工程図である。
図4において、まず、図2の前面板ガラス201及び背面板ガラス203の全周縁に低融点ガラスフリット500を塗布すると共に、ガラス管303の周りに低融点ガラス304を塗布する(図4(a))。
次いで、排気カップ1を、その本排気部104の中央に封止部300のガラス管303があるように、またそのシールエッジ107a,107bが背面板ガラス203の上に配設されるようにPDP200に装着する。このシールエッジ107a,107bの表面粗さRaは図1で上述した通りである。
そして、差動排気系105と接続するRPを作動させて差動排気部102及び背面板ガラス203によって形成された密封空間の圧力を10〜10Paまで減圧し、排気カップ1を背面板ガラス203に吸着させる。このとき、フィラメント108が封止部300のガラス管303の先端と対峙するのは上述した通りである(図4(b))。
その後、排気カップ1が装着されたまま、PDP200を不図示の炉の内部で焼成して低融点ガラスフリット500及び低融点ガラス304を溶融させた後、PDP200を冷却して低融点ガラスフリット500及び低融点ガラス304を凝固させることによって前面板ガラス201及び背面板ガラス203を封着すると共に、ガラス管303を背面板ガラス203に接合する(図4(c))。これにより、前面板ガラス201及び背面板ガラス203の間に減圧層202が形成されるが、上述した処理は大気中で実行されるので、減圧層202の圧力は大気圧である。
次いで、炉内の温度を一定時間維持することによってPDP200内の減圧層202に存在する水分、有機物、油脂等をガス化させると共に、本排気系106と接続するTMPを稼働させて当該ガス及び空気を本排気系106及び本排気部104を介して減圧層202から除去することによって減圧層202を減圧するベーキングを行い、減圧層202の圧力が10−1Paを下回ると、希ガスを本排気系106及び本排気部104を介して減圧層202へ充填し、減圧層202の圧力が約40〜70kPaを上回ると、PDP200の冷却を開始すると共に、フィラメント108に通電して、これを発熱させる。これにより、フィラメント108が対向するガラス管303の先端を溶融させて減圧層202を封止する(図4(d))。
その後、RPの作動を停止して排気カップ1を背面板ガラス203から離脱させる。
減圧層202の減圧処理において、RPは、排気カップ1が背面板ガラス203に装着された後、常に作動し、差動排気部102及び背面板ガラス203から形成される減圧空間を減圧することによって排気カップ1を背面板ガラス203に吸着させるだけでなく、外乱により排気カップ1と背面板ガラス203とが口開いた際に、差動排気部102へ侵入した空気を排出することによって本排気部104への空気の侵入を防止する。
本処理によれば、表面粗さRaが0.1μm未満であるシールエッジ107a,107bが背面板ガラス203の上に配設されるようにPDP200に装着するので、シールエッジ107a,107bからのガスリークを抑制することができ、真空引き時間を短縮させ、且つ、高真空度を長時間維持することができる。
上述したPDP200では、封止部300が背面板ガラス203の角部近傍に配設されたが、減圧層202の減圧効率向上のため、封止部300が背面板ガラス203の角部以外の周縁部において複数箇所設けられるようにしてもよい。
また、排気カップ1が装着されるガラスパネルは、上述したPDP200に限られず、減圧層202が真空にされた真空ガラスであってもよく、この他、建築物や乗り物(自動車、鉄道車両、船舶)用の窓ガラス、又は、冷蔵庫や保温装置等のような各種装置の扉や壁部等、種々の用途に使用されるガラスパネルであってもよい。
また、ガラス管303に熱を与える熱源としては、フィラメント108だけでなく赤外線輻射ヒータ等を用いてもよい。
上述した本実施の形態では、封着部204を形成する材料として低融点ガラスフリット500を使用する例を示したが、これに代えて、金属製の溶融ハンダを使用してもよい。
前面板ガラス201,背面板ガラス203に使用される板ガラスとしては、フロートガラスに限られるものではなく、ガラスパネルの用途や目的に応じて、例えば、型板ガラス、表面処理により光拡散機能を備えたすりガラス、網入りガラス、線入りガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射ガラス、高透過ガラス、セラミック印刷ガラス、熱線や紫外線吸収機能を備えた特殊ガラス、又は、これらの組み合わせ等、種々のガラスを適宜選択して使用することができる。
ガラスの組成についても、ソーダ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、各種結晶化ガラス等を使用することができ、前面板ガラス201,背面板ガラス203の厚みについても、適宜選択自由である。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
円柱状の本体と、本体中央位置にあってPDP(プラズマディスプレイパネル)の背面板ガラスへの接触面にほぼその全面に亘って開口する本排気部と、本排気部の外周にあって上述の背面板ガラスへの接触面にほぼその全面に亘って開口する差動排気部と、差動排気部と連通する管状の差動排気系と、本排気部と連通する管状の本排気系と、本排気部内に配設される横置きのコイル状のフィラメントとを備えるサンプルを準備する。
ここで、本排気部及び差動排気部の外周を画するシールエッジについて以下の1次研磨と2次研磨を施し、表面粗さが0.007μmとしたものを実施例1のサンプルとした。
1)1次研磨
8mmtフロートガラスを定盤として、FO#2000(平均粒径6.3±0.5μmのアルミナを50%含む研磨剤)を水で溶いたものを研磨液としてシールエッジ表面の研磨を行った。
2)2次研磨
1次研磨で使用したフロートガラスに水をつけたものを用いて1次研磨後のシールエッジ表面の研磨を行った。
また、サンプルが配される背面ガラスの角部には封止部が設けられており、サンプルの本排気部の中央に封止部のガラス管があるように、またサンプルのシールエッジが背面板ガラスの上に配設されるようにサンプルをPDPに装着する。
その後、PDPにサンプルを装着した状態で、PDPの前面板ガラス及び背面板ガラスの全周縁に低融点ガラスフリットを塗布すると共に、上述のガラス管の周りに低融点ガラスを塗布する。
次に差動排気系と接続するRPを作動させて差動排気部及び背面板ガラスによって形成された密封空間の圧力を10〜10Paまで減圧し、サンプルを背面板ガラスに吸着させる。
その後、サンプルが装着されたまま、PDPを不図示の炉の内部で焼成して低融点ガラスフリット及び低融点ガラスを溶融させた後、PDPを冷却して低融点ガラスフリット及び低融点ガラスを凝固させることによって前面板ガラス及び背面板ガラスを封着すると共に、上述のガラス管を背面板ガラスに接合する。
次いで、炉内の温度を一定時間維持することによってPDP内の減圧層に存在する水分、有機物、油脂等をガス化させると共に、本排気系と接続するTMPを稼働させて当該ガス及び空気を減圧層から除去する。
この除去処理における、減圧層の圧力の時間経過を図5に示す。
(実施例2)
シールエッジ表面について1次研磨のみを施し、その面粗さを0.07μmとするが、それ以外の構成は実施例1と同一のサンプルを実施例2のサンプルとして実施例1と同様の除去処理を実行したときの減圧層の圧力の時間経過を図5に示す。
(比較例1)
シールエッジ表面を全く研磨しないが(面粗さ:2μm)、それ以外の構成は実施例1と同一のサンプルを比較例1のサンプルとして実施例1と同様の除去処理を実行したときの減圧層の圧力の時間経過を図5に示す。
以上、実施例1,2及び比較例1の除去処理の結果を表1に示す。
Figure 2005231939
表1の真空引き能力においては、除去処理を開始してから20分後の本排気部の圧力が0.05Pa以下であったサンプルを◎とし、0.1Pa以下であったサンプルを○とし、0.1Paより大きかったサンプルを×とした。
表1に示すように、比較例1の真空引き能力が十分でないことがわかり、その一方、実施例1が大変良好な真空引き能力を、実施例2は良好な真空引き能力を有することがわかった。
また定量的には、シールエッジの表面粗さRaが0.1μm未満、好ましくは0.01μmであるとき、真空引き能力が良好であるということがわかった。
これは、シールエッジの表面粗さの値が大きくなる程、真空排気中のシールエッジからのガスリークが大きくなるためであると考えられる。
本発明の実施の形態に係る減圧処理装置の構成を概略的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、線Ib−Ibに沿う断面図である。 図1におけるPDP200の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。 図2における背面板ガラス203の構成を概略的に示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)の線IIIb−IIIbに沿う断面図である。 図1における排気カップ1により実行される真空排気処理におけるPDP200の減圧層202の真空排気処理の工程図である。 実施例1,2及び比較例1のサンプルにより実行される除去処理におけるPDPの減圧層の圧力の時間経過を示すグラフである。 従来のガラスパネルの構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 従来の排気カップの構成を概略的に示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
符号の説明
1 排気カップ
102 差動排気部
104 本排気部
107a,107b シールエッジ
108 フィラメント
200 PDP
202 減圧層
203 背面板ガラス
300 封止部
303 ガラス管

Claims (2)

  1. 複数の板ガラス、該複数の板ガラスの間に設けられた減圧層、及び前記板ガラスの周縁部に配設されて前記減圧層と連通する排気孔を有するガラスパネルの前記板ガラスに接触するように構成された減圧処理装置であって、前記板ガラスとの接触面に開口し且つ前記排気孔と対向する減圧室と、前記板ガラスとの接触面に開口し且つ前記減圧室を包囲する環状の差動排気部とを備えるガラスパネルの減圧処理装置において、
    前記減圧室の外周縁を形成する第1のシールエッジ及び前記差動排気部の外周縁を形成する第2のシールエッジは、表面粗さRaが0.1μm未満であることを特徴とする減圧処理装置。
  2. 前記表面粗さRaは0.01μm未満であることを特徴とする請求項1記載の減圧処理装置。
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