JP2005231178A - 保冷保温袋及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒートシール部の縁にエアー溜まりが形成されることなく、保冷保温袋を製造できる方法及びヒートシール部の縁にエアー溜まりの無い保冷保温袋の提供。
【解決手段】 多数の空気抜き穴16が設けられた断熱シート15と、防水性を有する外装シート19とを積層して複合シート12を形成し、次いで該複合シートを、断熱シート同士が接するように重ね合わせ、次いで袋の開口部を残して他の周囲開口部を、前記空気抜き穴から断熱シートに含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋を製造することを特徴とする保冷保温袋の製造方法。
【選択図】 図7

Description

本発明は、断熱性及び緩衝性に優れる熱可塑性樹脂発泡シートを含む断熱シートを備え、内容物を保冷又は保温する保冷保温袋及びその製造方法に関する。
従来、保冷保温袋としては、例えば、内側に緩衝材層を有する断熱シートを、外側に光線バリアー性フィルム層を有する外装シートを配置して貼り合わせてなり、上端に袋口部を有し、袋口の前後いずれかの口端に折り返して袋口部を閉じることができるリップ片を一体に形成し、且つリップ片の先端内面に剥離ライナー付きタック片又は粘着剤層もしくは両面粘着テープを設けたことを特徴とする再封可能なリップ付き保冷保温袋が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、保冷保温袋の製造方法としては、平面形状が矩形状で且つ加熱により熱融着可能な柔軟性及び防水性のある断熱シートの片側の表面に柔軟な外装シートを付着して複合シートを製作し、内側に前記断熱シートが来るように前記複合シートを二つに折曲し、次に二つ折りした前記複合シートの両端の突き合わせ部分を加熱して対向状態の前記断熱シート同士を熱融着させて前記複合シートを袋状に形成し、次に袋状とした前記複合シートの熱融着された両端部を内側に折り込んで両端側の下端位置に三角形状の突出部を形成し、次に各突出部の根元を切除すると共に各突出部の根元を加熱して熱融着し、袋状とした前記複合シートの両端側の部分を側面とする箱状の袋を製作することを特徴とする袋の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
実用新案登録第3088384号公報 特開平10−180905号公報
しかしながら、従来技術では、複合シート同士を重ね合わせ、所定の部位をヒートシールする際に、断熱シート内の空気(熱可塑性樹脂発泡シートの気泡中に含まれる空気)がヒートシールの圧着時に押し出され、ヒートシール縁の外装シートと断熱シートとの間に流入し、エアー溜まり(バブル)が発生してしまう問題がある。
図11は、従来の保冷保温袋の一例を示す図であり、この保冷保温袋1は、図11(a)に示す通り、複合シート2をそれぞれの断熱シートが接するように二つ折りにし、両側部をヒートシールして上部に開口部1Aを有する袋状とし、ヒートシール部3を中央で裁断するとともに、適当な位置に把手穴4を穿設して製造されたものである。このヒートシール部3の縁には、図11(b)に示すように、複数のエアー溜まり5が形成されている。図11(b)は、エアー溜まり5の部分のA−A部断面図であり、このエアー溜まり5は、ヒートシールの圧着時に押し出された断熱シート6内の空気が、断熱シート6と外装シート7との間に流入して形成されている。
このように、従来の保冷保温袋1は、ヒートシール部3の縁にエアー溜まり5が形成されてしまい、保冷保温袋1の外観が悪くなるとともに、エアー溜まり5が潰れて外装シートが裂け易く、断熱性能が悪化したり、液漏れを起こすなどの問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、ヒートシール部の縁にエアー溜まりが形成されることなく、保冷保温袋を製造できる方法及びヒートシール部の縁にエアー溜まりの無い保冷保温袋の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、多数の空気抜き穴が設けられた断熱シートと外装シートとを積層して複合シートを形成し、次いで該複合シートを、断熱シート同士が接するように重ね合わせ、次いで袋の開口部を残して他の周囲開口部を、前記空気抜き穴から断熱シートに含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋を製造することを特徴とする保冷保温袋の製造方法を提供する。
本発明の製造方法において、前記断熱シートは、前記熱可塑性樹脂発泡シートと内装シートとを積層して形成されたものが好ましい。
本発明の製造方法において、前記空気抜き穴は、前記断熱シートの厚さ方向を貫通して設けることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記空気抜き穴の形成ピッチが前記ヒートシール幅よりも短いことが好ましい。
また本発明は、前記本発明に係る保冷保温袋の製造方法により製造された保冷保温袋を提供する。
また本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートを含む断熱シートに外装シートを積層した複合シートを、断熱シートが接するように重ね合わせ、袋の開口部を残して他の周囲開口部をヒートシールしてなる保冷保温袋であって、断熱シートに、該断熱シートを押圧時に断熱シートに含まれる空気をシート外に逃がす空気抜き穴が設けられたことを特徴とする保冷保温袋を提供する。
本発明の方法によれば、多数の空気抜き穴が設けられた断熱シートと外装シートとを積層してなる複合シートを、断熱シート同士が接するように重ね合わせ、次いで袋の開口部を残して他の周囲開口部を、前記空気抜き穴から断熱シートに含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋を製造することによって、ヒートシール部の縁等にエアー溜まりが形成される不具合を防止でき、外観が綺麗であり、耐久性に優れた保冷保温袋を製造することができる。
また本発明の保冷保温袋は、断熱シートに、断熱シートを押圧時に断熱シートに含まれる空気をシート外に逃がす空気抜き穴が設けられた構成としたことによって、ヒートシール部の縁等にエアー溜まりが形成される不具合を防止でき、外観が綺麗な保冷保温袋を提供できる。また、エアー溜まりが無いことで、エアー溜まりが裂けて断熱性能が悪化したり、液漏れを起こすなどの不具合を防止できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜3は、本発明の保冷保温袋の一実施形態を示す図であり、図1は保冷保温袋10の正面図、図2は図1中B部における複合シート12の断面図、図3は図1中C−C部断面図である。これらの図中、符号10は保冷保温袋、11は袋の開口部、12は複合シート、13はヒートシール部、14は把手穴、15は断熱シート、16は空気抜き穴、17は熱可塑性樹脂発泡シート、18は内装シート、19は外装シートである。
この保冷保温袋10は、熱可塑性樹脂発泡シート17を含む断熱シート15に外装シート19を積層した複合シート12を、断熱シート15が接するように二つ折りにして重ね合わせ、袋の開口部11を残して他の周囲開口部(本例示では両側部)をヒートシールし、両方の複合シート12が熱融着されたヒートシール部13を形成した構成になっている。この保冷保温袋10は、断熱シート15に、断熱シート15を押圧時に断熱シート15に含まれる空気をシート外に逃がす空気抜き穴16が設けられたことを特徴としている。また本例示では、断熱シート15として、熱可塑性樹脂発泡シート17と内装シート18とを積層してなり、これらのシートを貫通して空気抜き穴16を形成した断熱シート15を例示している。また図示しないが、2枚の複合シート12を、それぞれの断熱シート15が接するように重ね合わせ、袋の開口部11を残して他の周囲開口部(例えば両側部と底部)をヒートシールしてもよい。ここで、積層とは、複数の層同士が実質的に全面接着(融着)されている状態を言う。
前記熱可塑性樹脂発泡シート17としては、ポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリプロピレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂発泡シートなどが挙げられる。これらの発泡シートは従来公知のものを使用することができ、所望の柔軟性、断熱性、緩衝性、機械強度などが得られるように、材質、密度、厚さなどを適宜設定して製造したものを使用することが好ましい。熱可塑性発泡シート17として、例えばポリエチレン系樹脂発泡シートを用いる場合、その厚さは0.5〜4.0mmの範囲、密度は0.017〜0.06g/cmの範囲が好ましい。
前記内装シート18の材質は特に限定されず、合成樹脂シート(フィルム)、合成樹脂積層シート(フィルム)、アルミ蒸着フィルムを含む合成樹脂積層シート(フィルム)、不織布などの各種シート材料の中から適宜選択して使用でき、通常はポリエチレン系樹脂シート(フィルム)などが用いられる。
なお、内装シート18は省略することもできる。また、内装シート18と熱可塑性樹脂発泡シート17とを積層する際、それらのシート17,18間に適当なバインダーを介して接着してもよい。
前記外装シート19としては、アルミ蒸着フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、あるいはこれらの複合フィルムが挙げられる。特に、防水性、光遮蔽性等に優れたアルミ蒸着PETフィルムを含む合成樹脂積層シートが好ましい。
断熱シート15に設けられた空気抜き穴16は、断熱シート15の全面にわたって多数形成されている。空気抜き穴16の穴形状は限定されず、円形、角形、長円形、線状(スリット状)などとすることができる。空気抜き穴16の形成ピッチは、裁断前のヒートシール部13のシール幅よりも小さくすることが望ましく、通常は約5〜15mm程度とされる。また円形穴とした場合、穴径は0.5〜1.0mm程度が好ましい。なお、本例示では断熱シート15を貫通させて空気抜き穴16を形成しているが、この空気抜き穴16は、ヒートシール時に加熱押圧される部分の断熱シート15に含まれる空気をこの穴を通してシート外に抜き出すことができれば、断熱シート15を貫通させなくてもよい。また、空気抜き穴16を形成した断熱シートの外側に、空気抜き穴16を形成していない熱可塑性樹脂発泡シートを積層して、未貫通の空気抜き穴16を有する断熱シート15を構成することもできる。
この保冷保温袋10は、袋の開口部11から袋内に冷凍(又は冷蔵)された食品等の被保冷物品又は被保冷物品と保冷剤とを入れることで、袋内の被保冷物品を長時間保冷しておくことが可能であり、あるいは袋内に加熱後の調理済み食品等の被保温物品を入れることで、袋内の被保温物品を長時間保温状態に維持することができ、把手穴14を手で持って搬送できる。
また、断熱シート12に設けられた空気抜き穴16に、ヨウ素などの抗菌剤、植物エキスや香料などの消臭・芳香剤などを浸透させることもできる。あるいは断熱シート12に、ヨウ素などの抗菌剤、植物エキスや香料などの消臭・芳香剤などを添加しておき、空気抜き穴16を通してそれらを効果的に発散させることもできる。
この保冷保温袋10は、断熱シート15に、断熱シート15を押圧時に断熱シート15に含まれる空気をシート外に逃がす空気抜き穴16を多数設けた構成としたことによって、断熱シート15同士が接するように複合シート12を重ね合わせ、次いで袋の開口部11を残して皮下の周囲開口部を、空気抜き穴16から断熱シート15に含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋10を製造することによって、ヒートシール部13の縁等にエアー溜まりが形成される不具合を防止でき、外観が綺麗な保冷保温袋10を提供できる。また、エアー溜まりが無いことで、エアー溜まりが裂けて断熱性能が悪化したり、液漏れを起こすなどの不具合を防止できる。
図4〜10は、本発明に係る保冷保温袋の製造方法の一例を示す図であり、図4は断熱シート15の製造工程を示す構成図、図5は複合シート12の第1の製造例を示す構成図、図6は複合シート12の第2の製造例を示す構成図、図7は複合シート12の具体例を示す断面図、図8は断熱シート15に形成された空気抜き穴16の配置例を示す平面図、図9は空気抜き穴16の形成に用いた針の要部側面図、図10は二つ折りに重ねた又は2枚を重ねた複合シート12にヒートシールを行う状態を示す断面図である。
この製造方法では、熱可塑性樹脂発泡シート17、内装シート18及び外装シート19をそれぞれ用意し、それらを積層して複合シート12を製造する。
まず、図4に示すように、熱可塑性樹脂発泡シート17と内装シート18とを重ね合わせ、一対の加熱ロール20間を通過させて加熱押圧し、それぞれのシートを積層して断熱シート15を形成し、次いでこの断熱シート15を、多数の針27が植設された針ロール21とそれと対をなす押さえロール22との間を通すことによって、断熱シート15に多数の空気抜き穴16を所定のピッチで形成し、空気抜き穴付きの断熱シート15を製造する。この断熱シート15は巻き取りロール23に巻き取られる。
次に、前記空気抜き穴付きの断熱シート15と外装シート19とを積層して複合シート12を製造する。
図5は複合シート12の第1の製造例を示す図であり、本例では断熱シート15の熱可塑性樹脂発泡シート17と、外装シート19とが熱融着し易い材料で構成されている場合に用いられる。この製造例では、空気抜き穴付きの断熱シート15と外装シート19を重ね合わせ、加熱ロール24,押えロール32を通して積層し、複合シート12を製造する。製造された複合シート12は巻き取りロール25に巻き取られる。
図6は複合シート12の第2の製造例を示す図であり、本例では断熱シート15の熱可塑性樹脂発泡シート17上に、溶融した低密度ポリエチレンやホットメルト接着剤などの適当なバインダー31を塗布した後、外装シート19を重ね合わせ、これらを冷却ロール33,押えロール32を通してバインダー31を介して両方のシートを接着して積層し、複合シート12を製造する。製造された複合シート12は巻き取りロール25に巻き取られる。バインダー31は、冷却ロール33の前方に配置された適当な塗布装置30によって均一に塗布される。本例では、断熱シート15の熱可塑性樹脂発泡シート17と、外装シート19とが熱融着し難い材料であっても、バインダー31により両方のシートを接着できる。
図7は、前述したように製造された複合シート12の一例を示す図である。この複合シート12は、熱可塑性樹脂発泡シート17と内装シート18とを積層してなる断熱シート15と、その外側(熱可塑性樹脂発泡シート17側)に積層された外装シート19とを備えて構成されている。断熱シート15には、所定のピッチで空気抜き穴16が設けられている。また、外装シート19は、最外層のPETフィルム層19Aと、中間のアルミ蒸着層19Bと、最内層のポリエチレンフィルム層19Cとを積層して形成されている。
図8は、複合シート12に形成されている空気抜き穴16の配置例を示す図であり、本例示では、空気抜き穴16を千鳥格子状に形成しており、横方向の形成ピッチP1と、縦方向の形成ピッチP2とは、ヒートシール幅以下の間隔、好ましくは5〜15mmの範囲に設定されている。この形成ピッチP1,P2がヒートシール幅よりも大きいと、ヒートシール部分に空気抜き穴16が入らず、ヒートシール部の空気抜きができず、ヒートシール部13の縁にエアー溜まりが生じる場合がある。なお、空気抜き穴16の配置は、本例示に限定されず、格子状に配置することもできる。
複合シート12に形成する空気抜き穴16の穴形状及び穴寸法は、図4に示す断熱シート15の製造において用いる針ロール21などの穴形成用治具を適宜交換することで変更可能である。例えば、図9に示す針27を所定ピッチで植設した針ロール21を用いて空気抜き穴16を形成する場合、空気抜き穴16は針27の太さXに近い径の円形穴となる。
次に、複合シート12を二つ折りにするか又は2枚の複合シート12を用いて、断熱シート12同士が接するように重ね合わせ、所定位置を図10に示すように、上下一対のヒートシーラ28間で挟み、それらの先端に配された所定幅の平線ヒータ29で加熱押圧し、両方の複合シート12をヒートシールすることで、例えば図1に示す保冷保温袋10を製造する。なお、ヒートシールを行う方法としては、幅方向中央のラインに沿って二つ折りにした長尺の複合シート12を用い、長手方向の所定間隔毎にヒートシールし、シール後にヒートシール部中央を裁断して保冷保温袋10を製造する方法が好ましい。あるいは、予め所定寸法に裁断され、二つ折りにした複合シートの両側をヒートシールすることによって保冷保温袋10を製造してもよい。
このヒートシール時、重ね合わせた複合シート12は、上下の平線ヒータ29により加熱されるとともに、上下の平線ヒータ29に挟まれ、押圧される。このヒートシール部では、それぞれの複合シート12の断熱シート15に含まれている空気が、ヒートシール部に入っている空気抜き穴16を通ってシート外に排出され、この空気が複合シート12の他部に移行してしまうことがない。ヒートシール部12の複合シート12は、平線ヒータ29の押圧に応じて空気を逃がして潰れ、空気を含まない状態で良好にヒートシールが行われる。
本発明の方法によれば、多数の空気抜き穴16が設けられた断熱シート15と外装シート19とを積層してなる複合シート12を、断熱シート15同士が接するように重ね合わせ、次いで袋の開口部11を残して周囲を、前記空気抜き穴16から断熱シート15に含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋10を製造することによって、ヒートシール部の縁等にエアー溜まりが形成される不具合を防止でき、外観が綺麗であり、耐久性に優れた保冷保温袋10を製造することができる。
[実施例]
本発明の方法に従って、図1に示す形状の保冷保温袋10を製造した。
複合シート12としては、図7に示す通り、熱可塑性樹脂発泡シート17と内装シート18とを積層してなり、空気抜き穴16を多数設けた断熱シート15と、アルミ蒸着フィルムを含む合成樹脂積層シートからなる外装シート19を積層したものを用いた。熱可塑性樹脂発泡シート17は、厚さ2mm、密度0.023g/cmの発泡ポリエチレンシートを用いた。内装シート18は、厚さ10μmの高密度ポリエチレンフィルムを用いた。外装シート19としては、PETフィルム層/アルミ蒸着層/低密度ポリエチレンフィルム層を積層したシート(積水ポリマテック社製、商品名#12PETVM+15μPE)を用いた。
断熱シート製造時、図4に示す通り、針ロール21を用いて縦横に所定ピッチで空気抜き穴16(貫通孔)を形成した。空気抜き穴16の形成パターンは、図8に示す通り、千鳥格子状とし、横方向の形成ピッチP1と縦方向の形成ピッチP2は、共に10mmとした。また空気抜き穴16形成用に用いた針27は図9に示す通りであり、その太さXは1mmである。空気抜き穴16を形成した断熱シート15の熱可塑性樹脂発泡シート17側に前記外装シート19を重ね合わせ、図5に示す通り、加熱ロール24を通して熱融着法により積層し、複合シート12を製造した。
この複合シート12を二つ折りし、図10に示すように15mm幅の平線ヒータ29により両側300mmをヒートシールによって熱融着させ、ヒートシール部の中央を裁断し、保冷保温袋10を製造した。
50個の保冷保温袋を製造し、それぞれのヒートシール部を目視及び指の触感により検査した結果、ヒートシール縁は綺麗に仕上がっており、エアー溜まりの発生は見られなかった。
[比較例]
断熱シートに空気抜き穴を設けずに、外装シートと積層して製造した複合シートを用いた以外は、前記実施例と同様の条件で保冷保温袋を製造した。
50個の保冷保温袋を製造し、それぞれのヒートシール部を目視及び指の触感により検査した結果、ヒートシール縁に平均4個のエアー溜まりが発生していた。
本発明の保冷保温袋の一実施形態を示す正面図である。 図1中B部における複合シートの断面図である。 図1中C−C部断面図である。 本発明の方法の一例を説明する図であり、断熱シートの製造工程を示す構成図である。 複合シートの第1の製造例を示す構成図である。 複合シートの第2の製造例を示す構成図である。 本発明の方法に用いる複合シートの具体例を示す断面図である。 断熱シートに形成された空気抜き穴の配置例を示す平面図である。 空気抜き穴の形成に用いた針の要部側面図である。 重ね合わせた複合シートにヒートシールを行う状態を示す断面図である。 従来の保冷保温袋を例示する図であり、(a)は保冷保温袋の正面図、(b)は(a)中のA−A部断面図である。
符号の説明
10…保冷保温袋、11…袋の開口部、12…複合シート、13…ヒートシール部、14…把手穴、15…断熱シート、16…空気抜き穴、17…熱可塑性樹脂発泡シート、18…内装シート、19…外装シート。

Claims (6)

  1. 多数の空気抜き穴が設けられた断熱シートと外装シートとを積層して複合シートを形成し、次いで該複合シートを、断熱シート同士が接するように重ね合わせ、次いで袋の開口部を残して他の周囲開口部を、前記空気抜き穴から断熱シートに含まれる空気を逃がしながらヒートシールして保冷保温袋を製造することを特徴とする保冷保温袋の製造方法。
  2. 前記断熱シートが、熱可塑性樹脂発泡シートと内装シートとを積層して形成される請求項1に記載の保冷保温袋の製造方法。
  3. 前記空気抜き穴が、前記断熱シートの厚さ方向を貫通して設けられる請求項1又は2に記載の保冷保温袋の製造方法。
  4. 前記空気抜き穴の形成ピッチが前記ヒートシール幅よりも短い請求項1〜3のいずれかに記載の保冷保温袋の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された保冷保温袋。
  6. 熱可塑性樹脂発泡シートを含む断熱シートに外装シートを積層した複合シートを、断熱シートが接するように重ね合わせ、袋の開口部を残して他の周囲開口部をヒートシールしてなる保冷保温袋であって、
    断熱シートに、該断熱シートを押圧時に断熱シートに含まれる空気をシート外に逃がす空気抜き穴が設けられたことを特徴とする保冷保温袋。
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