JP2005230857A - 表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 Download PDF

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純一 濱田
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Abstract

【課題】 表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 総伸び率を1.0%以上2.0%以下とし、かつ(1)式を満足する条件で調質圧延をことを特徴とする表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。これにより表面光沢の向上とローピングの低減を図ることができる。
εl/εt>1 (1)式
εl:圧下による伸び率(%)、εt:張力による伸び率(%)
調質圧延素材の圧延方向の引張特性が、降伏点:150N/mm2以上350N/mm2以下、降伏点伸び:0.1%以上2%以下である。これにより、チリメン皺と肌荒れの発生を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法に関するものである。
フェライト系ステンレス鋼板は、家電製品、厨房機器、電子機器など幅広い分野で使用されており、一般に熱延鋼帯→焼鈍(あるいは焼鈍省略)→メカニカルデスケール・酸洗→冷延→(中間焼鈍・酸洗→冷延)→焼鈍(・酸洗)→調質圧延の工程を経て製造される。そして、特にBA製品と呼ばれる表面仕上げ材は、冷延板の焼鈍が還元性雰囲気でなされ、表面の美麗さが要求される。表面品位の向上には、冷延素材および冷延中の表面平滑化による表面光沢の向上が必要であるが、他にもローピング、チリメン皺および肌荒れといった表面欠陥の防止も重要である。ローピングは、熱間圧延鋼板を冷間圧延した際に生じる微小な凹凸であり、肉眼では圧延方向に平行な筋として認識され、表面品位を落とす欠陥である。この微小な凹凸の高さは、数μm程度で、ピッチは数百μmである。そして、この原因としては、凝固から熱間圧延過程において形成される粗大に展伸したフェライト相が、その後の焼鈍工程においても十分再結晶せず残存して同一結晶方位を有する複数結晶粒からなる単位領域を形成し、冷間圧延時に単位領域間の塑性変形挙動の差により、凹凸が形成されると言われている。
また、ローピングとは異なり、圧延方向と直角方向にチリメン皺と呼ばれる数μm程度の微小な皺のことをいう。特に、BA製品を調質圧延した際に生じる場合があり、これが生じると鋼板表面の先鋭性が劣るため防止しなければならない。
更に、調質圧延においては潤滑油が用いられる場合と無潤滑で圧延される場合がある。これらは、表面光沢の要求に応じて選択されるが、特に無潤滑圧延の場合にはロールと鋼板が直接接触するため、圧延条件によっては焼き付きが生じる場合がある。焼き付きが生じると表面が白色化するため、光沢が劣化してしまう他、筋状のムラが生じるため防止しなければならない。
表面光沢の向上には冷延条件によるものが従来技術として主に開示されており、調質圧延条件に関しては、特許文献1にロール粗度を規定して光沢を向上させる技術が開示されている。ローピング低減方法としては、成分や熱延条件が主であり、金属組織学的な解決方法が大半であった。調質圧延条件に関しては、特許文献2にロール表面硬さを規定した技術、特許文献3に伸び率を規定した技術が開示されている。しかしながら、ロール粗度は、複数コイル圧延する際にロール粗度が変化するために、実質上の制御が不可能であり、ロール表面硬さは、高硬度化した場合に焼き付き疵が多発する問題があった。また、調質圧延の伸び率制御だけでは、ローピングが低減出来ない場合もあった。チリメン皺に関しては、特許文献4にN含有量および固溶N量を規定することにより抑制する方法が開示されている。しかしながら、調質圧延条件によってはチリメン皺が発生する場合があった。ロールとの焼き付きに起因した肌荒れに関しては、防止するためには、圧延の圧下量を低減することが有効であるが、これではロール粗度の転写が十分では無く、光沢が向上しない問題点があった。
特開平07−32004号公報 特開平07−204701号公報 特開平10−130735号公報 特開2001−3143号公報
本発明が解決しようとする課題は、既知技術の問題点を解決し、調質圧延工程において表面品質を向上させるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明は、調質圧延は形状矯正や製品板を加工した際に降伏伸びに起因するストレッチャーストレインが生じないようにする目的もあり、ロールによる圧下と張力により数%レベルの伸びを与えるが、同一伸び率でも伸びの与え方によりローピング低減と光沢向上代が変わることを本発明者らは見出した。また、特に無潤滑圧延で発生しやすいロール肌荒れやチリメン皺に対して、素材の機械的性質における降伏現象が大きく影響することを見出した。
上記課題を解決するために、本発明者らはフェライト系ステンレス鋼板の表面欠陥が調質圧延時にどのように変化するか、圧下および張力の程度による表面性状の変化について詳細に研究した。
上記課題を解決する本発明の要旨は、
(1) 総伸び率を1.0%以上2.0%以下とし、かつ(1)式を満足する条件で調質圧延を行うことを特徴とする表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
εl/εt>1 (1)式
εl:圧下による伸び率(%)
εt:張力による伸び率(%)
(2)調質圧延素材の圧延方向の引張特性が、降伏点:150N/mm2以上350N/mm2以下、降伏点伸び:0.1%以上2%以下であることを特徴とする(1)記載の表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板を特別な新規設備を必要とせず、効率的に提供することができる。
以下に本発明の限定理由について説明する。
一般的には、調質圧延ではロールによる圧下と前後方張力により所定の伸び率を付与する。SUS430に調質圧延を施した際に、圧下と張力による伸び率(%)が光沢とローピングに与える影響をそれぞれ図1と図2に示す。ここで、圧下による伸び率(%)がεl、張力による伸び率(%)がεtであり、εl+εtが総伸び率(%)である。光沢度、ローピングの変化を表す指標として、光沢向上率、ローピング低減率を用い評価を行った。その結果を光沢向上率については図1中の○で囲んだ値、ローピング低減率については図2中の○で囲んだ値に示す。これより、εl/εt>1の場合に光沢度、ローピングともに著しく向上することがわかる。ここで、光沢向上率とは、調質圧延前後での鋼板表面の光沢度の比率であり、光沢度の測定は、JISZ8741に従い、圧延方向および圧延方向と直角方向の光沢度(Gs45°)を測定し平均した値である。
また、ローピング低減率とは、調質圧延前後での鋼板表面のローピング高さの比率であり、ローピング高さは2次元粗さ計を用いて圧延方向と直角方向の凹凸高さを測定した値である。光沢向上率が1.1以上、およびローピング低減率が0.5以下であれば、表面の美観を損ねない品位が得られる。これより、εl/εtが大きくなると表面品位が良好になる。ローピングが低減する理由は、張力による伸び率が大きい場合、表面の自由変形が大きく、結晶粒もしくはコロニー単位の変形が誘起されてローピングが発達すると考えられる。また、光沢に対してはロールによる平滑化作用が少なくなるためと考えられる。また、総伸び率は、1.0%以上2.0%以下とした。これは、1.0%未満では平滑化効果が少ないとともに形状矯正が不十分になる場合があり、2.0%超では、耐力の向上や伸びの低下が生じるためである。
先述した様にチリメン皺は調質圧延を施した際に発生するが、本発明では素材の機械的性質が発生挙動に大きく影響することが判明した。図3に調質圧延素材の圧延方向の降伏点と降伏点伸びが調質圧延後のチリメン皺と肌荒れ発生に及ぼす影響を示す。ここで、圧延素材の機械的性質は、引張試験(JIS13号B)により圧延方向の降伏点と降伏点伸びを測定した。これより、圧延方向の引張特性において、降伏点が350N/mm2以下で降伏点伸びが2%以下である焼鈍板を圧延素材とした場合に、チリメン皺、肌荒れが発生しないことがわかる。調質圧延により、鋼板は塑性域まで変形されるが、圧延素材の機械的性質において、降伏点が350N/mm2超では、所定の伸び率を付与した場合に圧延反力が過度に高くなり、ロールと鋼板の凝着・剥離が生じて肌荒れが発生すると考えられる。また、降伏点伸びは、材料の一部が塑性変形を開始してから全体に伝播する間に変形能が増加しない現象であるが、これが2%以上の場合ロールバイト内で均一に降伏現象が生じないために、圧延後の表面に塑性変形の不均一性に起因した皺が発生すると考えられる。これらの機械的性質、即ち、降伏点が350N/mm2以下で降伏点伸びが2%以下を得るための方法としては、成分の高純度化(C,Nの低減)やAlの添加などが望ましい。尚、降伏点や降伏点伸びを過度に低減するのは成分的な制約から製造コストが増加したり、形状不良が生じるため、降伏点の下限は150N/mm2、降伏点伸びの下限は0.1%が望ましい。
フェライト系ステンレス鋼を溶製、鋳造、熱間圧延、熱延板焼鈍、酸洗、冷延し0.5mm厚の冷延板を製造した後、光輝焼鈍(水素:窒素=75:25の比率の還元性雰囲気において820℃で熱処理)し、表1の条件で調質圧延を行った。また、表2の条件で調質圧延素材の機械的性質が異なる鋼板を調質圧延を行った。
上記のようにして得られた製品板の表面光沢およびローピング特性を評価した。ここで、光沢およびローピングは目視評価を行い、A(優)〜D(劣)のランク付けを行った。AおよびBランクであれば、美観を損ねない表面品質が優れているレベルである。また、表面肌荒れおよびチリメン皺の発生有無についても目視評価した。
表1から明らかなように、本発明で規定する製法は、比較製法に比べて表面性状が著しく優れていることがわかる。また、表2から調質圧延素材の機械的性質が本発明範囲にあるものは、肌荒れやチリメン皺の発生も無く、極めて優れた表面品質が得られる。
尚、調質圧延素材の製法については適宜設計すれば良く、BA材の他2B(焼鈍・酸洗)材でも適用できる。また、調質圧延における他条件については、張力、ロール径、ロール粗度、圧延油有無、圧延速度などは適宜選択すれば良い。
Figure 2005230857
Figure 2005230857
調質圧延条件と製品の光沢向上率の関係を示す図である。 調質圧延条件と製品のローピング低減率の関係を示す図である。 調質圧延素材の機械的性質とチリメン皺、肌荒れの発生状況を示す図である。

Claims (2)

  1. 総伸び率を1.0%以上2.0%以下とし、かつ(1)式を満足する条件で調質圧延を行うことを特徴とする表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
    εl/εt>1 (1)式
    εl:圧下による伸び率(%)
    εt:張力による伸び率(%)
  2. 調質圧延素材の圧延方向の引張特性が、降伏点:150N/mm2以上350N/mm2以下、降伏点伸び:0.1%以上2%以下であることを特徴とする請求項1記載の表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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