JP2005225996A - 樹脂組成物およびそれを用いた光学部品、プラスチックレンズ、プラスチックフィルム基板 - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いた光学部品、プラスチックレンズ、プラスチックフィルム基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐熱性、光学特性および力学特性を有する樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプラスチックフィルム基板、該プラスチックフィルム基板を用いた透明導電性フィルム基板およびフラットパネルディスプレイの提供。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化学構造をポリマーの主鎖に含有してなる樹脂組成物、プラスチックフィルム基板、フラットパネルディスプレイ。
【化1】
Figure 2005225996

一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5、R6はそれぞれ独立に置換基を表し、m、nはそれぞれ0〜4の整数を表し、mおよび/またはnが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、さらにR5またはR6どうしが互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。
【選択図】 なし


Description

本発明は所定の化学構造式を有する樹脂組成物、並びにそれを用いた光学部品、プラスチックフィルム基板、画像表示素子およびフラットパネルディスプレイに関する。
より詳しくは、本発明は、耐熱性、光学特性、力学特性等に優れた樹脂組成物、並びに透明導電フィルム基板、TFT基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、光ディスク基板、光導波路、光ファイバー、レンズ、タッチパネルなどの光学部品、プラスチックフィルム基板、画像表示素子およびフラットパネルディスプレイに関する。
無機ガラス材料は、透明性および耐熱性に優れ、かつ光学異方性も小さいことから、透明材料として広く使用されている。しかし、無機ガラスは、比重が大きく、かつ脆いため、成型されたガラス製品は重く、破損しやすい等の欠点を有している。このような欠点から、近年は、無機ガラス材料に代替するプラスチック材料の開発が盛んに行われている。
こうした無機ガラス材料の代替を目的としたプラスチック材料として、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が知られている。これらのプラスチック材料は、軽量で力学特性に優れ、かつ加工性にも優れているため、最近では、例えばレンズやフィルムなどの様々な用途に使用されている。
一方、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ分野では、耐破損性の向上、軽量化、薄型化のニーズが高まり、ガラス基板からプラスチックフィルム基板に置き換えることが検討されている。プラスチックフィルム基板はフレキシブルな基板となり得るため、携帯電話や、電子手帳、ラップトップ型パソコンなど携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置の基板として、利用できるため、特に高いニーズがある。
上記目的に使用される耐熱性プラスチックとしては、これまでに耐熱性の非晶ポリマー、例えば変性ポリカーボネート(変性PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、シクロオレフィンコポリマーが知られている。しかしながら、これらの耐熱性プラスチックを用いてもプラスチックフィルム基板として十分な耐熱性が得られないという問題があった。
さらに、従来のプラスチックは、製膜条件と樹脂特有の光学弾性係数から、フィルム形状に成形された場合、分子配向に起因する複屈折を発生し、画像表示の着色、コントラストの低下等、ディスプレイの表示品位を著しく低下させ、ガラスよりも光学特性に劣るという問題があった。このため、プラスチックフィルム基板には、より高い光学的等方性と耐熱性の両立が求められていた。
上記プラスチックの光学特性上の問題を解決する技術として、スピロビインダンジオールのようなスピロ化合物を用いた低複屈折性ポリカーボネート樹脂がこれまでに開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このポリカーボネート樹脂は、力学特性が著しく劣り、成型して得られたプラスチックフィルム基板は脆く、光学部品として用いた場合、実用面で問題があった。
さらに、上記スピロビインダンを用いたプラスチック材料の欠点であった力学特性を改善する技術として、エチレンオキシ連結基を導入したスピロビインダンによる共重合ポリカーボネート(例えば、特許文献2参照)や、特定のジオール成分との共重合ポリカーボネート(例えば、特許文献3参照)などがこれまでに開発されている。しかし、このようなポリカーボネートであっても、なお力学特性が不十分であり、光学特性の悪化や耐熱性が低下するなどの問題点があった。
したがって、これまでに提案されてきたプラスチック材料の問題点を解決し、高い耐熱性を有し、かつ力学特性や光学特性を十分に満足するプラスチック材料の開発が強く望まれていた。
特開昭63−314235号公報(特許請求の範囲) 特開平11−263833号公報(特許請求の範囲、[0005]) 特開2000−281888号公報(特許請求の範囲、[0007])
本発明は、従来のプラスチック材料の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の第一の目的は、優れた耐熱性、光学特性および力学特性を有する樹脂組成物を提供することにある。また本発明の第二の目的は、前記樹脂組成物を用いたプラスチックフィルム基板、並びに該プラスチックフィルム基板を用いた透明導電フィルム基板、TFT基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、光ディスク基板、光導波路、光ファイバー、レンズ、タッチパネルなどの光学部品、フラットパネルディスプレイを提供することにある。
本発明者らは、前述した問題の解決に関し、鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される化学構造をポリマーの主鎖に含有してなる樹脂組成物によりこれらの問題を解決し、耐熱性、光学特性、力学特性等をすべて満たすことを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2005225996
一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5、R6はそれぞれ独立に置換基を表し、m、nはそれぞれ0〜4の整数を表す。mおよび/またはnが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、R5またはR6どうしは互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。
また、本発明の目的は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーを含有することを特徴とする樹脂組成物によっても達成することができる。
Figure 2005225996
一般式(2)中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5、R6はそれぞれ独立した置換基を表す。L1、L2は単結合または2価の連結基を表し、j、kはそれぞれ0〜3の整数を表す。jおよび/またはkが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、R5またはR6どうしは互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。また、L1とR5および/またはL2とR6は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。Aは下記一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から選ばれる少なくとも一種である。
Figure 2005225996
一般式(3)〜(9)中、Tは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表す。R7はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わし、R7どうしが互いに環を形成していてもよい。また、一般式(2)で表わされる繰り返し単位は、互いに異なる複数種を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の樹脂組成物は、下記一般式(10)で表される繰り返し単位をさらに有する樹脂組成物であることが好ましい。
Figure 2005225996
一般式(10)中、Aは前記一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から選ばれる少なくとも一種であり、Bは2価の有機基を表し、前記一般式(2)および一般式(10)で表わされる全繰り返し構造中における一般式(10)で表わされる繰り返し構造単位のモル百分率をqとした場合、0<q≦50モル%である。
本発明の樹脂組成物は、前記一般式(1)および(2)のR1〜R4が水素原子であることが好ましい。また、本発明の樹脂組成物は、前記一般式(2)のL1およびL2が単結合であることが好ましい。また、本発明の樹脂組成物は、ガラス転移点温度(以下「Tg」という)が200℃以上であることが好ましい。また、本発明の樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂からなる群から選ばれる一種であることが好ましい。
また、本発明の第二の目的は、前記樹脂組成物を用いた光学部品、プラスチックフィルム基板、および該プラスチックフィルム基板を用いた透明導電性フィルム基板、該透明導電性フィルム基板を用いたフラットパネルディスプレイ、好ましくは表示デバイスが液晶パネルまたは有機ELパネルであるフラットパネルディスプレイにより達成される。
本発明の樹脂組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物または一般式(2)〜(10)で表わされる繰り返し単位を有するポリマーを含有する。これより本発明は、優れた耐熱性、光学特性および力学特性を兼ね備えた樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の光学部品、プラスチックフィルム基板、透明導電性フィルム基板およびフラットパネルディスプレイは、いずれも本発明の樹脂脂組成物を用いる。これにより本発明は、耐熱性、光学特性および力学特性を兼ね備えた光学部品、プラスチックフィルム基板、特に透明導電膜の製膜後に力学的な応力を加えた後や、配向膜、ガスバリア膜などを付与しても導電性が低下せず、力学的な特性に優れた表示素子用透明導電性フィルム基板およびフラットパネルディスプレイを提供することができる。
以下に本発明の樹脂組成物、プラスチック基板、透明導電性フィルム基板およびフラットパネルディスプレイについて詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される化学構造をポリマーの主鎖に含有してなる樹脂である。
Figure 2005225996
本明細書において、「一般式(1)で表される化学構造をポリマーの主鎖に含有してなる」とは、一般式(1)で表される化学構造より任意の水素原子を2個取り去り、その位置に高分子の主鎖がそれぞれ結合している状態を意味する。一般式(1)で表される化学構造において高分子の主鎖に結合する位置は特に限定されないが、それぞれ異なった芳香族基上で結合されていることが好ましい。
一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立した水素原子または置換基を表す。前記置換基は、好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基;例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基;例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基;例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基;例えば、ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基;例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基;例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基;例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基;例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(好ましくは5員または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは炭素数3〜30の5員もしくは6員の芳香族のヘテロ環基;例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等)、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基;例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基;例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等)、アシルオキシ基(好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基;例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基;例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基;例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基;例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基;例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基;例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基;例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基;例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基;例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基;例えばスルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等)、アルキル基およびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基;例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基;例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基;例えばフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基;例えば2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基など)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基;例えばN−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N'−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基;例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等)、
アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基;例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基;例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくはN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基;例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基;例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基;例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基;例えばトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)などを挙げることができる。
上記の置換基に水素原子が含まれる場合、この水素原子をさらに上記の置換基で置換したものであってもよい。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。より具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基などが挙げられる。
上記の置換基の中で、特に好ましいR1〜R4は水素原子である。
一般式(1)において、R5、R6は、それぞれ独立した置換基を表し、好ましくはR1〜R4で記載した置換基の例と同一の置換基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびアシルアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
一般式(1)において、m、nはそれぞれ0〜4の整数であり、好ましくは0または1である。mおよび/またはnが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。また、R5および/またはR6は、互いに結合して5〜7員環を形成していてもよく、特に6員環を形成することが好ましい。
次に、一般式(1)で表わされる化学構造を有する化合物の合成例を以下に示す。
Figure 2005225996
(1)中間体T−103の合成
5Lの3つ口フラスコにハイドロキノンジメチルエーテル(T−101)1.66kg、塩化メチレン1.5Lを加えた後、外温を40℃に設定し昇温したところ内温が35℃になった時点でT−101が溶解した。この時点で、濃硫酸355mlを30分かけて滴下し、その後外温を50℃に設定した。次いで、内温が45℃となった時点で1,3−ジクロロアセトン(T−102)の滴下を開始した。381gのT−102を滴下するには40分を要し、この間、内温は50℃まで上昇した。50℃にて4時間さらに反応させた後、反応系を室温下に曝し、オイルアウトした濃硫酸を分液操作により分離した。有機層を減圧濃縮し、残渣を2Lのメタノールに注ぎ、析出した結晶を濾取し、メタノール500mlで洗浄した。こうして、白色結晶として中間体T−103を457g得た(収率39.6%)。
(2)化合物(モノマー)M−104の合成
2Lの3つ口フラスコに中間体T−103、200g、1,2−ジクロロエタン600mlを加えた後、外温を5℃に設定し冷却した。ここでBBr3、220mlを内温が15℃を越えないように滴下した。滴下には2時間を要した。12時間さらに反応させた後、反応液を2kgの氷水に注意深く注いだ。ここに、塩化メチレン500mlを加え、分液操作を行った。水1Lで3回分液を行った後、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、中間体T−104を粗生成物として得た。なお、中間体T−104は比較的不安定であるため、合成後直ちに次工程を行うことが好ましい。
(3)化合物(モノマー)M−101の合成
500mlの3つ口フラスコに前行程で得られた中間体T−104全量、DMAc(N−N−ジメチルアセトアミド)200mlを投入し、室温下均一に溶解させた。ここに、炭酸カリウム145gを10分ごと、7回に分けて分別添加した。添加により、反応温度は上昇し40℃に達した。添加後、外温を50℃に設定し、さらに3時間反応させた。反応系より無機成分を濾別し、反応液を1mol/L塩酸1.5Lに注ぎ、析出した結晶を濾取、蒸留水500mlで洗浄した。得られた粗結晶をメタノール/塩化メチレン混合溶媒にて再結晶し、白色結晶としてモノマーM−101を57g得た(収率43.8%)。
得られたM−101のNMRは以下のとおりであった。

1H-NMR (δin CDCl3) : 4.45(dd,4H) 6.41(d,2H) 6.59(dd,2H) 6.69(d,2H) 8.93(s,2H)
本発明の樹脂組成物は、上記一般式(1)で表わされる化学構造をポリマーの主鎖に含有する。樹脂組成物中に含有される上記一般式(1)で表わされる化合物の含有率は、樹脂組成物全体の質量に対して20〜100質量%であり、30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成するポリマーは、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーであることが好ましく、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレートおよびポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(2)で表される繰返し構造単位からなるポリマーを含有する樹脂組成物であることができる。以下に一般式(2)について述べる。
Figure 2005225996
一般式(2)中、R1〜R6は、一般式(1)のR1〜R6と同一である。また、一般式(2)中、L1、L2は単結合または2価の連結基を表し、好ましくは単結合である。2価の連結基の例としては、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルイミノ基、イミノカルボニル基、スルホン基、炭素数40以下の2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、飽和複素環基または不飽和複素環基等が挙げられ、これらはR1〜R4で記載した置換基を有していてもよい。また、連結基が複数連結し、一つの連結基を形成していてもよい。
一般式中、j、kは、それぞれ0〜3の整数を表わし、好ましくは0〜2である。jおよび/またはkが2以上の場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、R5およびR6は同一であることが好ましい。さらにR5および/またはR6は、互いに結合して5〜7員環、好ましくは6員環を形成していてもよい。また、L1とR5および/またはL2とR6は、互いに結合して5〜7員環、好ましくは6員環を形成していてもよい。L1、L2は5,5’位または6,6’位に置換されていることが好ましい。
一般式(2)中、Aは下記一般式(3)〜(9)で表される2価の有機基から選ばれる少なくとも1種である。一般式(4)〜(9)中、Tは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表す。Tは、好ましくは炭素数40以下の2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、飽和複素環基または不飽和複素環基であり、これらは一般式(1)のR1〜R4で記載した置換基を有していてもよい。また、L1、L2で記載した連結基は、複数が連結し、1つの2価の連結基を形成していてもよい。
一般式(5)、(7)、(8)および(10)のR7は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。置換基の例としては一般式(1)のR1〜R4で記載した置換基の例と同一のものを挙げることができ、R7は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
一般式(9)中のYの例としては、炭素数40以下の4価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、飽和複素環基または不飽和複素環基などが好ましく、これらはR1〜R4で述べた置換基を有していてもよい。ここで、これら4価の連結基(有機基)における4個の結合部位は、2個ずつの2組に分けられ、各組の2個の結合部位が隣り合う炭素上に存在することが好ましい。
本発明の樹脂組成物における上記一般式(2)で表わされる繰り返し構造単位からなるポリマーの含有率は、20〜100質量%であり、30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(10)で表される繰り返し構造単位をさらに含有してもよい。
Figure 2005225996
一般式(10)中、Aは前記一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から選ばれる少なくとも一種であり、前述した2価の連結基の例と同一のものを挙げることができる。また、Bは2価の有機基であり、Bの好ましい例としては前述した2価の有機基Tの例と同一のものを挙げることができる。
ここで、一般式(2)と一般式(10)とで表わされる全繰り返し構造中における一般式(10)で表わされる繰り返し構造単位のモル百分率をqとした場合、0≦q≦50モル%であり、好ましくは0≦q≦30モル%であり、さらに好ましくは0≦q≦10モル%であり、最も好ましくはq=0モル%である。
また、一般式(2)〜(10)で表される繰り返し構造単位は、互いに異なる複数種を組み合わせたものであってもよい。
さらに、本発明の樹脂組成物中における一般式(2)と一般式(10)とで表わされる構造単位からなるポリマーの含有率は、50〜100質量%であり、80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物の一般式(2)は、以下の化学構造式で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2005225996
以下に本発明の樹脂組成物の一般式(2)および(10)の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
<一般式(2)で表される繰り返し単位の例>
以下に述べる例のうち、Aは一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から任意に選ばれる。
Figure 2005225996
Figure 2005225996
<一般式(10)で表される繰り返し単位の例>
以下に述べる例のうち、Aは一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から任意に選ばれる。
Figure 2005225996
Figure 2005225996
本発明の樹脂組成物の例としては、前記一般式(2)および(10)で表される繰り返し単位の例を組み合わせて形成される樹脂組成物が挙げられるが、ここでさらに好ましい樹脂組成物の例を示す。
Figure 2005225996
Figure 2005225996
Figure 2005225996
本発明の樹脂組成物は、ガラス転移点温度(Tg)が100℃以上であることが好ましく、150〜500℃であることが好ましく、200〜400℃であることがさらに好ましい。Tgが200℃以上であれば、フィルム基板にした場合に優れた耐熱性を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の分子量は、重量平均分子量で10,000〜300,000(ポリスチレン換算)であることが好ましく、20,000〜200,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることが最も好ましい。分子量10,000〜300,000程度であれば、フィルム基板とした場合に十分な機械的強度が得られる。
本発明の樹脂組成物は、上記一般式(2)または一般式(2)および(10)で表わされる繰り返し単位からなるポリマーを含有する樹脂組成物であり、2価の連結基L1、L2およびAの種類により種々のポリマーを構成することができる。好ましくは、上記一般式(2)または一般式(2)および(10)で表わされる繰り返し単位からなるポリマーは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、中でもポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、およびポリウレタンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂を混合することができる。本発明の樹脂組成物で混合される樹脂材料は、熱可塑性樹脂および硬化性樹脂のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、ガラス転移点温度(Tg)が100℃以上であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂のうち、好ましい例としては(括弧内はTgを示す)、ポリカーボネート樹脂(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン樹脂(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃、JSR(株)製 アートン:170℃)、ポリアリレート樹脂(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES:220℃)、ポリスルホン樹脂(PSF:190℃)、ポリエステル樹脂(例えば鐘紡(株)製 O−PET:125℃、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の実施例1の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例−4の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物:300℃以上)のものを挙げることができる。
また、下記一般式(13)で表わされるビスフェノールをビスフェノール成分とするポリカーボネート樹脂も好ましい例として挙げられる。
Figure 2005225996
一般式(13)中、R11〜R14は、同一または異なる水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、およびアルキル基から選ばれる少なくとも一種である。Xは、単結合または2価の連結基を表し、好ましくは単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のアラアルキレン基、および炭素数1〜5のハロアルキレン基からなる群から選ばれる一種である。
一般式(13)のXの具体例は、シクロアルキレン基として1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基、ノルボルナン−2,2−ジイル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8、8'−ジイル基、特に1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基が好適に用いられる。また、アラアルキレン基としては、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,1−(1−フェニル)エチレン基、9,9−フルオレニレン基が挙げられる。またハロアルキレン基としては、2,2−ヘキサフルオロプロピレン基、2,2−(1,1,3,3−テトラフルオロ−1,3−ジシクロ)プロピレン基等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、耐溶剤性、耐熱性などの観点から架橋樹脂を併用することが好ましい。架橋樹脂の種類としては熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のいずれも種々の公知のものを特に制限なく用いることができる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。その他、架橋方法としては共有結合を形成する反応であれば特に制限なく用いることができ、ポリアルコール化合物とポリイソシアネート化合物を用いて、ウレタン結合を形成するような室温で反応が進行する系も特に制限なく使用できる。但し、このような系は製膜前のポットライフが問題となる場合が多く、通常、製膜直前にポリイソシアネート化合物を添加するような2液混合型として用いられる。
一方、1液型で用いる場合、架橋反応に携わる官能基を保護しておくことが有効であり、ブロックタイプ硬化剤として市販もされている。市販されているブロックタイプ硬化剤として、三井武田ケミカル(株)製B−882N、日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2513(以上ブロックポリイソシアネート)、三井サイテック(株)製サイメル303(メチル化メラミン樹脂)などが知られている。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることのできるポリカルボン酸を保護した下記B−1のようなブロック化カルボン酸も知られている。
Figure 2005225996
放射線硬化樹脂の例としては、ラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂が挙げられる。ラジカル硬化性樹脂の硬化性成分としては、分子内に複数個のラジカル重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な例として分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に複数個のアクリル酸エステル基を有する化合物が用いられる。ラジカル硬化性樹脂の代表的な硬化方法として、電子線を照射する方法、紫外線を照射する方法が挙げられる。通常、紫外線を照射する方法においては紫外線照射によりラジカルを発生する重合開始剤を添加する。なお、加熱によりラジカルを発生する重合開始剤を添加すれば、熱硬化性樹脂として用いることもできる。
カチオン硬化性樹脂の硬化性成分としては、分子内に複数個のカチオン重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な硬化方法として紫外線の照射により酸を発生する光酸発生剤を添加し、紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。カチオン重合性化合物の例としては、エポキシ基などの開環重合性基を含む化合物やビニルエーテル基を含む化合物を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記の熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂のそれぞれ複数種を混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂とを併用してもよい。また、架橋性樹脂と架橋性基を有さないポリマーと混合して用いてもよい。
さらに本発明の樹脂組成物に上記の架橋性樹脂を混合して用いた場合、耐溶剤性、耐熱性、光学特性および強靭性が得られるため好ましい。また、本発明の樹脂組成物には架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記で挙げた汎用の架橋性樹脂を併用しなくてもよい。
本発明の樹脂組成物は、金属の酸化物および/または金属の複合酸化物、ならびにゾルゲル反応により得られた金属酸化物を含有することができる。
本発明の樹脂組成物に含有可能な金属酸化物の好ましい例としては、Al23 、SiO2、ZrO2 、Fe23、TiO2、B23、WO3などが挙げられる。また、本発明の樹脂組成物に含有可能な金属の複合酸化物は、異種元素が酸素で結合された構造(例えば、Al23Siなど)で表される結合を主構成成分として有する。本発明においては、このような複合酸化物をExy/Fmn(式中、Eは2元複合酸化物に含まれる二種類の金属の一方を示し、Fはもう一方を示す。また、x、y、m、nは該複合酸化物において好ましい価数となる組み合わせを表す数である)、例えばAl23Siで表される結合を主構成成分とする複合酸化物をAl23/SiO2と表す。
このような複合酸化物としては、SiO2/ZrO2 、SiO2/Fe23、TiO2/Fe23、Al23/SiO2、Al23/TiO2、Al23/ZrO2、Al23/Fe23などの2元複合酸化物、Al23/SiO2/Fe23、Al23/SiO2/TiO2、Al23/TiO2/ZrO2、Al23/SiO2/ZrO2などの3元複合酸化物、およびそれ以上の多元系の複合酸化物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物に含有可能な金属酸化物または金属の複合酸化物の平均一次粒子径は、0.001μm以上0.1μm未満であることが好ましく、0.001μm以上0.03μm未満であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物に含有可能な金属酸化物または金属の複合酸化物は、その表面が各種の表面処理剤により変性されていてもよい。凝集をできるだけ抑制する目的または樹脂との親和性を向上させる目的で使用される表面処理剤としては、リン酸およびその誘導体(例えば、リン酸エステル、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアンモニウム塩など)、ポリアクリル酸のアンモニウム塩、ポリメタクリル酸のアンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。上記の表面処理剤は、一般に、金属酸化物または金属の複合酸化物の質量に対して5質量%以下の量で使用される。
本発明の樹脂組成物に併用可能な金属酸化物および/または金属の複合酸化物はゾルゲル反応により得られる。ゾルゲル反応により得られる金属酸化物は、金属アルコキシドまたは金属ハロゲン化物から誘導される。以下、好ましい金属アルコキシドを例に取り説明する。
本発明において、金属アルコキシド化合物は、あらゆるタイプのものも用いることができる。その中でも好ましいものは、下記一般式(14)で表される化合物である。
Figure 2005225996
一般式(14)中、Gは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基であり、MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる群、好ましくはSi、TiおよびZrからなる群から選ばれる金属元素であり、dは2〜6の整数を示す。
一般式(14)の化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のテトラアルコキシジルコニウム類およびジメトキシ銅、ジエトキシバリウム、トリメトキシホウ素、トリエトキシガリウム、トリブトキシアルミニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラブトキシ鉛、ペンタ−n−プロポキシタンタル、ヘキサエトキシタングステン等の金属アルコキシド類が挙げられる。
本発明において、使用可能なゾルゲル反応により得られる金属酸化物のさらに好ましい例としては一般式(15)で表される金属アルコキシドまたは金属ハロゲン化物から誘導されたものが挙げられる。
Figure 2005225996
一般式(15)中、Zはアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、Mは金属原子、T'は単結合または2価の連結基、Rは有機基、Arは芳香族基を表す。a、bは1以上の整数を表し、cは0以上の整数を表す。但し、a+b+cは金属原子Mの価数である。Zがアルコキシ基を表す場合、ZはR20O−で表されるアルコキシ基であることが好ましい。 ここで、R20は直鎖または分岐状の有機基である。有機基は、アルキル基、アラルキル基等を主骨格とし、ゾル−ゲル反応系に影響を与えない限り、その内部に不飽和結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ペプチド結合もしくはカルボキシル基、アミノ基、ケトン基等を含んでいてもよい。有機基を構成する炭素数は、1〜10、好ましくは1〜5である。Zはハロゲン原子を表すが、塩素、臭素であることが特に好ましい。
Mは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウムおよびスズが好ましい例として挙げられる。a、b、cの組み合わせとしては、Mが4価の金属である場合、下記表1に挙げる組み合わせが好ましい。
Figure 2005225996
また、Mが3価の金属である場合、下記表2に挙げる組み合わせが好ましい。
Figure 2005225996
4価の金属原子を有する金属アルコキシドの具体例としては、(CH3O)3MPh、(C25O)3M(CH2Ph)、(C23O)3M(C24OPh)、(C38NO)3MPh、(C49O)3M(C34Ph)、(CH4NO)2MPh2、(C25O)2M(CH3NPh)2、(C35O)2M(C48Ph)2、(C410NO)2M(C222Ph)2、(CH3O)2M(C49NPh)(C49)、(C25O)2M(C462Ph)(C35)、(C23O)2M(C24Ph)(C25O)、(C38NO)2M(CH2Ph)(CH4N)、(C49O)2MPh(CH3)、(CH4NO)2MPh(C25)、(C25O)2M(CH2Ph)(C37O)、(C35O)2M(C22Ph)(C592)、(C410NO)2MPh(C410N)、(CH3O)2M(CH2OPh)(C37)、(C25O)2M(C582Ph)(C49)、(C23O)2MPh(C38N)、(C38NO)2M(C24Ph)(C25)、(C49O)2MPh(C232)、(CH4NO)2MPh(C37)、(C25O)2M(CH3NPh)(C352)、(C35O)2M(C48Ph)(C23)、(C410NO)2M(C222Ph)(CH3)が挙げられる。好ましくは、(CH3O)3MPh、(C25O)3MPh、(C37O)3MPh、(C49O)3MPh、(CH3O)2MPh2、(C25O)2MPh2、(C37O)2MPh2、(C49O)2MPh2である。
ここで、Mはケイ素、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウムおよびスズである。
3価の金属原子を有する金属アルコキシド(アルミニウムアルコキシド)の具体例としては、(CH3O)2AlPh、(C25O)2Al(CH2Ph)、(C23O)2Al(C24OPh)、(C38NO)2AlPh、(C49O)2Al(C34Ph)、(CH4NO)AlPh2、(C25O)Al(CH3NPh)2、(C35O)Al(C48Ph)2、(C410NO)Al(C222Ph)2、(CH3O)Al(C49NPh)(C49)、(C25O)Al(C462Ph)(C35)、(C23O)Al(C24Ph)(C25O)、(C38NO)Al(CH2Ph)(CH4N)、(C49O)AlPh(CH3)、(CH4NO)AlPh(C25)、(C25O)Al(CH2Ph)(C37O)、(C35O)Al(C22Ph)(C592)、(C4100NO)AlPh(C410N)、(CH3O)Al(CH2OPh)(C37)、(C25O)Al(C582Ph)(C49)、(C23O)AlPh(C38N)、(C38NO)Al(C24Ph)(C25)、(C49O)AlPh(C232)、(CH4NO)AlPh(C37)、(C25O)Al(CH3NPh)(C352)、(C35O)Al(C48Ph)(C23)、(C410NO)Al(C222Ph)(CH3)が挙げられる。 好ましくは、(CH3O)2AlPh、(C25O)2AlPh、(C37O)2AlPh、(C49O)2AlPh、(CH3O)AlPh2、(C25O)AlPh2、(C37O)AlPh2、(C49O)AlPh2が挙げられる。
また、金属ハロゲン化物の具体例としては、F2MPh2、F2M(CH2Ph)2、F3MPh、F3M(C24OPh)、Cl2MPh2、Cl3M(CH2Ph)、Cl3MPh、Cl3M(C24OPh)、Br2MPh2、Br2M(CH2Ph)2、Br3MPh、Br3M(C24OPh)、I2MPh2、I2M(CH2Ph)2、I3MPh、I3M(C24OPh)、F2AlPh、F2Al(CH2Ph)、F2Al(C24OPh)、Cl2AlPh、Cl2Al(CH2Ph)、Cl2Al(C24OPh)、Br2AlPh、Br2Al(CH2Ph)、Br2Al(C24OPh)、I2AlPh、I2Al(CH2Ph)、I2Al(C24OPh)が挙げられる。好ましくは、F2MPh2、Cl2MPh2、Br2MPh2、I2MPh2、F3MPh、Cl3MPh、Br3MPh、I3MPhが挙げられる。ここでMはSi、Ti、Zr、GeおよびSnを意味する。
上記の金属アルコキシドの中で、特に好ましいものは、PhSi(OMe)3、PhSi(OEt)3、(C25O)3Si(CH2Ph)、Ph2GeCl2である。
また、上記の金属アルコキシドおよび金属ハライドの部分加水分解物、およびその2量体、3量体程度の初期縮合物も本発明で用いることができる。これらの金属アルコキシドおよび金属ハライドは1種類だけでもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物に含有可能な金属アルコキシドおよび金属ハライドの含有量は、本発明の目的を損なわない程度であれば規定されないが、5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。
本発明の樹脂組成物には、これらゾルゲル反応により得られた金属酸化物の外に、必要に応じて下記の様々な化合物を添加することができる。
(a)加水分解・縮合触媒(ゾルゲル触媒)
(b)溶媒
(c)キレート配位子化合物
(d)水
以下に併用可能な各種添加物について詳細に説明する。
(a)ゾルゲル触媒
本発明に使用できるゾル液には、金属酸化物前駆体の加水分解/部分縮合反応を促進する目的で、種々の触媒化合物を好ましく用いることができる。用いられる触媒は特に制限はなく、用いたゾル液の構成成分に応じて適量を使用すればよい。
一般に有効であるのは下記(a1)〜(a5)の化合物であり、これらの中から好ましい化合物を必要量添加することができる。また、これらの群の中2種以上を互いの促進効果が阻害されない範囲内で適宜選択して併用することができる。
(a1)有機または無機の酸
無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)を挙げることができる。
(a2)有機塩基化合物または無機塩基化合物
無機塩基化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなどを挙げることができる。有機塩基化合物としては、アミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)、金属アルコキサイド(ナトリウムメチラート、カリウムエチラートなど)を挙げることができる。
(a3)金属キレート化合物
一般式R30OH(式中、R30は炭素数1〜6のアルキル基を示す)、で表されるアルコールとR31COCH2COR32(式中、R31は炭素数1〜6のアルキル基、R32は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用してもよい。
本発明で使用可能な金属キレート化合物として特に好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有するものであり、一般式 Zr(OR30) p1(R31COCHCOR32) p2 、Ti (OR30)q1(R31COCHCOR32)q2 および Al(OR30)r1(R31COCHCOR32)r2 で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記(a)成分の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR30およびR31は、同一または異なってもよく、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、およびフェニル基などを挙げられる。また、R32 は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。また、金属キレート化合物中のp1 〜r2 は4あるいは6座配位となるように決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
(a4)有機金属化合物
好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが、有機遷移金属は活性が高く好ましい。中でもスズの化合物は安定性と活性がよく特に好ましい。
(a5)金属塩類
金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
ゾルゲル触媒化合物のゾル液中の割合は、ゾル液の原料である金属酸化物前駆体に対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
(b)溶媒
ゾル液を調製するために使用される有機溶剤は、本発明の樹脂組成物、金属アルコキシドおよび金属ハライドを溶解でき、金属アルコキシドおよび金属ハライドの加水分解を進行できる程度の水を含有することのできるものを用いる。ここで、溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明のゾル液中の固形分調整をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、ゾル液の分散安定性および保存安定性を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。
これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、ハロゲン系溶媒類およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。好ましい具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルムが挙げられる。通常、溶液組成物とする場合の固形分濃度は5〜40質量%程度であり、より好ましくは10〜25質量%である。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。有機溶媒のゾル液中の割合は特に限定されるものではなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が用いられる。
(c)キレート配位子化合物
ゾル液に金属錯体化合物を用いる場合、硬化反応速度の調節や液安定性向上の観点でキレート配位能のある化合物を用いることも好ましい。好ましく用いられるものとしてはβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類であり、ゾル液の安定性向上剤として作用するものである。
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。かかるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、金属キレート化合物1モルに対し2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未満では得られるゾル液の保存安定性に劣るものとなる。
(d)水
ゾル液には、金属酸化物前駆体の加水分解・縮合反応用として水を添加する。水の使用量は、金属酸化物前駆体1モルに対し、通常、1.2〜5.0モル、好ましくは1.3〜4.0モル、程度である。本発明の好ましいゾル液は、その全固形分濃度が0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%であり、50質量%を超えると、組成物の保存安定性が悪化して好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、さらに無機層状化合物を含有させることもできる。本発明の樹脂組成物に無機層状化合物を添加することにより、熱変形温度を2〜100℃向上させることができる。さらに、無機層状化合物を含有させた樹脂組成物をプラスチックフィルム基板として使用した場合、ガスバリア性フィルムとして用いることができる。
ここで用いられる無機層状化合物は、特に限定されるものではないが、膨潤性および/または劈開性を有する粘土鉱物やハイドロタルサイト類化合物およびその類似化合物を好適に用いることができる。
これら粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石などを挙げることができる。
上記無機層状化合物は、天然物および合成物のいずれでもよい。また、これらの無機層状化合物は、単独で用いることができ、また複数を併用することもできる。
上記無機層状化合物の形状は、特に限定されるものではないが、無機層状化合物の厚さは、可能な限り1層における厚み(約1nm)であることが好ましい。また、平均長さは0.01〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、アスペクト比は20〜500、好ましくは50〜200であるものを好適に用いることができる。
上記無機層状化合物は、その層間(最上または最下の無機層状化合物の表面も含まれる)にイオン交換可能な無機カチオンを有する。イオン交換可能な無機カチオンとは、無機層状化合物(例えば層状珪酸塩)の結晶表面上に存在するナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属イオンのことである。これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有し、イオン交換反応によりカチオン性を有する種々の物質を上記無機層状化合物の層間にインターカレートできる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換する場合、長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンを有機カチオンとして好適に用いることができる。長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンは、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオンなどを用いることができる。
上記無機層状化合物のカチオン交換容量(CEC)は、特に限定されるものではないが、例えば25〜200meq/100gであることが好ましく、50〜150meq/100gであることがより好ましく、90〜130meq/100gであることがさらに好ましい。無機層状化合物のカチオン交換容量が25meq/100g未満であると、イオン交換により無機層状化合物の層間に挿入(インターカレート)されるカチオン性物質の量が少なくなるために、層間が十分に親有機化されないことがある。一方、カチオン交換容量が200meq/100gを超えると、無機層状化合物の層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなり、分散性が悪くなることがある。
上記無機層状化合物の具体例としては、例えば、クニミネ工業のスメクトンSA、クニミネ工業のクニピアF、コープケミカル社のソマシフME−100、コープケミカル社のルーセンタイトSWNなどの商品を挙げることができる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換(親有機化)する方法としては、一般に、湿式法を挙げることができる。湿式法は、無機層状化合物を水やアルコール等で十分溶媒和させた後、有機カチオンを加えて撹拌し、無機層状化合物の層間に存在する金属イオンを有機カチオンに置換させ、その後、未置換の有機カチオンを十分に洗浄し、ろ過、乾燥する方法である。その他、有機溶剤中で無機層状化合物と有機カチオンを直接反応させたり、樹脂などの存在下、無機層状化合物と有機カチオンとを押出機中で加熱混練して反応させたりすることもできる。
上記無機層状化合物と本発明の樹脂組成物との混合比率は、質量比で1/100〜100/20であることが好ましく、5/100〜100/50であることがさらに好ましい。無機層状化合物の混合量が本発明の樹脂組成物の質量100質量部に対して1質量部未満であると、充分な耐熱性およびガスバリア性が得られない場合がある。一方、本発明の樹脂組成物の混合量が無機層状化合物100質量部に対して20質量部未満であると、脆性等が悪化する場合がある。
本発明の樹脂組成物に無機層状化合物が含まれる層を形成する場合、先ず無機層状化合物と本発明の樹脂組成物とを溶融混練または溶液中で混合することにより、無機層状化合物を劈開した状態で樹脂中に分散した樹脂組成物を作製することが好ましい。製造プロセスやコストを考慮すると、溶融混練法により混合することが好ましい。
上記溶融混練で使用可能な溶融混練機としては、熱可塑性樹脂について一般に実用されている混練機を挙げることができる。例えば、一軸または多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤、および潤滑剤などの各種添加剤(樹脂改質剤)を添加することもできる。
[プラスチックフィルム基板、透明導電性フィルム基板]
本発明のプラスチックフィルム基板は、本発明の樹脂組成物を用いて作製することができる。
本発明の樹脂組成物をフィルム基板に成形する方法としては公知の方法が採用できるが、溶液流延法、押出成形法(溶融成型法)が好ましい方法として挙げられる。溶液流延法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、米国特許2367603号、米国特許2492078号、米国特許2492977号、米国特許2492978号、米国特許2607704号、米国特許2739069号、米国特許2739070号、英国特許640731号、英国特許736892号の各明細書、特公昭45−4554号、特公昭49−5614号、特開昭60−176834号、特開昭60−203430号、特開昭62−115035号の各公報に記載がある。樹脂組成物の溶液は、表面温度が30℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましく用いられ、特には−10〜20℃の表面温度を有する金属支持体であることが好ましい。
溶液流延法で本発明のプラスチックフィルム基板を製造する製造装置の例としては、特開2002−189126号公報、段落[0061]〜[0068]に記載された製造装置、図1および図2などが例として挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
溶液流延法においては、本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解する。使用する溶媒は本発明の樹脂組成物を溶解できるものであればいずれの溶媒を用いても構わないが、特に25℃において固形分濃度10質量%以上溶解できる溶媒が好ましい。また、使用する溶媒の沸点は200℃以下のものが好ましく、150℃以下のものがさらに好ましい。沸点が高い場合、溶媒の乾燥が不十分となり、フィルム中に残存する恐れがある。
このような溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、アセトン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。 混合溶媒の例としては、塩化メチレンに炭素数1〜5のアルコールを一種ないし数種混合した溶媒が挙げられ、この場合、アルコールの含有量は溶媒全体に対し5〜20質量%が好ましい。さらに、それぞれ炭素数3〜12のエーテル、ケトンおよびエステルの適宣混合した溶媒が好ましい例として挙げられ、この際炭素数1〜5のアルコールを一種ないし数種混合してもよい。また、発明協会公開技報2001−1745号、段落6に記載の有機溶媒の例なども好ましい例として挙げられる。
溶液流延に用いる溶液中の樹脂濃度は5〜60質量%、好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。樹脂の濃度が低すぎると粘度が低く厚さの調節が困難となり、高すぎると製膜性が悪くムラが大きくなる。
溶液流延する方法は特に限定されないが、バーコーター、Tダイ、バー付Tダイ、ドクターブレード、ロールコート、ダイコート等を用いて平板、またはロール上に流延することができる。
溶媒を乾燥する温度は、使用する溶媒の沸点によって異なるが、2段階に分けて乾燥することが好ましい。第一段階としては30〜100℃で溶媒の質量濃度が10%以下になる、より好ましくは5%以下になるまで乾燥する。次いで、第二段階として平板またはロールからフィルムを剥がし、60℃以上、樹脂のガラス転移温度以下の範囲で乾燥する。 平板またはロールからフィルムを剥がす際、第一段階の乾燥終了直後に剥がしても、一旦冷却してから剥がしてもよい。
押出成型法の条件は、一般的な光学樹脂に用いられる条件と同様であり、溶融温度としては、通常180〜350℃の範囲の温度が使用され、特に200〜300℃が好ましく使用される。
本発明のプラスチックフィルム基板は延伸されていてもよい。延伸により耐折強度など機械的強度が改善され、取扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオリエンテーションリリースストレス(ASTMD1504、以下ORSと略記する)が0.3〜3GPaであるものは機械的強度が改善され好ましい。ORSは延伸フィルムまたはシートに内在する延伸により生じた内部応力である。
延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましく用いられる。
本発明のプラスチックフィルム基板の厚みは、特に規定されないが30〜700μmであることが好ましく、40〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。いずれの場合もヘイズは3%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。またプラスチックフィルムの全光透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
本発明のプラスチックフィルム基板の表面には用途に応じて他の層、あるいは部品との密着性を高めるためにフィルム基板表面上にケン化、コロナ処理、火炎処理、グロー放電処理等の処理を行うことができる。さらに、フィルム表面にアンカー層を設けてもよい。
本発明のプラスチックフィルム基板は、透明導電層を設置して透明導電性フィルム基板とすることもできる。透明導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等が適用できるが、中でも、透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウムおよび酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズから主としてなり、酸化亜鉛を2〜15重量%含有した酸化インジウムの薄膜が、透明性、導電性が優れており、好ましく用いられる。
これら透明導電層の成膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよいが、例えばスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法などが適しており、特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号の各公報記載の方法で成膜することができる。中でも、特に優れた導電性・透明性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。
このようなスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法の好ましい真空度は0.133mPa〜6.65Pa、好ましくは0.665mPa〜1.33Paである。このような透明導電層を設ける前に、プラズマ処理(逆スパッタ)、コロナ処理のようにプラスチックフィルム基板に表面処理を加えることが好ましい。また透明導電層を設けている間に50〜200℃に昇温してもよい。
このようにして形成した透明導電層の膜厚は20〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましい。また、このようにして形成された透明導電層の25℃60%RH(relative humidity)で測定した表面電気抵抗は0.1〜200Ω/□であることが好ましく、0.1〜100Ω/□であることがより好ましく、0.5〜60Ω/□であることがさらに好ましい。さらに透明導電層の光透過性は80%以上、好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上である。
本発明のプラスチックフィルム基板は、ガス透過性を抑制するために、ガスバリア層を設けることも好ましい。好ましいガスバリア層としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウム、タンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、ケイ素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0のケイ素酸化物を主成分とする金属酸化物が良好である。これら無機ガスバリア層は、例えばスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法により作製することができる。中でも、特に優れたガスバリア性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。また透明導電層を設けている間に50〜200℃に昇温してもよい。
このようにして得た無機ガスバリア層の膜厚は10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。ガスバリア層は透明導電層と同じ側、反対側いずれに設けてもよいが、反対側に設ける方がより好ましい。
ガスバリア層が形成されたプラスチックフィルム基材のバリア性は、40℃90%RHで測定した水蒸気透過度が0.01〜5g/m2・dayであることが好ましく、0.03〜3g/m2・dayであることがより好ましく、0.05〜2g/m2・dayであることがさらに好ましい。40℃90%RHで測定した酸素透過度は、0.01〜1ml/m2・dayであり、好ましくは0.01〜0.7ml/m2・dayであり、さらに好ましくは0.01〜0.5ml/m2・dayである。
バリア性を向上させる目的で、ガスバリア層と隣接して欠陥補償層を設けることが特に望ましい。欠陥補償層としては、(1)米国特許第6171663号明細書、特開2003−94572号公報記載のようにゾルゲル法を用いて作成した無機酸化物層を利用する方法、(2)米国特許第6413645号,第64163645号明細書記載のように有機物層を利用する方法、また、これらの欠陥補償層は、記載のように真空か下で蒸着後、紫外線または電子線で硬化させる方法、あるいは塗布した後、加熱、電子線、紫外線等で硬化させることにより作製することができる。塗布方式で作製する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。
[光学部品および画像表示装置(フラットパネルディスプレイ)]
本発明の樹脂組成物およびそれを用いたプラスチックフィルム基板は、光学部品や画像表示装置に用いることができる。ここで、画像表示装置としては特に限定されず、従来知られているものを用いることができる。また、本発明のプラスチックフィルム基板を用いて表示品質に優れたフラットパネルディスプレイを作製できる。フラットパネルディスプレイの表示デバイスとしては、液晶パネル、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)パネル、蛍光表示管、発光ダイオードなどが挙げられ、これら以外にも従来ガラス基板が用いられてきたディスプレイ方式のガラス基板に代わる基板として用いることができる。さらに、本発明はディスプレイ以外にも太陽電池、タッチパネルなどの光学部品としての用途にも応用が可能である。タッチパネルは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のものに応用することができる。
本発明のプラスチックフィルム基板を液晶表示用途などに使用する場合には、光学的均一性を達成するために本発明の樹脂組成物は非晶性ポリマーであることが好ましい。さらに、レタデーション(Re)およびその波長分散を制御する目的で、樹脂の固有複屈折の符号が異なる樹脂を組み合わせたり、波長分散の大きい(あるいは小さい)樹脂を組み合わせたりすることができる。
本発明のプラスチックフィルム基板は、レターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で異種樹脂の積層等を好適に用いることができる。異種樹脂の好ましい組み合わせとしては特に制限はなく、前記したいずれの樹脂も使用可能である。
反射型液晶表示装置に用いる場合は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のプラスチックフィルム基板は透明電極、上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置に用いる場合は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のプラスチックフィルム基板は上透明電極、上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-P1ane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crysta1)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optica1ly Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およぴHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の偏光板保護用フィルムおよび偏光板は、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
これらは特開平2−176625号公報、特公平7−69536号公報、MVA(SID97,Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845)、SID99, Digest of tech. Papers (予稿集)30(1999)206、特開平11−258605号公報、SURVAIVAL(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号(1999)14)、PVA(Asia Display 98,Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf.(予稿集)(1998)383)、Para−A(LCD/PDP Iternational`99)、DDVA(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)838)、EOC(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)319)、PSHA(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)1081)、RFFMH(Asia Display 98, Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf. (予稿集)(1998)375)、HMD(SID98, Digest of tech. Papers (予稿集)29(1998)702)、特開平10−123478号公報、W09848320号公報、特許第3022477号公報、および国際公開WO00/65384号公報等に記載されている。
本発明のプラスチックフィルム基板は、有機EL表示用途に使用できる。有機EL表示素子としての具体的な層構成としては、陽極/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極等が挙げられる。
本発明のプラスチックフィルム基板が使用できる有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜40ボルト)、または直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。これら発光素子の駆動については、特開平2−148687号公報、特開平6−301355号公報、特開平5−29080号公報、特開平7−134558号公報、特開平8−234685号公報、特開平8−241047号公報、米国特許5828429号明細書、同6023308号明細書、日本特許第2784615号等に記載の方法を利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に本発明の樹脂組成物、プラスチックフィルム基板、透明導電性フィルム基板の特性値の測定方法を示す。
(1)樹脂組成物の重量平均分子量
東ソー(株)製、HLC-8120GPCを用いてテトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算GPC測定によりポリスチレンの分子量標準品と比較して求めた。
(2)樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)
セイコー(株)製、DSC6200を用いてDSC法(窒素中、昇温温度10℃/分)により測定した。
(3)フィルム基板の厚さ
アンリツ(株)製、K402Bを用いてダイヤル式厚さゲージにより測定した。
(4)フィルム基板のレタデーション(Re)
フィルム面内方向、波長632.8nmにおける値を自動複屈折計により測定し、下記の式から求めた(王子計測機器(株)製、KOBRA-21ADH)。
レタデーション(Re)=|nMD−nTD|×d
ここで、nMDは、フィルム幅方向の屈折率、nTDはフィルム長手方向の屈折率、dはフィルムの厚みをそれぞれ表わす。
(5)フィルム基板の透過率
波長550nmにおける透過率を分光光度計にて測定した(島津製作所(株)製、分光光度計UV-3100PC)。
(6)フィルム基板の力学特性
フィルムサンプル(1.0cm×5.0cm片)を作製し、引張速度3mm/分の条件下、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)製、テンシロン RTM−25)にて弾性率、引張破壊応力、引張破壊伸度を測定した。測定は3サンプル行い、その平均値を求めることにより評価した(サンプルは25℃、60%RHで一晩放置後使用。チャック間距離3cm)。
(7)フィルム基板の表面抵抗
25℃60%RHの環境下で3時間以上調湿した後、KEITHLEY製の8009、RESISTIVITY TEST FIXTUREとKEITHLEY製の6517A型とを用いて初期抵抗値(R0)を測定した。
(実施例1) 本発明の樹脂:P−1の製造
以下に示す方法によりポリカーボネート樹脂(P−1)を得た。
Figure 2005225996
18.58gのM−101、52.7mgのt−ブチルフェノールを225mlの塩化メチレンに溶解させた溶液に0.2gのハイドロサルファイトナトリウム、17.8gの水酸化ナトリウムを溶解させた200mlの水を加え激しく攪拌した。そこにトリホスゲン6.92gの25ml塩化メチレン溶液を30分かけて添加した。添加後、さらに1時間反応を行った後、トリエチルアミン0.2mlを添加した。さらに4時間反応させた後、分液操作により有機層を分離した。さらに希塩酸300mlで2回洗浄し、塩化メチレンを減圧留去した。残渣に塩化メチレンを80ml加え溶解し、ごみを取り、濾過を行った後、400mlのメタノールにゆっくりと投入した。析出した樹脂を濾取し、メタノールで洗浄、乾燥後13.7gの樹脂(P−1)を白色固体として得た。得られた樹脂(P−1)は重量平均分子量92,000、Tgは212℃であった。また、得られたP−1のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1H-NMR (δin CDCl3) : 4.62(dd) 6.82(d) 6.94(d) 7.02(dd)
(実施例2) 本発明の樹脂:P−2の製造
以下に示す方法によりポリエステル樹脂(P−2)を得た。
Figure 2005225996
5.85g のM−101を40mlの塩化メチレンに懸濁させた液に0.06gのハイドロサルファイトナトリウム、0.56gのテトラブチルアンモニウムブロミドを溶解した75mlの水を加え、激しく撹拌した。そこに室温下で2mol/LのNaOH水溶液21ml、アジピン酸クロリド(M−102)3.66gの20ml塩化メチレン溶液を同時に1時間かけて添加した。添加後、さらに6時間反応を行った後、分液操作により有機層を分離した。さらに希塩酸300mlで2回洗浄し、塩化メチレンを減圧留去した。残渣に塩化メチレンを20ml加え溶解し、ごみを取り、濾過を行った後、200mlのメタノールにゆっくりと投入した。析出した樹脂を濾取し、メタノールで洗浄、乾燥後6.88gの樹脂(P−2)を白色固体として得た。得られた樹脂(P−2)は重量平均分子量46,000、Tgは140℃であった。得られたP−2のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1H-NMR (δin CDCl3) : 1.81(m) 2.54(m) 4.62(dd) 6.79(dd) 6.81(d) 6.88(dd)
(実施例3)本発明の樹脂:P−12の製造
以下に示す方法によりポリウレタン樹脂(P−12)を得た。
Figure 2005225996
(モノマー:M−103の製造)
30.75gのM−101、トリエチルアミン0.1mlをトルエン120mlに懸濁させた液に水冷下、トリホスゲン38.0gを6回に分けて分別添加した。ここに、ジエチルアニリン62mlを内温が40℃を超えないように水冷下で滴下した。この際、滴下に従いM−101は徐々に溶解し、ジエチルアニリンを50mlほど滴下した時点で塩が析出を始めた。さらに6時間反応を行った後、トルエン200mlを追加し、ろ過操作を行った。分液操作により有機層を分離した。ろ液に水300mlを加えて分液操作を行い、これを3回繰り返した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル=6/4にて再結晶し、析出した樹脂を濾取、洗浄、乾燥後28.8gのモノマー:M−103を白色固体として得た。
(ポリウレタン樹脂:P−12の製造)
ピペラジン2.15g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.35gを塩化メチレン47ml、水94mlに溶解させ、激しく撹拌した。次いで、室温下で2mol/LのNaOH水溶液30ml、モノマー(M−103)9.53gの30ml塩化メチレン溶液を同時に1時間かけて添加した。添加後、さらに6時間反応を行った後、分液操作により有機層を分離した。さらに希塩酸300mlで2回洗浄し、塩化メチレンを減圧留去した。残渣に塩化メチレンを30ml加え溶解し、ごみ取りろ過を行った後、300mlのメタノールにゆっくりと投入した。析出した樹脂を濾取し、メタノールで洗浄、乾燥後、白色固体として7.8gの樹脂(P−12)を得た。
得られた樹脂(P−12)はテトラヒドロフランに不溶のため分子量測定は行えなかったが、Tgは258℃であった。また樹脂(P−12)のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1H-NMR (δin CDCl3) : 1.60(s) 3.61(br.m) 4.62(dd) 6.81(dd) 6.82(d) 6.93(dd)
(実施例4)本発明の樹脂:P−25の製造
以下に示す方法によりポリアリレート樹脂(P−25)を得た。
Figure 2005225996
7.69gのM−101を塩化メチレン98mlで懸濁させた液に、ハイドロサルファイトナトリウム0.09g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.42gを溶解した水113mlを加えて、激しく撹拌した。次いで、室温下で2mol/LのNaOH水溶液31.5ml、テレフタル酸クロリド1.52g、イソフタル酸クロリド1.52gの20ml塩化メチレン溶液を同時に1時間かけて添加した。添加後、さらに6時間反応を行った後、分液操作により有機層を分離した。さらに希塩酸300mlで2回洗浄し、塩化メチレンを減圧留去した。残渣に塩化メチレン20mlを加えて溶解し、ごみ取りろ過を行った後、200mlのメタノールにゆっくりと投入した。析出した樹脂を濾取し、メタノールで洗浄、乾燥後10.5gの樹脂(P−25)を白色固体として得た。
得られた樹脂は重量平均分子量50,500、Tgは262℃であった。また、得られた樹脂(P−25)のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1H-NMR (δin CDCl3) : 4.60(dd) 6.87(dd) 6.96(d) 7.04(dd) 7.59(m) 8.21(d) 8.34(br.d) 8.86(br.s)
(実施例5)本発明の樹脂:P−26の製造
以下に示す方法によりポリアリレート樹脂(P−26)を得た。
Figure 2005225996
7.69gのM−101および2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド7.59gを98mlの塩化メチレンに懸濁させた溶液に、ハイドロサルファイトナトリウム0.09g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.42gを溶解した水溶液113mlを加え、激しく撹拌した。そこに室温下で2mol/LのNaOH水溶液31.5mlを1時間かけて添加した。添加後、樹脂が粒子状に析出した。さらに6時間反応を行った後、析出した樹脂をろ過、塩化メチレン100mlで洗浄、次いでメタノール100ml、水100ml、メタノール100mlの順で洗浄した。乾燥後12.5gの樹脂(P−26)を白色固体として得た。
得られた樹脂はテトラヒドロフランに不溶のため分子量測定は行えなかったが、Tgは281℃であった。
(実施例6)本発明の樹脂フィルムの作製
前述の実施例1〜4で製造したP−1、P−2、P−12、P−25ならびに同様の方法により製造した樹脂化合物P−4、P−18およびP−22をそれぞれ塩化メチレンに溶解し、15〜25質量%の溶液を調製した。この溶液を5μmのフィルターを通してろ過した後、ドクターブレードを用いてガラス基板上に流延した。流延後、温度80℃で2時間、100℃で4時間加熱乾燥させた後、フィルムをガラス基板より剥離し、フィルムF−101〜F−107を作製した。
同様に市販のポリカーボネート(帝人化成製『パンライトL1225Z』)を用いて比較用フィルムF−108を作製した。
さらに、比較例として特開昭63−314235号公報に記載されたスピロビインダンポリカーボネート(IND−1)、特開平11−263833号公報に記載されたスピロビインダンポリカーボネート共重合体(IND−2)、特開2000−281888号公報に記載されたスピロビインダンポリカーボネート共重合体(IND−3)を用いフィルムを作製し、それぞれをF−109〜F−111とした。
Figure 2005225996
(実施例7)本発明のフィルムの光学物性評価
以下に実施例6で得られたフィルムの厚さ、面内方向レタデーション値を表3に示した。
Figure 2005225996
表3の結果より、本発明の樹脂組成物により作製されたフィルムはレタデーション(Re)値が小さく、光学特性に優れていることが分かる。なお、比較例用の樹脂IND−1はフィルム作製中(乾燥中)にひび割れを生じ、フィルムを作製できなかった。
(実施例8)本発明のフィルムの力学物性評価
実施例6で得られたフィルムの弾性率、引張破壊応力および引張破壊伸度を表4に示した。ここで、日本ゼオン(株)製、ゼオノアフィルム(ZF16−100):F−112(膜厚100μm)のデータを併せて表記した。
Figure 2005225996
表4より、本発明の樹脂組成物により作製されたフィルムは、弾性率、引張破壊応力および引張破壊伸度がパンライトよりやや劣るものの、比較例として用いた樹脂F−110(IND−2)より引張破断伸度に優れ、市販フィルムであるゼオノア(F−112)と同程度の弾性率、破断応力、同等以上の引張破断伸度を有しており、力学特性を十分満足し得るフィルムであることが分かる。また、比較例として用いた樹脂F−109(IND−1)はフィルム作成中(乾燥中)にひび割れを生じ、フィルムを作製できなかったのに対し、本発明のポリカーボネートF−101で作製したフィルムは力学特性、特に脆性が大幅に改良されていることが分かる。また、比較例として用いた樹脂F−111(IND−3)は、物性測定サンプル準備中に容易に破壊され、テンシロン測定用サンプルを作製することができなかったのに対し、本発明のポリアリレートF−107で作製したフィルムは力学特性、特に脆性が大幅に改良されていることが分かる。
(実施例9)本発明の表示素子用基板の作製およびその評価
<ガスバリア層>
表4に示したフィルム基板の両面にDCマグネトロンスパッタリング法により、Si02をターゲットとし500Paの真空下で、Ar雰囲気下、出力5kWでスパッタリングした。得られたガスバリア層の膜厚は60nmであった。
<透明導電層>
得られたフィルム基板を100℃に加熱しながら、ITO(In23 95質量%、Sn02 5質量%)をターゲットとしDCマグネトロンスパッタリング法により、0.665Paの真空下で、Ar雰囲気下、出力5kWで140nmの厚みのITO膜からなる透明導電層を、片面に設けた。
<保護層>
バリア層の上に、下記処方の塗布液を常温にて攪拌溶解後、バーコーターで3μm(乾燥後)の厚みになるように塗工し、80℃、10分の条件で加熱した後、紫外線を照射した。
アクリル系樹脂(Tg105℃、分子量67000、酸価2のアクリル
(三菱レイヨン株式会社LR-1065)) 100質量部
シランカップリング剤(信越化学株式会社製KBM-573
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン) 1質量部
酢酸ブチル 400質量部
<評価>
このようにして得た表示素子用基板について、前述の方法で表面抵抗を測定した。次いで、屈曲試験後の表面抵抗:これらサンプルのITO層を外側にして両端を貼り合せ円柱状にした後、12mmφの搬送ローラー2本を両ローラー間に約1Nの張力をかけてフィルムとローラー部が完全に接触し、かつフィルムが滑らぬよう注意しながら30cm/minでフィルムを回転搬送させた。試料は25℃60%RHの環境で8時間調湿したものを用い、同条件の実験室にて試験を行った。上記操作の後、屈曲試験前後における抵抗変化率の評価を行った。
屈曲試験後の抵抗変化率は、屈曲試験後の抵抗の抵抗値(R1)と屈曲試験前の抵抗値(R0)の差の絶対値を(R0)で割り、百分率で示したものを屈曲試験後の抵抗変化率(%)とした。
本発明のフィルム基板F−101〜F−107および比較用のフィルム基板F−108は外観に主だった変化は見受けられず、屈曲試験前後における抵抗変化率も小さく、優れていた。これに対し、比較用フィルム基板F−109、F−111は脆く、サンプルを作製するには至っておらず、比較用フィルム基板F−110においても外観に主だった変化は見受けられないものの、屈曲試験前後における抵抗変化率が大きいことが判明した。また、比較用フィルム基板F−112はバリア層の剥離が観測された。
以上のことより、本発明の表示素子用基板は応力による抵抗値の変化を受けにくく、クラックなどを生じにくい優れた力学特性を有することが分かる。また、バリア層との密着に優れることが分かる。
(実施例10)本発明のフラットパネルディスプレイの作製およびその評価
<円偏光膜の作製>
本発明のプラスチックフィルム基板F−101〜F−107、ならびに比較例フィルムF−108、F−110およびF−111の透明導電層の反対側に、特開2000−826705号公報、特開2002−131549号公報に記載のλ/4板を積層し、さらにその上に特開2002−865554号公報に記載の偏光板を積層し円偏光板を作製した。なお偏光膜の透過軸とλ/4板の遅相軸との角度は45°となるように配置した。
<TN型液晶表示装置の作製>
本発明のプラスチックフィルム基板、比較例用基板、および微細な凹凸が形成されたアルミニウム反射電極を設けたガラス基板の透明導電(ITO)層、電極側に、それぞれポリイミド配向膜(SE-7992、日産化学(株)製)を形成した。200℃で30分熱処理したが、本発明のプラスチックフィルム基板を用いたものは全く抵抗値の増加、ガス透過性の増加は見られなかった。一方、比較例の基板を用いたものは、いずれも2倍以上に増大した。
これらをラビング処理した後、1.7μmのスペーサーを介して、二枚の基板(ガラス基板とプラスチック基板)を配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜のラビング方向は、110°の角度で交差するように、基板の向きを調節した。基板の間隙に、液晶(MLC-6252、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。このようにして、ツイスト角が70°、Δndの値が269nmのTN型液晶セルを作製した。また、プラスチックフィルム基板のITOと反対面に上記λ/4板、偏光板を積層し反射型液晶表示装置を作製した。
本発明のプラスチック基板を用いたものは良好な画像が得られた。一方、比較例を用いたものは、ガスバリア性の低下に起因する黒点故障(画層部に細かな黒い点となり画像が表示されない)や、導電層の割れに起因する色ずれが発生した。
<STN型液晶表示装置の作製>
本発明のプラスチックフィルム基板F−101〜F−107、ならびに比較例フィルムF−108、F−110、F−111と、ITO層とを積層したガラス基板の透明導電(ITO)層側にそれぞれポリイミド配向膜(SE-7992、日産化学(株)製)を形成した。200℃で30分熱処理したが、本発明のものは全く抵抗値の増加、ガス透過性の増加は見られなかった。一方比較例はいずれも2倍以上に増大した。
<有機EL素子の作製>
本発明のフィルム基板を特開2000−267097号公報に従い、観察者側から順に保護タック(最表面に反射防止機能層付き)/上記円偏光板(本発明のプラスチック基板のITO層を有機EL側にする)/有機EL素子/反射電極の構成とした。本発明のものは良好な性能を示した。
<TFTアレイの作製>
本発明のプラスチックフィルム基板を用いて特表平10−512104号公報に記載の方法に従ってTFTアレイを作製した。製造の過程でレジストの除去溶剤としてのジメチルスルホキシドおよびフォトリソグラフィーの現像液に曝されても曇り等の変化は見られなかった。
(実施例11)本発明のプラスチックレンズの作製およびその評価
本発明の樹脂P−1を80℃で5時間減圧乾燥した後、射出成型機で300℃の成型温度において直径30mm、肉厚1〜3mmの球面凸レンズを試作した。同様に本発明の樹脂P−2より本発明のプラスチックレンズを、また比較樹脂として市販のポリカーボネート(帝人化成製『パンライトAD5503』)を用いて比較用プラスチックレンズを作製した。ここで、これら樹脂は280℃の成型温度により成型した。
偏光板のクロスニコル下による観察を行ったところ、市販のポリカーボネートより得られるプラスチックレンズは光学歪が大きく、特にゲート付近での歪が大きいことが確認された。一方、本発明の樹脂より得られるプラスチックレンズは光学歪が小さく、特にゲート付近でも歪が小さいことが確認され、光学的に優れたプラスチックレンズを与えることが判明した。
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、光学特性、力学特性等に優れるため、プラスチック基板、透明導電性フィルム基板、TFT基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、光ディスク基板、光導波路、光ファイバー、レンズ、タッチパネルなどの各種の光学部品やフラットパネルディスプレイに利用することができる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化学構造をポリマーの主鎖に含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2005225996
    一般式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5、R6はそれぞれ独立に置換基を表し、m、nはそれぞれ0〜4の整数を表す。mおよび/またはnが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、R5またはR6どうしは互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。
  2. 下記一般式(2)で表される繰り返し構造単位からなるポリマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2005225996
    一般式(2)中、R1〜R4はそれぞれ独立した水素原子または置換基を表し、R5、R6はそれぞれ独立した置換基を表す。L1、L2は単結合または2価の連結基を表し、j、kはそれぞれ0〜3の整数を表す。Jおよび/またはkが2以上である場合、R5および/またはR6は同一であっても異なっていてもよく、R5またはR6どうしは互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。L1とR5および/またはL2とR6は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。Aは一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から選ばれる少なくとも一種である。
    Figure 2005225996
    一般式(3)〜(9)中、Tは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表す。R7はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わし、R7どうしが互いに環を形成していてもよい。また、一般式(2)で表される繰り返し単位は、互いに異なる複数種の組み合わせたものであってもよい。
  3. 前記一般式(2)のR5、R6がハロゲン原子、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数1〜10のアシルアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 下記一般式(10)で表される繰り返し構造単位をさらに有することを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂組成物。
    Figure 2005225996
    一般式(10)中、Aは前記一般式(3)〜(9)で表される2価の連結基から選ばれる少なくとも一種であり、Bは2価の有機基を表し、前記一般式(2)および一般式(10)で表される全繰り返し構造中における一般式(10)で表される繰り返し構造単位のモル百分率をqとした場合、0<q≦50モル%である。
  5. 前記一般式(1)および(2)のR1〜R4が水素原子である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記一般式(2)のL1およびL2が単結合である請求項2〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. ガラス転移点温度が200℃以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた光学部品。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたプラスチックレンズ。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたプラスチックフィルム基板。
  11. 請求項10に記載のプラスチックフィルム基板を用いた透明導電フィルム基板。
  12. 請求項11に記載の透明導電フィルム基板を用いたフラットパネルディスプレイ。
  13. 表示デバイスが液晶パネルまたは有機エレクトロルミネッセンスパネルであることを特徴とする請求項12に記載のフラットパネルディスプレイ。
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