JP2005225957A - 潤滑油基剤および潤滑油 - Google Patents

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毅 岡本
Yasuhiro Yamada
康博 山田
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Abstract

【課題】 炭化水素系基油との相溶性が改善され、しかも潤滑性に優れたポリエーテル系潤滑油基剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表され、且つ重量平均分子量が500〜30,000であるポリエーテル(E)からなる潤滑油基剤および該潤滑油基剤からなる潤滑油である。
1[−{(O-CH2-CR23-CH2m/(OA)n}−OR4]p (1)
式中R1は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物の残基;R2およびR3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、およびハロゲン原子、水酸基もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、からなる群から選ばれる1種以上の基;R4は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基;Aはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基および1,3−ブチレン基からなる群から選ばれる1種以上の基であり;m及びnは1以上の整数、pは1〜6の整数を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油基剤に関する。さらに詳しくはポリエーテル系潤滑油基剤および潤滑油に関する。
従来から、潤滑油の潤滑性を改善する試みは多く行われている。
例えば、金属加工油(切削油、研削油、研磨油、圧延油、引き抜き油、プレス油、鍛造油及びシリコンウエハの研磨・切断用の加工油など)および油圧作動油(建設機械、工作機械、金属やプラスチックの加工機械、車両、船舶、航空機などの広い範囲で油圧機器、装置の作動の動力伝達流体など)において、ポリエーテル系の潤滑油基剤が使用されている。
これらのうち、金属加工油には水希釈安定性を上げるためにポリエーテル中にオキシエチレン単位を導入して親水性を付与し、さらに潤滑性と消泡性を改善するためにエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドからなるブロックタイプのポリオキシアルキレングリコール


を満たすために分子量を1,000以上にした者が提案されている(特許文献−1参照)。また、廃水処理性を向上させるために、多価アルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをランダム付加した後に、プロピレンオキサイドをブロック付加したものと、アルコールのエチレンオキサイド付加物と、多価アルコールに炭素数3〜4のアルキレンオキサイドを付加したものの三者を併用した潤滑剤が提案されている(特許文献−2参照)。


エマルション系および不水系の金属加工油並びに油圧作動油の潤滑性向上には、脂肪酸またはそのエステルなどの油性向上剤や、硫黄系、塩素系または燐系極圧剤を添加して行われることが多い。
しかし、塩素系極圧剤はオゾン層破壊、燐系極圧剤は廃水による富栄養化など環境に対する問題で使い難いものとなっている。
また、潤滑性が比較的良好であるとされるポリエーテル系の基剤も提案されている(特許文献−1〜3参照)が、鉱物油等の炭化水素系基油との相溶性が不十分であり、製品外観を均一にすることが困難であった。
特開平4−130188号公報 特開昭52−213号公報 特開昭56−76495号公報
本発明の課題は、炭化水素系基油との相溶性が改善され、しかも潤滑性に優れたポリエーテル系潤滑油基剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、下記一般式(1)で表され、且つ重量平均分子量が500〜30,000であるポリエーテル(E)からなる潤滑油基剤;該潤滑油基剤、並びに炭化水素系基油および/または添加剤からなる潤滑油;該潤滑油並びに水および必要により乳化剤からなる水希釈型金属加工油または油圧作動油;である。
1[−{(O-CH2-CR23-CH2m/(OA)n}−OR4]p (1)
式中R1は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基;R2およびR3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、およびハロゲン原子、水酸基もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、からなる群から選ばれる1種以上の基;R4は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基;Aはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基および1,3−ブチレン基からなる群から選ばれる1種以上の基であり;m及びnは1以上の整数、pは1〜6の整数を示し;{(O-CH2-CR23-CH2m/(OA)n}はランダム結合またはブロック結合を示す。
本発明のポリエーテル系潤滑油基剤は、鉱物油等の炭化水素系基油との相溶性に優れ、さらに潤滑性にも優れている。
本発明におけるポリエーテル(E)を表す一般式(1)において、R1は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つ、好ましくは全ての水酸基を除いた残基であり、直鎖、分岐もしくは脂環式の1〜6価のアルコール、1〜6価のフェノール類および1〜6価の芳香脂肪族アルコールの残基が挙げられ、これらのアルコールおよびフェノール類としては以下の(e1)〜(e6)が例示される。炭素数が24を超えると低温における潤滑性が劣る。
(e1)1価アルコール
直鎖もしくは分岐の炭素数1〜24の脂肪族飽和モノオール:
メタノール、エタノール、プロパノール(n−プロパノール、イソプロパノール)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール(n−オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール)、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール(n−トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール)、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリコシルアルコール及びテトラコシルアルコール等;
直鎖もしくは分岐の炭素数3〜24の脂肪族不飽和モノオール(cis−もしくはtrans−):
アルケニルアルコール(1−,2−及びiso−プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコール、ノナデセニルアルコール、エイコセニルアルコール、ヘンエイコセニルアルコール、ドコセニルアルコール、トリコセニルアルコール及びテトラコセニルアルコール等);並びにアルキニルアルコール( ペンチニルアルコール等)。
炭素数4〜24の脂環式モノオール:
シクロペンタノール及びシクロヘキサノール等。
(e2)2価アルコール
炭素数2〜24の脂肪族ジオール:
アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−、1,4−及び1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−及び1,8−オクタンジオール、イソブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール等);
炭素数4〜18の脂環式ジオール:
シクロアルキレングリコール(1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等)および水添ビスフェノール類(水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールF等);
及び複素環ジオール:
1,4,3,6−ソルバイド等。
(e3)3〜6価アルコール
炭素数3〜24の3価アルカントリオール(グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパン等);炭素数5〜24の4〜6価のアルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物(ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、1,5−、3,6−及び1,4−ソルビタン並びにジグリセリンなど);並びに糖類およびその誘導体(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びメチルグルコシド等)。
(e4)1価フェノール類
炭素数6〜24の1価フェノール類[フェノール、アルキルフェノール(o、m又はp−メチルフェノール、m、p−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、o、m又はp−エチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール及びp−ノニルフェノール等)、モノスチリルフェノール及びモノベンジルフェノール等]。
(e5)2〜6価フェノール類
炭素数6〜24の2〜6価のフェノール類[単環多価フェノール{2価フェノール(カテコール、レゾルシンおよびヒドロキノン等)、単環3〜6価フェノール(トリオキシベンゼン、テトラオキシベンゼンおよびヘキサオキシベンゼン等)}およびビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビスフェノールF等)。
(e6)1〜6価芳香脂肪族アルコール
炭素数7〜24のアラルキルアルコール(ベンジルアルコールおよびフェネチルアルコール等);炭素数8〜24の置換アラルキルアルコール(o、m又はp−メチルベンジルアルコールおよびp−n−ブチルフェネチルアルコール等)。
これらのうち好ましいのは(e1)〜(e3)であり、さらに好ましいのはこれらのうちの炭素数1〜20のもの、特に好ましいのは1〜3価アルコール、とりわけ好ましいのは炭化水素との相溶性が良好という点で炭素数3〜18の直鎖又は分岐の脂肪族飽和又は不飽和1価アルコールである。
一般式(1)におけるR2およびR3は、(f1)水素原子、(f2)炭素数1〜6のアルキル基)、または(f3)ハロゲン原子、水酸基もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、であり、これらのうちの1種または2種以上である。
(f2)としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルおよびイソヘキシル基などが挙げられ、好ましいのはメチル基およびエチル基である。
(f3)のうちハロゲン原子を有する炭素数1〜6の置換アルキル基としては、クロルメチル、クロルエチル、ブロムエチルおよび3−クロルプロピル基などが挙げられ、好ましいのはクロルメチル基およびクロルエチル基である。
(f3)のうち水酸基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルおよび3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられ、好ましいのはヒドロキシメチル基およびヒドロキシエチル基である。
(f3)のうち炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルおよび3−メトキシプロピル基などが挙げられ、好ましいのはメトキシメチル基およびエトキシエチル基である。
2およびR3のうち好ましいのは(f1)および(f2)であり、さらに好ましいのは(f1)である。R2とR3は同一でも異なっていてもよく、好ましいのは同一であることである。
一般式(1)におけるR4は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、アルキル基としては前述の(f)、並びにn−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシルおよびn−ドデシル基などが挙げられる。
4のうち好ましいのは水素原子および炭素数1〜6(さらに炭素数1または2)のアルキル基であり、特に好ましいのはp個のR4のうち少なくとも1個は水素原子であることであり、とりわけ好ましいのはp個のR4の全てが水素原子であることである。
一般式(1)におけるAはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基および1,3−ブチレン基からなる群から選ばれる1種以上の基である。これらのうち好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基および1,2−ブチレン基であり、特に好ましいのは、炭化水素系基油との相溶性が向上しやすいという観点から1,2−プロピレン基及び1,2−ブチレン基である。
一般式(1)におけるm及びnは(E)の重量平均分子量が500〜30,000となる1以上の整数であり、mは好ましくは3〜100、さらに好ましくは4〜20、nは好ましくは5〜150、さらに好ましくは6〜50である。
また、m/(m+n)は、好ましくは0.03〜0.9、さらに好ましくは0.05〜0.8である。m/(m+n)が0.05以上であれば基油との相溶性がさらに良好になる傾向があり、0.8以下であれば低温での流動特性が良好になり易い。
また、(E)が、(O-CH2-CR23-CH2)と(OA)のランダム結合部分を有することが低温での流動特性が優れるという観点で好ましく、特に、(E)に含まれる(O-CH2-CR23-CH2)単位のうちの80%(以下において、特に限定しない限り%は質量%を表す)以上がランダム結合部分に存在するのが好ましい。
一般式(1)におけるpは1〜6の整数であり、好ましくは1〜3、特に炭化水素との相溶性が良好という観点で1が好ましい。pが6を超えると潤滑性能が悪くなる。
(E)の製造法としては、R1(OH)pで表される炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物に、触媒の存在下に常圧もしくは加圧下に、下記一般式(2)で示される4員環エーテル(以下、XOと略記)と、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−ブチレンオキサイドおよび1,3−ブチレンオキサイドからなる群から選ばれる1種以上のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)をランダムおよび/またはブロック付加させたのち、必要によりハロゲン化アルキルなどのエーテル化剤を使用してアルキルエーテル化する方法が挙げられる。
式中、R2およびR3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびハロゲン原子、水酸基もしくはアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基からなる群から選ばれる1種以上の基を示す。
XOとしては、オキセタンおよび置換オキセタンが挙げられる。
置換オキセタンとしては、炭素数1〜6のアルキル基で置換されたオキセタン
(3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタンなど)、ハロゲン原子含有の炭素数1〜6の置換アルキル基で置換されたオキセタン(3−クロルメチルオキセタン、3,3−ジクロルメチルオキセタンなど)、水酸基含有の炭素数1〜6の置換アルキル基で置換されたオキセタン(3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなど)並びに
炭素数1〜6のアルコキシ基含有の炭素数1〜6の置換アルキル基で置換されたオキセタン(3−メトキシオキセタン、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン 、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン 、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン 、3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン 、3−エチル−3−プロピルオキシメチルオキセタンなど)が挙げられる。
XOのうち好ましいのはオキセタンおよび炭素数1〜6のアルキル基で置換されたオキセタンであり、さらに好ましいのはオキセタンである。
AOのうち好ましいのは、EO、POおよび1,2−ブチレンオキサイドであり、さらに好ましいのは炭化水素系基油との相溶性が向上しやすいという観点からPOおよび1,2−ブチレンオキサイドである。
反応温度は通常−30〜100℃、好ましくは−30〜15℃、圧力は通常0〜0.6MPaである。
触媒としては公知の触媒が使用できるが、XOの単独付加反応およびXOとAOの共重合付加反応の場合と、AOの単独付加反応では好ましい触媒の範囲が異なる。
XOの単独付加反応、もしくはXOとAOとの共重合付加反応の場合の触媒としては、例えばBF3、BCl3、AlCl3、FeCl3およびSnCl3等のルイス酸並びにそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体およびBF3テトラヒドロフラン錯体(以下、BF3・THFと略記)];H2SO4およびHClO4等のプロトン酸;KClO4およびNaClO4等のアルカリ金属の過塩素酸塩;Ca(ClO42およびMg(ClO42等のアルカリ土類金属の過塩素酸塩;Al(ClO43等の前記以外の金属の過塩素酸塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、BF3エーテル錯体及びBF3・THFである。
AOの単独付加反応の場合の触媒としては、上記の触媒のほかアルカリ触媒、例えば水酸化物[KOH、NaOH、CsOHおよびCa(OH)2等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物];酸化物(K2O 、CaOおよびBaO等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物);アルカリ金属(NaおよびK等)及びその水素化物(NaHおよびKH等);トリエチルアミンおよびトリメチルアミン等のアミン類等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはKOH、NaOH、CsOH、BF3エーテル錯体及びBF3・THFである。
必要により行われる末端のアルキルエーテル化反応は、上記のランダム付加もしくはブロック付加反応生成物を、アルカリ(KOH、NaOHおよびCsOHなどのアルカリ金属の水酸化物など)の存在下にハロゲン化アルキル(炭素数1〜12)と反応させることで製造することができる。
ハロゲン化アルキルの量は、目標とする生成アルキルエーテル基の当量に対し当量比で1/1.0〜1.3、好ましくは1/1.0〜1.1である。また、アルカリの量はハロゲン化アルカリの当量に対し1/1.0〜1.5が好ましい。
(E)のHLBは、8.0以下が好ましく、さらに好ましくは7.0以下であり、特に好ましくは2〜6である。HLBが8.0以下であると(E)と炭化水素系基油との相溶性がさらに良好になりやすい。
HLBは有機概念図に基づく小田式による計算値であり、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕に記載されている。またHLBを導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年 三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて算出できる。
(E)の重量平均分子量(Mw)は、500〜30,000であり、好ましくは700〜10,000、さらに好ましくは800〜5,000である。500未満では潤滑油の潤滑性が低く、30,000を超えると潤滑油の動粘度が高くなりすぎる。Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による(カラム:TSKgel G2000、G3000、G4000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン)ものである。
(E)は、通常、常温で液状であり、動粘度は40℃において10〜2,000mm2/sである。動粘度の測定はJIS K 2283に従って測定(以下において、動粘度の測定は同様の方法)できる。
本発明の潤滑油基剤は(E)のみからなるものであるが、(E)は上記の組成の範囲において組成および/またはMw等が異なるものの混合物であってもよい。
本発明においては、上記の潤滑油基剤をそのまま潤滑油として用いてもよく、また、上記の潤滑油基剤並びに炭化水素系基油および/または添加剤を含有する潤滑油としてもよい。
炭化水素系基油としては溶剤精製油、パラフィン系鉱油(スピンドル油など)、ナフテン系鉱油、アルキル(炭素数10〜100)ベンゼン、アルキル(炭素数10〜100)ナフタレン、ポリ−α−オレフィン(炭素数2〜50)、ポリブテン(Mw200〜4,000)、ポリイソブテン(Mw200〜4,000)等が挙げられる。好ましいのは、溶剤精製油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油及びポリブテンである。これらの炭化水素系基油の動粘度は、40℃において1〜3,520mm2/sが好ましい。
炭化水素系基油を含有する潤滑油は、本発明における(E)による潤滑性向上効果と炭化水素系基油による潤滑性の両方の効果を発揮できる。
本発明の潤滑油における潤滑油基剤および炭化水素系基油の質量比率は、好ましくは5/95〜95/5であり、さらに好ましくは10/90〜90/10であり、特に好ましくは20/80〜80/20である。
添加剤としては、他のポリエーテル、清浄分散剤、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤から選ばれる一種以上の添加剤が挙げられる。
他のポリエーテルとしては、(E)以外であれば特に限定されず、例えばポリエチレングリコール(Mw200〜1,000)、ポリプロピレングリコール(Mw200〜4,000)、グリセリンのEOおよび/またはPO付加物(Mw400〜20,000)、メタノールのEOおよび/またはPO付加物(Mw150〜20,000)、n−ブタノールのEOおよび/またはPO付加物(Mw200〜20,000)などが挙げられる。他のポリエーテル系基剤の含有量は、(E)の質量に対して通常90%未満、好ましくは50%未満であり、潤滑油の質量に基づいて通常90%未満である。
清浄分散剤としては中性又は塩基性のスルフォネート〔例えばカルシウム石油スルフォネート(正塩)や塩基性バリウムスルフォネート等の石油スルフォン酸やアルキル(炭素数5〜36)置換芳香族スルフォン酸の正又は塩基性金属塩等〕;中性又は塩基性のフェネート〔例えばアルキル(炭素数1〜36)フェノール、アルキル(炭素数1〜36)フェノールサルファイド、アルキル(炭素数1〜36)フェノールアルデヒド縮合物の正又は塩基性金属塩等〕;中性又は塩基性のフォスフォネート、チオフォスフォネート;アルキル(炭素数1〜36)置換サリチレート;アルキル(炭素数5〜36)メタクリレート又は該メタクリレートと極性基(アミン、アミド、イミド、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトリル等)を含むモノマーと(モル比99/1〜10/90)の共重合物〔例えばアルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ビニルピロリジノン共重合物(Mw:1,000〜100,000)、アルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合物(Mw:1,000〜100,000)、アルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ポリエチレングリコール−メタクリレート共重合物(Mw:1,000〜100,000)等〕;N−置換アルケニル(炭素数5〜36)コハク酸イミド(例えばN−テトラエチレンペンタミンポリイソブテニルコハク酸イミド等);高分子量アミド[例えばポリステアラミド(Mw:1,000〜100,000)等]等が挙げられる。清浄分散剤の使用量は、好ましくは潤滑油の質量に基づいて40%以下である(以下、添加剤の使用量はいずれも潤滑油の質量に基づく)。
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤〔例えば2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ブチリデンビス(6−tert−ブチルメタクレゾール)等〕;アミン系酸化防止剤(例えばモノオクチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミン等);ジアルキル(炭素数1〜36)ジチオリン酸亜鉛;ジアリル(炭素数2〜36)ジチオリン酸亜鉛;有機硫化物;有機セレナイド等が挙げられる。酸化防止剤の使用量は、好ましくは2%以下である。
油性剤としてはラードオイル等の油脂;炭素数8〜36の長鎖脂肪酸(オクチル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等)及びこれらの脂肪酸と一価及び多価アルコールエステル;炭素数8〜36の高級アルコール(オクチルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等)及びそのエステル類が挙げられる。油性剤の使用量は、好ましくは40%以下である。
極圧剤としては鉛石けん(ナフテン酸鉛等);硫黄化合物(硫化脂肪酸エステル、硫化スパーム油、硫化テルペン、ジベンジルダイサルファイド等);塩素化合物(塩素化パラフィン、クロロナフサザンテート等);リン化合物(トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスファイト、n−ブチルジ−n−オクチルホスフィネート、ジ−n−ブチルジヘキシルホスホネート、ジ−n−ブチルフェニルホスホネート、ジブチルホスホロアミデート、アミンジブチルホスフェート等)が挙げられる。極圧剤の使用量は、好ましくは50%以下である。
金属不活性化剤としては例えばベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、N、N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、アリザリン等が挙げられる。金属不活性化剤の使用量は、好ましくは30%以下である。
防錆剤としては例えば炭素数6〜36の脂肪族カルボン酸(カプリル酸、ラウリル酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;炭素数6〜36のアルケニルコハク酸(オクテニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;炭素数が6〜24の二塩基酸(アゼライン酸、セバシン酸ドデカン二酸、ダイマー酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;芳香族カルボン酸(安息香酸、p-tertブチル安息香酸、ニトロ安息香酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;(炭素数が8〜18のアルキルリン酸エステル塩;(シクロ)アルキルアミン(炭素数1〜36)もしくは複素環アミン(炭素数4〜36)アルキレンオキシド(炭素数2〜4)(1〜10モル)付加物(例えばシクロヘキシルアミンEO2モル付加物、シクロヘキシルアミンPO2モル付加物、モルホリンEO1モル付加物、モルホリンPO1モル付加物等);石油スルホネート;アルキル(炭素数1〜36)ナフタレンスルホン酸塩及びソルビタンエステル(例えばソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート等);前記の脂肪族カルボン酸、アルケニルコハク酸、二塩基酸とアミン及びアンモニアとのアミド等が挙げられる。防錆剤の使用量は、好ましくは50%以下である。
消泡剤としてはポリオルガノシロキサン(例えばポリジメチルシロキサン等)等が挙げられる。消泡剤の使用量は、好ましくは1%以下である。
粘度指数向上剤としては重量平均分子量が20,000〜1,500,000のポリアルキル(炭素数1〜18)メタクリレートやポリアルキル(炭素数1〜18)アクリレート;Mwが5,000〜300,000のポリイソブチレン;Mwが10,000〜300,000のポリアルキル(炭素数8〜12)スチレン;オレフィン(炭素数2〜12)共重合体[例えばエチレン−プロピレン(モル比5/95〜95/5)共重合体、スチレン−イソプレン(モル比5/95〜95/5)共重合体の水添物等]等が挙げられる。粘度指数向上剤の使用量は、好ましくは30%以下である。
流動点降下剤としてはポリアルキル(炭素数6〜24)メタクリレート;ナフタレン−塩素化パラフィン縮合生成物;エチレン−ビニルアセテート(モル比5/95〜95/5)共重合体;ポリアクリルアミド;ビニルカルボキシレート(炭素数1〜36)−ジアルキル(炭素数1〜36)フマレート(モル比5/95〜95/5)共重合体等が挙げられる。これらの流動点降下剤の重量平均分子量はいずれも1,000〜100,000である。流動点降下剤の使用量は、好ましくは10%以下である。
上記の添加剤の含有量の合計は、潤滑油の質量に基づいて80%以下であることが好ましい。また、これらの添加剤は2種以上を併用してもよい。
本発明の潤滑油における、(E)/炭化水素系基油/添加剤の含有割合は、好ましくは10〜100%/0〜90%/0〜80%、さらに好ましくは30〜90%/5〜70%/1〜60%である。
本発明の潤滑油は、金属加工油(鉄、鋼またはアルミなどの金属の切削油、圧延油、研削油、研磨油、鍛造油、プレス油、引き抜き油、離型油およびシリコンウエハ切断用の潤滑油など)、油圧作動油(建設機械、工作機械、金属やプラスチックの加工機械、車両、船舶、航空機などの広い範囲で使用される油圧機器・装置用の動力伝達流体)、ギヤー油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャル油および工業用ギヤ油など)、エンジン油(ガソリン車用エンジン油およびディーゼル車用エンジン油)、変速機油(オートマチックトランスミッション油およびベルト−CVTFなど)、トロイダル−CVT油などのトラクション油、ショックアブソーバー油、パワーステアリング油およびコンプレッサー油として用いることができる。
これらのうちで特に好ましいのは金属加工油および油圧作動油としての使用である。
金属加工油のうちの例えば切削油の組成の一例、および油圧作動油の組成の一例を下記に示す。
<切削油>
ポリエーテル(E) 10〜30%
基油(スピンドル油など) 60〜80%
清浄分散剤(カルシウム石油スルフォネートなど) 10〜15%
<油圧作動油>
ポリエーテル(E) 30〜99%
基油(鉱油など) 0〜70%
酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤) 0.05〜1%
防錆剤(オクテニルコハク酸) 0〜2%
本発明の水希釈型金属加工油および水希釈型油圧作動油は、上記の潤滑油にさらに必要に応じて界面活性剤等の乳化剤を配合して、潤滑油を水で乳化もしくは分散させた形態のものである。これらは、特にソリュブル型またはエマルジョン型の金属加工油(特に切削油)として用いられる。
水希釈型金属加工油および水希釈型油圧作動油における水以外の成分(固形分)の濃度は、通常0.5〜90%、好ましくは1〜60%である。
濃度は、これらの水希釈型潤滑油の輸送・運搬の効率を考慮すると濃度が高い方(例えば10〜90%)が好ましいが、使用時には使用に適した濃度(例えば0.5〜10%)で使用することが好ましい。
乳化剤としては公知のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが使用できる。
乳化剤として好ましいのは、アニオン性界面活性剤では、スルホン酸塩類[アルキル(炭素数8〜18)ベンゼンスルホン酸、石油スルホン酸、アルキル(炭素数6〜18)ナフタレンスルホン酸などのアルカリ金属(NaまたはK)塩等]、および脂肪酸塩類[炭素数8〜24の脂肪酸(ラウリル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ひまし油脂肪酸等)のアルカリ金属(Na、K)もしくは有機アミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン等)塩など;非イオン性界面活性剤では、炭素数8〜24の脂肪酸とポリエチレングリコール(Mw88〜2000)とのエステル化物、炭素数8〜24のアルコール(オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等)のEO付加物、およびソルビタン脂肪酸エステル及びこれらのEO付加物等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、固形分の質量に基づいて通常50%以下、好ましくは30%以下である。
水希釈型金属加工油のうち例えば切削油の組成の一例を下記に示す。
<エマルジョン型切削油>
ポリエーテル(E) 20〜30%
基油(スピンドル油など) 40〜60%
乳化剤(オレイン酸トリエタノールアミン塩) 15〜30%
水 残(全量で100%)
使用時にさらに水で5〜100倍に希釈
<ソリュブル型切削油>
ポリエーテル(E) 25〜55%
基油(スピンドル油など) 0〜20%
乳化剤(オレイン酸トリエタノールアミン塩) 20〜40%
極圧剤(硫化脂肪酸エステル) 10〜20%
水 残(全量で100%)
使用時にさらに水で5〜100倍に希釈
[実施例]
以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
ガラス製オートクレーブに「オキソコールC13」〔協和発酵工業(株)製 :イソトリデシルアルコール〕200部(モル比1.0)とBF3・THF7.9gを仕込み、耐圧滴下ロートからオキセタン377部(モル比6.5)及びPO580部(モル比10.0)の混合物を−30〜10℃で10時間かけて滴下した。さらに10℃で5時間熟成した。精製するために、さらに48%NaOH水溶液を4.8部添加して触媒を中和した後、吸着処理剤〔協和化学工業(株)製 キョーワード600及びキョーワード1000。以下同様とする。〕を用いて触媒残査を処理後、濾過し、減圧下で脱水(130℃、30mmHg以下で1時間、以下同様)した後、本発明におけるイソトリデシルアルコールのオキセタン6.5モル/PO10.0モルランダム付加物1,000部(a1)を得た。
実施例2
ガラス製オートクレーブに2−エチルヘキシルアルコール130部(モル比1.0)とBF3・THFを7.9部を仕込み、耐圧滴下ロートからオキセタン406部(モル比7.0)及びPO580部(モル比10.0)の混合物を−30〜10℃で10時間かけて滴下した。さらに10℃で5時間熟成した後、実施例1と同様にして精製し、2−エチルヘキシルアルコールのオキセタン7.0モル/PO10.0モルランダム付加物1,050部(a2)を得た。
実施例3
ガラス製オートクレーブに「オキソコールC13」200部(モル比1.0)とBF3・THFを7.9部を仕込み、耐圧滴下ロートからオキセタン406部(モル比7.0)及びPO580部(モル比10.0)の混合物を15〜40℃で10時間かけて滴下した。さらに10℃で5時間熟成した後、実施例1と同様にして精製し、イソトリデシルアルコールのオキセタン7.0モル/PO10.0モルランダム付加物1,000部を得た。
生成物のうちの593部(モル比0.5)とKOH2.27部を別のガラス製オートクレーブに仕込み、耐圧滴下ロートからPO116部(モル比2.0)を105℃で5時間かけて滴下した。その後、130℃で5時間熟成させ、40℃まで冷却した。その後、実施例1と同様にして精製し、イソトリデシルアルコールのオキセタン7.0モル/PO10.0モルランダム・PO4.0モルブロック付加物650部(a3)を得た。
実施例4
(a1)を30部とスピンドル油〔「SYCスピンドル油」:コスモ石油(株)製、以下同様のものを用いた〕を70部を混合し、(a1)とスピンドル油の混合物100部(a4)を得た。
実施例5
(a1)を30部とポリブテン〔「日石ポリブテンLV−25E」:日本石油化学(株)製、以下同様のものを用いた〕を70部を混合し、(a1)とポリブテンの混合物100部(a5)を得た。
比較例1
ガラス製オートクレーブに「オキソコール13」200部(モル比1.0)とKOH3.3部を仕込み、耐圧滴下ロートからPOを1102部(モル比19.0)105℃で33時間かけて滴下した。その後、130℃で10時間熟成させ、40℃まで冷却した。さらに実施例1と同様にして精製し、イソトリデシルアルコールのPO19.0モル付加物1,184部(b1)を得た。
比較例2
ガラス製オートクレーブに2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール146部(モル比1.0)とKOH3.3部を仕込み、耐圧滴下ロートからPOを1154部(19.9モル)105℃で33時間かけて滴下した。その後、130℃で10時間熟成させ、40℃まで冷却した。さらに実施例1と同様にして精製し、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのPO19.9モル付加物1,230部(b2)を得た。
比較例3
ガラス製オートクレーブにn−ブタノール74部(モル比1.0)とKOH1.1部を仕込み、耐圧滴下ロートからEOを224.4部(5.1モル)とPOを226.2部(3.9モル)の混合物を110℃で15時間かけて滴下した。その後、130℃で10時間熟成反応させ、40℃まで冷却した。
実施例1と同様にして精製し、n−ブタノールのEO5.1モル/PO3.9モルランダム付加物475部(b3)を得た。
比較例4
KOHの仕込量を4.8部、EOの仕込量を915.2部(モル比20.8)、POの仕込量を916.4部(モル比15.8)としたこと以外は比較例3と同様にして、n−ブタノールのEO20.8モル/PO15.8モルランダム付加物1,800部(b4)を得た。
比較例5
KOHの仕込量を3.8部、POの仕込量を1281.8部(モル比22.1)、EOは使用せず、滴下温度を105℃、および滴下時間を10時間としたこと以外は比較例3と同様にして、n−ブタノールのPO22.1モル付加物1,220部(b5)を得た。
比較例6
スピンドル油を比較例6の潤滑油(b6)とした。
比較例7
ポリブテンを比較例7の潤滑油(b7)とした。
上記で得られた本発明の潤滑油(a1)〜(a5)および比較例の潤滑油(b1)〜(b7)のMw、HLB、40℃における動粘度および100℃における動粘度を測定した結果を表1および表2に示す。
評価試験例および比較評価試験例
(a1)〜(a5)および(b1)〜(b7)について、金属加工油または油圧作動油としての潤滑性の尺度を表す200N、300Nまたは500Nの荷重下における摩擦係数、摩耗痕径および油膜切れ、並びに炭化水素系基油との相溶性について以下の評価条件で評価した。結果を表1および表2に示す。
(1)潤滑性
振動摩擦摩耗試験器(SRV試験器)を用い、鋼球と平面の鋼円盤との点接触における摩擦係数及び鋼球上の摩耗痕径を観察することにより評価した。
<潤滑性試験条件>
振動数:50Hz
振動幅:2mm
荷重:200N、300N、500N
時間:10分間
温度:30℃
摩擦係数:時間10分間の平均値
摩耗直径(mm):10mm鋼球(SUJ−2)
油膜切れ:摩擦係数(μ)の変動を観察した。
○:安定、△:やや変動、×変動大
なお、特記しない限り、文中の部は質量部を表す。
(2)相溶性
(a1)〜(a5)または(b1)〜(b7)を30部とスピンドル油を70部とを試験管中で25℃において混合し、目視で以下の基準で判定した。
相溶 :24時間を超えても完全均一に溶解している。
相溶せず:24時間以内に分離し始める。
実施例6〜9および比較例8〜14
上記の(a1)〜(a3)または(b1)〜(b5)と、さらにスピンドル油、乳化剤としてのオレイン酸とトリエタノールアミン(配合後に塩を形成)、極圧剤としての塩素化パラフィンおよび/または極圧剤としてのポリサルファイドを表3に記載した配合割合(部)で配合し、さらに水を加えて固形分濃度5%のエマルジョン型の金属加工油を作製した。
これらについて、外観および200Nの荷重下における摩擦係数、摩耗痕径および油膜切れを測定した。結果を表3に示す。
本発明の潤滑油は、金属加工油(鉄、鋼またはアルミなどの金属の切削油、圧延油、研削油、研磨油、鍛造油、プレス油、引き抜き油、離型油およびシリコンウエハ切断用の潤滑油など)、油圧作動油(建設機械、工作機械、金属やプラスチックの加工機械、車両、船舶、航空機などの広い範囲で使用される油圧機器・装置用の動力伝達流体)、ギヤー油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャル油および工業用ギヤ油など)、エンジン油(ガソリン車用エンジン油およびディーゼル車用エンジン油)、変速機油(オートマチックトランスミッション油およびベルト−CVTFなど)、トロイダル−CVT油などのトラクション油、ショックアブソーバー油、パワーステアリング油およびコンプレッサー油として用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表され、且つ重量平均分子量が500〜30,000であるポリエーテル(E)からなる潤滑油基剤。
    1[−{(O-CH2-CR23-CH2m/(OA)n}−OR4]p (1)
    [式中R1は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基;R2およびR3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、およびハロゲン原子、水酸基もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、からなる群から選ばれる1種以上の基;R4は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基;Aはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基および1,3−ブチレン基からなる群から選ばれる1種以上の基であり;m及びnは1以上の整数、pは1〜6の整数を示し;{(O-CH2-CR23-CH2m/(OA)n}はランダム結合、ブロック結合またはそれらの併用を示す。]
  2. 一般式(1)においてR4が水素原子である請求項1記載の潤滑油基剤。
  3. 一般式(1)においてm/(m+n)が0.05〜0.8である請求項1または2記載の潤滑油基剤。
  4. 前記(OCH2CR23CH2)と(OA)の結合がランダム結合を含む請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油基剤。
  5. HLBが8.0以下である請求項1〜4いずれか記載の潤滑油基剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の潤滑油基剤、並びに炭化水素系基油および/または添加剤からなる潤滑油。
  7. 添加剤が、他のポリエーテル、清浄分散剤、酸化防止剤、油性剤、乳化剤、極圧剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤からなる群から選ばれる一種以上である請求項6記載の潤滑油。
  8. 請求項6または7記載の潤滑油並びに水および必要により乳化剤からなる水希釈型金属加工油または油圧作動油。
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