JP3977644B2 - 油圧作動油 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエーテル系油圧作動油に関する。さらに詳しくは、炭化水素系基油との相溶性、潤滑性等に優れたポリエーテル系油圧作動油に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械、工作機械、金属やプラスチックの加工機械、車両、船舶、航空機などの広い範囲で油圧機器、装置の作動などの動力伝達流体として用いられる油圧作動油は潤滑性が要求される。従来、鉱物油系、エマルション系、合成系の油圧作動油は、脂肪酸エステル、脂肪酸などの油性向上剤や硫黄、塩素、燐などの元素含有の極圧剤を添加して潤滑性を良くすることがなされている。しかし、塩素系極圧剤はオゾン層破壊、燐系極圧剤は廃水による富栄養化など環境に対する問題で使い難いものとなっている。さらに、潤滑性が良好であるポリエーテルは、鉱物油などの炭化水素系基油との相溶性が悪いため、製品外観を均一にすることが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭化水素系潤滑油との相溶性、潤滑性、粘度指数及び高温清浄性等に優れたポリエーテル系油圧作動油を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表され、HLBが6.0以下、且つ数平均分子量が500〜30,000であるポリエーテル(E)及び炭化水素系基油を全体の5〜90質量%含有する油圧作動油である。
1−{(OCH2CH2CH2CH2)m(OA)n}−OH (1)
[式中R1は炭素数〜24の分岐の脂肪族炭化水素基、Aは1,4−ブチレン基を除く炭素数2〜4のアルキレン基であり、mおよびnは(E)の数平均分子量が500〜30,000となる1以上の整数である。]
【0005】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)におけるR1は炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐の炭化水素基であり、具体的には直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基が挙げられる。
直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基など);cis−もしくはtrans−の不飽和炭化水素基(アルケニル基もしくはアルキニル基、例えば、エテニル基、1−,2−およびiso−プロペニル基、ブテニル基、ペンチニル基、ヘキセニル基、ペプテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基など)などが挙げられる。
【0006】
芳香族炭化水素基としては炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル基、アルキルアリール基(o、m又はp−メチルフェニル基、m、p−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、o、mまたはp−エチルフェニル基、p−n−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル基及びp−ノニルフェニル基など)、アラルキル基(ベンジル基及びフェネチル基など)、置換アラルキル基(o、m又はp−メチルベンジル基、p−n−ブチルフェネチル基など)、スチリルフェニル基及びベンジルフェニル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、炭素数4〜20の脂肪族もしくは脂環式の炭化水素基、特に好ましいのは炭素数8〜18の脂肪族もしくは脂環式の炭化水素基である。
炭素数が24を超えると油圧作動油の粘度指数が悪くなる。
【0007】
一般式(1)におけるAは1,4−ブチレン基を除く炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、1,2−および2,3−ブチレン基及びイソブチレン基が挙げられる。これらの二種以上の混合であってもよい。これらのうち好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基であり、特に好ましいのは1,2−プロピレン基及び1,2−ブチレン基等の分岐アルキレン基である。該Aの中に該分岐アルキレン基があると炭化水素との相溶性が良くなる。
【0008】
一般式(1)におけるm及びnは、ポリエーテル(E)の数平均分子量が500〜30,000となる1以上の整数である。好ましくはmとnの比(m/n)が5/95〜45/55である。すなわち、(OCH2CH2CH2CH2)の含量が(OCH2CH2CH2CH2)と(OA)の含有量の合計量の5〜45モル%であることが好ましい。
また、(E)がオキシテトラメチレン基(OCH2CH2CH2CH2)と他のオキシアルキレン基(OA基)のランダム結合部分を有することが低温での流動特性が優れるという点で好ましい。(E)を構成するオキシテトラメチレン基の内、80質量%以上がランダム結合部分に存在するのがさらに好ましい。
【0009】
一般式(1)で示されるポリエーテル(E)の製造法としては、R1OHで表される炭素数1〜24の脂肪族アルコールに、触媒の存在下、好ましくは温度30〜120℃、好ましくは圧力0〜0.6MPaでテトラヒドロフラン(以下THFという)と炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下AOという)をランダムまたはブロックで付加させて製造できる。
【0010】
上記触媒に関し、従来公知の触媒が使用できるが、THF付加、AO付加では場合により好ましい範囲が異なる。
THFを単独付加あるいはAOと付加共重合する場合の触媒としては例えば、BF3、BCl3、AlCl3、FeCl3、SnCl3等のルイス酸、及びそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体、BF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)];H2SO4、HClO4等のプロトン酸;KClO4、NaClO4等のアルカリ金属の過塩素酸塩;Ca(ClO42、Mg(ClO42等のアルカリ土類金属の過塩素酸塩;Al(ClO43等の前記以外の金属の過塩素酸塩等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
また、AOを単独付加する場合の触媒としては、通常用いられる公知の触媒でよく、上記の触媒のほかアルカリ触媒、例えば、水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物等];酸化物(K2O 、CaO、BaO等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物等);アルカリ金属(Na、K等)、及びその水素化物(NaH、KH等);トリエチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類等が挙げられる。
これらのうち好ましくはKOH、NaOH、CsOH、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
付加するAOとしては、一般式(1)でAが炭素数2〜4のアルキレン基となるものであり、例えば、エチレンオキシド(以下EOという)、プロピレンオキシド(以下POという)、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち好ましいのはEO、PO、1,2−ブチレンオキシドであり、特に好ましくはPOである。これらは併用してもよく、重合形式はランダムでもブロックでもよい。
THFの付加モル数(m)は3〜100、AOの付加モル数(n)は、5〜150が好ましく、mが4〜20、nが6〜50がさらに好ましい。
【0011】
このようにして得られるポリエーテル(E)のHLB値は、通常6.0以下であり、好ましくは5.0以下であり、さらに好ましくは2〜4である。HLB値が6.0を超えるとポリエーテル(E)と鉱物油及びポリブテン等の炭化水素との相溶性が悪くなる。
HLB値は有機概念図に基づく小田式による計算値であり、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕に記載されている。またHLB値を導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年 三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて算出できる。
【0012】
(E)の数平均分子量(Mn)[水酸基価測定による。以下も同様とする。]は、500〜30,000であり、好ましくは700〜10、000、さらに好ましくは800〜5、000である。500未満では油圧作動油の潤滑性が低下し、30,000を超えると油圧作動油の動粘度が高くなりすぎる。
【0013】
本発明のポリエーテル系油圧作動油は、ポリエーテル(E)からなるものであるが、ポリエーテル(E)は組成、分子量等が異なるものの混合物であってもよいし、必要に応じて炭化水素系油を添加してもよい。
炭化水素系油としては溶剤精製油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、アルキル(炭素数10〜100)ベンゼン、アルキル(炭素数10〜100)ナフタレン、ポリ−α−オレフィン(炭素数2〜50)、ポリブテン(重量平均分子量200〜4000)、ポリイソブテン(重量平均分子量200〜4000)等が挙げられる。好ましいのは、溶剤精製油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油及びポリブテンである。これらの炭化水素系油の動粘度(JIS K 2283に従って測定。)は、40℃において1〜3520mm2/sが好ましい。
ポリエーテル系油圧作動油と炭化水素系油の配合割合は任意でよいが、好ましくはポリエーテル系油圧作動油/炭化水素系油の質量比5/95〜95/5であり、さらに好ましくは10/90〜90/10であり、特に好ましくは20/80〜80/20である。混合油はポリエーテルと炭化水素の両方の特長を発揮することができる。
また、必要に応じて他のポリエーテル[一般式(1)におけるR1が水素原子であるポリエーテル等]を配合することができる。その含有量は90質量%未満である。
【0014】
さらに、必要に応じて、清浄分散剤、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有させ、油圧作動油組成物とすることが好ましい。
【0015】
清浄分散剤としては中性または塩基性のスルフォネート〔例えばカルシウム石油スルフォネート(正塩)や塩基性バリウムスルフォネート等の石油スルフォン酸やアルキル(炭素数5〜36)置換芳香族スルフォン酸の正または塩基性金属塩等〕;中性または塩基性のフェネート〔例えばアルキル(炭素数1〜36)フェノール、アルキル(炭素数1〜36)フェノールサルファイド、アルキル(炭素数1〜36)フェノールアルデヒド縮合物の正または塩基性金属塩等〕;中性または塩基性のフォスフォネート、チオフォスフォネート;アルキル(炭素数1〜36)置換サリチレート;アルキル(炭素数5〜36)メタクリレートまたは該メタクリレートと極性基(アミン、アミド、イミド、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトリル等)を含むモノマーと(モル比99/1〜10/90)の共重合物〔例えばアルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ビニルピロリジノン共重合物(重量平均分子量:1,000〜100,000)、アルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合物(重量平均分子量:1,000〜100,000)、アルキル(炭素数1〜36)メタクリレート−ポリエチレングリコール−メタクリレート共重合物(重量平均分子量:1,000〜100,000)等〕;N−置換アルケニル(炭素数5〜36)コハク酸イミド(例えばN−テトラエチレンペンタミンポリイソブテニルコハク酸イミド等);高分子量アミド[例えばポリステアラミド(重量平均分子量:1,000〜100,000)等]等が挙げられる。清浄分散剤の使用量は、好ましくは15%以下である。
【0016】
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤〔例えば2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ブチリデンビス(6−tert−ブチルメタクレゾール)等〕;アミン系酸化防止剤(例えばモノオクチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミン等);ジアルキル(炭素数1〜36)ジチオリン酸亜鉛;ジアリル(炭素数2〜36)ジチオリン酸亜鉛;有機硫化物;有機セレナイド等が挙げられる。酸化防止剤の使用量は、好ましくは2%以下である。
【0017】
油性剤としてはラードオイル等の油脂;炭素数8〜36の長鎖脂肪酸(オクチル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等)及びこれらの脂肪酸と一価及び多価アルコールエステル;炭素数8〜36の高級アルコール(オクチルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等)及びそのエステル類が挙げられる。油性剤の使用量は、好ましくは15%以下である。
【0018】
極圧剤としては鉛石けん(ナフテン酸鉛等);硫黄化合物(硫化脂肪酸エステル、硫化スパーム油、硫化テルペン、ジベンジルダイサルファイド等);塩素化合物(塩素化パラフィン、クロロナフサザンテート等);リン化合物(トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスファイト、n−ブチルジ−n−オクチルホスフィネート、ジ−n−ブチルジヘキシルホスホネート、ジ−n−ブチルフェニルホスホネート、ジブチルホスホロアミデート、アミンジブチルホスフェート等)が挙げられる。極圧剤の使用量は、好ましくは10%以下である。
【0019】
金属不活性化剤としては例えばベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、N、N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、アリザリン等が挙げられる。金属不活性化剤の使用量は、好ましくは2%以下である。
【0020】
防錆剤としては例えば炭素数6〜36の脂肪族カルボン酸(カプリル酸、ラウリル酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;炭素数6〜36のアルケニルコハク酸(オクテニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;炭素数が6〜24の二塩基酸(アゼライン酸、セバシン酸ドデカン二酸、ダイマー酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;芳香族カルボン酸(安息香酸、p-tertブチル安息香酸、ニトロ安息香酸等)及びアルカリ金属塩、アミン塩;(炭素数が8〜18のアルキルリン酸エステル塩;(シクロ)アルキルアミン(炭素数1〜36)もしくは複素環アミン(炭素数4〜36)アルキレンオキシド(炭素数2〜4)(1〜10モル)付加物(例えばシクロヘキシルアミンEO2モル付加物、シクロヘキシルアミンPO2モル付加物、モルホリンEO1モル付加物、モルホリンPO1モル付加物等);石油スルホネート;アルキル(炭素数1〜36)ナフタレンスルホン酸塩及びソルビタンエステル(例えばソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート等);前記の脂肪族カルボン酸、アルケニルコハク酸、二塩基酸とアミン及びアンモニアとのアミド等が挙げられる。防錆剤の使用量は、好ましくは5%以下である。
【0021】
消泡剤としてはポリオルガノシロキサン(例えばポリジメチルシロキサン等)等が挙げられる。消泡剤の使用量は、好ましくは0.1%以下である。
【0022】
粘度指数向上剤としては重量平均分子量が20,000〜1,500,000のポリアルキル(炭素数1〜18)メタクリレートやポリアルキル(炭素数1〜18)アクリレート;Mwが5,000〜300,000のポリイソブチレン;Mwが10,000〜300,000のポリアルキル(炭素数8〜12)スチレン;オレフィン(炭素数2〜12)共重合体[例えばエチレン−プロピレン(モル比5/95〜95/5)共重合体、スチレン−イソプレン(モル比5/95〜95/5)共重合体の水添物等]等が挙げられる。粘度指数向上剤の使用量は、好ましくは15%以下である。
【0023】
流動点降下剤としてはポリアルキル(炭素数6〜24)メタクリレート;ナフタレン−塩素化パラフィン縮合生成物;エチレン−ビニルアセテート(モル比5/95〜95/5)共重合体;ポリアクリルアミド;ビニルカルボキシレート(炭素数1〜36)−ジアルキル(炭素数1〜36)フマレート(モル比5/95〜95/5)共重合体等が挙げられる。これらの流動点降下剤の重量平均分子量はいずれも1,000〜100,000である。流動点降下剤の使用量は、好ましくは1%以下である。
【0024】
上記の添加剤の含有量の合計は、潤滑油中の20%以下であることが好ましい。また、これらの添加剤は、2種以上を併用してもよい。
【0025】
また、必要に応じて、これらに界面活性剤等の乳化剤を配合して、水で1.1〜100倍に希釈して使用するエマルション系油圧作動油などの含水系油圧作動油として使用することができる。なお、乳化剤の添加量は、特記しない限り、基油(ポリエーテル系油圧作動油またはポリエーテル系油圧作動油/炭化水素系油の混合物である油圧作動油)に対する添加量であり、%は質量%を表す。
【0026】
乳化剤としてはスルホン酸類(アルキルベンゼンスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等)のNa、K塩等、脂肪酸類(ラウリル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ひまし油脂肪酸等)のNa、K塩およびモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等、これらの脂肪酸とポリエチレングリコールとをエステル化したPEGエステル等および炭素数8〜24のアルコール(オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等)にエチレンオキサイド付加した非イオン性活性剤、ソルビタン脂肪酸エステルおよびこれらのエチレンオキサイドを付加した非イオン活性剤等が挙げられる。乳化剤の使用量は、通常30%以下である。
【0027】
本発明のポリエーテル系油圧作動油は、建設機械、工作機械、金属やプラスチックの加工機械、車両、船舶、航空機などの広い範囲で油圧機器、装置の作動などの動力伝達流体として用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
試験方法は以下の通りである。
(1)動粘度および粘度指数
JIS K 2283に従って測定した。
(2)相溶性
スピンドル油〔コスモ石油(株)製 SYCスピンドル油。以下同様とする。〕との相溶性を臨界温度を測定することにより評価した。
臨界温度は、0℃〜85℃において、実施例及び比較例の油圧作動油と上記炭化水素を質量比30/70の割合で試験管中で混合し、分離する温度を測定した。
(3)清浄性
アルミニウム製シャーレ(直径5cm)に、潤滑油0.5gを入れ、300℃で約30分間保持した。その後、シャーレ中の残存物の外観を目視にて観察した。高温清浄性の評価基準は以下の通りである。
○:炭化物等の残存物がほとんどない
△:炭化物が一部残存する
×:炭化物が多量に残存する
(4)潤滑性
振動摩擦摩耗試験器(SRV試験器)を用い、鋼球と平面の鋼円盤との点接触における摩擦係数及び鋼球上の摩耗痕径を観察することにより、評価した。
<潤滑性試験条件>
振動数:50Hz
振動幅:2mm
荷重:200N、300N、500N
時間:10分間
温度:30℃
摩擦係数:時間10分間の平均値
摩耗直径(mm):10mm鋼球(SUJ−2)
油膜切れ:摩擦係数(μ)の変動を観察した。
○:安定、△:やや変動、×変動大
なお、特記しない限り、文中の部は質量部を表す。
【0030】
実施例1
ガラス製オートクレーブにイソトリデカノール〔協和発酵工業社製;商品名「トリデカノール」。以下同様とする。〕200部(1.0モル)とテトラヒドロフラン(THF)468部(6.5モル)及びBF3・THFを7.9部を仕込み、耐圧滴下ロートからPO580部(10.0モル)を35〜50℃で10時間かけて滴下した。その後、50℃で5時間反応し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を4.8部添加した後、吸着処理剤〔協和化学工業社製;キョーワード600及びキョーワード1000。以下同様とする。〕で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水後、イソトリデカノールのTHF6.5モル/PO10.0モルランダム付加物1120部(a1)を得た。
【0031】
実施例2
ガラス製オートクレーブに2−エチルヘキシルアルコール130部(1.0モル)とTHF504部(7.0モル)及びBF3・THFを7.9部を仕込み、耐圧滴下ロートからPO580部(10.0モル)を35〜50℃で10時間かけて滴下した。その後、50℃で5時間反応し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を4.8部添加した後、吸着処理剤で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水後、2−エチルヘキシルアルコールのTHF7.0モル/PO10.0モルランダム付加物1100部(a2)を得た。
【0032】
実施例3
ガラス製オートクレーブにイソトリデカノール200部(1.0モル)とTHF504部(7.0モル)及びBF3・THFを7.9部を仕込み、耐圧滴下ロートからPO580部(10.0モル)を35〜50℃で10時間かけて滴下した。その後、50℃で5時間熟成し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を4.8部添加した後、吸着処理剤で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水した。得られたイソトリデカノールのTHF7.0モル/PO10.0モルランダム付加物1220部のうち、642部(0.5モル)とKOH2.27部をガラス製オートクレーブに仕込み、耐圧滴下ロートからPO116部(2.0モル)を105℃で5時間かけて滴下した。その後、130℃で5時間反応させ、冷却した。さらに吸着処理剤で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水後、イソトリデカノールのTHF7.0モル/PO10.0モルランダム・PO4.0モルブロック付加物689部(a3)を得た。
【0033】
実施例4
(a1)を30部とスピンドル油を70部を混合し、(a1)とスピンドル油の混合物100部(a4)を得た。
【0034】
実施例5
(a1)を30部とポリブテン〔日本石油化学社製 日石ポリブテンLV−25E〕を70部を混合し、(a1)とポリブテンの混合物100部(a5)を得た。
【0035】
比較例1
ガラス製オートクレーブにイソトリデカノール200部(1.0モル)とKOH3.3部を仕込み、耐圧滴下ロートからPO1102部(19.0モル)を105℃で33時間かけて滴下した。その後、130℃で10時間反応させ、冷却した。さらに、吸着処理剤で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水後、イソトリデカノールのPO19.0モル付加物1184部(b1)を得た。
【0036】
比較例2
ガラス製オートクレーブにn−ブタノール74部(1.0モル)とKOH1.1部を仕込み、耐圧滴下ロートからEO704.0部(16.0モル)とPO707.6部(12.2モル)の混合物を110℃で15時間かけて滴下した。その後、130℃で10時間反応させ、冷却した。冷却後、吸着処理剤で処理し、濾過し、30mmHg以下で減圧脱水後、n−ブタノールのEO16.0モル/PO12.2モルランダム付加物1340部(b2)を得た。
【0037】
比較例3
スピンドル油を比較例3の油圧作動油(b3)とした。
【0038】
比較例4
ポリブテン[日本石油化学社製;商品名「日石ポリブテンLV−25E」]を比較例4の油圧作動油(b4)とした。
【0039】
試験例
以下に該上記の実施例、比較例の油圧作動油a1〜a5およびb1〜b4の油圧作動油としての主な項目(数平均分子量、HLB、40℃における動粘度、100℃における動粘度、粘度指数、潤滑性を表す200N、300N、500Nの荷重下における摩擦係数、摩耗痕径および油膜切れ、炭化水素との相溶性を表す潤滑油が分離する臨界温度、高温清浄性)についての物性を表1及び2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003977644
【0041】
【表2】
Figure 0003977644
【0042】
【発明の効果】
本発明のポリエーテル系油圧作動油は鉱物油等の炭化水素との相溶性に優れ、潤滑性、粘度指数、高温清浄性に優れているため、油圧作動油として極めて好適である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表され、HLBが6.0以下、且つ数平均分子量が500〜30,000であるポリエーテル(E)及び炭化水素系基油を全体の5〜90質量%含有する油圧作動油。
    1−{(OCH2CH2CH2CH2)m(OA)n}−OH (1)
    [式中R1は炭素数〜24の分岐の脂肪族炭化水素基、Aは1,4−ブチレン基を除く炭素数2〜4のアルキレン基であり、mおよびnは(E)の数平均分子量が500〜30,000となる1以上の整数である。]
  2. 前記(OCH2CH2CH2CH2)の含量が(OCH2CH2CH2CH2)と(OA)の含有量の合計量の5〜45モル%である請求項1記載の油圧作動油。
  3. 前記(OCH2CH2CH2CH2)と(OA)の結合がランダム結合を含む請求項1または2記載の油圧作動油。
  4. さらに清浄分散剤、酸化防止剤、油性剤、乳化剤、極圧剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤からなる群から選ばれる一種以上の添加剤を含有する請求項1〜3のいずれか記載の油圧作動油。
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