JP2003034795A - 潤滑油用基油 - Google Patents

潤滑油用基油

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JP2003034795A
JP2003034795A JP2001221989A JP2001221989A JP2003034795A JP 2003034795 A JP2003034795 A JP 2003034795A JP 2001221989 A JP2001221989 A JP 2001221989A JP 2001221989 A JP2001221989 A JP 2001221989A JP 2003034795 A JP2003034795 A JP 2003034795A
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base oil
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lubricating oil
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Takeshi Okamoto
毅 岡本
Takakazu Imai
堯一 今井
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低動粘度、潤滑性、低温流動性、低蒸発性、
安全性に優れたエステル系潤滑油用基油を提供する。 【解決手段】 特定の化学構造を有し、40℃における
動粘度が10〜30mm 2/sであり、引火点が200
℃以上であるコハク酸ジエステル(A)からなる潤滑油
用基油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエステル系潤滑油用
基油に関する。さらに詳しくは、低動粘度、潤滑性、低
温流動性、低蒸発性、安全性に優れたエステル系潤滑油
用基油に関する。
【0002】
【従来の技術】グリース用基油、エンジン油用基油、作
動油用基油等に求められる性能には潤滑性、低温流動
性、低蒸発性、安全性等があり、特に省電力用のグリー
ス基油として用いられる場合には、上記性能に加えて低
い動粘度が求められる。従来、これらの基油としては鉱
物油や合成油(合成炭化水素、ポリエーテル、ジエステ
ル、カーボネート等)が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉱物
油、合成炭化水素は低温流動性、低蒸発性に劣り、特に
ポリエーテル、カーボネートは低蒸発性に劣る。またセ
バシン酸ジ−2−エチルヘキシルのような従来用いられ
ているエステルは低動粘度における潤滑性が不足してい
るという問題点がある。本発明は低動粘度、潤滑性、低
温流動性、低蒸発性、安全性に優れたエステル系潤滑油
用基油を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明は、下記一般式(1)で表され、40℃にお
ける動粘度が10〜30mm2/sであり、引火点が2
00℃以上であるコハク酸ジエステル(A)からなる潤
滑油用基油である。 一般式
【0005】
【化3】
【0006】[式中R1、R2は炭素数8〜18の分岐の
炭化水素基であり、同じでも異なっていてもよい。]
【0007】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)におけるR1
よびR2は炭素数8〜18の分岐の炭化水素基であり、
分岐の脂肪族炭化水素基が挙げられる。炭素数が8未満
であると潤滑性が悪くなり、18を超えると動粘度が高
くなる。炭化水素基が直鎖であると低温における流動性
が悪くなる。炭素数8〜18の分岐の脂肪族炭化水素基
としては、例えば、アルキル基(オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へプタデシル
基、オクタデシル基等);シス−若しくはトランス−の
不飽和炭化水素基(アルケニル基若しくはアルキニル
基、例えば、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、
ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テト
ラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、
ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル
基;オクチニル基、デシニル基等のアルキニル基等)等
の基であって、炭素数8〜18の分岐したものが挙げら
れる。分岐基の位置は特に限定はないが、これらの内で
好ましいものは、下記一般式(2)で表される2の位置
で分岐アルキル基を有する炭素数8〜18の分岐の脂肪
族炭化水素基である。
【0008】
【化4】
【0009】[式中R3、R4は炭素数2〜14の直鎖の
炭化水素基であり、且つ中R3、R4の炭素数の合計が6
〜16である。] また前記(A)がR1、R2が同じ又は異なる炭化水素基
であるコハク酸ジエステルの2種以上の混合物からなる
場合、前記一般式(1)のR1、R2の少なくとも1つが
上記一般式(2)で表される基を有するコハク酸ジエス
テルが混合物全体の65質量%以上存在することが潤滑
性の面において好ましく、73質量%以上存在すること
がさらに好ましい。R3、R4について好ましいのは炭素
数2〜10の直鎖の炭化水素基であって、且つR3、R4
の炭素数の合計が6〜14である。さらに好ましいのは
炭素数4〜8の直鎖の炭化水素基であって、且つR3
4の炭素数の合計が8〜12である。
【0010】本発明(A)の製造法としては、公知の製
造方法でよく、例えばコハク酸(a)もしくは無水コハ
ク酸(b)と炭素数8〜18の分岐アルコール(c)又
はその炭素数1〜3のアルキルエステル(d)を脱水す
るかエステル交換することによりエステル化して得るこ
とができる。
【0011】(c)としては、例えば炭素数8〜18の
分岐の脂肪族炭化水素基をもつアルコール(オクタノー
ル、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカ
ノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデ
カノール、へプタデカノール、オクタデカノール等);
シス−若しくはトランスの不飽和炭化水素基をもつアル
コール(アルケニル基若しくはアルキニル基をもつアル
コール、例えば、オクテニルアルコール、ノネニルアル
コール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコー
ル、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、
テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコー
ル、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコ
ール、オクタデセニルアルコール等のアルケニルアルコ
ール;オクチニルアルコール、ノネニルアルコール等の
アルキニルアルコール)などのアルコールであって、分
岐したものが挙げられる。分岐の位置は特に限定はない
が、好ましくは下記一般式(3)で表される2の位置で
分岐したアルキル基を有する炭素数8〜18の分岐の脂
肪族炭化水素基をもつアルコールである。
【0012】
【化5】
【0013】[式中R3、R4は炭素数2〜14の直鎖の
炭化水素基であり、R3、R4の炭素数の合計は6〜16
である。] さらに好ましいのは、R3、R4は炭素数2〜10の直鎖
の炭化水素基であって、且つR3、R4の炭素数の合計が
6〜14である。特に好ましいのは炭素数4〜8の直鎖
の炭化水素基であって、R3、R4の炭素数の合計が8〜
12である。
【0014】(d)としては(c)のメチル、エチル、
n−プロピル及びiso−プロピルエステルが挙げら
れ、好ましくはメチル又はエチルエステルであり、さら
に好ましくはメチルエステルである。製造条件の具体例
としては、例えば(a)を1モルに対して、(c)を好
ましくは1.5〜3モル、さらに好ましくは1.8〜
2.5モル、特に好ましくは2〜2.3モル及び触媒と
して酸性触媒、例えばパラトルエンスルホン酸1水和物
(反応物の0.1〜1質量%)と次亜リン酸(反応物の
0.05〜0.8質量%)を反応容器(ガラス製コルベ
ン等)に仕込み、反応温度は好ましくは40〜180
℃、さらに好ましくは80〜160℃で、脱水しながら
2〜20時間反応させ、全酸価(JIS K0070
3.1による。以下同様とする。)が仕込んだパラトル
エンスルホン酸1水和物および次亜リン酸に相当する値
まで下がるのが理想であるが、過剰のカルボン酸の量に
応じて反応を続けて、酸価が仕込んだ酸性触媒と次亜リ
ン酸に相当する値かその2倍程度に下がるまで反応して
から取り出し、吸着剤等を用いて触媒を除去した後、1
00〜200℃、減圧下で脱水する方法が挙げられる
が、この条件に拘束はされない。
【0015】このようにして得られる該(A)としては
例えば表1のものが挙げられる。
【0016】
【表1】
【0017】該(A)の40℃での動粘度(JIS K
2283に従って測定。以下同様とする。)は10〜
30mm2/sであり、好ましくは11〜25mm2
s、さらに好ましくは12〜22mm2/sである。4
0℃での動粘度が10mm2/s未満であると、潤滑性
が悪くなり、40℃での動粘度が30mm2/sを超え
ると、機械的負荷が大きくなる。該(A)の引火点(J
IS K 2265のクリーブランド開放式引火点試験
法による開放式引火点による。以下同様。)は200℃
以上であり、好ましくは210℃以上である。引火点が
200℃未満であると、潤滑油として使用する際、火災
の危険性が大きくなり、安全性が低下する。該(A)の
流動点(JIS K 2269による。以下同様とす
る。)は−40℃以下が好ましく、さらに好ましくは−
50℃以下である。流動点が−40℃以下であると、低
温においても使用可能となる意味で好ましい。
【0018】本発明の潤滑油用基油は該(A)からなる
が、(A)の単独であることが好ましい。さらに必要に
応じて鉱物油、合成炭化水素油、合成エステル油、エー
テル油等の炭化水素油を添加することができる。炭化水
素油としては溶剤精製油、パラフィン系鉱油、ナフテン
系鉱油、アルキル(炭素数10〜100)ベンゼン、ア
ルキル(炭素数10〜100)ナフタレン、ポリ−α−
オレフィン(炭素数2〜50)、ポリブテン〔重量平均
分子量(以下Mwとする)300〜3000〕、ポリイ
ソブテン(Mw300〜3000)、ポリアルキレン
(炭素数2〜4)グリコール、ポリオールエステル等が
挙げられる。これらの炭化水素系潤滑油の動粘度は、4
0℃において1〜1000mm2/sであることが好ま
しい。(A)と炭化水素油の配合割合は任意であるが、
好ましくは(A)/炭化水素系潤滑油の質量比が5/9
5〜100/0、特に20/80〜80/20である。
この範囲内であれば、混合基油は金属加工油用基油と炭
化水素の両方の特長を発揮することができる。
【0019】本発明の潤滑油用基油は、単独でも使用可
能であるが、必要により、酸化防止剤、油性剤、極圧
剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤
および流動点降下剤等の添加剤を加えて使用することが
できる。これらの添加剤は2種以上を併用してもよい。
【0020】酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止
剤〔例えば2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフ
ェノール、4,4−ブチリデンビス(6−tert−ブ
チルメタクレゾール)等〕;リン系酸化防止剤〔例えば
トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェニル)ホスファイト等〕;アミン系酸化防
止剤(例えばフェニル−α−ナフチルアミン、フェニル
−β−ナフチルアミン等);ジアルキル(炭素数1〜3
6)ジチオリン酸亜鉛;ジアリル(炭素数2〜36)ジ
チオリン酸亜鉛;有機硫化物;有機セレナイド等が挙げ
られる。使用する場合の添加量は、好ましくは基油の
0.01〜3質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%
である。なお、以下の添加剤の添加量は、特記しない限
り、基油〔(A)又は(A)と炭化油の混合物〕に対す
る添加量であり、%は質量%を表す。
【0021】油性剤としてはラードオイル等の油脂;炭
素数8〜36の長鎖脂肪酸(例えばオレイン酸、ステア
リン酸等);炭素数8〜36の高級アルコール(例えば
オレイルアルコール、ステアリルアルコール等);炭素
数8〜36のエステル(例えばステアリン酸ブチル
等);炭素数8〜36のアミン(例えばステアリルアミ
ン、オレイルアミン等)等が挙げられる。使用する場合
の添加量は、好ましくは0.05〜10%、特に好まし
くは0.1〜5%である。
【0022】極圧剤としては鉛石けん(ナフテン酸鉛
等);硫黄化合物(硫化脂肪酸エステル、硫化スパーム
油、硫化テルペン、ジベンジルダイサルファイド等);
塩素化合物(塩素化パラフィン、クロロナフサザンテー
ト等);リン化合物(トリクレジルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリクレジルホスファイト、n−
ブチルジ−n−オクチルホスフィネート、ジ−n−ブチ
ルジヘキシルホスホネート、ジ−n−ブチルフェニルホ
スホネート、ジブチルホスホロアミデート、アミンジブ
チルホスフェート等)等が挙げられる。使用する場合の
添加量は、好ましくは1〜10%、特に好ましくは3〜
7%である。
【0023】金属不活性化剤としては例えばベンゾトリ
アゾール、メルカプトベンゾチアゾール、N、N’−ジ
サリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、アリザリン
等が挙げられる。使用する場合の添加量は、好ましくは
0.01〜2%、特に好ましくは0.1〜1%である。
防錆剤としては例えばドデカン二酸塩、炭素数12〜2
2のアルケニルコハク酸塩;アルキル基の炭素数が8〜
18のアルキルリン酸エステル塩;(シクロ)アルキル
アミン(炭素数1〜36)もしくは複素環アミン(炭素
数4〜36)アルキレンオキシド(炭素数2〜4)(1
〜10モル)付加物〔例えばシクロヘキシルアミンエチ
レンオキシド(以下EO)2モル付加物、シクロヘキシ
ルアミンプロピレンオキシド(以下PO)2モル付加
物、モルホリンEO1モル付加物、モルホリンPO1モ
ル付加物等〕;石油スルホネート;アルキル(炭素数1
〜36)ナフタレンスルホン酸塩及びソルビタンエステ
ル(例えばソルビタンラウレート、ソルビタンステアレ
ート等)等が挙げられる。使用する場合の添加量は、好
ましくは0.05〜2%、特に好ましくは0.1〜1%
である。
【0024】消泡剤としてはポリオルガノシロキサン
(例えばポリジメチルシロキサン等)等が挙げられる。
使用する場合の添加量は、好ましくは1〜700pp
m、特に好ましくは2〜100ppmである。粘度指数
向上剤としてはMwが20,000〜1,500,00
0のポリアルキル(炭素数1〜18)メタクリレートや
ポリアルキル(炭素数1〜18)アクリレート;Mwが
5,000〜300,000のポリイソブチレン;Mw
が10,000〜300,000のポリアルキル(炭素
数8〜12)スチレン;オレフィン(炭素数2〜12)
共重合体[例えばエチレン−プロピレン(モル比5/9
5〜95/5)共重合体、スチレン−イソプレン(モル
比5/95〜95/5)共重合体の水添物等]等が挙げ
られる。使用する場合の添加量は、好ましくは1〜15
%、特に好ましくは2〜10%である。
【0025】流動点降下剤としてはポリアルキル(炭素
数6〜24)メタクリレート;ナフタレン−塩素化パラ
フィン縮合生成物;エチレン−ビニルアセテート(モル
比5/95〜95/5)共重合体;ポリアクリルアミ
ド;ビニルカルボキシレート(炭素数1〜36)−ジア
ルキル(炭素数1〜36)フマレート(モル比5/95
〜95/5)共重合体等が挙げられる。これらの流動点
降下剤のMwはいずれも1,000〜100,000で
ある。使用する場合の添加量は、好ましくは0.05〜
1%、特に好ましくは0.1〜0.5%である。
【0026】上記の添加剤の含有量の合計は、基油に対
して30%以下であることが好ましく、特に0.1〜2
0%が好ましい。また、上記の添加剤を使用する場合
は、2種以上を併用してもよく、混合装置、混合順、混
合方法は混合できれば特に限定しないが、好ましくは撹
拌装置のついた設備で、好ましくは0〜80℃で、好ま
しくは30分〜10時間撹拌しながら混合することで本
発明の基油を得ることができる。
【0027】基油の40℃での動粘度は好ましくは10
〜30mm2/sであり、さらに好ましくは11〜25
mm2/s、特に好ましくは12〜22mm2/sであ
る。40℃での動粘度が10mm2/s以上であると、
潤滑性が良好となり、40℃での動粘度が30mm2
s以下であると、機械的負荷が小さくなる。基油の引火
点は200℃以上が好ましく、特に好ましくは210℃
以上である。引火点が200℃以上であると、潤滑油と
して使用する際、火災の危険性が低くなり、安全性が高
まる。基油の流動点は−40℃以下が好ましく、さらに
好ましくは−50℃以下である。流動点が−40℃以下
であると、低温においても使用可能となる意味で好まし
い。
【0028】本発明品は例えばマシン油、電気絶縁油、
冷凍機油、作動油、コンプレッサー油、グリース用に基
油として用いることができるが、潤滑性に優れるだけで
なく、低い動粘度、低温流動性、低蒸発性、安全性に優
れることから、特にグリース用基油として好適に用いる
ことができる。
【0029】
【実施例】以下の実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。動粘度
はJIS K 2283に従って測定した。引火点はJ
IS K 2265のクリーブランド開放式引火点試験
法に従って測定した。流動点はJIS K 2269に
従って測定した。
【0030】蒸発性を評価するために、次のように蒸発
性試験を行った。直径60mmのガラス製シャーレに試
料を15g入れ、99℃の循風乾燥機中(空気下)に2
2時間放置後、取り出し、デシケーター中で室温まで放
冷し、試験前後の試料の質量を測定することにより蒸発
量求めた。蒸発量が小さい程低蒸発性が優れているとい
える。
【0031】潤滑性は振動摩擦摩耗試験機(オプチモー
ル社製 SRV試験器)を用い、鋼球と平面の鋼円盤と
の点接触(荷重200N、300N)における摩擦係数
及び鋼球上の摩耗痕径を観察することにより、評価し
た。試験条件を下記に示す。 <潤滑性試験条件> (1)振幅:2mm (2)振動数:50Hz (3)温度:30℃ (4)時間:10分間 (5)摩擦係数:時間10分間の平均 (6)油膜切れ:摩擦係数(μ)が立ち上がる状態を見
た。 ○:なし(μ安定)、△:あり(μやや変動)、×:あ
り(μ変動大) (7)摩耗痕:10mm鋼球(SUJ−2)の摩耗直径
(mm) なお、特記しない限り、文中の部は質量部を表す。
【0032】実施例1 ガラス製コルベンにコハク酸118.1部と2−ブチル
オクタノール377.8部、パラトルエンスルホン酸1
水和物1.5部及び次亜リン酸1.0部を仕込み、12
0〜160℃で反応生成水を脱水しながら10時間エス
テル化し、吸着処理剤〔協和化学工業社製キョーワード
1000及びキョーワード600。以下同様とする。〕
で処理し、濾過することによりパラトルエンスルホン酸
1水和物及び次亜リン酸を除去し、減圧脱水後、潤滑油
用基油(A1)440部を得た。
【0033】実施例2 ガラス製コルベンにコハク酸118.1部と2−ブチル
デカノール428部、パラトルエンスルホン酸1水和物
1.6部及び次亜リン酸1.1部を仕込み、120〜1
60℃で反応生成水を脱水しながら10時間エステル化
し、吸着処理剤で処理し、濾過することによりパラトル
エンスルホン酸1水和物及び次亜リン酸を除去し、減圧
脱水後、潤滑油用基油(A2)510部を得た。
【0034】実施例3 ガラス製コルベンにコハク酸118.1部と2−ブチル
オクタノール188.9部、2,4,6,8−テトラメ
チルノナノール200部、パラトルエンスルホン酸1水
和物1.5部及び次亜リン酸1.0部を仕込み、120
〜160℃で反応生成水を脱水しながら10時間エステ
ル化し、吸着処理剤で処理し、濾過することによりパラ
トルエンスルホン酸1水和物及び次亜リン酸を除去し、
減圧脱水後、潤滑油用基油(A3)460部(少なくと
も1つの2−ブチルオクチル基を含むエステルは74.
4質量%)を得た。
【0035】比較例1〜3 セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルを比較例1の基油
(B1)、ジ−2−ブチルオクタノールカーボネートを
比較例2の基油(B2)、ポリプロピレングリコールジ
メチルエーテル(Mw=640)を比較例3の基油(B
3)とした。これらの分子量(ただし比較例3は重量平
均分子量)、40℃での動粘度(mm2/s)、引火点
(℃)、流動点(℃)、蒸発量(質量%)および潤滑性
を表す200N、300Nの荷重下における摩擦係数及
び摩耗痕径を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】本発明の潤滑油用基油を用いた実施例1〜
3のいずれも、低動粘度、潤滑性、低温流動性、低蒸発
性、安全性(引火点が高い)に優れている。それに対し
て、比較例1は潤滑性が不十分である。また、比較例2
及び3は蒸発性が不十分である。
【0038】
【発明の効果】本発明のコハク酸ジエステルからなる潤
滑油用基油は、潤滑性、低い動粘度、低温流動性、低蒸
発性、安全性に優れるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:00 C10N 40:00 Z 40:08 40:08 40:16 40:16 40:30 40:30 50:10 50:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表され、40℃にお
    ける動粘度が10〜30mm2/sであり、引火点が2
    00℃以上であるコハク酸ジエステル(A)からなる潤
    滑油用基油。 一般式 【化1】 [式中R1、R2は炭素数8〜18の分岐の炭化水素基で
    あり、同じでも異なっていてもよい。]
  2. 【請求項2】 前記(A)の流動点が−40℃以下であ
    る請求項1記載の潤滑油用基油。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)のR1、R2の少なくと
    も1つが下記一般式(2)で表される基である請求項1
    又は2記載の潤滑油用基油。 【化2】 [式中R3、R4は炭素数2〜14の直鎖の炭化水素基で
    あり、且つ中R3、R4の炭素数の合計が6〜16であ
    る。]
  4. 【請求項4】 用途がグリース用である請求項1〜3の
    いずれか記載の潤滑油用基油。
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