JP2002322486A - 潤滑油用基油 - Google Patents

潤滑油用基油

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JP2002322486A
JP2002322486A JP2001131285A JP2001131285A JP2002322486A JP 2002322486 A JP2002322486 A JP 2002322486A JP 2001131285 A JP2001131285 A JP 2001131285A JP 2001131285 A JP2001131285 A JP 2001131285A JP 2002322486 A JP2002322486 A JP 2002322486A
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oil
carbon atoms
alcohol
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JP2001131285A
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Takeshi Okamoto
毅 岡本
Takakazu Imai
堯一 今井
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低動粘度、潤滑性、低温流動性、低蒸発性、
安全性に優れた含硫黄エステル系潤滑油用基油を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で表され、40℃にお
ける動粘度が10〜40mm2/sであり、引火点が2
00℃以上である含硫黄エステル(A)からなる潤滑油
用基油。 一般式 【化3】 [式中R1、R2は炭素数4〜18の炭化水素基、mは1
または2の整数であり、2つのmは同じでも異なってい
てもよい。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含硫黄エステル系潤
滑油用基油に関する。さらに詳しくは、潤滑性、低蒸発
性に優れた含硫黄エステル系潤滑油用基油に関する。
【0002】
【従来の技術】グリース用基油、エンジン油用基油、作
動油用基油としては、鉱物油や合成油(合成炭化水素、
ポリエーテル、ジエステル、カーボネート等)が用いら
れている。これらの基油に求められる性能には、潤滑
性、低温流動性、低蒸発性、安全性等があげられる。特
に省電力用のグリース基油等として用いられる場合に
は、上記性能に加えて低い動粘度が求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鉱物油、合成炭化水素
は低温流動性、低蒸発性に劣り、ポリエーテル、カーボ
ネートは低蒸発性に劣る。またジエステルは低動粘度に
おける潤滑性が不足している。本発明は低動粘度、潤滑
性、低温流動性、低蒸発性、安全性に優れた含硫黄エス
テル系潤滑油用基油を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明は、下記一般式(1)で表され、40℃にお
ける動粘度が10〜40mm2/sであり、引火点が2
00℃以上である含硫黄エステル(A)からなる潤滑油
用基油である。 一般式
【0005】
【化2】
【0006】[式中R1、R2は炭素数4〜18の炭化水
素基、mは1または2の整数であり、2つのmは同じで
も異なっていてもよい。]
【0007】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)におけるR1
よびR2は炭素数4〜18の炭化水素基であり、直鎖も
しくは分岐の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及び
脂環式炭化水素基が挙げられる。炭素数が4未満である
と潤滑性が悪くなり、18を超えると動粘度が高くな
る。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、例
えば、アルキル基(ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基
等);シス若しくはトランスの不飽和炭化水素基(アル
ケニル基若しくはアルキニル基、例えば、ブテニル基、
ペンテニル基、ヘキセニル基、ペプテニル基、ノネニル
基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリ
デセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘ
キサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基
等のアルケニル基;ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシ
ニル基、ヘプチニル基等のアルキニル基等)等が挙げら
れる。
【0008】芳香族炭化水素基としては炭素数6〜18
の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル基、アルキルア
リール基(2、3又は4−メチルフェニル基、3、4−
ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、
2、3又は4−エチルフェニル基、4−n−ブチルフェ
ニル基、4−オクチルフェニル基及び4−ノニルフェニ
ル基等)、アラルキル基(ベンジル基及びフェニルエチ
ル基等)、置換アラルキル基(2、4又は6−メチルベ
ンジル基、4−n−ブチルフェネチル基等)、モノスチ
リルフェニル基及びモノベンジルフェニル基等が挙げら
れる。
【0009】脂環式炭化水素基としては、炭素数4〜1
8の脂環式アルコールから水酸基を除いた残基が挙げら
れ、脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘキサンメチルなどが挙
げられる。
【0010】これらのうち好ましいのは、炭素数4〜1
8の分岐の脂肪族の炭化水素基、さらに好ましくは炭素
数6〜13の分岐の脂肪族炭化水素基、特に好ましくは
炭素数9〜12の分岐の炭化水素基である。R1および
2が分岐の炭化水素基であることは、低温流動性が良
好となるという意味で好ましい。前記一般式(1)にお
けるmは1または2であり、好ましくは2である。mが
2を超えると、動粘度が高くなる。
【0011】本発明(A)の製造法としては、公知の製
造方法でよく、含硫黄ジカルボン酸(a)及び炭素数4
〜18のアルコール(b)またはその炭素数1〜3のア
ルキルエステル(c)を脱水またはエステル交換により
エステル化して得ることができる。(a)としては、例
えばチオジ酢酸、3,3’−チオジプロピオン酸等が挙
げられ、好ましくは3,3’−チオジプロピオン酸であ
る。
【0012】(b)としては、例えば炭素数4〜18の
直鎖若しくは分岐の脂肪族炭化水素基をもつアルコール
(ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノ
ール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデ
カノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカ
ノール、ペンタデカノール、へプタデカノール、オクタ
デカノール等);シス若しくはトランスの不飽和炭化水
素基をもつアルコール(アルケニル基若しくはアルキニ
ル基をもつアルコール、例えば、ブテニルアルコール、
ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ペプテ
ニルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコ
ール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコー
ル、トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコー
ル、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコ
ール、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアル
コール等のアルケニルアルコール;ブチニルアルコー
ル、ペンチニルアルコール、ヘキシニルアルコール、ヘ
プチニルアルコール等のアルキニルアルコール等);炭
素数6〜18の芳香族炭化水素基をもつアルコール、例
えば、フェニル基、アルキルアリール基をもつアルコー
ル(2、3又は4−メチルフェノール、3、4−ジメチ
ルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2、3又
は4−エチルフェノール、4−n−ブチルフェノール、
4−オクチルフェノール及び4−ノニルフェノール
等);アラルキル基をもつアルコール(ベンジルアルコ
ール及びフェニルエチルアルコール等);置換アラルキ
ル基をもつアルコール(2、4又は6−メチルベンジル
アルコール、4−n−ブチルフェネチルアルコール
等);モノスチリルフェニルアルコール及びモノベンジ
ルフェニルアルコール等;炭素数4〜18の脂環式アル
コール、例えばシクロペンタノール、シクロヘキサンメ
タノール等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、
炭素数4〜18の分岐の脂肪族の炭化水素基をもつアル
コール、さらに好ましくは炭素数6〜13の分岐の脂肪
族炭化水素基をもつアルコール、特に好ましくは炭素数
9〜12の分岐の炭化水素基をもつアルコールである。
(b)が分岐の炭化水素基をもつアルコールであること
は、低温流動性が良好となるという意味で好ましい。
【0013】(c)としては(b)のメチル、エチル、
n−プロピルおよびiso−プロピルエステルが挙げら
れ、好ましくはメチルまたはエチルエステルであり、さ
らに好ましくはメチルエステルである。
【0014】製造条件の具体例としては、例えば(a)
を1モルに対して、(b)を好ましくは1.5〜3モ
ル、さらに好ましくは1.8〜2.5モル、特に好まし
くは2〜2.3モル及び触媒として酸性触媒[例えばパ
ラトルエンスルホン酸1水和物(反応物の0.1〜1質
量%)と次亜リン酸(反応物の0.05〜0.8質量
%)]を反応容器(ガラス製コルベン)に仕込み、反応
温度は好ましくは40〜180℃、さらに好ましくは8
0〜160℃で、脱水しながら2〜20時間反応させ、
全酸価(JIS K0070 3.1による。以下同様
とする。)が仕込んだパラトルエンスルホン酸1水和物
及び次亜リン酸に相当する値まで下がるのが理想である
が、過剰のカルボン酸の量に応じて反応を続けて酸価を
下げてから取り出し、吸着剤等を用いて触媒を除去した
後、100〜200℃、減圧下で脱水する方法等が挙げ
られるが、この条件に拘束はされない。
【0015】このようにして得られる該(A)としては
例えば表1のものが挙げられる。
【0016】
【表1】
【0017】該(A)の40℃での動粘度(JIS K
2283に従って測定。以下同様とする。)は10〜
40mm2/sであり、好ましくは11〜33mm2
s、さらに好ましくは12〜25mm2/sである。4
0℃での動粘度が10mm2/s未満であると、潤滑性
が悪くなり、40℃での動粘度が40mm2/sを超え
ると、機械的負荷が大きくなる。該(A)の引火点(J
IS K 2265のクリーブランド開放式引火点試験
法による開放式引火点による。以下同様。)は200℃
以上が好ましく、特に好ましくは210℃以上である。
引火点が200℃以上であると、潤滑油として使用する
際、火災の危険性が低くなり、安全性が高まる。該
(A)の流動点(JIS K 2269による。以下同
様とする。)は−40℃以下が好ましく、さらに好まし
くは−50℃以下である。流動点が−40℃以下である
と、低温においても使用可能となる意味で好ましい。
【0018】本発明の潤滑油用基油は該(A)からなる
が、(A)の単独であることが好ましい。また、さらに
必要に応じて鉱物油、合成炭化水素油、合成エステル
油、エーテル油等の炭化水素油を添加することができ
る。炭化水素油としては溶剤精製油、パラフィン系鉱
油、ナフテン系鉱油、アルキル(炭素数10〜100)
ベンゼン、アルキル(炭素数10〜100)ナフタレ
ン、ポリ−α−オレフィン(炭素数2〜50)、ポリブ
テン〔重量平均分子量(以下Mwとする)300〜30
00〕、ポリイソブテン(Mw300〜3000)、ポ
リアルキレン(炭素数2〜4)グリコール、ポリオール
エステル等が挙げられる。これらの炭化水素系潤滑油の
動粘度は、40℃において1〜1000mm2/sであ
ることが好ましい。(A)と炭化水素油の配合割合は任
意であるが、好ましくは(A)/炭化水素系潤滑油の質
量比が5/95〜100/0、特に20/80〜80/
20である。この範囲内であれば、混合基油は金属加工
油用基油と炭化水素の両方の特長を発揮することができ
る。
【0019】本発明の潤滑油用基油は、単独でも使用可
能であるが、必要により、酸化防止剤、油性剤、極圧
剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、粘度指数向上剤
および流動点降下剤などの添加剤を加えて使用すること
ができる。これらの添加剤は2種以上を併用してもよ
い。
【0020】酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止
剤〔例えば2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフ
ェノール、4,4−ブチリデンビス(6−tert−ブ
チルメタクレゾール)等〕;アミン系酸化防止剤(例え
ばフェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフ
チルアミン等);ジアルキル(炭素数1〜36)ジチオ
リン酸亜鉛;ジアリル(炭素数2〜36)ジチオリン酸
亜鉛;有機硫化物;有機セレナイド等が挙げられる。使
用する場合の添加量は、好ましくは基油の0.01〜2
質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%である。な
お、以下の添加剤の添加量は、特記しない限り、基油
〔(A)または(A)と炭化油の混合物〕に対する添加
量であり、%は質量%を表す。
【0021】油性剤としてはラードオイル等の油脂;炭
素数8〜36の長鎖脂肪酸(例えばオレイン酸、ステア
リン酸等);炭素数8〜36の高級アルコール(例えば
オレイルアルコール、ステアリルアルコール等);炭素
数8〜36のエステル(例えばステアリン酸ブチル
等);炭素数8〜36のアミン(例えばステアリルアミ
ン、オレイルアミン等)等が挙げられる。使用する場合
の添加量は、好ましくは0.05〜10%、特に好まし
くは0.1〜5%である。
【0022】極圧剤としては鉛石けん(ナフテン酸鉛
等);硫黄化合物(硫化脂肪酸エステル、硫化スパーム
油、硫化テルペン、ジベンジルダイサルファイド等);
塩素化合物(塩素化パラフィン、クロロナフサザンテー
ト等);リン化合物(トリクレジルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリクレジルホスファイト、n−
ブチルジ−n−オクチルホスフィネート、ジ−n−ブチ
ルジヘキシルホスホネート、ジ−n−ブチルフェニルホ
スホネート、ジブチルホスホロアミデート、アミンジブ
チルホスフェート等)等が挙げられる。使用する場合の
添加量は、好ましくは1〜10%、特に好ましくは3〜
7%である。
【0023】金属不活性化剤としては例えばベンゾトリ
アゾール、メルカプトベンゾチアゾール、N、N’−ジ
サリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、アリザリン
等が挙げられる。使用する場合の添加量は、好ましくは
0.01〜2%、特に好ましくは0.1〜1%である。
防錆剤としては例えばドデカン二酸塩、炭素数12〜2
2のアルケニルコハク酸塩;アルキル基の炭素数が8〜
18のアルキルリン酸エステル塩;(シクロ)アルキル
アミン(炭素数1〜36)もしくは複素環アミン(炭素
数4〜36)アルキレンオキシド(炭素数2〜4)(1
〜10モル)付加物〔例えばシクロヘキシルアミンエチ
レンオキシド(以下EO)2モル付加物、シクロヘキシ
ルアミンプロピレンオキシド(以下PO)2モル付加
物、モルホリンEO1モル付加物、モルホリンPO1モ
ル付加物等〕;石油スルホネート;アルキル(炭素数1
〜36)ナフタレンスルホン酸塩及びソルビタンエステ
ル(例えばソルビタンラウレート、ソルビタンステアレ
ート等)等が挙げられる。使用する場合の添加量は、好
ましくは0.05〜2%、特に好ましくは0.1〜1%
である。
【0024】消泡剤としてはポリオルガノシロキサン
(例えばポリジメチルシロキサン等)等が挙げられる。
使用する場合の添加量は、好ましくは1〜700pp
m、特に好ましくは2〜100ppmである。粘度指数
向上剤としてはMwが20,000〜1,500,00
0のポリアルキル(炭素数1〜18)メタクリレートや
ポリアルキル(炭素数1〜18)アクリレート;Mwが
5,000〜300,000のポリイソブチレン;Mw
が10,000〜300,000のポリアルキル(炭素
数8〜12)スチレン;オレフィン(炭素数2〜12)
共重合体[例えばエチレン−プロピレン(モル比5/9
5〜95/5)共重合体、スチレン−イソプレン(モル
比5/95〜95/5)共重合体の水添物等]等が挙げ
られる。使用する場合の添加量は、好ましくは1〜15
%、特に好ましくは2〜10%である。
【0025】流動点降下剤としてはポリアルキル(炭素
数6〜24)メタクリレート;ナフタレン−塩素化パラ
フィン縮合生成物;エチレン−ビニルアセテート(モル
比5/95〜95/5)共重合体;ポリアクリルアミ
ド;ビニルカルボキシレート(炭素数1〜36)−ジア
ルキル(炭素数1〜36)フマレート(モル比5/95
〜95/5)共重合体等が挙げられる。これらの流動点
降下剤のMwはいずれも1,000〜100,000で
ある。使用する場合の添加量は、好ましくは0.05〜
1%、特に好ましくは0.1〜0.5%である。
【0026】上記の添加剤の含有量の合計は、基油に対
して30%以下であることが好ましく、特に0.1〜2
0%が好ましい。また、上記の添加剤を使用する場合
は、2種以上を併用してもよく、混合装置、混合順、混
合方法は混合できれば特に限定はないが、好ましくは攪
拌装置のついた設備で、好ましくは0〜80℃で、好ま
しくは30分〜10時間撹拌しながら混合することで本
発明の基油を得ることができる。
【0027】基油の40℃での動粘度は10〜40mm
2/sであり、好ましくは11〜33mm2/s、さら
に好ましくは12〜25mm2/sである。40℃での
動粘度が10mm2/s未満であると、潤滑性が悪くな
り、 40℃での動粘度が40mm2/sを超えると、
機械的負荷が大きくなる。基油の引火点は200℃以上
が好ましく、特に好ましくは210℃以上である。引火
点が200℃以上であると、潤滑油として使用する際、
火災の危険性が低くなり、安全性が高まる。基油の流動
点は−40℃以下が好ましく、さらに好ましくは−50
℃以下である。流動点が−40℃以下であると、低温に
おいても使用可能となる意味で好ましい。
【0028】本発明品は例えばマシン油、電気絶縁油、
冷凍機油、作動油、コンプレッサー油、グリース用に基
油として用いることができるが、潤滑性に優れるだけで
なく、低い動粘度、低温流動性、低蒸発性、安全性に優
れることから、特にグリース用基油として好適に用いる
ことができる。
【0029】
【実施例】以下の実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。動粘度
はJIS K 2283に従って測定した。引火点はJ
IS K 2265のクリーブランド開放式引火点試験
法に従って測定した。流動点はJIS K 2269に
従って測定した。
【0030】蒸発性を評価するために、次のように蒸発
性試験を行った。直径60mmのガラス製シャーレに試
料を15g入れ、99℃の循風乾燥機中(空気下)に2
2時間放置後、取り出し、デシケーター中で室温まで放
冷し、試験前後の試料の質量を測定することにより蒸発
量求めた。蒸発量が小さいほど低蒸発性が優れていると
いえる。
【0031】潤滑性は振動摩擦摩耗試験機(オプチモー
ル社製 SRV試験器)を用い、鋼球と平面の鋼円盤と
の点接触(荷重200N、300N)における摩擦係数
及び鋼球上の摩耗痕径を観察することにより、評価し
た。試験条件を下記に示す。 <潤滑性試験条件> (1)振幅:2mm (2)振動数:50Hz (3)温度:30℃ (4)時間:10分間 (5)摩擦係数:時間10分間の平均 (6)油膜切れ:摩擦係数(μ)が立ち上がる状態を見
た。 ○:なし(μ安定)、△:あり(μやや変動)、×:あ
り(μ変動大) (7)摩耗痕:10mm鋼球(SUJ−2)の摩耗直径
(mm) なお、特記しない限り、文中の部は質量部を表す。
【0032】実施例1 ガラス製コルベンに3,3’−チオジプロピオン酸17
8.2部と2,4,6−トリメチルヘプタノール31
6.6部、パラトルエンスルホン酸1水和物1.5部及
び次亜リン酸1.0部を仕込み、120〜160℃で反
応生成水を脱水しながら10時間エステル化し、吸着処
理剤〔協和化学工業社製;キョーワード1000及びキ
ョーワード600:以下同様とする〕で処理し、濾過す
ることによりパラトルエンスルホン酸1水和物及び次亜
リン酸を除去し、減圧脱水後、含硫黄エステルからなる
潤滑油用基油(A1)450部を得た。
【0033】実施例2 ガラス製コルベンに3,3’−チオジプロピオン酸17
8.2部と2,4,6,8−テトラメチルノナノール4
00部、パラトルエンスルホン酸1水和物1.7部及び
次亜リン酸1.2部を仕込み、120〜160℃で反応
生成水を脱水しながら10時間エステル化し、吸着処理
剤で処理し、濾過することによりパラトルエンスルホン
酸1水和物及び次亜リン酸を除去し、減圧脱水後、含硫
黄エステルからなる潤滑油用基油(A2)540部を得
た。
【0034】実施例3 ガラス製コルベンに3,3’−チオジプロピオン酸17
8.2部と3,5,5−トリメチルヘキサノール290
部、パラトルエンスルホン酸1水和物1.4部及び次亜
リン酸0.9部を仕込み、120〜160℃で反応生成
水を脱水しながら10時間エステル化し、吸着処理剤で
処理し、濾過することによりパラトルエンスルホン酸1
水和物及び次亜リン酸を除去し、減圧脱水後、含硫黄エ
ステルからなる潤滑油用基油(A3)430部を得た。
【0035】実施例4 ガラス製コルベンに3,3’−チオジプロピオン酸17
8.2部と2−ブチルオクタノール377.8部、パラ
トルエンスルホン酸1水和物1.6部及び次亜リン酸
1.1部を仕込み、120〜160℃で反応生成水を脱
水しながら10時間エステル化し、吸着処理剤で処理
し、濾過することによりパラトルエンスルホン酸1水和
物及び次亜リン酸を除去し、減圧脱水後、含硫黄エステ
ルからなる潤滑油用基油(A4)515部を得た。
【0036】比較例1〜3 セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルを比較例1の基油
(B1)、ジ−2−ブチルオクタノールカーボネートを
比較例2の基油(B2)、ポリプロピレングリコールジ
メチルエーテル(Mw=640)を比較例3の基油(B
3)とした。これらの分子量(ただし比較例3は重量平
均分子量)、40℃での動粘度(mm2/s)、引火点
(℃)、流動点(℃)、蒸発量(質量%)および潤滑性
を表す200N、300Nの荷重下における摩擦係数及
び摩耗痕径を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の含硫黄エステルからなる潤滑油
用基油は、蒸発性および潤滑性に優れているため、潤滑
性、低い動粘度、低温流動性、低蒸発性、安全性に優れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:08 C10N 30:08 50:10 50:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表され、40℃にお
    ける動粘度が10〜40mm2/sであり、引火点が2
    00℃以上である含硫黄エステル(A)からなる潤滑油
    用基油。 一般式 【化1】 [式中R1、R2は炭素数4〜18の炭化水素基、mは1
    または2の整数であり、2つのmは同じでも異なってい
    てもよい。]
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)においてm=2である
    請求項1記載の潤滑油用基油。
  3. 【請求項3】 前記(A)の流動点が−40℃以下であ
    る請求項1または2記載の潤滑油用基油。
  4. 【請求項4】 用途がグリース用である請求項1〜3の
    いずれか記載の潤滑油用基油。
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