JP2005225159A - インクジェット記録用塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非水系インクを使用するインクジェットプリンターやプロッターで印字した際のインク吸収性が良く、白紙光沢度の高いインクジェット記録用塗工紙を提供する。
【解決手段】 シート状紙基材の少なくとも一面上に、顔料及び接着剤を主成分として含む塗被層を有している塗工紙において、前記塗被層中にインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含むことを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。該塗工紙は、上記塗被層形成後にカレンダー処理によってJIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上となっていることが望ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 シート状紙基材の少なくとも一面上に、顔料及び接着剤を主成分として含む塗被層を有している塗工紙において、前記塗被層中にインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含むことを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。該塗工紙は、上記塗被層形成後にカレンダー処理によってJIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上となっていることが望ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用塗工紙及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、非水系インクを使用するインクジェットプリンターやプロッターで印字した際のインク吸収性が良く、白紙光沢度の高いインクジェット記録用塗工紙を提供するものである。
近年、パーソナルコンピューターで作成した画像情報等を記録紙に表示する手段として、熱や圧力を駆動源としてノズルより溶液状のインクを記録紙上に吐出させ、インクにより画像を形成して印刷を行うインクジェット記録方式等が使用されている。特に、多色インクジェット記録方式では、近年、インク滴の制御とインクの開発、及び受容層の性能向上に伴い銀塩写真並みの画像を得られるまでに進歩している。
インクジェット記録方式で使用されるインクとしては、水系(水性)や非水系(油性)の溶媒中に染料を溶解、又は顔料を分散させて使用している。特に、インクジェット記録装置のインクヘッドメインテナンス性に優れていることから、主として使用されているものに水系染料インクがある。このような水系染料インクを使用して印字した場合、発色性、解像力等優れた高画質の印字物を得ることができる。しかし、水系染料インクは水溶性であるために記録画像の耐水性が悪いし、染料であるために耐オゾン性が弱く、また、耐候性に劣り、長期間で記録画像の褪色、消失等の問題が有る。
特許文献1には、記録画像の耐水性、耐候性に優れ、インクジェット記録装置のヘッド目詰まりが起きない非極性の絶縁性溶媒、すなわち、非水系溶媒を用いたインクを使用している例が記載されており、該非水系インクは紙種によらず印字が可能であると記載されている。しかし、一般のインクジェット記録用塗工紙は水系インクに対応しているものがほとんどであるため、非水系インクをした場合、印字はできるものの、インクの吸収性が遅く、乾燥性、画質の点で満足のいくものではなかった。また、特に光沢度の高いインクジェット記録用塗工紙を使用する場合は、インク吸収性が極めて遅いため、満足のいく印字物を得ることは不可能であった。
特許文献2には、紙基材の填料として高吸油性顔料を使用した非塗工紙すなわち上質紙を、非水系インクを使用するインクジェット記録用紙とすることが開示されている。しかしながら、この記録用紙は塗被層が設けられていないために光沢度が低いものとなっている。
特許文献3には、紙基体上に有機顔料を含む被覆層(下層)を設け、熱カレンダー処理を施した後、その上に無機超微粒子を含むインク吸収層(上層)を設けた2層構造のインクジェット記録用紙が開示されている。しかしながら、このようにして作製されたインクジェット記録用紙は75°光沢度とインク吸収性を両立することが難しい。例えば、光沢度を50%以上にしようとするとインク吸収が悪化し、逆にインク吸収性を良くしようとすると、光沢度は50%以下になってしまう。また、製造法についても、下層を設けた後、熱カレンダー処理し、さらに上層を設けることは非常に煩雑である。
特開平5−331397号公報(請求項1項及び2項)
特開2002−274023号公報(請求項1項)
特開2002−059637号公報(請求項1項〜10項)
本発明の目的は、白紙光沢度が高く、非水性インクの吸収性の良いインクジェット記録用塗工紙及びその製造方法を適用することをにある。
本発明は、以下の態様を含む。
(1)シート状紙基材の少なくとも一面上に、顔料及び接着剤を主成分として含む塗被層を有している塗工紙において、前記塗被層中にインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含むことを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(2)前記塗被層中に含まれるロジン及び/又はロジン誘導体は、顔料100質量部(固形分)に対し1〜100質量部(固形分)、好ましくは5〜70質量部(固形分)の配合量であることを特徴とする(1)項記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(3)前記塗被層中における接着剤は、顔料100質量部(固型分)に対して、2〜50質量部(固型分)の範囲内の配合量であることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(4)顔料の主成分がカオリンである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(5)前記塗被層の塗工量は、3〜30g/m2であり、好ましくは5〜25g/m2であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(5)前記塗被層の塗工量は、3〜30g/m2であり、好ましくは5〜25g/m2であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(6)前記シート状紙基材は、化学パルプ、機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ及び非木材パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、必要に応じて有機合成繊維、再生繊維、ポリノジック繊維及び無機質繊維から選ばれる少なくとも1種を混用して抄造されていることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(7)前記パルプは、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプであることを特徴とする(6)項記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(8)前記塗被層は、表面のJIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上、好ましくは60%以上であることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
(9)シート状紙基材に、顔料、接着剤及びインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含有する塗被層を形成し、JIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上となるようにカレンダー処理することを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙の製造方法。
本発明のインクジェット記録用塗工紙は、非水性インクの吸収性が良く、かつ白紙光沢度の高いインクジェット記録用塗工紙であり、非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙として実用上極めて有用である。
以下に、本発明のインクジェット記録用塗工紙、及びその製造方法について、詳しく説明する。
本発明の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙は、インク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を塗被層に含むことを特徴としている。使用されるロジンは天然樹脂であり、樹木の松から得られる琥珀色の液状粘性樹脂として知られており、その主成分は、アビエチン酸(3つの環構造、共役二重結合、カルボキシル基を有する)とその異性体の混合物である。このようなロジンは、松脂であるため疎水性が高く、非水性インクに使用されている溶媒成分との馴染みが良く、非水性インク吸収性が向上することが判明した。また、加圧処理されると樹脂が押し潰され、光沢度が増すことも判明した。
ロジンの主成分であるアビエチン酸は、共役二重結合やカルボキシル基を有していて反応性があるため、二量化やポリマー化、水素添加や脱水素化、さらには各種ヒドロキシル基含有化合物とのエステル化等によってもロジン誘導体を合成することが可能であり、これらのロジン誘導体も本発明の非水性インクを使用するインクジェット記録用塗工紙の塗被層に使用することができる。
本発明の非水性インクを使用するインクジェット記録用塗工紙において、塗被層中に含まれるロジン及び/又はロジン誘導体の配合量は、顔料100質量部(固形分)に対し1〜100質量部(固形分)であり、特に5〜70質量部(固形分)であることが好適である。配合量が1質量部より少ない場合は、インク吸収性能が発揮されず、100質量部より多い場合は、インク吸収性能はより発揮されるが、塗被層の表面強度が著しく低下して、塗被層が脱落する恐れがある。
本発明の非水性インクを使用するインクジェット記録用塗工紙は、光沢度を向上させるためにカレンダー処理を施すことが望ましい。通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置がオンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。カレンダロールの表面温度は15℃以上であり、好ましくは25℃以上である。
塗被層中に含まれる顔料としては、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙の製造分野で公知公用の各種顔料を1種もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。中でもカオリン、非晶質シリカ、合成非晶質シリカ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメントが好ましい。特に、カオリンはインク吸収性と光沢性が共に優れるので好ましい。
塗被層中の接着剤(バインダー)成分としては、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
塗被層中における接着剤の配合量は、顔料100質量部(固型分)に対して、2〜50質量部(固型分)の範囲内にあることが好ましい。この配合割合が2質量部未満では、塗被層の塗膜強度が不十分になり、製本や折り加工の時に塗被層が脱落することがある。一方、配合量が50質量部を越えると、塗被層のインク吸収性が著しく低下し、インクニジミ防止性が不十分になることがある。
この塗被層中には、これらの顔料及び接着剤の他に、各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の少なくとも1種が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
本発明の非水性インクを使用するインクジェット記録用塗工紙において、塗被層の塗工量は、3〜30g/m2であり、好ましくは5〜25g/m2である。塗工量が3g/m2未満では、得られる塗被層のインクの吸収性が十分になることがある。一方、30g/m2を越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなどの操業性が低下し、製造原価も高くなる。
塗被層には、インクジェット記録方式による非水性インクの定着性を高める為に、インクのイオン性に応じてカチオン性、又は、アニオン性の物質を含有させて塗被層とインクの結合力を高めることができる。カチオン性物質としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン反応物、ポリエチレンイミン−アクリルアミド付加物、ポリエチレンイミン−アクリロニトリル付加物、ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂などのカチオン性ポリマ−が好適に使用される。
また、アニオン性物質としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸などの水不溶性金属塩、スチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩などのアニオン性ポリマ−、アニオン変性PVA、カルボキシメチルセルロース等が使用されるが、中でもアニオン性ポリマ−が好適に使用される。
本発明のインクジェット記録用塗工紙において、そのシート状紙基材を構成するパルプについて、その製法及び種類等に特に限定はない。例えば、KPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP及びCTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、並びにケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプであってもよく、また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、再生繊維、例えば、ポリノジック繊維並びにガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。なお、シート状紙基材に用いるパルプとしては、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることが好ましい。
また、シート状紙基材中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、通常の上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子及び貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なお、シート状紙基材の抄造時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
シート状紙基材の抄紙方法については特に限定はなく、例えば、抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
塗被層を形成するための塗被方法としては、従来の一般的な塗被装置、例えば、ブレードコータ、エヤーナイフコータ、スプレーコーター、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ及びツーロール、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、リップコータ及びゲートロールコータ等の装置を適宜に用いることができる。
塗被層はシート状紙基材の両面に形成してもよく、1以上の複数層として形成してもよい。多層構造の塗被層は、最外面塗被層とシート状紙基材との間に必要により1層あるいは2層以上の中間塗被層を設けたものである。なお、両面塗工や多層構造にする場合、各々の塗被液が同一又は同一塗工量である必要はなく、所要の品質レベルに応じて適宜調整して配合すればよい。また、シート状紙基材の片面に塗被層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、又は顔料と接着剤等からなる塗被層、又は帯電防止層等を設けることにより、カール防止、印刷適性付与、及び/又は給排紙適性等を付与することも可能である。さらに、シート状紙基材の裏面に種々の加工、例えば、粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加することも勿論可能である。
本発明のインクジェット記録用塗工紙は、シート状紙基材上に塗被層を設けた後、通常の乾燥工程及び表面処理工程等により平滑化処理される。また、塗被層の水分含有量を好ましくは3〜10%に、より好ましくは4〜8%程度に調整して仕上げられる。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、勿論、それらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断わらない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を表す。
実施例1
〔シート状紙基材の作製〕
LBKP〔フリーネス(CSF)=450ml,Ze−E−P−Dの4段シーケンスで製造した塩素フリーパルプ〕100部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル琥珀酸無水物(商標;ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05部、定着剤としてカチオン化澱粉(商標;CatoF、王子ナショナル社製)0.7部、並びに硫酸バンド0.5部を添加し、さらに填料として、炭酸カルシウム10部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH7、固形分濃度0.8%の紙料を調製した。
この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、酸化澱粉(商標;エースA、日本NSC社製)を濃度6%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/m2 となるように塗布し、乾燥し、さらにマシンカレンダを用いてベック平滑度が50秒になるように平滑化処理を施して、坪量が127g/m2 のシート状紙基材を作製した。
〔シート状紙基材の作製〕
LBKP〔フリーネス(CSF)=450ml,Ze−E−P−Dの4段シーケンスで製造した塩素フリーパルプ〕100部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル琥珀酸無水物(商標;ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05部、定着剤としてカチオン化澱粉(商標;CatoF、王子ナショナル社製)0.7部、並びに硫酸バンド0.5部を添加し、さらに填料として、炭酸カルシウム10部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH7、固形分濃度0.8%の紙料を調製した。
この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、酸化澱粉(商標;エースA、日本NSC社製)を濃度6%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/m2 となるように塗布し、乾燥し、さらにマシンカレンダを用いてベック平滑度が50秒になるように平滑化処理を施して、坪量が127g/m2 のシート状紙基材を作製した。
〔塗被液の調製〕
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
〔シート状紙基材への塗被層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基材の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が10g/m2 になるように塗被、乾燥し、その後、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して坪量が137g/m2のインクジェット記録用塗工紙を得た
得られた塗被液を、前記シート状紙基材の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が10g/m2 になるように塗被、乾燥し、その後、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して坪量が137g/m2のインクジェット記録用塗工紙を得た
〔光沢度の測定〕
JIS−Z8742により、インクジェット記録用塗工紙の光沢度を入射角と受光角が75度の条件で測定した。測定器は、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM−26Dを用いた。以上の測定結果を表1に示した。
JIS−Z8742により、インクジェット記録用塗工紙の光沢度を入射角と受光角が75度の条件で測定した。測定器は、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM−26Dを用いた。以上の測定結果を表1に示した。
〔インクジェット記録評価〕
(a)インクジェット印字:インクジェットファクシミリ機 (シャープ社製、「彩遊記」、非水系顔料インク)を用いて、単色、多色それぞれのべた印字パターンで印字を行なった。
(b)インク吸収性−1:印字後、2色(シアン、イエロー)のインクが重なったグリーン部を直ちに定規などのヘラ状物でこすり、インクの尾引きの長さを測定した。インク尾引きが15mm以下であればインク吸収性が良好、さらに10mm以下であれば特に良好であると判断し、評価結果を表1に示した。
(d)インク吸収性−2:印字後、3色(マゼンタ、イエロー、シアン)のインクが重なったプロセスブラック部に直ちに白紙の上質紙を重ね合わせて、裏移りをとりマクベス濃度計RD−914、ブラックフィルターで評価した。マクベス濃度が0.70以下であればインク吸収性が良好、さらに0.50以下であれば特に良好であると判断し、評価結果を表1に示した。
(a)インクジェット印字:インクジェットファクシミリ機 (シャープ社製、「彩遊記」、非水系顔料インク)を用いて、単色、多色それぞれのべた印字パターンで印字を行なった。
(b)インク吸収性−1:印字後、2色(シアン、イエロー)のインクが重なったグリーン部を直ちに定規などのヘラ状物でこすり、インクの尾引きの長さを測定した。インク尾引きが15mm以下であればインク吸収性が良好、さらに10mm以下であれば特に良好であると判断し、評価結果を表1に示した。
(d)インク吸収性−2:印字後、3色(マゼンタ、イエロー、シアン)のインクが重なったプロセスブラック部に直ちに白紙の上質紙を重ね合わせて、裏移りをとりマクベス濃度計RD−914、ブラックフィルターで評価した。マクベス濃度が0.70以下であればインク吸収性が良好、さらに0.50以下であれば特に良好であると判断し、評価結果を表1に示した。
実施例2
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
〔塗被液の調整〕
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体としてロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE730−55」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体としてロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE730−55」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
実施例3
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
〔塗被液の調整〕
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)80部、合成非晶質シリカ(トクヤマ社製:商品名「ファインシール−X30」)20部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)30部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)80部、合成非晶質シリカ(トクヤマ社製:商品名「ファインシール−X30」)20部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)30部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
実施例4
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液の調整を下記に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状基材を作製し、インクジェット記録用塗工紙を得、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
〔塗被液の調整〕
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)80部、有機微粒子(三井化学社製:商品名「グロスデール−110M」)20部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)30部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
顔料としてカオリン(ENGELHARD社製:商品名「ANSHILEX93」)80部、有機微粒子(三井化学社製:商品名「グロスデール−110M」)20部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「PVA−117」)20部、及びロジン誘導体として重合ロジンエステルエマルジョン(荒川化学社製:商品名「スーパーエステルE865」)30部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度25%の塗被液を調製した。
比較例1
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作成し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作成し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
比較例2
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作製し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作製し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
比較例3
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作製し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
塗被液中のロジン誘導体を配合しない以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を作製し、評価を行なった。評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、本発明のロジン又は/及びロジン誘導体を配合した塗工紙は、非水性インクの吸収性が良く、かつ白紙光沢度の高いインクジェット記録用塗工紙を提供するものであり、実用上極めて有用である。
Claims (9)
- シート状紙基材の少なくとも一面上に、顔料及び接着剤を主成分として含む塗被層を有している塗工紙において、前記塗被層中にインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含むことを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記塗被層中に含まれるロジン及び/又はロジン誘導体は、顔料100質量部(固形分)に対し1〜100質量部(固形分)の配合量であることを特徴とする請求項1記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記塗被層中における接着剤は、顔料100質量部(固型分)に対して、2〜50質量部(固型分)の配合量であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 顔料の主成分がカオリンである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記塗被層の塗工量は、3〜30g/m2であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記シート状紙基材は、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ及び非木材パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプを使用して抄造されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記パルプは、塩素フリーパルプであることを特徴とする請求項6記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- 前記塗被層は、表面のJIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙。
- パルプ繊維を含有するシート状紙基材に、顔料、接着剤及びインク吸収助剤としてロジン及び/又はロジン誘導体を含有する塗被層を形成し、その後、JIS−Z8742による75度の白紙光沢度が50%以上となるようにカレンダー処理することを特徴とする非水系インクを使用するインクジェット記録用塗工紙の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004037950A JP2005225159A (ja) | 2004-02-16 | 2004-02-16 | インクジェット記録用塗工紙及びその製造方法 |
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2004
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