JP2005224173A - フカヒレの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1)製造工程におけるフカヒレ同士の付着に由来するフカヒレ表面組織の損傷を防止し、並びに、2)フカヒレ加工工程における水戻し及び加熱工程によるフカヒレの成分流出に起因する歩留まりの低下及び呈味質・食感の低下を防止することを目的とする。
【解決手段】 未乾燥の皮むきしたフカヒレに対してトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥して水戻しを行い、さらに加熱処理を行う。
【選択図】 なし

Description

本発明はフカヒレの加工方法に関する。
フカヒレは各種サメ類の胸ビレ、背ビレ、尾ビレを乾燥したもので、美味な為に、中華料理には欠かせない食材である。鰭の基部から先端に向かって分布するエラストイジンを主成分とする筋糸が食材として用いられている。フカヒレの処理法は、特公平6―22438、特開平8−298964、特開2000−32957等に述べられているように、下記の9段階の工程を主に経る。
(第1工程)上切り・肉削ぎ:サメ本体から切り取られた鰭部を食用部分(フカヒレ1)と非食用部分に分離する。(第2工程)皮むき・骨抜き:前記食用部分(フカヒレ1)を湯漬してフカヒレ内部表面のコラーゲンを溶解させた後、鰭部の砂皮部分を剥離し、骨部を除去する(フカヒレ2)。(第3工程)選別:大きさや品質により適宜選別を行う(フカヒレ3)。(第4工程)乾燥:フカヒレ3を天日乾燥、送風乾燥機等を用いて乾燥する(フカヒレ4)。乾燥工程は、形状改善、色調改善、食感改善、歩留まり改善に効果があるといわれている。(第5工程)水戻し・膨潤・脱臭:フカヒレ4を水に浸漬し、膨潤させた後、何度も浸漬に用いる水を交換し、臭気のもととなるアンモニアを除去する(フカヒレ5)。(第6工程)異物除去:フカヒレ5よりフカヒレ以外の異物を除去する(フカヒレ6)。(第7工程)真空包装:フカヒレ6を真空包装する(フカヒレ7)。(第8工程)加熱又は加圧加熱:フカヒレ7を加熱又は加圧加熱、即ち、レトルト処理する(フカヒレ8)。加熱又は加圧加熱処理は基本的には殺菌又は滅菌が主目的である。(第9工程)冷却・検品:フカヒレ8を冷却・検品し、最終製品とする。一般的なフカヒレ(レトルト品)の製造工程を表1に示した。
Figure 2005224173
通常は上記第8工程にあるように、微生物の滅菌を目的として、加熱処理された後に流通に置かれる。尚、製品の中には加熱後に再乾燥させて流通させているものもある。
しかしながら、加熱や再乾燥処理を行うとフカヒレ組織の損傷及び軟弱化が起こって食感的に好ましくない。さらに、水戻し処理及び加熱処理により、フカヒレの成分であるゼラチン質や呈味成分等が流出して重量歩留まりの低下や呈味、食感の低下が問題となっている。
特許第3042196号にはフカヒレの加工方法が示されている。当該特許では、上記第4工程のフカヒレ4に相当する天日乾燥したフカヒレに、第5工程の水戻し時においてトランスグルタミナーゼを作用させた後、第6から第9工程を実施するものである。その効果としては、煮沸加熱に起因する成分の溶出を防止し、ひいてはフカヒレの品質改善を行うことができるとしている。この方法は天日乾燥して流通しているフカヒレに関しては微生物を滅菌するという点では効果的な方法である。
一方、フカヒレの実際の工業的製造工程では、通常、上記第4工程を経た後、第5工程の水戻し工程、第6工程の異物除去及び第7工程の包装工程において、すのこやトレー等の容器にフカヒレ個体を重ねた状態で仮置きすることが多々あるが、その際に個体同士が付着することが知られている。また、上記の一般的な製造工程に加えて、水戻しの効率を高める為に水戻し工程の直前に蒸気処理工程を導入することがあるが、蒸気処理後では、さらに顕著に個体同士の付着が観察される。この場合、付着したフカヒレ同士を離す手間がかかるのはもちろんのこと、付着したフカヒレを離す際にその付着力によりフカヒレ表面組織が損傷し、商品価値が著しく低下することも多々ある。また、特許第3042196号を実際に追試してみた結果、この課題に対して充分な解決には至っておらず、更なる改善が望まれることが判明した。
また、酵素を用いるフカヒレ関連の技術としては、特開平4−126052号、特開昭和48−26950、特開平2−171160号があるが、先の2件はいずれもフカヒレをプロテアーゼで処理する技術に関するものであり、本発明とは何ら関係のあるものではない。また、後の1件に関しては、ゼラチンあるいはコラーゲン組成物をトランスグルタミナーゼで処理してゲル化させることによりフカヒレ類似食品を製造する技術であり、天然のフカヒレそのものの加工方法に関しては一切述べられていない。
特公平6―22438号公報 特開平8−298964号公報 特開2000−32957号公報 特許第3042196号公報 特開平4−126052号 特開昭和48−26950 特開平2−171160号 特公平1-50382号公報 特開平1-27471号公報 特開平1-300899号公報 特開平1-27471号公報 平成3年度日本水産学会秋季大会講演要旨集第180頁
本発明の課題とするところは、工業的生産時に、一旦乾燥後、水戻し・膨潤・脱臭及び異物除去の工程中の、フカヒレ個体を重ねて置く仮置きに起因するフカヒレ同士の付着を防止し、作業性を向上させると共にフカヒレ表面組織の損傷を防止することである。また、同時にフカヒレ処理工程における水戻し及び加熱工程によるフカヒレの成分流出に起因する歩留まりの低下及び呈味質・食感の低下を防止することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記製造工程の(2)あるいは(3)の工程を経た、皮を剥いた未乾燥の生のフカヒレ(フカヒレ2あるいはフカヒレ3)に対してトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥、水戻し、加熱工程を施すことで上記課題が解決可能であることを見出した。即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)未乾燥の皮むきしたフカヒレに対してトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥して水戻しを行い、さらに加熱処理することを特徴とするフカヒレの加工方法。
(2)加熱処理が加圧加熱処理であることを特徴とする(1)記載のフカヒレの加工方法。
(3)未乾燥の皮むきしたフカヒレをトランスグルタミナーゼ溶液に浸漬させることにより、トランスグルタミナーゼを作用させることを特徴とする(1)記載のフカヒレの加工方法。
(4)トランスグルタミナーゼ溶液が、水溶液100g当たり、トランスグルタミナーゼを0.1〜500ユニット含むものである(3)記載のフカヒレの加工方法。
本発明の効果として、1)フカヒレ同士の付着を抑制することにより作業性が改善されること、2)付着に由来するフカヒレの損傷を防止できること、3)重量歩留まりの低下を抑制できること、4)好ましい食感・呈味性を付与することができることが挙げられる。 これらは、トランスグルタミナーゼの作用によりフカヒレ中のゼラチン質、特に表面のゼラチン質が架橋反応により効率的に高分子化されるためと推定される。
フカヒレは、周知のように、例えばヨシキリザメ、モウカザメ、コトザメなどサメ類の背ビレ、胸ビレおよび尾ビレから製造される。本発明の効果を得るためには、背景技術で述べた9段階の工程のうち、皮を剥いた未乾燥のフカヒレ(表1におけるフカヒレ2あるいはフカヒレ3)に対してトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥、水戻し、加熱工程を施す必要がある。上記フカヒレにトランスグルタミナーゼを作用させるには、例えばトランスグルタミナーゼの水溶液に浸漬してもよいし、又は、トランスグルタミナーゼを含有する水溶液を噴霧してもよい。上記のようにして、浸漬処理でも、噴霧処理でも効果が生じるが、浸漬処理がより好ましい。
背景技術の項で述べたとおり、特許第3042196号にフカヒレの重量歩留まりの低下、食感・呈味性の低下を防止することを目的として、乾燥したフカヒレ(フカヒレ4)を第5工程で水戻しする際にトランスグルタミナーゼを加えることが記載されている。特許3042196号記載の発明は優れた発明であるが、フカヒレ同士の付着に伴う作業性の改善をより効果的に行うためには、本発明で述べた方法により皮を剥いた未乾燥の素剥き生フカヒレ(フカヒレ2)あるいは選別後の皮を剥いた未乾燥の素剥き生フカヒレ(フカヒレ3)に対してトランスグルタミナーゼを作用させた方がよい。
トランスグルタミナーゼの水溶液のpHは5〜9程度とするのがトランスグルタミナーゼの活性の発現上好ましい。勿論、上記pH範囲に限定される訳ではないが、上記pH範囲が好ましい。本発明で用いるトランスグルタミナーゼ水溶液の濃度は、トランスグルタミナーゼの作用が発現される濃度であればよい。具体的には、水溶液100g当たり、溶質であるトランスグルタミナーゼを0.1〜500ユニット(以下ユニットはUと略する)、好ましくは5〜100U含有させる。水溶液100g当たり、0.1U以下だと所望の効果が発現せず、一方、500U以上では濃度の増大に伴う効果の増大がみられないからである。トランスグルタミナーゼの水溶液は、その活性を阻害するものでなければ、例えば、食塩や重合リン酸塩などの物質を溶解していてもよいことは言うまでもない。
トランスグルタミナーゼを作用させる温度は、通常10〜70℃程度、とりわけ25〜60℃が好ましい。トランスグルタミナーゼを作用させる時間は、本発明の効果の発現される時間であればよく、通常、30分〜24時間程度反応させればよい。48時間以上になると水溶液中のトランスグルタミナーゼの活性が低下するために好ましくない。
また、トランスグルタミナーゼの溶液に素剥きのフカヒレを浸漬処理する場合には、フカヒレと水溶液の比が1:4〜1:10程度にするとよい。勿論、この範囲以外でも効果が生じるが、この範囲でより優れた効果が得られるからである。
本発明に用いられるトランスグルタミナーゼは、哺乳動物由来のもの(特公平1-50382 参照)、魚類由来のもの(平成3年度日本水産学会秋季大会講演要旨集第180 頁参照)、植物由来のもの、微生物由来のもの(特開平1-27471 参照)、遺伝子組換えによるもの(特開平1-300899 参照)、等が知られているが、その由来を問わず使用できる。
なお、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義されている。すなわち、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、活性を算出する(特開平1-27471号公開特許公報参照)。
さて、上記のようにしてトランスグルタミナーゼを作用させたフカヒレは乾燥、水戻しを行い加熱する。乾燥、水戻しおよび加熱の方法は特別の制限はなく、いずれも従来公知の方法によることができる。ただし、加熱は基本的には殺菌又は滅菌を目的とするものであるから、一般的には当該効果の発現される範囲で行われる。通常の加熱でも良いが、加圧加熱、即ち、レトルト処理を行ってもよい。
また、加熱処理時には調味料及び/又はその他の素材、例えば野菜などの植物性素材や肉類の動物性素材等の具材を含む液体に浸漬した状態で加熱を行うことで、味風味の付与や調理も行うことができることは言うまでもない。
上記のようにしてトランスグルタミナーゼを作用させたフカヒレは、加熱後に再乾燥してもよいし、乾燥することなく流通におくことのできることはもちろんである。
以下、実施例、比較例によって本発明を更に詳しく説明する。もちろん、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。また、実施に際し使用したトランスグルタミナーゼは味の素株式会社製の酵素製剤「アクティバ」TG−K(比活性100ユニット/g)を用いた。
本実施例1では、素剥き生フカヒレに対するトランスグルタミナーゼの効果について、比較例に照らして述べる。
比較品1は以下のように調製した。市水50リットルに未乾燥の素剥きしたフカヒレ10.0kg(表1のフカヒレ2に相当)を浸漬し、15〜18℃で約18時間保持した。浸漬液を切って軽く水洗いした後、重ならないように専用の網に並べて送風乾燥機を用いて25℃で約2週間程乾燥を行った。その後、水戻し効率を高める為に、レトルト釜にスノコを敷き、原料を並べ、蒸気を用いて100〜105℃で20分加熱し、蒸気をとめて50℃以下まで冷却した。その際、スノコの表面積の制限により、スノコ1枚あたりに載せられたフカヒレのうち、2割が必然的に重なる状態にあった。ここで付着したフカヒレの数を数え、付着率の計算に用いた。
次に、市水50リットルを用いて15〜18℃で約18時間保持して水戻しを行い、さらに水を換えて、同じ条件で2回水戻しを行った。浸漬液を切って軽く水洗いした後、フカヒレ同士が重ならないようにトレーに仮置きし、透明レトルトパウチに1枚(約40g)ずつ真空包装し、110℃、25分のレトルト加熱を行いレトルト製品とした。
付着の現象は、水戻し直前の蒸気処理後、水戻し後の仮置き、真空包装前の仮置き等、複数の工程で発生する可能性があるが、今回は付着が最も顕著に現れる工程、すなわち、蒸気処理工程後での付着率を明確に算出することを目的として、蒸気処理工程以外の工程ではフカヒレ同士が重ならないようにした。
次に、本発明品1は以下のように調製した。微生物由来のトランスグルタミナーゼを含む味の素(株)製酵素製剤「アクティバ」TG−Kを1.0%の濃度で含む水溶液50リットル(水溶液100g当たり、トランスグルタミナーゼを100U含有する)に未乾燥かつ未加熱の素剥き生フカヒレ10.0kg(表1のフカヒレ2に相当)を浸漬し、15〜18℃で約18時間保持した。
浸漬液を切って軽く水洗いした後、重ならないように専用の網に並べて送風乾燥機を用いて25℃で約2週間程乾燥を行った。その後、比較品1と同様にして水戻し、真空包装、レトルト処理を行いレトルト製品とした。
比較品1及び発明品1に関して、レトルト製品の重量歩留まり測定結果、食感及び呈味性の評価結果、作業性の評価結果を第2表に示す。尚、表2中の本発明品1の重量歩留まり、付着率、損傷率は比較品1の重量歩留まり、付着率、損傷率を、それぞれ100として評価した値である。また、食感および呈味性については、製品を下記に示す加熱調理を行って調製したものを官能評価品として用いて評価を行った。
Figure 2005224173
加熱調理の方法を以下に述べる。レトルト加熱後、冷却したフカヒレを取り出し、フカヒレ1枚(約40g)に対し、丸鶏ガラスープの2%溶液、生姜一片、長ネギ1/3本、酒少々と共に器に移し、蒸し器を用いて中火で20分蒸煮した後、流水にさらして冷却し、軽くすすいだ。次に、蒸しあげたフカヒレに2%丸鶏ガラスープと少量の醤油及び食塩を加えて塩味を調整し、さらに片栗粉でとろみをつけてそのまま弱火で5分加熱した。このようにして調製した官能評価用サンプルを訓練されたパネル5名により評価した。作業性に関しては熟練した作業従事者がフカヒレの状態を目視及び触覚により評価した。
作業性については、比較品1では大部分でフカヒレ同士の付着が観察された。そのため、付着したフカヒレ同士を離すという手間が発生して作業効率が低下し、さらに一部のフカヒレでは付着したフカヒレ同士を離す際に付着力が強すぎることにより、フカヒレ表面が剥がれて損傷する等、作業性、商品価値の両者において問題が観察された。一方、表2に示されるように、本発明品1のフカヒレでは個体同士の付着は比較品1と比べて著しく少なく(本発明品1の付着率:19%)、作業性が非常に良好であり、フカヒレの損傷は大幅に改善された(本発明品1の損傷率:30%)。
レトルト製品の重量歩留まりに関しては、本発明品1では比較品1に比べ約10%の増加が観察された。また、レトルト品の官能評価結果については、本発明品1では比較品1に比較してプリン感(プリプリした食感)があり、しなやかで、コク味がより強く感じられ、非常に好ましいものであった。
比較品2は以下のように調製した。重ならないように専用の網に並べ、送風乾燥機を用いて25℃で2週間乾燥を行った素剥き生フカヒレ1kg(表1のフカヒレ4に相当)に対し、水戻し効率を高める為に実施例1と同様に蒸気処理を行い、冷却後に付着したフカヒレの割合を算出した。続いて、市水50リットルを用いて15〜18℃で18時間保持して水戻しを行った。さらに、水を換えて、同じ条件で2回水戻しを行った。浸漬液を切って軽く水洗いした後、実施例1と同様に真空包装、レトルト処理を行いレトルト製品とした。本実施例2においても、実施例1と同様に付着が最も顕著に現れる工程、すなわち、水戻し前の蒸気処理工程での付着率を算出することを目的として、蒸気処理工程以外の工程ではフカヒレ同士が重ならないようにした。
比較品3は以下のように調製した。比較品2と同様に、送風乾燥機を用いて25℃で2週間程乾燥を行った素剥き生フカヒレ1kg(表1のフカヒレ4に相当)に対し、比較品2と同様の蒸気処理を行った後、比較品2の水戻し条件に従って水戻しを2回行い、3回目の水戻しの際に市水の代わりに、味の素株製トランスグルタミナーゼ製剤「アクティバ」TG−Kを1.0%の濃度で含む水溶液50リットル(水溶液100g当たり、トランスグルタミナーゼを100U含有)を用いて、15〜18℃で18時間保持して水戻しを行った。浸漬液を切って軽く水洗いした後、比較品2と同様にして真空包装、レトルト処理を行いレトルト製品とした。
本発明品2は以下のように調製した。未乾燥の素剥き生フカヒレ4kg(表1のフカヒレ2に相当)を「アクティバ」TG−Kを1.0%の濃度で含む水溶液50リットル(水溶液100g当たり、トランスグルタミナーゼを100U含有)に浸漬し、15〜18℃で18時間保持した。浸漬液を切って軽く水洗いした後、比較品2と同様の状態にて送風乾燥機を用いて25℃で2週間程乾燥を行った。その後、比較品2と同様にして蒸気処理、水戻し、真空包装、レトルト処理を行いレトルト製品とした。
作業性、レトルト製品の重量歩留まり、食感及び呈味性を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を第3表に示す。なお、官能評価のサンプルは実施例1と同様にして調製した。
Figure 2005224173
蒸気処理後のフカヒレ取り扱いに関する作業性については、特許第3042196号に従って調製した比較品3においてもフカヒレ表面の損傷自体は減少したが、本発明品2の付着率(21%)は比較品3の約半分まで改善され、比較品3に比べ更に優位な効果を示すことが確認された。
また、重量歩留まり及び官能評価結果についても、比較品3では比較品2に比べて食感・呈味性等の品質が発明品2と同等程度に改善されることが確認されたものの、重量歩留まり及び作業性については発明品2に比較して効果が劣ることが確認された。尚、表3中の比較品3及び本発明品2の付着率、損傷率、重量歩留まりは、比較品2の付着率、損傷率、重量歩留まりをそれぞれ100%として評価した値である。
従って、トランスグルタミナーゼ処理を行う工程は、乾燥状態のフカヒレに対して水戻しと同時に行うよりも、乾燥前のフカヒレに対して処理を行ったほうが作業性改善及び重量歩留まり改善ついてはより高い効果を得られるといえる。
本発明は未乾燥の皮むきしたフカヒレにトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥して水戻しを行い、加熱することを特徴とするフカヒレの加工法に関する。本発明に記載の方法を用いれば、製造工程の大きな変更を伴うことなく、作業性を改善し、ひいては損傷品を少なくし、フカヒレ資源を有効に活用できるとともに、歩留まり低下の改善、食感・呈味性の改善も行うことができる。フカヒレが高価なることを考慮すると、本発明の意義は非常に大きいと考えられる。

Claims (4)

  1. 未乾燥の皮むきしたフカヒレに対してトランスグルタミナーゼを作用させた後、乾燥して水戻しを行い、さらに加熱処理することを特徴とするフカヒレの加工方法。
  2. 加熱処理が加圧加熱処理であることを特徴とする請求項1記載のフカヒレの加工方法。
  3. 未乾燥の皮むきしたフカヒレをトランスグルタミナーゼ溶液に浸漬させることにより、トランスグルタミナーゼを作用させることを特徴とする請求項1記載のフカヒレの加工方法。
  4. トランスグルタミナーゼ溶液が、水溶液100g当たり、トランスグルタミナーゼを0.1〜500ユニット含むものである請求項3記載のフカヒレの加工方法。
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