JP2005224070A - インバータ制御装置およびインバータ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1シャント方式のインバータ制御装置において多相の三角波キャリアを用いる場合に、検出したモータ電流のA/D変換を高精度に行えるようにする。
【解決手段】位相のずれた各相の三角波キャリアCu,Cv,Cwと各相の電圧指令値とに基づいてPWM信号を生成し、各相のPWM信号の立上り時点でそれぞれ割込信号INT3U〜INT4Wを発生させる。これらの各割込信号INT3U〜INT4Wのタイミングにおいて、シャントで検出した各相のモータ電流のA/D変換を開始する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、3相交流モータのPWM(Pulse Width Modulation)制御などに用いられるインバータ制御装置およびインバータ制御方法に関するものである。
図10は、PWM制御による一般的な3相交流モータの制御装置を示している。図において、Bはバッテリで、このバッテリBからコンタクタZおよびインバータ回路100を介して、モータMへ電源が供給される。モータMは、例えばフォークリフトに搭載される3相インダクションモータ(誘導電動機)である。コンタクタZは、電磁接触器の接点から構成される。また、図において、Cは電源ライン間に接続されたコンデンサ、STはモータMに流れる電流を検出するためのシャントである。シャントSTは抵抗から構成される。PGはモータMの回転数を検出するためのパルス発生器であって、モータMの回転軸に設けられた公知のロータリエンコーダから構成される。
インバータ回路100は、バッテリBの直流電源を交流電源に変換してモータMを駆動するための回路であって、U相上、U相下、V相上、V相下、W相上、W相下の6個の半導体スイッチング素子Q1〜Q6から構成される公知の回路である。半導体スイッチング素子としては、たとえばMOS型FET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などの高速スイッチング動作が可能な素子が用いられ、それぞれの素子には、ダイオードが並列接続される。各半導体スイッチング素子Q1〜Q6のゲートには、制御部101からのPWM信号が入力される。このPWM信号によって、各半導体スイッチング素子Q1〜Q6は所定のオン時間、オフ時間で開閉動作を行ない、その結果、インバータ回路100の出力は3相交流として取り出され、U相電圧、V相電圧、W相電圧がモータMに供給される。
制御部101は、CPU、メモリ、A/D変換器、キャリア発生回路、PWM回路などを備えている。制御部101には、例えばフォークリフトのレバー操作に基づくモータ速度等の指示値、パルス発生器PGから出力されるパルス、シャントSTで検出された電流値、バッテリBの電圧値などが入力される。制御部101では、これらの入力値に基づいてモータMの制御に必要なPWM信号を生成し、インバータ回路100へ出力する。以上のようなPWM制御を用いたモータ制御装置は、例えば後記の特許文献1に記載されている。
図11は、制御部101に設けられているPWM信号生成部の構成を示した図である。200はキャリアCaを発生するキャリア発生部、207はキャリアCaとU相指令電圧の値とを比較する比較器、208はキャリアCaとV相指令電圧の値とを比較する比較器、209はキャリアCaとW相指令電圧の値とを比較する比較器、210は比較器207〜209の出力に基づいてPWM信号を生成するPWM回路である。PWM回路210からは、図10のインバータ回路100におけるU相上、U相下、V相上、V相下、W相上、W相下の各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートへ与えられるパルスがPWM信号として出力される。
図12は、PWM信号を生成する原理を説明する図である。図のように、キャリアCaは一定の周波数を持った三角波であって、各相の指令電圧値とキャリアCaの振幅とが比較器207〜209で比較される。そして、キャリアCaの振幅が指令電圧値以上である区間では、比較器207〜209の出力は「H」となり、キャリアCaの振幅が指令電圧値未満である区間では、比較器207〜209の出力は「L」となる。したがって、比較器207〜209からは、指令電圧値の変化に従ってパルス幅が変化する信号が得られる。この信号はPWM回路210へ入力され、PWM回路210は、比較器207〜209の出力に基づいて、図12のような各相上下のスイッチング素子Q1〜Q6を駆動するための6種類のPWM信号を生成する。図12からわかるように、キャリアCaの振幅が各相の指令電圧値以上である区間では、各相の上段のスイッチング素子がオンとなり、下段のスイッチング素子はオフとなる。一方、キャリアCaの振幅が指令電圧値未満である区間では、各相の下段のスイッチング素子がオンとなり、上段のスイッチング素子はオフとなる。
ここで、各相における上下一対のスイッチング素子の一方がオンするタイミングと、他方がオフするタイミングとが同時になると、上下のスイッチング素子が短絡回路を形成して大電流が流れ、素子が破壊するおそれがある。そこで、実際には、PWM回路210において、上下一対のスイッチング素子の一方のオンタイミングと他方のオフタイミングとの間に一定の時間差(デッドタイム)を持たせる処理が行われる。
しかしながら、上記のような単一のキャリアCaを用いてPWM信号を生成する方式では、モータ電圧が0V付近の場合、すなわち各相のPWM信号のパルスデューティ比が50:50近傍である場合に、図13に示したように、各相のデッドタイムTdの区間が全て同じ位置で重なってしまい、この区間ではインバータ回路100が不動作状態となって、出力されるはずのモータ電圧が出力されないという問題が生じる。
そこで、この問題を解消するために、図14に示すように、各相ごとに独立したキャリアを用い、キャリア間の位相を120°ずつ異ならせて、各相の指令電圧値を対応する相のキャリアと比較することによりPWM信号を得る方式が、後記の特許文献2で提案されている。この場合は、図16に示すように、U相、V相、W相の各相ごとにキャリア発生部201〜203を設けて、U相キャリアCu、V相キャリアCv、W相キャリアCwを発生させる。これによれば、図15に示したように、各相のPWM信号のパルスデューティ比が50:50近傍の場合であっても、キャリアの位相ずれに応じて、各相のデッドタイムTdの区間が重ならなくなるので、モータ電圧が0V付近の場合も、インバータ回路100が動作して所定の電圧を得ることができる。
特開2003−164190号公報(段落0019〜0020、図1) 特開2002−27763号公報(段落0050〜0065、図13)
図10に示したのは、モータMに流れる電流を1個のシャントSTにより検出する1シャント方式のインバータ制御装置である。このようなインバータ制御装置にあっては、シャントSTで検出されたモータ電流に基づいてモータMに対するフィードバック制御が行われるため、シャントSTで検出した各相の電流を精度良くA/D変換することが、モータMを高精度に制御する上で要求される。そして、そのためには、三角波キャリアの1周期の区間で、各相の電流値のデータをできるだけ多く採取することが必要となる。しかしながら、従来の単一の三角波キャリアを用いる方式では、キャリアの1周期で得られるデータ量が制約され、A/D変換の精度向上には限界がある。また、特許文献2のような多相の三角波キャリアを用いる方式においても、どのタイミングでA/D変換を行うかによって、キャリアの1周期で得られるデータ量が少なくなる場合がある。しかるに、特許文献2にはこの問題と解決手段について開示がない。
そこで本発明は、1シャント方式のインバータ制御装置において多相の三角波キャリアを用いる場合に、検出したモータ電流のA/D変換を高精度に行えるようにすることを目的としている。
本発明に係るインバータ制御装置は、多相交流モータの各相に対応させて設けられた1対のスイッチング素子の直列体が並列に接続され、各直列体におけるスイッチング素子同士の接続点からモータを駆動するための各相電圧がそれぞれ取り出されるインバータ回路と、このインバータ回路と直列に設けられ、モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、各相の指令値に基づくPWM信号を出力してインバータ回路の各スイッチング素子のオン・オフ動作を制御する制御部とを備えたインバータ制御装置であって、制御部は、電流検出手段が検出したモータ電流をA/D変換するA/D変換器と、このA/D変換器の動作を制御する制御手段と、各相に対応した三角波キャリアを各相間で所定の位相差を設けて発生させるキャリア発生部と、このキャリア発生部から出力される各相の三角波キャリアと各相の指令値との比較に基づいて、各スイッチング素子ごとのPWM信号を生成する信号生成手段とを備えている。そして、信号生成手段は、PWM信号の、各スイッチング素子のオン・オフを切り替える時点で、制御手段に対する割込信号を生成し、制御手段は、各割込信号に基づいて、A/D変換器にA/D変換を開始させる。
本発明においては、位相のずれた多相の三角波キャリアに基づいてPWM信号を生成し、かつ、各相のPWM信号のオン・オフの切り替え時点でそれぞれ割込信号を発生させ、これらの割込信号に基づいてA/D変換を開始するので、三角波キャリアの1周期区間で得られる電流値のデータ量を増やすことができる。これは、各三角波キャリアの位相がずれていること、および各割込信号がPWM信号のオン・オフの切り替え時点で発生することに伴い、ある割込信号の発生から次の割込信号の発生までの期間、すなわちA/D変換を実行する期間を長くとることができるためである。この結果、三角波キャリアの1周期区間で各相のモータ電流値のデータを多く採取することが可能となり、A/D変換の精度が向上して、モータを高精度に制御することができる。また、A/D変換には一定の時間を要するため、少なくともこの間は確実にモータ電流が電流検出手段で検出されている必要がある。そこで、信号生成手段が、各スイッチング素子がオフからオンとなるPWM信号のそれぞれの立上り時点で、制御手段に対する割込信号を生成するようにすると、モータ電流が流れ始めた後、直ぐにA/D変換器にA/D変換を開始させることができるようになり、A/D変換の確実性を高めることができる。なお、割込信号の間隔が短いと1つのA/D変換器だけでは対処できず複数のA/D変換器が必要となるが、本発明では割込信号の間隔を長くとれるため、1個のA/D変換器だけでも対応が可能となる。
本発明の実施形態では、1つの割込信号が生成されてから次の割込信号が生成されるまでの時間を求め、この時間が一定値以上であるときに、当該時間にA/D変換されたモータ電流の値を有効とし、前記時間が一定値未満であるときに、当該時間にA/D変換されたモータ電流の値を無効とする。割込信号の間隔が短かすぎると、その間のA/D変換で得られたデータ値は信頼性が低い。そこで、上記時間が一定値以上の場合にのみA/D変換の値を有効とすることで、データの信頼性を高めることができる。なお、モータ電流値を無効とする場合は、A/D変換の処理は行い得られたデータは破棄する。
本発明の実施形態では、1つの割込信号が生成されてから次の割込信号が生成されるまでの時間を求め、この時間が一定値以上であるときに、A/D変換器に当該時間におけるA/D変換を行わせ、前記時間が一定値未満であるときに、当該時間におけるA/D変換を禁止する。この場合は、A/D変換に先立って前記時間を予め計算等で求めておくことにより、無駄なA/D変換を行う必要がなくなる。
本発明の実施形態では、三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、電流検出手段が検出した全ての相のモータ電流につき、A/D変換器にA/D変換を行わせる。これにより、どの相の電流についてもデータを採取することができ、モータ電流の検出精度をより向上させることができる。
本発明の実施形態では、モータが3相交流モータであり、制御手段は、三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、電流検出手段が検出したモータ電流のうち、少なくとも2相のモータ電流につき、A/D変換器にA/D変換を行わせる。3相の場合は、例えば基準三角波キャリアの1周期区間において6つの割込信号が発生するが、各相の指令値は時間的に変化するため、6つの割込信号の発生タイミングが一部重なる場合が起こりうる。こうなると、重なった割込信号によるA/D変換は不可能となるが、本発明では、位相のずれた三角波キャリアを用いるために、全ての割込信号の発生タイミングが一度に重なるということは起こり得ず、基準三角波キャリアの1周期区間において、最低でも2相分の割込信号を得ることが保証される。そして、2相のモータ電流値が検出できれば、それらを合計することで他の1相のモータ電流値を自動的に求めることができる。この場合、A/D変換された2相のモータ電流の合計値を符号反転した値を残りの1相の電流値とする。
本発明の実施形態では、三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、同じ相のモータ電流につき複数回のA/D変換を行わせた場合に、A/D変換された各モータ電流値の平均値を求め、この平均値を当該1周期区間における当該相のモータ電流値とする。このような平均化処理を行うことにより、A/D変換の精度を一層高めることができ、モータをより高精度に制御することができる。
本発明の実施形態では、キャリア発生部は各相ごとに設けられており、各キャリア発生部は、計数手段と、第1および第2の検出手段と、指令手段とを備えている。計数手段は、クロックを計数し、計数値を累加算または累減算して三角波キャリアを出力する。第1の検出手段は、計数手段の計数値が所定の上限値に達したことを検出し、第2の検出手段は、計数手段の計数値が所定の下限値に達したことを検出する。指令手段は、第1の検出手段の検出出力に基づき計数手段に対し累減算を行うための減算指令を与え、第2の検出手段の検出出力に基づき計数手段に対し累加算を行うための加算指令を与える。そして、1つの相の計数手段が、他の相の計数手段から出力される三角波キャリアに対し所定の位相差を持った三角波キャリアを出力するように構成されている。このようなキャリア発生部を用いれば、アップダウンカウンタ等によるデジタルの加減算を行うだけで、計数値に対応した正確な波形と位相差を持った多相の三角波キャリアを簡単に得ることができる。
また、本発明に係るインバータ制御方法は、前述のインバータ制御装置における制御方法であって、各相に対応した三角波キャリアを各相間で所定の位相差を設けて発生させ、これらの三角波キャリアと各相の指令値とをそれぞれ比較することに基づいてPWM信号を生成し、PWM信号の、各スイッチング素子のオン・オフを切り替える時点で割込信号を生成し、これらの割込信号に基づいて、電流検出手段が検出したモータ電流のA/D変換を開始するようにしたものである。
このように、位相のずれた多相の三角波キャリアに基づいてPWM信号を生成し、かつ、各相のPWM信号の立上り時点でそれぞれ割込信号を発生させ、これらの割込信号に基づいてA/D変換を開始するので、三角波キャリアの1周期区間で得られる電流値のデータ量を増やすことができ、A/D変換の精度が向上して、モータを高精度に制御することが可能となる。なお、A/D変換には一定の時間を要するため、少なくともこの間は確実にモータ電流が電流検出手段で検出されている必要がある。そこで、各スイッチング素子がオフからオンとなるPWM信号のそれぞれの立上り時点で、割込信号を生成するようにすると、モータ電流が流れ始めた後、直ぐにA/D変換を開始させることができるようになり、A/D変換の確実性を高めることができる。
本発明によれば、インバータ制御装置において、三角波キャリアの1周期区間で各相のモータ電流値のデータを多く採取することができるので、A/D変換の精度が向上して、高精度のモータ制御を行うことができる。また、割込信号の間隔を長くとれるため、1個のA/D変換器だけでも対応が可能となる。
図1は、本発明に係るインバータ制御装置の一例を示している。Bはバッテリで、このバッテリBからコンタクタZおよびインバータ回路100を介して、モータMへ電源が供給される。モータMは、例えばフォークリフトに搭載される3相インダクションモータ(誘導電動機)である。コンタクタZは、電磁接触器の接点から構成される。Cは電源ライン間に接続されたコンデンサ、STはモータMに流れる電流を検出するためのシャントである。シャントSTは抵抗から構成され、本発明における電流検出手段に相当する。PGはモータMの回転数を検出するためのパルス発生器であって、モータMの回転軸に設けられた公知のロータリエンコーダから構成される。
インバータ回路100は、バッテリBの直流電源を交流電源に変換してモータMを駆動するための回路であって、U相上、U相下、V相上、V相下、W相上、W相下の6個の半導体スイッチング素子Q1〜Q6から構成される公知の回路である。U相に対応するスイッチング素子Q1,Q2の直列体と、V相に対応するスイッチング素子Q3,Q4の直列体と、W相に対応するスイッチング素子Q5,Q6の直列体とは、電源ライン間に並列に接続されている。そして、各直列体におけるスイッチング素子同士の接続点から、モータMを駆動するための各相電圧がそれぞれ取り出される。半導体スイッチング素子Q1〜Q6としては、たとえばMOS型FET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などの高速スイッチング動作が可能な素子が用いられ、それぞれの素子には、ダイオードが並列接続される。各半導体スイッチング素子Q1〜Q6のゲートには、制御部101からのPWM信号が入力される。このPWM信号によって、各半導体スイッチング素子Q1〜Q6は所定のオン時間、オフ時間で開閉動作を行ない、その結果、インバータ回路100の出力は3相交流として取り出され、図7に示すようなU相電圧、V相電圧、W相電圧がモータMに供給される。また、モータMに流れる各相電流は、図7の各相電圧に対して位相が所定量ずれたものとなる。以上の構成は、図10に示したものと同じである。
制御部101は、A/D変換器102、CPU103、メモリ104、クロック発生器105、キャリア発生部106、比較器107、PWM回路108、割込コントローラ109を備えている。CPU103は本発明における制御手段に相当し、比較器107およびPWM回路108は本発明における信号生成手段に相当する。
CPU103には、例えばフォークリフトのレバー操作に基づくモータ速度等の指示値、パルス発生器PGから出力されるパルス、シャントSTで検出された電流値、バッテリBの電圧値などが入力される。シャントSTの電流値とバッテリBの電圧値は、A/D変換器102によりデジタル値に変換された後にCPU103に入力される。CPU103は、これらの入力値に基づいて、モータMの制御に必要な処理を実行する。メモリ104はRAMやROMから構成され、CPU103は、処理を行うために必要とされる各種情報をメモリ104から読み出したり、情報をメモリ104に書き込んだりする。
クロック発生器105は、内蔵する発振回路により所定周波数のクロックを生成してキャリア発生部106へ出力する。なお、このクロック発生器105は、CPU103からの信号を受けることなく、電源が投入されると同時に作動を開始する。キャリア発生部106は、クロック発生器105から入力されるクロックを計数することに基づいて、各相ごとの三角波キャリアを発生させる。このキャリア発生部106は、図2に示されたU相キャリア発生部10、V相キャリア発生部20、W相キャリア発生部30の3つのキャリア発生部からなる。比較器107は、CPU103から与えられる各相の指令電圧と、キャリア発生部106からの各相の三角波キャリアとの比較を行い、比較結果をパルスとして出力する。この比較器107は、図2に示された各相ごとの3つの比較器16,26,36からなる。
PWM回路108は、比較器107からの出力に基づき、各相の指令電圧値の変化に応じたオン・オフ区間をもつ6種類のパルスを各スイッチング素子ごとのPWM信号として出力する。このPWM信号は、インバータ回路100におけるU相上、U相下、V相上、V相下、W相上、W相下の各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートへ与えられる。各スイッチング素子Q1〜Q6は、上記PWM信号によりオン・オフ動作を行い、これによってインバータ回路100からU相、V相、W相の各電圧が出力されて、モータMに印加される。また、PWM回路108は、PWM信号の立上りのタイミングで割込信号を生成して、割込コントローラ109へ送出する。
割込コントローラ109は、PWM回路108からの割込信号を受けて、CPU103に対して割り込みをかけ、CPU103はこの割り込みを受けた時点で、A/D変換器102に対してA/D変換の指令を与える。これにより、A/D変換器102は、上記割込信号のタイミングで、シャントSTが検出したモータ電流のA/D変換を開始する。また、割込コントローラ109には、キャリア発生部106において生成された割込信号も入力される。この割込信号は、三角波キャリアの山部分と谷部分で発生し、例えばスイッチング素子Q1〜Q6の故障診断に利用される。
図2は、図1のキャリア発生部106と比較器107の詳細な構成図である。上述したように、キャリア発生部106は、U相キャリア発生部10、V相キャリア発生部20、W相キャリア発生部30から構成されている。U相キャリア発生部10は、基準三角波キャリアであるU相キャリアCuを発生する。V相キャリア発生部20は、U相キャリアCuから120°位相のずれたV相キャリアCvを発生する。W相キャリア発生部30は、V相キャリアCvからさらに120°位相のずれたW相キャリアCwを発生する。各相のキャリアを発生させる方法については、後で詳細に説明する。
比較器107は、各相ごとに設けられた比較器16,26,36からなる。比較器16は、CPU103から送られてくるU相指令電圧の値とU相キャリアCuの振幅とを比較し、U相キャリアCuの振幅がU相指令電圧値以上である区間では「H」信号を出力し、U相キャリアCuの振幅がU相指令電圧値未満である区間では「L」信号を出力する。比較器26は、CPU103から送られてくるV相指令電圧の値とV相キャリアCvの振幅とを比較し、V相キャリアCvの振幅がV相指令電圧値以上である区間では「H」信号を出力し、V相キャリアCvの振幅がV相指令電圧値未満である区間では「L」信号を出力する。比較器36は、CPU103から送られてくるW相指令電圧の値とW相キャリアCwの振幅とを比較し、W相キャリアCwの振幅がW相指令電圧値以上である区間では「H」信号を出力し、W相キャリアCwの振幅がW相指令電圧値未満である区間では「L」信号を出力する。
U相キャリア発生部10において、12はアップダウンカウンタであって、図1のクロック発生器105から出力されるクロックと、CPU103から送られてくる計数開始信号および計数初期値信号とが入力される。アップダウンカウンタ12は、CPU103から計数開始信号が与えられると、クロックの計数を開始し、計数値の累加算(クロックが入力されるたびに1を加算)または累減算(クロックが入力されるたびに1を減算)により、三角波キャリアであるU相キャリアCuを出力する。また、アップダウンカウンタ12には、計数の初期値が設定されており、この初期値はCPU103からの計数初期値信号により設定される。13は比較器であって、アップダウンカウンタ12の計数値と、あらかじめ決められた上限値とを比較し、計数値が上限値に達したことを検出して検出信号を出力する。14も比較器であって、アップダウンカウンタ12の計数値と、あらかじめ決められた下限値とを比較し、計数値が下限値に達したことを検出して検出信号を出力する。15はフリップフロップであって、比較器13からの出力によりアップダウンカウンタ12に対して「L」信号を出力し、比較器14からの出力によりアップダウンカウンタ12に対して「H」信号を出力する。アップダウンカウンタ12は、フリップフロップ15から「H」信号が入力されると、クロックの計数値を累加算し、「L」信号が入力されると、クロックの計数値を累減算する。したがって、フリップフロップ15からの「H」信号は累加算を行うための加算指令であり、「L」信号は累減算を行うための減算指令である。フリップフロップ15には、CPU103から初期指令値信号が与えられる。フリップフロップ15の初期状態が「H」か「L」かは、上記初期指令値信号により設定される。
V相キャリア発生部20において、22はアップダウンカウンタであって、図1のクロック発生器105から出力されるクロックと、CPU103から送られてくる計数開始信号および計数初期値信号とが入力される。アップダウンカウンタ22は、CPU103から計数開始信号が与えられると、クロックの計数を開始し、計数値の累加算または累減算により三角波キャリアであるV相キャリアCvを出力する。また、アップダウンカウンタ22には、計数の初期値が設定されており、この初期値はCPU103からの計数初期値信号により設定される。23は比較器であって、アップダウンカウンタ22の計数値と、あらかじめ決められた上限値とを比較し、計数値が上限値に達したことを検出して検出信号を出力する。24も比較器であって、アップダウンカウンタ22の計数値と、あらかじめ決められた下限値とを比較し、計数値が下限値に達したことを検出して検出信号を出力する。25はフリップフロップであって、比較器23からの出力によりアップダウンカウンタ22に対して「L」信号を出力し、比較器24からの出力によりアップダウンカウンタ22に対して「H」信号を出力する。アップダウンカウンタ22は、フリップフロップ25から「H」信号が入力されると、クロックの計数値を累加算し、「L」信号が入力されると、クロックの計数値を累減算する。したがって、フリップフロップ25からの「H」信号は累加算を行うための加算指令であり、「L」信号は累減算を行うための減算指令である。フリップフロップ25には、CPU103から初期指令値信号が与えられる。フリップフロップ25の初期状態が「H」か「L」かは、上記初期指令値信号により設定される。
W相キャリア発生部30において、32はアップダウンカウンタであって、図1のクロック発生器105から出力されるクロックと、CPU103から送られてくる計数開始信号および計数初期値信号とが入力される。アップダウンカウンタ32は、CPU103から計数開始信号が与えられると、クロックの計数を開始し、計数値の累加算または累減算により三角波キャリアであるW相キャリアCwを出力する。また、アップダウンカウンタ32には、計数の初期値が設定されており、この初期値はCPU103からの計数初期値信号により設定される。33は比較器であって、アップダウンカウンタ32の計数値と、あらかじめ決められた上限値とを比較し、計数値が上限値に達したことを検出して検出信号を出力する。34も比較器であって、アップダウンカウンタ32の計数値と、あらかじめ決められた下限値とを比較し、計数値が下限値に達したことを検出して検出信号を出力する。35はフリップフロップであって、比較器33からの出力によりアップダウンカウンタ32に対して「L」信号を出力し、比較器34からの出力によりアップダウンカウンタ32に対して「H」信号を出力する。アップダウンカウンタ32は、フリップフロップ35から「H」信号が入力されると、クロックの計数値を累加算し、「L」信号が入力されると、クロックの計数値を累減算する。したがって、フリップフロップ35からの「H」信号は累加算を行うための加算指令であり、「L」信号は累減算を行うための減算指令である。フリップフロップ35には、CPU103から初期指令値信号が与えられる。フリップフロップ35の初期状態が「H」か「L」かは、上記初期指令値信号により設定される。
各相のアップダウンカウンタ12,22,32には、上述した計数開始信号が同時に与えられるようになっており、各アップダウンカウンタはこの計数開始信号の入力により、それぞれの初期値から同時に計数動作を開始する。また、各相の比較器13,23,33の検出出力、すなわち計数値が上限値に達したことを検出した信号は、上述したようにフリップフロップ15,25,35へ与えられると同時に、割込信号INT1U,INT1V,INT1Wとして出力される。これらの割込信号は、後述するように、各相の三角波キャリアの山部における山割込信号となる。さらに、各相の比較器14,24,34の検出出力、すなわち計数値が下限値に達したことを検出した信号は、上述したようにフリップフロップ15,25,35へ与えられると同時に、割込信号INT2U,INT2V,INT2Wとして出力される。これらの割込信号は、後述するように、各相の三角波キャリアの谷部における谷割込信号となる。なお、ここでは、各相のキャリア発生部10,20,30から割込信号が出力されるようになっているが、いずれか1相、またはいずれか2相のキャリア発生部から割込信号が出力されるようにしてもよい。
以上のキャリア発生装置において、クロック発生器105は本発明におけるクロック発生手段に相当し、アップダウンカウンタ12,22,32は本発明における計数手段に相当し、比較器13,23,33は本発明における第1の検出手段に相当し、比較器14,24,34は本発明における第2検出手段に相当し、フリップフロップ15,25,35は本発明における指令手段に相当する。
次に、各相の三角波キャリアを生成する原理につき、図2および図3を参照しながら説明する。図2において、CPU103からU相キャリア発生部10のアップダウンカウンタ12に計数開始信号が入力されると、アップダウンカウンタ12はクロック発生器105からのクロックの計数を開始する。ここで、前述のように、アップダウンカウンタ12には初期値が設定されており、この初期値は0に設定されている。したがって、アップダウンカウンタ12は0から計数を開始する。また、アップダウンカウンタ12に対して累加算、累減算を指令するフリップフロップ15の出力は、初期状態において「H」に設定されている。したがって、アップダウンカウンタ12は計数を開始すると、計数値の累加算を行う。以上の結果、アップダウンカウンタ12の出力は、図3(a)に示すように、下限値(初期値)である0から上限値Tに向って矢印a1のように時間とともに増加してゆく。そして、計数値が上限値Tに達すると、比較器13がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ15に与える。フリップフロップ15は、この信号により反転して「L」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ12の動作は累加算から累減算に転じ、その出力は、図3(a)に示すように、上限値Tから下限値0に向って矢印b1のように時間とともに減少してゆく。そして、計数値が下限値0に達すると、比較器14がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ15に与える。フリップフロップ15は、この信号により反転して「H」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ12の動作は再び累加算に転じ、その出力は下限値0から上限値Tに向って矢印c1のように増加してゆく。このような累加算、累減算の動作を繰り返すことにより、アップダウンカウンタ12からは、図3(a)に示したような三角波のU相キャリアCuが出力されることになる。本実施形態では、このU相キャリアCuを基準三角波キャリアとする。
CPU103からの計数開始信号は、V相キャリア発生部20のアップダウンカウンタ22にも同時に与えられる。アップダウンカウンタ22は、計数開始信号が入力されると、クロック発生器105からのクロックの計数を開始する。ここで、前述のように、アップダウンカウンタ22には初期値が設定されており、この初期値は0でない値αに設定されている。したがって、アップダウンカウンタ22はαから計数を開始する。また、アップダウンカウンタ22に対して累加算、累減算を指令するフリップフロップ25の出力は、初期状態において「L」に設定されている。したがって、アップダウンカウンタ22は計数を開始すると、計数値の累減算を行う。以上の結果、アップダウンカウンタ22の出力は、図3(b)に示すように、初期値αから下限値0に向って矢印a2のように時間とともに減少してゆく。そして、計数値が下限値0に達すると、比較器24がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ25に与える。フリップフロップ25は、この信号により反転して「H」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ22の動作は累減算から累加算に転じ、その出力は、図3(b)に示すように、下限値0から上限値Tに向って矢印b2のように時間とともに増加してゆく。そして、計数値が上限値Tに達すると、比較器23がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ25に与える。フリップフロップ25は、この信号により反転して「L」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ22の動作は再び累減算に転じ、その出力は上限値Tから下限値0に向って矢印c2のように減少してゆく。このような累減算、累加算の動作を繰り返すことにより、アップダウンカウンタ22からは、図3(b)に示したような三角波のV相キャリアCvが出力されることになる。
CPU103からの計数開始信号は、W相キャリア発生部30のアップダウンカウンタ32にも同時に与えられる。アップダウンカウンタ32は、計数開始信号が入力されると、クロック発生器105からのクロックの計数を開始する。ここで、前述のように、アップダウンカウンタ32には初期値が設定されており、この初期値は0でない値βに設定されている。したがって、アップダウンカウンタ32はβから計数を開始する。なお、ここでは、βの値はαの値と等しくなっている。また、アップダウンカウンタ32に対して累加算、累減算を指令するフリップフロップ35の出力は、初期状態において「H」に設定されている。したがって、アップダウンカウンタ32は計数を開始すると、計数値の累加算を行う。以上の結果、アップダウンカウンタ32の出力は、図3(c)に示すように、初期値βから上限値Tに向って矢印a3のように時間とともに増加してゆく。そして、計数値が上限値Tに達すると、比較器33がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ35に与える。フリップフロップ35は、この信号により反転して「L」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ32の動作は累加算から累減算に転じ、その出力は、図3(c)に示すように、上限値Tから下限値0に向って矢印b3のように時間とともに減少してゆく。そして、計数値が下限値0に達すると、比較器34がこれを検出して、検出出力をフリップフロップ35に与える。フリップフロップ35は、この信号により反転して「H」を出力する。したがって、アップダウンカウンタ32の動作は再び累加算に転じ、その出力は下限値0から上限値Tに向って矢印c3のように増加してゆく。このような累加算、累減算の動作を繰り返すことにより、アップダウンカウンタ32からは、図3(c)に示したような三角波のW相キャリアCwが出力されることになる。
ところで、図3においては、基準三角波キャリアであるU相キャリアCuに対して、V相キャリアCvは位相の遅れ方向に120°の位相差を有している。また、V相キャリアCvに対して、W相キャリアCwは位相の遅れ方向に120°の位相差を有している。したがって、W相キャリアCwは基準三角波キャリアであるU相キャリアCuに対して、位相の遅れ方向に240°の位相差を有している。すなわち、U相キャリアCu、V相キャリアCv、W相キャリアCwは、120°ずつ位相がずれた三角波となっている。図3(d)は、各相のキャリアCu,Cv,Cwを重ねて描いた図である。
図4は、基準三角波キャリアに対して所定の位相差(位相の遅れ方向の位相差)を持たせる場合に、アップダウンカウンタの初期値とフリップフロップの初期指令値をどのように設定すればよいかの一例を表したテーブルである。このテーブルでは、各相のアップダウンカウンタの上限値はそれぞれ同じ値(T)であり、下限値もそれぞれ同じ値(0)であることが前提となっている。また、基準三角波キャリアの初期値が0で初期指令値を「H」とした場合の位相差、初期値と上限値の比、初期指令値の関係を示している。なお、位相差が0°〜180°の間では、アップダウンカウンタの初期値と上限値の比mは、
m=位相差/180°
により求められる。また、位相差が180°〜360°の間では、アップダウンカウンタの初期値と上限値の比nは、
n=2−[位相差/180°]
により求められる。
図3の場合のように、3相の三角波キャリアを等間隔の位相差(120°)で発生させる場合、基準となるU相キャリアCuについては、位相差が0°であるから、図4より初期値を0に設定する。このときのフリップフロップの初期指令値は、「H」(加算指令)となる。また、U相キャリアCuに対して120°の位相差をもつV相キャリアCvについては、図4より初期値αを上限値Tの2/3に設定すればよい。このときのフリップフロップの初期指令値は、「L」(減算指令)となる。また、U相キャリアCuに対して240°の位相差をもつW相キャリアCwについては、図4より初期値βを上限値Tの2/3に設定すればよい。このときのフリップフロップの初期指令値は、「H」(加算指令)となる。
以上をまとめると、基準となるU相キャリアCuと、これに対して120°位相が遅れたV相キャリアCv、および240°位相が遅れたW相キャリアCwを生成するための条件は、次のようになる。
(1)U相キャリアCu(基準三角波キャリア)
アップダウンカウンタの初期値 =0
フリップフロップの初期指令値 =「H」
(2)V相キャリアCv
アップダウンカウンタの初期値α=2T/3
フリップフロップの初期指令値 =「L」
(3)W相キャリアCw
アップダウンカウンタの初期値β=2T/3
フリップフロップの初期指令値 =「H」
以上のようなキャリア発生装置を用いると、複雑な波形処理をしなくても、アップダウンカウンタを用いてデジタルの加減算を行うだけで、計数値に対応した正確な波形と位相差を持つ三角波キャリアを得ることができる。また、各相の初期値を適当に選定することで、各アップダウンカウンタ12,22,32から出力されるキャリアCu,Cv,Cwの位相差を任意に設定することができる。この結果、3相モータのPWM制御に必要な120°ずつ位相がずれた三角波キャリアを簡単かつ高精度に得ることができる。
なお、以上では、U相、V相、W相の各キャリアを発生させる3相キャリア発生装置を例に挙げたが、本発明では、相数は3相だけに限られるものではなく、相数と同じ数だけキャリア発生部を備えた上で、それぞれのアップダウンカウンタの初期値と、フリップフロップの初期指令値の設定により、2相、4相、5相、6相など任意の相数に対応したキャリアを発生させることが可能である。また、図4からもわかるように、本発明では、アップダウンカウンタの初期値の選定により、キャリアに任意の位相差を持たせることが可能である。また、上記の例では、いずれも位相差が等間隔となっているが、キャリアの位相差を不等間隔とすることも可能である。
さらに、上記実施形態では、基準三角波キャリア(U相キャリアCu)を谷部(下限値)から発生させたが、基準三角波キャリアを山部(上限値)から発生させてもよい。この場合、基準三角波キャリアの初期値はT(上限値)、初期指令値は「L」であり、谷部から発生するキャリアに比べて位相は180°ずれることになる。したがって、図4を用いて他相の設定をする際には、位相差180°を基準として内容を読み替えればよい。例えば、基準三角波キャリアに対する位相差を90°(0°を超えて180°以下)とする場合は、位相差270°(=180°+90°)の場合の初期値T/2および初期指令値「H」に設定すればよい。また、位相差を270°(180°を超えて360°以下)とする場合は、位相差90°(=180°+270°−360°)の場合の初期値T/2および初期指令値「L」に設定すればよい。
こうしてアップダウンカウンタ12,22,32により生成された三角波キャリアCu,Cv、Cwは、比較器16,26,36にそれぞれ与えられる。比較器16では、U相指令電圧がU相キャリアCuと比較され、比較器26では、V相指令電圧がV相キャリアCvと比較され、比較器36では、W相指令電圧がW相キャリアCwと比較される。比較器16,26,36の出力は、それぞれPWM回路108へ入力される。PWM回路108は、比較器16,26,36でのキャリアと指令電圧との比較結果に基づき、図12および図14で説明した要領でスイッチング素子Q1〜Q6のそれぞれに対応する6種類のPWM信号を生成するとともに、各スイッチング素子がオフからオンとなるPWM信号の立上がりのタイミングにおいて、割込信号INT3U〜INT4Wを生成する。
図5は、割込信号INT3U〜INT4Wの発生タイミングを示したタイムチャートである。キャリアCu,Cv,Cwの振幅がそれぞれU相、V相、W相の指令電圧値以上となる区間で、各相上のスイッチング素子Q1,Q3,Q5がオンし、キャリアCu,Cv,Cwの振幅がそれぞれU相、V相、W相の指令電圧値未満となる区間で、各相下のスイッチング素子Q2,Q4,Q6がオンする関係については、図14の場合と同じである。なお、各相指令電圧は、実際には図14のように時間ととともに変化するが、キャリアの数周期の区間をとらえた場合は、指令電圧の変化は小さいため、図5では便宜上、各相指令電圧を一定値として描いてある。
図5に示されるように、割込信号INT3Uは、スイッチング素子Q1がオフからオンとなるPWM信号(U相上)の立上りのタイミングで発生し、割込信号INT4Uは、スイッチング素子Q2がオフからオンとなるPWM信号(U相下)の立上りのタイミングで発生する。割込信号INT3Vは、スイッチング素子Q3がオフからオンとなるPWM信号(V相上)の立上りのタイミングで発生し、割込信号INT4Vは、スイッチング素子Q4がオフからオンとなるPWM信号(V相下)の立上りのタイミングで発生する。割込信号INT3Wは、スイッチング素子Q5がオフからオンとなるPWM信号(W相上)の立上りのタイミングで発生し、割込信号INT4Wは、スイッチング素子Q6がオフからオンとなるPWM信号(W相下)の立上りのタイミングで発生する。
上記の割込信号INT3U〜INT4Wは、図1のPWM回路108から割込コントローラ109へ与えられ、割込コントローラ109からCPU103に各割込信号のタイミングで割り込みがかかる。CPU103は、この割り込みを受けてA/D変換器102にA/D変換の指令を与え、A/D変換器102はこの指令を受けて、それぞれの割込信号のタイミングで、シャントSTが検出したモータ電流のA/D変換を開始する。
図5には、割込信号とシャント電流(シャントSTに流れるモータ電流)との関係が示されている。図5の左端の割込信号INT4Vが発生すると、A/D変換器102はこの時点からA/D変換を開始する。このとき、U相下、V相下、W相上のPWM信号が立上っている状態(以下、「H」状態と記す)にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q2,Q4,Q5がオンとなり、図6A(a)で太線で示した電流経路が形成される。なお、矢印は電流の方向を示している。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はW相電流となる。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT3Uが発生するまでの区間aにおいて、W相電流のA/D変換処理を実行する。
割込信号INT3Uが発生すると、A/D変換器102はこの時点から次のA/D変換を開始する。このとき、U相上、V相下、W相上のPWM信号が「H」状態にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q1,Q4,Q5がオンとなり、図6A(b)で太線で示した電流経路が形成される。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はV相電流となる。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT4Wが発生するまでの区間bにおいて、V相電流のA/D変換処理を実行する。
割込信号INT4Wが発生すると、A/D変換器102はこの時点から次のA/D変換を開始する。このとき、U相上、V相下、W相下のPWM信号が「H」状態にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q1,Q4,Q6がオンとなり、図6B(c)で太線で示した電流経路が形成される。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はU相電流となる。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT3Vが発生するまでの区間cにおいて、U相電流のA/D変換処理を実行する。
割込信号INT3Vが発生すると、A/D変換器102はこの時点から次のA/D変換を開始する。このとき、U相上、V相上、W相下のPWM信号が「H」状態にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q1,Q3,Q6がオンとなり、図6B(d)で太線で示した電流経路が形成される。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はW相電流となる。なお、このときのW相電流は、区間aにおけるW相電流(図6A(a))とは極性が逆である。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT4Uが発生するまでの区間dにおいて、W相電流のA/D変換処理を実行する。
割込信号INT4Uが発生すると、A/D変換器102はこの時点から次のA/D変換を開始する。このとき、U相下、V相上、W相下のPWM信号が「H」状態にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q2,Q3,Q6がオンとなり、図6C(e)で太線で示した電流経路が形成される。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はV相電流となる。なお、このときのV相電流は、区間bにおけるV相電流(図6A(b))とは極性が逆である。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT3Wが発生するまでの区間eにおいて、V相電流のA/D変換処理を実行する。
割込信号INT3Wが発生すると、A/D変換器102はこの時点から次のA/D変換を開始する。このとき、U相下、V相上、W相上のPWM信号が「H」状態にあるから、インバータ回路100ではスイッチング素子Q2,Q3,Q5がオンとなり、図6C(f)で太線で示した電流経路が形成される。この結果、シャントSTに流れるモータ電流はU相電流となる。なお、このときのU相電流は、区間cにおけるU相電流(図6B(c))とは極性が逆である。したがって、A/D変換器102は、図5で次の割込信号INT4Vが発生するまでの区間fにおいて、U相電流のA/D変換処理を実行する。
このようにして、120°ずつ位相がずれた三角波キャリアCu,Cv,Cwを用いることにより、図5ではキャリアCu(基準三角波キャリア)の1周期の区間で合計6つの割込信号が発生し、それぞれの割込信号のタイミングで各相のモータ電流のA/D変換が開始される。そして、シャントSTが検出した全ての相のモータ電流につきA/D変換が行われる。また、割込信号はPWM信号の立上り時点で発生し、各PWM信号は三角波キャリアの位相差に応じて位相がずれているため、例えば各三角波キャリアの山部(上限値)と谷部(下限値)のタイミングで割込信号を発生させる場合に比べて、割込信号以後のA/D変換を実行する期間を長くとることができる(図5の区間a,b,e,f参照)。この結果、キャリアの1周期区間で各相のモータ電流値のデータを多く採取することが可能となり、A/D変換の精度が向上する。そして、A/D変換されたモータ電流値は、モータMのフィードバック制御に用いられるため、モータ電流の精度上がることによって、モータMを高精度に制御することができる。また、一般にA/D変換には一定の時間を要するため、割込信号の間隔が短いと1つのA/D変換器だけでは対処できず、複数のA/D変換器が必要となるが、本実施形態では割込信号の間隔を長くとれるため、1個のA/D変換器102だけで対応が可能となる。さらに、各PWM信号のそれぞれの立上り時点での割込信号に基づいてモータ電流のA/D変換が行われるので、各相のモータ電流が流れ始めた後、直ぐのタイミングでA/D変換を開始させることができ、A/D変換の確実性が高まる。
なお、図5の場合は、キャリアCuの1周期区間において、全ての相のモータ電流をA/D変換するので、どの相の電流についてもデータを採取することができ精度が向上するが、各相の指令電圧値は時間的に変化するため、6つの割込信号の発生タイミングが一部重なる場合が起こりうる。この場合は、重なった割込信号によるA/D変換は不可能となる。しかし、上述したような位相のずれた三角波キャリアを用いると、全ての割込信号の発生タイミングが一度に重なるということは起こり得ず、キャリアCuの1周期区間において、最低でも2相分の割込信号を得ることが保証される。そして、2相(例えばU相とV相)のモータ電流値が検出できれば、それらを合計することで他の1相(例えばW相)のモータ電流値を自動的に求めることができる。この場合、A/D変換された2相のモータ電流の合計値を符号反転した値を残りの1相のモータ電流値とする。また、図5の場合は、キャリアCuの1周期区間において、同じ相のモータ電流につき2回A/D変換が行われるので、各相につきA/D変換された各モータ電流値の平均値を求め、この平均値をキャリアCuの1周期区間における当該相のモータ電流値とする。このような平均化処理を行うことにより、A/D変換の精度を一層高めることができ、モータMをより高精度に制御することができる。
上述したA/D変換において、CPU103は、1つの割込信号が発生してから次の割込信号が発生するまでの時間を求め、その値が一定値以上である場合に、当該時間におけるA/D変換の値を有効とする。この時間は、三角波キャリアCu,Cv,Cwと各相指令値とに基づいて計算で求めることができる。あるいは、1つの割込信号が発生してから次の割込信号が発生するまでの時間をタイマーにより監視してもよい。図5では、区間a,b,c,e,fの時間は一定値以上あり、これらの区間でA/D変換により採取されたデータ値は信頼性が高いので、有効なものとして取り扱われる。一方、区間dの時間は一定値未満となり、この区間でA/D変換により採取されたデータ値は信頼性が低いので、無効なものとして取り扱われる。すなわち、区間dではA/D変換の処理は行うが、得られたデータは破棄されることになる。このように、割込信号から割込信号までの時間が一定値以上の場合にのみA/D変換の値を有効とすることで、データの信頼性を高めることができる。なお、各区間の時間が前記の計算により予め判明している場合は、当該時間が一定値以上であるときにA/D変換を行い、一定値未満であるときにA/D変換を禁止するようにしてもよい。A/D変換を禁止する場合は、当然、当該区間(図5の区間d)でのデータの採取は行われない。これにより、無効なデータをわざわざA/D変換する無駄を回避することができる。したがって、先にA/D変換をしてからデータの有効・無効を判断するよりも、先に有効・無効を判断してからA/D変換を行う方が、処理速度を上げる点では好ましい。なお、有効・無効の判定基準、およびA/D変換をする・しない(禁止する)の判定基準となる上記一定値は、A/D変換器102でのA/D変換処理に必要とされる最低限の時間以上の値に設定される。
ところで、図2においては、前述したように、比較器13,23,33からの検出信号は、山割込信号INT1U,INT1V,INT1Wとして取り出され、比較器14,24,34からの検出信号は、谷割込信号INT2U,INT2V,INT2Wとして取り出される。これらの割込信号は、図1の割込コントローラ109へ与えられる。このように、計数値の上限または下限の検出信号を割込信号として利用すれば、三角波キャリアの山部と谷部において、CPU103に割り込みをかけることができる。
図8は、三角波キャリアの山部と谷部における割り込みを説明するタイムチャートである。U相キャリアCuの山部(上限値に達した時点)において、U相の山割込信号INT1Uが発生し、U相キャリアCuの谷部(下限値に達した時点)において、U相の谷割込信号INT2Uが発生する。また、V相キャリアCvの山部において、V相の山割込信号INT1Vが発生し、V相キャリアCvの谷部において、V相の谷割込信号INT2Vが発生する。また、W相キャリアCwの山部において、W相の山割込信号INT1Wが発生し、W相キャリアCwの谷部において、W相の谷割込信号INT2Wが発生する。
上記のような割込信号が発生する各相の山部と谷部に相当するタイミングでは、図8からわかるように、各相のスイッチング素子Q1〜Q6に与えられるPWM信号のパルスは、立上りでも立下りでもなく、安定したオン状態またはオフ状態となっている。すなわち、各相のパルスのオン・オフ区間の中央でそれぞれの相の割込信号が発生している。このため、上記割込信号により、割込コントローラ109を介してCPU103に割り込みをかけることにより、各種の制御動作を安定して行うことができる。例えば、各相の山割込信号のタイミングで、CPU103がインバータ回路100の各相の上段のスイッチング素子Q1,Q3,Q5の故障診断を行い、各相の谷割込信号のタイミングで、CPU103がインバータ回路100の各相の下段のスイッチング素子Q2,Q4,Q6の故障診断を行うようにすることができる。なお、山割込信号や谷割込信号による割込制御は、前述したPWM信号の立上りタイミングでの割込信号によるA/D変換に支障をきたさない範囲で行えばよい。
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、キャリア発生部としては、図2の代わりに図9のようなものを用いてもよい。図9において、301は矩形のパルスを発生するパルス発生器、302はパルス発生器301で発生したパルスを120°移相させる移相器、303は移相器302で120°移相されたパルスをさらに120°移相させる移相器である。304はパルス発生器301で発生したパルスを積分して三角波からなるU相キャリアCuを生成する積分回路、305は移相器302で120°移相されたパルスを積分して三角波からなるV相キャリアCvを生成する積分回路、306は移相器303で120°移相されたパルスを積分して三角波からなるW相キャリアCwを生成する積分回路である。307はU相キャリアCuとU相指令電圧とを比較する比較器、308はV相キャリアCvとV相指令電圧とを比較する比較器、309はW相キャリアCwとW相指令電圧とを比較する比較器である。比較器307〜309の出力は、PWM回路108(図1)に与えられる。図9の回路によれば、パルス発生器301で発生したパルスを移相器302、303を通すとともに、各パルスを積分回路304〜306で積分することにより、120°ずつ位相がずれたU相、V相、W相のキャリアCu、Cv、Cwを得ることができる。
また、PWM信号の立上りで1つの割込信号が発生してから次の割込信号が発生するまでの時間を計算し、この時間に余裕がある場合(例えば、図5の区間a)には、モータ電流のA/D変換に続いて、バッテリ電圧のA/D変換を行い、時間に余裕がない場合(例えば、図5の区間c)には、モータ電流のA/D変換のみを行うようにしてもよい。このようにすれば、キャリアの1周期区間で少なくとも1回、バッテリ電圧をA/D変換することができる。なお、余裕がある・ないの判定は、上記時間が、モータ電流とバッテリ電圧の2つのA/D変換処理に必要とされる最低限の時間以上の値に設定された一定値以上であるか、一定値未満であるかによればよい。
また、スイッチング素子Q1〜Q6として動作速度の比較的遅い素子を用いる場合は、素子が完全にオン状態となる前にA/D変換が開始されないよう、割り込みを受けたCPU103からA/D変換器102に与えられる指令を所定時間だけ遅らせればよい。
上記実施形態では、キャリアと比較する指令値は電圧値であったが、指令値は電流値であってもよい。また、上記実施形態では、割込信号INT3U〜INT4WをPWM回路108において生成したが、比較器16,26,36においてデッドタイム分の遅延処理を施すことにより、割込信号INT3U〜INT4Wを生成してもよい。
本発明に係るインバータ制御装置の構成図である。 キャリア発生部と比較器の詳細な構成図である。 各相の三角波キャリアを生成する原理を説明する図である。 アップダウンカウンタの初期値の設定を説明するテーブルである。 割込信号の発生タイミングを示したタイムチャートである。 インバータ回路の電流経路を説明する図である。 インバータ回路の電流経路を説明する図である。 インバータ回路の電流経路を説明する図である。 インバータ回路から取り出される電圧の波形図である。 山割込みと谷割込みを説明するタイムチャートである。 キャリア発生部の他の例を示す図である。 一般的な3相交流モータの制御装置を示す図である。 PWM信号生成部の構成を示した図である。 PWM信号を生成する原理を説明する図である。 デッドタイム区間の重なりを説明する図である。 各相ごとに独立したキャリアを用いた場合の波形図である。 デッドタイム区間のずれを説明する図である。 キャリア発生部の構成を示す図である。
符号の説明
10 U相キャリア発生部
12 アップダウンカウンタ
13,14 比較器
15 フリップフロップ
16 比較器
20 V相キャリア発生部
22 アップダウンカウンタ
23,24 比較器
25 フリップフロップ
26 比較器
30 W相キャリア発生部
32 アップダウンカウンタ
33,34 比較器
35 フリップフロップ
36 比較器
103 CPU
104 メモリ
105 クロック発生器
106 キャリア発生部
107 比較器
108 PWM回路
109 割込コントローラ
ST シャント
Cu U相キャリア
Cv V相キャリア
Cw W相キャリア
INT3U〜INT4W 割込信号

Claims (10)

  1. 多相交流モータの各相に対応させて設けられた1対のスイッチング素子の直列体が並列に接続され、各直列体におけるスイッチング素子同士の接続点から前記モータを駆動するための各相電圧がそれぞれ取り出されるインバータ回路と、このインバータ回路と直列に設けられ、前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、前記各相の指令値に基づくPWM信号を出力して前記インバータ回路の各スイッチング素子のオン・オフ動作を制御する制御部とを備えたインバータ制御装置であって、
    前記制御部は、前記電流検出手段が検出したモータ電流をA/D変換するA/D変換器と、このA/D変換器の動作を制御する制御手段と、前記各相に対応した三角波キャリアを各相間で所定の位相差を設けて発生させるキャリア発生部と、このキャリア発生部から出力される各相の三角波キャリアと前記各相の指令値との比較に基づいて、前記各スイッチング素子ごとのPWM信号を生成する信号生成手段とを備え、
    前記信号生成手段は、前記PWM信号の、前記各スイッチング素子のオン・オフを切り替える時点で、前記制御手段に対する割込信号を生成し、
    前記制御手段は、前記各割込信号に基づいて、前記A/D変換器にA/D変換を開始させることを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記信号生成手段は、前記各スイッチング素子がオフからオンとなる前記PWM信号のそれぞれの立上り時点で、前記制御手段に対する割込信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記制御手段は、1つの割込信号が生成されてから次の割込信号が生成されるまでの時間を求め、この時間が一定値以上であるときに、当該時間にA/D変換された前記モータ電流の値を有効とし、前記時間が一定値未満であるときに、当該時間にA/D変換された前記モータ電流の値を無効とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記制御手段は、1つの割込信号が生成されてから次の割込信号が生成されるまでの時間を求め、この時間が一定値以上であるときに、前記A/D変換器に当該時間におけるA/D変換を行わせ、前記時間が一定値未満であるときに、当該時間におけるA/D変換を禁止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、前記電流検出手段が検出した全ての相のモータ電流につき、前記A/D変換器にA/D変換を行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインバータ制御装置。
  6. 前記モータは3相交流モータであり、
    前記制御手段は、前記三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、前記電流検出手段が検出したモータ電流のうち、少なくとも2相のモータ電流につき、前記A/D変換器にA/D変換を行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインバータ制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記三角波キャリアのうちの1つを基準三角波キャリアとし、この基準三角波キャリアの1周期区間において、同じ相のモータ電流につき複数回のA/D変換を行わせた場合に、A/D変換された各モータ電流値の平均値を求め、この平均値を当該1周期区間における当該相のモータ電流値とすることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインバータ制御装置。
  8. 前記キャリア発生部は各相ごとに設けられており、各キャリア発生部は、
    クロックを計数し、計数値を累加算または累減算して三角波キャリアを出力する計数手段と、
    この計数手段の計数値が所定の上限値に達したことを検出する第1の検出手段と、
    前記計数手段の計数値が所定の下限値に達したことを検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段の検出出力に基づき前記計数手段に対し前記累減算を行うための減算指令を与え、前記第2の検出手段の検出出力に基づき前記計数手段に対し前記累加算を行うための加算指令を与える指令手段とを備え、
    1つの相の計数手段が、他の相の計数手段から出力される三角波キャリアに対し所定の位相差を持った三角波キャリアを出力することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインバータ制御装置。
  9. 多相交流モータの各相に対応させて設けられた1対のスイッチング素子の直列体が並列に接続され、各直列体におけるスイッチング素子同士の接続点から前記モータを駆動するための各相電圧がそれぞれ取り出されるインバータ回路と、このインバータ回路と直列に設けられ、前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、前記各相の指令値に基づくPWM信号を出力して前記インバータ回路の各スイッチング素子のオン・オフ動作を制御する制御部とを備えたインバータ制御装置における制御方法であって、前記制御部において、
    前記各相に対応した三角波キャリアを各相間で所定の位相差を設けて発生させ、
    これらの三角波キャリアと各相の指令値とをそれぞれ比較することに基づいて前記PWM信号を生成し、
    前記PWM信号の、前記各スイッチング素子のオン・オフを切り替える時点で割込信号を生成し、
    これらの割込信号に基づいて、前記電流検出手段が検出したモータ電流のA/D変換を開始することを特徴とするインバータ制御方法。
  10. 前記各スイッチング素子がオフからオンとなる前記PWM信号のそれぞれの立上り時点で割込信号を生成することを特徴とする請求項9に記載のインバータ制御方法。
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