JP2005222890A - 燃料電池用電解質材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無加湿又は無水状態で高いプロトン伝導性を有する燃料電池用電解質材料を提供する。
【解決手段】 少なくとも、(a)ブレンステッド酸、及び(b)非共有電子対を有する塩基により構成されるプロトン伝導系を有する燃料電池用電解質材料であって、前記塩基(b)は、非共有電子対を有する基に1又は2以上の基が付与され、付与された全ての基に含まれるH原子以外の構成原子数の合計が3以下となる構造を有する燃料電池用電解質材料である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池において電解質膜等のプロトン伝導性部位を形成するために用いられる電解質材料に関する。
燃料電池のエネルギー効率向上、大出力化のためには、一般に100℃以上で運転することが有効であるため、燃料電池の電解質膜を形成する電解質材料も100℃以上の温度環境でプロトン伝導性が高いことが望ましい。また、燃料電池の始動温度範囲を広げるためには、燃料電池用電解質材料が低温環境においても、ある程度のプロトン伝導性を有することが必要である。従って燃料電池用電解質材料は、少なくとも室温から100℃以上の温度範囲で良好なプロトン伝導性を有することが、より望ましい。
「ナフィオン(登録商標)」を始めとするパーフルオロカーボンスルホン酸のプロトン伝導性は一般的に優れているが、加湿環境で発現し、湿度による影響が大きいため、ある程度の含水率を保てる加湿環境で使用する必要があり、使用環境温度が高くなるにつれて材料中の含水率が落ちるとプロトン伝導性が低下する。このため、加湿環境でプロトン伝導性を有する電解質材料は、電池運転中の湿度管理が難しく、特に100℃を超える温度域では良好なプロトン伝導性が得られにくい。
特許文献1には、官能基を持ったベンゾイミダゾール2個とスルホン酸基1個とを重合させた構造を繰り返し単位とするポリマーを用いることにより電解質膜の耐熱性、機械特性を向上させることが記載されているが、プロトン伝導性が十分に向上しているとは言えない。
一方、非共有電子対(非結合電子対)を持ち、プロトン受容能力を持つ塩基性分子と、プロトン供与能力を持つブレンステッド酸の組み合わせによって、水分のない状態においてもプロトン伝導が発現することが知られている。しかしながら、このような組み合わせを利用したプロトン伝導材料は、加湿環境で使用されるプロトン伝導材料に比べて、プロトン伝導性が低い。例えば、上記ナフィオン(登録商標)は、80℃、100%RHにおいて0.1S/cm程度の伝導度を有するが、非共有電子対を持つ塩基とブレンステッド酸を組み合わせたプロトン伝導材料は、従来、100℃、無加湿状態において2×10−3S/cm程度(特許文献2)、130℃、無加湿状態において1×10−2S/cm程度(特許文献3)であり、ナフィオン(登録商標)よりも高温の条件での測定結果にも関わらず伝導度が低い。
非共有電子対を持つ塩基とブレンステッド酸の組み合わせにおけるプロトン伝導にはプロトン化した塩基の移動に起因する伝導と、塩基間のホッピングに起因する伝導があり、プロトン伝導全体に対してプロトン化塩基の移動による割合が大きいと言われている(特許文献4)が、プロトン伝導度を高めるための知見は得られていない。
特開2003−55457号公報 K.D. Kreuer et al., Electorchim. Acta., 43(1997) 1281 Md. A.B.H. Susan et al., Chem Commun., 2003(2003) 938 A. Noda et al., J. Phys. Chem. B, 107(2003) 4024
本発明は、無加湿又は無水状態で高いプロトン伝導性を有する燃料電池用電解質材料を提供することを目的とする。
本発明により提供される燃料電池用電解質材料は、少なくとも(a)ブレンステッド酸、及び(b)非共有電子対を有する基に、H原子以外の構成原子数の合計が3以下となる1又は2以上の基を付与した構造を有する塩基により構成されるプロトン伝導系を有することを特徴とする。
本発明においては、ブレンステッド酸(a)と組み合わせる塩基(b)の非共有電子対を有する基に小さな基を付与することによって、プロトン伝導度を飛躍的に向上させることができる。
上記ブレンステッド酸(a)としては、プロトン解離定数が高いスルホン酸基を有する化合物が好ましく用いられる。
前記塩基(b)は、プロトン伝導系内での移動を活発にしてプロトン伝導性を特に向上させるために、分子量300以下の塩基であることが好ましい。
分子量300以下の塩基としては、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、及びピリダジンからなる群より選択される化合物に1又は2以上の基が付与され、付与された全ての基に含まれるH原子以外の構成原子数の合計が3以下である塩基がプロトン受容能力の高いことから、好ましく用いられる。
前記非共有電子対を有する基に付与される基としては、C原子数が3以下の炭化水素基、C及びO原子数の合計が3以下の水酸基含有炭化水素基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、及びアミド基から選ばれる一種以上が、好ましく用いられる。
本発明に係る電解質材料は、ブレンステッド酸(a)と組み合わせる塩基(b)の非共有電子対を有する基に比較的小さな基を付与することで、小さな基を付与する前と比べてプロトン伝導度が飛躍的に向上する。
しかも、この電解質材料は無加湿又は無水状態においても高いプロトン伝導性を発現するので、これを燃料電池のプロトン伝導部位、特に電解質膜として用いる場合には、運転する際の湿度管理が容易である。
本発明に係る燃料電池用電解質材料は、少なくとも、ブレンステッド酸(a)と、非共有電子対を有する塩基(b)を組み合わせてなるプロトン伝導系を有する。
ブレンステッド酸(a)としては、その分子中にプロトン供与能力のある構造を持つ様々な化合物、例えば、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、硫酸基等の酸基を有する公知の化合物を用いることができる。より具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの低分子化合物や、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリスルホン等のポリマーにスルホン酸基等の酸基を導入した酸性ポリマーが例示される。これらのなかでも、スルホン酸基を有するブレンステッド酸は、プロトン解離定数が高く、高いプロトン伝導性を得やすいため好ましい。
上記ブレンステッド酸(a)と組み合わせる非共有電子対を有する塩基(b)は、当該塩基(b)の分子中に、プロトン受容能力のある非共有電子対を有する基を持つが、この非共有電子対を有する基には1又は2以上の基が付与され、付与された全ての基に含まれるH原子以外の構成原子数の合計が3以下となる構造を有する。
本発明においては、塩基(b)の非共有電子対を有する基に、H原子以外の構成原子数が最大でも3個までに制限された小さな基を導入することによって、ブレンステッド酸(a)と当該塩基(b)を組み合わせてプロトン伝導を発現させる際に、プロトン伝導性を飛躍的に向上させることができる。
その理由は、次のように考えられる。ブレンステッド酸(a)と塩基(b)を組み合わせたプロトン伝導系においては、塩基(b)の非共有電子対を有する基がプロトン化した状態で系内を移動することにより、又は、系内に存在する非共有電子対を有する基の間をプロトンがホッピングにより移動することにより、プロトン伝導が生じると言われている。ここで、非共有電子対を有する基が系内を移動する形式としては、比較的低分子の塩基性化合物が非共有電子対を有する基を持ったまま系内を自由に移動(並進)する形式と、比較的大分子のポリマーに導入された非共有電子対を有する基がポリマー分子との結合部位を中心点又は中心軸として一定の位置的範囲内を回転移動する形式があると言われている。そして、本発明において、塩基(b)の非共有電子対を有する基に小さな基を導入すると、非共有電子対を有する基、すなわち塩基性発現部位の対称性が低下するため、この部位の運動性が増大する。その結果、プロトン化した非共有電子対を有する基の系内移動が促進され、プロトン伝導性が向上すると考えられる。
塩基(b)の非共有電子対を有する基は、非共有電子対を有し、且つ、ひとまとまりの基(原子団)として認識できるものであればよい。その基本骨格としては、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等の含窒素有機化合物、及び、含窒素化合物と同様に非共有電子対を有するジフェニルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の含酸素有機化合物、及びジフェニルスルホン等の含硫有機化合物を挙げることができる。
上記の含窒素、含酸素及び含硫有機化合物のなかでも、プロトン受容能力、化学的安定性の点から特に含窒素芳香族化合物が好ましい。非共有電子対を有する基の基本骨格に本来は不飽和結合が含まれている場合でも、プロトン受容能力のある非共有電子対が失われない限りは、水素添加等の反応により不飽和結合の一部又は全部が飽和結合になっていてもよい。
塩基(b)の分子構造中には、非共有電子対を有する基が様々な形式で組み込まれていてよい。例えば、塩基(b)は、実質的に非共有電子対を有する基そのものからなる塩基性化合物であってもよいし、1つ又は2つ以上の非共有電子対を有する基をポリマー鎖上に導入したポリマーであってもよいし、或いは、非共有電子対を有する基を繰り返し単位として含むポリマーであってもよい。
すなわち、実質的に非共有電子対を有する基そのものからなる塩基性化合物としては、上記したイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン又はピリダジン自体に小さな置換基を導入したもの(例えば、1−又は2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシエチルピリジンなど)が挙げられる。1つ又は2つ以上の非共有電子対を有する基をポリマー鎖上に導入したポリマーとしては、上記したイミダゾール等の含窒素環を、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマー鎖上にペンダント状に導入したものが挙げられる。また、非共有電子対を有する基を繰り返し単位として含むポリマーとしては、ポリベンズイミダゾール、ホスファゼン等が挙げられる。
非共有電子対を有する基に導入される小さな基のH原子以外の構成原子数は、3つ以下でなければならない。小さな基のH原子以外の構成原子数の合計が4つ以上になると、プロトン伝導性が低下する。その理由は、導入基部分の分子量増大の影響により、非共有電子対を有する基の移動性が悪くなるためであると推測される。このような小さな基としては、次のようなものを例示できる。なお、これらの小さな基は、炭素原子以外の窒素等の異種原子上に導入されていてもよい。
(1)C原子数が3以下の飽和又は不飽和炭化水素基:具体的には、メチル、エチル、プロピル(−CHCHCH、−CH(CH)等のアルキル基;ビニル基(−CH=CH)、アリル基(−CHCH=CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)等のアルケニル基;下記式で表されるエチニル基
Figure 2005222890
(2)C及びO原子数の合計が3以下の、且つ、水酸基を含有する飽和又は不飽和炭化水素基:ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(−CHCHOH、−CH(OH)CH
(3)ケトン基(カルボニル含有基)(−C(=O)CH)、カルボキシル基(−COOH)
(4)第1アミン基(アミノ基)(−NH)、第二アミン基(イミノ含有基)(−NHCH、−NHCHCH
(5)ニトロ基
(6)アミド基(−CO−NH)。
一つの非共有電子対を有する基に、このような小さな基を2つ以上導入してもよい。但し、その場合には、全ての小さな基のH原子以外の構成原子を合計した数が3つ以下となるようにする。例えば、一つの非共有電子対を有する基に導入される基が次のように組み合わされる場合には、この条件に合う:3つのメチル基;メチル基とエチル基;ヒドロキシメチル基とメチル基;ビニル基とメチル基;3つの第一アミン基;第一アミン基とエチル基;第一アミン基と第二アミン基であるメチルイミノ基。
すでに述べたところから明らかなように、本発明に用いるプロトン伝導系のプロトン伝導性を向上させるためには、上記塩基(b)の非共有電子対を有する基、すなわち塩基性発現部位が運動性に富むことが望ましい。
塩基(b)が低分子でプロトン伝導系内を自由に移動できる場合には、非共有電子対を有する基の並進運動が活発になるが、この並進運動はプロトン伝導性を特に向上させると考えられる。従って、プロトン伝導性を向上させる観点からは、塩基(b)の分子量は小さい方が好ましく、特に分子量300以下であることが好ましい。同様の観点から、塩基(b)はポリマーではなく実質的に非共有電子対を有する基そのものからなる塩基性化合物であることが好ましい。なお塩基(b)の分子量は、ゲル分配クロマトグラフィー、浸透圧法、光散乱法、粘度測定法など任意の方法で測定することができる。ここで、塩基(b)がポリマーである場合、塩基(b)の分子量は重量平均分子量である。
また、非共有電子対を有する基、すなわち塩基性発現部位がポリマー分子の構造中にある場合には、非共有電子対を有する基の回転運動が活発になるほど、プロトン伝導性が向上すると考えられる。従って、この場合にプロトン伝導性を向上させる観点からは、ポリマー主鎖から枝分かれした側鎖の先端に非共有電子対を有する基が位置していることが好ましい。同様の観点から、非共有電子対を有する基とポリマー鎖の間の結合は、回転可能な結合(例えば、飽和アルカンやエーテル結合等の単結合)であることが好ましい。
本発明においては、上記ブレンステッド酸(a)、上記塩基(b)、及び必要に応じて他の成分又は材料を組み合わせてプロトン伝導系を構成する。ここで「プロトン伝導系を構成する」とは、ブレンステッド酸の酸基と、塩基の非共有電子対を有する基(塩基性基)を共存させてプロトン伝導を生じ得る系を作ることを意味する。そのための手法としては、互いに独立した分子であるブレンステッド酸(a)と塩基(b)を混合する手法が典型的である。但し、それ以外の手法であってもよく、例えば、ブレンステッド酸の酸基と、非共有電子対を有する基の両方を有するポリマーを合成し、用いてもよい。
ブレンステッド酸(a)と塩基(b)の混合比は任意であるが、一般に中和当量ずつでは塩を形成し、プロトン伝導性が十分に向上しないことがあるので、中和当量ずつとしないことが好ましい場合が多い。
本発明においては、ブレンステッド酸(a)、塩基(b)及び必要に応じて他の成分又は材料を適当な手順で混合又は反応させて、電解質材料を調製する。得られた電解質材料は、固体電解質膜又は電極触媒層など燃料電池のプロトン伝導部位を形成するために用いられ、特に、固体電解質膜の成形材料として用いられる。
本発明に係る電解質材料を固体電解質膜として用いる場合に、ブレンステッド酸(a)又は塩基(b)のどちらか一方の膜化能力が十分でない場合には、相手材料を含浸用支持体又はバインダーとして利用することで固体膜に成形することができる。例えば、プロトン伝導性を向上させる観点から膜化能力の低い低分子の塩基(b)を選んだ場合には、ブレンステッド酸(a)として膜化能力の十分な酸性ポリマーを組み合わせて用いる。かかる酸性ポリマーをあらかじめポリマー膜に成形し、そこに低分子の塩基(b)を含浸させるか、又は、該酸性ポリマーの溶液又は溶融液に低分子の塩基(b)を混合、溶解し、これを固体膜に成形することによって、本発明の電解質材料からなる固体電解質膜が得られる。また、ブレンステッド酸(a)又は塩基(b)以外のポリマーを含浸用支持体又はバインダーとして用い、本発明の電解質材料からなる固体電解質膜を形成してもよい。
本発明の燃料電池用電解質材料には、その他の成分又は材料も適宜用いてよい。
本発明の電解質材料は、ブレンステッド酸(a)と組み合わせる塩基(b)の非共有電子対を有する基に比較的小さな基を付与することで、該非共有電子対を有する基、すなわち塩基性発現部位の対称性が低下するため、運動性が良くなり、小さな基を付与する前と比べてプロトン伝導度が飛躍的に向上する。
しかも、この電解質材料はブレンステッド酸と非共有電子対を有する塩基との組み合わせであり、無加湿又は無水状態においても高いプロトン伝導性を発現するので、これを燃料電池のプロトン伝導部位、特に電解質膜として用いる場合には、電池を運転する際の湿度管理が容易である。
以下に実施例を示す。なお、実施例中の混合比は、モル比を示す。
(伝導度測定法)
以下の実施例では、交流インピーダンス法により伝導度を測定した。伝導度測定は温度が制御された恒温炉内で行い、雰囲気制御・加湿は行っていない。そのため、高温(80℃、120℃)での相対湿度は極めて低く、特に120℃においては、1%RHであることを確認している。
(実施例1)
ピリジン(1a)とメタンスルホン酸(CHSOH)の混合物(混合比;1:3)を調製し、20℃,80℃,120℃の各温度で伝導度測定を行ったところ、20℃,80℃では測定下限以下の伝導度(<10−7S/cm)であり、120℃においても3×10−4S/cmであった。
ピリジンの代わりに、ピリジンにヒドロキシエチル基(−CHCHOH)を付与した2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(1b)とメタンスルホン酸の混合物(混合比;1:3)を用いたところ、いずれの測定温度においても、伝導度が飛躍的に向上することが確認された。具体的には、20℃において0.007S/cmの伝導度を示し、80℃と120℃ではそれぞれ0.027S/cm,0.052S/cmの伝導度が得られた。この測定結果を図1に示す。
すなわちピリジン(1a)にヒドロキシエチル基を付与した化合物(1b)を用いることにより伝導度が100倍以上向上した。
Figure 2005222890
(実施例2)
イミダゾール(2a)、イミダゾールにメチル基(−CH)を付与した2−メチルイミダゾール(2b)、イミダゾール環にベンゼン環が縮合されているベンゾイミダゾール(2c)をそれぞれメタンスルホン酸と混合(混合比;1:3)した場合の伝導度測定の結果を表1及び図2に示す。
Figure 2005222890
Figure 2005222890
この場合、メチル基の付与によって、伝導度が約10,000倍に向上するが、ベンゾイミダゾールでは官能基のないイミダゾールと同程度かより低い伝導度しか示さない。付与する官能基の原子数(水素原子を除く)が3よりも小さいことが重要である。
なお、上記混合比を3:1とした場合、実施例2と同条件で測定した各混合物の伝導度は、実施例2の伝導度と10%程度の差しか確認されなかった。
(実施例3)
イミダゾール(上記2a)とエタンスルホン酸(CHCHSOH)の混合物(混合比;1:1)と、2−メチルイミダゾール(上記2b)とエタンスルホン酸の混合物(混合比;1:1)の伝導度測定の結果を表2及び図3に示す。
Figure 2005222890
この場合、メチル基の付与によって4桁以上に伝導度が向上する。
(実施例4)
イミダゾール(上記2a)、1−メチルイミダゾール(4a)、2−メチルイミダゾール(上記2b)、ベンゾイミダゾール(上記2c)それぞれと、p−トルエンスルホン酸(4b)との混合物(混合比;1:3)の伝導度測定の結果を表3及び図4に示す。
Figure 2005222890
Figure 2005222890
酸の種類が異なっていても、イミダゾール環上への基付与の効果は変わらず、この場合でも伝導度が3桁程度向上する。また、1−メチルイミダゾールと、2−メチルイミダゾールでは基を付与する位置が異なるが、ほぼ同様の効果が得られている。また、大きい基を付与したベンゾイミダゾールを用いた場合の伝導度が低いのは、実施例2と同様である。
実施例1の伝導度測定結果を示す図である。 実施例2の伝導度測定結果を示す図である。 実施例3の伝導度測定結果を示す図である。 実施例4の伝導度測定結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも、(a)ブレンステッド酸、及び(b)非共有電子対を有する塩基により構成されるプロトン伝導系を有する燃料電池用電解質材料であって、前記塩基(b)は、非共有電子対を有する基に1又は2以上の基が付与され、付与された全ての基に含まれるH原子以外の構成原子数の合計が3以下となる構造を有することを特徴とする、燃料電池用電解質材料。
  2. 前記ブレンステッド酸(a)はスルホン酸基を有する化合物である、請求項1に記載の燃料電池用電解質材料。
  3. 前記塩基(b)は分子量300以下の塩基である、請求項1又は2に記載の燃料電池用電解質材料。
  4. 前記分子量300以下の塩基は、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、及びピリダジンからなる群より選択される化合物に1又は2以上の基が付与され、付与された全ての基に含まれるH原子以外の構成原子数の合計が3以下である塩基の1種以上である、請求項3に記載の燃料電池用電解質材料。
  5. 前記非共有電子対を有する基に付与される前記基は、C原子数が3以下の炭化水素基、C及びO原子数の合計が3以下の水酸基含有炭化水素基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、及びアミド基から選ばれる一種以上である、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用電解質材料。
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