JP2005221655A - フレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 円筒状支持体上に、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物を直接塗布し、揮発性溶剤を乾燥除去することにより、容易に膜厚を調整した円筒状フレキソ印刷原版を形成できる液状感光性樹脂組成物および円筒状フレキソ印刷原版の提供
【解決手段】 数平均分子量が1000以上30万以下の重合性不飽和基を有する20℃において固体状の樹脂(a)、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物であって、該液状感光性樹脂組成物の粘度が20℃において10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とするフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明はフレキソ印刷版用レリーフ画像作成、エンボス加工等の表面加工用パターンの形成、タイル等の印刷用レリーフ画像形成、電子部品の導体、半導体、絶縁体、パターン形成、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料のパターン形成、更には液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成に適したフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物および円筒状フレキソ印刷原版に関するものである。
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷は各種の印刷方式の中でその比重を高めている。これに用いる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、又はシート状に成形された固体樹脂板を用い、フォトマスクを感光性樹脂上に置き、マスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、感光性樹脂表面にブラックレーヤーという薄い光吸収層を設け、これにレーザー光を照射し感光性樹脂板上に直接マスク画像を形成後、そのマスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、光の非照射部分の非架橋部分を現像液で洗い落とす、いわゆるフレキソCTP(Computer to Plate)という技術が開発され、印刷版製作の効率改善効果から、採用が進みつつある。しかしながら、この技術も現像工程が残るなど、効率改善効果も限られたものであり、レーザーを使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形成し、しかも現像不要である技術の開発が求められている。その方法として直接レーザーで印刷原版を彫刻する方法が挙げられる。この方法で凸版印刷版やスタンプを作成することは既に行なわれており、それに用いられる材料も知られている。
従来、シート状の印刷版を印刷機の版胴に固定し印刷が行われており、印刷版を版胴に固定する際には、印刷版の位置合わせ、印刷版の下にクッションテープを貼り付けるなどの作業が必要であり、これらの作業に多大な時間を要していた。近年、円筒状支持体上に印刷版を形成し、印刷機のエアーシリンダーに装着するのみで印刷することができるシステムも開発されている。
例えば米国特許3549733号ではポリオキシメチレンまたはポリクロラールを用いることが開示されている。また特許文献1(特表平10−512823号公報(ドイツ国特許A19625749号))にはシリコーンポリマーもしくはシリコーンフッ素ポリマーを用いることが記載されており、その実施例ではアモルファスシリカ等の充填剤を配合している。しかし、これらの公報に記載の発明では、感光性樹脂は用いられておらず、また、円筒状の印刷原版に関する記載もない。
他方、特許文献2(日本国特許第2846954号公報(米国特許第5798202号))、特許文献1(日本国特許第2846955号公報(米国特許第5804353号))にはSBS、SIS、SEBS等の熱可塑性エラストマーを機械的、光化学的、熱化学的に強化された材料を用いることが開示されている。しかし、円筒状印刷原版を形成するには、先ずフレキシブル支持体上にレーザー彫刻可能な層を形成したシートを作製し、このシートを円筒状支持体上に巻きつけ固定化、あるいは表面を整形し継ぎ目のない円筒状印刷原版を形成する方法が記載されている。したがって、円筒状支持体上に直接印刷原版を形成するものではない。
特許文献4(特表2003−526697号公報)に、液状感光性樹脂組成物を用いたレーザー彫刻印刷原版に関する記載があり、レーザー彫刻時に多量に発生する液状カスの除去を、無機多孔質体を用して行っている。レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版に関する記載もあるが、用いる液状感光性樹脂組成物は溶剤を含まないものであり、感光性樹脂組成物中の高分子化合物は20℃において液状の樹脂である。
円筒状支持体上に、加熱溶融させた感光性樹脂を、押し出し成形装置を用いて押し出し、その後カレンダー装置により成形する方法が、特許文献5(特開平9−169060号公報)に記載されている。フレキソ印刷分野で用いられている熱可塑性エラストマーからなる感光性樹脂を加熱溶融させるのに、少なくとも温度を100℃以上にする必要があり、押し出し機を装備するなど極めて大掛かりな装置が必要となる。また、押し出し機の先端に装着されているダイスから押し出される溶融樹脂の膜厚を自由にコントロールするのは難しい。
特表平10−512823号公報 日本国特許第2846954号公報 日本国特許第2846955号公報 特表2003−526697号公報 特開平9−169060号公報
円筒状支持体上に、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物を直接塗布し、揮発性溶剤を乾燥除去することにより、容易に膜厚を調整した円筒状フレキソ印刷原版を形成できる液状感光性樹脂組成物および円筒状フレキソ印刷原版を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、数平均分子量が1000以上30万以下の重合性不飽和基を有する20℃において固体状の樹脂(a)、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物であって、該液状感光性樹脂組成物の粘度が20℃において10Pa・s以上50kPa・s以下である組成物を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記の通りである。
1.数平均分子量が1000以上30万以下の重合性不飽和基を有する20℃において固体状の樹脂(a)、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物であって、該液状感光性樹脂組成物の粘度が20℃において10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とするフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
2.樹脂(a)の軟化する温度が350℃以下であることを特徴とする1.に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
3.樹脂(a)が熱可塑性エラストマーであることを特徴とする1.、2.のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
4.感光性樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を含有し、該光重合開始剤が少なくとも1種類の水素引き抜き型光重合開始剤(d)を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
5.光重合開始剤が、少なくとも1種類の水素引き抜き型光重合開始剤(d)および少なくとも1種類の崩壊型光重合開始剤(e)を含むことを特徴とする1.から4.のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
6.水素引き抜き型光重合開始剤(d)が、ベンゾフェノン類、キサンテン類、アントラキノン類から選ばれる少なくとも一種類の化合物からなり、かつ崩壊型光重合開始剤(e)が、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類から選ばれる少なくとも1種類の化合物からなることを特徴とする5.に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
7.光重合開始剤が、同一分子内に水素引き抜き型光重合剤(d)として機能する部位と崩壊型光重合開始剤(e)として機能する部位の両方を有する化合物を含有することを特徴とする4.に記載のフレキソ印刷原版用感光性組成物。
8.感光性樹脂組成物が、さらに無機多孔質体(f)を含有し、該無機多孔質体(f)の比表面積が10m/g以上1500m/g以下、平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
9.無機多孔質体(f)の数平均粒子径が0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする8.に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
10.前記1.から9.のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を、円筒状に成形したのち、揮発性溶剤を乾燥除去して得られることを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
11.前記10.に記載の円筒状フレキソ印刷原版上に、近赤外線レーザー光でアブレーション加工可能な厚さ0.1μm以上50μm以下の黒色樹脂層が形成されたことを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
12.前記10.、11.のいずれかに記載の印刷原版のパターン形成面の反対側に、クッション性を有する一定厚さのエラストマー層を少なくとも1層有することを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
13.クッション性を有するエラストマー層が、20℃で液状の感光性樹脂組成物を硬化して形成されることを特徴とする12.に記載の円筒状フレキソ印刷原版。
14.前記1.から9.のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を円筒状支持体上に載せ感光性樹脂層を設ける工程、円筒状に形成された感光性樹脂組成物に大気中で光を照射し架橋硬化せしめる工程を含み、照射される光に波長200nm以上450nm以下の光が含まれ、かつ、感光性樹脂組成物の光架橋硬化に用いる光の版面での照度が、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)とUV−35−APRフィルターを用いて測定した場合、20mW/cm以上であること、かつ前記UVメーターとUV−25フィルターを用いて測定した場合、5mW/cm以上であることを特徴とするレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版の製造方法。
15.前記10.に記載の円筒状印刷原版に、マスク露光方式あるいは高エネルギー線走査露光方式により波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射し、光が照射された部分を光硬化させ潜像を形成する工程、未硬化部を現像除去する工程を経て作製されることを特徴とする円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
16.前記11に記載の円筒状印刷原版に、波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射し、光が照射された部分を光硬化させ潜像を形成する工程、未硬化部を現像除去する工程を含むことを特徴とする円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
17.レーザー彫刻可能な円筒状印刷版の製造方法において、レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版にレーザー光を照射し、該レーザー照射部を除去することにより凹パターンを形成する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻し形成された円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
18.レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷版の製造方法において、レーザー光を照射し印刷原版を彫刻して凹パターンを形成する工程の後に、彫刻時に発生するカスを洗浄除去する工程、更にその後、波長200nm以上450nm以下の光を、パターンを形成した印刷版表面に照射する工程を含むことを特徴とする17.に記載の円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
本発明により、円筒状支持体上に、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物を直接塗布し、揮発性溶剤を乾燥除去することにより、容易に円筒状フレキソ印刷原版を形成できる液状感光性樹脂組成物および円筒状フレキソ印刷原版を提供することができる。
以下、さらに詳細に本発明の好ましい実施態様を説明する。
本発明の円筒状印刷原版は、円筒状支持体あるいは円筒状支持体上に、好ましくはクッション層を形成した積層体上に、感光性樹脂層を積層した構成体からなる。積層された感光性樹脂層を、一般的な写真製版技術を用いて凹凸パターン形成することができ、また、該感光性樹脂層全体を光硬化させた感光性樹脂硬化物層にレーザー光を照射し照射部の樹脂が除去されるレーザー彫刻技術を用いて凹凸パターンを形成することもできる。一般的な写真製版技術とは、露光マスクを通して前記感光性樹脂層に光を照射し光が照射された部分を光硬化させる露光工程、それに続き、未硬化部を除去する現像工程を経て凹凸パターンを形成する技術である。露光工程では、ネガマスクを感光性樹脂層に密着させて光を照射することもでき、また、最近の技術として近赤外線レーザーでアブレーション加工できる黒色層を、該感光性樹脂層上に積層し、レーザー光を照射し照射された部分のみを除去して露光マスクを作製する方法も適用できる。更に紫外線レーザー光を走査することにより照射部を硬化させ露光マスクを使用せずに硬化パターンを形成することもできる。また、現像工程では、未硬化部が溶解あるいは分散する現像液をもちいて、未硬化部を除去する方法、熱により未硬化部を溶融させ不織布で吸収除去する熱現像方法を用いることができる。
本発明の印刷原版において、感光性樹脂層を光硬化させた感光性樹脂硬化物層を、レーザー光を用いて直接彫刻し、凹凸パターンを形成する場合、レーザー光が照射された部分の樹脂が除去され凹部が形成される。
本発明の樹脂(a)は、数平均分子量が1000以上30万以下の重合性不飽和基を有し、20℃において固体状であることが好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上20万以下、更に好ましい範囲は5000以上10万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する印刷原版が強度を保ち、この原版から作製したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作製することができる。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
本発明の「重合性不飽和基」の定義は、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。ラジカル重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。付加重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等が挙げられる。
特に好ましいものとして1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.7以上であれば、本発明の樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度に優れ、レーザー彫刻時にレリーフ形状が崩れ難くなる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えらるのものとなり好ましい。印刷原版の機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.7以上が好ましく、1を越える量が更に好ましい。本発明の樹脂(a)において、重合性不飽和基の位置は、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接結合していることが好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
樹脂(a)を製造する方法としては、例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
特にレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版を形成する際に用いる樹脂(a)としては、液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子鎖中に分解し易いモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれていることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。これらの中でも、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は、熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマー主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。
本発明で用いる樹脂(a)として、特にゴム弾性が必要な用途に用いる場合、熱可塑性エラストマーを好ましい例として挙げることができる。例えば、ブタジエンとスチレンとの共重合体、イソプレンとスチレンとの共重合体、スチレン−ジエン−スチレントリブロック共重合体などが好ましく、具体的にはポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)、ポリスチレン−ポリ(エチレンブチレン)−ポリスチレン(SEBS)などを挙げることができる。また、上記の熱可塑性エラストマーのジエン部の一部を水素で置換した水添物を用いることもできる。特に軟化温度が350℃以下が好ましく、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下である。本発明の軟化温度の測定は、動的粘弾性測定装置を用い、室温から温度を上昇していった場合、粘性率が大きく変化する(粘性率曲線の傾きが変化する)最初の温度で定義する。
その他、ゴム系高分子化合物として、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等を挙げることができる。
また、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類等の分子主鎖あるいは側鎖に重合性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。また、重合性不飽和基を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を挙げることもできる。重合性不飽和基を有しない高分子化合物の例としてポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエーテル等のC-C連鎖高分子の他、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル類、ポリフェニレンチオエーテル等のポリチオエーテル類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリジアルキルシロキサン等の高分子化合物、或いはこれらの高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。更に、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
特にフレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には、樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが特に好ましい。このような液状樹脂として、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポイソプレン等の炭化水素類、アジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類、(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類を用いて合成され、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を用いることができる。その含有量は、樹脂(a)全体に対して30wt%以上含有することが好ましい。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が好ましい。ここで言う液状樹脂とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する言葉である。これから得られるレリーフ画像作成用原版を円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる本発明の感光性樹脂組成物は、好ましくは、20℃における粘度が10Pa・s以上50kPa・s以下である。より好ましくは、50Pa・s以上20kPa・s以下、更に好ましくは100Pa・s以上10kPa・s以下である。粘度が10Pa・s以上であれば、作製される印刷原版の機械的強度が十分であり、円筒状印刷原版に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が50kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易であり、円筒状支持体上に液状感光性樹脂層を形成する際に、該感光性樹脂組成物が重力により液ダレ等の現象を起こさないように比較的粘度の高い感光性樹脂組成物であることが望ましい。また、本発明で用いる感光性樹脂組成物は、チキソトロピー性を有することが好ましい。
本発明の有機化合物(b)は、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有した化合物である。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000以下が好ましい。重合性不飽和基の定義は、樹脂(a)の箇所でも記載したように、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、開環付加反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体が少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
印刷版の反撥弾性を高めるため例えば特開平7−239548号に記載されているようなメタクリルモノマーを使用するとか、公知の印刷用感光性樹脂の技術知見等を利用して選択することができる。
樹脂(a)あるいは有機化合物(b)が、分子鎖中に存在する酸素原子あるいは窒素原子に対しα位に存在する水素原子を有する化合物、チオールのような硫黄原子に直接結合している水素原子を有する化合物を、感光性樹脂組成物全体量の少なくとも20wt%以上含有することが好ましい。より好ましくは40wt%以上である。前記酸素原子の由来原子団としては、アルコール、エーテル、エステル、カーボネート等を挙げることができ、また前記窒素原子の由来原子団としてはウレタン、ウレア、アミド等を挙げることができる。
本発明で用いる揮発性溶剤は特に限定するものではないが、好ましくは沸点が60℃以上200℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下、更に好ましくは80℃以上130℃以下である。溶剤の沸点が60℃以上200℃以下の範囲であれば、塗布中に揮発性溶剤が揮発し過ぎることなく、円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を安定的に塗布でき、また塗布された感光性樹脂組成物層からの溶剤の除去も効率よく行える。また、溶剤の含有率は、好ましくは感光性樹脂組成物全体の5wt%以上60wt%以下、より好ましくは10wt%以上50wt%以下、更に好ましくは10wt%以上40wt%以下である。この範囲であれば、感光性樹脂組成物の粘度を大幅に低下させることなく、比較的厚膜に安定して塗布でき、溶剤が除去される工程での気泡の発生等も抑えられる。また、溶剤は単一である必要はなく、数種類のものを混合して用いることができる。特に限定するものではないが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、n−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を光もしくは電子線の照射により架橋して印刷版などとしての物性を発現させるが、その際に光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として広く用いられている。
水素引き抜き型光重合開始剤(d)として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤(d)として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜きてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、好ましくは感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、退候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤の添加量は、好ましくは感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(6)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2005221655
(式中、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、好ましくは感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には無機多孔質体(f)を添加することが好ましい。無機多孔質体(f)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子であり、レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。本発明の無機多孔質体は粘稠な液状カスの除去を最大の目的として添加するものであり、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
本発明の無機多孔質体(f)は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の範囲より小さいものを用いた場合、本発明の樹脂組成物より得られる原版をレーザーで彫刻する際に粉塵が舞いやすく、彫刻装置を汚染しやすく、樹脂(a)及び有機化合物(b)との混合を行う際に粘度の上昇、気泡の巻き込み、粉塵の発生等が生じやすい。他方、上記数平均粒径の範囲より大きなものを用いた場合、レーザー彫刻した際レリーフ画像に欠損が生じやすく、印刷物の精細さを損ないやすい。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明の多孔質無機吸収剤の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した値である。
本発明の無機多孔質体(f)の比表面積の範囲は、10m/g以上1500m/g以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、100m/g以上800m/g以下である。比表面積が10m/g以上である場合、レーザー彫刻時の液状カスの除去が充分となり、また、1500m/g以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができる。本発明の比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
本発明の無機多孔質体(f)の平均細孔径は、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に極めて大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は、1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上50nm以下である。平均細孔径が1nm以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収性が確保でき、1000nm以下である場合、粒子の比表面積が大きく液状カスの吸収量を十分に確保できる。平均細孔径が1nm未満の場合、液状カスの吸収量が少ない理由については明確になっていないが、液状カスが粘稠性であるため、ミクロ孔に入り難く吸収量が少ないためではないかと推定している。
本発明の平均細孔径は、窒素吸着法を用いて測定した値である。平均細孔径が2〜50nmのものは特にメソ孔と呼ばれ、メソ孔を有する多孔質粒子が液状カスを吸収する能力が極めて高い。本発明の細孔径分布は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明の無機多孔質体(f)の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上10ml/g以下、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1m/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明の液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましくは50ml/100g以上1000ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去が十分であり、また2000ml/100g以下であれば、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行った。
本発明の無機多孔質体(f)は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが好ましい。950℃において2時間処理した場合の灼熱減量が、好ましくは15wt%以下、より好ましくは10wt%以下である。
本発明の無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、球状粒子が好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
更にこれらの細孔あるいは空隙にレーザー光の波長の光を吸収する顔料、染料等の有機色素を取り込ませることもできる。
球状粒子を規定する指標として、真球度を定義する。本発明で用いる真球度とは、粒子を投影した場合に投影図形内に完全に入る円の最大値Dの、投影図形が完全に入る円の最小値Dの比(D/D)で定義する。真球の場合、真球度は1.0となる。本発明で用いる好ましい球状粒子の真球度は、0.5以上1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下が望ましい。0.5以上であれば、印刷版としての耐磨耗性が良好である。真球度1.0は、真球度の上限値である。球状粒子として、70%以上、より好ましくは90%以上の粒子が、真球度0.5以上であることが望ましい。真球度を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定する方法を用いることができる。その際、少なくとも100個以上の粒子がモニター画面に入る倍率において写真撮影を行うことが好ましい。また、写真を基に前記DおよびDを測定するが、写真をスキャナー等のデジタル化する装置を用いて処理し、その後画像解析ソフトウエアーを用いてデータ処理することが好ましい。
また、無機多孔質体の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。
本発明において、これらの無機多孔質体(f)は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体(f)を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
本発明の感光性樹脂組成物における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び無機多孔質体(f)の割合は、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体(f)は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
有機化合物(b)の割合が、上記の範囲より小さい場合、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりにくいなどの不都合を生じやすく、上記の範囲より大きい場合には架橋硬化の際の収縮が大きくなり、厚み精度が悪化する傾向がある。
又、無機多孔質体(f)の量が上記の範囲より小さい場合、樹脂(a)及び有機化合物(b)の種類によっては、レーザー彫刻した際に、彫刻液状カスの発生を抑制するなどの効果が十分発揮されない場合があり、上記の範囲より大きい場合には、印刷版が脆くなる。また、透明性が損なわれる場合があり、また、特にフレキソ版として利用する際には、硬度が高くなりすぎてしまう場合がある。光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
感光性樹脂組成物中に無機多孔質体を混合する方法として、熱可塑性樹脂を加熱して流動化させた状態で直接無機多孔質体(f)を添加する方法、あるいは熱可塑性樹脂と光重合性有機化合物(b)を最初に混錬した中に無機多孔質体(f)を添加する方法のいずれでも構わない。
その他、本発明の樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版は、有機化合物(b)の重合性不飽和基同士、あるいは樹脂(a)の重合性不飽和基と有機化合物(b)の重合性不飽和基が反応することにより3次元架橋構造が形成され、通常用いるエステル系、ケトン系、芳香族系、エーテル系、アルコール系、ハロゲン系溶剤に不溶化する。この反応は、有機化合物(b)同士、樹脂(a)同士、あるいは樹脂(a)と有機化合物(b)との間で起こり、重合性不飽和基が消費される。また、光重合開始剤を用いて架橋硬化させる場合、光重合開始剤が光により分解されるため、前記架橋硬化物を溶剤で抽出し、GC−MS法(ガスクロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、LC−MS法(液体クロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、GPC−MS法(ゲル浸透クロマトグラフィーで分離し質量分析する方法)、LC−NMR法(液体クロマトグラフィーで分離したものを核磁気共鳴スペクトルで分析する方法)を用いて解析することにより、未反応の光重合開始剤および分解生成物を同定することができる。更に、GPC−MS法、LC−MS法、GPC−NMR法を用いることにより、溶剤抽出物中の未反応のポリマー、未反応の有機化合物(b)、および重合性不飽和基が反応して得られる比較的低分子量の生成物についても溶剤抽出物の分析から同定することができる。3次元架橋構造を形成した溶剤に不溶の高分子量成分については、熱分解GC−MS法を用いることにより、高分子量体を構成する成分として、重合性不飽和基が反応して生成した部位が存在するかを検証することが可能である。例えば、メタクリレート基、アクリレート基、ビニル基等の重合性不飽和基が反応した部位が存在することを質量分析スペクトルパターンから推定することができる。熱分解GC−MS法とは、試料を加熱分解させ、生成するガス成分をガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析を行なう方法である。架橋硬化物中に、未反応の重合性不飽和基又は重合性不飽和基が反応して得られた部位と共に、光重合開始剤に由来する分解生成物や未反応の光重合開始剤が検出されると、感光性樹脂組成物を光架橋硬化させて得られたものであると結論付けることができる。
感光性樹脂組成物中あるいは光架橋硬化物中に存在する有機珪素化合物(c)の同定は、上記各種分析方法を駆使することにより可能である。
また、架橋硬化物中に存在する無機多孔質体微粒子の量については、架橋硬化物を空気中で加熱することにより、有機物成分を焼き飛ばし、残渣の重量を測定することにより得ることができる。また、前記残渣中に無機多孔質体微粒子が存在することは、電界放射型高分解能走査型電子顕微鏡での形態観察、レーザー散乱式粒子径分布測定装置での粒子径分布、および窒素吸着法による細孔容積、細孔径分布、比表面積の測定から同定することができる。
また、本発明の場合、感光性樹脂組成物中には揮発性溶剤を含有し、円筒状支持体上に塗布し該溶剤成分を乾燥除去しているが、完全に除去することは難しいようである。したがって、感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層中に残留する揮発性溶剤成分の分析を、熱分解GC/MS法を用いて定量分析することができる。すなわち、熱分解ガス中に含まれる溶剤成分が何かをGCを用いて分離し、質量分析で同定することができるので、同定された溶剤成分について、重量が既知の溶剤成分を同じ方法により分析しピーク強度を比較することにより、感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層中に含まれる在留溶剤の量を知ることができる。感光性樹脂層あるいは感光性樹脂硬化物層の表面よりも内部に残留する溶剤の濃度が高い傾向が見られる。また、残留する溶剤の濃度は、乾燥温度や温風の風量等の乾燥条件、あるいは液状感光性樹脂組成物を円筒状支持体上へ塗布する速度、塗布する方法により大きく異なってくる。
本発明の感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層中に含まれる溶剤成分は、5ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。溶剤の残留が、この範囲であれば、支障なく微細パターンの形成が可能である。本発明の溶剤残留量の定量は、下記の方法で実施する。円筒状支持体上に形成された感光性樹脂層あるいは感光性樹脂硬化物層の断面において円筒状支持体近傍の厚さ0.5mm以内の部分の樹脂を微量採取し、これを分析用サンプルとする。このサンプルを熱分解GC/MS分析装置を用いて分析する。熱分解炉の温度を100℃から200℃に設定し、樹脂中に含まれる溶剤成分を蒸発させる。発生するガスを液体窒素でトラップするクライオフォーカシング法を用いて採取した。採取したガスをGC/MSを用いて分析する。ガスクロマトグラフ法で分離し、質量分析装置を用いて分析するので、たとえ未反応の重合性不飽和基を有する有機化合物がガス成分として発生しても、分離することができ、溶剤成分を同定することができる。更に、溶剤成分が同定できた後、重量が既知の該当する溶剤を同じ方法にて分析し、分析装置の検出部でどの程度の強度で検出できるか確認し、前記樹脂成分の分析結果と比較し、樹脂サンプル中に含まれる溶剤の重量を求める。分析に用いた樹脂サンプルの重量は最初に秤量してあるので、これらの値から、樹脂サンプル中の溶剤含有率を定量化することができる。熱分解炉の温度は、サンプルによって変更することが望ましい。例えば、熱重量分析法で前もって樹脂の分解特性を把握しておくことが望ましい。分解し易い樹脂の場合は、温度を低めに設定することもできる。測定上の妨害となる成分は、熱分解した成分であるが、本分析法は質量分析装置を装備しているので、熱分解温度を変えてこれらの成分の量の変化を観察することにより、熱分解して出てきた成分か、溶剤として存在していた成分かを分離することもできる。
本発明の樹脂組成物をシート状、もしくは円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などをほどこしても良い。通常はPETやニッケルなどの素材からなるバックフィルムといわれる下敷きの上に成形される場合が多いが、直接印刷機のシリンダー上に成形する場合などもありうる。また、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製あるいは金属製の円筒状支持体を用いることもできる。円筒状支持体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。バックフィルムあるいは円筒状支持体の役割は、印刷原版の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択する必要がある。線熱膨張係数を用いて評価すると、好ましい材料の上限値は100ppm/℃以下、更に好ましくは70ppm/℃以下である。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。例えば、厚み4.5μmの全芳香族ポリアミドフィルムの両面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートの層を積層したシート等でもよい。また、多孔質性のシート、例えば繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をバックフィルムとして用いることができる。バックフィルムとして多孔質性シートを用いる場合、感光性樹脂組成物を孔に含浸させた後に光硬化させることで、感光性樹脂硬化物層とバックフィルムとが一体化するために高い接着性を得ることができる。クロスあるいは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
また、バックフィルムの線熱膨張係数を小さくする方法として、充填剤を添加する方法、全芳香族ポリアミド等のメッシュ状クロス、ガラスクロスなどに樹脂を含浸あるいは被覆する方法などを挙げることができる。充填剤としては、通常用いられる有機系微粒子、金属酸化物あるいは金属等の無機系微粒子、有機・無機複合微粒子など用いることができる。また、多孔質微粒子、内部に空洞を有する微粒子、マイクロカプセル粒子、低分子化合物が内部にインターカレーションする層状化合物粒子を用いることもできる。特に、アルミナ、シリカ、酸化チタン、ゼオライト等の金属酸化物微粒子、ポリスチレン・ポリブタジエン共重合体からなるラテックス微粒子、高結晶性セルロース等の天然物系の有機系微粒子等が有用である。
本発明で用いるバックフィルムあるいは円筒状支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、感光性樹脂組成物層あるいは接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
成形された感光性樹脂組成物層は光照射により架橋せしめ、印刷原版を形成する。また、成型しながら光照射により架橋させることもできる。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げることができる。感光性樹脂組成物層に照射される光は、200nmから300nmの波長の光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤は、この波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから300nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を充分に確保することができる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
レーザー彫刻に用いる原版の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、好ましくは0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。例えば、最表面にYAGレーザー、ファイバーレーザーあるいは半導体レーザー等の近赤外線領域に発振波長を有するレーザーを用いて彫刻することができる層を形成し、その層の下に炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザーあるいは可視・紫外線レーザーを用いてレーザー彫刻できる層を形成することも可能である。このような積層構造を形成することにより、極めて出力の高い炭酸ガスレーザーを用いて比較的粗いパターンを深く彫刻し、表面近傍の極めて精細なパターンをYAGレーザー、ファイバーレーザー等の近赤外線レーザーを用いて彫刻することが可能となる。極めて精細なパターンは比較的浅く彫刻できれば良いので、該近赤外線レーザーに感度のある層の厚さは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲が好ましい。このように近赤外線レーザーに感度のある層と赤外線レーザーに感度のある層を積層することにより、近赤外線レーザーを用いて彫刻されたパターンの深さを正確に制御できる。これは、赤外線レーザーに感度のある層を、近赤外線レーザーでは彫刻することが困難である現象を利用しているからである。彫刻可能なパターンの精細さの違いは、レーザー装置固有の発振波長の違い、すなわち絞れるレーザービーム径の違いに起因する。このような方法でレーザー彫刻する場合、赤外線レーザーと近赤外線レーザーを搭載した別々のレーザー彫刻装置を用いて彫刻することもでき、また、赤外線レーザーと近赤外線レーザーの両方を搭載したレーザー彫刻装置を用いて行うことも可能である。
本発明のレーザー彫刻印刷原版表面の濡れ性は、インキの受理、転移において極めて重要な要素となる。25℃の温度条件で実施する表面濡れ性評価において、表面エネルギー30mN/mの指示液を20μリットル、1滴を該レーザー彫刻印刷原版表面に滴下し、30秒後に前記液滴が広がった部分の最大径を測定した場合において、該液滴の径が4mm以上20mm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は5mm以上15mm以下である。指示液の広がり方は、同心円状になる場合が多いが、原版表面の状態によっては必ずしも同心円状の広がり方をしない場合もある。その場合には、広がった部分が完全に入る円の直径の最小値を指示液滴の広がった部分の最大径と定義する。液滴が広った部分の最大径が4mm以上20mm以下の範囲であれば、インキをはじいて印刷物が不均一になることなく、また版面へのインキ残りに抑制効果が見られる。
本発明では、レーザー彫刻される層の下部にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。一般的にレーザー彫刻される層の厚さは、0.1〜数mmであるため、それ以外の下部層は組成の異なる材料であっても構わない。クッション層としては、ショアA硬度が20から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。より好ましいショアA硬度の範囲は、30〜60度である。
前記クッション層は、特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等ゴム弾性を有するものであれば何でも構わない。ナノメーターレベルの微細孔を有する多孔質エラストマー層であってもよい。特にシート状あるいは円筒状印刷版への加工性の観点から、光で硬化する液状感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが簡便であり好ましい。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状組成物などを挙げることができる。本発明では、微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、ある程度の機械的強度を確保できれば良いため、材料の選定において自由度が極めて高い。
また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。
更に、テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
本発明において多層化する場合、前記バックフィルムの位置は、クッション層の下、すなわち印刷原版の最下部、あるいは、レーザー彫刻可能な感光性樹脂層とクッション層との間の位置、すなわち印刷原版の中央部、いずれの位置でも構わない。
また、本発明のレーザー彫刻印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更に本発明のシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
また、チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルスルフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等の化合物を挙げることができる。
表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、あるいは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる。
本発明では、上記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して、調整する。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
本発明におけるカップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下で行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、あるいはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
また、無機多孔質体粒子を含有する層が印刷版表面に露出している場合、プラズマ等の高エネルギー雰囲気下で処理し、表面の有機物層を若干エッチング除去することにより印刷版表面に微小な凹凸を形成させることができる。この処理により印刷版表面のタックを低減させること、および表面に露出した無機多孔質体粒子がインクを吸収しやすくすることによりインク濡れ性が向上する効果も期待できる。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザー等の赤外線あるいは赤外線放出固体レーザーが好ましいものの一つである。また、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザーは、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではないが、YAGレーザーは1.06μm近傍の波長であり、この波長の吸収を有するものはあまり無い。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が必要となる。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、;シアニン化合物;スクアリリウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化銅、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。ただし、光を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる系の場合、硬化に使用する光の波長における光吸収が大きな有機/無機化合物の添加量は、光硬化性に支障のない範囲にすることが好ましく、感光性樹脂組成物全体量に対する添加比率としては、好ましくは5wt%以下、より好ましくは2wt%以下である。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明において、レーザー彫刻印刷原版にレーザー光を照射し凹パターンを形成する際に、該レーザー彫刻印刷原版表面を加熱しレーザー彫刻を補助することもできる。レーザー彫刻印刷原版の加熱方法としては、レーザー彫刻機のシート状あるいは円筒状定盤を、ヒーターを用いて加熱する方法、赤外線ヒーターを用いて該レーザー彫刻印刷原版表面を直接加熱する方法を挙げることができる。この加熱工程により、レーザー彫刻性を向上させることができる。加熱の程度は、好ましくは50℃以上200℃以下の範囲、より好ましくは80℃以上200℃以下の範囲、更に好ましくは100℃以上200℃以下の範囲である。
本発明において、レーザー光を照射し凹パターンを形成する彫刻後に、版表面に残存する粉末状あるいは粘性のある液状カスを除去する工程に引き続き、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。更に、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
本発明の印刷原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線吸収フィルター等の機能性材料のパターン形成、液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止剤層の塗膜・パターン形成、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は、網点(80 lines per inch で面積率10%)、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのトップ部の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(2)カスの拭き取り回数とカス残存率
レーザー彫刻後のレリーフ印刷版上のカスは、エタノールもしくはアセトンを含浸させた不織布(商標:BEMCOT M−3、日本国、旭化成株式会社製、)を用いてレリーフ印刷版上のカスを拭き取った。彫刻後に発生する粘稠性の液状カスを除去するのに必要な拭き取り処理の回数をカス拭き取り回数とした。この回数が多いと、液状カスの量が多いことを意味する。優れた印刷版のカス拭き取り回数は、5回以下、好ましくは3回以下である。
更に、レーザー彫刻前の印刷原版、レーザー彫刻直後の印刷版、及び拭き取り後のレリーフ印刷版各々重量を測定し、下記の式により、彫刻時のカス残存率を求めた。
(彫刻直後の版の重量−拭き取り後の版の重量)÷(彫刻前の原版重量−拭き取り後の版の重量)×100
優れた印刷版のカス残存率は15wt%以下、好ましくは10wt%以下である。
レリーフ上に残存したカスを除去した後、印刷版表面に紫外線を照射する後露光を実施した。後露光に用いた光は、紫外線蛍光灯(ケミカルランプ、中心波長:370nm)と殺菌灯(ジャーミサイダルランプ、中心波長:253nm)の光であった。
(3)網点部の形状
彫刻した部位のうち、80lpi(Lines per inch)で面積率約10%の網点部の形状を電子顕微鏡で、200倍〜500倍の倍率で観察した。網点が円錐形または擬似円錐形(円錐の頂点付近を円錐の底面に平行な面で切った、末広がりの形状)の場合には、印刷版として良好である。
(4)多孔質体および無孔質体の細孔容積、平均細孔径及び比表面積
多孔質体又は無孔質体2gを試料管に取り、前処理装置で150℃、1.3Pa以下の条件で12時間減圧乾燥した。乾燥した多孔質体又は無孔質体の細孔容積、平均細孔径及び比表面積は、米国、カンタクローム社製、オートソープ3MP(商標)を用い、液体窒素温度雰囲気下、窒素ガスを吸着させて測定した。具体的には、比表面積はBET式に基づいて算出した。細孔容積および平均細孔径は、窒素の脱着時の吸着等温線から円筒モデルを仮定し、BJH(Brrett-Joyner-Halenda)法という細孔分布解析法に基づいて算出した。
(5)多孔質体および無孔質体の灼熱減量
測定用の多孔質体又は無孔質体の重量を記録する。次に測定用試料を高温電気炉(FG31型;日本国、ヤマト科学社製)に入れ、空気雰囲気、950℃の条件下で2時間処理した。処理後の重量変化を灼熱減量とした。
(6)多孔質体および無孔質体の粒子径分布における標準偏差
多孔質体および無孔質体の粒子径分布の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000J型;日本国、島津製作所製)を用いて行った。装置の仕様では、0.03μmから500μmまでの粒子径範囲の測定が可能であることが、カタログに記載されている。分散媒体としてメチルアルコールを用い、超音波を約2分間照射し粒子を分散させ測定液を調整した。
(7)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(8)数平均分子量の測定
樹脂(a)および有機珪素化合物(c)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製のHLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。また、有機珪素化合物(c)に関しては視差屈折計を用いて検出した。本発明の実施例あるいは比較例で用いている樹脂(a)、有機珪素化合物(c)は、GPC法で用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。
(9)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(10)軟化温度の測定
軟化温度の測定には、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の粘弾性測定装置、回転型のレオメーターを用いて測定した。測定周波数は10rad/秒、昇温速度は10℃/分で室温から加熱を開始し、最初に粘性率が大きく低下する温度領域の粘性率曲線を外挿し、ベースラインと交わった点での温度を軟化点として求めた。
(実施例1〜8)
20℃において固体状の樹脂(a)として、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS、旭化成ケミカルズ社製、商標「タフプレンA」、数平均分子量:7.3万)、SBS系スターポリマー(クレイトン社製、商標「D−1116」、数平均分子量:)用い、表1に示すように重合性モノマー、有機珪素化合物(c)、無機多孔質体(f)、光重合開始剤、その他添加剤を加えてニーダーを用いて混錬し樹脂組成物を作成した。得られた樹脂組成物10重量部に対し、トルエンを20重量部添加し、液状感光性樹脂組成物を調整した。
また、無機多孔質体(f)として、富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)、商標「サイリシア450」(以下略してCH−450、数平均粒子径8.0μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量200ml/100g)、商標「サイリシア470」(以下略してC−470、数平均粒子径14.1μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量180ml/100g)を用いた。用いた多孔質性微粉末シリカの多孔度は、密度を2g/cmとして算出すると、サイロスフェアーC−1504が780、サイリシア450が800であった。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアーC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。サイリシア450、サイリシア470は、多孔質シリカではあるが球状シリカではなかった。
厚さ2mm、内径213.384mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、両面に接着剤層が付いたクッションテープを貼り付け、クッション層付の円筒状支持体を作製した。この円筒状支持体を回転させながら、該円筒状支持体上にドクターブレードを用いて液状感光性樹脂組成物を塗布し、その後円筒状支持体を回転させながら温風を吹きつけながら溶剤であるトルエンを乾燥除去した。得られた感光性樹脂組成物層の厚さが1.7mmになるようにグラインダーを用いて整形した。
実施例1から7については、メタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)を円筒状支持体を回転させながら、開口部(開口部寸法:40mm×310mm)から出てくる光を、大気中で感光性樹脂組成物層に照射し、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層を形成した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルターで測定した照度を時間積分した値)であった。照射面でのランプ照度は、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)を用いて測定した。UV−35−APRフィルターを使用して測定したランプ照度は、100mW/cm、UV−25フィルターを使用して測定したランプ照度は、14mW/cmであった。
その後、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて表面にパターンを形成した。得られた微細な網点部の形状は、ほぼ円錐状で良好であった。
実施例8については、クッション付の円筒状支持体上に実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物層を形成した。得られた感光性樹脂組成物層の表面に、パターンを形成した離型剤付のネガフィルムを離型剤層側から貼り付け、その後、ネガフィルムを通してケミカルランプ(中心波長:370nm)の光を照射し、感光性樹脂組成物層中に潜像を形成した。更に、ネガフィルムを取り外し、未硬化部を炭化水素系溶剤で現像除去した。得られた微細な網点部の形状は、ほぼ円錐状で良好であった。
実施例の感光性樹脂硬化物層中に含まれる溶剤含有率を、0.25mg採取したサンプルを分析し求めた。熱分解GC/MS装置を用いて、熱分解炉の温度を120℃に設定し、発生するガスを液体窒素でトラップするクライオフォーカシング法を用いて採取した。採取したガスをGC/MSを用いて分析した結果、残留する溶剤でるトルエンの量は、50ppmから300ppmの範囲に入っていた。分析に用いた熱分解GC/MS装置は、熱分解装置(フロンティアラボ社製、商標「Py−2010D」)とキャピラリーガスクロマトグラフ装置(GCと略す)、質量分析装置(MSと略す、日本電子社製、商標「Automass Sun」)から構成されていた。
実施例で用いた光重合開始剤は、ベンゾフェノン(BP)が水素引き抜き型光重合開始剤(d)であり、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)が崩壊型光重合開始剤であった。また、本発明の実施例で用いている二重結合含有有機化合物の内、脂環族および芳香族の誘導体は、BZMA、CHMAおよびPEMAである。
実施例1〜7の感光性樹脂組成物は、いずれも20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、いずれの系も50Pa・s以上5kPa・s以下であった。
本発明で用いたSBSの軟化温度は、130℃であった。
Figure 2005221655
Figure 2005221655
本発明はレーザー彫刻によるフレキソ印刷版用レリーフ画像作成、エンボス加工等の表面加工用パターンの形成、タイル等の印刷用レリーフ画像形成、電子部品の導体、半導体、絶縁体、パターン形成、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料のパターン形成、更には液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成用として最適である。

Claims (18)

  1. 数平均分子量が1000以上30万以下の重合性不飽和基を有する20℃において固体状の樹脂(a)、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、揮発性溶剤を含有する液状感光性樹脂組成物であって、該液状感光性樹脂組成物の粘度が20℃において10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とするフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  2. 樹脂(a)の軟化する温度が350℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  3. 樹脂(a)が熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  4. 感光性樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を含有し、該光重合開始剤が少なくとも1種類の水素引き抜き型光重合開始剤(d)を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  5. 光重合開始剤が、少なくとも1種類の水素引き抜き型光重合開始剤(d)および少なくとも1種類の崩壊型光重合開始剤(e)を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  6. 水素引き抜き型光重合開始剤(d)が、ベンゾフェノン類、キサンテン類、アントラキノン類から選ばれる少なくとも一種類の化合物からなり、かつ崩壊型光重合開始剤(e)が、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類から選ばれる少なくとも1種類の化合物からなることを特徴とする請求項5に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  7. 光重合開始剤が、同一分子内に水素引き抜き型光重合剤(d)として機能する部位と崩壊型光重合開始剤(e)として機能する部位の両方を有する化合物を含有することを特徴とする請求項4に記載のフレキソ印刷原版用感光性組成物。
  8. 感光性樹脂組成物が、さらに無機多孔質体(f)を含有し、該無機多孔質体(f)の比表面積が10m/g以上1500m/g以下、平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  9. 無機多孔質体(f)の数平均粒子径が0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする請求項8に記載のフレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を、円筒状に成形したのち、揮発性溶剤を乾燥除去して得られることを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
  11. 請求項10に記載の円筒状フレキソ印刷原版上に、近赤外線レーザー光でアブレーション加工可能な厚さ0.1μm以上50μm以下の黒色樹脂層が形成されたことを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
  12. 請求項10、11のいずれかに記載の印刷原版のパターン形成面の反対側に、クッション性を有する一定厚さのエラストマー層を少なくとも1層有することを特徴とする円筒状フレキソ印刷原版。
  13. クッション性を有するエラストマー層が、20℃で液状の感光性樹脂組成物を硬化して形成されることを特徴とする請求項12に記載の円筒状フレキソ印刷原版。
  14. 請求項1から9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を円筒状支持体上に載せ感光性樹脂層を設ける工程、円筒状に形成された感光性樹脂組成物に大気中で光を照射し架橋硬化せしめる工程を含み、照射される光に波長200nm以上450nm以下の光が含まれ、かつ、感光性樹脂組成物の光架橋硬化に用いる光の版面での照度が、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)とUV−35−APRフィルターを用いて測定した場合、20mW/cm以上であること、かつ前記UVメーターとUV−25フィルターを用いて測定した場合、5mW/cm以上であることを特徴とするレーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版の製造方法。
  15. 請求項10に記載の円筒状印刷原版に、マスク露光方式あるいは高エネルギー線走査露光方式により波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射し、光が照射された部分を光硬化させ潜像を形成する工程、未硬化部を現像除去する工程を経て作製されることを特徴とする円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
  16. 請求項11に記載の円筒状印刷原版に、波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射し、光が照射された部分を光硬化させ潜像を形成する工程、未硬化部を現像除去する工程を含むことを特徴とする円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
  17. レーザー彫刻可能な円筒状印刷版の製造方法において、レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版にレーザー光を照射し、該レーザー照射部を除去することにより凹パターンを形成する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻し形成された円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
  18. レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷版の製造方法において、レーザー光を照射し印刷原版を彫刻して凹パターンを形成する工程の後に、彫刻時に発生するカスを洗浄除去する工程、更にその後、波長200nm以上450nm以下の光を、パターンを形成した印刷版表面に照射する工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の円筒状フレキソ印刷版の製造方法。
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