JP2005220520A - 作業用構台解体方法、簡易足場および解体作業用ゴンドラユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 昇降動作が可能なゴンドラ61,62を略水平移動可能な状態で支持するゴンドラユニット50を作業の対象となる基準空間Bの最上段に設置し、同基準空間Bの形成に用いられている、最上段の第二水平鋼材30以外の所定の鋼材を切断、除去する。当該ゴンドラ61,62を用いた切断、除去作業を、作業用構台100の端において覆工板70の長手方向に連なる全基準空間Bに対して行った後、最上段の第二水平鋼材30間に、簡易足場80を架け渡す。そして、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断し各支持杭10を独立した状態とした上で、各支持杭10を除去する。以上の工程を繰り返すことで、作業用構造台100を、少ない労力で効率よくかつ安全に解体することができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、少ない人員により、効率的かつ安全に作業用構台を解体することが可能な作業用構台解体方法、簡易足場および解体作業用ゴンドラユニットを提供することを目的とする。
上記作業用構台を解体するために、先ず、ゴンドラユニット設置工程において、昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置する。
上記のように構成した請求項2の発明においては、上記昇降型ゴンドラを、ゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させる。すなわち、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えることができるため、解体作業の効率が上がる。
上記のように構成した請求項3の発明においては、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させる。そして、所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にして除去する。例えば、二台の昇降型ゴンドラを、ある鋼材の両端付近を通過する位置に降下又は上昇させれば、同鋼材を両側から切断できるので、効率よく同鋼材を作業用構台から分離することができる。
かかる解体作業用ゴンドラユニットを、解体の対象となる作業用構台の最上段に設置すれば、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えられるのため、解体作業の効率が上がる。
また、請求項2の発明によれば、解体作業の効率がより高まる。
さらに、請求項3の発明によれば、解体作業の効率がより高まるとともに、各鋼材を作業用構台本体から分離させることも容易となる。
さらに、請求項4の発明によれば、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができる。
さらに、請求項5の発明によれば、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができるとともに、簡易な構成で、作業用構台の外側面の外側または内側において昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせることができる。
さらに、請求項6の発明によれば、支持杭を夫々接続する鋼材間に、容易に架渡すことができるとともに、各鋼材が夫々接続する支持杭が形成する側面の両側において、昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせる簡易足場を提供することができる。
さらに、請求項7の発明によれば、昇降型ゴンドラの移動の自由を確保することで作業用構台の解体作業を効率よくさせる解体作業用ゴンドラユニットを提供することができる。
以下、上記作業用構台100を解体する手順について説明する。
上記ゴンドラユニット50は、ゴンドラ61,62と、鋼材を略直方体状に組んで形成したゴンドラ支持枠体51とからなる。同ゴンドラ支持枠体51は、同ゴンドラ支持枠体51の底面を縁取る下方枠52と、上面を縁取る上方枠53と、下方枠52と上方枠53との上下の距離を所定距離に保ちつつその両端部位で両枠を接続する端枠54a,54bとによって構成される。
上方枠53は、その長手方向を構成する二本の鋼材(以下、長鋼材53a,53b)によって二台のゴンドラ61,62を支持する。ゴンドラ61,62は、それぞれ懸持部材61a,62aによって、ワイヤ61b,62bを介して吊り下げられた状態となっている。そして、長鋼材53a,53bが各懸持部材61a,62aを両側から支持することで、上方枠53がゴンドラ61,62を吊り下げ支持する。ゴンドラ61,62は、ゴンドラ支持枠体51の枠体内に収容できる大きさであるとともに、少なくとも一人以上の人間が乗り込める大きさとする。また、ゴンドラ61,62は、図示しないウインチ駆動部を夫々備えることにより、所定の高低差内で自由に上昇・降下可能であるとする。
ここで、作業用構台100を上方から見たときに第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41と第二水平鋼材30とによって形成される略矩形の格子枠を基準格子枠Aとする。ゴンドラ61,62を用いる解体作業は、同基準格子枠A下に連なる、支持杭10と第一水平鋼材20と第二水平鋼材30と第一斜鋼材41と第二斜鋼材42とによって形成される空間(以下、基準空間B)毎に行われる。同図に示すように、ゴンドラユニット50は作業用構台100の最上段において、基準格子枠A1の幅(基準格子枠A1を形成する第二水平鋼材30の部位の長さ)内に収まるように上方から設置される。なお、ゴンドラユニット50を作業用構台100上に設置するためのクレーン等の重機類は図示を省略してある。また、ゴンドラユニット50が設置された基準格子枠A1及び基準格子枠A1と覆工板70の長手方向に連なる他の基準格子枠A2,A3以外の領域には、作業スペースを確保するための覆工板70が被せられている。
同図は、敷設される覆工板70の幅方向を向く作業用構台100の側面を示しており、簡単のため、ゴンドラユニット50の設置対象となった基準格子枠A1の下方に連なる基準空間B1のみを示している。
本実施形態においては、二台のゴンドラ61,62を夫々、基準空間B1内であって、各第一水平鋼材20及び各第一斜鋼材41の両端付近を通過する位置で昇降させる。つまり、各第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41を両側から切断し、除去する。
第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41の切断、除去を行った後は、ゴンドラ61,62が作業用構台100の外側面に含まれる第二水平鋼材30又は第二斜鋼材42を左右から挟んだ状態で昇降できる位置に、ゴンドラ61,62を夫々略水平移動させる。つまり、一の基準空間Bの形成に用いられる各鋼材の切断又は除去を行う限りにおいては、ゴンドラユニット50全体を移動させる必要はなく、昇降動作を行うゴンドラ61,62の位置のみを変更する。
なお、ゴンドラ61,62が第二水平鋼材30等を左右から挟んだ状態で昇降させるとしたのは、支持杭10の側面に取り付けられた各第二水平鋼材30や第二斜鋼材42を切断する際に、作業用構台100の外側からの作業の方がし易かったり、上記基準空間B1内からの作業の方がし易かったりするからである。
同図は、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、基準空間Bが作業用構台100自体の幅方向に三つ連なった状態を示している。ゴンドラユニット50の設置位置は、図3〜5と同様に、基準空間B1の最上段である。なお、同図においては、作業用構台100の外側面の外側を昇降するゴンドラ61のみ図示し、ゴンドラ62の図示を省略しているが、ゴンドラ62も基本的にゴンドラ61と同様の動きをする。
同図(1)に示すように、ゴンドラ61(62)を下降又は上昇させ、最上段の第二水平鋼材30以外の第二水平鋼材30と第二斜鋼材42とを切断する。つまり、ゴンドラ61(62)を昇降させ、切断対象となる各第二水平鋼材30または第二斜鋼材42の各高さ位置に移動した際に昇降動作を止め、各鋼材の切断を行う。
ただし、各鋼材の切断や除去を上記のように限定する必要は必ずしも無く、例えば、ある鋼材が各支持杭10に対してボルトなどで固定されている場合に、同ボルトによる固定を解除して、当該鋼材の全体を各支持杭10から分離させ、除去するとしてもよい。また、各鋼材の長さが所定の範囲に収まる短さであれば、全ての第一水平鋼材20、第二水平鋼材30、第一斜鋼材41、第二斜鋼材42について、その中途部位を切断するのみとしてもよい。
図7は、簡易足場を斜視図により示している。
同図に示すように、簡易足場80は、二本の長鋼材81a,81bと、同長鋼材81a,81bを略平行に保ち両者を接続する二本の短鋼材82a,82bとによって、略矩形に組まれた形状となっている。また、短鋼材82aは、同簡易足場80の一端において、長鋼材81aと長鋼材81bとの端部同士を接続しており、短鋼材82bは、同簡易足場80の他端側において、長鋼材81aと長鋼材81bをその端部同士ではなく、中途部分同士で接続している。つまり、長鋼材81a,81bは、短鋼材82bと接続する部位よりも更に延出している。
簡易足場80は、上記ゴンドラユニット50を移動させた上で、上記基準空間B1〜B3の形成に用いられる第二水平鋼材30であって、上記ゴンドラ61,62を用いた各鋼材の切断処理によっては切断されなかった最上段の第二水平鋼材30間に架渡される。つまり、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30、及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する支持杭10は、作業用構台100の他の部分とは一切接続していない状態であるため、同簡易足場80を架渡し、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30までの移動手段を確保する。
同図は、上記図6と同様に、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、同作業用構台100の最上段には、簡易足場80が架け止められている。作業者は、簡易足場80上を移動し、上記外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30上に到達する。そして、上記ウェブ部係止片84を係止した支持杭10の両側あるいは片側の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。かかる部位を切断したら、次に、簡易足場80を架渡す位置を他の支持杭10上に変更し、同様に最上段の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。このようにして、最終的には、最上段の第二水平鋼材30の部位であって各支持杭10を接続する部位の全てを切断する。
同図に示すように、一の支持杭10の先端部位に取付けた上記ワイヤ90の他端を図示しないクレーンのフック等で吊下げ支持した状態で、地上において同支持杭10の根元近傍を切断する。そして、同根元近傍が切断された支持杭10を上記ワイヤ90を介してクレーン等で吊り下げた状態で傾倒させ、所定の資材置き場に移動させる。このように、最上段の第二水平鋼材30の各部位の切断及び支持杭10の除去作業を繰り返すことで、覆工板70の長手方向に並び基準空間B1〜B3の形成に用いられる支持杭10であって、外側面に含まれる各支持杭10の除去が完了する。そして、作業用構台100の端から順に、全ての基準空間Bに対して上述した各処理を繰り返し行えば、作業用構台100の全てを解体することができる。
簡易足場110は、長鋼材111a,111bと、短鋼材112a,112bとによって略矩形に組まれる点、及び長鋼材111a,111bと短鋼材112a,112bとによって囲まれた範囲をメッシュ部材113が覆う点は、上記簡易足場80と同様である。しかし、簡易足場110は、短鋼材112aの略中央及び、短鋼材112aよりも所定の距離、簡易足場110の中央に接近した位置で長鋼材111aと長鋼材111bとを接続する短鋼材112cの略中央から、夫々下向きにウェブ部係止片114,115が突設されている。更に、短鋼材112aが長鋼材111a,111bと接続する各部位、及び、短鋼材112cが長鋼材111a,111bと接続する各部位には、昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具116,117が夫々取付けられている。
Claims (7)
- 略矩形板状の覆工板を地面よりも所定の高さ位置に平面状に複数枚敷設するため同覆工板の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭と、各支持杭を同幅方向に接続する複数の第一の鋼材と、各支持杭を同長手方向に接続する複数の第二の鋼材とによって組まれた作業用構台を解体する作業用構台解体方法であって、
昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置するゴンドラユニット設置工程と、
上記支持杭と第一の鋼材と第二の鋼材とによって形成される単位空間であって第一の鋼材又は第二の鋼材を含む一面が上記作業用構台の外側面を兼ねる単位空間が複数段積み重なった空間の内部又は外部において、上記昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ、同昇降型ゴンドラが各第一の鋼材または第二の鋼材の高さ位置に移動した際に、上記作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材を一方とする上記最上段における第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対のいずれかを除き、少なくとも、各鋼材の部位であって同空間の形成にのみ用いられている各鋼材の部位を切断又は除去する第一解体工程と、
上記切断も除去も行われなかった第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対が夫々上記支持杭の先端部位と交差する部位に、簡易足場の両先端部位を係止させることにより、同簡易足場を上記最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡す足場架渡し工程と、
上記最上段において簡易足場が架渡された第一の鋼材または第二の鋼材のうち上記作業用構台の外側面に含まれる鋼材の中途部位であって、上記支持杭間を接続する部位を切断する第二解体工程と、
上記第一解体工程及び第二解体工程により他の支持杭と接続しない状態となった支持杭を除去する支持杭除去工程とを備えることを特徴とする作業用構台解体方法。 - 上記第一解体工程は、上記昇降型ゴンドラをゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させ昇降動作を行う位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の作業用構台解体方法。
- 上記第一解体工程は、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にし除去することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の作業用構台解体方法。
- 上記足場架渡し工程は、少なくとも一方の先端部位に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成した簡易足場を用い、同ウェブ部係止片を、上記切断も除去も行われなかった最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭のウェブ部に係止することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の作業用構台解体方法。
- 上記足場架渡し工程は、少なくとも、一方の先端部位から上記簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に上記昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した簡易足場を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の作業用構台解体方法。
- 所定間隔を空けて立設する支持杭を接続するとともに互いに所定の距離をもって対向する鋼材間に架渡される簡易足場であって、
少なくとも、一方の先端部位から同簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に上記支持杭の先端部位に係止可能な先端部位係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した簡易足場。 - 昇降型ゴンドラと、
略矩形に組まれた下方枠部材と、同昇降型ゴンドラを、昇降動作および略水平移動を可能とした上で支持するゴンドラ支持部材と、同下方枠部材とゴンドラ支持部材との上下の距離を少なくとも同昇降型ゴンドラの高さを越える距離に保ちつつ両部材を両端部位で接続する端部材とからなるゴンドラ支持体と、
を備えることを特徴とする解体作業用ゴンドラユニット。
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