JP2005220278A - チタン含有溶液の調製方法、ポリエステル製造用触媒、ポリエステル樹脂の製造方法、およびポリエステル樹脂よりなる中空成形体 - Google Patents

チタン含有溶液の調製方法、ポリエステル製造用触媒、ポリエステル樹脂の製造方法、およびポリエステル樹脂よりなる中空成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】特に均一性と安定性に優れたチタン含有溶液の調製方法を提供すること、さらにその調製方法により得られたチタン含有溶液よりなる高性能なポリエステル製造用触媒、そのポリエステル製造用触媒を用いるポリエステル樹脂の製造方法、および、その製造方法により得られるポリエステル樹脂よりなる中空成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】
チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールにチタン化合物を混合することを特徴とするチタン含有溶液の調製方法。

Description

本発明は、均一性と安定性に優れたチタン含有溶液の調製方法に関し、さらに、その調製方法により得られたチタン含有溶液よりなる高活性なポリエステル製造用触媒、およびその触媒を用いる特に透明性に優れたポリエステル樹脂の製造方法、および、その製造方法により得られるポリエステル樹脂よりなる中空成形体に関する。
ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料等の飲料充填容器の素材をはじめとしてフィルム、シート、繊維等の素材として好適に使用されている。
このようなポリエステル樹脂は、通常テレフタル酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール等の脂肪族ジオールを原料として製造される。具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類とのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて、高分子量化している。また、飲料充填容器の素材として用いる場合には、通常、固相重縮合を行い、さらに分子量を高めるとともに、飲料の味に悪影響を与えるアセトアルデヒド等の低分子副生物を揮散除去している。さらにこのポリエステル樹脂は、たとえば射出成形機械等の成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブロー成形し、あるいはさらに熱処理(ヒートセット)して中空成形容器に成形される。
このようなポリエステル樹脂の製造方法では、重縮合触媒として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物等が使用されてきたが、近年、チタン化合物を重縮合触媒の材料として利用するために、多くの検討が行われている。特にアルコキシチタン化合物は、価格および入手の容易さなどから重縮合触媒の材料として好適である。
触媒としてチタン化合物をポリエステルの重合反応工程に供給するに際しては、均一な分散を実現し、局所的な反応を防止するために、通常、チタン化合物を適当な溶媒、たとえばポリエステル製造原料の一成分である脂肪族ジオールに予め混合させたチタン触媒溶液として供給する。
しかしながら、チタン化合物と脂肪族ジオールとが接触することにより、不溶性の化合物が形成される場合がある。たとえば、チタンテトラアルコキシドを、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールなどに混合すると、チタン濃度によっては沈殿を生じることが知られている(F.Mizukami et al., Stud. Surf. Sci. Catal., 1987, 31, p45)。沈殿の生成は、チタン原子および脂肪族ジオールがネットワーク状に結合して高重合物になるためと考えられる。このように触媒溶液に沈殿が含まれると、触媒が固液分離するため、重合反応工程への供給が不均一となって安定操業が困難になるだけでなく、得られるポリエステル中に異物が生じて美観および強度などの樹脂性能を損なう原因となる。
一方、沈殿の生成を防ぐために触媒溶液中のチタン濃度を低くすると、必要量のチタン触媒を重合反応工程に供給する際に、触媒に同伴して供給される溶媒の脂肪族ジオール量が増大するため、重合反応に悪影響を及ぼす可能性がある。また、触媒溶液中のチタン濃度を低くすることによって、触媒の調製直後には均一で透明な溶液が得られたとしても、触媒溶液の保存中に時間の経過とともに沈殿を生ずる場合がある。
チタン触媒溶液の均一性と安定性を向上させるため、チタン触媒溶液の調製の際に水などの溶解助剤化合物を添加してチタン触媒溶液の調製を行なうことが提案されている(特許文献1)。
特公平3−72653号公報
本発明は上記のような状況にかんがみてなされたもので、特に均一性と安定性に優れたチタン含有溶液の調製方法を提供することを目的とし、さらに、その調製方法により得られたチタン含有溶液よりなる高性能なポリエステル製造用触媒、そのポリエステル製造用触媒を用いるポリエステル樹脂の製造方法、および、その製造方法により得られるポリエステル樹脂よりなる中空成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決を目指して鋭意検討した結果、チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールにチタン化合物を混合することにより、均一性と安定性に優れたチタン含有溶液を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールにチタン化合物を混合することを特徴とするチタン含有溶液の調製方法。
さらに、本発明の好ましい態様は以下の通りである;
(2)調製の任意の段階で、下記の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することを特徴とする(1)に記載のチタン含有溶液の調製方法。
(a)3価以上の多価アルコール
(b)塩基化合物
(c)水
また、本発明のチタン含有溶液は以下の様にポリエステル樹脂およびその触媒、製造方法を提供する;
(3)(1)または(2)の調製方法により調製されたチタン含有溶液よりなるポリエステル製造用触媒。
(4)(3)に記載のポリエステル製造用触媒の存在下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポリエステル樹脂を製造することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
(5)(3)に記載のポリエステル製造用触媒の存在下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させて得られたポリエステル樹脂からなることを特徴とする中空成形体。
本発明により、均一性と安定性に優れたチタン含有溶液の調製方法およびその調製方法により得られたチタン含有溶液よりなる高性能なポリエステル製造用触媒、そのポリエステル製造用触媒を用いる高品質なポリエステル樹脂の製造方法、および、その製造方法により得られるポリエステル樹脂よりなる中空成形体が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のチタン含有溶液の調製方法に用いる脂肪族ジオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中では、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。これらの脂肪族ジオールは、1種単独で、または2種以上用いてもよい。
本発明のチタン含有溶液中の脂肪族ジオールの含有量は、特に制限はないが、好ましくは4〜99重量%であり,より好ましくは19〜94重量%であり、さらに好ましくは50〜85重量%である。脂肪族ジオールの含有量は、たとえばガスクロマトグラフなどの分析法により測定できる。脂肪族ジオールの含有量を前記範囲内とすると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、重合活性が向上できることがある。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において用いられるチタン化合物としては、たとえば、
四フッ化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、ヘキサフロロチタン酸などのハロゲン化チタン化合物;
α−チタン酸、β−チタン酸、チタン酸アンモニウム、チタン酸ナトリウム、ペルオキソチタン酸錯体、アナターゼなどのチタン酸化合物;
硫酸チタン、硝酸チタン、リン酸チタン、ケイ酸チタンなどの無機酸チタン塩化合物;
テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラベンジルチタン、テトラフェニルチタン、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライドなどのチタン有機金属化合物;
テトラフェノキシチタンなどのアリーロキシチタン化合物;
テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、テトラキス(トリフェニルシロキシ)チタンなどのシロキシチタン化合物;
酢酸チタン、プロピオン酸チタン、乳酸チタン、クエン酸チタン、酒石酸チタン、シュウ酸チタニルカリウム、有機スルホン酸チタン、有機ホスホン酸チタンなどの有機酸チタン塩化合物;
テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、チタンテトラピロリドなどのチタンアミド化合物;または下記に詳述されるアルコキシチタン化合物など、およびそれらの加水分解物が挙げられる。
上記のチタン化合物の加水分解物を得る方法には、たとえば欧州特許EP1013692号公報記載の方法を用いることができる。
なお、上記のアルコキシチタン化合物としては、たとえば、
チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシドなどのチタンテトラアルコキシド類;
ポリ(ジブチルチタネート)、Ti7O4(OC2H5)20、Ti16O16(OC2H5)32などの縮合チタンアルコキシド類;
クロロチタントリイソプロポキシド、ジクロロチタンジエトキシドなどのハロゲン置換チタンアルコキシド類;
チタンアセテートトリイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシドなどのカルボン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ジオクチルピロホスフェート)イソプロポキシド、チタン(モノエチルホスフェート)トリイソプロポキシドなどのホスホン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシドなどのスルホン酸基置換チタンアルコキシド類;
アンモニウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサエトキシチタネート、カリウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサ−n−プロポキシチタネートなどのアルコキシチタネート類;
チタンビス(2,4−ペンタンジオナート)ジイソプロポキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドなどのβ−ジケトネート置換チタンアルコキシド類;
チタンビス(アンモニウムラクテート)ジイソプロポキシドなどのα−ヒドロキシカルボン酸置換チタンアルコキシド類;および
チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、2−アミノエトキシチタントリイソプロポキシドなどのアミノアルコール置換チタンアルコキシド類などが挙げられる。
これらの中では、四塩化チタン、α−チタン酸、酢酸チタン、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、およびそれらの加水分解物が好ましい。
これらのチタン化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらのチタン化合物は、必要に応じて、溶媒、たとえば水やアルコール類で希釈するなど、他の化合物と組み合わせて用いることができる。
本発明のチタン含有溶液中のチタンの含有量は、特に制限はないが、チタン原子として0.1重量%以上であることが好ましく、0.5重量%以上であることがさらに好ましい。
チタン含有量が前記範囲未満であると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、ポリエステル重縮合反応系中に添加されるチタン触媒成分以外の成分が多くなり、重縮合反応に悪影響を及ぼすことがある。
本発明のチタン含有溶液の調製方法においては、チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、チタン化合物を、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールに混合する。脂肪族ジオールに含有される水分量は、好ましくは100ppm以上であり、より好ましくは1000ppm以上であり、さらに好ましくは5000ppm以上である。脂肪族ジオール中の含水量が前記範囲未満であると、チタン含有溶液の調製時に不溶物が析出したり、あるいは、チタン含有溶液の調製途中には均一溶液が得られても保存時に不溶物が析出したりするなどして、均一性あるいは安定性に劣るチタン含有溶液しか得られないことがある。
チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、チタン化合物を、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールに混合することによりチタン含有溶液の均一性や安定性が向上できる理由は明確でないが、脂肪族ジオール中にあらかじめ存在する水がチタンと脂肪族ジオールとの重合反応に介入して、チタンと脂肪族ジオールとのネットワーク状重合物の構造の一部を柔軟化することにより、脂肪族ジオールに溶解しやすい(析出しにくい)チタン種の生成を促進しているものと推定される。
本発明のチタン含有溶液の調製方法においては、後述するように、チタン化合物と脂肪族ジオールに加えて、さらに必要に応じて3価以上の多価アルコール、水および/または塩基化合物を原料として用いてもよい。
これらの原料を混合するにあたっては、気相、液相または固相状態の各原料を、同時にまたは時間間隔をおいて接触させた後、静置による自然混合または物理的手段による撹拌混合を行えばよい。
この混合操作は減圧下、常圧下または加圧下で行うことができ、また、窒素などの不活性ガス雰囲気下または空気雰囲気下で行うことができる。なお、吸湿性の大きな原料を使用する場合もあることから、水分量の厳密管理を必要とする場合には乾燥ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明のチタン含有溶液の調製方法における、各原料を混合する温度は、通常200℃以下、好ましくは室温〜70℃の範囲である。
本発明のチタン含有溶液の調製方法においては、上記の混合操作終了後、そのまま調製を終えてもよいが、通常は加熱操作を行う。
加熱操作を行う温度は、通常は室温以上、好ましくは60〜200℃の範囲である。加熱操作中に溶液から揮発する水、アルコールなどの低沸点化合物については、還流冷却器などの還流手段を用いて溶液中に還流してもよく、系外に除去してもよい。加熱操作を行う時間は、通常0.05〜16時間、好ましくは0.1〜4時間である。
このチタン含有溶液は、調製後、調製温度より低温にすると増粘することがあり、場合によってはゲルまたはガラス状の固体となることがある。その場合には、必要に応じて加熱して融解することにより、再び均一な溶液として用いればよい。
なお、このチタン含有溶液は、原料の混合開始時から調製完了時まで一貫して溶液状態であることが好ましい。
本発明のチタン含有溶液の調製方法においては、調製の任意の段階で、3価以上の多価アルコールを添加してもよい。なお、あらかじめ脂肪族ジオールと3価以上の多価アルコールとを混合した後に、チタン化合物を混合するのが好ましい。
本発明のチタン含有溶液の調製方法に用いる3価以上の多価アルコールとしては、たとえば、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、プルラン、シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの中では、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが好ましく、グリセリンがより好ましい。これらの3価以上の多価アルコールは、1種単独で、または2種以上用いてもよい。
本発明のチタン含有溶液中の3価以上の多価アルコールの含有量は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜95重量%であり、より好ましくは5〜80重量%であり、さらに好ましくは15〜50重量%である。3価以上の多価アルコールの含有量は、たとえばガスクロマトグラフなどの分析法により測定できる。3価以上の多価アルコールの含有量を前記範囲内とすると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、重合活性が向上できることがある。
本発明のチタン含有溶液の調製方法においては、調製の任意の段階で、塩基化合物および/または水を添加してもよい。
本発明のチタン含有溶液中の水の含有量は、特に制限はないが、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。水の含有量を前記範囲内とすると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、重合活性が向上できることがある。
水を50ppm以上含有している脂肪族ジオールに、更に水を添加する場合は、チタン化合物を混合する前の工程で添加することが好ましい。
本発明のチタン含有溶液の調製方法に用いる塩基化合物とは、脂肪族ジオール溶媒中でプロトン受容体(ブレンステッド塩基)または電子供与体(ルイス塩基)を生成する化合物を指す。
上記塩基化合物としては、たとえば、
アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、モルホリン、1,4,7−トリアザシクロノナン、アミノエタノール、アニリン、ピリジンなどのアミン化合物;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム化合物;
テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシドなどの4級ホスホニウム化合物;
水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ストロンチウム、水素化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウムエトキシド、ジメチルマグネシウムなどのアルカリ土類金属化合物;および
下記に詳述されるアルカリ金属化合物などが挙げられる。これらの中ではアルカリ金属化合物が好ましい。
アルカリ金属化合物としては、たとえば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属単体;
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化ルビジウム、水素化セシウムなどのアルカリ金属水素化物;
メチルリチウム、n−ブチルリチウム、シクロペンタジエニルナトリウム、シクロペンタジエニルカリウムなどのアルカリ金属有機金属化合物;
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物;
リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ルビジウムエトキシド、セシウムエトキシド、ナトリウムグリコキシド、ナトリウムフェノキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩などが挙げられる。これらの中ではアルカリ金属水酸化物が好ましい。
これらの塩基化合物は、1種単独で、または2種以上用いてもよい。
本発明のチタン含有溶液中の塩基化合物の含有量は、特に制限はないが、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。塩基化合物の含有量を前記範囲内とすると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、重合活性が向上できることがある。
本発明のチタン含有溶液に含有されるチタン含有化合物粒子は、実質的に非晶質であることが好ましい。
チタン含有化合物粒子が結晶質であると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、重合活性が低くなることがある。
チタン含有化合物粒子が実質的に非晶質であることは、X線回折法により明瞭な回折ピークが観測されないことや、透過電子顕微鏡の観察で明瞭な結晶格子が視認されないことなどにより確認することができる。
本発明のチタン含有溶液は、ハロゲン原子含有量が100ppm以下であることが好ましい。ハロゲン原子含有量が前記範囲を超えると、チタン含有溶液をポリエステル重縮合触媒として用いた際に、ポリエステル重縮合反応装置の腐食が大きくなることがある。
本発明のチタン含有溶液は、均一な透明溶液であることが好ましい。すなわち、溶液のHAZE値が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であることが望ましい。溶液のHAZE値は、たとえば日本電色工業(株)製ND−1001DPなどの装置を用いて測定することができる。しかしながら、このチタン含有溶液は、目的によっては、未溶解のチタン成分を含有するスラリー、または顔料などの不溶性微粒子が添加されたスラリーなどの不均一溶液の形態でも使用することが可能である。
本発明のポリエステル製造用触媒は、本発明のチタン含有溶液の調製方法により調製されたチタン含有溶液よりなることを特徴とする。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを、本発明のポリエステル製造用触媒の存在下に重縮合させることを特徴とする。
ここで、芳香族ジカルボン酸としては、たとえば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などを使用することができる。
また、脂肪族ジオールとしては、たとえば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを使用することができる。
また、本発明では、芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を原料として使用することができる。また、脂肪族ジオールとともに、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類等の芳香族ジオール等を原料として使用することができる。
さらに本発明では、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトール等の多官能性化合物を原料として使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを、チタン含有溶液の存在下に重縮合させることを特徴とする。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、チタン含有溶液の添加量は、チタン原子として1〜100ppmとなることが好ましく、1〜50ppmとなることがより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、必要に応じて、上述のチタン含有溶液のほかに、上述した塩基化合物を用いてもよい。
上述した塩基化合物の添加量は、アルカリ金属、アルカリ土類金属および窒素の含有量が、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子および窒素原子の総量として1ppm以上となることが好ましく、1〜500ppmとなることがより好ましく、2〜200ppmとなることがさらに好ましい。
アルカリ金属、アルカリ土類金属および窒素の含有量が前記範囲内であると、得られるポリエステル樹脂の色調やアセトアルデヒド含有量などの樹脂品質が向上できることがある。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、必要に応じて、上述のチタン含有溶液のほかに、リン化合物を用いてもよい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において用いられるリン化合物としては、たとえば、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;
トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;
メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステル類;
メチルホスホン酸、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン酸およびそのエステル類;およびリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン化合物およびそれらの塩などが挙げられる。
これらの中では、トリ-n-ブチルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、フェニルホスホン酸、リン酸、ピロリン酸などが好ましい。
これらのリン化合物の添加量は、通常、得られるポリエステル樹脂に対して、リン原子として1〜300ppmとなる量で用いられる。
これらのリン化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらのリン化合物は、必要に応じて、溶媒、たとえば水やアルコール類で希釈するなど、他の化合物と組み合わせて用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、必要に応じて硫黄化合物を用いることができる。硫黄化合物を用いると、ポリエステル樹脂の生産性が向上するとともに色調などの品質が向上できることがある。
上述した、必要に応じて用いられる硫黄化合物としては、
硫黄単体;
硫化アンモニウム、硫化ナトリウムなどのサルファイド化合物;
亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウムなどのスルフィン酸化合物;
硫酸、硫酸水素ナトリウム、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸化合物;および
三酸化硫黄、過硫酸、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウムなどその他の無機硫黄化合物などが挙げられる。
これらの中では、硫酸、p−トルエンスルホン酸などが好ましい。
上記の硫黄化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物は、必要に応じて、水、アルコール類などの溶媒で希釈するなど、他の化合物と組み合わせて用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、さらに必要に応じてその他の化合物を用いることができる。
上述した、必要に応じて用いられるその他化合物は、
ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物である。
ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物としては、これらの元素の酢酸塩などの脂肪酸塩、これらの元素の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などのハロゲン化物、これらの元素のアセチルアセトナート塩、これらの元素の酸化物などが挙げられるが、酢酸塩または炭酸塩が好ましい。
本発明で必要に応じて用いられるその他化合物の好ましい具体的化合物として以下のものが挙げられる。
ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、臭化ホウ素、フッ化ホウ素などが挙げられ、特に酸化ホウ素が好ましい。
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムトリ-sec-ブトキシドなどが挙げられ、特にアルミン酸ナトリウムが好ましい。
ガリウム化合物としては、塩化ガリウム、硝酸ガリウム、酸化ガリウムなどが挙げられ、特に酸化ガリウムが好ましい。
マンガン化合物としては、酢酸マンガンなどの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
鉄化合物としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、乳酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、酸化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、シュウ酸三カリウム鉄(III)、鉄(III)アセチルアセトナート、フマル酸鉄(III)、四酸化三鉄などが挙げられ、特に鉄(III)アセチルアセトナートが好ましい。
コバルト化合物としては、酢酸コバルトなどの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛が好ましい。
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムブトキシド、炭酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどが挙げられ、特にジルコニウムブトキシドが好ましい。
ニッケル化合物としては、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ギ酸ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、ステアリン酸ニッケルなどが挙げられ、特に酢酸ニッケルが好ましい。
銅化合物としては、酢酸銅、臭化銅、炭酸銅、塩化銅、クエン酸銅、2−エチルヘキサン銅、フッ化銅、ギ酸銅、グルコン酸銅、水酸化銅、銅メトキシド、ナフテン酸銅、硝酸銅、酸化銅、フタル酸銅、硫化銅などが挙げられ、特に酢酸銅が好ましい。
ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられ、特にテトラエトキシシランが好ましい。
スズ化合物としては、酢酸スズ、塩化スズ、酸化スズ、シュウ酸スズ、硫酸スズなどが挙げられ、特に酢酸スズが好ましい。
これらのその他化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物を用いることも可能であるが、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物は用いないことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂中に含有される金属量に制限はないが、好ましくは全金属原子の合計量として40ppm未満であることが望ましく、30ppm以下であることがより望ましい。金属含有量が前記範囲を超えると、使用後のポリエステル樹脂の廃棄処分や再資源化の際にその設備の負担が大きくなることがある。
特に、重金属の含有量は10ppm以下であることが好ましく、4ppm以下であることがさらに好ましい。
ここで、重金属としては、土屋健三郎編「金属中毒学」、医歯薬出版(1983)に分類されているように、ラジウム、スカンジウムとイットリウムを除く3族元素、チタンを除く4族元素、5族から12族の全元素、ホウ素とアルミニウムを除く13族元素、炭素とケイ素を除く14族元素、窒素とリンとヒ素を除く15族元素、酸素と硫黄とセレンを除く16族元素を指す。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂中に含有されるアセトアルデヒド量[AA]0が4ppm以下であることが好ましく、3ppm以下であることがより好ましく、2ppm以下であることがさらに好ましい。[AA]0が上記範囲外であると、得られたポリエステルから成形された容器の内容物の味やにおいに悪影響を与えることがある。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、所定の方法で射出成形機を用いて成形して得られる成形体に含有されるアセトアルデヒド量[AA]1と、成形前のポリエステル樹脂に含有されるアセトアルデヒド量[AA]0との差ΔAAが15ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。ΔAAが上記範囲外であると、得られたポリエステルから成形された容器の内容物の味やにおいに悪影響を与えることがある。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、ポリエステル中に含有される環状三量体量[CT]0が0.50重量%以下であることが好ましく、0.40重量%以下であることがより好ましい。[CT]0が上記範囲外であると、中空成形体等の成形時に金型汚れが起こりやすくなる。
また、本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、所定の方法で射出成形機を用いて成形して得られる成形体に含有される環状三量体量[CT]1と、成形前のポリエステル樹脂に含有される環状三量体量[CT]0との差ΔCTが0.1重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以下であることがより好ましい。ΔCTが上記範囲外であると、中空成形体等の成形時に金型汚れが起こりやすくなる。
ここで、射出成形機を用いてポリエステル樹脂を成形して成形体を得る方法、および、環状三量体含有量の測定方法は以下のとおりとする。
成形時の成形温度は290±10℃、成形サイクルは約65±10秒とする。
さらに具体的には、粒状ポリエステル樹脂2kgを温度140℃、圧力10torrの条件で16時間以上棚段式の乾燥機を用いて乾燥して、粒状ポリエステル樹脂の水分を50ppm以下にする。
次に、乾燥された粒状ポリエステル樹脂を名機製作所(株)製M−70B射出成形機により、成形時には露点が−70℃の窒素をホッパー上部、スクリューフィーダーシュート部に各5ノルマル立方メートル/時間の割合でフィードし、バレル設定温度290℃、また成形機のC/C/C/ノズル先の温度を260℃/290℃/290℃/300℃の各温度にして、金型冷却温度15℃の条件下で射出成形して、段付角板状の成形物を得る。
段付角板状成形物の射出成形は、計量15秒、射出3秒前後となるようにして、乾燥された粒状ポリエステル樹脂をホッパーより射出成形機に供給して行う。また成形サイクルは約65秒前後とする。なお段付角板状成形物1個あたりの重量は72グラムであり、環状三量体量測定用資料は、射出成形開始後11個〜15個目のいずれか1個を用いて行う。
段付角板状成形物は、図1に示すような形状を有しており、7mmから2mmまで段差1mmの6段階の厚みを有する。この段付角板状成形物の4mm部分を切り取り、チップ状に切断し、環状三量体量測定用試料として用いる。
所定量の環状三量体量測定用試料をo−クロロフェノールに加熱溶解した後、テトラヒドロフランで再析出してろ過して線状ポリエステルを除いた後、得られたろ液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC7A)に供給してポリエステル樹脂中に含まれる環状三量体の量を求め、この値を測定に用いたポリエステル樹脂の量で割って、ポリエステル樹脂中に含まれる環状三量体含有量(重量%)とする。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、カラーb値が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂のカラーb値が上記範囲外であると、ボトル等の中空成形体の黄色味が強くなる傾向がある。
また、本発明のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、所定の方法で射出成形機を用いて成形して得られる成形体のカラーb値と、成形前のポリエステル樹脂のカラーb値との差Δbが10以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましい。Δbが上記範囲外であると、ボトル等の中空成形体の黄色味が強くなる傾向がある。
本発明のポリエステル樹脂は、カラーL値が75以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、85以上であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂のカラーL値が上記範囲外であると、ボトル等の中空成形体の色調が暗くなる傾向がある。
なお、カラーL値はポリエステル樹脂を加熱結晶化させた後、45°拡散方式色差計(日本電色工業(株)製SQ−300H)などを用いて測定される。
(エステル化工程)
まず、ポリエステル樹脂を製造するに際して、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化させる。
具体的には、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
このようなスラリーには芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体1モルに対して、通常1.005〜1.5モル、好ましくは1.01〜1.2モルの脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
エステル化反応は好ましくは2個以上のエステル化反応基を直列に連結した装置を用いて脂肪族ジオールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。
エステル化反応工程は通常多段で実施され、第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度が240〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力が0.02〜0.3MPaG(0.2〜3kg/cm2 G)、好ましくは0.05〜0.2MPaG(0.5〜2kg/cm2G)の条件下で行われ、また最終段目のエステル化反応は、通常、反応温度が250〜280℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が0〜0.15MPaG(0〜1.5kg/cm2G)、好ましくは0〜0.13MPaG(0〜1.3kg/cm2 G)の条件下で行われる。
エステル化反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件であればよい。
例えば、エステル化反応が3段階で実施される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245〜275℃、好ましくは250〜270℃であり、圧力は通常0〜0.2MPaG(0〜2kg/cm2 G)、好ましくは0.02〜0.15MPaG(0.2〜1.5kg/cm2G)であればよい。
これらの各段におけるエステル化反応率は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましく、さらに最終段目のエステル化反応生成物においては通常90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。
このエステル化工程により、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル化反応物である低次縮合物(エステル低重合体)が得られ、この低次縮合物の数平均分子量が500〜5,000程度である。
上記のようなエステル化工程で得られた低次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
(液相重縮合工程)
液相重縮合工程においては、エステル化工程で得られた低次縮合物を、減圧下で、かつポリエステル樹脂の融点以上の温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応の脂肪族ジオールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
重縮合反応は、1段階で行ってもよく、複数段階に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が複数段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、反応温度が250〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が0.07〜0.003MPaG(500〜20Torr)、好ましくは0.03〜0.004MPaG(200〜30Torr)の条件下で行われ、最終段の重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜295℃、圧力が1〜0.01kPaG(10〜0.1Torr)、好ましくは0.7〜0.07kPaG(5〜0.5Torr)の条件下で行われる。
重縮合反応を3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段目の1段前間での重縮合反応は、上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件で行われる。例えば、重縮合工程が3段階で行われる場合には、第2段目の重縮合反応は通常、反応温度が260〜295℃、好ましくは270〜285℃で、圧力が7〜0.3kPaG(50〜2Torr)、好ましくは5〜0.7kPaG(40〜5Torr)の条件下で行われる。
触媒として、チタン含有溶液、および必要に応じて塩基化合物、リン化合物およびその他の化合物は、重縮合反応時に存在していればよい。このためこれらの化合物の添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程、液相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。また、触媒全量を一括添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
以上のような液相重縮合工程で得られる液相重縮合ポリエステル樹脂の固有粘度[IV]は0.40〜1.0dl/g、好ましくは0.50〜0.90dl/gであることが望ましい。なお、この液相重縮合工程の最終段目を除く各段階において達成される固有粘度は特に制限されないが、各段階における固有粘度の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましい。
この重縮合工程で得られる液相重縮合ポリエステル樹脂は、通常、溶融押し出し成形されて粒状(チップ状)に成形される。
この液相重縮合工程においては、得られる液相重縮合ポリエステル樹脂のCOOH基濃度を好ましくは60当量/トン以下、より好ましくは55〜10当量/トン、さらに好ましくは50〜15当量/トンとする。液相重縮合ポリエステル樹脂中のCOOH基濃度を上記範囲にすると、固相重合後のポリエステル樹脂の透明性が高くなる。
液相重縮合工程において、例えば脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸のモル比を0.98〜1.3、好ましくは1.0〜1.2とすることにより、液相重合温度を275〜295℃としたときに液相重縮合ポリエステル樹脂中のCOOH基濃度を60当量/トン以下とすることができる。
(固相重縮合工程)
この液相重縮合工程で得られるポリエステル樹脂は、所望によりさらに固相重縮合することができる。
固相重縮合工程に供給される粒状ポリエステル樹脂は、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
このような予備結晶化工程は、粒状ポリエステル樹脂を乾燥状態で通常、120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度に1分から4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエステル樹脂を水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、または水蒸気含有空気雰囲気下で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。
予備結晶化されたポリエステル樹脂は、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。
なお、この予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエステル樹脂の固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエステル樹脂の固有粘度は、液相重縮合後のポリエステル樹脂の固有粘度とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエステル樹脂の固有粘度と予備結晶化される前のポリエステル樹脂の固有粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、温度が190〜230℃、好ましくは195〜225℃であり、圧力が120〜0.001kPa、好ましくは98から0.01kPaの条件下で、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。使用する不活性ガスとしては窒素ガスが望ましい。
ポリエステル樹脂と不活性ガスの流量はバッチ式の場合、ポリエステル樹脂1kgに対し、0.1〜50Nm3/hrであり、連続式の場合、ポリエステル樹脂1kg/hrに対し、0.01〜2Nm3/hrである。
固相重合の雰囲気として使用される不活性ガスは常に純粋な不活性ガスを使用してもよく、また固相重合工程から排出される不活性ガスを循環再使用してもよい。固相重合工程から排出された不活性ガスには、水、エチレングリコール、アセトアルデヒドなどの縮合物、分解物が含有されている。循環再使用の際には縮合物、分解物を含んだ不活性ガスでもよく、また縮合物、分解物を除去、精製した不活性ガスでもよい。
このような固相重縮合工程を経て得られた粒状ポリエステル樹脂には、例えば特公平7-64920号公報記載の方法で水処理を行ってもよく、この水処理は、粒状ポリエステル樹脂を水、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、水蒸気含有空気などと接触させることにより行われる。
このようにして得られたポリエステル樹脂の固有粘度は、通常0.70dl/g以上、好ましくは0.75〜1.0dl/gであることが望ましい。
このようにして得られたポリエステル樹脂のCOOH基濃度は好ましくは10〜35当量/トン、より好ましくは12〜30当量/トンである。
このようにして得られたポリエステル樹脂を275℃で成形して得られる段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
このようにして得られたポリエステル樹脂を275℃で成形して得られる段付き角板状成形体の4mm厚のヘイズは好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。
上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含むポリエステル樹脂の製造工程はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。
このようなポリエステル樹脂は、特に色相に優れ、透明性に優れ、ボトル用途に用いることが特に好ましい。
このようにして製造されたポリエステル樹脂は、従来から公知の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、染顔料等の着色剤などが添加されていてもよく、これらの添加剤はポリエステル樹脂製造時のいずれかの段階で添加してもよく、成形加工前、マスターバッチにより添加したものであってもよい。
これに伴い、上記の添加剤は、粒状ポリエステル樹脂の粒子内部に一様の濃度で含有されていてもよいし、粒状ポリエステル樹脂の粒子表面近傍に濃縮されて含有されていてもよいし、また粒状ポリエステル樹脂の一部の粒子に他の粒子より高濃度で含有されていてもよい。
本発明によって得られるポリエステル樹脂は各種成形体の素材として使用することができ、例えば、溶融成形してボトルなどの中空成形体、シート、フィルム、繊維等に使用されるが、ボトルに使用することが好ましい。
本発明によって得られるポリエステル樹脂からボトル、シート、フィルム、繊維などを成型する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、ボトルを成形する場合には、上記ポリエステル樹脂を溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法、上記ポリエステル樹脂から射出成形によりプリフォームを製造し、該プリフォームを延伸適性温度まで加熱し、次いでプリフォームを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法などがある。
本発明のポリエステル樹脂よりなるボトルは、特に色相に優れ、透明性に優れ、アセトアルデヒド含有量が少なく、高品質である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
また、本明細書において、ポリエステル樹脂の固有粘度は、ポリエステル樹脂0.1gをテトラクロロエタン/フェノール混合液(混合比:1/1(重量比))20cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出される。
[実施例1]
すべての操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。水を0.600重量%含有するエチレングリコール94.1gを還流コンデンサ付き200mlガラス製フラスコに採取し、室温で撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.94gを添加した。水/チタン(モル比)は1.5となる。得られたチタン含有溶液は無色透明の均一溶液であった。
この溶液を4週間室温で保管したところ、溶液に変色や沈殿生成は観察されず、無色透明の均一溶液のままであった。
この溶液の均一性と安定性の評価結果について表1に示した。
[実施例2]
すべての操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。エチレングリコール/グリセリン混合液(混合比:85/15(重量比))90.8gを還流コンデンサ付き200mlガラス製フラスコに採取し、水1.50gを添加し、さらに、水酸化ナトリウム1.74gを添加した後、撹拌して水酸化ナトリウムを完全に溶解させた。次いで、室温で撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.94gを添加した。フラスコをオイルバスに浸漬し、120℃で4時間加熱撹拌した。得られたチタン含有溶液は無色透明の均一溶液であった。
この溶液を4週間室温で保管したところ、溶液に変色や沈殿生成は観察されず、無色透明の均一溶液のままであった。
この溶液の均一性と安定性の評価結果について表1に示した。
[比較例1]
すべての操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。水を30ppm含有するエチレングリコール93.5gを還流コンデンサ付き200mlガラス製フラスコに採取し、室温で撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.94gを添加した。チタンテトライソプロポキシドの添加中に白色沈殿の生成が観察された。1日後、この溶液に水0.565gを攪拌しながら室温で添加した。水/チタン(モル比)は1.5となる。得られたチタン含有溶液は白色沈殿を含む溶液であった。
この溶液を4週間室温で保管したところ、白色沈殿を含む溶液のままであった。
この溶液の均一性と安定性の評価結果について表1に示した。
実施例1と比較例1より、均一なチタン含有溶液を調製するためには、チタン化合物をエチレングリコールに添加する際のエチレングリコール中の含水量の制御が重要であることがわかる。
[比較例2]
すべての操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。水を30ppm含有するエチレングリコール93.5gを還流コンデンサ付き200mlガラス製フラスコに採取し、室温で撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド5.94gを添加した。チタンテトライソプロポキシドの添加中に白色沈殿の生成が観察された。ついで直ちに、この溶液に水0.565gを攪拌しながら室温で添加した。水/チタン(モル比)は1.5となる。得られたチタン含有溶液は無色透明の均一溶液であった。
この溶液を室温で保管したところ、3週間経過時点までは溶液に変色や沈殿生成は観察されず無色透明の均一溶液のままであったが、4週間経過時点では溶液に白色沈殿が生成していた。
この溶液の均一性と安定性の評価結果について表1に示した。
実施例1と比較例2より、均一なチタン含有溶液の保存安定性を高めるためには、チタン化合物をエチレングリコールに添加する際のエチレングリコール中の含水量の制御が重要であることがわかる。
[実施例3]
以下のようにしてテレフタル酸とエチレングリコールのとの低次縮合物を製造した。
高純度テレフタル酸 12.74kg、イソフタル酸0.26kg、エチレングリコール 5.34kg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液 6.88gをオートクレーブに仕込み、圧力1.7kg/cm2、260℃の窒素雰囲気下にて6時間、撹拌しながら反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留去した。
こうして得られた低次縮合物の固有粘度は0.28dl/gであった。
こうして得られた低次縮合物に、実施例1で得られた触媒を添加し、液相重縮合反応を行なった。
その際各触媒の添加量としては、チタン原子に換算して、生成ポリエチレンテレフタレートに対し9ppmとなるように実施例1の溶液を添加し、さらにリン酸をリン原子に換算して生成ポリエチレンテレフタレートに対し6ppmとなるように加え、285℃、0.1kPa(1Torr)の条件下で重縮合を行なった。固有粘度が0.64dl/gの液重品ポリエチレンテレフタレートが得られる時間を測定し、それより液相重合速度を算出した。結果を表2に示した。
次に得られた液重品ポリエチレンテレフタレートを170℃で2時間予備結晶化を行った後、220℃で10時間窒素ガス雰囲気下で加熱した。得られた固重品ポリエチレンテレフタレートの固有粘度を測定し、それより固相重縮合速度を算出した。結果を表2に示した。
得られたポリエチレンテレフタレートを、除湿エア乾燥機を用いて、170℃、4時間乾燥し、乾燥後の樹脂中の水分含量を40ppm以下とする。乾燥したポリエチレンテレフタレートを射出成形機 M−70B(商品名、(株)名機製作所製)にて、275℃で成形し、段付き角板状成形体を得た。段付き角板状成形体は、図1に示すような形状をして有しており、A部の厚さは、約6.5mmであり、B部の厚さは約5mmであり、C部の厚さは約4mmである。
得られた角板状成形体の5mm厚の部分をヘイズメーター NDH−20D(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて3回測定し、その平均値によりヘイズを評価した。結果を表2に示した。
[実施例4]
実施例3において、触媒として実施例2で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様に行なった。結果を表2に示した。
[比較例3]
実施例3において、触媒として比較例1で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様に行なった。結果を表2に示した。
Figure 2005220278
*1 調製直後の溶液が均一かつ無色透明であるものを○、沈殿や濁りが生じるものを×とした
*2 溶液を室温で4週間保管した後に、無色透明の均一溶液であるものを○、沈殿や濁りが生じるものを×とした
Figure 2005220278
本発明の環状三量体量測定用試料として用いる段付角板状成形物を示す図である。
符号の説明
A 段付角板状成形物の最も厚い部分
B 段付角板状成形物の中間部分
C 段付角板状成形物の最も薄い部分

Claims (5)

  1. チタン化合物の脂肪族ジオール溶液を調製するに際し、水を50ppm以上含有する脂肪族ジオールにチタン化合物を混合することを特徴とするチタン含有溶液の調製方法。
  2. 調製の任意の段階で、下記の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載のチタン含有溶液の調製方法。
    (a)3価以上の多価アルコール
    (b)塩基化合物
    (c)水
  3. 請求項1または請求項2の調製方法により調製されたチタン含有溶液よりなるポリエステル製造用触媒。
  4. 請求項3に記載のポリエステル製造用触媒の存在下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポリエステル樹脂を製造することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
  5. 請求項3に記載のポリエステル製造用触媒の存在下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させて得られたポリエステル樹脂からなることを特徴とする中空成形体。
JP2004031587A 2004-02-09 2004-02-09 チタン含有溶液の調製方法、ポリエステル製造用触媒、ポリエステル樹脂の製造方法、およびポリエステル樹脂よりなる中空成形体 Pending JP2005220278A (ja)

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