JP2005219197A - ターニングセンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 Y軸の移動量を大きくしても干渉がなく、心押台または背面主軸台のスライドへのオーバーハングがないようにして、ガイドレールに対して曲げモーメントを少なくし、構造上、強度的な問題を解決したターニングセンタを提供する。
【解決手段】 略矩形ベッド1の正面の一端には主軸台2が配置され、他端には心押台3が配置され、前記ベッド1の中央にはセンターコラム4と、刃物台7と、マガジンMと、ATC装置8とが載置されたターニングセンタ10において、前記センターコラム4が左右方向へ移動するZ軸と、前記クロススライド5が上下方向へ移動するX軸と、前記クロススライド5に貫通され、前記センターコラム4内をクイル6が前後方向へ移動するY軸とを含む軸構成で構成され、前記クイル6の先端には刃物台7が配設されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X、Y、Z軸の3軸と、自動工具交換装置(ATC)等から構成し、バイト、ボーリングバー等の固定工具による旋削加工を行う他、エンドミル等の回転工具によるミーリング加工を行うターニングセンタに関する。
図5は、従来のターニングセンタ30を示す右側面図である。ベッド31は、側面視で略逆T字状に形成され、ベッド31の上面32には、2本のZ軸ガイドレール(以下、Z軸レールという)31a、31aが配置され、そして、ブロック31b、31bが移動自在に嵌入されており、その上にはサドル33が載置されている。
また、サドル33の上には、2本のY軸レール33aがそれぞれ水平に配置され、そして、ブロック33b、33bが移動自在に嵌入されており、その上にコラム35が搭載されている。コラム35の左側面(主軸台38)側にはマガジンMが載置されている。また、コラム35の正面(図中左端面)には、2本のX軸レール35aが垂直に配置されてクロススライド36が配置されている。そして、クロススライド36には、刃物台37が固定されており、刃物台37はX軸(上下)方向へ移動自在になっている。なお、一例としてY軸の移動量は+75mm、−75mmである。
ベッド31の左正面には、主軸台38が配置されている。主軸台38は、工作物を回転するための主軸を備え、主軸の先端には工作物を把持するチャック38aが装着されている。さらに、ベッド31の正面の右側垂直面31dには、Z軸方向に2本の心押台用移動レール39a、39aが配設されており、心押台用移動レール39aには心押台39が左右方向へ移動自在に支持されている。
刃物台37は、刃物台本体と旋回するタレットとから構成され、タレットには、バイト、ボーリングバー等が取り付けられたツールシャンクから構成される固定工具と、ドリル、エンドミル等の回転工具が取り付けられたツールシャンクから構成される回転工具の2種類の工具をそれぞれ装着する工具装着部を備えている(特許文献1参照)。
その結果、X,Y,Zを有し、ATC(自動工具交換装置)を備え、コンパクトで、しかもまとまりの良いターニングセンタを実現している。
特開2000−15504号公報(段落0005〜0007、図1)
しかしながら、従来のターニングセンタ30では、サドル33上のコラム35がY軸として移動するため、Y軸の移動量を例えば、+150mm、−150mm程度に大きくすると、コラム35が従来よりさらに75mm移動することになり、サドル33からオーバーハングするため、機械の重心が移動し不安定になるという問題があった。さらに、Y軸ストロークが大きいと、コラム35が周辺機器と干渉するという問題があった。また、コラム35と心押台39、心押台39に取って替わる、例えば、背面主軸台等との干渉は避けられないという問題があった。さらに、心押台39、背面主軸台等がベッド31に対して、構造上、強度的に成立できないという問題があった。
そこで、本発明では、前記した問題を鑑み創案されたもので、Y軸の移動量を大きくしても干渉がなく、心押台または背面主軸台のスライドへのオーバーハングがないようにして、ガイドレールに対して曲げモーメントを少なくし、構造上、強度的な問題を解決したターニングセンタを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載のターニングセンタの発明は、略矩形ベッド1の正面の一端には主軸台2が配置され、他端には心押台3が配置され、前記ベッド1の中央にはセンターコラム4と、刃物台7と、マガジンMと、ATC装置8とが載置されたターニングセンタ10において、前記センターコラム4が左右方向へ移動するZ軸と、前記クロススライド5が上下方向へ移動するX軸と、前記クロススライド5に貫通され、前記センターコラム4内をクイル6が前後方向へ移動するY軸とを含む軸で構成され、前記クイル6の先端には前記刃物台7が配設されていることを特徴とする。
請求項2に記載のターニングセンタの発明は、略矩形ベッド1の正面の一端には主軸台2が配置され、他端には背面主軸台13が配置され、前記ベッド1の中央にはセンターコラム4と、刃物台7と、マガジンMと、ATC装置8と、下刃物台20が載置されたターニングセンタ11において、前記センターコラム4が左右方向へ移動するZ軸と、前記クロススライド5が上下方向へ移動するX軸と、前記クロススライド5に貫通され、前記センターコラム4内をクイル6が前後方向へ移動するY軸と、を含む軸で構成され、前記クイル6の先端には前記刃物台7が配設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のターニングセンタ10、11であって、前記下刃物台20のサドル23を移動させるZ軸レール18aに嵌入されたブロック18bの配置は、平面視でトライアングル構造になっていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、クイル6がクロススライド5に貫通され、センターコラム4内をクイル6が前後方向へ移動する軸をY軸とし、クイル6の先端に刃物台7が設けられたことにより、Y軸の移動量を大きくしても重心の移動はなく、また干渉もなく、ガイドレールに対して曲げモーメントを少なくして、構造上、強度的な問題を解決したターニングセンタを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、さらに、背面主軸台13と下刃物台20が配置され、クイル6がクロススライド5に貫通され、センターコラム4内をクイル6が前後方向へ移動し、クイル6の先端に刃物台7が設けられたことにより、Y軸の移動量を大きくしても干渉がなく、ガイドレールに対して曲げモーメントを少なくし、構造上、強度的な問題を解決したターニングセンタを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ブロック18bの配置を平面視でトライアングル構造の三角形配置にしたことにより、切削力を受ける側の剛性を確保するとともに、切粉の堆積にならず、切粉はけがよい。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明であるターニングセンタ10の標準仕様の軸構成を示す斜視図である。図1に示すように、略矩形のベッド1の正面には、左側に主軸台2、右側に心押台3が配置され、ベッド1上の中央にはセンターコラム4と、刃物台7と、マガジンMが載置されている。また、主軸台2の後方にはATC装置8とそのアーム8aが配置されている。つまり、従来のターニングセンタとの大きな違いは、サドルがない他、Z軸はセンターコラム4が担当し、X軸はクロススライド5、Y軸はクロススライド5に貫通されて、前記センターコラム4内に配設されたクイル(ラム)6が担当する軸構成とした点である。したがって、センターコラム4の中に配設されたクイル6がY軸(前後)方向へ移動する。そのクイル6の先端には刃物台7が配設されている。
図1に示すように、ベッド1の水平面である上面には、2本のZ軸ガイドレール(以下、Z軸レールと略す)1a、1aが配置されている。それぞれのZ軸レール1aには、ボールを介したブロック1b、1bが移動自在に嵌入されている。Z軸レール1aとブロック1bは直動ころがり案内を構成し、ブロック1b、1b…上には、センターコラム4が載置されている。したがって、センターコラム4は、ベッド1上をZ軸(主軸2の軸線と平行な左右)方向に移動自在に移動する。
センターコラム4の下面には、Z軸ボールネジ14aが配設されており、そのZ軸ボールネジ14aに螺合するナット(図示せず)がセンターコラム4の下面に設けられている。Z軸ボールネジ14aの両端は、ベッド1に固定されたブラケットのベアリング(図示せず)により回転自在に軸支されている。Z軸ボールネジ14aの一端は、Z軸サーボモータ14の出力軸に連結部材(図示せず)を介して連結されている。その結果、Z軸サーボモータ14を起動し、Z軸ボールネジ14aを回転させることにより、センターコラム4はZ軸(左右)方向へ移動する。
さらに、センターコラム4の側面(図中左側)にはマガジンMが搭載されている。このマガジンMにはバイト、ボーリングバー等の固定工具の他に、エンドミル、ドリル、グラインダ等の回転工具が各ポットに格納されている。マガジンMのツール本数は、20、40本等の仕様で用意されている。
さらに、マガジンMの近傍にはATC装置8が配設されており、マガジンMに格納されているツールを把持して、刃物台7のツールとを交換するためのアーム8aが設けられている。
センターコラム4の正面には、2本のX軸レール4a、4aがそれぞれ垂直に配置されている。それぞれX軸レール4aには、ブロック4b、4bが移動自在に嵌入されている。X軸レール4aとブロック4bとは、同様に直動ころがり案内を構成する。ブロック4b、4bには、クロススライド5が配設されている。クロススライド5は、クイル6と刃物台7をX軸(上下)方向へ移動自在に移動させる。
クロススライド5の裏面には、ナット(図示せず)が固定されている。そのナットにはX軸ボールネジ15aが螺合され、X軸ボールネジ15aはクロススライド5に保持されたベアリングに回転自在に軸支されている。X軸ボールネジ15aの一端は、X軸サーボモータ15の出力軸に連結部材(図示せず)を介して連結されている。その結果、X軸サーボモータ15を回転起動し、X軸ボールネジ15aを回転させることによりクロススライド5をX軸(上下)方向へ移動させる。
クロススライド5は正面視では板状であるが、箱状に形成され、クイル6のY軸(前後)方向への移動をガイドする機能を有している。X軸ボールネジ15aは、クイル6との干渉がない位置に配置されている。
クイル6は四角柱をしており、Y軸(前後)方向へ移動自在にクロススライド5に嵌入されている。クイル6の後部には図示しないナットが固定され、そのナットにはY軸用ボールネジが配設され、クロススライド5の後部に設けられたY軸サーボモータ(図示せず)の出力軸に連結部材を介して連結されている。その結果、Y軸サーボモータを起動し、Y軸用ボールネジを回転させることによりクイル6をY軸(前後)方向へ移動する。
刃物台7は、クイル6の先端部に設けられ、クイル6の中を回転工具の回転駆動軸が配設されており、回転工具を回転駆動するモータが配設されている。刃物台7は、固定工具と回転工具の2つに対応できるようになっている。
また、刃物台7は、任意角度に回動するB軸が設けられており、位置割出し機構を有している。例えば、ツール(工具)を主軸台2の方へ90度回動して位置決めをすることによって、ワークの端面にエンドミルにより、例えば、四角形の溝入れ加工等することができる他、ATC装置8のアーム8aにより、ツール(工具)交換をすることができる。
また、刃物台7は、固定工具により旋削加工を行うために必要な位置決めクランプ機構と、回転工具によりミーリング加工を行うための連続回転を行う機能も兼ね備えている。
主軸台2は、ベッド1の左側正面に配置されている。主軸台2には、ワーク(工作物)を回転するための回転軸を備え、ワークを把持するチャック2aが装着されている。
また、主軸台2はビルトインモータが搭載されている。主軸2はC(回転制御)軸の回転・位置決めする機能の他に、回転工具によりミーリング加工を行うためのクランプ機能を兼ね備えている。その他の構造と機能は周知であり、詳細な説明は省略する。
心押台3は、ベッド1の右側正面に配置されている。Z軸方向に2本の心押台用ガイドレール9a、9aが配置されている。心押台ガイドレール9aの上にはブロック9bが嵌入されており、そのブロック9b、9bの上にはサドル9と心押台3が載置され、左右方向へ移動自在に支持されている。
図2は、本発明であるターニングセンタ11のオプション仕様の軸構成を示す斜視図である。図1のターニングセンタ10との相違点は、図2に示すように、背面主軸台13が心押台3に取って代わり配設されている点と、主軸台2と背面主軸台13の間に下刃物台20が配設されている点である。
背面主軸台13は、心押台ガイドレール9a、9aをそのまま使用され、サドル12と背面主軸台13が載置されている。
ワークの表加工(第1工程)を主軸台2が担当するのに対して、背面主軸台13は裏加工(第2工程)を担当する。背面主軸台13は、図3に2点鎖線で示すように、第1工程を担当する主軸台2によって表加工が終了すると、背面主軸台13は、主軸台2へ向って前進し、ワークの受け渡しを行ない、後退して元の位置に戻り、下刃物台20の支援を受けながら第2工程を行ない、工程集約して完成品にする。
背面主軸台13下のサドル12の裏面には、ナット(図示せず)が固定されている。そのナットにはW軸ボールネジ17a(図4参照)が螺合され、その一端は、ベッド1内に設けられたW軸サーボモータ12a(図2参照)の出力軸に図示しないプーリが連結され、歯付ベルト(図示せず)を介して連結されている。その結果、W軸サーボモータ12aを回転起動し、W軸ボールネジ17aを回転させることによりサドル12を主軸台2の方向へ移動させる。
サドル12は、心押台ガイドレール9a、9aに両端支持され、切粉が堆積しにくいように傾斜面が設けられている。
図3は主軸台2と背面主軸台13と下刃物台20を示す正面図、図4はその右側面図である。下刃物台20は、図3に示すように、主軸台2または背面主軸台13へ支援をするためのものである。下刃物台20は、図4に示すように、サドル23の上に配置されたX軸レールとそのブロックに載置され、X軸、Z軸へ移動自在に移動する。
下刃物台20は、本体21とタレット22とから構成され、タレット22には、主にバイトやボーリングバー等の固定工具が装着できるようになっている。
下刃物台のZ軸レールには、切削力がかかる方の手前側(図中左)に2個のブロックが嵌入され、奥側(図中右)Z軸レールには1個(1点支持)のブロックが嵌入されている。図3に示すように、手前側のZ軸レール18aには2個のブロック18b、18bが配置され、奥側のZ軸レール18aには1個のブロック18bが配置されている。これを上から見ると、ちょうど三角形(トライアングル)構造を形成している。その結果、切粉の堆積がなく、切粉はけがよい。また、オーバーハング量を最小限に抑え、剛性を高め、案内に対して曲げモーメントを極小にしている。さらに、Y軸の移動量の増大に対応して心押台の軸心位置も手前方向に位置が移動したので、従来の支持方法とは異なるサドル型にすることにより、構造上、強度を高めている。
また、図4に示すように、Y軸はクイル6の移動によるため、主軸台2、背面主軸台13と、刃物台7との干渉が回避されているのは判る。
なお、本発明はその技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能であり、本発明はこの改造、変更された発明であっても、権利が及ぶことは当然である。例えば、各軸の案内部は直動ころがり案内の代わりにすべり案内であっても良いし、クイルの形状は4角柱に限らず、円柱であってもよい。本発明のターニングセンタは、Y軸の移動量の増大が引き起こす切削力を受ける際の負荷の問題、剛性の問題、切粉の問題をトータル的に解決したものである。
本発明であるターニングセンタの軸構成を示す斜視図である。 ターニングセンタの軸構成を示す斜視図である。 主軸台と背面主軸台と下刃物台を示す正面図である。 下刃物台の右側面図である。 従来のターニングセンタを示す右側面図である。
符号の説明
1 ベッド
1a Z軸ガイドレール(レール)
1b ブロック
2 主軸台
2a チャック
3 心押台
4 センターコラム
4a X軸ガイドレール(レール)
4b ブロック
5 クロススライド
6 クイル
7 刃物台
8 ATC装置
9 サドル
10、11 ターニングセンタ
12 サドル
12a W軸サーボモータ
13 背面主軸台
13a チャック
14 Z軸サーボモータ
14a Z軸ボールネジ
15 X軸サーボモータ
15a X軸ボールネジ
16 Y軸サーボモータ
16a Y軸ボールネジ
17 W軸サーボモータ
17a W軸ボールネジ
17b W軸ガイドレール(レール)
17c W軸ブロック
18 Z
18a Z軸ガイドレール(レール)
18b Z軸ブロック
18c Z軸ボールネジ
19
20 下刃物台
21 下刃物台本体
22 タレット
23 サドル
24 X軸サーボモータ
24a X軸ボールネジ
24b X軸ガイドレール(レール)
24c X軸ブロック
25 カバー
26 チップコンベア

Claims (3)

  1. 略矩形ベッド(1)の正面の一端には主軸台(2)が配置され、他端には心押台(3)が配置され、前記ベッド(1)の中央にはセンターコラム(4)と、刃物台(7)と、マガジン(M)と、ATC装置(8)とが載置されたターニングセンタ(10)において、
    前記センターコラム(4)が左右方向へ移動するZ軸と、
    前記クロススライド(5)が上下方向へ移動するX軸と、
    前記クロススライド(5)に貫通され、前記センターコラム(4)内をクイル(6)が前後方向へ移動するY軸と、を含む軸構成で構成され、
    前記クイル(6)の先端には前記刃物台(7)が配設されていることを特徴とするターニングセンタ(10)。
  2. 略矩形ベッド(1)の正面の一端には主軸台(2)が配置され、他端には背面主軸台(13)が配置され、前記ベッド(1)の中央にはセンターコラム(4)と、刃物台(7)と、マガジン(M)と、ATC装置(8)と、下刃物台(20)が載置されたターニングセンタ(11)において、
    前記センターコラム(4)が左右方向へ移動するZ軸と、
    前記クロススライド(5)が上下方向へ移動するX軸と、
    前記クロススライド(5)に貫通され、前記センターコラム(4)内をクイル(6)が前後方向へ移動するY軸と、を含む軸構成で構成され、
    前記クイル(6)の先端には前記刃物台(7)が配設されていることを特徴とするターニングセンタ(11)。
  3. 前記下刃物台(20)のサドル(23)を移動させる2本のZ軸レール(18a)に嵌入されたブロック(18b)の配置は、平面視でトライアングル構造になっていることを特徴とする請求項2の記載のターニングセンタ(11)。
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