JP2005028481A - 工作機械 - Google Patents
工作機械 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005028481A JP2005028481A JP2003194605A JP2003194605A JP2005028481A JP 2005028481 A JP2005028481 A JP 2005028481A JP 2003194605 A JP2003194605 A JP 2003194605A JP 2003194605 A JP2003194605 A JP 2003194605A JP 2005028481 A JP2005028481 A JP 2005028481A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axis
- saddle
- quill
- hole
- axis direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Machine Tool Units (AREA)
Abstract
【課題】高精度な加工を行うことができるとともに、滑り案内面のメンテナンスを効率的に行うことができる工作機械を提供する。
【解決手段】工作機械1は、ベッド5と、ワーク保持機構10と、枠状の固定フレーム15と、Z軸方向に移動自在に固定フレーム15に支持された枠状の移動フレーム16と、X軸方向に移動自在に移動フレーム16に支持されたサドル17と、Y軸方向に移動自在にサドル17の収容穴17aに収容されたクイル18と、工具保持機構20とを備える。クイル18には、上下に貫通し、且つ長手方向がY軸方向に沿った長穴が形成され、サドル17には、上下に貫通し、長穴と上下方向に重なり合う貫通穴が形成される。また、工作機械1は、サドル17に固設された被送り部材と、貫通穴及び長穴に挿通された状態で移動フレーム16に配設され、被送り部材をX軸方向に移動させる駆動部材とからなる送り装置77を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】工作機械1は、ベッド5と、ワーク保持機構10と、枠状の固定フレーム15と、Z軸方向に移動自在に固定フレーム15に支持された枠状の移動フレーム16と、X軸方向に移動自在に移動フレーム16に支持されたサドル17と、Y軸方向に移動自在にサドル17の収容穴17aに収容されたクイル18と、工具保持機構20とを備える。クイル18には、上下に貫通し、且つ長手方向がY軸方向に沿った長穴が形成され、サドル17には、上下に貫通し、長穴と上下方向に重なり合う貫通穴が形成される。また、工作機械1は、サドル17に固設された被送り部材と、貫通穴及び長穴に挿通された状態で移動フレーム16に配設され、被送り部材をX軸方向に移動させる駆動部材とからなる送り装置77を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛直方向に沿った第1軸方向に移動自在に設けられ、前記第1軸と直交する第2軸に沿った方向に貫通する収容穴を備えたサドルと、前記第2軸方向に移動自在に前記サドルの収容穴に収容されたクイルと、前記クイルの前端面に支持された工具保持機構とを備えた工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械として、特開平10−315077号公報に開示されるような構造のものが知られている(図7参照)。この工作機械は、ベッド(図示せず)と、ベッド上に立設された固定コラム100と、固定コラム100の前面側に設けられ、工具Tを保持するスピンドル102を備えた3軸ユニット101と、固定コラム100前方のベッド上に設けられ、加工ワークが載置される加工テーブルなどから構成されている。
【0003】
前記3軸ユニット101は、固定コラム100の前面に配設され、水平方向に沿ったX軸方向に移動自在となったX軸テーブル103と、X軸テーブル103の前面に配設され、鉛直方向に沿ったY軸方向に移動自在となったY軸テーブル104と、X軸及びY軸の双方と直交するZ軸方向に貫通する収容穴105aを備え、Y軸テーブル104の中央部に設けられた筒状のスピンドルヘッド105と、前記スピンドル102を前端面に支持して当該スピンドル102とともにスピンドルヘッド105の収容穴105aに収容され、Z軸方向に移動自在となったクイル102とを備えている。
【0004】
尚、前記固定コラム100の中央部には、開口部100aが形成されるとともに、X軸テーブル103の中央部には、表裏に貫通する貫通穴103aが形成されており、これら開口部100a及び貫通穴103a内に前記スピンドルヘッド105が位置するようになっている。
【0005】
また、3軸ユニット101は、前記X軸テーブル103の移動を案内するX軸案内機構120と、Y軸テーブル104の移動を案内するY軸案内機構125と、クイル102の移動を案内するZ軸案内機構(図示せず)と、X軸テーブル103をX軸方向に移動させるX軸送り装置(図示せず)と、Y軸テーブル104をY軸方向に移動させるY軸送り装置107と、クイル102をZ軸方向に移動させるZ軸送り装置(図示せず)とを備えている。
【0006】
X軸案内機構120は、固定コラム100の前面に、開口部100aを挟み上下にそれぞれX軸方向に沿って固設された2本のガイドレール121,121と、X軸テーブル103の裏面に固設され且つ前記ガイドレール121に係合してこれに沿って移動自在となったスライダ122とから構成される。また、Y軸案内機構125も同様に、X軸テーブル103の前面に、貫通穴103aを挟み左右にそれぞれY軸方向に沿って固設された2本のガイドレール126,126と、Y軸テーブル104の裏面に固設され且つ前記ガイドレール126に係合してこれに沿って移動自在となったスライダ127とから構成される。
【0007】
前記Y軸送り装置107は、前記一対のガイドレール126,126間であって、前記スピンドルヘッド105の右隣にY軸に沿って配設され、X軸テーブル103の前面に支持されるボールねじ108と、Y軸テーブル104の下端部に付設されたサーボモータ109と、サーボモータ109の出力軸に設けられたドライブギヤ110と、Y軸テーブル104に設けられ、ドライブギヤ110と噛合するアイドルギヤ111と、Y軸テーブル104の裏面に回転自在に保持されるとともに、アイドルギヤ111と噛合し、且つボールねじ108と螺合したナットギヤ112などからなる。
【0008】
斯くして、サーボモータ109が駆動されて、その回転動力がドライブギヤ110及びアイドルギヤ111を介してナットギヤ112に伝達されると、当該ナットギヤ112が回転し、これにより、Y軸テーブル104がY軸方向に移動せしめられる。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−315077号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の工作機械では、Y軸送り装置107のボールねじ108が、スピンドルヘッド105との干渉を避けるべく、その隣に配設されているので、当該Y軸送り装置によってY軸テーブル104の駆動される位置が、Y軸テーブル104の重心位置から離れた位置となり、このため、Y軸テーブル104の移動にガタツキや姿勢のぶれなどを生じ易く、かかる挙動によって加工精度が低下するという問題があった。
【0011】
また、前記案内機構には、滑り案内機構と転がり案内機構とがあり、剛性や送り安定性などの面では滑り案内機構を用いることが好ましいが、滑り案内機構の場合には、経時的に摺動面が磨耗して案内精度が低下するため、定期的にメンテナンスを行って、滑り案内機構を構成するギブの面間内における位置を調整したり、ギブの形状を修正したりする必要がある。
【0012】
したがって、クイルの案内に滑り案内機構を用いると、クイルの前部側及び後部側から前記メンテナンス作業を実施しなければならないが、クイルの前部側については、クイルがサドルの収容穴に収容された状態でもさほど問題は無いものの、後部側については、クイルをサドルの収容穴から取り出さなければ、前記メンテナンス作業を行い難く、このため、サドルに対するクイルの着脱などに時間がかかり、メンテナンスを効率的に行うことができないという問題がある。
【0013】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、高精度な加工を行うことができるとともに、滑り案内面のメンテナンスを効率的に行うことができる工作機械の提供をその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するための本発明は、ベッドと、前記ベッド上に配設され、ワークを保持するワーク保持機構と、前記ベッド上に配設されるコラムと、鉛直方向に沿った第1軸方向に移動自在に前記コラムに支持されるとともに、前記第1軸と直交する第2軸方向に貫通する収容穴を備えたサドルと、前記第2軸方向に移動自在に前記サドルの収容穴に収容されたクイルと、前記クイルの前端面に支持され、工具を保持する工具保持機構と、前記サドルの前記第1軸に沿った移動を案内する第1の案内装置と、前記クイルの前記第2軸に沿った移動を案内する第2の案内装置と、前記サドルを前記第1軸方向に移動させる第1の送り装置と、前記クイルを前記第2軸方向に移動させる第2の送り装置とを少なくとも備えた工作機械において、
前記クイルは、上下に貫通し、且つ長手方向が前記第2軸方向に沿って形成された長穴を備え、
前記サドルは、同じく上下に貫通し、前記クイルの長穴と上下方向に重なり合う貫通穴を備え、
前記第1の送り装置は、前記サドルに固設された被送り部材と、前記サドルの貫通穴及び前記クイルの長穴に挿通され、且つ前記第1軸に沿った状態で前記コラムに配設され、前記被送り部材に係合して該被送り部材を前記第1軸方向に移動させる駆動部材とを備えてなることを特徴とする工作機械に係る。
【0015】
この発明によれば、第1の送り装置が駆動されると、サドルが、第1の案内装置により案内されて、コラムに対し鉛直方向に沿った第1軸方向に移動せしめられ、第2の送り装置が駆動されると、クイルが、第2の案内装置により案内されて、サドルに対し第1軸と直交する第2軸方向に移動せしめられ、これにより、クイルの前端面に支持された工具保持機構は、前記第1軸及び第2軸方向の少なくとも直交2軸方向に移動せしめられる。
【0016】
そして、ワーク保持機構に保持されたワークに対して、工具を保持した工具保持機構を各送り装置により所定の送り方向に移動させると、当該ワークと工具との間で相対運動が行われ、これにより、ワークが所定の形状に加工される。
【0017】
そして、本発明に係る工作機械では、前記第1の送り装置の駆動部材がサドルの貫通穴及びクイルの長穴に挿通され、これに係合され且つ前記サドルに固着された被送り部材によって、当該サドルが前記第1軸方向に駆動されるように構成しているので、サドルの中央部により近い位置を当該第1の送り装置により駆動することができ、即ち、サドルの重心に近い位置を駆動することができるので、ガタツキや姿勢のぶれを生じることなくスムーズにサドルを移動させることができ、高精度な加工を実現することができる。
【0018】
尚、クイルには、その長穴内に第1の送り装置の駆動部材が挿通されているが、この長穴は、その長手方向が第2軸方向に沿って形成されているため、クイルが第2軸方向に移動しても、前記駆動部材がクイルと干渉することはない。
【0019】
また、前記第2の案内装置は、前記サドルの収容穴の前部側内周面と前記クイルの前部側外周面との間に設けられた滑り案内機構と、前記サドルの後部側外周面と前記クイルの後部側外周面との間に設けられた転がり案内機構とから構成され、前記クイルが、前記滑り案内機構及び転がり案内機構によって前記第2軸方向の移動が案内されるように構成されていても良い。
【0020】
このようにすれば、メンテナンスが必要ではあるが案内安定性の高い滑り案内機構によってクイルの前部側を案内し、案内安定性は若干低いもののメンテナンスが不要である転がり案内機構によってクイルの後部側を案内することができるので、クイルをサドルの収容穴から取り出すことなく、滑り案内機構のメンテナンス作業を行うことができ、案内の安定性を確保しつつ、効率的なメンテナンスが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係るNC旋盤の概略構成を示した斜視図であり、図2は、図1における矢示A−A方向の断面図である。また、図3は、図2における矢示B−B方向の正面図であり、図4は、図3における矢示C−C方向の断面図であり、図5は、図3における矢示D−D方向の断面図であり、図6は、図4における矢示E−E方向の断面図である。
【0022】
尚、本例では、工作機械としてNC旋盤を一例に挙げて説明するが、本発明は、マシニングセンタなど各種の工作機械について適用することができる。
【0023】
図1乃至図6に示すように、本例のNC旋盤1は、上面が水平面となり、前面が鉛直面となるように矩形状に形成されたベッド5と、ベッド5の前面に配設される第1主軸台(ワーク保持機構)10と、軸中心に回転自在に且つ軸線が水平面内でベッド5前面と平行なるように第1主軸台10によって支持された第1主軸11と、矩形且つ枠状に形成され、横辺が第1主軸11の軸線と平行となるとともに、縦辺が鉛直方向となるようにベッド5の上面に固設された固定フレーム(コラム)15と、同じく矩形且つ枠状に形成され、横辺及び縦辺が固定フレーム15の横辺及び縦辺とそれぞれ平行となるとともに、固定フレーム15の横辺に沿ったZ軸方向(第3軸)に移動自在に設けられる移動フレーム16と、移動フレーム16の縦辺に沿ったX軸(第1軸)方向に移動自在に設けられ、Z軸及びX軸の双方と直交するY軸(第2軸)方向に貫通する収容穴17aが形成された第1サドル17と、第1サドル17の収容穴17a内に収容され、Y軸方向に移動自在に設けられるクイル18と、クイル18の前端面に支持された第1刃物台(工具保持機構)20などから構成される。
【0024】
また、NC旋盤1は、第1主軸台10と対向するようにベッド5の前面に配設され、Z軸方向に移動自在に設けられる第2主軸台25と、軸中心に回転自在に且つ第1主軸11の軸線と同軸となるように第2主軸台25によって支持された第2主軸(図示せず)と、第1主軸台10と第2主軸台25との間でベッド5の前面に配設され、Z軸方向に移動自在に設けられる第2サドル28と、第2サドル28上に配設され、X軸方向に移動自在に設けられる第2刃物台30とを備えている。
【0025】
また、更に、NC旋盤1は、移動フレーム16のZ軸に沿った移動を案内する第1案内装置40と、第1サドル17のX軸に沿った移動を案内する第2案内装置43と、クイル18のY軸に沿った移動を案内する第3案内装置46と、第2サドル28のZ軸に沿った移動を案内する第4案内装置55と、第2刃物台30のX軸に沿った移動を案内する第5案内装置58と、第2主軸台25のZ軸に沿った移動を案内する第6案内装置61と、移動フレーム16をZ軸方向に移動させる第1送り装置70と、第1サドル17をX軸方向に移動させる第2送り装置77と、クイル18をY軸方向に移動させる第3送り装置81と、第2サドル28をZ軸方向に移動させる第4送り装置85と、第2刃物台28をX軸方向に移動させる第5送り装置88と、第2主軸台25をZ軸方向に移動させる第6送り装置90と、第1,第2,第3,第4,第5及び第6送り装置70,77,81,85,88,90の作動を制御する制御装置(図示せず)とを備えている。
【0026】
前記第1主軸台10には、制御装置(図示せず)によってその作動が制御され、第1主軸11を軸中心に回転させる回転駆動装置(図示せず)が内蔵されており、第1主軸11には、ワーク(図示せず)を把持するチャック12が装着される。
【0027】
同様に、前記第2主軸台25には、制御装置(図示せず)によってその作動が制御され、第2主軸(図示せず)を軸中心に回転させる回転駆動装置(図示せず)が内蔵されており、第2主軸(図示せず)には、ワーク(図示せず)を把持するチャック26が装着される。
【0028】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第1主軸台10や第2主軸台25の回転駆動装置が駆動されると、第1主軸11や第2主軸(図示せず)が軸中心に回転してチャック12,26が回転せしめられ、これにより、当該各チャック12,26に把持されたワーク(図示せず)が回転せしめられる。
【0029】
前記第1サドル17は、矩形状の前記収容穴17aを備え、Y軸方向に細長となった筒状に形成されるとともに、Y軸方向における中央部付近から後端部側にかけては、底辺が欠落し、且つ側辺が斜め上方に向けて徐々に欠落していくように形成されており、Y軸方向における中央部が移動フレーム16によって支持されている。
【0030】
また、第1サドル17は、上面から収容穴17a内周面にX軸方向に貫通する第1貫通穴17bと、収容穴17a内周面から下面にX軸方向に貫通する第2貫通穴17cとを備えており、これら各貫通穴17b,17cは、同軸に形成されている。
【0031】
前記クイル18は、Y軸方向に細長となった角柱状に形成されており、そのY軸方向における前部側は、第1サドル17の収容穴17aの内周面全面と対向し、その後部側は、第1サドル17の後部側上辺及び側辺の一部と対向するようになっている。
【0032】
また、クイル18は、上面から下面にX軸方向に貫通し、且つ長手方向がY軸方向に沿って形成された長穴18aを備えており、この長穴18aは、第1サドル17の各貫通穴17b,17cと上下方向に重なり合うように形成されている。
【0033】
また、クイル18は、第1刃物台20をY軸と平行な回転中心軸回りに(B軸方向に)回転自在に支持しており、当該クイル18内の前部側には、制御装置(図示せず)による制御の下、第1刃物台20をB軸方向に回転させて所定の回転角度位置に割り出す第1回転割出機構(図示せず)が設けられている。
【0034】
前記第1刃物台20は、軸中心に回転自在に支持され、工具(図示せず)を保持する工具主軸21を備え、工具主軸21をその軸中心に回転させる駆動モータ(図示せず)が内蔵されている。尚、第1刃物台20は、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線より上方に配設されて、当該軸線に対して上方から離接するように構成されている。
【0035】
前記第2刃物台30は、刃物台本体31と、Z軸と平行な回転中心軸回りに回転自在に刃物台本体31によって支持されたタレット32と、タレット32に装着され、工具(図示せず)を保持する工具ホルダ33と、制御装置(図示せず)による制御の下、タレット32を前記回転中心軸回りに回転させて、工具ホルダ33を所定の位置に割り出す第2回転割出機構(図示せず)とから構成されている。尚、第2刃物台30は、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線より下方に配設されて、当該軸線に対して下方から離接するように構成されている。
【0036】
前記第1案内装置40は、固定フレーム15の各横辺部前面にZ軸に沿って配設された第1ガイドレール41と、移動フレーム16の各横辺部後面に配設され、第1ガイドレール41と係合してこれに沿って移動自在となった第1ローラスライダ42とからなる。
【0037】
前記第1送り装置70は、固定フレーム15に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される第1及び第2駆動モータ71,72と、第1駆動モータ71によって軸中心に回転せしめられ、固定フレーム15の一方の横辺部にZ軸に沿って配設される第1ボールねじ73と、第2駆動モータ72によって軸中心に回転せしめられ、固定フレーム15の他方の横辺部にZ軸に沿って配設される第2ボールねじ74と、移動フレーム16の一方の横辺部に固設され、第1ボールねじ73と螺合する第1ナット75と、移動フレーム16の他方の横辺部に固設され、第2ボールねじ74と螺合する第2ナット76とからなる。
【0038】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第1送り装置70の各駆動モータ71,72が駆動されて各ボールねじ73,74がその軸中心に回転せしめられると、これらにそれぞれ螺合した各ナット75,76がこれらに沿って移動せしめられ、これにより、移動フレーム16は、第1ガイドレール41及び第1ローラスライダ42により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0039】
前記第2案内装置43は、移動フレーム16の各縦辺部前面にX軸に沿って配設された第2ガイドレール44と、第1サドル17のZ軸方向における両端部後面に配設され、第2ガイドレール44と係合してこれに沿って移動自在となった第2ローラスライダ45とからなる。
【0040】
前記第2送り装置77は、移動フレーム16に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ78と、第1サドル17の第1及び第2貫通穴17b,17c並びにクイル18の長穴18aに挿通された状態で移動フレーム16の両横辺部に掛け渡されるように当該移動フレーム16にX軸に沿って配設され、駆動モータ78によって軸中心に回転せしめられるボールねじ79と、第1サドル17に固設され、ボールねじ79と螺合するナット80とからなる。
【0041】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第2送り装置77の駆動モータ78が駆動されてボールねじ79がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット80がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第1サドル17は、第2ガイドレール44及び第2ローラスライダ45により案内されてX軸方向に移動せしめられる。
【0042】
前記第3案内装置46は、第1サドル17の収容穴17aの前部側内周面とクイル18の前部側外周面との間に設けられた滑り案内機構47と、第1サドル17の後部側上辺とクイル18の後部側外周面との間に設けられた転がり案内機構52とから構成される。
【0043】
前記滑り案内機構47は、第1サドル17の収容穴17aの前部側内周4面に、Y軸に沿ってそれぞれ2つずつ形成されるとともに、前端部からその奥側にかけて厚肉方向に勾配が付くように形成されたサドル側滑り案内面48と、クイル18の前部側外周4面に、サドル側滑り案内面48と係合するようにそれぞれ2つずつ形成されたクイル側滑り案内面49と、サドル側滑り案内面48の勾配と対応するように先細状に形成され、サドル側滑り案内面48とクイル側滑り案内面49との間に、第1サドル17の前端部から挿入されて各案内面48,49間の隙間を調整する8つのギブ50と、各ギブ50を第1サドル17にそれぞれ固定する固定部材51とからなる。
【0044】
前記転がり案内機構52は、クイル18の後部側上面にY軸に沿って配設された第3ガイドレール53と、第1サドル17の後部側上辺のクイル18との対向面に配設され、第3ガイドレール53と係合してこれに沿って移動自在となった第3ローラスライダ54とからなる。
【0045】
前記第3送り装置81は、クイル18に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ82と、駆動モータ82によって軸中心に回転せしめられ、クイル18にY軸に沿って配設されるボールねじ83と、第1サドル17に固設され、ボールねじ83と螺合するナット84とからなる。
【0046】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第3送り装置81の駆動モータ82が駆動されてボールねじ83がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット84がこれに沿って移動せしめられ、これにより、クイル18は、サドル側滑り案内面48及びクイル側滑り案内面49、並びに第3ガイドレール53及び第3ローラスライダ54により案内されてY軸方向に移動せしめられる。
【0047】
尚、クイル18には、その長穴18a内に第2送り装置77のボールねじ79が挿通されているが、この長穴18aは、その長手方向がY軸方向に沿って形成されているため、クイル18がY軸方向に移動しても、ボールねじ79がクイル18と干渉することはない。
【0048】
前記第4案内装置55は、ベッド5の前面にZ軸に沿って配設された第4ガイドレール56と、第2サドル28の後面に配設され、第4ガイドレール56と係合してこれに沿って移動自在となった第4ローラスライダ57とからなる。
【0049】
前記第4送り装置85は、ベッド5に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ(図示せず)と、駆動モータ(図示せず)によって軸中心に回転せしめられ、ベッド5にZ軸に沿って配設されるボールねじ86と、第2サドル28に固設され、ボールねじ86と螺合するナット87とからなる。
【0050】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第4送り装置85の駆動モータ(図示せず)が駆動されてボールねじ86がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット87がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第2サドル28は、第4ガイドレール56及び第4ローラスライダ57により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0051】
前記第5案内装置58は、第2サドル28の前面にX軸に沿って配設された第5ガイドレール59と、刃物台本体31に配設され、第5ガイドレール59と係合してこれに沿って移動自在となった第5ローラスライダ60とからなる。
【0052】
前記第5送り装置88は、第2サドル28に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ89と、適宜伝達ギア(図示せず)などを介して駆動モータ89によって軸中心に回転せしめられ、第2サドル28にX軸に沿って配設されるボールねじ(図示せず)と、刃物台本体31に固設され、ボールねじ(図示せず)と螺合するナット(図示せず)とからなる。
【0053】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第5送り装置88の駆動モータ89が駆動されてボールねじ(図示せず)がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット(図示せず)がこれに沿って移動せしめられ、これにより、刃物台本体31は、第5ガイドレール59及び第5ローラスライダ60により案内されてX軸方向に移動せしめられる。
【0054】
前記第6案内装置61は、前記第4ガイドレール56と、第2主軸台25に配設され、第4ガイドレール56と係合してこれに沿って移動自在となった第6ローラスライダ62とからなる。
【0055】
前記第6送り装置90は、ベッド5に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ91と、駆動モータ91によって軸中心に回転せしめられ、ベッド5にZ軸に沿って配設されるボールねじ92と、第2主軸台25に固設され、ボールねじ92と螺合するナット(図示せず)とからなる。
【0056】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第6送り装置90の駆動モータ91が駆動されてボールねじ92がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット(図示せず)がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第2主軸台25は、第4ガイドレール56及び第6ローラスライダ62により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0057】
以上のように構成された本例のNC旋盤1によれば、制御装置(図示せず)により、第1送り装置70が駆動されると、移動フレーム16が、第1案内装置40により案内されて固定フレーム15に対しZ軸方向に移動せしめられ、第2送り装置77が駆動されると、第1サドル17が、第2案内装置43により案内されて移動フレーム16に対しX軸方向に移動せしめられ、第3送り装置81が駆動されると、クイル18が、第3案内装置46により案内されて第1サドル17に対しY軸方向に移動せしめられ、これにより、クイル18の前端面に支持された第1刃物台20は、X軸,Y軸及びZ軸方向の直交3軸方向に移動せしめられる。
【0058】
また、制御装置(図示せず)により、第4送り装置85が駆動されると、第2サドル28が、第4案内装置55により案内されてベッド5に対しZ軸方向に移動せしめられ、第5送り装置88が駆動されると、第2刃物台30が、第5案内装置58により案内されて第2サドル28に対しX軸方向に移動せしめられ、これにより、第2刃物台30は、X軸及びZ軸方向の直交2軸方向に移動せしめられる。
【0059】
また、制御装置(図示せず)により、第6送り装置90が駆動されると、第2主軸台25が、第6案内装置61によって案内されてベッド5に対しZ軸方向に移動せしめられる。
【0060】
そして、第1主軸台10の第1主軸11、又はZ軸方向の所定位置に位置決めされた第2主軸台25の第2主軸(図示せず)を、回転駆動装置(図示せず)により軸中心に回転させて、当該第1主軸11又は第2主軸(図示せず)のチャック12,26に把持されたワークを回転させた状態で、第1回転割出機構(図示せず)によりB軸方向における所定の回転角度位置に割り出された工具を駆動モータ(図示せず)により回転させつつ、第1刃物台20を各送り装置70,77,81により所定の送り方向に移動させたり、所定の工具を保持する工具ホルダ33が第2回転割出機構(図示せず)により所定の位置に割り出された第2刃物台30を各送り装置85,88により所定の送り方向に移動させると、回転するワークと第1刃物台20又は第2刃物台30に保持された工具との間で相対運動が行われ、これにより、ワークが所定の形状に加工される。
【0061】
尚、適宜定期的に、第3案内装置46の滑り案内機構47はメンテナンスされ、クイル側滑り案内面49の形状が修正されたり、各ギブ50のY軸方向における挿入位置が調整されることによって、サドル側滑り案内面48とクイル側滑り案内面49との間の隙間が調整される。
【0062】
また、本例では、第2送り装置77のボールねじ79を第1サドル17の各貫通穴17b,17c及びクイル18の長穴18a内に挿通された状態に設けて、第1サドル17の両端部に設けられた第2ローラスライダ45間の中央部により近い位置を当該第2送り装置77により駆動して第1サドル17を移動させるようにしているので、即ち、第1サドル17の重心に近い位置を駆動しているので、ガタツキや姿勢のぶれを生じることなくスムーズに第1サドル17を移動させることができ、高精度な加工を実現することができる。
【0063】
また、メンテナンスが必要ではあるが案内安定性の高い滑り案内機構47によってクイル18の前部側を案内し、案内安定性は若干低いもののメンテナンスが不要である転がり案内機構52によってクイル18の後部側を案内するようにしているので、クイル18を第1サドル17の収容穴17aから取り出すことなく、滑り案内機構47のメンテナンス作業を行うことができ、案内の安定性を確保しつつ、効率的なメンテナンスが可能である。
【0064】
また、固定フレーム15及び移動フレーム16を、矩形且つ枠状に形成しているので、必要な剛性を確保した状態でその軽量化が図られており、移動フレーム16を移動させる際に、第1送り装置70の各駆動モータ71,72にかかる負荷を小さくすることができるとともに、当該移動フレーム16の送り速度の高速化を図ることができ、また、移動フレーム16の移動開始時や移動停止時における慣性力の影響を少なくして当該移動フレーム16が撓むのを抑制することができる。
【0065】
また、移動フレーム16の各横辺部に各ナット75,76を固設し、これらを各ボールねじ73,74によりそれぞれ移動させることで、当該移動フレーム16をZ軸方向に移動させるようにしているので、移動フレーム16の両端部を駆動することができ、これにより、移動フレーム16の移動時におけるガタや姿勢のぶれなどを防止して、高精度な加工を行うことができる。
【0066】
また、ベッド5前面を鉛直面に形成しているので、ワークの加工により生じた切りくずは、従来のようにベッド5上に落下することなく、そのまま下方に落下するため、ベッド5に設けられた第4ガイドレール56に切りくずが付着して案内精度が低下するといった不具合が生じるのを防止することができる。
【0067】
また、ベッド5前面を鉛直面に形成して、第2刃物台30を、ベッド5前面の鉛直面に沿ってZ軸方向及びX軸方向に移動させるとともに、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線を挟んでその上方に第1刃物台20を、その下方に第2刃物台30を配設するようにしているので、ベッド5の前面よりも更に前面(手前)側に、第1主軸11,第2主軸(図示せず),第1刃物台20及び第2刃物台30が位置することになり、作業者は、当該第1主軸11,第2主軸(図示せず),第1刃物台20及び第2刃物台30に対して容易に各種作業を行うことができる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るNC旋盤の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図3】図2における矢示B−B方向の正面図である。
【図4】図3における矢示C−C方向の断面図である。
【図5】図3における矢示D−D方向の断面図である。
【図6】図4における矢示E−E方向の断面図である。
【図7】従来例に係る工作機械の一部の概略構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 NC旋盤
5 ベッド
10 第1主軸台
11 第1主軸
15 固定フレーム
16 移動フレーム
17 第1サドル
18 クイル
20 第1刃物台
25 第2主軸台
28 第2サドル
30 第2刃物台
40 第1案内装置
43 第2案内装置
46 第3案内装置
55 第4案内装置
58 第5案内装置
61 第6案内装置
70 第1送り装置
77 第2送り装置
81 第3送り装置
85 第4送り装置
88 第5送り装置
90 第6送り装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛直方向に沿った第1軸方向に移動自在に設けられ、前記第1軸と直交する第2軸に沿った方向に貫通する収容穴を備えたサドルと、前記第2軸方向に移動自在に前記サドルの収容穴に収容されたクイルと、前記クイルの前端面に支持された工具保持機構とを備えた工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械として、特開平10−315077号公報に開示されるような構造のものが知られている(図7参照)。この工作機械は、ベッド(図示せず)と、ベッド上に立設された固定コラム100と、固定コラム100の前面側に設けられ、工具Tを保持するスピンドル102を備えた3軸ユニット101と、固定コラム100前方のベッド上に設けられ、加工ワークが載置される加工テーブルなどから構成されている。
【0003】
前記3軸ユニット101は、固定コラム100の前面に配設され、水平方向に沿ったX軸方向に移動自在となったX軸テーブル103と、X軸テーブル103の前面に配設され、鉛直方向に沿ったY軸方向に移動自在となったY軸テーブル104と、X軸及びY軸の双方と直交するZ軸方向に貫通する収容穴105aを備え、Y軸テーブル104の中央部に設けられた筒状のスピンドルヘッド105と、前記スピンドル102を前端面に支持して当該スピンドル102とともにスピンドルヘッド105の収容穴105aに収容され、Z軸方向に移動自在となったクイル102とを備えている。
【0004】
尚、前記固定コラム100の中央部には、開口部100aが形成されるとともに、X軸テーブル103の中央部には、表裏に貫通する貫通穴103aが形成されており、これら開口部100a及び貫通穴103a内に前記スピンドルヘッド105が位置するようになっている。
【0005】
また、3軸ユニット101は、前記X軸テーブル103の移動を案内するX軸案内機構120と、Y軸テーブル104の移動を案内するY軸案内機構125と、クイル102の移動を案内するZ軸案内機構(図示せず)と、X軸テーブル103をX軸方向に移動させるX軸送り装置(図示せず)と、Y軸テーブル104をY軸方向に移動させるY軸送り装置107と、クイル102をZ軸方向に移動させるZ軸送り装置(図示せず)とを備えている。
【0006】
X軸案内機構120は、固定コラム100の前面に、開口部100aを挟み上下にそれぞれX軸方向に沿って固設された2本のガイドレール121,121と、X軸テーブル103の裏面に固設され且つ前記ガイドレール121に係合してこれに沿って移動自在となったスライダ122とから構成される。また、Y軸案内機構125も同様に、X軸テーブル103の前面に、貫通穴103aを挟み左右にそれぞれY軸方向に沿って固設された2本のガイドレール126,126と、Y軸テーブル104の裏面に固設され且つ前記ガイドレール126に係合してこれに沿って移動自在となったスライダ127とから構成される。
【0007】
前記Y軸送り装置107は、前記一対のガイドレール126,126間であって、前記スピンドルヘッド105の右隣にY軸に沿って配設され、X軸テーブル103の前面に支持されるボールねじ108と、Y軸テーブル104の下端部に付設されたサーボモータ109と、サーボモータ109の出力軸に設けられたドライブギヤ110と、Y軸テーブル104に設けられ、ドライブギヤ110と噛合するアイドルギヤ111と、Y軸テーブル104の裏面に回転自在に保持されるとともに、アイドルギヤ111と噛合し、且つボールねじ108と螺合したナットギヤ112などからなる。
【0008】
斯くして、サーボモータ109が駆動されて、その回転動力がドライブギヤ110及びアイドルギヤ111を介してナットギヤ112に伝達されると、当該ナットギヤ112が回転し、これにより、Y軸テーブル104がY軸方向に移動せしめられる。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−315077号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の工作機械では、Y軸送り装置107のボールねじ108が、スピンドルヘッド105との干渉を避けるべく、その隣に配設されているので、当該Y軸送り装置によってY軸テーブル104の駆動される位置が、Y軸テーブル104の重心位置から離れた位置となり、このため、Y軸テーブル104の移動にガタツキや姿勢のぶれなどを生じ易く、かかる挙動によって加工精度が低下するという問題があった。
【0011】
また、前記案内機構には、滑り案内機構と転がり案内機構とがあり、剛性や送り安定性などの面では滑り案内機構を用いることが好ましいが、滑り案内機構の場合には、経時的に摺動面が磨耗して案内精度が低下するため、定期的にメンテナンスを行って、滑り案内機構を構成するギブの面間内における位置を調整したり、ギブの形状を修正したりする必要がある。
【0012】
したがって、クイルの案内に滑り案内機構を用いると、クイルの前部側及び後部側から前記メンテナンス作業を実施しなければならないが、クイルの前部側については、クイルがサドルの収容穴に収容された状態でもさほど問題は無いものの、後部側については、クイルをサドルの収容穴から取り出さなければ、前記メンテナンス作業を行い難く、このため、サドルに対するクイルの着脱などに時間がかかり、メンテナンスを効率的に行うことができないという問題がある。
【0013】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、高精度な加工を行うことができるとともに、滑り案内面のメンテナンスを効率的に行うことができる工作機械の提供をその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するための本発明は、ベッドと、前記ベッド上に配設され、ワークを保持するワーク保持機構と、前記ベッド上に配設されるコラムと、鉛直方向に沿った第1軸方向に移動自在に前記コラムに支持されるとともに、前記第1軸と直交する第2軸方向に貫通する収容穴を備えたサドルと、前記第2軸方向に移動自在に前記サドルの収容穴に収容されたクイルと、前記クイルの前端面に支持され、工具を保持する工具保持機構と、前記サドルの前記第1軸に沿った移動を案内する第1の案内装置と、前記クイルの前記第2軸に沿った移動を案内する第2の案内装置と、前記サドルを前記第1軸方向に移動させる第1の送り装置と、前記クイルを前記第2軸方向に移動させる第2の送り装置とを少なくとも備えた工作機械において、
前記クイルは、上下に貫通し、且つ長手方向が前記第2軸方向に沿って形成された長穴を備え、
前記サドルは、同じく上下に貫通し、前記クイルの長穴と上下方向に重なり合う貫通穴を備え、
前記第1の送り装置は、前記サドルに固設された被送り部材と、前記サドルの貫通穴及び前記クイルの長穴に挿通され、且つ前記第1軸に沿った状態で前記コラムに配設され、前記被送り部材に係合して該被送り部材を前記第1軸方向に移動させる駆動部材とを備えてなることを特徴とする工作機械に係る。
【0015】
この発明によれば、第1の送り装置が駆動されると、サドルが、第1の案内装置により案内されて、コラムに対し鉛直方向に沿った第1軸方向に移動せしめられ、第2の送り装置が駆動されると、クイルが、第2の案内装置により案内されて、サドルに対し第1軸と直交する第2軸方向に移動せしめられ、これにより、クイルの前端面に支持された工具保持機構は、前記第1軸及び第2軸方向の少なくとも直交2軸方向に移動せしめられる。
【0016】
そして、ワーク保持機構に保持されたワークに対して、工具を保持した工具保持機構を各送り装置により所定の送り方向に移動させると、当該ワークと工具との間で相対運動が行われ、これにより、ワークが所定の形状に加工される。
【0017】
そして、本発明に係る工作機械では、前記第1の送り装置の駆動部材がサドルの貫通穴及びクイルの長穴に挿通され、これに係合され且つ前記サドルに固着された被送り部材によって、当該サドルが前記第1軸方向に駆動されるように構成しているので、サドルの中央部により近い位置を当該第1の送り装置により駆動することができ、即ち、サドルの重心に近い位置を駆動することができるので、ガタツキや姿勢のぶれを生じることなくスムーズにサドルを移動させることができ、高精度な加工を実現することができる。
【0018】
尚、クイルには、その長穴内に第1の送り装置の駆動部材が挿通されているが、この長穴は、その長手方向が第2軸方向に沿って形成されているため、クイルが第2軸方向に移動しても、前記駆動部材がクイルと干渉することはない。
【0019】
また、前記第2の案内装置は、前記サドルの収容穴の前部側内周面と前記クイルの前部側外周面との間に設けられた滑り案内機構と、前記サドルの後部側外周面と前記クイルの後部側外周面との間に設けられた転がり案内機構とから構成され、前記クイルが、前記滑り案内機構及び転がり案内機構によって前記第2軸方向の移動が案内されるように構成されていても良い。
【0020】
このようにすれば、メンテナンスが必要ではあるが案内安定性の高い滑り案内機構によってクイルの前部側を案内し、案内安定性は若干低いもののメンテナンスが不要である転がり案内機構によってクイルの後部側を案内することができるので、クイルをサドルの収容穴から取り出すことなく、滑り案内機構のメンテナンス作業を行うことができ、案内の安定性を確保しつつ、効率的なメンテナンスが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係るNC旋盤の概略構成を示した斜視図であり、図2は、図1における矢示A−A方向の断面図である。また、図3は、図2における矢示B−B方向の正面図であり、図4は、図3における矢示C−C方向の断面図であり、図5は、図3における矢示D−D方向の断面図であり、図6は、図4における矢示E−E方向の断面図である。
【0022】
尚、本例では、工作機械としてNC旋盤を一例に挙げて説明するが、本発明は、マシニングセンタなど各種の工作機械について適用することができる。
【0023】
図1乃至図6に示すように、本例のNC旋盤1は、上面が水平面となり、前面が鉛直面となるように矩形状に形成されたベッド5と、ベッド5の前面に配設される第1主軸台(ワーク保持機構)10と、軸中心に回転自在に且つ軸線が水平面内でベッド5前面と平行なるように第1主軸台10によって支持された第1主軸11と、矩形且つ枠状に形成され、横辺が第1主軸11の軸線と平行となるとともに、縦辺が鉛直方向となるようにベッド5の上面に固設された固定フレーム(コラム)15と、同じく矩形且つ枠状に形成され、横辺及び縦辺が固定フレーム15の横辺及び縦辺とそれぞれ平行となるとともに、固定フレーム15の横辺に沿ったZ軸方向(第3軸)に移動自在に設けられる移動フレーム16と、移動フレーム16の縦辺に沿ったX軸(第1軸)方向に移動自在に設けられ、Z軸及びX軸の双方と直交するY軸(第2軸)方向に貫通する収容穴17aが形成された第1サドル17と、第1サドル17の収容穴17a内に収容され、Y軸方向に移動自在に設けられるクイル18と、クイル18の前端面に支持された第1刃物台(工具保持機構)20などから構成される。
【0024】
また、NC旋盤1は、第1主軸台10と対向するようにベッド5の前面に配設され、Z軸方向に移動自在に設けられる第2主軸台25と、軸中心に回転自在に且つ第1主軸11の軸線と同軸となるように第2主軸台25によって支持された第2主軸(図示せず)と、第1主軸台10と第2主軸台25との間でベッド5の前面に配設され、Z軸方向に移動自在に設けられる第2サドル28と、第2サドル28上に配設され、X軸方向に移動自在に設けられる第2刃物台30とを備えている。
【0025】
また、更に、NC旋盤1は、移動フレーム16のZ軸に沿った移動を案内する第1案内装置40と、第1サドル17のX軸に沿った移動を案内する第2案内装置43と、クイル18のY軸に沿った移動を案内する第3案内装置46と、第2サドル28のZ軸に沿った移動を案内する第4案内装置55と、第2刃物台30のX軸に沿った移動を案内する第5案内装置58と、第2主軸台25のZ軸に沿った移動を案内する第6案内装置61と、移動フレーム16をZ軸方向に移動させる第1送り装置70と、第1サドル17をX軸方向に移動させる第2送り装置77と、クイル18をY軸方向に移動させる第3送り装置81と、第2サドル28をZ軸方向に移動させる第4送り装置85と、第2刃物台28をX軸方向に移動させる第5送り装置88と、第2主軸台25をZ軸方向に移動させる第6送り装置90と、第1,第2,第3,第4,第5及び第6送り装置70,77,81,85,88,90の作動を制御する制御装置(図示せず)とを備えている。
【0026】
前記第1主軸台10には、制御装置(図示せず)によってその作動が制御され、第1主軸11を軸中心に回転させる回転駆動装置(図示せず)が内蔵されており、第1主軸11には、ワーク(図示せず)を把持するチャック12が装着される。
【0027】
同様に、前記第2主軸台25には、制御装置(図示せず)によってその作動が制御され、第2主軸(図示せず)を軸中心に回転させる回転駆動装置(図示せず)が内蔵されており、第2主軸(図示せず)には、ワーク(図示せず)を把持するチャック26が装着される。
【0028】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第1主軸台10や第2主軸台25の回転駆動装置が駆動されると、第1主軸11や第2主軸(図示せず)が軸中心に回転してチャック12,26が回転せしめられ、これにより、当該各チャック12,26に把持されたワーク(図示せず)が回転せしめられる。
【0029】
前記第1サドル17は、矩形状の前記収容穴17aを備え、Y軸方向に細長となった筒状に形成されるとともに、Y軸方向における中央部付近から後端部側にかけては、底辺が欠落し、且つ側辺が斜め上方に向けて徐々に欠落していくように形成されており、Y軸方向における中央部が移動フレーム16によって支持されている。
【0030】
また、第1サドル17は、上面から収容穴17a内周面にX軸方向に貫通する第1貫通穴17bと、収容穴17a内周面から下面にX軸方向に貫通する第2貫通穴17cとを備えており、これら各貫通穴17b,17cは、同軸に形成されている。
【0031】
前記クイル18は、Y軸方向に細長となった角柱状に形成されており、そのY軸方向における前部側は、第1サドル17の収容穴17aの内周面全面と対向し、その後部側は、第1サドル17の後部側上辺及び側辺の一部と対向するようになっている。
【0032】
また、クイル18は、上面から下面にX軸方向に貫通し、且つ長手方向がY軸方向に沿って形成された長穴18aを備えており、この長穴18aは、第1サドル17の各貫通穴17b,17cと上下方向に重なり合うように形成されている。
【0033】
また、クイル18は、第1刃物台20をY軸と平行な回転中心軸回りに(B軸方向に)回転自在に支持しており、当該クイル18内の前部側には、制御装置(図示せず)による制御の下、第1刃物台20をB軸方向に回転させて所定の回転角度位置に割り出す第1回転割出機構(図示せず)が設けられている。
【0034】
前記第1刃物台20は、軸中心に回転自在に支持され、工具(図示せず)を保持する工具主軸21を備え、工具主軸21をその軸中心に回転させる駆動モータ(図示せず)が内蔵されている。尚、第1刃物台20は、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線より上方に配設されて、当該軸線に対して上方から離接するように構成されている。
【0035】
前記第2刃物台30は、刃物台本体31と、Z軸と平行な回転中心軸回りに回転自在に刃物台本体31によって支持されたタレット32と、タレット32に装着され、工具(図示せず)を保持する工具ホルダ33と、制御装置(図示せず)による制御の下、タレット32を前記回転中心軸回りに回転させて、工具ホルダ33を所定の位置に割り出す第2回転割出機構(図示せず)とから構成されている。尚、第2刃物台30は、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線より下方に配設されて、当該軸線に対して下方から離接するように構成されている。
【0036】
前記第1案内装置40は、固定フレーム15の各横辺部前面にZ軸に沿って配設された第1ガイドレール41と、移動フレーム16の各横辺部後面に配設され、第1ガイドレール41と係合してこれに沿って移動自在となった第1ローラスライダ42とからなる。
【0037】
前記第1送り装置70は、固定フレーム15に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される第1及び第2駆動モータ71,72と、第1駆動モータ71によって軸中心に回転せしめられ、固定フレーム15の一方の横辺部にZ軸に沿って配設される第1ボールねじ73と、第2駆動モータ72によって軸中心に回転せしめられ、固定フレーム15の他方の横辺部にZ軸に沿って配設される第2ボールねじ74と、移動フレーム16の一方の横辺部に固設され、第1ボールねじ73と螺合する第1ナット75と、移動フレーム16の他方の横辺部に固設され、第2ボールねじ74と螺合する第2ナット76とからなる。
【0038】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第1送り装置70の各駆動モータ71,72が駆動されて各ボールねじ73,74がその軸中心に回転せしめられると、これらにそれぞれ螺合した各ナット75,76がこれらに沿って移動せしめられ、これにより、移動フレーム16は、第1ガイドレール41及び第1ローラスライダ42により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0039】
前記第2案内装置43は、移動フレーム16の各縦辺部前面にX軸に沿って配設された第2ガイドレール44と、第1サドル17のZ軸方向における両端部後面に配設され、第2ガイドレール44と係合してこれに沿って移動自在となった第2ローラスライダ45とからなる。
【0040】
前記第2送り装置77は、移動フレーム16に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ78と、第1サドル17の第1及び第2貫通穴17b,17c並びにクイル18の長穴18aに挿通された状態で移動フレーム16の両横辺部に掛け渡されるように当該移動フレーム16にX軸に沿って配設され、駆動モータ78によって軸中心に回転せしめられるボールねじ79と、第1サドル17に固設され、ボールねじ79と螺合するナット80とからなる。
【0041】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第2送り装置77の駆動モータ78が駆動されてボールねじ79がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット80がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第1サドル17は、第2ガイドレール44及び第2ローラスライダ45により案内されてX軸方向に移動せしめられる。
【0042】
前記第3案内装置46は、第1サドル17の収容穴17aの前部側内周面とクイル18の前部側外周面との間に設けられた滑り案内機構47と、第1サドル17の後部側上辺とクイル18の後部側外周面との間に設けられた転がり案内機構52とから構成される。
【0043】
前記滑り案内機構47は、第1サドル17の収容穴17aの前部側内周4面に、Y軸に沿ってそれぞれ2つずつ形成されるとともに、前端部からその奥側にかけて厚肉方向に勾配が付くように形成されたサドル側滑り案内面48と、クイル18の前部側外周4面に、サドル側滑り案内面48と係合するようにそれぞれ2つずつ形成されたクイル側滑り案内面49と、サドル側滑り案内面48の勾配と対応するように先細状に形成され、サドル側滑り案内面48とクイル側滑り案内面49との間に、第1サドル17の前端部から挿入されて各案内面48,49間の隙間を調整する8つのギブ50と、各ギブ50を第1サドル17にそれぞれ固定する固定部材51とからなる。
【0044】
前記転がり案内機構52は、クイル18の後部側上面にY軸に沿って配設された第3ガイドレール53と、第1サドル17の後部側上辺のクイル18との対向面に配設され、第3ガイドレール53と係合してこれに沿って移動自在となった第3ローラスライダ54とからなる。
【0045】
前記第3送り装置81は、クイル18に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ82と、駆動モータ82によって軸中心に回転せしめられ、クイル18にY軸に沿って配設されるボールねじ83と、第1サドル17に固設され、ボールねじ83と螺合するナット84とからなる。
【0046】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第3送り装置81の駆動モータ82が駆動されてボールねじ83がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット84がこれに沿って移動せしめられ、これにより、クイル18は、サドル側滑り案内面48及びクイル側滑り案内面49、並びに第3ガイドレール53及び第3ローラスライダ54により案内されてY軸方向に移動せしめられる。
【0047】
尚、クイル18には、その長穴18a内に第2送り装置77のボールねじ79が挿通されているが、この長穴18aは、その長手方向がY軸方向に沿って形成されているため、クイル18がY軸方向に移動しても、ボールねじ79がクイル18と干渉することはない。
【0048】
前記第4案内装置55は、ベッド5の前面にZ軸に沿って配設された第4ガイドレール56と、第2サドル28の後面に配設され、第4ガイドレール56と係合してこれに沿って移動自在となった第4ローラスライダ57とからなる。
【0049】
前記第4送り装置85は、ベッド5に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ(図示せず)と、駆動モータ(図示せず)によって軸中心に回転せしめられ、ベッド5にZ軸に沿って配設されるボールねじ86と、第2サドル28に固設され、ボールねじ86と螺合するナット87とからなる。
【0050】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第4送り装置85の駆動モータ(図示せず)が駆動されてボールねじ86がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット87がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第2サドル28は、第4ガイドレール56及び第4ローラスライダ57により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0051】
前記第5案内装置58は、第2サドル28の前面にX軸に沿って配設された第5ガイドレール59と、刃物台本体31に配設され、第5ガイドレール59と係合してこれに沿って移動自在となった第5ローラスライダ60とからなる。
【0052】
前記第5送り装置88は、第2サドル28に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ89と、適宜伝達ギア(図示せず)などを介して駆動モータ89によって軸中心に回転せしめられ、第2サドル28にX軸に沿って配設されるボールねじ(図示せず)と、刃物台本体31に固設され、ボールねじ(図示せず)と螺合するナット(図示せず)とからなる。
【0053】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第5送り装置88の駆動モータ89が駆動されてボールねじ(図示せず)がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット(図示せず)がこれに沿って移動せしめられ、これにより、刃物台本体31は、第5ガイドレール59及び第5ローラスライダ60により案内されてX軸方向に移動せしめられる。
【0054】
前記第6案内装置61は、前記第4ガイドレール56と、第2主軸台25に配設され、第4ガイドレール56と係合してこれに沿って移動自在となった第6ローラスライダ62とからなる。
【0055】
前記第6送り装置90は、ベッド5に配設され、制御装置(図示せず)によってその作動が制御される駆動モータ91と、駆動モータ91によって軸中心に回転せしめられ、ベッド5にZ軸に沿って配設されるボールねじ92と、第2主軸台25に固設され、ボールねじ92と螺合するナット(図示せず)とからなる。
【0056】
斯くして、制御装置(図示せず)により、第6送り装置90の駆動モータ91が駆動されてボールねじ92がその軸中心に回転せしめられると、これに螺合したナット(図示せず)がこれに沿って移動せしめられ、これにより、第2主軸台25は、第4ガイドレール56及び第6ローラスライダ62により案内されてZ軸方向に移動せしめられる。
【0057】
以上のように構成された本例のNC旋盤1によれば、制御装置(図示せず)により、第1送り装置70が駆動されると、移動フレーム16が、第1案内装置40により案内されて固定フレーム15に対しZ軸方向に移動せしめられ、第2送り装置77が駆動されると、第1サドル17が、第2案内装置43により案内されて移動フレーム16に対しX軸方向に移動せしめられ、第3送り装置81が駆動されると、クイル18が、第3案内装置46により案内されて第1サドル17に対しY軸方向に移動せしめられ、これにより、クイル18の前端面に支持された第1刃物台20は、X軸,Y軸及びZ軸方向の直交3軸方向に移動せしめられる。
【0058】
また、制御装置(図示せず)により、第4送り装置85が駆動されると、第2サドル28が、第4案内装置55により案内されてベッド5に対しZ軸方向に移動せしめられ、第5送り装置88が駆動されると、第2刃物台30が、第5案内装置58により案内されて第2サドル28に対しX軸方向に移動せしめられ、これにより、第2刃物台30は、X軸及びZ軸方向の直交2軸方向に移動せしめられる。
【0059】
また、制御装置(図示せず)により、第6送り装置90が駆動されると、第2主軸台25が、第6案内装置61によって案内されてベッド5に対しZ軸方向に移動せしめられる。
【0060】
そして、第1主軸台10の第1主軸11、又はZ軸方向の所定位置に位置決めされた第2主軸台25の第2主軸(図示せず)を、回転駆動装置(図示せず)により軸中心に回転させて、当該第1主軸11又は第2主軸(図示せず)のチャック12,26に把持されたワークを回転させた状態で、第1回転割出機構(図示せず)によりB軸方向における所定の回転角度位置に割り出された工具を駆動モータ(図示せず)により回転させつつ、第1刃物台20を各送り装置70,77,81により所定の送り方向に移動させたり、所定の工具を保持する工具ホルダ33が第2回転割出機構(図示せず)により所定の位置に割り出された第2刃物台30を各送り装置85,88により所定の送り方向に移動させると、回転するワークと第1刃物台20又は第2刃物台30に保持された工具との間で相対運動が行われ、これにより、ワークが所定の形状に加工される。
【0061】
尚、適宜定期的に、第3案内装置46の滑り案内機構47はメンテナンスされ、クイル側滑り案内面49の形状が修正されたり、各ギブ50のY軸方向における挿入位置が調整されることによって、サドル側滑り案内面48とクイル側滑り案内面49との間の隙間が調整される。
【0062】
また、本例では、第2送り装置77のボールねじ79を第1サドル17の各貫通穴17b,17c及びクイル18の長穴18a内に挿通された状態に設けて、第1サドル17の両端部に設けられた第2ローラスライダ45間の中央部により近い位置を当該第2送り装置77により駆動して第1サドル17を移動させるようにしているので、即ち、第1サドル17の重心に近い位置を駆動しているので、ガタツキや姿勢のぶれを生じることなくスムーズに第1サドル17を移動させることができ、高精度な加工を実現することができる。
【0063】
また、メンテナンスが必要ではあるが案内安定性の高い滑り案内機構47によってクイル18の前部側を案内し、案内安定性は若干低いもののメンテナンスが不要である転がり案内機構52によってクイル18の後部側を案内するようにしているので、クイル18を第1サドル17の収容穴17aから取り出すことなく、滑り案内機構47のメンテナンス作業を行うことができ、案内の安定性を確保しつつ、効率的なメンテナンスが可能である。
【0064】
また、固定フレーム15及び移動フレーム16を、矩形且つ枠状に形成しているので、必要な剛性を確保した状態でその軽量化が図られており、移動フレーム16を移動させる際に、第1送り装置70の各駆動モータ71,72にかかる負荷を小さくすることができるとともに、当該移動フレーム16の送り速度の高速化を図ることができ、また、移動フレーム16の移動開始時や移動停止時における慣性力の影響を少なくして当該移動フレーム16が撓むのを抑制することができる。
【0065】
また、移動フレーム16の各横辺部に各ナット75,76を固設し、これらを各ボールねじ73,74によりそれぞれ移動させることで、当該移動フレーム16をZ軸方向に移動させるようにしているので、移動フレーム16の両端部を駆動することができ、これにより、移動フレーム16の移動時におけるガタや姿勢のぶれなどを防止して、高精度な加工を行うことができる。
【0066】
また、ベッド5前面を鉛直面に形成しているので、ワークの加工により生じた切りくずは、従来のようにベッド5上に落下することなく、そのまま下方に落下するため、ベッド5に設けられた第4ガイドレール56に切りくずが付着して案内精度が低下するといった不具合が生じるのを防止することができる。
【0067】
また、ベッド5前面を鉛直面に形成して、第2刃物台30を、ベッド5前面の鉛直面に沿ってZ軸方向及びX軸方向に移動させるとともに、第1主軸11及び第2主軸(図示せず)の軸線を挟んでその上方に第1刃物台20を、その下方に第2刃物台30を配設するようにしているので、ベッド5の前面よりも更に前面(手前)側に、第1主軸11,第2主軸(図示せず),第1刃物台20及び第2刃物台30が位置することになり、作業者は、当該第1主軸11,第2主軸(図示せず),第1刃物台20及び第2刃物台30に対して容易に各種作業を行うことができる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るNC旋盤の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図3】図2における矢示B−B方向の正面図である。
【図4】図3における矢示C−C方向の断面図である。
【図5】図3における矢示D−D方向の断面図である。
【図6】図4における矢示E−E方向の断面図である。
【図7】従来例に係る工作機械の一部の概略構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 NC旋盤
5 ベッド
10 第1主軸台
11 第1主軸
15 固定フレーム
16 移動フレーム
17 第1サドル
18 クイル
20 第1刃物台
25 第2主軸台
28 第2サドル
30 第2刃物台
40 第1案内装置
43 第2案内装置
46 第3案内装置
55 第4案内装置
58 第5案内装置
61 第6案内装置
70 第1送り装置
77 第2送り装置
81 第3送り装置
85 第4送り装置
88 第5送り装置
90 第6送り装置
Claims (2)
- ベッドと、前記ベッド上に配設され、ワークを保持するワーク保持機構と、前記ベッド上に配設されるコラムと、鉛直方向に沿った第1軸方向に移動自在に前記コラムに支持されるとともに、前記第1軸と直交する第2軸方向に貫通する収容穴を備えたサドルと、前記第2軸方向に移動自在に前記サドルの収容穴に収容されたクイルと、前記クイルの前端面に支持され、工具を保持する工具保持機構と、前記サドルの前記第1軸に沿った移動を案内する第1の案内装置と、前記クイルの前記第2軸に沿った移動を案内する第2の案内装置と、前記サドルを前記第1軸方向に移動させる第1の送り装置と、前記クイルを前記第2軸方向に移動させる第2の送り装置とを少なくとも備えた工作機械において、
前記クイルは、上下に貫通し、且つ長手方向が前記第2軸方向に沿って形成された長穴を備え、
前記サドルは、同じく上下に貫通し、前記クイルの長穴と上下方向に重なり合う貫通穴を備え、
前記第1の送り装置は、前記サドルに固設された被送り部材と、前記サドルの貫通穴及び前記クイルの長穴に挿通され、且つ前記第1軸に沿った状態で前記コラムに配設され、前記被送り部材に係合して該被送り部材を前記第1軸方向に移動させる駆動部材とを備えてなることを特徴とする工作機械。 - 前記第2の案内装置は、前記サドルの収容穴の前部側内周面と前記クイルの前部側外周面との間に設けられた滑り案内機構と、前記サドルの後部側外周面と前記クイルの後部側外周面との間に設けられた転がり案内機構とから構成され、
前記クイルが、前記滑り案内機構及び転がり案内機構によって前記第2軸方向の移動が案内されるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の工作機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003194605A JP2005028481A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 工作機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003194605A JP2005028481A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 工作機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005028481A true JP2005028481A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34205728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003194605A Pending JP2005028481A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 工作機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005028481A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008188749A (ja) * | 2007-02-08 | 2008-08-21 | Sanei Engineering:Kk | 立軸型平面加工盤 |
JP2009544482A (ja) * | 2006-07-25 | 2009-12-17 | モリ・セイキ・ユーエスエー・インコーポレーテッド | 複合加工の方法及び装置 |
CN110814752A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-02-21 | 邯郸乾祥机械制造有限公司 | 一种全自动铆球机 |
WO2021172530A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 | ファナック株式会社 | 工作機械 |
JPWO2022219773A1 (ja) * | 2021-04-15 | 2022-10-20 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62178028U (ja) * | 1986-04-30 | 1987-11-12 | ||
JPH0560748U (ja) * | 1992-01-20 | 1993-08-10 | 安田工業株式会社 | 工作機械のスピンドルヘッドの駆動装置 |
JPH10315077A (ja) * | 1997-05-23 | 1998-12-02 | Hikosaka Kigi Kk | 横形マシニングセンタ |
JP2000334630A (ja) * | 1999-05-26 | 2000-12-05 | Niigata Eng Co Ltd | 工作機械の主軸クイルの回転防止装置 |
JP4234514B2 (ja) * | 2003-07-09 | 2009-03-04 | 株式会社森精機製作所 | Nc旋盤 |
-
2003
- 2003-07-09 JP JP2003194605A patent/JP2005028481A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62178028U (ja) * | 1986-04-30 | 1987-11-12 | ||
JPH0560748U (ja) * | 1992-01-20 | 1993-08-10 | 安田工業株式会社 | 工作機械のスピンドルヘッドの駆動装置 |
JPH10315077A (ja) * | 1997-05-23 | 1998-12-02 | Hikosaka Kigi Kk | 横形マシニングセンタ |
JP2000334630A (ja) * | 1999-05-26 | 2000-12-05 | Niigata Eng Co Ltd | 工作機械の主軸クイルの回転防止装置 |
JP4234514B2 (ja) * | 2003-07-09 | 2009-03-04 | 株式会社森精機製作所 | Nc旋盤 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009544482A (ja) * | 2006-07-25 | 2009-12-17 | モリ・セイキ・ユーエスエー・インコーポレーテッド | 複合加工の方法及び装置 |
JP2008188749A (ja) * | 2007-02-08 | 2008-08-21 | Sanei Engineering:Kk | 立軸型平面加工盤 |
CN110814752A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-02-21 | 邯郸乾祥机械制造有限公司 | 一种全自动铆球机 |
WO2021172530A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 | ファナック株式会社 | 工作機械 |
JPWO2021172530A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 | ||
JPWO2022219773A1 (ja) * | 2021-04-15 | 2022-10-20 | ||
WO2022219773A1 (ja) * | 2021-04-15 | 2022-10-20 | Dmg森精機株式会社 | 工作機械 |
JP7560660B2 (ja) | 2021-04-15 | 2024-10-02 | Dmg森精機株式会社 | 工作機械 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4234514B2 (ja) | Nc旋盤 | |
US8887360B2 (en) | Composite working lathe | |
US5052089A (en) | Multi-function machine tool which permits complex machining of long pieces | |
JP6206504B2 (ja) | 工作機械及び切削方法 | |
JP2005028482A (ja) | 旋盤 | |
US9162289B2 (en) | Machine tool apparatus and method | |
JP2007331054A (ja) | 精密ロール旋盤 | |
JPH0794094B2 (ja) | 工作機械 | |
US20160368060A1 (en) | Machine tool | |
JP5812196B2 (ja) | 旋削機械 | |
JP2006224275A (ja) | 加工システム | |
US6623219B2 (en) | Printed board processing machine | |
WO2019123699A1 (ja) | 工具保持装置及び工作機械 | |
JP2010064228A (ja) | レスト装置を備える工作機械およびレスト装置を用いる加工方法 | |
JP5880282B2 (ja) | Y軸送り台及び旋削機械 | |
JP2005028481A (ja) | 工作機械 | |
JPH10315077A (ja) | 横形マシニングセンタ | |
JP2000117506A (ja) | 自動旋盤 | |
JP3206154B2 (ja) | Y軸機能付き旋盤 | |
JP2005219197A (ja) | ターニングセンタ | |
JP6829675B2 (ja) | 旋盤用工具ホルダ及びこの工具ホルダを備えた旋盤 | |
JP7546068B2 (ja) | 複合加工機 | |
JP2005153084A (ja) | 2主軸対向旋盤 | |
JP2008114307A (ja) | 工作機械 | |
CN118103173A (zh) | 正面双轴车床 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060707 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20090820 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090903 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100401 |