JP2005216794A - グラフト共重合体及びそれらを用いた高分子固体電解質 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、熱的特性、物理的特性及びイオン伝導度が優れていて、実用レベルに近い高分子固体電解質、特に、全固体電解質、及びそれを製造するための組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質であり、さらにイオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする。
【解決手段】 イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質であり、さらにイオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする。
Description
本発明は、電池、キャパシター、センサー、コンデンサー、EC素子、光電変換素子等の電気化学用デバイス材料として好適な共重合体に関する。
ポリアルキレンオキシド鎖をエステル部位に有するアクリル酸エステル誘導体を繰返し単位として有する共重合体、またはそれらを用いた高分子固体電解質として、例えば、架橋型高分子のマトリクス成分(A)と電解質塩(B)からなり、該マトリクス成分(A)の重合反応により作製された高分子固体電解質において、該マトリクス成分(A)として、少なくともウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)及び下記一般式(1)で示される重合性モノマー(A2)を含有してなることを特徴とする高分子固体電解質が知られている。(特許文献1を参照)
また、(1)下記極性単量体1、下記極性単量体2および下記極性単量体3からなる群から選ばれた少なくとも1つの極性単量体を構成成分として10〜100モル%含有するセグメントA、および当該極性単量体を構成成分として10モル%未満含有するセグメントBからなるブロックコポリマーと、(2)エステル化合物とを含有することを特徴とするブロックコポリマー組成物及び該組成物を用いた固体電解質がしられている。
極性単量体1:少なくとも1個の重合性不飽和結合と、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボキシル基、アミノ基およびアミド基からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基とを有する極性単量体である。
極性単量体2:下記一般式(4)で表される極性単量体である。
極性単量体3:下記一般式(5)で表される極性単量体である。
しかしながら、いずれの公報における固体電解質も、熱的特性、物理的特性、イオン伝導度のすべてを満足するものは得られていないという問題があった。
本発明は、熱的特性、物理的特性及びイオン伝導度が優れていて、実用レベルに近い高分子固体電解質、特に、全固体電解質、及びそれを製造するための組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、共役ジエン骨格に、イオン導電性を有する部位をグラフトさせることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体又はその誘導体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質に関し、
(2)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする(1)に記載の高分子固体電解質、
(3)イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の高分子固体電解質、
(4)イオン導電性部位が、式(I)
(1)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体又はその誘導体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質に関し、
(2)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする(1)に記載の高分子固体電解質、
(3)イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の高分子固体電解質、
(4)イオン導電性部位が、式(I)
(5)式(I)で表される構造の含有量が、40〜90重量%である共重合体であることを特徴とする(4)に記載の高分子固体電解質、
(6)イオン導電性部位を有するグラフト鎖が、式(II)
(7)誘導体が、架橋構造を有する硬化物であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の高分子固体電解質、
(8)架橋構造が、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、エステル結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有することを特徴とする(7)に記載の高分子固体電解質、
(9)架橋構造を有する硬化物が、イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有し、分子内に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を官能基として有する共重合体を、架橋剤を用いて架橋した硬化物であることを特徴とする(7)または(8)に記載の高分子固体電解質、
(10)架橋構造を有する硬化物が、(メタ)アクリル酸、並びに/または水酸基、カルボキシル基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルを、共役ジエンより誘導される繰り返し単位に付加、またはグラフトして得られた共重合体を、架橋剤を用いて架橋した硬化物であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載の高分子固体電解質、
(11)架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(9)または(10)に記載の高分子固体電解質に関する。
(12)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質用組成物に関し、
(13)イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする(12)に記載の高分子固体電解質組成物、
(14)イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする(12)または(13)に記載の高分子固体電解質用組成物、
(15)イオン導電性部位が、式(I)
(16)式(I)で表される構造の含有量が、40〜90重量%である共重合体であることを特徴とする(15)に記載の高分子固体電解質用組成物、
(17)イオン導電性部位を有するグラフト鎖が、式(II)
(18)共重合体が、分子内に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を官能基として有することを特徴とする(12)〜(17)のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物、
(19)共重合体が、(メタ)アクリル酸、及び/または水酸基、カルボキシ基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルを、共役ジエンより誘導される繰り返し単位にグラフトして得られた共重合体であることを特徴とする(12)〜(18)のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物、
(20)該高分子固体電解質用組成物が、さらに架橋剤を含有することを特徴とする(12)〜(19)のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物、
(21)架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(20)に記載の高分子固体電解質用組成物に関する。
(22)式(II)
(23)式(II)
(24)式(II)
(25)式(II)
(26)架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(24)または(25)に記載の硬化物に関する。
本発明の高分子固体電解質用組成物また、該組成物から誘導することができる高分子用固体電解質は、熱的特性、物理的特性、及びイオン伝導性に優れている。これら組成物または電解質は、電池等の電気化学用デバイスの材料として有用であり、産業上の利用価値は高いといえる。
本発明の高分子固体電解質は、イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体及び電解質塩を含むことを特徴とする。
イオン導電性を有する部位は、電解質塩と相互作用してイオン導電性を示す骨格であれば特に制限されないが、特に、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造が好ましく、そのような構造として具体的には、式(I)で表される構造を好ましく例示することができる。
式(I)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基を表す。式(I)で表される構造が含まれれば、その他の構造を特に制限されないが、式(I)で表される構造を繰り返し単位として有するポリエーテル鎖であることが好ましい。また、式(I)で表される構造部位の含有量は、特に限定されないが、高分子固体電解質として優れたイオン導電性及び物理的性質を有するためには、共重合体全体に対して40〜90重量%の範囲が好ましい。
上記示したイオン導電性部位は、任意の重合様式で、共役ジエン系重合体と共に主鎖を構成するブロック鎖として、主鎖の末端にペンダントとして、またはグラフト鎖として含ませることができるが、高分子固体電解質として優れたイオン導電性と物理的性質とを共に得るためには、共役ジエン系重合体のグラフト鎖として有するのが好ましい。
上記した本発明用いられる共役ジエン系重合体としては、共役ジエン単量体から公知のラジカル重合法、またはイオン重合法等で誘導される重合体であれば、特に制限されず、そのような共役ジエン単量体として具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等例示することができ、これらは1種単独また2種以上を混合して用いることができる。
共役ジエン系共重合体は、上記共役ジエン単量体以外に必要に応じて、共重合体可能な他の単量体を用いた共重合体とすることができ、そのような単量体として具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、スチルベン、2−ビニルピリジン等のビニル芳香族化合物類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル等を例示することができ、これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
共役ジエン単量体とその他の単量体との結合様式は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などいずれであっても良いが、より高いイオン導電性を発現させる為には高分子固体電解質膜としてミクロ相分離構造を有する事が好ましく、従って、共役ジエン単位がブロック鎖として存在するブロック共重合体、部分ブロック共重合体が好ましい。
なお、共役ジエン単位の微細構造には特に制限がなく、分子末端又は分子中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基を有していてもよく、また、共役ジエン単位の一部又は全部が水素添加され一部または全部が飽和した重合体も使用することができる。また、用いる共役ジエン系重合体の数平均分子量は特に限定されないが、具体的には500〜500,000の範囲を好ましく例示することができる。
以上述べたような共役ジエン系重合体として、具体的には、NISSO−PB−B−1000,NISSO−PB−B−2000、NISSO−PB−B−3000、NISSO−PB−G−1000、NISSO−PB−G−2000、NISSO−PB−G−3000、NISSO−PB−C−1000、NISSO−PB−BF−1000(以上、日本曹達社製)、ポリオイル110、ポリオイル130、ポリオイル160(以上、日本ゼオン社製)、ハイカーCTB、ハイカーCTBN、ハイカーVTBN(以上、BFグッドリッチ社製)、ポリBD−R−45HT、ポリBD−R−45M、ポリBD−R−20LM(以上、エルフアトケム社製)、RB−810、RB−820(以上、JSR社製)、クラプレンLIR−290、クラプレン390、クラプレン30、クラプレン50、クラプレン410、クラプレン503(以上、クラレ社製)、クレイトンD−1101、クレイトンD−1155、クレイトンKX−408、クレイトンKX−414、クレイトンKX−415、クレイトンD−1118、クレイトンD−1184、クレイトンD−4270、D−1107、D−1124、クレイトンG1650、クレイトンG1657、クレイトンG1701(以上、クレイトンポリマーズ社製)等を例示することができる。
グラフト鎖として有するイオン導電性部位として、具体的には、式(II)または式(III)で表されるグラフト鎖を好ましく例示することができる。
式(II)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。R13は、水素原子、炭化水素基、アシル基、またはシリル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基等の炭化水素基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等のシリル基等を表す。m1は、1〜100のいずれかの整数を表し、好ましくは、5〜10のいずれかの整数を表す。また、m1が2以上の場合に、R11同士、及びR12同士は、同一でも相異なっていてもよい。
R20は、水素原子または、式(IIA)で表される官能基を表す。式(IIA)中、R311、R321、R331、及びm11は、それぞれR11、R12、R13、及びm1と同様の意味を表し、同様の具体例を例示することができる。
m3は、1〜100のいずれかの整数を表し、m3が2以上の場合、R11、R12、R13、R20、及びm1同士は、同一でも相異なっていてもよい。
式(III)中、R14は、水素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のC1〜C6炭化水素基を表し、R15及R16は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R17は、水素原子、炭化水素基、アシル基、またはシリル基を表し、具体的には、R13において例示したのと同様の官能基を例示することができ、m2は、1〜100のいずれかの整数を表し、特に5〜10のいずれかの整数が好ましい。
m4は、1〜100のいずれかの整数を表し、m4が2以上の場合、R14、R15、R16、R17、及びm2同士は、同一でも相異なっていてもよい。
式(II)で表される骨格を有するグラフト鎖の製造方法として具体的には、共役ジエン系重合体と無水マレイン酸を反応させた後、下記式(IV)で表されるアルコール類を反応させる方法、さらに加水分解した後、式(IV)で表されるアルコール類または式(V)で表される求電子試薬等を用いてエステル化する方法、または、加水分解後、オキシラン類等を反応させる方法等を例示することができるが、式(IV)で表されるアルコール類を反応させる方法を好ましく例示することができる。
共役ジエン系重合体と無水マレイン酸との反応は、具体的には、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、フエノール類や芳香族アミンなどの重合防止剤の存在下、無触媒で180〜230℃の高温度で反応させる方法、不活性ガス雰囲気中、有機溶媒の存在下、ラジカル重合開始剤を触媒として反応させる方法を用いることできるが、後者の方法が所定量だけマレイン化された重合体が得られる点で好ましい。
有機溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−アミル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン、ジメチルスルホキシド等の不活性溶媒等を例示することができ、これらは一種単独で又は二種以上混合して用いることができる。
用いられる触媒として具体的には、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロル過酸化ベンゾイル、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、ジ−t−ブチルパーフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;ジ−t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、α−フェニルエチルヒドロパーオキサイド、シクロヘキセニルヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類等を例示することができ、これらは一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。これらの使用量は共役ジエン系重合体に対して0.01〜10重量%の範囲がこのましく、さらに0.1〜5重量%の範囲が好ましい。また、例えばジメチルアニリン等の第3級アミン類、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガンのような有機カルボン酸金属塩類等の有機過酸化物類とレドックス系を形成するような化合物を併用して用いることもできる。
反応方法は特に限定されないが、共役ジエン系重合体と無水マレイン酸とを、有機溶媒中、酸素、有機過酸化物、アゾ化合物等の触媒を用いて、室温から200℃の範囲、好ましくは50〜150℃の範囲の温度下で攪拌しながら、1分〜30時間、好ましくは10分〜10時間、反応を行う方法を例示することができる。用いる無水マレイン酸の量は、後にエステル化することにより導入される式(I)で表される骨格の含有量により、適宜選択することができる。
また、反応時又は反応終了後、反応系に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、p−メトキシキノン、ハイドロキノン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等公知の重合防止剤を添加することもできる。
得られたマレイン化共役ジエン共重合体は、無溶媒または有機溶媒中、無触媒又は三級アミン等の一般的なエステル化触媒を用い、室温〜150℃の範囲で、0.5〜100時間、式(IV)で表されるアルコール類と反応させることにより、式(II)で表される骨格を1以上有するグラフト鎖を有するマレイン化共役ジエン共重合体に変換することができる。用いる式(IV)で表されるアルコール類の量は、重合体全体に対するイオン導電性部位含有量、マレイン化率、m1の値を考慮として適宜選択することができる。無水マレイン酸残基に対して、当モル以上で反応させる必要はなく、また、当モル以上用いても構わない。最終的に残存した無水マレイン酸残基は、エポキシ化合物等を用いて架橋構造を形成するのに用いることもできる。
また、R20が式(IIA)で表される構造を有する場合には、上記反応を行なった後にさらに、(IIA)で示す骨格に対応するアルコール類またはハロゲン化物等の求電子試薬等を用いて、通常のエステル化条件を用い反応を行なうことにより、目的物を得ることができる。
式(III)で表される骨格を有するグラフト鎖の製造方法として具体的には、共役ジエン系重合体に、下記式(VI)で表されるアクリル酸エステルを用いて直接グラフトさせる方法、(メタ)アクリル酸をグラフトさせた後、または(メタ)アクリル酸エステルをグラフトさせ、エステルを加水分解させた後、式(VII)で表されるアルコール体、または式(VIII)で表される求電子試薬を反応させる、またはオキシラン類等を反応させる方法等を例示することができるが、製造の容易さ、構造の制御しやすさを考慮すると、式(VI)で表されるエステル体を用いてグラフトさせる方法を好ましく例示することができる。
反応方法は特に限定されないが、共役ジエン化合物と例えば、式(VI)で表されるエステル化合物等を、不活性ガス雰囲気下、有機溶媒存在下、式(II)で表される骨格を有するグラフト鎖と同様の条件下に行なう方法を例示することができる。また、無溶媒下に、共役ジエン化合物及び式(VI)で表されるエステル化合物等を混合し、ニーダー等の混合機、二軸押し出し機等を用いて、100〜250℃の温度下、混練又は押し出しつつグラフト重合させることもできる。また、カルボン酸とした後、エステル化する方法は、公知のエステル化触媒を用い、通常のエステル化の条件で行なうことができる。
以上のようにして得られた共重合体と電解質塩とからなる高分子固体電解質は、そのままでも優れたイオン導電性を有するが、物理的特性、熱的特性などの膜質を更に向上させるてめには、分子内に官能基を有する共重合体を用い、この官能基と反応し得る架橋剤を用いて架橋した硬化物と電解質塩とからなる高分子固体電解質とするのが好ましい。
そのような官能基として具体的には、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を好ましく例示することができる。これらの官能基の位置は特に限定されず、重合体の末端であっても、中間に側鎖として、またはグラフト鎖として有していても良い。
共重合体への官能基導入方法としては、官能基を有する共役ジエン系重合体を用いて共重合体を製造する方法、官能基を有する、または有しない共役ジエン系重合体と官能基を有する化合物とを反応させた後共重合体を製造する方法、または、共重合体を得た後官能基を有する化合物と反応させて製造する方法を例示することができる。官能基を有する共役ジエン系重合体としては、前記した市販されている共役ジエン系重合体において、NISSO−PB−Gシリーズ(水酸基含有)、NISSO−PB−C−1000(カルボキシル基含有)、ポリBD−R−45HT(水酸基含有)、ハイカーCTBN(カルボキシル基含有)などを例示することができる。共役ジエン系重合体、または共重合体と官能基を有する化合物とを反応させる方法としては、(メタ)アクリル酸、及び/または水酸基、カルボキシル基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルを付加及び/又はグラフトする方法、2−メルカプトエタノール、4−メルカプト安息香酸などのメルカプト基を有する化合物を付加する方法などが挙げられるが、製造の容易さから前者が好ましい。官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどを例示する事が出来る。これらを共役ジエン系重合体、または共重合体へ付加、及び/またはグラフトする方法としては、前記した共役ジエン系重合体へ式(VI)で表される化合物をグラフトする反応方法と同様の方法を例示することができる。
共重合体を架橋剤により架橋させて得られる架橋体(硬化物)の構造としては、ポリマー鎖間を結合して高分子固体電解質としての物理的特性、熱的特性などの膜質を向上できる構造であれば特に制限されるものではない。例えば、共役ジエン系重合体鎖中の二重結合を有機過酸化物や紫外線、電子線などの活性エネルギー線を用いて炭素−炭素結合で架橋する構造等を例示できるが、効果的に電解質膜の強靭性を向上させるためには、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、エステル結合よりなる群から選ばれる少なくとも一種の結合を含む架橋構造とすることが好ましい。具体的には、共重合体中の官能基が水酸基の場合には架橋剤としてポリイソシアネート化合物を、カルボキシル基、フェノール性水酸基や酸無水物基の場合にはポリエポキシ化合物を、酸無水物基の場合にはポリオール化合物を、エポキシ基の場合にはエポキシ硬化剤を反応させて形成される架橋構造を例示することができる。
上記した架橋剤のうち、ポリイソシアネート化合物として具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、等のポリイソシアネートあるいははこれらポリイソシアネートの三量体化合物、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等を例示することができる。また、イソシアネート基の一部、または全部をフエノール化合物やオキシム類等公知のブロック化剤を用いてブロックしたブロックイソシアネート類を用いてもよい。また、必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレン−1,6−ジオール、ポリエチレングリコール等の鎖伸長剤を併用することもできる。
ポリイソシアネート化合物を用いる場合には、必要に応じて、硬化促進剤として、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン類、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチルチン、ジブチルチンジラウレートなどの重金属化合物類等を用いることもできる。
ポリエポキシ化合物として、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等等の2以上のエポキシ基を含む化合物等を例示することができ、必要に応じて、硬化促進剤として、ベンジルジメチルアミンなどの3級アミン類、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類を用いることができる。
ポリオール化合物として、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールなどのポリエーテルポリオール類、フタル酸やアジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコールやグリセリン等のポリヒドロキシ化合物とを縮合させて得られるポリエステルポリオール類、アクリルポリオール類、ひまし油誘導体類、前記した分子中に水酸基を有するブタジエン系重合体など、分子中に水酸基を2個以上有する化合物を例示できる。
エポキシ硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化に用いられているもの、例えば、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン類、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン類、N−アミノエチルピペラジン等の脂環族ポリアミン類、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物類、フェノールノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン等のポリフェノール類、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂等を例示することができ、他の硬化剤として、三フッ化ホウ素アミンコンプレックス、各種オニウム塩等を例示することができる。また、酸無水物類やポリフェノール類を架橋剤として用いるとき、必要に応じて公知の硬化促進剤、例えば前記した3級アミン類やイミダゾール類を用いることができる。
これらの架橋剤は、共重合体中の官能基の種類に応じて1種単独、また、2種以上を併用して用いる事が出来、また、量は特に制限されないが、共重合体中の官能基1モルに対して0.001〜2モルの範囲が好ましく、さらに0.1モル〜1モルの範囲が好ましい。0.001モル未満では充分な物理的特性、熱的特性が得られず、2モルより大きい場合には熱的特性を低下させたり充分な導電率が得られない恐れがある。
本発明で使用する電解質塩としては、特に限定されるものではなく、電荷でキャリアーとしたいイオンを含んだ電解質塩を用いればよいが、硬化して得られる高分子固体電解質中での解離定数が大きいことが望ましく、アルカリ金属塩、(CH3)4NBF6等の4級アンモニウム塩、(CH3)4PBF6等の4級ホスホニウム塩、AgClO4等の遷移金属塩あるいは塩酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロトン酸が使用出来、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩または遷移金属塩の使用が好ましい。
使用しうるアルカリ金属塩の具体例としては、例えばLiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiC(CH3)(CF3SO2)2、LiCH(CF3SO2)2、LiCH2(CF3SO2)、LiC2F5SO3、LiN(C2F5SO2)2、LiB(CF3SO2)2、LiPF6、LiClO4、LiI、LiBF4、LiSCN、LiAsF6、NaCF3SO3、NaPF6、NaClO4、NaI、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO3、KPF6、KI、LiCF3CO3、NaClO3、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2等を例示することができ、これら電解質塩は混合し、使用しても良く、中でもリチウム塩が好ましい。
これら電解質塩の添加量は、イオン導電性部位を構成する各ユニットに対して、0.005〜80モル%、好ましくは0.01〜50モル%の範囲である。本発明の高分子電解質は、上記した架橋構造を有さない共重合体、架橋剤に電解質塩を添加混合(複合)させることにより製造することができるが、添加複合させる方法には特に制限なく、例えば、該共重合体、架橋剤と電解質塩とをテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、エタノール、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒に溶解させる方法、共重合体、架橋剤と電解質塩とを常温又は加熱下に機械的に混合する方法等が挙げられる。
本発明の高分子固体電解質は、上記した架橋点を有する共重合体と架橋剤との反応により得られた架橋構造を有する硬化物と電解質塩を含む電解質であるのが好ましい。そのような高分子固体電解質は、例えば、上記した架橋点を有する共重合体と電解質塩を含む高分子固体電解質用樹脂組成物を、熱、紫外線、赤外線、遠赤外線、マイクロ波等の各種エネルギーにより架橋反応を行うことにより製造することができる。
また、他の態様として、
(i)該共重合体と架橋剤を、熱等の各種エネルギーを用いて完全に架橋する手前で制御し、さらに電解質塩を添加して架橋、固化させる方法、
(ii)架橋条件の異なる2種以上の共重合体、及び1種以上の架橋剤を、1つの共重合体のみが架橋する条件の下に架橋させた後、電解質塩を添加してさらに、架橋、固化させる方法、
(iii)架橋条件の異なる2種以上の共重合体、1種以上の架橋剤、及び電解質塩を、1つの共重合体のみが架橋する条件の下に架橋させた後、さらに、架橋、固化させる方法、
等を例示することができる。
(i)該共重合体と架橋剤を、熱等の各種エネルギーを用いて完全に架橋する手前で制御し、さらに電解質塩を添加して架橋、固化させる方法、
(ii)架橋条件の異なる2種以上の共重合体、及び1種以上の架橋剤を、1つの共重合体のみが架橋する条件の下に架橋させた後、電解質塩を添加してさらに、架橋、固化させる方法、
(iii)架橋条件の異なる2種以上の共重合体、1種以上の架橋剤、及び電解質塩を、1つの共重合体のみが架橋する条件の下に架橋させた後、さらに、架橋、固化させる方法、
等を例示することができる。
特に、前記の高分子固体電解質用樹脂組成物を、シート状、膜状、フイルム状等の形状に成形後、前記エネルギーにより架橋させてシート状架橋高分子体とするのが好ましく、この場合、加工面の自由度が広がり、応用上の大きな利点となる。
シート状等の高分子固体電解質を製造する手段として、ロールコーター法、カーテンコーター法、スピンコート法、ディップ法、キャスト法等の各種コーティング手段により支持体上に前記高分子固体電解質用樹脂組成物を成膜させ、次いで前記エネルギーにより架橋反応を行い、その後支持体を除去することによりシート状等の高分子固体電解質が得ることができる。
以下本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
ポリ(スチレン(以下、Stと記す)−b−ブタジエン(以下、Bdと記す)−b−St)(St/Bd=52/48(重量比)、数平均分子量(以下、Mnと記す)=93,700、クレイトンポリマージャパン(株)製、商品名D−KX414)8g、無水マレイン酸2g、キュメンハイドロパーオキサイド0.1gを、1−アセトキシ−2−メトキシエタン190gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら140℃で8時間マレイン化反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィ(以下、GCと記す)により分析した結果、未反応の無水マレイン酸は1%以下であり反応が完結している事が確認された。ついで、重合防止剤として4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(以下、TMBPと記す)0.05gを添加後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し、粉末状のマレイン化されたポリ(St−b−Bd−b−St)9.8gを得た(試料BM−1)。BM−1について13CNMRを測定したところ、無水マレイン酸含有量は19.8重量%であった。
ついで、BM−1:5gとポリエチレングリコールモノメチルエーテル(以下、PEOと記す、Mn=550)10gとを、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す)60gに溶解し(酸無水物基/水酸基=1/1.8(当量比))、ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと記す)0.1gを加え、窒素雰囲気中で8時間還流して半エステル化反応を行った。ついで、反応液のカラム精製を行って未反応のPEO、触媒を除去後、減圧下にTHFを溜去し、室温下で固形状のポリ(St−b−(Bd−g−PEO)−b−St)10.5gを得た(試料BMP−1)。BMP−1について、13CNMRを測定したところ、PEO含有量は52.3重量%であった。
また、BMP−1をアセトンに溶解、テフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で24時間減圧乾燥し、得られたフィルムについて動的粘弾性を測定、また、その内部構造を透過型電子顕微鏡で観察を行った。
その結果、弾性率は23℃で5.2MPaであり、また、内部構造はネットワーク型のミクロ相分離構造を有することがわかった(図1を参照)。
ポリ(Bd−b−イソプレン(以下、Ipと記す))(Bd/Ip=94/6(重量比)、Mw=43,000、アルドリッチ社製)7.5g、無水マレイン酸2.5g、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド0.1gをシクロヘキサノン190gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら150℃で8時間マレイン化反応を行った。反応液をGCにより分析した結果、未反応の無水マレイン酸は1%以下であり、反応が完結している事が確認された。ついで、TMBP0.05gを添加後、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し、粉末状のマレイン化ポリ(Bd−b−Ip)9.8gを得た(試料BM−2)。BM−2について13CNMRを測定したところ、無水マレイン酸含有量は24.9%であった。
ついで、BM−2:5gと、PEO(Mn=550)12gとをTHF68gに溶解し(酸無水物基/水酸基=1/1.7(当量比))、DMAP0.1gを加えて、窒素中で8時間還流して半エステル化反応を行った。ついで、反応液のカラム精製を行って、未反応のPEO、触媒を除去した後、減圧下に溶媒を溜去し、室温下で固形状のポリ((Bd−g−PEO)−b−(Ip−g−PEO))11.9gを得た(試料BMP−2)。BMP−2について、13CNMRを測定したところ、PEO含有量は58.3重量%であった。
また、実施例1と同様にして成膜したフィルムにつき、動的粘弾性を測定、また、その内部構造を透過型電子顕微鏡で観察を行った。
その結果、弾性率は23℃で4.0MPaであり、また、内部構造はBMP−1と同様のネットワーク型ミクロ相分離構造を有していることが判った。
1,2−ポリブタジエン(Mn=2980、1,2−結合含有量=90.5%、日本曹達社製、商品名NISSO−PB B−3000)7g、無水マレイン酸3g、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.1gを、1−アセトキシ−2−エトキシエタン190gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら130℃で8時間マレイン化反応を行った。反応液をGCにより分析した結果、未反応の無水マレイン酸は1%以下であり、反応が完結している事が確認された。ついで、TMBP0.05gを添加後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し、粉末状のマレイン化1,2−ポリブタジエン9.9gを得た(試料BM−3)。BM−3について13CNMRを測定したところ、無水マレイン酸付加率は29.6重量%であった。
ついで、BM−3:5gと、PEO(Mn=750)15gとを、THF80gに溶解し(酸無水物基/水酸基=1/1.3(当量比))、DMAP0.1gを加えて、窒素雰囲気中で12時間還流して半エステル化反応を行った。ついで、反応液のカラム精製を行って未反応のPEO、触媒を除去後、減圧下にTHFを溜去し、室温で高粘度液体状のポリ(Bd−g−PEO)16.1gを得た(試料BMP−3)。BMP−3について、13CNMRを測定したところ、PEO含有量は68.9重量%であり、また、酸価及びカルボキシル基含有量は、それぞれ52.7(KOHmg/g)、0.94(meq/g)であった。
また、BMP−3:2gと、架橋剤としてグリシジルアミン型エポキシ樹脂YH−434(エポキシ当量121、東都化成(株)製)0.19gとを、アセトン8gに溶解して得られた溶液をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で5時間、更に120℃で10時間乾燥、硬化して得られたフィルムの動的粘弾性を測定したところ、弾性率は、23℃で、1.3MPaであり、電子顕微鏡観察を行ったところ、均一構造をしていることがわかった。
1,4−ポリブタジエン(Mn=3000、1,4−結合含有量=99%、日本ゼオン社製、商品名ポリオイル130)7.5g、無水マレイン酸2.5g、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.1gを、1−アセトキシ−2−メトキシエタン190gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら110℃で5時間マレイン化反応を行った。反応液をGCで分析した結果、未反応の無水マレイン酸は1%以下であり、反応が完結している事が確認された。ついで、TMBP0.05gを添加後、反応液を大量の水に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で24時間減圧乾燥し、粉末状のマレイン化1,4−ポリブタジエン9.5gを得た(試料BM−4)。BM−4について13CNMRを測定したところ、無水マレイン酸含有量は24.4重量%であった。
ついで、BM−4:5gと、PEO(Mn=550)10gとをTHF60gに溶解し(酸無水物基/水酸基=1/1.4(当量比))、DMAP0.1gを加えて窒素雰囲気中で10時間還流して半エステル化反応を行った後、実施例1と同様の後処理を行い、室温で高粘度液状のポリ(Bd−g−PEO)11.8gを得た(試料BMP−4)。BMP−4について、13CNMRを測定したところ、PEO含有量は58.3重量%であり、また、酸価及びカルボキシル基含有量は、それぞれ59.1(KOHmg/g)、1.05(meq/g)であった。
また、BMP−4:2g、YH−434:0.18gを用いる他は実施例3と同様にして得られたフィルムの動的粘弾性測定と電子顕微鏡観察を行ったところ、弾性率は、23℃で、3.5MPaであり、その内部構造はBMP−1と同様のネットワーク型のミクロ相分離構造を有していることがわかった。
水酸基含有1,4−ポリブタジエン(Mn=2800、1,2結合含有量=20%、1,4結合含有量=80%、水酸基含有量=0.86meq/g、出光アトケム社製、商品名PolyBD R45−HT)10g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名PME−1000)30g、ベンゾイルパーオキサイド0.5gをトルエン160gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃で反応を開始した。ゲルパーミエィションクロマトグラフィ(GPC)によりPME−1000の転化率を追跡しながら反応を行ったところ、反応を開始してから15時間後に未反応のPME−1000が1%以下となり反応を停止させた。ついで、反応液のカラム精製を行った後、減圧下にトルエンを溜去し、室温下で液状のポリ(Bd−g−PME−1000)39.5gを得た(試料BMP−5)。BMP−5について、13CNMRを測定したところ、PEO含有量は68%であり、水酸基価及び水酸基含有量は、それぞれ12.1(KOHmg/g)、0.22(meq/g)であった。
また、BMP−5:2gと、架橋剤としてのトリレン2,4−ジイソシアネート(以下、TDIと記す)45mgとをアセトン8gに溶解し、得られた溶液をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で12時間、60℃で5時間、更に120℃で10時間乾燥・硬化して得られたフィルムについて動的粘弾性測定と電子顕微鏡観察を行ったところ、弾性率は、23℃で2.1MPaであり、その内部構造はBMP−1と同様のネットワーク型ミクロ相分離構造を有していることがわかった。
窒素雰囲気下、テトラヒドロフランにナトリウム3.3mmolを含むナトリウム−ケロシン分散体を加えた系に、−60℃において、Bd210mmolを添加・重合し、ついでα−メチルスチレン(以下、MSと記す)84mmolを添加・共重合して生成した重合反応液を、酸化エチレンで処理した後加水分解して、Mn=13000、Bd単位71.8mol%、α−メチルスチレン単位28.2mol%、Bd単位中の1,2−結合含有量90.5%、1,4−結合含有量9.5%、水酸基価8.4(KOHmg/g)、水酸基含有量0.15(meq/g)の両末端に水酸基を有するポリ(MS−b−Bd−b−MS)21gを得た。
得られたポリ(MS−b−Bd−b−MS)10g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと略す)1g、キュメンハイドロパーオキサイド0.1gを、1−アセトキシ−2−エトキシエタン200gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、攪拌しながら140℃で5時間反応させた。ついで、反応液のカラム精製を行って未反応のHEMA、触媒を除去後、減圧下に溶媒を溜去し、室温で固形状の両末端及び分子内に水酸基を有するポリ(MS−b−Bd−b−MS)10.3gを得た。このポリマーの水酸基価及び水酸基含有量は、それぞれ20.7(KOHmg/g)、0.37(meq/g)であった(試料BM−6)。
ついで、BM−6:5g、PME−1000:20g、ベンゾイルパーオキサイド0.3gをトルエン200gに溶解し、窒素バブリングを30分間行った後、窒素雰囲気下、90℃で反応を開始した。GPCで反応を追跡し、20時間後に未反応のPME−1000が1%以下となった事を確認して反応を停止させた。ついで、反応液のカラム精製を行った後、減圧下にトルエンを溜去し、室温で高粘度液状のポリ(MS−b−(Bd−g−PME−1000)−b−MS)24.8gを得た(試料BMP−6)。BMP−6について13CNMRを測定したところ、PEO含有量は72重量%であり、また、水酸基価及び水酸基含有量は、それぞれ4.1(KOHmg/g)、0.073(meq/g)であった。
また、BMP−6:2gと、架橋剤としてのTDI7mgとをアセトン8gに溶解し、得られた溶液をテフロン(登録商標)板上に流延し、窒素雰囲気下、室温で12時間、60℃で5時間、更に120℃で10時間乾燥・硬化して得られたフィルムについて動的粘弾性測定と電子顕微鏡観察を行ったところ、弾性率は、23℃で1.8MPaであり、その内部構造はBMP−1と同様のネットワーク型ミクロ相分離構造を有していることがわかった。
(1)高分子固体電解質用組成物の調製
アルゴン雰囲気下において、実施例1で得られたBMP−1:2gをアセトン18gに溶解し、LiClO4:0.13gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
アルゴン雰囲気下において、上記組成物をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で24時間減圧乾燥して均一な高分子固体電解質膜を得た(膜厚100μm)。アルゴン雰囲気下、この高分子固体電解質膜を白金板にはさみ、周波数5〜10MHzのインピーダンスアナライザー(Solartron−1260型)を用いて複素インピーダンス解析によりイオン伝導度を測定した。その結果、イオン伝導度は23℃で3.0×10-5S/cmであった。
アルゴン雰囲気下において、実施例1で得られたBMP−1:2gをアセトン18gに溶解し、LiClO4:0.13gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
アルゴン雰囲気下において、上記組成物をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で24時間減圧乾燥して均一な高分子固体電解質膜を得た(膜厚100μm)。アルゴン雰囲気下、この高分子固体電解質膜を白金板にはさみ、周波数5〜10MHzのインピーダンスアナライザー(Solartron−1260型)を用いて複素インピーダンス解析によりイオン伝導度を測定した。その結果、イオン伝導度は23℃で3.0×10-5S/cmであった。
(1)高分子固体電解質用組成物の調製
実施例2で得られたBMP−2:2g、LiClO4:0.15gを用いる他は実施例7と同様にして高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を用いる他は実施例7と同様にして成膜し(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、イオン伝導度は23℃で5.1×10-5S/cmであった。
実施例2で得られたBMP−2:2g、LiClO4:0.15gを用いる他は実施例7と同様にして高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を用いる他は実施例7と同様にして成膜し(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、イオン伝導度は23℃で5.1×10-5S/cmであった。
(1)高分子固体電解質用組成物の調製
アルゴン雰囲気下において、実施例3で得られたBMP−3:2g、YH−434:0.19gをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.17gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
アルゴン雰囲気下において、上記組成物をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で5時間、更に120℃で10時間減圧乾燥・硬化処理を行い、均一な高分子固体電解質膜を得た(膜厚100μm)。この高分子固体電解質膜について、実施例7と同様にして23℃でのイオン伝導度を測定したところ、6.4×10-5S/cmであった。
アルゴン雰囲気下において、実施例3で得られたBMP−3:2g、YH−434:0.19gをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.17gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
アルゴン雰囲気下において、上記組成物をテフロン(登録商標)板上に流延し、室温で24時間放置後、60℃で5時間、更に120℃で10時間減圧乾燥・硬化処理を行い、均一な高分子固体電解質膜を得た(膜厚100μm)。この高分子固体電解質膜について、実施例7と同様にして23℃でのイオン伝導度を測定したところ、6.4×10-5S/cmであった。
(1)高分子固体電解質用組成物調製
アルゴン雰囲気下において、実施例4で得られたBMP−4:2g、YH−434:0.18gをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.15gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は3.6×10-5S/cmであった。
アルゴン雰囲気下において、実施例4で得られたBMP−4:2g、YH−434:0.18gをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.15gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は3.6×10-5S/cmであった。
(1)高分子固体電解質用組成物調製
アルゴン雰囲気下において、実施例5で得られたBMP−5:2g、TDI:45mgをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.17gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は8.8×10-5S/cmであった。
アルゴン雰囲気下において、実施例5で得られたBMP−5:2g、TDI:45mgをアセトン20gに溶解し、LiClO4:0.17gを加えて均一に溶解させて高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は8.8×10-5S/cmであった。
(1)高分子固体電解質用組成物調製
実施例6で得られたBMP−6:2g、TDI:7mg、LiClO4:0.18gを用いる他は実施例11と同様にして高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は2.1×10-4S/cmであった。
実施例6で得られたBMP−6:2g、TDI:7mg、LiClO4:0.18gを用いる他は実施例11と同様にして高分子固体電解質用組成物を調製した。
(2)高分子固体電解質膜作製、及びイオン伝導度測定
上記組成物を実施例9と同様にして高分子固体電解質膜を作製(膜厚100μm)、イオン伝導度を測定した。その結果、23℃でのイオン伝導度は2.1×10-4S/cmであった。
Claims (26)
- イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体またはその誘導体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質。
- イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質。
- イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高分子固体電解質。
- 式(I)で表される構造の含有量が、40〜90重量%である共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の高分子固体電解質。
- イオン導電性部位を有するグラフト鎖が、式(II)
- 誘導体が、架橋構造を有する硬化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 架橋構造が、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、エステル結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有することを特徴とする請求項7に記載の高分子固体電解質。
- 架橋構造を有する硬化物が、イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有し、分子内に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を官能基として有する共重合体を、架橋剤を用いて架橋した硬化物であることを特徴とする請求項7または8に記載の高分子固体電解質。
- 架橋構造を有する硬化物が、(メタ)アクリル酸、並びに/または水酸基、カルボキシル基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルを、共役ジエンより誘導される繰り返し単位に付加、またはグラフトして得られた共重合体を、架橋剤を用いて架橋した硬化物であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9または10に記載の高分子固体電解質。
- イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体及び電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質用組成物。
- イオン導電性部位及び共役ジエンより誘導される繰り返し単位を有する共重合体が、イオン導電性部位をグラフト鎖に有する共役ジエン系共重合体であることを特徴とする請求項12に記載の高分子固体電解質組成物。
- イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする請求項12または13に記載の高分子固体電解質用組成物。
- 式(I)で表される構造の含有量が、40〜90重量%である共重合体であることを特徴とする請求項15に記載の高分子固体電解質用組成物。
- イオン導電性部位を有するグラフト鎖が、式(II)
- 共重合体が、分子内に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を官能基として有することを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
- 共重合体が、(メタ)アクリル酸、及び/または水酸基、カルボキシ基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルを、共役ジエンより誘導される繰り返し単位にグラフトして得られた共重合体であることを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
- 該高分子固体電解質用組成物が、さらに架橋剤を含有することを特徴とする請求項12〜19のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
- 架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項20に記載の高分子固体電解質用組成物。
- 式(II)
- 式(II)
- 式(II)
- 式(II)
- 架橋剤が、ポリイソシアネート化合物、分子中に1以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項24または25に記載の硬化物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004025142A JP2005216794A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | グラフト共重合体及びそれらを用いた高分子固体電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004025142A JP2005216794A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | グラフト共重合体及びそれらを用いた高分子固体電解質 |
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JP2005216794A true JP2005216794A (ja) | 2005-08-11 |
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JP2004025142A Withdrawn JP2005216794A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | グラフト共重合体及びそれらを用いた高分子固体電解質 |
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---|---|---|---|---|
JP2007213936A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Honda Motor Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法 |
JP2007213903A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Jsr Corp | 高分子電解質を含む混合溶液、架橋構造を有する重合体を含む高分子電解質組成物および高分子電解質膜 |
JP2012212546A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Jsr Corp | リチウムイオン電池用高分子電解質 |
-
2004
- 2004-02-02 JP JP2004025142A patent/JP2005216794A/ja not_active Withdrawn
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