JP2005216782A - Ｌｅｄランプ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 照明領域の周囲との境界である外周に観測される黄色の色ムラのない照明光が得られるＬＥＤランプ装置を提供する。
【解決手段】 発光色が青系の発光素子とその光を受けて黄系〜黄緑系の蛍光を発する蛍光体とからなるＬＥＤと、ＬＥＤの光放出側に配置され、発光光を入射する入射凹部と発光光を外部に放出する凸レンズ形状の中央放射面を有するレンズとからなり、レンズの周辺には、入射凹部から入射してきた水平方向の入射光を鉛直方向へ反射する周辺反射面と、反射光をレンズ外部へ放射する周辺放射面をレンズと一体に備えるＬＥＤランプ装置により、照明領域の周囲に黄色の色ムラが観測されない照明光を得ることができる。
【選択図】 図３

Description

本発明はＬＥＤを用いたランプ装置に関する。詳しくは、車両室内に設置される白色ＬＥＤによるスポットライトの照明装置に関する。

車両室内ではルームランプによる広範囲の照明や、ドア等に設置された光源からのステップ部の照明など様々な照明が行われている。従来、このような照明は主として乗降時の安全性確保のためや、マップの参照、音響機器の操作などを目的としたものであった。近年、これらの光源として電球や蛍光灯に替わってＬＥＤが用いられ始めている。（例えば、特許文献１及び２参照）。

光源にＬＥＤを用いた従来の照明装置では、照明用途として使えるように白色光を発するＬＥＤが用いられる。ＬＥＤを用いて白色光を得る方法として、赤・青・緑の三原色の発光素子を混色させて得る方法、青色の発光素子と青色光で励起される黄色の蛍光との混色によって得る方法、紫外光の発光素子によって励起される赤・青・緑の三原色の蛍光の混合によって得る方法等がある。

この中でも、光源も蛍光体も一種類で白色光が得られる、青色発光素子の発光色と黄色蛍光体の蛍光色との混色によって白色光を得る方法が良く用いられている。
実開平３−７７３０７ 特開２００３−９５０１６

青色発光素子の発光色と黄色蛍光体の蛍光色の混色によって得られた白色光をレンズによって集光してスポット照射すると、青系の光の発光波長と黄系〜黄緑系の光の発光波長が異なることから、屈折によって照射領域が異なり、その結果、特に照明光の周縁領域が黄色に観察されるなどの色ムラが発生し、照明光として見栄えの良い均一な光が得られない。また、青色発光素子に黄色蛍光体を用いるＬＥＤの構造では、発光素子の直上方向と周辺方向とでは放出されるまでの光路の関係から蛍光体で黄色に変換される割合が異なり、照射光にもその色ムラが観測されるという構造上の課題が存在する。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、色ムラの少ない均一な照明色を安価に構成できる車両用の照明装置を提供することである。

本発明は以上の目的を解決すべく次の構成からなる。

発光色が青系の発光素子と、発光素子の光を受けて黄系〜黄緑系の蛍光を発する蛍光体とからなるＬＥＤと、ＬＥＤの光放出側に配置され、ＬＥＤからの発光光を入射する入射凹部と発光光を外部に放出する凸レンズ形状の中央放射面を有するレンズとからなり、レンズの周辺には、入射凹部から入射してきた水平方向の入射光を鉛直方向へ反射する周辺反射面と、周辺反射面で反射された反射光をレンズ外部へ放射する周辺放射面をレンズと一体に備えるＬＥＤランプ装置である。

かかる構成によれば、ＬＥＤの周囲の方向へ放射される黄色を帯びた白色光が、レンズに設けられた周辺反射面によって青色を帯びた白色光で構成される照射エリアの中心方向へ反射されるので、黄色を帯びた白色光と青色を帯びた白色光が混色されて白色の照明光となる。よって、色ムラのない均一な白色の照明光が得られ、照明用光源として好ましい光源ユニットとなる。さらには、発熱量の小さなＬＥＤ光源を採用することにより長時間の連続点灯が可能となり、その使用用途の幅が拡がる。

以下、本発明の各要素について詳細に説明する。

本発明では光源としてＬＥＤを使用する。ＬＥＤは典型的には、封止樹脂にレンズを有する砲弾タイプやＳＭＤタイプ（表面実装型）のようにパッケージングされたＬＥＤ素子の状態で使用される。ＳＭＤタイプのＬＥＤには別途レンズを用いることにより拡散光からスポット光まで照射エリアを制御することができる。

白色発光のＬＥＤとして、発光素子からの光とそれによって励起される蛍光体からの光との混色によって白色光が得られるものを採用する。このような発光素子として、青系の発光素子と、当該発光素子の光を受けて黄系〜黄緑系の蛍光を発する蛍光体とを用いたＬＥＤを挙げることができる。

蛍光体の種類は特に限定されず、有機系、無機系を問わず用いることができる。有機系の蛍光体を用いることによりクリアー感のある照明光が得られる。他方、無機系の蛍光体を用いると艶消し感のある照明光を得ることが可能となる。

本発明の一態様では、ＬＥＤの光放出側に放出光を制御するレンズが備えられる。レンズにはＬＥＤと相対する面にＬＥＤの放射光を導入する入射凹部が備えられ、光の入射側の面と反対に位置する面には光を外部に放射する放射面が備えられる。放射面の中央部には光を集束して放出できるように凸部が設けられる。また、レンズにおいて光りの入射側周縁部には入射光を放出面方向へ反射する周辺反射面が備えられる。

本発明の実施例であるＳＭＤタイプのＬＥＤランプ装置１を図１に示す。
ＬＥＤランプ装置１０は、ＬＥＤ１０と、そのＬＥＤの光照射軸上にレンズ２０を備える。レンズ２０はＬＥＤ１０の発した光が入射される入射凹部２１と、レンズ２０に入射した光を集束してスポット光が得られるように光放射軸上に凸レンズ形状の中央放射面２２を備える。レンズ２０の側周面には入射凹部２１から入射した光を反射する反射面２３を備える。凸レンズ部２２は入射凹部２１から入射された放射光を捉えて集束するのに十分な径を備える。

レンズ２０は光透過性の樹脂からなる。光透過性の樹脂としては、例えばアクリルやポリカーボネートなどが挙げられる。

図２はＳＭＤタイプのＬＥＤ１０を示す図である。ＬＥＤ１０は、すり鉢状のリフレクタ１２に取り囲まれるように配置された青系発光素子１１を内蔵する。リフレクタ１２によって囲まれる空間には黄緑系の蛍光体（図示せず）を含有した光透過性の封止部材１３（例えばエポキシ樹脂）が充填されている。ＬＥＤ１０では、発光素子１１の光の一部が蛍光体の励起に利用され、発光素子１１からの光（青色）と、蛍光体からの蛍光（黄緑色）との混色によって白色光が得られる。

以上の構成のＬＥＤランプ装置１では、ＬＥＤ１０から放出された光は凸レンズ部２１を介して外部放射する。凸レンズ部２１を通過する際に受けるレンズ作用によって、照明光（外部放射光）は照明領域の絞られた（収斂した）光となる。

続いて、本実施例の照明態様について、図３と図４を用いて説明する。まずＬＥＤ１０に必要な電力が供給されると、ＬＥＤ１０内の青系発光素子１１から青色系の光が放出される。この青色系の光の一部はＬＥＤ１０内の封止部材１３を通過する過程で蛍光体を励起させ、これによって黄色系の蛍光が生ずる。その結果、ＬＥＤ１０からは青色系の光と黄色系の光との混色による白色光が放出されることとなる。ＬＥＤ１０から放射される白色光は、発光素子１１から封止部材１３を通過して外部へ放出されるまでの光路長が、発光素子１１の直上と周辺領域とで異なるため、封止部材１３に含有される蛍光体によって黄系の色に変換される割合が発光素子１１の直上と周辺領域で異なる。つまり、ＬＥＤ１０の直上方向へ放射される光の色は、黄色に変換される光の量が少ないため青色を帯びた色温度の高い白色光となり、ＬＥＤ１０の周囲の方向へ放射される光の色は、黄色に変換される光の量が多いため黄色を帯びた色温度の低い白色光となる。

ＬＥＤ１０から放出された光はレンズ２０の入射凹部２１の上面入射面２４と側面入射面２５から入射される。上面入射面２４から入射された光は、まず上面入射面２４で屈折して集光され、さらに凸レンズ形状に形成される中央放射面２２で屈折して集光された光となり、レンズ２０の外部に放射される。一方、側面入射面２５から入射された光は、側面入射面２５で屈折されつつ周辺反射面２３に向かう。周辺反射面２３ではＬＥＤ１０の放射軸方向へ入射光が反射され、反射光は中央放射面２２の周縁に設けられた周辺放射面２６からレンズ２０の外部に放射される。ここで、周辺反射面２３は、反射光がＬＥＤ１０の放射軸方向に平行ではなく、照射領域の中心方向へ集光される光となるように、入射光に対して角度が立てられている。

これにより、図４に示されるように、中央放射面２２から放出された光は照射エリアの絞られたスポット光となり、周辺放射面２６から放出された光は照射領域の中心方向へ集められた光となる。

このようにＬＥＤランプ装置１では、ＬＥＤ１０の放射光がレンズ２０の中央放射面２２を介して中央領域へと集中した光に集光され、所望の照明エリアに絞られた光が照射される。また、ＬＥＤ１０の放射光のうち、周囲の方向へ放射される黄色を帯びた白色光は、レンズ２０に設けられた周辺反射面２３によって青色を帯びた白色光で構成される照射エリアの中心方向へ反射されるので、黄色を帯びた白色光と青色を帯びた白色光が混色されて白色の照明光となる。よって、色ムラのない均一な白色の照明光が得られ、照明用光源として好ましい光源ユニットとなる。

次に本発明の第２の局面の一実施例であるＬＥＤランプ装置２について説明する。図５はＬＥＤランプ装置２の側面図である。また、図６及び図７はＬＥＤランプ装置２の照明態様を示した図である。なお、各図面において上述のＬＥＤランプ装置１と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。

ＬＥＤランプ装置２は、ＬＥＤ１０と、そのＬＥＤの光照射軸上にレンズ２０を備える。レンズ２０はＬＥＤ１０の発した光が入射される入射凹部２１と、レンズ２０に入射した光を集束してスポット光が得られるように光放射軸上に凸レンズ形状の中央放射面２２を備える。レンズ２０の側周面には入射凹部２１から入射した光を反射する反射面２３を備え、反射光をレンズ２０から外部放射する周辺放射曲面２７を備える。周辺放射曲面２７は図５に示されるように中央放射面２２から連続した曲面により構成され、中央放射面２２が凸レンズ形状であるのに対し、周辺放射曲面２７は凹レンズ形状に形成される。

続いて、本実施例の照明態様について、図６と図７を用いて説明する。まずＬＥＤ１０に必要な電力が供給されると、ＬＥＤ１０から白色光が放出される。なお、ＬＥＤ１０の発光態様については実施例１と同じであるため説明を省略する。ＬＥＤ１０から放出された光はレンズ２０の入射凹部２１の上面入射面２４と側面入射面２５から入射される。上面入射面２４から入射された光は、まず上面入射面２４で屈折して集光され、さらに凸レンズ形状に形成される中央放射面２２で屈折して集光された光となり、レンズ２０の外部に放射される。一方、側面入射面２５から入射された光は、側面入射面２５で屈折されつつ周辺反射面２３に向かう。周辺反射面２３ではＬＥＤ１０の放射軸方向へ入射光が反射され、反射光は中央放射面２２の周縁から連続した曲面で設けられた周辺放射曲面２７においてレンズ２０の外部に放射される。ここで周辺放射曲面２７は、放射光がＬＥＤ１０の照射領域の中心方向へ集光される光となるように、緩やかな凹曲面とされている。

これにより、図７に示されるように、中央放射面２２から放出された光は照射エリアの絞られたスポット光となり、周辺放射曲面２７から放出された光は照射領域の中心方向へ集められた光となる。

このようにＬＥＤランプ装置２では、ＬＥＤ１０の放射光がレンズ２０の中央放射面２２を介して中央領域へと集中した光に集光され、所望の照明エリアに絞られた光が照射される。また、ＬＥＤ１０の放射光のうち、周囲の方向へ放射される黄色を帯びた白色光は、レンズ２０に設けられた周辺反射面２３と周辺放射曲面２７によって青色を帯びた白色光で構成される照射エリアの中心方向へ放射されるので、黄色を帯びた白色光と青色を帯びた白色光が混色されて白色の照明光となる。よって、色ムラのない均一な白色の照明光が得られ、照明用光源として好ましい光源ユニットとなる。

次に本発明の第３の局面の一実施例であるＬＥＤランプ装置３について説明する。図８はＬＥＤランプ装置３の側面図である。また、図９はＬＥＤランプ装置３の照明態様を示した図である。なお、各図面において上述のＬＥＤランプ装置１と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。

ＬＥＤランプ装置３は、ＬＥＤ１０と、そのＬＥＤの光照射軸上にレンズ２０を備える。レンズ２０はＬＥＤ１０の発した光が入射される入射凹部２１と、レンズ２０に入射した光を集束してスポット光が得られるように光放射軸上に凸レンズ形状の中央放射面２２を備える。なお、入射凹部２１の上面入射面２４の中央には、入射光の集束を抑えるための上面入射凹部２８を備える。レンズ２０の側周面には入射凹部２１から入射した光を反射する反射面２３を備え、反射光をレンズ２０から外部放射する周辺放射面２６を備える。

続いて、本実施例の照明態様について、図９を用いて説明する。まずＬＥＤ１０に必要な電力が供給されると、ＬＥＤ１０から白色光が放出される。なお、ＬＥＤ１０の発光態様については実施例１と同じであるため説明を省略する。ＬＥＤ１０から放出された光はレンズ２０の入射凹部２１の上面入射面２４と側面入射面２５から入射される。上面入射面２４から入射される光は、まず上面入射面２４で屈折して集光されるが、上面入射面２４のうち中央部に位置する上面入射凹部２８から入射される光は、ほとんど屈折せずに入射する。上面入射面２４および上面入射凹部２８から入射された光は、凸レンズ形状に形成される中央放射面２２で屈折して集光された光となり、レンズ２０の外部に放射される。一方、側面入射面２５から入射された光は、側面入射面２５で屈折されつつ周辺反射面２３に向かう。周辺反射面２３ではＬＥＤ１０の放射軸方向へ入射光が反射され、反射光は中央放射面２２の周縁に設けられた周辺放射面２６においてレンズ２０の外部に放射される。ここで周辺放射面２６は、放射光がＬＥＤ１０の照射領域の中心方向へ集光される光となるように形成されている。

このようにＬＥＤランプ装置３では、ＬＥＤ１０の放射光がレンズ２０の中央放射面２２を介して中央領域へと集中した光に集光され、所望の照明エリアに絞られた光が照射される。なお、ＬＥＤ１０の直上方向へ放射される青色を帯びた白色光のうち、上面入射凹部２８から入射する光は、入射する際に上面入射凹部２８の形状効果によりほとんど屈折されずに照明エリアにおいて拡散するので、照明アリアの中心部における青みがかった白色を和らげる効果がある。また、ＬＥＤ１０の放射光のうち、周囲の方向へ放射される黄色を帯びた白色光は、レンズ２０に設けられた周辺反射面２３と周辺放射面２６によって青色を帯びた白色光で構成される照射エリアの中心方向へ分散されて放射されるので、照明アリアの中心部において黄色を帯びた白色光と青色を帯びた白色光が混色されて白色の照明光となる。よって、色ムラのない均一な白色の照明光が得られ、照明用光源として好ましい光源ユニットとなる。

この発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

図１は本発明の第一の実施例であるＬＥＤランプ装置１の側面図である。 図２はＳＭＤタイプのＬＥＤの側面図である。 図３はＬＥＤランプ装置１の照明態様を示す図である。 図４はＬＥＤランプ装置１の照明態様を示す図である。 図５は本発明の第二の実施例であるＬＥＤランプ装置２の側面図である。 図６はＬＥＤランプ装置２の照明態様を示す図である。 図７はＬＥＤランプ装置２の照明態様を示す図である。 図８は本発明の第三の実施例であるＬＥＤランプ装置３の側面図である。 図９はＬＥＤランプ装置３の照明態様を示す図である。

符号の説明

１ ＬＥＤランプ装置
２ ＬＥＤランプ装置
１０ ＬＥＤ
１１ 青系発光素子
１２ リフレクタ
１３ 封止部材
２０ レンズ
２１ 入射凹部
２２ 中央放射面
２３ 周辺反射面
２４ 上面入射面
２５ 側面入射面
２６ 周辺放射面
２７ 周辺放射曲面
２８ 上面入射凹部

Claims (7)

1. 発光色が青系の発光素子と、前記発光素子の光を受けて黄系〜黄緑系の蛍光を発する蛍光体とからなるＬＥＤと、
   前記ＬＥＤの光放出側に配置され、前記ＬＥＤからの発光光を入射する入射凹部と前記発光光を外部に放出する凸レンズ形状の中央放射面を有するレンズと、
   からなり、前記レンズの周辺には、前記入射凹部から入射してきた水平方向の入射光を鉛直方向へ反射する周辺反射面と、前記周辺反射面で反射された反射光をレンズ外部へ放射する周辺放射面をレンズと一体に備えるＬＥＤランプ装置。
2. 前記入射凹部は、前記発光光のうち前記ＬＥＤの鉛直方向の光を入射する上面入射面と、前記ＬＥＤの水平方向の光を入射する側面入射面と、
   から構成される請求項１記載のＬＥＤランプ装置。
3. 前記上面入射面の中央部には、上面入射凹部が設けられている、
   請求項１又は２記載のＬＥＤランプ装置
4. 前記周辺反射面は、その反射光が集束するように傾斜されている、
   請求項１ないし３記載のＬＥＤランプ装置。
5. 前記周辺放射面は、その放射光が集束するように曲面により形成されている、
   請求項１ないし４記載のＬＥＤランプ装置。
6. 前記ＬＥＤは前記ＬＥＤの軸方向に青色成分の強い白色光を発光し、前記ＬＥＤの軸方向に垂直な方向に黄色成分の強い白色光を発光する、
   請求項１ないし５記載のＬＥＤランプ装置。
7. 前記ＬＥＤは前記ＬＥＤの軸方向に色温度の高い白色光を発光し、前記ＬＥＤの軸方向に垂直な方向に色温度の低い白色光を発光する、
   請求項１ないし５記載のＬＥＤランプ装置。