JP2005216521A - シャドウマスク及びそれを用いたカラー受像管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 局所ドーミングによる色ずれを低減すると共に、プレス成型時に発生する有効部の伸び、電子ビーム通過孔の変形、2枚のシャドウマスク板の電子ビーム通過孔の相互位置のずれを防止することのできるシャドウマスクを提供する。
【解決手段】 蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに、その有効部8aの周縁の電子ビーム通過孔12aとほぼ同等の貫通孔13aを形成する。また、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに、その有効部8bの周縁の電子ビーム通過孔12bとほぼ同等の貫通孔13bを形成する。そして、カラー受像管における有効画面を確保するために、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成される貫通孔13aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成される貫通孔13bとを、電子ビームが通過することのない位置関係にする。すなわち、貫通孔13aと貫通孔13bとの相互位置が合致しないように、貫通孔13bを貫通孔13aに対して電子ビームの偏向方向へずらして形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】 蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに、その有効部8aの周縁の電子ビーム通過孔12aとほぼ同等の貫通孔13aを形成する。また、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに、その有効部8bの周縁の電子ビーム通過孔12bとほぼ同等の貫通孔13bを形成する。そして、カラー受像管における有効画面を確保するために、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成される貫通孔13aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成される貫通孔13bとを、電子ビームが通過することのない位置関係にする。すなわち、貫通孔13aと貫通孔13bとの相互位置が合致しないように、貫通孔13bを貫通孔13aに対して電子ビームの偏向方向へずらして形成する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、テレビジョン受像機やコンピュータディスプレイ等に応用されるカラー受像管、及びそれに用いられるシャドウマスクに関する。
図9に、テレビジョン受像機等に用いられる一般的なカラー受像管の基本構成を示す。図9に示すように、一般に、カラー受像管は、ほぼ矩形状の有効部と当該有効部の周縁に設けられた無効部及びスカート部2とを有するフェイスパネル1と、フェイスパネル1の後方に接続されたファンネル3とからなるバルブ(真空外囲器)24と、ファンネル3のネック部3aに内蔵されたインライン型の電子銃6とを具備している。フェイスパネル1の有効部の内面には、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光するドット状又はストライプ状の3色蛍光体層と黒色遮光層とからなる蛍光体スクリーン面5が形成されている。また、バルブ24内には、蛍光体スクリーン面5と対向して、電子銃6から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク25が配置されている。このシャドウマスク25は、電子銃6から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別を行う電極であり、多数の電子ビーム通過孔を有している。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、電子銃6から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク(図示せず)が配設される。
上記のような構成のカラー受像管においては、電子銃6から射出された3本の電子ビームが、偏向ヨークの発生させる水平偏向磁界及び垂直偏向磁界によって水平方向及び垂直方向に偏向され、シャドウマスク25の電子ビーム通過孔を介して、蛍光体スクリーン面5を高周波で水平走査すると共に、低周波で垂直走査することにより、蛍光体スクリーン面5上にカラー画像が表示される。その際、電子銃6から射出された電子ビームは、ある入射角度をもって蛍光体スクリーン面5に射突し、シャドウマスク25上でその入射角度に応じた色選別を受ける。そのため、3本の電子ビームは、蛍光体スクリーン面5のR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に1対1で対応する。
また、上記のような構成のカラー受像管において、シャドウマスク25は、フェイスパネル1の内面形状とほぼ等しい曲面を有し、なだらかなドーム状に成型されていると共に、多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部と、この有効部の周縁に設けられ、電子ビームの通過を遮蔽する無効部と、この無効部の周縁からほぼ直角に電子銃6側に延びたスカート部とを備えている。そして、このシャドウマスク25は、スカート部を介してマスク支持フレーム22に固定され、このマスク支持フレーム22は、フェイスパネル1のスカート部2の内面に突設されたスタッドピン20に弾性支持体21を介して脱着自在に支持されている。
シャドウマスク25は、上記した色選別を行うと共に、蛍光体スクリーン面5の形成過程において蛍光体スクリーン面5のネガの役割をも果たす。通常、シャドウマスク25は、0.1〜0.3mm厚の鉄材、アンバー材(Fe−Ni合金)、スーパーアンバー材(Fe−Ni−Co合金)の薄板をプレス成型することにより、所望の形状に形成されている。
以上のような構成のもとで、電子銃6から射出された電子ビームは、シャドウマスク25の有効部の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン面5を発光させる。この場合、シャドウマスク25の有効部の電子ビーム通過孔の総面積は、通常、有効部の表面積の約15〜35%であり、電子ビームの約80%が有効部に衝突する。そして、シャドウマ
スク25の有効部は、電子ビームの衝突によって加熱されるが、特にカラー受像管の動作が開始し電子ビームがシャドウマスク25に衝突し始めてから約5分間の温度上昇が著しい。また、このとき、有効部の全体を電子ビームが通過すように、シャドウマスク25の無効部にも電子ビームが衝突するため、当該無効部も加熱される。他方、熱容量の大きいマスク支持フレーム22は、シャドウマスク25からの熱が徐々に伝わってその温度が上昇し、カラー受像管の動作開始から約1時間で飽和状態となる。
スク25の有効部は、電子ビームの衝突によって加熱されるが、特にカラー受像管の動作が開始し電子ビームがシャドウマスク25に衝突し始めてから約5分間の温度上昇が著しい。また、このとき、有効部の全体を電子ビームが通過すように、シャドウマスク25の無効部にも電子ビームが衝突するため、当該無効部も加熱される。他方、熱容量の大きいマスク支持フレーム22は、シャドウマスク25からの熱が徐々に伝わってその温度が上昇し、カラー受像管の動作開始から約1時間で飽和状態となる。
シャドウマスク25は、このような温度上昇によってドーム状に熱膨張して蛍光体スクリーン面5側へ突出し(以下、これを「全体ドーミング」という)、そのために色ずれが発生する。
以上のような現象は、カラー受像管が連続して動作している間、引き続いて現れる現象であるため、これを補正する必要がある。
このような熱膨張補正機構としては、例えば、マスク支持フレームを支持する弾性支持体としてバイメタルを使用したものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの文献に開示されているカラー受像管においては、電子銃から射出された電子ビームが蛍光体スクリーン面の所定の位置に衝突するように、マスク支持フレームをバイメタルの熱変位によって移動させることにより、シャドウマスクの位置が補正されている。
また、局所的な高輝度部を有する画像を受像した場合には、局所的な高輝度部に対応するシャドウマスクの一部が熱変形し、局所的なドーミング(以下、これを「局所ドーミング」という)によって色ずれが発生してしまう。しかし、このような局所ドーミングによる色ずれは、従来の熱膨張補正機構としての、例えば、バイメタルによっては補正することができない。
上記局所ドーミングによる色ずれの問題を解決する方法として、複数枚の薄肉のシャドウマスク板を積層し、これらを溶接することによって実質的に厚肉のシャドウマスクを構成することにより、局所ドーミングによる色ずれを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、図10に示すように、2枚のシャドウマスク板を積層することにより、実質的に厚肉のシャドウマスクを構成して局所ドーミングによる色ずれを低減すると共に、シャドウマスク板のスカート部28に多数の非貫通孔もしくは貫通孔、又は非貫通孔と貫通孔を形成することにより、スカート部28の曲げ強度を、非貫通孔や貫通孔を形成しない場合の曲げ強度よりも小さくして、全体ドーミングによる色ずれを低減するようにしたシャドウマスクも提案されている(例えば、特許文献5参照)。尚、図10中、26は有効部、27は無効部をそれぞれ示している。
この2枚のシャドウマスク板を積層することによって構成されるシャドウマスクのプレス成型は、シャドウマスク板の無効部とスカート部を固定し、所定の曲面となるようにプレス金型で加圧して張り出し成型した後に、無効部からスカート部を絞り加工することによって行われている。
また、図11に示すように、1枚のシャドウマスク板によって構成された単層シャドウマスクにおいて、例えば、シャドウマスクの無効部30とスカート部31にハーフエッチングによって非貫通孔を形成するようにした技術も知られている(例えば、特許文献6参照)。尚、図11中、29は有効部を示している。
特公昭43−26152号公報
特公昭44−3547号公報
特公昭47−40505号公報
特開平2−172142号公報
特開平5−74362号公報
特開昭56−73846号公報
しかし、上記した2枚のシャドウマスク板を積層することによって構成されるシャドウマスクの場合、プレス成型時の絞り加工において、強い応力がかかる有効部の周縁部では有効部と無効部の材料の機械的強度が著しく異なることにより、プレス成型時に発生する有効部の伸び、電子ビーム通過孔の変形、2枚のシャドウマスク板の電子ビーム通過孔の相互位置のずれが生じてしまう。また、例えば、熱履歴などの種々の製造工程において、シャドウマスクに熱変形が生じるが、この熱変形は有効部と無効部との境界付近に集中することとなる。このため、シャドウマスクの変形は有効部内の周辺に発生し、蛍光体スクリーン面の周辺にはランディングエラーが現れ、所望の有効画面品位を得ることが困難となる。
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、2枚のシャドウマスク板を積層することによって局所ドーミングによる色ずれを低減すると共に、プレス成型時に発生する有効部の伸び、電子ビーム通過孔の変形、2枚のシャドウマスク板の電子ビーム通過孔の相互位置のずれを防止することのできるシャドウマスク、及び当該シャドウマスクを用いて所望の有効画面品位を得ることのできるカラー受像管を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係るシャドウマスクの構成は、多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部と、前記有効部の周縁に設けられ、電子ビームの通過を遮蔽する無効部と、前記無効部の周縁に設けられたスカート部とを有する2枚のシャドウマスク板を備え、前記2枚のシャドウマスク板を、それぞれの前記有効部に形成された前記電子ビーム通過孔の位置を合わせて積層接合し、プレス成型することによって得られるシャドウマスクであって、
前記2枚のシャドウマスク板の前記無効部に、それぞれ多数の貫通孔が形成され、
一方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔と他方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔とが、電子ビームが通過することのない位置関係にあることを特徴とする。
前記2枚のシャドウマスク板の前記無効部に、それぞれ多数の貫通孔が形成され、
一方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔と他方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔とが、電子ビームが通過することのない位置関係にあることを特徴とする。
この構成は、例えば、一方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔と他方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔との相互位置を合致させないことによって実現することができる。
また、前記本発明のシャドウマスクの構成においては、前記2枚のシャドウマスク板の前記スカート部に、それぞれ多数の貫通孔が形成されているのが好ましい。
また、前記本発明のシャドウマスクの構成においては、前記有効部における単位面積当たりの前記電子ビーム通過孔の占有体積と前記無効部における単位面積当たりの前記貫通孔の占有体積とがほぼ等しいのが好ましい。
また、本発明に係るカラー受像管の構成は、内面に複数色の蛍光体からなる蛍光体スクリーン面を有するフェイスパネルと、前記フェイスパネルの後方に接続されたファンネルとからなるバルブと、前記ファンネルのネック部に内蔵された電子銃と、前記蛍光体スク
リーン面と対向して前記バルブ内の所定の位置に配置されたシャドウマスクと、前記シャドウマスクを保持固定するためのマスク支持フレームとからなるシャドウマスク構体とを備えたカラー受像管であって、前記シャドウマスクとして請求項1〜4のいずれかに記載のシャドウマスクが用いられ、前記スカート部が前記マスク支持フレームに固定されていることを特徴とする。
リーン面と対向して前記バルブ内の所定の位置に配置されたシャドウマスクと、前記シャドウマスクを保持固定するためのマスク支持フレームとからなるシャドウマスク構体とを備えたカラー受像管であって、前記シャドウマスクとして請求項1〜4のいずれかに記載のシャドウマスクが用いられ、前記スカート部が前記マスク支持フレームに固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、2枚のシャドウマスク板の無効部に、それぞれ多数の貫通孔を形成するようにしたことにより、有効部と無効部の、単位面積当たりの孔の占有体積を略同等にして、有効部と無効部の機械的強度の差を小さくすることが可能となるので、プレス成型時に発生する有効部の伸び、電子ビーム通過孔の変形、2枚のシャドウマスク板の電子ビーム通過孔の位置ずれを防止することができる。また、一方のシャドウマスク板の無効部に形成された貫通孔と他方のシャドウマスク板の無効部に形成された貫通孔とが、電子ビームが通過することのない位置関係にあることにより、電子ビームが積層シャドウマスクの無効部を通過することはないので、画像の有効範囲を確保することができる。さらに、この積層シャドウマスクを用いることにより、所望の有効画面品位を得ることのできる良好なカラー受像管を実現することが可能となる。
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態におけるカラー受像管の基本構成は、図9に示した一般的なカラー受像管と同様であるため、本実施の形態においては、図9をも参照しながら説明する。
本実施の形態におけるカラー受像管の基本構成は、図9に示した一般的なカラー受像管と同様であるため、本実施の形態においては、図9をも参照しながら説明する。
図9に示すように、本実施の形態におけるカラー受像管は、ほぼ矩形状の有効部と当該有効部の周縁に設けられた無効部及びスカート部2とを有するガラス等で形成されたフェイスパネル1と、フェイスパネル1の後方に接続され、同じくガラス等で形成されたファンネル3とからなるバルブ(真空外囲器)24と、ファンネル3のネック部3aに内蔵された電子銃6とを具備している。フェイスパネル1の有効部の内面には、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光するドット状又はストライプ状の3色蛍光体層と黒色遮光層とからなる蛍光体スクリーン面5が形成されている。ここで、電子銃6は、蛍光体スクリーン面5の蛍光体層に向けて、同一水平面上を通るセンタビーム及び一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを射出するインライン型の電子銃である。また、バルブ24内の所定の位置には、蛍光体スクリーン面5と対向して、電子銃6から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク7が配置されている。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、垂直偏向コイルと水平偏向コイルとを有し、電子銃6から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク(図示せず)が装着される。ここで、シャドウマスク7は、スカート部を介して矩形状のマスク支持フレーム22に保持固定され、これによりシャドウマスク構体が構成されている。尚、電子ビームは、磁界の影響によって軌道が変化するため、マスク支持フレーム22には、電子銃6側に延びて外部磁界を遮蔽するためのインナーシールド23が取り付けられている。
以下、本実施の形態におけるシャドウマスクの構成について詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるシャドウマスクを示す斜視図である。図1に示すように、シャドウマスク7は、電子銃6から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別を行う電極であり、スロット状やドット状の多数の電子ビーム通過孔が形成された有効部8と有効部8の周縁に延在する無効部9とからなり、なだらかなドーム状に形成されたほぼ矩形状の主面10と、主面10の
全周に亘って、主面10の周縁に対しほぼ直角に電子銃6側に折り曲げて形成され、マスク支持フレーム22に固定されるスカート部11とを有し、平板をプレス成型することにより形成されている。そして、図9に示すように、シャドウマスク7は、マスク支持フレーム22に取り付けられた弾性支持体21を、フェイスパネル1のスカート部2の内面に突設されたスタッドピン20と係合させることにより、フェイスパネル1に対して脱着自在に支持されている。
全周に亘って、主面10の周縁に対しほぼ直角に電子銃6側に折り曲げて形成され、マスク支持フレーム22に固定されるスカート部11とを有し、平板をプレス成型することにより形成されている。そして、図9に示すように、シャドウマスク7は、マスク支持フレーム22に取り付けられた弾性支持体21を、フェイスパネル1のスカート部2の内面に突設されたスタッドピン20と係合させることにより、フェイスパネル1に対して脱着自在に支持されている。
上記のような構成のカラー受像管においては、電子銃6から射出された3本の電子ビームが、偏向ヨークの発生させる水平偏向磁界及び垂直偏向磁界によって水平方向及び垂直方向に偏向され、シャドウマスク7の電子ビーム通過孔を介して、蛍光体スクリーン面5を高周波で水平走査すると共に、低周波で垂直走査することにより、蛍光体スクリーン面5上にカラー画像が表示される。その際、電子銃6から射出された電子ビームは、ある入射角度をもって蛍光体スクリーン面5に射突し、シャドウマスク7上でその入射角度に応じた色選別を受ける。そのため、3本の電子ビームは、蛍光体スクリーン面5のR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に1対1で対応する。
図2に、本発明の第1の実施の形態におけるプレス成型前のフラット状のシャドウマスク(蛍光体スクリーン面側から見た平面図)を示し、図3に、図2のシャドウマスクを水平軸(X軸)で切断した断面を示す。
図2、図3に示すように、このフラット状のシャドウマスク7は、2枚のシャドウマスク板である、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16と電子銃6側のシャドウマスク板17を、それぞれの有効部8a、8bに形成された電子ビーム通過孔12a、12bの位置を合わせて積層し、電子ビーム通過孔12a、12b以外のシャドウマスク全域に亘って所定の位置にレーザ溶接を施すことにより作製された積層シャドウマスクである。例えば、76cmのカラー受像管の場合、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の板厚はt1=0.18mm、電子銃6側のシャドウマスク板17の板厚はt2=0.18mmである。また、電子銃6側のシャドウマスク板17の中央付近の電子ビーム通過孔12bのピッチはP=0.59mm、当該電子ビーム通過孔12bの最も狭い部分の幅はWSb=0.14mm、当該電子ビーム通過孔12bの最も広い部分の幅はWLb=0.33mmである。また、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の中央付近の電子ビーム通過孔12aの最も狭い部分の幅はWSa=0.19mm、当該電子ビーム通過孔12aの最も広い部分の幅はWLa=0.35mmである。これらの数値は、シャドウマスク7の積層接合時及びプレス成型時におけるずれ許容余裕度の確保を考慮して設定されている。
尚、それぞれのシャドウマスク板16、17は、無効部9とスカート部11に、多数の貫通孔が形成されている。
蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16における、無効部9aとスカート部11aの貫通孔13a、14aは、有効部8aの電子ビーム通過孔12aとほぼ同じ大きさで、かつ、当該電子ビーム通過孔12aとほぼ同じ配列になっている。また、同様に、電子銃6側のシャドウマスク板17における、無効部9bとスカート部11bの貫通孔13b、14bは、有効部8bの電子ビーム通過孔12bとほぼ同じ大きさで、かつ、当該電子ビーム通過孔12bとほぼ同じ配列になっている。
図4に、本発明の第1の実施の形態におけるプレス成型後の積層シャドウマスクの断面形状を示し、図5に、図4の積層シャドウマスクの有効部と無効部との境界付近の断面形状を示す。
図4、図5に示すように、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aには、その有効部8aの周縁の電子ビーム通過孔12aとほぼ同等の貫通孔13aが形成されている。また、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bには、その有効部8bの周縁の電子ビーム通過孔12bとほぼ同等の貫通孔13bが形成されている。そして、カラー受像管における有効画面を確保するために、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成された貫通孔13aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成された貫通孔13bとは、電子ビームが通過することのない位置関係になっている。すなわち、貫通孔13aと貫通孔13bとは、それらの相互位置が合致しないように、貫通孔13bを貫通孔13aに対して電子ビームの偏向方向へずらして形成されている。一方、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の有効部8aに形成された電子ビーム通過孔12aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の有効部8bに形成された電子ビーム通過孔12bとは、電子銃6から射出された電子ビームがシャドウマスク7の有効部8を通過するように、偏向ヨークによって偏向される電子ビームの軌道に応じてその位置決めがなされている。
尚、本実施の形態においては、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに有効部8aの周縁の電子ビーム通過孔12aとほぼ同等の貫通孔13aが形成され、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに有効部8bの周縁の電子ビーム通過孔12bとほぼ同等の貫通孔13bが形成されているが(図5参照)、貫通孔13a、13bは、図6に示すように、その幅がほぼ均一な形状であってもよい。
また、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成される貫通孔13a、及び電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成される貫通孔13bとしては、図5、図6に示した形状のものが混在していてもよい。そして、スカート部11a、11bに形成される貫通孔14a、14bは、図4に示すように、無効部9a、9bと同様に電子銃6側の貫通孔と蛍光体スクリーン面5側の貫通孔との相互位置が合致せず、電子ビームが通過することのない位置関係になっていてもよいし、図7に示すように、電子銃6側の貫通孔と蛍光体スクリーン面5側の貫通孔との相互位置が合致し、電子ビームが通過するような位置関係になっていてもよい。
また、本実施の形態においては、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成された貫通孔13aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成された貫通孔13bとが、それらの相互位置が合致しないように、貫通孔13bを貫通孔13aに対し電子ビームの偏向方向へずらして形成されているが、電子ビームが通過することのない位置関係にあれば、貫通孔13aを貫通孔13bに対して電子ビームの偏向方向へずらして形成してもよい。また、貫通孔13aと貫通孔13bの相互位置が部分的に重なったとしても、これらの貫通孔の重なり部分を電子ビームが通過することのないような位置関係にあればよい。
以上説明した本実施の形態の積層シャドウマスク7によれば、局所ドーミングによる色ずれを低減することができると共に、有効部8と無効部9の材料の機械的強度の差を小さくすることが可能となるので、プレス成型時に発生する有効部の伸び、電子ビーム通過孔12の変形、2枚のシャドウマスク板16、17の電子ビーム通過孔12の位置ずれを防止することができる。また、蛍光体スクリーン面5側のシャドウマスク板16の無効部9aに形成された貫通孔13aと、電子銃6側のシャドウマスク板17の無効部9bに形成された貫通孔13bとは、電子ビームが通過することのない位置関係になっており、電子ビームが積層シャドウマスク7の無効部9を通過することはないので、画像の有効範囲を確保することができる。さらに、この積層シャドウマスク7を用いることにより、所望の有効画面品位を得ることのできる良好なカラー受像管を実現することが可能となる。
また、2枚のシャドウマスク板16、17のそれぞれ接合される面において、無効部9の貫通孔13の占める総面積は、無効部9の表面積の約15%〜35%であり、2枚のシャドウマスク板16、17を接合する際の当該2枚のシャドウマスク板16、17が密着する部分は確保され、無効部9での溶接は問題ない。
[第2の実施の形態]
図8に、本発明の第2の実施の形態におけるプレス成型後の積層シャドウマスクの断面形状を示す。図8に示すように、本実施の形態の積層シャドウマスク7においては、無効部9にのみ貫通孔13が形成され、スカート部11には貫通孔が形成されていないが、この構成によっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、カラー受像管の構成を含め他の構成は上記第1の実施の形態と同じであるため、それらについての説明は省略する。
図8に、本発明の第2の実施の形態におけるプレス成型後の積層シャドウマスクの断面形状を示す。図8に示すように、本実施の形態の積層シャドウマスク7においては、無効部9にのみ貫通孔13が形成され、スカート部11には貫通孔が形成されていないが、この構成によっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、カラー受像管の構成を含め他の構成は上記第1の実施の形態と同じであるため、それらについての説明は省略する。
上記第1及び第2の実施の形態においては、それぞれのシャドウマスク板16、17の無効部9の貫通孔13の形状、大きさ、配列を、有効部8の電子ビーム通過孔12のそれと略等しくしているが、これは、有効部8における単位面積当たりの電子ビーム通過孔12の占有体積と無効部9における単位面積当たりの貫通孔13の占有体積とがほぼ等しい状態を意味している。ここで、有効部8における単位面積当たりの電子ビーム通過孔12の占有体積とは、図2に示す有効部8に単位面積の領域を考えた場合の、その領域内に存する電子ビーム通過孔12の体積の総和のことであり、無効部9における単位面積当たりの貫通孔13の占有体積とは、図2に示す無効部9に単位面積の領域を考えた場合の、その領域内に存する貫通孔13の体積の総和のことである。無効部9の貫通孔13の形状(スロットやドット)、大きさ、配列(ピッチ)が有効部8の電子ビーム通過孔12のそれと異なっていても、有効部8における単位面積当たりの電子ビーム通過孔12の占有体積と無効部9における単位面積当たりの貫通孔13の占有体積とがほぼ等しい状態にあれば、上記効果は十分に発揮される。
尚、本発明者は、実験の結果、有効部8における単位面積当たりの電子ビーム通過孔12の占有体積と無効部9における単位面積当たりの貫通孔13の占有体積との比率が100%を基準として±30%内の範囲にあれば、上記効果が発揮されることを確認している。
1 フェイスパネル
2 フェイスパネルのスカート部
3 ファンネル
3a ファンネルのネック部
5 蛍光体スクリーン面
6 電子銃
7 積層シャドウマスク
8 シャドウマスクの有効部
9 シャドウマスクの無効部
10 シャドウマスクの主面
11 シャドウマスクのスカート部
12 電子ビーム通過孔
13 無効部の貫通孔
14 スカート部の貫通孔
24 バルブ(真空外囲器)
2 フェイスパネルのスカート部
3 ファンネル
3a ファンネルのネック部
5 蛍光体スクリーン面
6 電子銃
7 積層シャドウマスク
8 シャドウマスクの有効部
9 シャドウマスクの無効部
10 シャドウマスクの主面
11 シャドウマスクのスカート部
12 電子ビーム通過孔
13 無効部の貫通孔
14 スカート部の貫通孔
24 バルブ(真空外囲器)
Claims (4)
- 多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部と、前記有効部の周縁に設けられ、電子ビームの通過を遮蔽する無効部と、前記無効部の周縁に設けられたスカート部とを有する2枚のシャドウマスク板を備え、前記2枚のシャドウマスク板を、それぞれの前記有効部に形成された前記電子ビーム通過孔の位置を合わせて積層接合し、プレス成型することによって得られるシャドウマスクであって、
前記2枚のシャドウマスク板の前記無効部に、それぞれ多数の貫通孔が形成され、
一方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔と他方の前記シャドウマスク板の前記無効部に形成された前記貫通孔とが、電子ビームが通過することのない位置関係にあることを特徴とするシャドウマスク。 - 前記2枚のシャドウマスク板の前記スカート部に、それぞれ多数の貫通孔が形成された請求項1に記載のシャドウマスク。
- 前記有効部における単位面積当たりの前記電子ビーム通過孔の占有体積と前記無効部における単位面積当たりの前記貫通孔の占有体積とがほぼ等しい請求項1又は2に記載のシャドウマスク。
- 内面に複数色の蛍光体からなる蛍光体スクリーン面を有するフェイスパネルと、前記フェイスパネルの後方に接続されたファンネルとからなるバルブと、
前記ファンネルのネック部に内蔵された電子銃と、
前記蛍光体スクリーン面と対向して前記バルブ内の所定の位置に配置されたシャドウマスクと、前記シャドウマスクを保持固定するためのマスク支持フレームとからなるシャドウマスク構体とを備えたカラー受像管であって、
前記シャドウマスクとして請求項1〜3のいずれかに記載のシャドウマスクが用いられ、前記スカート部が前記マスク支持フレームに固定されていることを特徴とするカラー受像管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004018460A JP2005216521A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | シャドウマスク及びそれを用いたカラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004018460A JP2005216521A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | シャドウマスク及びそれを用いたカラー受像管 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004018460A Withdrawn JP2005216521A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | シャドウマスク及びそれを用いたカラー受像管 |
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-
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- 2004-01-27 JP JP2004018460A patent/JP2005216521A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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