JP2004164961A - カラー陰極線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】外力に対して十分なマスク曲面強度を有したシャドウマスクを備え、画像品位の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【解決手段】シャドウマスク7は、主マスク14と、補助マスク20と、を重ねて構成されている。主マスクは、蛍光体スクリーンのほぼ全面と対向しているとともに電子ビーム通過孔が形成された有効部を有したマスク主面40、およびこのマスク主面の周縁から延出したスカート部17を有している。補助マスクは、主マスクの有効部の短軸Y近傍領域に重ねて固定され、この短軸を長手方向とした帯状に形成されている。補助マスクは主マスクのスカート部と重なって位置したスカート部を有し、主マスクと補助マスクとが重なった領域において、主マスクおよび補助マスクはマスクフレームに固定されている。
【選択図】 図7
【解決手段】シャドウマスク7は、主マスク14と、補助マスク20と、を重ねて構成されている。主マスクは、蛍光体スクリーンのほぼ全面と対向しているとともに電子ビーム通過孔が形成された有効部を有したマスク主面40、およびこのマスク主面の周縁から延出したスカート部17を有している。補助マスクは、主マスクの有効部の短軸Y近傍領域に重ねて固定され、この短軸を長手方向とした帯状に形成されている。補助マスクは主マスクのスカート部と重なって位置したスカート部を有し、主マスクと補助マスクとが重なった領域において、主マスクおよび補助マスクはマスクフレームに固定されている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャドウマスクを備えたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管は、ほぼ矩形状の有効部を有したパネルと、このパネルに連接されたファンネルと、ファンネルの小径部に連接された円筒状のネックとからなる真空外囲器を備えている。パネルの有効部内面には、青、緑、赤に発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体層、および遮光層からなる蛍光体スクリーンが形成されている。また、真空外囲器内には、この蛍光体スクリーンに対向してシャドウマスクが配置され、このシャドウマスクには、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔が形成されている。ネック内には、3電子ビームを放出する電子銃が配設されているとともに、ネック外周からファンネルの外周面にかけて偏向ヨークが装着されている。
【0003】
上記構成のカラー陰極線管では、電子銃から放出された3電子ビームを偏向ヨークの発生する水平、垂直偏向磁界により水平、垂直方向に偏向し、シャドウマスクを介して蛍光体スクリーンを高周波で水平走査するとともに低周波で垂直走査することにより、カラー画像を表示する。
【0004】
通常、シャドウマスクは、多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク主面と、このマスク主面の周縁からほぼ直角に電子銃側に延びたスカート部と、を有している。また、シャドウマスクは、スカート部を介して矩形状のマスクフレームに溶接固定されている。そして、シャドウマスクは、マスクフレームに取付けられた弾性支持体を、パネルに突設されたスタッドピンと係合させることにより、パネルに対し脱着自在に支持されている。
【0005】
近年、高解像度ディスプレイの要求が高まっており、シャドウマスクの高精細化、すなわち開孔配列ピッチの低減および開孔の微小化が要求されている。通常、シャドウマスクの開孔はエッチングにより形成されている。上記の要求を満たすためには、現状のエッチング技術では、シャドウマスク板厚を薄くしなければならないことになる。しかし、シャドウマスクの薄板化は、シャドウマスクの曲面保持力を低下させ、製造中及び輸送中に加わる外力によるマスク曲面の変形を生じさせる。その結果、シャドウマスクは、電子銃から放出され電子ビームを正確に選別し蛍光体スクリーンの所定の場所に入射させることが困難となり、色ずれを起こすことになる。
【0006】
このような問題を解決する手段として補助マスクによるシャドウマスクの曲面保持力向上の試みがなされている。例えば、特許文献1に開示されたカラー陰極線管によれば、シャドウマスク本体の短軸を含む領域に重ねて帯状の補助マスクが設けられている。補助マスクをシャドウマスク本体に固定することにより、高解像度化に伴うシャドウマスク曲面保持力の劣化を防ぐことができる。従って、外力によるマスク曲面の変形を防止し、色ずれを防ぐことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−197989号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外力による色ずれの原因は、シャドウマスク曲面保持力の問題だけではない。例えば、シャドウマスクとマスクフレームとの固定が不充分な場合、外力によってスカート部に歪み、ねじれが生じ、色ずれを起こす。あるいは、マスクフレームに取付けられた弾性支持体とパネルに設けられたスタッドピンとの係合が外れて、色ずれを起こす場合もある。
【0009】
特に、民生用カラー受像管の場合、通常、蛍光体スクリーンの蛍光体は、パネルの長軸方向を幅方向とするストライプ状に形成されている。そのため、パネルの短軸方向に印加される外力に対して色ずれは起こりにくいが、長軸方向に印加される外力に対しては色ずれを起こし易い。更に、近年の高解像度化により、色ずれに対する許容量も小さくなってきているのが現状である。
【0010】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、外力に対して十分なマスク曲面強度を有したシャドウマスクを備え、画像品位の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係るカラー陰極線管は、内面に蛍光体スクリーンが設けられたパネルと、上記蛍光体スクリーンに向かって電子ビームを放出する電子銃と、上記パネルの内側に上記蛍光体スクリーンに対向して配置され、互いに直交しているとともに管軸と直交した長軸および短軸を有したほぼ矩形状のシャドウマスクと、上記シャドウマスクの周辺部を支持したマスクフレームと、を備えている。
【0012】
上記シャドウマスクは、上記蛍光体スクリーンのほぼ全面と対向しているとともに複数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部を有したマスク主面、およびこのマスク主面の周縁部を折り曲げて形成されたスカート部を有した主マスクと、上記短軸を含む領域で上記主マスクの有効部およびスカート部に重ねて固定され、上記蛍光体スクリーンの一部に対応する複数の電子ビーム通過孔を有した補助マスクと、を具備している。
【0013】
上記マスクフレームは、上記主マスクのスカート部の外側に配置され、上記主マスクと補助マスクとが重なった領域において、上記主マスクおよび補助マスクは上記マスクフレームに固定されている。
【0014】
上記のように構成されたカラー陰極線管によれば、補助マスクを設けることにより、シャドウマスクの最も変形しやすい画面中央近傍の変形を抑制することが可能となり、結果的にマスク曲面強度を向上させることができる。これにより、シャドウマスクの変形や、振動による画像の劣化を防止し、画像品位の向上を図ることができる。
【0015】
また、主マスクおよび補助マスクの両方をマスクフレームに固定することにより、主マスクおよび補助マスクとマスクフレームとの連結が強固となる。従って、外力に対して、シャドウマスクの歪み、ねじれを低減し、色ずれの発生を防止することができる。これにより、良好な画面品位を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係るカラー陰極線管について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、カラー陰極線管はガラスで形成された外囲器9を備え、この外囲器は、周縁部にスカート部2を有した矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部2に接合されたファンネル3と、ファンネル3の小径部から伸びたネック4とを有している。パネル1の内面には蛍光体スクリーン5が形成されている。蛍光体スクリーン5は、ドット状あるいはストライプ状の3色の蛍光体層、および遮光層により構成されている。
【0017】
そして、外囲器9は、パネル1の中心およびネック4の中心を通る管軸Z、管軸と直交して延びた長軸(水平軸)X、並びに、管軸および長軸と直交して延びた短軸(垂直軸)Yを有している。
【0018】
画面アスペクト比16対9で画面有効径76cmの32インチワイドタイプのカラー陰極線管を一例とした場合、パネル1の外面は、曲率半径が100,000mmと実質的に平坦となっている。また、パネル1内面は、X軸上でX軸に沿った曲率半径が約7,000mm、Y軸上でY軸に沿った曲率半径が約1,500mmと円筒状になっている。
【0019】
外囲器9内には、色選別電極であるシャドウマスク構体6が蛍光体スクリーン5に対向して配置されている。このシャドウマスク構体6は、電子ビーム通過孔となる開孔が多数形成されたシャドウマスク7と、シャドウマスク7の周辺部を支持した断面L字形の矩形枠状のマスクフレーム8と、を有している。このシャドウマスク構体6は、マスクフレーム8の側壁に設けられた弾性支持体30をパネル1のスカート部2に埋設されたスタッドピン32に係止することで、パネル1の内側に支持されている。なお、シャドウマスク7に形成された電子ビーム通過孔の開孔形状は、用途に応じて矩形状または円形状に形成される。
【0020】
ネック4内には長軸Xに沿ってインライン配列された3本の電子ビーム9R、9G、9Bを放出する電子銃10が配置されている。そして、上記カラー陰極線管では、電子銃10から放出された電子ビーム9R、9G、9Bをファンネル3の外側に取付けられた偏向ヨーク11により偏向し、シャドウマスク構体6を介して、蛍光体スクリーン5を水平、垂直走査することで画像を表示する。
【0021】
次に、シャドウマスク7の構成について詳細に説明する。図3ないし図5に示すように、シャドウマスク7は、全体としてほぼ矩形状に形成され、外囲器に対応した長軸Xおよび短軸Yを有し、管軸Zはシャドウマスクの中心を通っている。また、シャドウマスク7は、主マスク14と、この主マスクの一部に重複して取付けられた補助マスク20と、を備え、部分的に2重構造に構成されている。
【0022】
主マスク14は、パネル1の内面と対向して配置されるとともに所定の曲面形状に形成されたほぼ矩形状のマスク主面40と、マスク主面の周縁部を管軸Z方向に沿って電子銃側に折り曲げて形成されたスカート部17と、を一体に備えている。マスク主面40は、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔12が形成された矩形状の有効部13と、有効部を囲んでいるとともに開孔を持たないほぼ矩形枠状の無孔部16と、を有している。
【0023】
主マスク14の各開孔12は、有効部13の長軸X方向を幅方向とするほぼ矩形状に形成されている。そして、複数個の開孔12が有効部13の短軸Y方向にブリッジ15を介して直線状に配置されてなる開孔列が、長軸X方向に所定の配列ピッチPHで多数列設けられている。
【0024】
図6に示すように、各開孔12は、有効部13の蛍光体スクリーン5側の表面に開口したほぼ矩形状の大孔19aと、有効部の電子銃10側の表面に開口したほぼ矩形状の小孔19bと、を連通した連通孔によって構成されている。また、開孔12は、有効部13の周辺にいくにしたがって、大孔19aの中心位置C1が小孔19bの中心位置C2に対して相対的に有効部周辺側にΔだけオフセットして形成され、いわゆるオフセンターマスクを構成している。これは電子ビームが小孔19bを通過した後に、主マスク14の板厚内の側面で衝突して反射し、画面上に不要発光が生じることを抑制するためであり、大孔は短軸Y方向、長軸X方向ともにオフセットさせている。
【0025】
主マスク14としては、低膨張材として知られるアンバー材(Fe−36%Ni合金)などの金属材料で、板厚0.1〜0.25mm程度ものを使用できる。
【0026】
一方、図3ないし図5に示すように、補助マスク20は細長い帯状に形成され、主マスク14の電子銃10側の表面上で、有効部13の全域ではなく短軸Y近傍の領域に重ねて固定されている。そして、補助マスク20は、その長軸方向が、主マスク14の短軸Yと一致して設けられている。
【0027】
補助マスク20は、長軸X方向に沿った幅LH1が主マスク14の有効部13の長軸方向長LH2よりも小さく、また、短軸Y方向に沿った長さは主マスク14の同方向長さとほぼ等しく形成されている。補助マスク20は、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔42が形成された有効部21と、有効部21の外側で補助マスクの長手方向両端部に位置した無孔部23と、更に、各無孔部23から両端方向へ延出した一対のスカート部24と、を一体に備えている。
【0028】
そして、補助マスク20は、その有効部21、無孔部23、スカート部24が主マスク14の有効部13、無孔部16およびスカート部17とそれぞれ重なった状態で主マスクに固定されている。これにより、主マスク14の短軸Y上の領域は全て2重構造となっている。
【0029】
補助マスク20は、主マスク14と同じくアンバー材から構成され、板厚は0.1〜0.25mm程度に形成されている。また、補助マスク20の長軸X方向の幅LH1と、主マスク14の長軸X方向の長さLH3との比は、約1対5程度に形成されている。従って、主マスク14の長軸X方向の長さの5分の1程度の領域に補助マスク20が固定され2重構造となっている。
【0030】
図6に示すように、補助マスク20と主マスク14とは、補助マスク20の小孔26b側と主マスク14の大孔19a側とが密着するように接合されている。なお、補助マスク20の周辺部では、蛍光体スクリーン側の大孔26aの中心を電子銃側の小孔25bの中心よりもマスク周辺側にずらす、オフセンターを行うことが好ましい。更に、補助マスク20の有効部21に形成された開孔42の形状および配列間隔は、シャドウマスクとして機能する範囲で適宜設定可能であり、特に問題なければ、主マスク14と同様に形成される。
【0031】
図3および図7に示すように、主マスク14のスカート部17にはそれぞれ溶接部として機能する複数の舌片部が形成されている。すなわち、短軸Yとほぼ平行なスカート部17の各短辺壁には舌片部34aが形成され長軸X上に位置している。また、長軸Xとほぼ平行に延びたスカート部17の各長辺壁には舌片部34bが形成され短軸Y上に位置している。その他、スカート部17の各コーナ部にも舌片部34cが形成されている。
【0032】
舌片部34aないし34cの各々は、スカート部17の延出端縁からマスク主面40に向かって延びた複数、例えば一対のスリット35によって形成され、弾性変形可能に形成されている。一方、マスクフレーム8は、主マスク14のスカート部17を囲むように、スカート部17の外側に配置されている。そして、各舌片部34aないし34cの自由端部近傍をマスクフレーム8の内面に溶接することにより、シャドウマスク7はマスクフレーム8に固定されている。舌片部34aないし34cは、弾性変形することによりシャドウマスク7とマスクフレーム8との間の熱膨張率差を吸収する。
【0033】
前述したように、補助マスク20の各スカート部24は、主マスク14のスカート部17と重なって設けられている。そして、図7および図8に示すように、各スカート部24にはそれぞれスリット35と整列した一対のスリット44が形成され、これらのスリット間に弾性変形可能な舌片部41が規定されている。各舌片部41は短軸Y上に位置し、主マスク14の舌片部34bと重なっている。
【0034】
そして、補助マスク20の各スカート部24に形成された舌片部41は、主マスク14の舌片部34bと一緒にマスクフレーム8に溶接されている。ここで、溶接固定部において、主マスク14の舌片部34bの溶接点50と補助マスク20の舌片部41の溶接点52とが同じ位置となるように、舌片部34b、41はマスクフレーム8に対して同時に溶接されている。この際、舌片部34b、41は、長軸X方向に離間して2箇所で溶接されている。
【0035】
以上のように構成されたカラー陰極線管によれば、主マスク14に補助マスク20を重ねて固定し2重構造とすることにより、シャドウマスクの最も変形しやすい画面中央近傍の変形を抑制し、マスク曲面強度を向上させることができる。これにより、シャドウマスクの変形や、振動による画像の劣化を防止し、画像品位の向上したカラー陰極線管を得ることができる。
【0036】
また、主マスク14のスカート部17と補助マスク20のスカート部24との両方がマスクフレーム8に固定され、シャドウマスク7とマスクフレーム8との固定が強固となっている。そのため、外力により生じるシャドウマスク7の歪み、ねじれが減少し、マスクフレーム8に対するシャドウマスク7の位置ずれが低減する。
【0037】
加えて、主マスク14および補助マスク20を同時に溶接することにより、主マスク14の溶接位置と補助マスク20の溶接位置とが同じ位置になり、製造工程の簡略化を図ることできる。仮に、各々別の溶接位置にすると、各々のスカート部形状を相違させなければならず、製造工数が増えるとともに、余計な歪みやねじれが生じてしまう可能性がある。
【0038】
更に、蛍光体スクリーンの蛍光体層が長軸方向を幅方向としたストライプ状に配列されている場合、本実施の形態は特に効果を発揮する。すなわち、蛍光層が長軸方向を幅方向としたストライプ状の場合、短軸Y方向に印加される外力に対してシャドウマスク7が変位しても色ずれは起こりにくいが、長軸X方向に印加される外力に対してシャドウマスクが変位すると色ずれを起こし易い。本実施の形態では、シャドウマスク長辺のスカート部17において、主マスク14と補助マスク20とがマスクフレーム8に溶接されているため、シャドウマスク長辺のスカート部が強固となる。これと同時に、各溶接固定部において、長軸X方向に沿って2箇所溶接されているため、シャドウマスク7の長軸X方向に印加される外力に対し非常に強固な構造が得られる。
【0039】
また、舌片部は歪み、ねじれが生じやすい部分であるため、シャドウマスクの変位を防止する上で、舌片部をマスクフレームに溶接することは非常に有効な手段となる。
【0040】
以上ことから、外力に対するシャドウマスク7の歪み・ねじれ等を低減し、色ずれの発生を防止することができる。それにより、画像品位の向上したカラー陰極線管を得ることができる
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、補助マスク20が主マスク14の蛍光体スクリーン側に配置された構成について説明したが、補助マスク20が主マスク14の電子銃側に配置された構成としても上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
また、補助マスクの1つのスカート部に対して、溶接点を2箇所としたが、これに限らず1箇所としてもよい。但し、本願をより効果的にするには2箇所以上が望ましい。マスクフレームに対するシャドウマスクの固定位置は長軸方向中央領域としたが、これに限らず、色ずれを起こしやすい弱い方向に対して、その方向にあるスカート部を溶接することにより、効果的な結果が得られる。補助マスクは1枚に限らず複数設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、主マスクに補助マスクを重ねて固定することによりシャドウマスクのマスク曲面強度を向上することができるとともに、外力に対する画面の色ずれを効果的に防止し、画像品位の良好なカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るカラー陰極線管の長軸を含む断面図。
【図2】上記カラー陰極線管の短軸を含む断面図。
【図3】上記カラー陰極線管におけるシャドウマスクを示す斜視図および電子ビーム通過孔を示す平面図。
【図4】図3に示すシャドウマスクの長軸方向に沿った断面図。
【図5】図3に示すシャドウマスクの短軸方向に沿った断面図。
【図6】上記シャドウマスクの主マスクおよび補助マスクを拡大して示す断面図。
【図7】上記短軸上におけるシャドウマスクとマスクフレームとの固定部を示す分解斜視図。
【図8】上記シャドウマスクとマスクフレームとの固定部を示す断面図。
【符号の説明】
1…パネル
5…蛍光体スクリーン
6…シャドウマスク構体
7…シャドウマスク
8…マスクフレーム
9B、9G、9R…電子ビーム
10…電子銃
14…主マスク
20…補助マスク
12、42…開孔
13、21…有効部
17、24…スカート部
34a〜34c、41…舌片部
50、52…溶接点
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャドウマスクを備えたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管は、ほぼ矩形状の有効部を有したパネルと、このパネルに連接されたファンネルと、ファンネルの小径部に連接された円筒状のネックとからなる真空外囲器を備えている。パネルの有効部内面には、青、緑、赤に発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体層、および遮光層からなる蛍光体スクリーンが形成されている。また、真空外囲器内には、この蛍光体スクリーンに対向してシャドウマスクが配置され、このシャドウマスクには、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔が形成されている。ネック内には、3電子ビームを放出する電子銃が配設されているとともに、ネック外周からファンネルの外周面にかけて偏向ヨークが装着されている。
【0003】
上記構成のカラー陰極線管では、電子銃から放出された3電子ビームを偏向ヨークの発生する水平、垂直偏向磁界により水平、垂直方向に偏向し、シャドウマスクを介して蛍光体スクリーンを高周波で水平走査するとともに低周波で垂直走査することにより、カラー画像を表示する。
【0004】
通常、シャドウマスクは、多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク主面と、このマスク主面の周縁からほぼ直角に電子銃側に延びたスカート部と、を有している。また、シャドウマスクは、スカート部を介して矩形状のマスクフレームに溶接固定されている。そして、シャドウマスクは、マスクフレームに取付けられた弾性支持体を、パネルに突設されたスタッドピンと係合させることにより、パネルに対し脱着自在に支持されている。
【0005】
近年、高解像度ディスプレイの要求が高まっており、シャドウマスクの高精細化、すなわち開孔配列ピッチの低減および開孔の微小化が要求されている。通常、シャドウマスクの開孔はエッチングにより形成されている。上記の要求を満たすためには、現状のエッチング技術では、シャドウマスク板厚を薄くしなければならないことになる。しかし、シャドウマスクの薄板化は、シャドウマスクの曲面保持力を低下させ、製造中及び輸送中に加わる外力によるマスク曲面の変形を生じさせる。その結果、シャドウマスクは、電子銃から放出され電子ビームを正確に選別し蛍光体スクリーンの所定の場所に入射させることが困難となり、色ずれを起こすことになる。
【0006】
このような問題を解決する手段として補助マスクによるシャドウマスクの曲面保持力向上の試みがなされている。例えば、特許文献1に開示されたカラー陰極線管によれば、シャドウマスク本体の短軸を含む領域に重ねて帯状の補助マスクが設けられている。補助マスクをシャドウマスク本体に固定することにより、高解像度化に伴うシャドウマスク曲面保持力の劣化を防ぐことができる。従って、外力によるマスク曲面の変形を防止し、色ずれを防ぐことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−197989号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外力による色ずれの原因は、シャドウマスク曲面保持力の問題だけではない。例えば、シャドウマスクとマスクフレームとの固定が不充分な場合、外力によってスカート部に歪み、ねじれが生じ、色ずれを起こす。あるいは、マスクフレームに取付けられた弾性支持体とパネルに設けられたスタッドピンとの係合が外れて、色ずれを起こす場合もある。
【0009】
特に、民生用カラー受像管の場合、通常、蛍光体スクリーンの蛍光体は、パネルの長軸方向を幅方向とするストライプ状に形成されている。そのため、パネルの短軸方向に印加される外力に対して色ずれは起こりにくいが、長軸方向に印加される外力に対しては色ずれを起こし易い。更に、近年の高解像度化により、色ずれに対する許容量も小さくなってきているのが現状である。
【0010】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、外力に対して十分なマスク曲面強度を有したシャドウマスクを備え、画像品位の良好なカラー陰極線管を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係るカラー陰極線管は、内面に蛍光体スクリーンが設けられたパネルと、上記蛍光体スクリーンに向かって電子ビームを放出する電子銃と、上記パネルの内側に上記蛍光体スクリーンに対向して配置され、互いに直交しているとともに管軸と直交した長軸および短軸を有したほぼ矩形状のシャドウマスクと、上記シャドウマスクの周辺部を支持したマスクフレームと、を備えている。
【0012】
上記シャドウマスクは、上記蛍光体スクリーンのほぼ全面と対向しているとともに複数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部を有したマスク主面、およびこのマスク主面の周縁部を折り曲げて形成されたスカート部を有した主マスクと、上記短軸を含む領域で上記主マスクの有効部およびスカート部に重ねて固定され、上記蛍光体スクリーンの一部に対応する複数の電子ビーム通過孔を有した補助マスクと、を具備している。
【0013】
上記マスクフレームは、上記主マスクのスカート部の外側に配置され、上記主マスクと補助マスクとが重なった領域において、上記主マスクおよび補助マスクは上記マスクフレームに固定されている。
【0014】
上記のように構成されたカラー陰極線管によれば、補助マスクを設けることにより、シャドウマスクの最も変形しやすい画面中央近傍の変形を抑制することが可能となり、結果的にマスク曲面強度を向上させることができる。これにより、シャドウマスクの変形や、振動による画像の劣化を防止し、画像品位の向上を図ることができる。
【0015】
また、主マスクおよび補助マスクの両方をマスクフレームに固定することにより、主マスクおよび補助マスクとマスクフレームとの連結が強固となる。従って、外力に対して、シャドウマスクの歪み、ねじれを低減し、色ずれの発生を防止することができる。これにより、良好な画面品位を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係るカラー陰極線管について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、カラー陰極線管はガラスで形成された外囲器9を備え、この外囲器は、周縁部にスカート部2を有した矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部2に接合されたファンネル3と、ファンネル3の小径部から伸びたネック4とを有している。パネル1の内面には蛍光体スクリーン5が形成されている。蛍光体スクリーン5は、ドット状あるいはストライプ状の3色の蛍光体層、および遮光層により構成されている。
【0017】
そして、外囲器9は、パネル1の中心およびネック4の中心を通る管軸Z、管軸と直交して延びた長軸(水平軸)X、並びに、管軸および長軸と直交して延びた短軸(垂直軸)Yを有している。
【0018】
画面アスペクト比16対9で画面有効径76cmの32インチワイドタイプのカラー陰極線管を一例とした場合、パネル1の外面は、曲率半径が100,000mmと実質的に平坦となっている。また、パネル1内面は、X軸上でX軸に沿った曲率半径が約7,000mm、Y軸上でY軸に沿った曲率半径が約1,500mmと円筒状になっている。
【0019】
外囲器9内には、色選別電極であるシャドウマスク構体6が蛍光体スクリーン5に対向して配置されている。このシャドウマスク構体6は、電子ビーム通過孔となる開孔が多数形成されたシャドウマスク7と、シャドウマスク7の周辺部を支持した断面L字形の矩形枠状のマスクフレーム8と、を有している。このシャドウマスク構体6は、マスクフレーム8の側壁に設けられた弾性支持体30をパネル1のスカート部2に埋設されたスタッドピン32に係止することで、パネル1の内側に支持されている。なお、シャドウマスク7に形成された電子ビーム通過孔の開孔形状は、用途に応じて矩形状または円形状に形成される。
【0020】
ネック4内には長軸Xに沿ってインライン配列された3本の電子ビーム9R、9G、9Bを放出する電子銃10が配置されている。そして、上記カラー陰極線管では、電子銃10から放出された電子ビーム9R、9G、9Bをファンネル3の外側に取付けられた偏向ヨーク11により偏向し、シャドウマスク構体6を介して、蛍光体スクリーン5を水平、垂直走査することで画像を表示する。
【0021】
次に、シャドウマスク7の構成について詳細に説明する。図3ないし図5に示すように、シャドウマスク7は、全体としてほぼ矩形状に形成され、外囲器に対応した長軸Xおよび短軸Yを有し、管軸Zはシャドウマスクの中心を通っている。また、シャドウマスク7は、主マスク14と、この主マスクの一部に重複して取付けられた補助マスク20と、を備え、部分的に2重構造に構成されている。
【0022】
主マスク14は、パネル1の内面と対向して配置されるとともに所定の曲面形状に形成されたほぼ矩形状のマスク主面40と、マスク主面の周縁部を管軸Z方向に沿って電子銃側に折り曲げて形成されたスカート部17と、を一体に備えている。マスク主面40は、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔12が形成された矩形状の有効部13と、有効部を囲んでいるとともに開孔を持たないほぼ矩形枠状の無孔部16と、を有している。
【0023】
主マスク14の各開孔12は、有効部13の長軸X方向を幅方向とするほぼ矩形状に形成されている。そして、複数個の開孔12が有効部13の短軸Y方向にブリッジ15を介して直線状に配置されてなる開孔列が、長軸X方向に所定の配列ピッチPHで多数列設けられている。
【0024】
図6に示すように、各開孔12は、有効部13の蛍光体スクリーン5側の表面に開口したほぼ矩形状の大孔19aと、有効部の電子銃10側の表面に開口したほぼ矩形状の小孔19bと、を連通した連通孔によって構成されている。また、開孔12は、有効部13の周辺にいくにしたがって、大孔19aの中心位置C1が小孔19bの中心位置C2に対して相対的に有効部周辺側にΔだけオフセットして形成され、いわゆるオフセンターマスクを構成している。これは電子ビームが小孔19bを通過した後に、主マスク14の板厚内の側面で衝突して反射し、画面上に不要発光が生じることを抑制するためであり、大孔は短軸Y方向、長軸X方向ともにオフセットさせている。
【0025】
主マスク14としては、低膨張材として知られるアンバー材(Fe−36%Ni合金)などの金属材料で、板厚0.1〜0.25mm程度ものを使用できる。
【0026】
一方、図3ないし図5に示すように、補助マスク20は細長い帯状に形成され、主マスク14の電子銃10側の表面上で、有効部13の全域ではなく短軸Y近傍の領域に重ねて固定されている。そして、補助マスク20は、その長軸方向が、主マスク14の短軸Yと一致して設けられている。
【0027】
補助マスク20は、長軸X方向に沿った幅LH1が主マスク14の有効部13の長軸方向長LH2よりも小さく、また、短軸Y方向に沿った長さは主マスク14の同方向長さとほぼ等しく形成されている。補助マスク20は、電子ビーム通過孔として機能する多数の開孔42が形成された有効部21と、有効部21の外側で補助マスクの長手方向両端部に位置した無孔部23と、更に、各無孔部23から両端方向へ延出した一対のスカート部24と、を一体に備えている。
【0028】
そして、補助マスク20は、その有効部21、無孔部23、スカート部24が主マスク14の有効部13、無孔部16およびスカート部17とそれぞれ重なった状態で主マスクに固定されている。これにより、主マスク14の短軸Y上の領域は全て2重構造となっている。
【0029】
補助マスク20は、主マスク14と同じくアンバー材から構成され、板厚は0.1〜0.25mm程度に形成されている。また、補助マスク20の長軸X方向の幅LH1と、主マスク14の長軸X方向の長さLH3との比は、約1対5程度に形成されている。従って、主マスク14の長軸X方向の長さの5分の1程度の領域に補助マスク20が固定され2重構造となっている。
【0030】
図6に示すように、補助マスク20と主マスク14とは、補助マスク20の小孔26b側と主マスク14の大孔19a側とが密着するように接合されている。なお、補助マスク20の周辺部では、蛍光体スクリーン側の大孔26aの中心を電子銃側の小孔25bの中心よりもマスク周辺側にずらす、オフセンターを行うことが好ましい。更に、補助マスク20の有効部21に形成された開孔42の形状および配列間隔は、シャドウマスクとして機能する範囲で適宜設定可能であり、特に問題なければ、主マスク14と同様に形成される。
【0031】
図3および図7に示すように、主マスク14のスカート部17にはそれぞれ溶接部として機能する複数の舌片部が形成されている。すなわち、短軸Yとほぼ平行なスカート部17の各短辺壁には舌片部34aが形成され長軸X上に位置している。また、長軸Xとほぼ平行に延びたスカート部17の各長辺壁には舌片部34bが形成され短軸Y上に位置している。その他、スカート部17の各コーナ部にも舌片部34cが形成されている。
【0032】
舌片部34aないし34cの各々は、スカート部17の延出端縁からマスク主面40に向かって延びた複数、例えば一対のスリット35によって形成され、弾性変形可能に形成されている。一方、マスクフレーム8は、主マスク14のスカート部17を囲むように、スカート部17の外側に配置されている。そして、各舌片部34aないし34cの自由端部近傍をマスクフレーム8の内面に溶接することにより、シャドウマスク7はマスクフレーム8に固定されている。舌片部34aないし34cは、弾性変形することによりシャドウマスク7とマスクフレーム8との間の熱膨張率差を吸収する。
【0033】
前述したように、補助マスク20の各スカート部24は、主マスク14のスカート部17と重なって設けられている。そして、図7および図8に示すように、各スカート部24にはそれぞれスリット35と整列した一対のスリット44が形成され、これらのスリット間に弾性変形可能な舌片部41が規定されている。各舌片部41は短軸Y上に位置し、主マスク14の舌片部34bと重なっている。
【0034】
そして、補助マスク20の各スカート部24に形成された舌片部41は、主マスク14の舌片部34bと一緒にマスクフレーム8に溶接されている。ここで、溶接固定部において、主マスク14の舌片部34bの溶接点50と補助マスク20の舌片部41の溶接点52とが同じ位置となるように、舌片部34b、41はマスクフレーム8に対して同時に溶接されている。この際、舌片部34b、41は、長軸X方向に離間して2箇所で溶接されている。
【0035】
以上のように構成されたカラー陰極線管によれば、主マスク14に補助マスク20を重ねて固定し2重構造とすることにより、シャドウマスクの最も変形しやすい画面中央近傍の変形を抑制し、マスク曲面強度を向上させることができる。これにより、シャドウマスクの変形や、振動による画像の劣化を防止し、画像品位の向上したカラー陰極線管を得ることができる。
【0036】
また、主マスク14のスカート部17と補助マスク20のスカート部24との両方がマスクフレーム8に固定され、シャドウマスク7とマスクフレーム8との固定が強固となっている。そのため、外力により生じるシャドウマスク7の歪み、ねじれが減少し、マスクフレーム8に対するシャドウマスク7の位置ずれが低減する。
【0037】
加えて、主マスク14および補助マスク20を同時に溶接することにより、主マスク14の溶接位置と補助マスク20の溶接位置とが同じ位置になり、製造工程の簡略化を図ることできる。仮に、各々別の溶接位置にすると、各々のスカート部形状を相違させなければならず、製造工数が増えるとともに、余計な歪みやねじれが生じてしまう可能性がある。
【0038】
更に、蛍光体スクリーンの蛍光体層が長軸方向を幅方向としたストライプ状に配列されている場合、本実施の形態は特に効果を発揮する。すなわち、蛍光層が長軸方向を幅方向としたストライプ状の場合、短軸Y方向に印加される外力に対してシャドウマスク7が変位しても色ずれは起こりにくいが、長軸X方向に印加される外力に対してシャドウマスクが変位すると色ずれを起こし易い。本実施の形態では、シャドウマスク長辺のスカート部17において、主マスク14と補助マスク20とがマスクフレーム8に溶接されているため、シャドウマスク長辺のスカート部が強固となる。これと同時に、各溶接固定部において、長軸X方向に沿って2箇所溶接されているため、シャドウマスク7の長軸X方向に印加される外力に対し非常に強固な構造が得られる。
【0039】
また、舌片部は歪み、ねじれが生じやすい部分であるため、シャドウマスクの変位を防止する上で、舌片部をマスクフレームに溶接することは非常に有効な手段となる。
【0040】
以上ことから、外力に対するシャドウマスク7の歪み・ねじれ等を低減し、色ずれの発生を防止することができる。それにより、画像品位の向上したカラー陰極線管を得ることができる
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、補助マスク20が主マスク14の蛍光体スクリーン側に配置された構成について説明したが、補助マスク20が主マスク14の電子銃側に配置された構成としても上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
また、補助マスクの1つのスカート部に対して、溶接点を2箇所としたが、これに限らず1箇所としてもよい。但し、本願をより効果的にするには2箇所以上が望ましい。マスクフレームに対するシャドウマスクの固定位置は長軸方向中央領域としたが、これに限らず、色ずれを起こしやすい弱い方向に対して、その方向にあるスカート部を溶接することにより、効果的な結果が得られる。補助マスクは1枚に限らず複数設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、主マスクに補助マスクを重ねて固定することによりシャドウマスクのマスク曲面強度を向上することができるとともに、外力に対する画面の色ずれを効果的に防止し、画像品位の良好なカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るカラー陰極線管の長軸を含む断面図。
【図2】上記カラー陰極線管の短軸を含む断面図。
【図3】上記カラー陰極線管におけるシャドウマスクを示す斜視図および電子ビーム通過孔を示す平面図。
【図4】図3に示すシャドウマスクの長軸方向に沿った断面図。
【図5】図3に示すシャドウマスクの短軸方向に沿った断面図。
【図6】上記シャドウマスクの主マスクおよび補助マスクを拡大して示す断面図。
【図7】上記短軸上におけるシャドウマスクとマスクフレームとの固定部を示す分解斜視図。
【図8】上記シャドウマスクとマスクフレームとの固定部を示す断面図。
【符号の説明】
1…パネル
5…蛍光体スクリーン
6…シャドウマスク構体
7…シャドウマスク
8…マスクフレーム
9B、9G、9R…電子ビーム
10…電子銃
14…主マスク
20…補助マスク
12、42…開孔
13、21…有効部
17、24…スカート部
34a〜34c、41…舌片部
50、52…溶接点
Claims (8)
- 内面に蛍光体スクリーンが設けられたパネルと、
上記蛍光体スクリーンに向かって電子ビームを放出する電子銃と、
上記パネルの内側に上記蛍光体スクリーンに対向して配置され、互いに直交しているとともに管軸と直交した長軸および短軸を備えたほぼ矩形状のシャドウマスクと、
上記シャドウマスクの周辺部を支持したマスクフレームと、を備え、
上記シャドウマスクは、
上記蛍光体スクリーンのほぼ全面と対向しているとともに複数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状の有効部を有したマスク主面、およびこのマスク主面の周縁部を折り曲げて形成されたスカート部を有した主マスクと、
上記短軸を含む領域で上記主マスクの有効部およびスカート部に重ねて固定され、上記蛍光体スクリーンの一部に対応する複数の電子ビーム通過孔を有した補助マスクと、を具備し、
上記マスクフレームは、上記主マスクのスカート部の外側に配置され、
上記主マスクと補助マスクとが重なった領域において、上記主マスクおよび補助マスクは上記マスクフレームに固定されていることを特徴とするカラー陰極線管。 - 上記主マスクおよび補助マスクは、上記長軸とほぼ平行に延びたシャドウマスクの長辺部において、上記マスクフレームに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
- 上記補助マスクは、上記短軸を長手方向とした帯状に形成され、上記電子ビーム通過孔が形成された有効部と、上記短軸方向に沿って上記有効部の両側に延出した一対のスカート部とを有し、上記補助マスクの各スカート部は、上記主マスクのスカート部とそれぞれ重畳するように折り曲げられ、
上記主マスクと補助マスクとが重なった領域において、上記主マスクのスカート部および補助マスクのスカート部が上記マスクフレームに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー陰極線管。 - 上記主マスクのスカート部および上記補助マスクのスカート部は、それぞれ上記管軸方向に沿って延びているとともに互いに重なった舌片部を備え、上記主マスクおよび補助マスクは上記舌片部において上記マスクレームに固定されていることを特徴とする請求項3に記載のカラー陰極線管。
- 上記主マスクおよび補助マスクは、同一の位置で上記マスクフレームに固定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラー陰極線管。
- 上記主マスクおよび補助マスクは、2箇所以上の位置で上記マスクフレームに固定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー陰極線管。
- 上記主マスクおよび上記補助マスクは、上記マスクフレームに溶接されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のカラー陰極線管。
- 上記パネルは、曲率半径が10,000mm以上の外面を有していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のカラー陰極線管。
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