JP2005215215A - 光量調節装置および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NDフィルタによる絞り開口の可変範囲の全域において結像位置のずれを排除するとともに、円滑な絞り動作を保証する。
【解決手段】 光量調節装置は、光軸直交面内で移動して光通過口の面積を変化させる第1および第2の遮光部材13d,13eと、該第1および第2の遮光部材が連結されて回動可能なレバー部材13cと、該レバー部材を駆動するアクチュエータ13aと、第1の遮光部材に取り付けられたNDフィルタ14とを有する。NDフィルタは、開放状態の光通過口の全体を覆う形状を有し、かつ第2の遮光部材は、光通過口の閉じ状態においてレバー部材とNDフィルタとの間に配置され、該NDフィルタのレバー部材に対する接触を阻止するガード部13e5を有する。
【選択図】 図4B

Description

本発明は、電子スチルカメラ、ビデオカメラおよび交換レンズ等の光学機器に用いられる光量調節装置に関するものである。
従来のビデオカメラに搭載されている絞り装置(光量調節装置)としては、例えば図8に示される構成のものがある(特許文献1参照)。
この絞り装置は2枚羽根型のものであり、2枚の絞り羽根123a,123bを1個の回動式電磁アクチュエータ(モータ)123cでシーソー式駆動レバー123dを介して駆動する構成のものである。123eは絞り装置の地板(すなわちケーシング)である。
また、他にも図9,図10に示す構成の絞り装置が知られている。図9は絞り開口が開放されている状態を、図10は絞り開口が全閉されている状態を示している。また、図11は、絞り装置を含む光学系の構成を示している。
これらの図において、絞り開口を開閉するためのアクチュエータは113aである。このアクチュエータ113aの出力軸113a1には第1のレバー(駆動部材)113gの基端部が圧入されている。また、第2のレバー113cの両端には、ピン部113c1,113c2が形成されている。第2のレバー113cのピン部113c2は、第1の絞り羽根113dの穴部113d1と係合している。第1の絞り羽根113dの幅方向両側には、上下方向に延びる長穴部113d2,113d3が形成されており、これら長穴部113d2,113d3には、絞り装置のベース部材108(図11参照)に形成されたガイドピン113f1,113f2が係合している。
また、第2のレバー113cのピン部113c1は、第2の絞り羽根113eの穴部113e1と係合している。第2の絞り羽根113eの幅方向両側には、上下方向に延びる長穴部113e2,113e3が形成されており、これら長穴部113e2,113e3には、上記ガイドピン113f1,113f2が係合している。また、該ピン部113c1には、第1のレバー113gに形成された長穴部113g1が係合している
さらに、第1の絞り羽根113dには、小絞り補正のため、F5.6〜F8程度の絞り口径を覆うようにNDフィルタ114が貼り付けられている。
このように構成された絞り装置は、図11に示すように、物体側から順に配置された第1,第2,第2,第4のレンズユニット101〜104を有する光学系のうち、第1のレンズユニット101と第2のレンズユニット102との間に配置され、第1および第2の絞り羽根113d,113eによって形成される絞り開口を通過した光束を、撮像素子106の受光面上に結像させる。なお、第4のレンズユニット104と撮像素子106との間には、赤外カットおよびローパスフィルタ等の光学ブロック105が配置されている。
上記絞り装置において、アクチュエータ113aが回転すると、第1のレバー113gを介して第2のレバー113cが回転し、これに伴い両絞り羽根113d,113eが図中上下方向に駆動される。
一方、従来のNDフィルタ114は、均一な濃度を有するもの若しくは濃度が変化するものが用いらていれる。均一濃度フィルタの場合、撮像素子の感度が上昇するに従い、NDフィルタの濃度を濃くして光の透過量を低下させ、被写体の明るさが同一でも絞りの最小開口を大きくするようにしている。
但し、このようにNDフィルタの濃度が濃くなると、図11に示すように、NDフィルタ114を透過した光aと、絞り開口のうち素通し領域(NDフィルタ114がない領域)を通過した光bとの光量差が大きく異なり、解像度が低下してしまう。
これを改良すべく、図12,13に示すように、光の透過量(つまりは濃度)が略一定の割合で変化する透過特性を有したNDフィルタを用いた絞り装置も提案されている。
特開平7−28123号公報(段落0008〜0013、図1)
しかしながら、NDフイルタを均一濃度としても可変濃度としても、NDフィルタが所望のFno.例えばF5.6相当の絞り開口を覆い切る直前においては、NDフィルタ114を透過した光aと素通し領域を通過した光bとで、NDフィルタ114の厚み分と屈折率による結像位置にずれが発生してしまう。このため、中間絞り域において、上述した光量差に加えて、結像位置のずれがさらに解像力を低下させる要因となる。
可変濃度のNDフィルタを用いた場合においても、上記光量差による解像力の劣化は改善されるものの、撮像素子の画素ピッチが3.2〜3.8μmと小さくなり、許容錯乱円径が小さいレンズユニットにおいては、上記結像位置のずれは許容できない程度の片ぼけを生じさせ、画質の劣化を引き起こしてしまう。
中間絞り域においても良好な結像性能を満足するため、図14に示すように、75%より低い透過率を有する光減衰部114a,114a’よりも開放側に、これら光減衰部と同一材料、同一板厚で構成される75%以上の透過率を有する領域(非減衰部)114bを有するNDフィルタが提案されている。そして、光学的には、同図に示すように、非減衰部114bは、開放状態から絞り開口を覆い切る設定とすることが、絞り開口の可変範囲の全域において結像位置のずれを排除することが可能となる。
しかし、図15に示すように、クローズ側において、NDフィルタ114と第2のレバー113cとが斜線部114cで重なり合って接触し(特に、NDフィルタ114に反り等がある場合)、該接触部分により円滑な絞り動作ができないおそれがある。
本発明は、NDフィルタによる絞り開口の可変範囲の全域において結像位置のずれを排除するとともに、円滑な絞り動作を保証できるようにした光量調節装置およびこれを備えた光学機器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の光量調節装置は、光軸直交面内で移動して光通過口の面積を変化させる第1および第2の遮光部材と、該第1および第2の遮光部材が連結されて回動可能なレバー部材と、該レバー部材を駆動するアクチュエータと、第1の遮光部材に取り付けられたNDフィルタとを有する。そして、NDフィルタは、開放状態の光通過口の全体を覆う形状を有し、かつ第2の遮光部材は、光通過口の閉じ状態においてレバー部材とNDフィルタとの間に配置され、該NDフィルタのレバー部材に対する接触を阻止するガード部を有する。
本発明によれば、NDフィルタによる光通過口(絞り開口)の面積の可変範囲の全域において、該光通過口を通過する光束の結像位置ずれを排除することができるとともに、NDフィルタがレバー部材に干渉(接触)することを阻止して、円滑な動作を保証することができる。
特に、レバー部材の両端に第1および第2の遮光部材が連結された第1および第2の連結部が設けられている場合に、NDフィルタが、光通過口の閉じ状態において、レバー部材における第1および第2の連結部の間の内側部分に対して光軸方向にて重なるように構成することで、連結部を避けつつ大きなNDフィルタを移動させることができるようにして、装置の大型化を防止している。また、一般に、光量調節装置では、第1および第2の遮光部材とレバー部材とを光軸方向にて互いに近接するよう配置して装置の薄型化を図っている。そして、この場合に、上記ガード部を設けることは、相互に近接配置されているNDフィルタとレバー部材との干渉を阻止する上できわめて有効である。
また、閉じ状態において、NDフィルタの閉じ動作方向先端がレバー部材と第2の遮光部材との連結部よりも光軸から光軸直交方向に離れた位置に到達する場合に、ガード部を、該連結部よりも光軸から光軸直交方向に離れた位置まで延出させることにより、より確実にNDフィルタとレバー部材との干渉を阻止することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1〜図3には、本発明の実施例である絞り装置(光量調節装置)を備えた、ビデオカメラ(光学機器)用のズームレンズ鏡筒の構成を示している。
図1および図2において、1は固定された前玉である第1レンズユニット、2は光軸方向に移動して変倍を行うバリエーターレンズユニット、3は固定のアフォーカルレンズユニット、4は光軸方向に移動して変倍に伴う像面移動の補正と焦点調節を行うフォーカシングレンズユニットを示す。なお、図3では、上記レンズユニットは省略している。
図1〜図3において、5は第1レンズユニット1を保持する前玉鏡筒である。7は図1および図2に示すように、ローパスフィルタ保持部7bと撮像素子保持部7cとを有する後部鏡筒である。ローパスフィルタ保持部7bには、赤外カットおよびローパスフィルタ(図示せず)が保持され、撮像素子保持部7cには、CCDやCMOSセンサからなる撮像素子(光電変換素子:図7参照)が保持される。
6a,6bはガイド軸であり、前玉鏡筒5の基準穴5g,5hおよび後部鏡筒7の基準穴7d,7eに嵌合して位置決め保持されている。
バリエーターレンズユニット2を保持するV移動環8は、ガイド軸6aに対して光軸方向に移動可能に係合し、かつV移動環8の光軸に対する傾き(倒れ)を阻止するスリーブ部8aと、ガイド軸6bに対して光軸方向に移動可能に係合するU溝部8bとを有する。U溝部8bをガイド軸6bに係合させることで、V移動環8のガイド軸6aを中心とした回転を阻止している。こうして2本のガイド軸6a,6bにより、バリエーターレンズユニット2の光軸出しが行われる。
また、V移動環8には、不図示のラックが取り付けられており、該ラックが図3に示すズームモータ10のスクリュウ軸10aに噛み合うことで、スクリュウ軸10aの回転によりV移動環8が光軸方向に駆動される。
また、フォーカシングレンズユニット4を保持するRR移動環9は、ガイド軸6bに対して光軸方向に移動可能に係合し、かつRR移動環9の光軸に対する傾き(倒れ)を阻止するスリーブ部9aと、ガイド軸6aに対して光軸方向に移動可能に係合するU溝部9bとを有する。U溝部9bをガイド軸6aに係合させることで、RR移動環9のガイド軸6bを中心とした回転を阻止している。こうして2本のガイド軸6a,6bにより、フォーカシングレンズユニット4の光軸出しが行われる。
また、RR移動環9には、不図示のラックが取り付けられており、該ラックが図3に示すフォーカシングモータ11のスクリュウ軸11aに噛み合うことで、スクリュウ軸11aの回転によりRR移動環9が光軸方向に駆動される。
アフォーカルレンズユニット3を保持する中間枠12は、V移動環8およびRR移動環9と同様に、図2に示すように、基準位置決め穴12aおよび回転阻止長穴12bとを有し、それぞれがガイド軸6a,6bに係合することでアフォーカルレンズユニット3の光軸出しを行っている。また、中間枠12の3個所には、前玉鏡筒5に形成した係止部5i〜5kに係合する係合部12c〜12eを形成することで、アフォーカルレンズユニット3の倒れを阻止している。
13は本実施例の絞り装置である。この絞り装置13は、V移動環8と中間枠12との間に配置され、図1にて点線で示すように、圧入部13mが前玉鏡筒5に形成された保持溝部5mに圧入されることで前玉鏡筒5により保持されている。
ここで、本実施例のズームレンズ鏡筒を含むビデオカメラの全体の電気回路構成について図7を用いて簡単に説明する。なお、本図において、図1〜図3に示した構成要素と共通するものについては、これらの図と同符号を付して説明に代える。
16は上述した撮像素子である。13aは絞り装置を駆動する絞りモータである。225はズームエンコーダ、227はフォーカスエンコーダである。これらのエンコーダーはそれぞれ、V移動環8およびRR移動環9の光軸方向の絶対位置を検出する。なお、ズームモータ10およびフォーカシングモータ11としてDCモータを用いる場合には、ボリューム等の絶対位置エンコーダを用いたり、磁気式のものを用いたりする。また、ズームモータ10およびフォーカシングモータ11としてとして、ステッピングモータを用いる場合には、移動環8,9を基準位置に移動させてから、ステッピングモータに入力する駆動パルス数をカウントして該移動環8,9の位置を検出する方法が一般的である。
226は絞りエンコーダであり、絞りモータ13aの内部にホール素子を配置し、ローターとステーターの回転位置関係を検出する方式のものなどが用いられる。
232は本ビデオカメラの制御を司るコントローラとしてのCPUである。228はカメラ信号処理回路であり、撮像素子16からの出力に対して所定の増幅やガンマ補正などを施す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラスト信号は、AEゲート229およびAFゲート230を通過する。即ち、露出決定およびピント合わせのために最適な信号の取り出し範囲が全画面内のうちこのゲートで設定される。
231はAF(オートフォーカス)のためのAF信号を処理するAF信号処理回路であり、映像信号の高周波成分に関する1つもしくは複数の出力を生成する。233はズームスイッチ、234はズームトラッキングメモリである。ズームトラッキングメモリ234は、変倍に際して被写体距離とバリエーターレンズ位置に応じてセットすべきフォーカシングレンズ位置の情報(ズームトラッキングデータ)を記憶している。なお、ズームトラッキングメモリとしてCPU232内のメモリを使用してもよい。
撮影者によりズームスイッチ233が操作されると、CPU232は、ズームトラッキングメモリ234の情報をもとに算出したバリエーターレンズユニット2とフォーカシングレンズユニット4の所定の位置関係が保たれるように、ズームエンコーダ225の検出結果となる現在のバリエーターレンズユニット2の光軸方向の絶対位置と算出されたバリエーターレンズユニット4のセットすべき位置、およびフォーカスエンコーダ227の検出結果となる現在のフォーカスレンズユニット4の光軸方向の絶対位置と算出されたフォーカスレンズユニット4のセットすべき位置とがそれぞれ一致するように、ズームモータ10とフォーカシングモータ11の駆動を制御する。
また、オートフォーカス動作ではAF信号処理回路231の出力がピークを示すように、CPU232は、フォーカシングモータ11を駆動制御する。
さらに、適正露出を得るために、CPU232は、AEゲート229を通過したY信号の出力の平均値を所定値として、絞りエンコーダ226の出力がこの所定値となるように絞りモータ13aの駆動を制御して、絞り開口径をコントロールする。
次に、絞り装置の構成について、図4A〜図4Cを用いて説明する。図4Aは絞り開口の開放状態を、図4Bは全閉状態を示す。また、図4Cは絞り装置の上面図である。
13aはアクチュエータとしての絞りモータである。アクチュエータとしては、絞りを開閉するための一定以上のトルクを発生するものであれば何でもよく、例えばガルバノメータやステッピングモータを使用することができる。
この絞りモータ13aは、図示しないベース部材により保持されている。ベース部材には、図中に一点鎖線で示した固定開口Aが形成されている。
絞りモータ13aの出力軸13a1には、第1のレバー13bの基端部が圧入されている。また、第2のレバー(レバー部材)13cが、その中間部に設けられた軸部13c3を中心に回動可能にベース部材により支持されている。
第2のレバー13cの両端には、ピン部(連結部)13c1,13c2が設けられている。ピン部13c2は、第1の絞り羽根(遮光部材)13cに形成された丸穴部13d1に回転可能に係合している。
また、第1の絞り羽根13dの幅方向両側には、上下方向に延びる長穴部13d2,13d3が形成されている。これら長穴部13d2,13d3には、ベース部材に設けられたガイドピン13f1,13f2が係合している。この第1の絞り羽根13dの内側には、光通過口である絞り開口を形成する(開放状態において絞り開口の下半分を形成する)ための開口形成部13d4が形成されており、第1の絞り羽根13dは全体として略U字形状に形成されている。
また、第2のレバー13cのピン部13c1には、第2の絞り羽根13eに形成された丸穴部13e1に回転可能に係合している。また、第2の絞り羽根13eの幅方向(図中の左右方向)両側には、上下方向に延びる長穴部13e2,13e3が形成されている。これら長穴部13e2,13e3には、上記ベース部材に設けられたガイドピン13f1,13f2が係合している。この第2の絞り羽根13eの内側には、光通過口である絞り開口を形成する(開放状態において絞り開口の上半分を形成する)ための開口形成部13e4が形成されており、第2の絞り羽根13eは全体として略U字形状に形成されている。但し、第2の絞り羽根13eには、後述するガード部が形成されている。
なお、第1および第2の絞り羽根13c,13eは、第2のレバー13cに対して、該第2のレバー13c側から第2の絞り羽根13e、第1の絞り羽根13cの順で組み付けられている。
このように構成された絞り装置において、アクチュエータ13aが回転すると、第1のレバー13gを介して第2のレバー13cが回転し、これに伴い両絞り羽根13d,13eが図中上下方向に駆動される。
なお、上記長穴部13d2,13d3,13e2,13e3を上下方向に直線状に延ばしてもよいが、緩やかな円弧を描くように延ばして、第2のレバー13cの回動に対して第1および第2の絞り羽根13d,13eが上下方向に対して傾かずに移動するようにしてもよい。
さらに、第1の絞り羽根13dにおける第2の絞り羽根13e側とは反対側の面には、図4Aに示すように、開放状態の絞り開口の全体(但し、固定開口Aに対応する領域の全体の意)を覆う形状を有するNDフィルタ14が接着により貼り付けられている。
このNDフィルタ14は、矩形形状の下側2つの角部を斜めにカットした形状を有し、その左右方向における最大幅は、第2のレバー13cの回動範囲におけるピン部(連結部)13c1,13c2の内側間の左右方向の最小幅よりも小さく設定されている。また、NDフィルタ14は、上記開口形成部13d4から上方(第2のレバー13cの方向)に延びており、図4Bに示す全閉状態では、その上部(特に、右側部分)が第2のレバー13cに対して光軸方向(図の紙面に垂直な方向)にて重なる。
より具体的には、全閉状態では、NDフィルタ14の上端が、第2のレバー13cのうち光軸Lに近づく側のピン部13c1よりも光軸Lから上方(光軸直交方向)に離れる位置まで到達する。なお、NDフィルタ14の右側上部は、第1の絞り羽根13dに対して貼り付けられたり支持されたりしておらず、NDフィルタ14の剛性で略光軸直交面内に位置する。
したがって、NDフィルタ14に反りが発生した場合や、ビデオカメラに振動が加わった場合等に、NDフィルタ14の右側上部が第2のレバー13cに干渉する可能性がある。特に、本実施例の絞り装置では、NDフィルタ14の最大幅をピン部13c1,13c2間の最小幅よりも小さく設定することで、NDフィルタ14の上部がピン部13c1,13c2の間に入り込む(第2のレバー13cに対して光軸方向にて重なる)位置まで移動することを許容し、これにより、大きなNDフィルタ14を使用する本絞り装置の上下方向の小型化を図っている。しかも、NDフィルタ14が貼り付けられた第1の絞り羽根13dと第2の絞り羽根13eと第2のレバー13cとをできるだけ光軸方向にて近接させ、絞り装置の光軸方向における薄型化も図っている。このため、上記干渉が生じやすく、これにより円滑な絞り動作が妨げられる可能性が高くなる。
そこで本実施例では、図6に示すように、第2の絞り羽根13eの上部には、図中に一点鎖線で示す従来の第2の絞り羽根の形状に対して、上方および幅方向に延出したガード部13e5を形成している。
このガード部13e5は、図4Bに示すように、半閉じ状態から全閉状態において、NDフィルタ14と第2のレバー13cとの間に入り込む。全閉状態では、ガード部13e5は、ピン部13c1およびNDフィルタ14の上端よりも光軸Lから上方に離れた位置まで延出する。
このため、NDフィルタ14の上部(特に、右側上部)が第2のレバー13c側に反ったり振動したりしても、ガード部13e5の存在によってNDフィルタ14が第2のレバー13cに接触することが阻止される。したがって、NDフィルタ14を開放状態の絞り開口全体を覆うように大きく形成しても、NDフィルタ14と第2のレバー13cとを干渉させることなく円滑な絞り動作を保証することができる。
なお、図5に示すように、NDフィルタ14は、光量の減衰を目的とした75%より低い透過率(図5の例では、透過率が除々に変化する)を有した光減衰部14aと、この光減衰部14aよりも開放側(図4Aでいう上方)に、透過率が75%以上で撮像素子に対する実質的な光量減衰作用を有さない非減衰部14bとが、同一材質、同一板厚のベース材上に形成されている。光減衰部14aは小絞り側の所定の大きさの絞り開口を覆いきる面積を有する。これにより、いわゆる小絞り回折の抑制効果がある。また、非減衰部14bを該NDフィルタ14が開放状態の絞り開口全体を覆う大きさとすることにより、絞り開口を通過する光のうちフィルタを通った光と通らない光との間で発生する結像位置のずれ(図11参照)を防止することができる。
なお、本実施例においては、光減衰部14aの濃度が変化するNDフィルタ14について説明したが、光減衰部14aが単一濃度のものを用いてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、開放状態の絞り開口全体を覆うような大きなNDフィルタを用いることにより、従来のように開放状態の絞り開口の一部しか覆わないNDフィルタを用いた場合の結像位置のずれに起因する画質の劣化を防止しつつ、開放状態から全閉状態に至るまで円滑な絞り動作が可能な絞り装置を実現することができる。
なお、本実施例では、ビデオカメラ用のズームレンズ鏡筒について説明したが、本発明は、電子スチルカメラや交換型撮影レンズ等の各種光学機器に搭載される光量調節装置にも適用することができる。
また、NDフィルタを、第1の透過率を有する光減衰部の開放側に、同一材料、同一板厚で構成される実質的な光減衰作用を持たない非減衰部を有する構成とし、その非減衰部の幅を、光減衰部が所望のFno.(小絞り側の絞り開口)を覆い切る直前において、非減衰部のみで覆われた開口面積が小絞り回折が発生するFno.(F16等の絞り開口)と略等価な面積であるときの絞り開口形状を覆い切るのに必要な幅としてもよい。
本発明の実施例であるズームレンズ鏡筒の縦断面図。 上記ズームレンズ鏡筒の横断面図。 上記ズームレンズ鏡筒の分解斜視図。 上記ズームレンズ鏡筒に搭載された絞り装置の構成(開放状態)を示す図。 上記絞り装置の構成(全閉状態)を示す図。 上記絞り装置の上面図。 上記絞り装置に用いられたNDフィルタの透過率を示す図。 上記絞り装置に用いられた第2の絞り羽根を示す図。 上記ズームレンズ鏡筒の電気回路構成を示すブロック図。 従来の絞り装置の構成を示す図。 従来の絞り装置の構成(開放状態)を示す図。 従来の絞り装置の構成(全閉状態)を示す図。 従来の絞り装置を含む光学系の断面図。 従来の絞り装置に用いられたNDフィルタの透過率を示す図。 従来の絞り装置に用いられたNDフィルタの透過率を示す図。 従来の絞り装置の構成を示す図。 従来の絞り装置の構成(全閉状態)を示す図。
符号の説明
1 前玉レンズユニット
2 バリエータレンズユニット
3 アフォーカルレンズユニット
4 フォーカシングレンズユニット
5 前玉鏡筒
6a、6b ガイド軸
7 後部鏡筒
8 V移動環
9 RR移動環
10 ズームモータ
11 フォーカシングモータ
12 中間枠
13 絞り装置
13a 絞りモータ
13c 第2のレバー
13d 第1の絞り羽根
13e 第1の絞り羽根
14 NDフィルタ
14a 光減衰部
14b 非減衰部
16 撮像素子

Claims (4)

  1. 光軸直交面内で移動して光通過口の面積を変化させる第1および第2の遮光部材と、
    前記第1および第2の遮光部材が連結されて回動可能なレバー部材と、
    該レバー部材を駆動するアクチュエータと、
    前記第1の遮光部材に取り付けられたNDフィルタとを有し、
    前記NDフィルタは、開放状態の前記光通過口の全体を覆う形状を有し、
    かつ前記第2の遮光部材は、前記光通過口の閉じ状態において前記レバー部材と前記NDフィルタとの間に配置され、前記NDフィルタの前記レバー部材に対する接触を阻止するガード部を有することを特徴とする光量調節装置。
  2. 前記レバー部材の両端に、前記第1および第2の遮光部材が連結される第1および第2の連結部が設けられており、
    前記NDフィルタは、前記閉じ状態において、前記レバー部材における前記第1および第2の連結部の間の内側部分に対し、前記ガード部を挟んで光軸方向にて重なることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
  3. 前記閉じ状態において、前記NDフィルタの閉じ動作方向先端が、前記レバー部材と前記第2の遮光部材との連結部よりも光軸から光軸直交方向に離れた位置に到達し、
    前記ガード部は、前記連結部よりも前記光軸から光軸直交方向に離れた位置まで延出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光量調節装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の光量調節装置を含み、前記光通過口を通過した光束を結像させる光学系を有することを特徴とする光学機器。
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