JP2005213429A - 防音用制振材およびそれを用いた防音シート - Google Patents

防音用制振材およびそれを用いた防音シート Download PDF

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Abstract

【課題】 防音効果が高く、被着体に対する巻き付け作業性および密着性に優れた防音シート、および該防音シートに好適な、制振効果が高く、可撓性に優れた防音用制振材を提供する。
【解決手段】 (a)ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有する、芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体10〜98重量%、(b)芳香族ビニル−イソプレンジブロック共重合体0〜88重量%、および(c)重量平均分子量が5,000〜300,000のポリイソプレン2〜66重量%を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする防音用制振材。
【選択図】 無し

Description

本発明は、防音用制振材およびそれを用いた防音シートに関する。
近年、室内環境、居住空間の快適性が求められており、騒音対策が大きな問題となっている。課題のひとつとして、給水管や排水管等の配管から発生する不快音や共振音の防止があるが、これらの管状体を被着体とする防音シートとしては、防音効果が高いだけでなく、管状体の外周に良好な状態で巻き付けるために、被着体の形状に追従しうる巻き付け作業性と密着性が要求される。
従来の防音シートとしては、発泡体からなる吸音層と、塩化ビニル系樹脂にゴムを配合した制振層と、塩化ビニル系樹脂に充填剤を配合した遮音層と、熱収縮フィルムとの積層品がある(特許文献1)。しかしながら、このような防音シートでは防音効果が十分ではなく、防音効果を高める目的で、制振層にさらに充填剤を配合したり、遮音層に配合する充填剤を増量したりすると、防音シートの可撓性が低下し、管状の被着体への巻き付け作業性や密着性が低下する問題がある。
また、第1発泡層と、未加硫EPDMゴムからなる制振層と、第2発泡層と、表皮層との積層品からなる防音シートが提案されている(特許文献2)。このような防音シートは、未加硫EPDMゴムを制振層に用いることにより、制振層の可撓性を向上させ、管状の被着体への巻き付け作業性を改良したものであるが、曲率の大きい配管の外周にはうまく巻き付けることができず、可撓性が十分に改善されているとはいえない。
特開平10−96496号公報 特開2003−222289号公報
本発明は、防音効果が高く、被着体に対する巻き付け作業性および密着性に優れた防音シート、および該防音シートに好適な、制振効果が高く、可撓性に優れた防音用制振材を提供することを主目的とするものである。
本発明者等は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有する、芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体と特定の重量平均分子量を有するポリイソプレンとを特定量比で含有する熱可塑性エラストマー組成物を防音用制振材として用いることにより、上記目的を達成できることを見いだし、この知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、以下の(1)および(2)の発明が提供される。
(1)(a)ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有する、芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体10〜98重量%、(b)芳香族ビニル−イソプレンジブロック共重合体0〜88重量%、および(c)重量平均分子量が5,000〜300,000のポリイソプレン2〜66重量%を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする防音用制振材。
(2)上記(1)に記載の防音用制振材からなる制振層を有することを特徴とする防音シート。
本発明によれば、防音効果が高く、被着体に対する巻き付け作業性および密着性に優れた防音シート、および該防音シートに好適な、制振効果が高く、可撓性に優れた防音用制振材が提供される。
A.防音用制振材
本発明の防音用制振材は、(a)ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有する、芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体10〜98重量%、(b)芳香族ビニル−イソプレンジブロック共重合体0〜88重量%、および(c)重量平均分子量が5,000〜300,000のポリイソプレン2〜66重量%を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴としている。
このような組成を有する熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる本発明の防音用制振材は、騒音等の人間が可聴し得る音の領域の振動を減衰させる効果が高いだけでなく、可撓性に優れているため、被着体に対する巻き付け作業性および密着性に優れた防音シートを与えることができる。
本発明で用いる芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体(a)(以下、「(a)成分」という)は、ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有するものであり、重合体ブロックを少なくとも3つ有するものである。
(a)成分中のポリ芳香族ビニルブロックは、(a)成分の重合体鎖において、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。ポリ芳香族ビニルブロックは、芳香族ビニル単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、芳香族ビニル単量体を単独重合したものが特に好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましく使用できる。
(a)成分中のポリ芳香族ビニルブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、芳香族ビニル単量体と、芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体とを共重合したものであってもよい。芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体が好ましく挙げられる。
(a)成分中のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは12,000〜70,000、特に好ましくは14,000〜50,000である。ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量が小さすぎると、防音用制振材としての形状保持性が低下する傾向にあり、逆に大きすぎると熱可塑性エラストマー組成物の流動性が悪くなり、成形性に劣る傾向がある。
(a)成分中のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(a)成分中のポリイソプレンブロックは、(a)成分の重合体鎖において、イソプレン単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。ポリイソプレンブロックは、イソプレン単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、イソプレンを単独重合したものが特に好ましい。
(a)成分中のポリイソプレンブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、イソプレンと、イソプレンと共重合可能な単量体とを共重合したものであってもよい。イソプレンと共重合可能な単量体としては、前記の芳香族ビニル単量体;1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン,1,3−ペンタジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン単量体;が好ましく挙げられる。
(a)成分の芳香族ビニル単量体単位含有量は、通常、5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは13〜40重量%である。
(a)成分におけるイソプレン単位中のビニル結合含有量は、特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(a)成分の重量平均分子量は、好ましくは100,000〜1,000,000、より好ましくは110,000〜920,000、特に好ましくは120,000〜880,000である。
(a)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
熱可塑性エラストマー組成物中の(a)成分の割合は、10〜98重量%、好ましくは20〜94重量%、より好ましくは35〜85重量%である。この割合が少なすぎると、防音用制振材としての形状保持性が低下して、使用に適さず、逆に多すぎると防音効果に劣るだけでなく、被着体に対する巻き付け作業性および密着性にも劣る防音シートとなる。
所望により熱可塑性エラストマー組成物中に含有させる芳香族ビニル−イソプレンジブロック共重合体(b)(以下、「(b)成分」ともいう。)は、ただ1つのポリ芳香族ビニルブロックとただ1つのポリイソプレンブロックとからなるブロック共重合体である。
(b)成分中のポリ芳香族ビニルブロックは、(b)成分の重合体鎖において、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。ポリ芳香族ビニルブロックは、芳香族ビニル単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、芳香族ビニル単量体単位のみからなるものがより好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、前記と同様のものが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましく使用できる。
(b)成分中のポリ芳香族ビニルブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、芳香族ビニル単量体と、芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体とを共重合したものであってもよい。芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、前記と同様のものを好ましく挙げることができる。
(b)成分中のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは12,000〜70,000、特に好ましくは14,000〜50,000である。
(b)成分中のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(b)成分中のポリイソプレンブロックは、(b)成分の重合体鎖において、イソプレン単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。ポリイソプレンブロックは、イソプレン単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、イソプレン単位のみからなるものがより好ましい。このイソプレン単位含有量が少なすぎると、得られた防音シートの防音効果が劣る傾向にある。
(b)成分中のポリイソプレンブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、イソプレンと、イソプレンと共重合可能な単量体とを共重合したものであってもよい。イソプレンと共重合可能な単量体としては、前記の芳香族ビニル単量体;1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン単量体;が好ましく挙げられる。
(b)成分の芳香族ビニル単量体単位含有量は、通常、5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは13〜40重量%である。
(b)成分におけるイソプレン単位中のビニル結合含有量は、特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(b)成分の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜250,000、より好ましくは55,000〜230,000、特に好ましくは60,000〜220,000である。
(b)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
熱可塑性エラストマー組成物中の(b)成分の割合は、0〜88重量%、好ましくは1〜75重量%、より好ましくは5〜55重量%である。(b)成分が多すぎると、防音用制振材としての形状保持性が低下する傾向にある。熱可塑性エラストマー組成物中に上記範囲の割合で(b)成分を含有させることにより、防音効果と被着体に対する巻き付け作業性および密着性とのバランスにより優れる防音シートが得られる。
(a)成分の製造方法は特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、アニオンリビング重合法により、ポリ芳香族ビニルブロックおよびポリイソプレンブロックを、それぞれ逐次的に重合する方法や、リビング性の活性末端を有するブロック共重合体を製造した後、それとカップリング剤とを反応させてカップリングしたブロック共重合体として製造する方法が採用できる。
(b)成分の製造方法は特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、アニオンリビング重合法により、ポリ芳香族ビニルブロックおよびポリイソプレンブロックを、逐次的に重合する方法が採用できる。
なお、(a)成分と(b)成分は、上記のようにそれぞれ別々に製造してもよいが、それぞれの重合工程を1つにまとめて、(a)成分と(b)成分の混合物として製造することもできる。
本発明で用いるポリイソプレン(c)(以下、「(c)成分」ともいう。)の重量平均分子量は5,000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは30,000〜100,000である。この重量平均分子量が小さすぎると、得られた防音シートの防音効果が低下し、逆に大きすぎると被着体に対する巻き付け作業性および密着性に劣る防音シートとなる。
(c)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(c)成分は、その重合体鎖において、イソプレン単位を主たる構成単位として含有する。(c)成分は、イソプレン単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、イソプレン単位のみからなるものがより好ましい。
(c)成分は、イソプレンの単独重合体であることが好ましいが、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、イソプレンおよびイソプレンと共重合可能な単量体の共重合体であってもよい。イソプレンと共重合可能な単量体としては、前記の芳香族ビニル単量体、およびブタジエン、1,3−ペンタジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン単量体が好ましく挙げられる。
(c)成分におけるイソプレン単位中のビニル結合含有量は、特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(c)成分の製造方法は特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、重合溶媒中、アニオン重合開始剤を用いてイソプレンを重合する方法が採用できる。
熱可塑性エラストマー組成物中の(c)成分の割合は、2〜66重量%であることを要し、好ましくは5〜55重量%、より好ましくは10〜35重量%である。(c)成分が少なすぎると、防音効果に劣るだけでなく、被着体に対する巻き付け作業性および密着性にも劣る防音シートとなり、逆に多すぎると防音用制振材としての形状保持性が低下して、使用に適さなくなる。
本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成物においては、(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計量に対する芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜40重量%の範囲にあることが好ましく、10〜30重量%の範囲にあることがより好ましい。この含有量が少なすぎると、防音用制振材としての形状保持性が低下して、使い難くなる傾向にあり、逆に多すぎると、得られた防音シートの被着体に対する巻き付け作業性および密着性が劣る傾向にある。
本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は特に限定されない。別個に製造した(a)成分、(b)成分および(c)成分を混練して製造してもよく、あるいはこれらを溶液の状態で混合し、重合体を分離して乾燥することにより製造してもよい。
(a)成分と(b)成分の混合物として製造されたものに、別途製造された(c)成分を混合して製造してもよい。
本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成物には、さらに必要に応じて、(a)成分、(b)成分および(c)成分以外のエラストマーのほか、一般に公知の、熱可塑性樹脂、粘着付与樹脂、充填剤、補強繊維、軟化剤、発泡剤、発泡助剤、酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤などの配合剤を所望量配合することができる。
(a)成分、(b)成分および(c)成分以外のエラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびその変性物、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
粘着付与樹脂は、天然樹脂系粘着付与樹脂と合成樹脂系粘着付与樹脂とに大別される。天然樹脂系粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などが挙げられる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジンなどのロジン類;水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジン類;変性ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなどのロジンエステル類などが例示される。テルペン系樹脂としては、α−ピネン系、β−ピネン系、ジペンテン(リモネン)系などのテルペン樹脂のほか、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂などが例示される。
合成樹脂系粘着付与樹脂は、付加重合系粘着付与樹脂と重縮合系粘着付与樹脂とに大別される。付加重合系粘着付与樹脂としては、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合系(C5−C9系)石油樹脂、水素添加石油樹脂、脂環族系石油樹脂などの石油樹脂類;クマロン・インデン樹脂;スチレン系、置換スチレン系などのピュア・モノマー系石油樹脂が挙げられる。重縮合系粘着付与樹脂としては、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などのフェノール系樹脂およびキシレン樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
充填剤としては、例えば、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム、各種の金属粉、木粉、ガラス粉、セラミックス粉などの他、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー;ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラー;が挙げられる。
補強繊維としては、例えば、ワラ、毛、ガラスファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバーなどの短繊維および長繊維が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、芳香族系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどの伸展油;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体;などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル・テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイトなどの亜燐酸塩類などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸系、硬化油のような脂肪酸系滑剤;ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリルアミド、パルミチルアミド、ベヘンアミド、メチロールアミド、高級脂肪酸のモノアミド、メチレンビスステロアミド、エチレンビスステロアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスラウリルアミド、高級脂肪酸ビスアミド、N−ステアリルオレイルアミド、N−ステアリルエルシルアミド、N−ステアリルパルミトアミド、複合型アミド、特殊脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑材;
n−ブチルステアレート、多価アルコール脂肪酸エステル、飽和脂肪酸エステル、エステル系ワックス、特殊脂肪酸エステル、芳香族脂肪酸エステル、複合エステル系のような脂肪酸エステル系滑材;高級アルコール、高級アルコール系複合型、高級アルコールエステル、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロールのような脂肪アルコール系滑材;グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、脂肪酸部分エステルのような脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル系滑材;シリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン、ジステアリルエポキシヘキソヒドロキシフタレート、ナトリウムアルキルサルフェート、長鎖脂肪族化合物、非イオンエステル系活性剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合体、四フッ化エチレン樹脂粉末などが挙げられる。これらの滑剤は、単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の防音用制振材は、上述した熱可塑性エラストマー組成物を成形することにより製造される。成形方法としては、例えば、射出成形法(インサート成形法、二色成形法、サンドイッチ成形法、ガスインクジェクション成形法等)、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、ラミネート成形法、ブロー成形法、中空成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法、トランスファー成形法、真空成形法、パウダースラッシュ成形法、キャスト成形法などが挙げられる。
防音用制振材の形状は特に限定されるものではなく、シート状、パッキン状などが挙げられるが、例えば防音シートに用いる場合は、被着体への形状追従性が高いことから、シート状とすることが好ましい。この場合に、シートの厚みは、好ましくは20μm〜10cm、より好ましくは50μm〜5cmである。厚みが大きすぎると、被着体への形状追従性が低下する場合があり、逆に小さすぎると音によっては十分な制振効果を得られない場合がある。
このような本発明の防音用制振材は、音の領域の振動を減衰させる効果が高く、防音効果に優れたものとなる。なお、防音効果は、実施例で示すように、防音シートを設けていない状態に比べ、防音シートを設けた状態でどの程度、騒音が減衰するかを測定して、その減衰値(Δdb)を求めることにより評価することができる。
また、本発明の防音用制振材は極めて可撓性に優れたものであるので、例えば配管等の曲率の大きい被着体に対しても巻き付け作業性が良好であり、密着性に優れた防音シートが得られる。
さらに、本発明の防音用制振材はそれ自体が粘着性を有するものであるので、例えばこの防音用制振材を用いた防音シートは、被着体や他の機能層との接合面に接着剤層を設ける必要がなく、取り付け作業性に優れたものとなる。また、熱可塑性エラストマー組成物中に上述した粘着付与樹脂を配合することにより、さらに粘着性を高めることもできる。
B.防音シート
本発明の防音シートは、上記の防音用制振材からなる制振層を有することを特徴としている。本発明の防音シートは、上記防音用制振材からなる制振層により騒音等の音の領域の振動を効果的に吸収し減衰させることにより、高い防音効果を奏するものである。
図1は、本発明の防音シートの一例を音10の発生源である被着体20に貼り付けた状態を示す概略断面図である。例えば図1(a)に示すように、本発明の防音シートは制振層1のみから構成されていてもよい。
また、図1(b)に示すように、本発明の防音シートは制振層1と吸音層2とからなるものであってもよく、図1(c)に示すように、制振層1と遮音層3とからなるものであってもよい。
さらに、図1(d)に示すように、本発明の防音シートは、制振層1と、この制振層1上に形成された吸音層2と、この吸音層2上に形成された遮音層3とからなるものであってもよく、図1(e)に示すように、制振層1と、この制振層1上に形成された遮音層3と、この遮音層3上に形成された吸音層2とからなるものであってもよい。
このように制振層1、吸音層2および遮音層3を組み合わせることにより、まず制振層1において被着体20から発生する音10の領域の振動を吸収し、吸音層2において制振層1を透過した音を吸収し、さらに遮音層3において吸音層2を透過した音を遮断することにより、防音効果をさらに高めることができる。
なお、図1においては、制振層1が被着体20と接合する例を挙げているが、本発明の防音シートはこのような構成に限られるものではなく、吸音層2や遮音層3が被着体20と接合していてもよく、また、吸音層2と遮音層3との間に制振層1が形成されていてもよい。
また、図示されていないが、本発明の防音シートは上記吸音層2や遮音層3以外にも他の機能層を有していてもよい。さらに被着体20との接合面には接着剤層が設けられていてもよく、最外層として表皮層が設けられていてもよい。また、各層間には、例えば接着性を向上させる目的で、接着剤層や下塗層などの中間層が設けられていてもよい。
以下、このような本発明の防音シートを構成する制振層、吸音層、および遮音層について説明する。
本発明の防音シートに用いられる制振層は、上記防音用制振材からなるものである。したがって、上記制振層は可撓性に優れており、被着体に接合させたとき、容易に変形してその形状に追従することができる。
制振層の形状は、制振効果を損なわないものであれば特に限定されるものではないが、被着体に対する形状追従性が高いことから、シート状であることが好ましい。
本発明で用いることができる吸音層は、音のエネルギーが細孔状の材料内部で空気を振動させ、細孔内壁面との摩擦により熱損失することを利用することにより防音効果を奏するものであり、この吸音層を積層することにより、本発明の防音シートの防音効果を高めることができる。
吸音層としては、防音シートの吸音層として通常公知の材料を使用することができるが、吸音効果が高いことから高分子発泡体を用いることが好ましい。
高分子発泡体としては、例えば、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリプロピレン樹脂発泡体等のポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、軟質塩化ビニル系樹脂発泡体等の合成樹脂系発泡体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム発泡体、クロロプレンゴム発泡体等の合成ゴム系発泡体や天然ゴム系発泡体等のゴム系発泡体等が挙げられるが、中でもポリエチレン樹脂発泡体およびポリスチレン樹脂発泡体が好適に用いられる。これらの高分子発泡体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子発泡体の発泡倍率は、好ましくは10〜250倍、より好ましくは20〜200倍である。発泡倍率が小さすぎると、吸音効果が十分に得られにくいことがあり、逆に大きすぎると、発泡体の変形や破断が生じ易くなる。高分子発泡体中の気泡の形状は、独立気泡形状であっても、連続気泡形状であってもよいが、吸音効果が高い点で、後者の方が好ましい。
なお、吸音層としては、例えば、セルロース繊維、綿などの天然繊維;ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの合成高分子繊維;ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維;などの繊維から構成される繊維性多孔質材を用いることもできる。
吸音層の厚みは、用途に応じて適宜決定されるものであるが、好ましくは100μm〜200mm、より好ましくは1mm〜100mmである。厚みが大きすぎると曲率の大きい被着体に対する巻き付け作業性が悪くなる場合があり、逆に小さすぎると音によっては吸音効果が十分に得られない場合がある。
本発明に用いることができる遮音層は、空気振動で伝わる音を遮断することにより防音効果を奏するものであり、この遮音層を設けることにより本発明の防音シートの防音効果を向上させることができる。
上記遮音層としては、防音シートの遮音層として通常公知の材料を使用することができる。具体的には、ポリエチレン樹脂シート、ポリプロピレン樹脂シート等のポリオレフィン系樹脂シート発泡体、軟質塩化ビニル系樹脂シート等の合成樹脂シート;EPTゴムシート、EPDMゴムシート、スチレン−ブタジエン共重合ゴムシート、クロロプレンゴムシート、ブチルゴムシート等の合成ゴムシートや天然ゴムシート等のゴムシート;アルミニウムなどの金属箔、紙、布などが挙げられる。
また、樹脂シートやゴムシートには、充填材、補強繊維、軟化剤などの配合剤を配合することもできる。配合剤としては、上記「A.防音用制振材」の欄で例示したものと同じものを使用することができる。
遮音層の厚みは、用途に応じて適宜決定されるものであるが、好ましくは20μm〜100mm、より好ましくは100μm〜30mmである。厚みが大きすぎると曲率の大きい被着体に対する巻き付け作業性が悪くなる場合があり、逆に小さすぎると音によっては防音効果が十分に得られない場合がある。
本発明の防音シートに用いることができる他の機能層としては、制振層と積層することにより本発明の防音シートの防音効果を高めることができるものであれば特に限定されるものではない。
また、本発明の防音シートに任意で設けられる接着剤層としては、用途に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、合成接着剤または天然接着剤など、一般に公知の材料を使用することができる。その形態も液状であっても、固体状であってもよく、有機溶剤系、エマルション系のいずれであってもよい。
さらに、本発明に用いることができる表皮層や下塗層の材料は特に限定されるものではなく、防音シートに通常用いられる公知の材料を使用することができる。
本発明の防音シートの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、積層する吸音層や、遮音層などの機能層のうち少なくとも一方が粘接着性または熱融着性を有している場合は、そのままの状態で積層するか、熱融着することにより製造することができる。
一方、上記機能層自体が粘接着性または熱融着性を有していない場合、またはそれらの性能が不十分である場合は、界面に接着剤層を形成し、必要に応じて加熱することにより本発明の防音シートを製造することができる。
本発明の防音シートは、上記防音用制振材からなる制振層を有するので、音の領域の振動を効果的に吸収することにより優れた防音効果を奏するものである。また、本発明の防音シートは、可撓性に優れたものであり、例えば曲率の大きい被着体に対しても巻き付け作業性が良好であり、密着性に優れたものとなる。
このような本発明の防音用制振材および防音シートは、例えば、マンション等の床材、壁材、天井、窓枠、シャッター、ドア、防音壁、屋根材、給水管・排水管等の配管などの建材;レコードの支持ターンテーブル、CDプレイヤーなどの音響機器;コピー機、FAX、プリンターなどのOA機器;などの不快音や共振音を低減したり、エアコンの室外機、ダクト内の音などの家電製品のモーター駆動によって生じる不快音や共振音;自動車のエンジンルームや自動車車内の騒音;を低減したりする目的に用いることができる。中でも、給水管や排水管等の曲率の大きい被着体に対する密着性が高いことから、これらの配管等の防音シートとして特に好適である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない、上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例、比較例および参考例中の部および%は、特に断りのないかぎり、重量基準である。
(1)硬度
得られた防音用制振材シートの硬度を、JIS K6301に準じ、JIS A型硬度計にて測定した。
(2)防音効果
得られた防音シートを、制振層と呼び径75mmの生活廃水管の外周面とが接するように、該排水管の外周に巻き付け、貼り合わせて評価用管を作製した。該評価用管に水を流して、該管から1m離れた位置に配置した騒音計(LA−210、小野測器株式会社製)で騒音レベル(db1:デシベル)を測定した。
防音シートを施していない状態で水を流したときの騒音レベル(db)との差(Δdb=db−db)を算出することにより評価した。この値(Δdb)が大きいほど、防音効果が高いことを示している。
(3)巻き付け作業性
巻き付け作業性は、防音シートを、制振層と呼び径75mmの生活廃水管の外周面とが接するように、該排水管の外周に巻き付けたときの形状追従性を目視で確認した。評価基準は以下のとおりとした。
○:良好な状態で巻き付いた
△:巻き付きにくかった
×:巻き付かなかった
(4)密着性
防音シートを、制振層と呼び径75mmの生活廃水管の外周面とが接するように、該排水管の外周に巻き付けたときの密着具合を貼付してから1分間後に目視で確認した。評価基準は以下のとおりとした。
○:良好な状態で巻き付いていた
△:防音シートの端部が剥離した
×:防音シートの全体が剥離した
(参考例1)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン112部、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン(「TMEDA」と略号で示す。)0.000728部およびスチレン11.7部を40℃で攪拌しているところに、重合開始剤n−ブチルリチウム0.0267部を添加し、50℃に重合温度を上げながら、1時間重合した。この時点でのスチレンの重合転化率は100%であった。反応液の一部を採取して、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレンブロックの重量平均分子量を測定し、表1に示した。
引き続き、イソプレン36.3部を、反応温度が50℃から60℃の間になるように温度制御しながら1時間かけて添加し、添加終了後にさらに1時間重合した。この時点での重合転化率は100%であった。反応液の一部を採取して、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、スチレン−イソプレンジブロック共重合体((b)成分に相当する。)の重量平均分子量を測定し、表1に示した。
次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン0.0242部を添加して2時間カップリング反応を行い、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体((a)成分に相当する。)を形成した。この後、反応器に重合停止剤としてメタノール0.04部を添加しよく混合して、上記(a)成分と(b)成分とからなる芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物(表中では「(a)+(b)成分」と記す。)Iを得た。反応液の一部を採取して、上記組成物I中のスチレン単位含有量を測定し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、組成物全体の重量平均分子量、および(a)成分と(b)成分の重量比を測定し、表1に示した。なお、スチレン単位含有量は、1H−NMR測定により求めた。
(参考例2)
TMEDA、n−ブチルリチウム、スチレン、イソプレン、ジメチルジクロロシランおよびメタノールの量を表1に示すように変更する以外は、参考例1と同様に行い、(a)成分と(b)成分とからなる芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物IIを得た。結果を表1に示した。
Figure 2005213429
(参考例3)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン112部、TMEDA0.00364部およびn−ブチルリチウム0.134部を40℃で攪拌しているところにイソプレン48部を60℃に重合温度を上げながら1時間かけて添加し、イソプレン添加終了後さらに60℃で1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、反応器に重合停止剤としてメタノール0.2部を加えてよく混合してポリイソプレン(i)を得た。ポリイソプレン(i)の重量平均分子量は40,000であった。
(実施例1)
芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に、ポリイソプレン(i)の30%シクロヘキサン溶液40部を加え、さらに酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合し、混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥して、(a)成分、(b)成分およびポリイソプレン(i)を含有する熱可塑性エラストマー組成物(I)を得た。
熱可塑性エラストマー組成物(I)を、120℃に加熱した二本ロールで混練りしてシート状にした。このシート状物を金型に入れ、130℃、10分間プレス成形した後、冷却して取り出し、1mm厚の防音用制振材シートを得た。
上記防音用制振材シートに、厚みが2mmの連続気泡型ポリエチレン発泡シート(発泡倍率100倍)を積層し、さらに、クロロプレンゴム系の接着剤を用いて、該発泡シート上に厚みが0.5mmの軟質塩化ビニル樹脂シートを積層して、防音シートを得た。この防音シートの防音効果、巻き付け作業性および密着性を測定し、その結果を表2に示す。
(実施例2)
芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物IIの30%シクロヘキサン溶液100部に、ポリイソプレン(i)の30%シクロヘキサン溶液25部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物(II)を得た。
熱可塑性エラストマー組成物(II)を、120℃に加熱した二本ロールで混練りしてシート状にした。このシート状物を金型に入れ、130℃、10分間プレス成形した後、冷却して取り出し、1mm厚の防音用制振材シートを得た。このシートの硬度を測定し、表2に示す。
上記の防音用制振材シートを用いて、実施例1と同様に防音シートを作製した。この防音シートの防音効果、巻き付け作業性および密着性を測定し、その結果を表2に示す。
(比較例1)
芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合し、混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥し、ポリイソプレン(i)を含有しない熱可塑性エラストマー組成物(III)を得た。
熱可塑性エラストマー組成物(III)を、120℃に加熱した二本ロールで混練りしてシート状にした。このシート状物を金型に入れ、130℃、10分間プレス成形した後、冷却して取り出し、1mm厚の防音用制振材シートを得た。このシートの硬度を測定し、表2に示す。
クロロプレンゴム系の接着剤を用いて、上記防音用制振材シートに、厚みが2mmの連続気泡型ポリエチレン発泡シート(発泡倍率100倍)を積層し、さらに、クロロプレンゴム系の接着剤を用いて、該発泡シート上に厚みが0.5mmの軟質塩化ビニル樹脂シートを積層して、防音シートを得た。この防音シートの防音効果、巻き付け作業性および密着性を測定し、その結果を表2に示す。なお、測定にあたり、クロロプレンゴム系の接着剤を用いて、防音シートを生活廃水管の外周に接着させた。
(比較例2)
EPDM(商品名:EPT3045、三井石油化学(株)製)100部に対し、酸化亜鉛400部、タルク(商品名:TCタルク、土屋カオリン工業(株)製)100部を配合して混練りしてシート状にした。このシート状物を金型に入れ、120℃、10分間プレス成形した後、冷却して取り出し、1mm厚の防音用制振材シートを得た。このシートの硬度を測定し、表2に示す。
上記の防音用制振材シートを用いて、比較例1と同様に防音シートを作製した。この防音シートの防音効果、巻き付け作業性および密着性を測定し、その結果を表2に示す。なお、測定にあたり、クロロプレンゴム系の接着剤を用いて、防音シートを生活廃水管の外周に接着させた。
Figure 2005213429
本発明の防音シートの一例を被着体に貼り付けた状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 制振層
2 … 吸音層
3 … 遮音層
10 … 音
20 … 被着体

Claims (2)

  1. (a)ポリ芳香族ビニルブロックを2つ以上有する、芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体10〜98重量%、(b)芳香族ビニル−イソプレンジブロック共重合体0〜88重量%、および(c)重量平均分子量が5,000〜300,000のポリイソプレン2〜66重量%を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする防音用制振材。
  2. 請求項1に記載の防音用制振材からなる制振層を有することを特徴とする防音シート。
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