JP2006152149A - 両面粘着シートおよび吸音材接着用シート - Google Patents

両面粘着シートおよび吸音材接着用シート Download PDF

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新也 池田
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Abstract

【課題】 例えば塩ビ管表面に発泡スチロールを貼り付ける場合等のように、二つの部材を接着させる際、一方の部材側が容易に剥離することが可能であり、剥離された部材の再利用を容易に行うことが可能な両面粘着シートを提供する。
【解決手段】 弱粘着層と、前記弱粘着層よりも粘着力が1.3倍以上高い強粘着層とを有し、前記弱粘着層と前記強粘着層とを実質的に基材を介さずに積層させてなることを特徴とする両面粘着シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、種々の部材の再利用を容易に行うことを可能とする、貼り直し性および選択剥離性に優れる両面粘着シートおよび吸音材接着用シートに関する。
近年、環境問題の観点から、種々の工業製品に対し、再利用容易な製品構成とすることが求められている。
例えば、マンション等の配水管に用いられる塩化ビニル製の管(以下塩ビ管とする場合がある。)は、防音等の面から表面に発泡スチロールなどの吸音材が巻かれる場合があり、該吸音材は通常塩ビ管表面に両面粘着シートで粘着される。このようにして巻かれた塩ビ管を再利用する場合、塩ビ管表面から発泡スチロールを両面粘着シート諸共除去する必要があるが、通常は、平滑面である塩ビ管側の粘着力が高くなるため発泡スチロールのみ剥離して両面粘着シートが塩ビ管に残存するといった問題があった。
特許文献1には不織布または発泡材を基材として有する両面粘着テープが開示されている。この両面粘着テープで貼り合わせた部材同士を引き剥がす場合には、基材である不織布または発泡材が容易に裂かれるため簡単に引き剥がすことはできる。しかしこの場合でも、引き剥がしの際に該基材が破壊されるために再度貼り直すことができず、さらに引き剥がした部材の両方に粘着テープ片が残るといった問題があった。
特許文献2には、片面のみをエンボス加工したポリエステル基材の両面に、粘着剤層を形成させた両面粘着テープが開示されている。この両面粘着テープを用いると、基材のエンボス加工面側の粘着剤層もエンボス形状になるため、被着体との接触面積が小さくなって接着力が低下し、エンボス形状面側の部材を選択的に剥離することができる。しかしながら、片面をエンボス加工した特殊な基材が必要であると共に、基材を有するために引き剥がす際に両面粘着テープが伸びきり、再び貼り直すことができない問題があった。
特開2002−69402公報 特開2003−342535公報
本発明は、例えば塩ビ管表面に発泡スチロールを貼り付ける場合等のように、二つの異種部材同士を接着させる際、一方の部材を選択的に剥離することが可能であり、剥離させた部材をもう一度貼り直すことができ、部材の再利用を容易に行うことが可能な両面粘着シートを提供することを主目的とする。
本発明者等は、前記実情に鑑み鋭意検討した結果、粘着強度の比が特定の範囲にある二つの粘着層を実質的に基材を介さずに積層させてなる粘着シートを構成することにより、前記目的を達成できることを見いだし、この知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、以下の(1)〜(6)の発明が提供される。
(1)弱粘着層と、前記弱粘着層よりも粘着力が1.3倍以上高い強粘着層とを有し、前記弱粘着層と前記強粘着層とを実質的に基材を介さずに積層させてなることを特徴とする両面粘着シート。
(2)前記両面粘着シートの永久伸びが7%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の両面粘着シート。
(3)弱粘着層および強粘着層がエラストマーと粘着付与剤とを含んでなるエラストマー組成物からなるものであり、エラストマーを100重量部とした場合に、
前記弱粘着層中の粘着付与剤量が0〜50重量部、
前記強粘着層中の粘着付与剤量が20〜250重量部であり、
さらに強粘着層中の粘着付与剤量が弱粘着層中の粘着付与剤量よりも20重量部以上多いことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の両面粘着シート。
(4)前記エラストマーが、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとからなるブロック共重合体組成物を含んでなることを特徴とする前記(3)に記載の両面粘着シート。
(5)前記エラストマーが、液状ジエン系ゴムを含んでなることを特徴とする前記(3)または(4)に記載の両面粘着シート。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか一に記載の両面粘着シートを用いたことを特徴とする吸音材接着用シート。
本発明の両面粘着シートは、弱粘着層に再利用する部材を貼着し、強粘着層を他の部材に粘着した製品構成とすることにより、弱粘着層側に貼着させた部材を容易に脱着することができ、再利用が容易な工業製品を構成できるといった効果を奏する。
本発明の両面粘着シートは、弱粘着層と、前記弱粘着層よりも粘着力が1.3倍以上高い強粘着層とを有し、前記弱粘着層と前記強粘着層とを実質的に基材を介さずに積層させてなることを特徴とする。
本発明の両面粘着シートは、このように弱粘着層と強粘着層とを実質的に基材を介さずに積層させることにより構成され、粘着層の材料および組成を選択することにより、伸縮性が付与される。その結果、本発明の両面粘着シートは、部材を脱着することが容易となり、対象となる部材表面に凹凸があった場合でも追従することができ、さらに、一旦貼り付けた後に剥がしても伸びきることがなく、再度貼り付ける貼り直し性が良好で、現場での施工が容易となる利点を有する。ここで、本発明における基材とは、通常の粘着テープに用いられる、ポリエステルフィルムような、伸縮性のない基材のことであり、本発明の両面粘着シートは、本発明の特徴である、伸縮性を損なわない範囲であれば、弱粘着層と強粘着層との間に他の材料を介して積層させてもよい。
また、本発明の両面粘着シートは、材料コストが低減され、製造が容易となり、さらに基材のもつ伸縮性の影響を受けない点で、弱粘着層と強粘着層とを直接積層させてなることが好ましい。
本発明の両面粘着シートに用いられる弱粘着層および強粘着層は、被着体に対する粘着力に関し、弱粘着層の粘着力を1とした場合に、強粘着層の粘着力が1.3以上であり、1.5〜20の範囲内にあることが好ましく、2.5〜15の範囲内にあることが特に好ましい。弱粘着層に対する強粘着層の粘着力が前記範囲より低い場合は、強粘着層と弱粘着層との粘着力の差が小さすぎるため、上述したような作用効果を得ることができない。
両面粘着シートの各面の粘着力は、弱粘着層および強粘着層を形成する各粘着剤組成物を用いて別々に測定することができる。厚さ25μmのポリエステルフィルム上に前記各粘着剤組成物を25μmの厚さに塗布して、粘着力測定用サンプルとし、PSTC−1(粘着テープ委員会(米)による180°剥離接着試験)に準じて測定する。
また、両面粘着シート成形後に各面の粘着力を測定する方法としては、タルクなどの離型剤を非測定面に塗布して接着しないようにし、次いでPSTC−1に準じて測定面の粘着力を各々測定する方法が好ましく挙げられる。
本発明の両面粘着シートにおける強粘着層の粘着力は、用途により大きく異なるものではあるが、前記ポリエステルフィルム上に形成して粘着力を評価した場合、200〜2000N/mであることが好ましくは、450〜1500N/mであることがより好ましい。一方、前記弱粘着層の粘着力も用途により大きく異なるものではあるが、強粘着層と同様に粘着力を評価した場合、30〜600N/mが好ましく、50〜400N/mであることがより好ましい。貼り直し等を行う場合を考慮すると前記範囲内の粘着力が好適である。
本発明における強粘着層の厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて大きく異なるものではあるが、好ましくは10μm〜50mm、より好ましくは15μm〜20mm、特に好ましくは20μm〜5mmである。また弱粘着層の厚みも特に限定されるものではなく、用途に応じて大きく異なるものではあるが、好ましくは10μm〜50mm、より好ましくは15μm〜20mm、特に好ましくは20μm〜5mmである。前記範囲より厚みが薄い場合は、両面粘着シートの強度が過度に低くなる可能性があり、逆に前記範囲より厚い場合は貼り直し性に劣る場合がある。
本発明の両面粘着シートは、上述したように実質的に基材を介さないことから、各粘着層の材料を選択することにより伸縮性を付与することができる。両面粘着シートが伸縮性を有することにより剥離が容易となり、かつ被着材に凹凸が有る場合でも十分に追従することが可能となり、さらに両面粘着シートを用いて部材を貼り合わせる際に、一度貼り合わせた後の貼り直し性が向上し、修正が容易となる。
本発明においては、前記伸縮性としてはJIS K 6301によって測定される永久伸びが7%以下であることが好ましく、4%以下であることがさらに好ましく、2%以下であることが特に好ましい。前記範囲を超える場合は両面粘着シートとしての伸縮性が不十分で、被着材表面への密着性に劣る場合があり、さらにまた剥離が困難となる可能性がある。
本発明においては、弱粘着層および強粘着層がエラストマーと粘着付与剤とを含んでなるエラストマー組成物からなるものであり、上記弱粘着層中の粘着付与剤量は、エラストマーを100重量部とした場合に、0〜50重量部の範囲内であることが好ましく、5〜40重量部の範囲内であることが特に好ましい。前記範囲を超えた場合は、粘着力が高すぎるため、貼り直し等の作業性が低下する場合がある。また、前記強粘着層中の粘着付与剤量は、エラストマーを100重量部とした場合に、20〜250重量部の範囲内であることが好ましく、40〜160重量部の範囲内であることが特に好ましい。前記範囲より少ない場合は、弱粘着層との粘着力の差が小さくなり、前記範囲を超えて粘着付与剤を添加すると、強粘着層自体の強度が過度に低下する場合がある。
前記強粘着層中の粘着付与剤量は、前記弱粘着層中の粘着付与剤量よりも20重量部以上多いことが好ましく、25重量部以上多いことが特に好ましい。粘着付与剤量の差が小さ過ぎる場合には、強粘着層と弱粘着層との粘着力に十分な差がない場合があり、上述した作用効果を奏することができない可能性がある。
本発明に用いられる粘着付与剤としては、エラストマーと混合できるものであれば特に限定されるものではなく、天然樹脂系粘着付与剤、または合成樹脂系粘着付与剤を挙げることができる。
天然樹脂系粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などが挙げられる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジンなどのロジン類;水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジン類;変性ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなどのロジンエステル類などが例示される。テルペン系樹脂としては、α−ピネン系、β−ピネン系、ジペンテン(リモネン)系などのテルペン樹脂のほか、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂などが例示される。
合成樹脂系粘着付与剤は、付加重合系粘着付与樹脂と重縮合系粘着付与樹脂とに大別される。付加重合系粘着付与樹脂としては、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合系(C5−C9系)石油樹脂、水素添加石油樹脂、脂環族系石油樹脂などの石油樹脂類;クマロン・インデン樹脂;スチレン系、置換スチレン系などのピュア・モノマー系石油樹脂が挙げられる。重縮合系粘着付与樹脂としては、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などのフェノール系樹脂およびキシレン樹脂などが挙げられる。前記粘着付与剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられるエラストマーは、熱可塑性エラストマーであることが好ましく、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとからなるブロック共重合体組成物を含んでなることがより好ましい。特に、上述した伸縮性等を有する両面粘着シートを得るためには、少なくとも弱粘着層が、エラストマーとして前記ブロック共重合体組成物を含んでなることが好ましく、弱粘着層と強粘着層との接着性を考慮すると、両粘着層のエラストマーが共に前記ブロック共重合体組成物を含んでなるものであることが好ましい。
本発明において、前記芳香族ビニル重合体ブロックを構成する芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体のみを重合して得られる共重合体ブロックであることが好ましいが、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、芳香族ビニル重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
共役ジエン重合体ブロックを構成する共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、イソプレンが特に好ましい。これらの共役ジエン単量体は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体のみを重合して得られる重合体ブロックであることが好ましいが、共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、共役ジエン重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を10重量%以下にすることが好ましい。
本発明に用いられるブロック共重合体組成物は、得られる両面粘着シートの被着体に対する密着性および貼り直し性に優れる点で、芳香族ビニル重合体ブロックを2つ以上有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(a)(以下、(a)成分と略記する場合がある。)、および芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(b)(以下、(b)成分と略記する場合がある。)を含んでなることが好ましい。
前記ブロック共重合体組成物における各成分の含有量は、(a)成分10〜98重量%、および(b)成分0〜88重量%を含んでなるものであることが好ましい。
前記(a)成分は芳香族ビニル重合体ブロックを2つ以上および共役ジエン重合体ブロックを1つ以上含有し、重合体ブロックを少なくとも3つ含んでなるものである。
(a)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックは、(a)成分の重合体鎖において、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、芳香族ビニル単量体を単独重合したものが特に好ましい。
ここで用いることができる芳香族ビニル単量体は、上述したものと同様である。
(a)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、芳香族ビニル単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合したものであってもよい。他の単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体が好ましく挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、芳香族ビニル重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を20重量%以下にすることが好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(a)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは12,000〜70,000、特に好ましくは14,000〜50,000である。芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が小さすぎると、両面粘着シートの形状保持性が低下する傾向にあり、逆に大きすぎるとエラストマー組成物の流動性が低下し、成形性に劣る傾向がある。
(a)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(a)成分中の共役ジエン重合体ブロックは、(a)成分の重合体鎖において、共役ジエン単量体単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、共役ジエン単量体を単独重合したものが特に好ましい。
ここで用いることができる共役ジエン単量体は、上述したものと同様である。なかでもイソプレンが好ましく使用できる。
(a)成分中の共役ジエン重合体ブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、共役ジエン単量体および共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、共役ジエン重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を20重量%以下にすることが好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(a)成分の芳香族ビニル単量体単位含有量は、通常、5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは13〜40重量%である。
(a)成分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(a)成分の重量平均分子量は、好ましくは100,000〜1,000,000、より好ましくは110,000〜920,000、特に好ましくは120,000〜880,000である。
(a)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
前記ブロック共重合体組成物中の(a)成分の割合は、好ましくは10〜98重量%、より好ましくは20〜94重量%、特に好ましくは35〜85重量%である。この割合が少なすぎると形状保持性が低下する傾向にあるために使用に適さず、逆に多すぎると被着体に対する密着性に劣り、貼り付け作業性が低下する場合がある。
前記ブロック共重合体組成物中の(b)成分は、ただ1つの芳香族ビニル重合体ブロックとただ1つの共役ジエン重合体ブロックとからなるジブロック共重合体である。(b)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックは、(b)成分の重合体鎖において、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、芳香族ビニル単量体単位のみからなるものがより好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、前記と同様のものが挙げられる。
(b)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、芳香族ビニル単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、芳香族ビニル重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を20重量%以下にすることが好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(b)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは12,000〜70,000、特に好ましくは14,000〜50,000である。
(b)成分中の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(b)成分中の共役ジエン重合体ブロックは、(b)成分の重合体鎖において、共役ジエン単位を主たる構成単位として含有する部分をいう。共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、共役ジエン単量体単位のみからなるものがより好ましい。この共役ジエン単量体単位含有量が少なすぎると、例えば両面粘着シートを防音制振材として用いた場合に防音効果が劣る傾向にある。
ここで用いることができる共役ジエン単量体は、上述したものと同様である。なかでもイソプレンが好ましく使用できる。
(b)成分中の共役ジエン重合体ブロックは、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であれば、共役ジエン単量体および共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、共役ジエン重合体ブロック中における他の単量体単位の割合を20重量%以下にすることが好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(b)成分の芳香族ビニル単量体単位含有量は、通常、5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは13〜40重量%である。
(b)成分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(b)成分の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜250,000、より好ましくは55,000〜230,000、特に好ましくは60,000〜220,000である。
(b)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
前記ブロック共重合体成物中の(b)成分の割合は、好ましくは0〜88重量%、より好ましくは1〜75重量%、特に好ましくは5〜55重量%である。(b)成分が多すぎると、形状保持性が低下する傾向にある。ブロック共重合体組成物中に(b)成分を前記範囲の割合で含有させることにより、被着体に対する密着性と貼り直し性とのバランスにより優れる両面粘着シートが得られる。
(a)成分の製造方法は特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、アニオンリビング重合法により、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックをそれぞれ逐次的に重合する方法や、活性末端を有するブロック共重合体を製造し、次いで多官能性化合物と反応させてカップリングさせたブロック共重合体とする方法が採用できる。
(b)成分の製造方法も特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、アニオンリビング重合法により、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックをそれぞれ逐次的に重合する方法が好適に採用できる。
なお、(a)成分と(b)成分は、前記のようにそれぞれ別々に製造してもよいが、それぞれの重合工程を1つにまとめて、(a)成分と(b)成分との混合物として製造することもできる。
本発明に用いられるエラストマー組成物は、得られる両面粘着シートが可撓性に優れ、被着体に対する密着性および貼り直し性に優れるため、前記(a)成分および(b)成分を含んでなるブロック共重合体組成物に加え、液状ジエン系ゴム(c)(以下、(c)成分と略記する場合がある。)を含んでなることが好ましい。
前記エラストマー中の(c)成分としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、1,2ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン等が挙げられ、なかでもポリイソプレン、ポリブタジエンが好ましく、ポリイソプレンが特に好ましい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
(c)成分の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜300,000、より好ましくは10,000〜200,000、特に好ましくは30,000〜100,000である。この重量平均分子量が小さすぎると、両面粘着シートの強度が劣る傾向にある。逆に大きすぎると被着体に対する密着性および貼り直し性が劣る場合がある。
(c)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
(c)成分は、その重合体鎖において、共役ジエン単量体単位を主たる構成単位として含有する。(c)成分は、共役ジエン単量体単位含有量が80重量%以上のものが好ましく、共役ジエン単量体単位のみからなるものがより好ましい。
(c)成分は、イソプレンの単独重合体であることが好ましいが、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、イソプレンおよびイソプレンと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。イソプレンと共重合可能な単量体としては、前記の芳香族ビニル単量体、およびブタジエン、1,3−ペンタジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン単量体が好ましく挙げられる。
(c)成分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は特に限定されず、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%である。
(c)成分の製造方法は特に限定されず、一般に公知の製造方法が採用でき、例えば、重合溶媒中、アニオン重合開始剤を用いて共役ジエン単量体を重合する方法が採用できる。
前記ブロック共重合体中の(c)成分の割合は、2〜66重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜55重量%、特に好ましくは10〜35重量%である。(c)成分が少なすぎると、被着体に対する貼り直し性および密着性に劣る両面粘着シートとなり、逆に多すぎると両面粘着シートとして形状保持性が低下して、使用に適さなくなる。
本発明で用いる前記エラストマーにおいては、(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計量に対する芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜40重量%の範囲にあることが好ましく、10〜30重量%の範囲にあることがより好ましい。この含有量が少なすぎると、両面粘着シートとしての形状保持性が低下して、使い難くなる傾向にあり、逆に多すぎると、得られた両面粘着シートの被着体に対する密着性および貼り直し性が劣る傾向にある。
本発明で用いるブロック共重合体組成物の製造方法は特に限定されない。(a)成分、(b)成分および(c)成分をそれぞれ別に製造し、次いで所望の比率で混合ししてもよく、あるいはこれらを溶液の状態で混合し、重合体を分離して乾燥することにより製造してもよい。
(a)成分と(b)成分との混合物として製造したものに、別途製造した(c)成分を混合して製造してもよい。
本発明で用いるブロック共重合体組成物には、上述した粘着付与剤が添加されて用いられるが、さらに必要に応じて、(a)成分、(b)成分および(c)成分以外のエラストマーのほか、一般に公知の、熱可塑性樹脂、充填剤、補強繊維、軟化剤、発泡剤、発泡助剤、酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤などの配合剤を所望量配合することができる。
(a)成分、(b)成分および(c)成分以外のエラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびその変性物、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
充填剤としては、例えば、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム、各種の金属粉、木粉、ガラス粉、セラミックス粉などの他、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー;ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラー;が挙げられる。
補強繊維としては、例えば、ワラ、毛、ガラスファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバーなどの短繊維および長繊維が挙げられる。
軟化剤としては、液状オリゴマー、石油系油を挙げることができる。液状オリゴマーとしては、液状ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状α−オレフィンオリゴマー、液状エチレン−α−オレフィンオリゴマーなどが挙げられる。石油系油としては、石油系油として具体的には、石油を原料とし、パラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、芳香族系炭化水素油の混合物であるエクステンダーオイルやプロセスオイル、パラフィン系炭化水素からなる流動パラフィン、塩素化パラフィン等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル・テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイトなどの亜燐酸塩類などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸系、硬化油のような脂肪酸系滑剤;ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリルアミド、パルミチルアミド、ベヘンアミド、メチロールアミド、高級脂肪酸のモノアミド、メチレンビスステロアミド、エチレンビスステロアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスラウリルアミド、高級脂肪酸ビスアミド、N−ステアリルオレイルアミド、N−ステアリルエルシルアミド、N−ステアリルパルミトアミド、複合型アミド、特殊脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑材;
n−ブチルステアレート、多価アルコール脂肪酸エステル、飽和脂肪酸エステル、エステル系ワックス、特殊脂肪酸エステル、芳香族脂肪酸エステル、複合エステル系のような脂肪酸エステル系滑材;高級アルコール、高級アルコール系複合型、高級アルコールエステル、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロールのような脂肪アルコール系滑材;グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、脂肪酸部分エステルのような脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル系滑材;シリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン、ジステアリルエポキシヘキソヒドロキシフタレート、ナトリウムアルキルサルフェート、長鎖脂肪族化合物、非イオンエステル系活性剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合体、四フッ化エチレン樹脂粉末などが挙げられる。これらの滑剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の両面粘着シートの製造方法としては、特に限定されるものではないが、通常2層押出しで成形される。
本発明の両面粘着シートの用途としては、強粘着層を所定の部材(以下、固定部材とする場合がある。)に粘着させて、さらに弱粘着層に異なる部材(以下、剥離部材とする場合がある。)を粘着させることにより、所定の部材を構成する用途であって、剥離部材を再利用する用途、もしくは剥離部材が易破壊部材であり、頻繁に交換が必要な用途(以下、易交換用途とする場合がある。)が好適である。
剥離部材を再利用する用途としては、例えば再利用可能なプラスチック部材に他の部材が取り付けられているもの、具体的にはプラスチック製の筐体の内部に鏡が取り付けられている化粧用コンパクト等を挙げることができる。この場合、筐体側を弱粘着層とし鏡側を強粘着層として両者を固定して形成することにより、廃棄時に鏡を取り外すことによりプラスチック製の筐体のみを廃棄することが可能となり、鏡の再利用が可能となる。
また、前記易交換用途としては、例えば基材上に化粧板を貼り付けた内装部材等において、基材側を強粘着層、化粧板側を弱粘着層として両面粘着シートを用いて固定する用途を挙げることができる。この例では、化粧板が汚れた場合に化粧板のみを容易に取り替えることが可能となる。
なお、両面粘着シートが複数回使用される際に、粘着力の低下が懸念される場合は、基材側を弱粘着層、化粧板側を強粘着層として用い、両面粘着シートと化粧板とを同時に取り替えるようにしてもよい。また、ドレッサーの鏡や窓ガラスなどに軽量な装飾品、または広告を貼り付け、必要に応じて装飾品や広告を張り替える用途を挙げることもできる。
本発明の両面粘着シートは、吸音材を塩ビ管等の被着体に取り付けるための吸音材接着用シートとして用いることが特に好ましい。
前記両面粘着シートをこのように吸音材接着用シートとして用いることにより、被着体から吸音材を容易に除去することができるので、被着体の再利用を容易にすることができる。すなわち、吸音材側を強粘着層とし、被着体側を弱粘着層とすることにより、吸音材を廃棄する時に吸音材と両面粘着テープとを容易に除去することが可能となり、塩ビ管等の被着体を容易に再利用することができる。また、この際、両面粘着シートの材料をブロック共重合体組成物にすることにより、両面粘着シート自体を防音用制振材として機能させることも可能となり、これにより防音効果をさらに向上させることができる。
このように、前記両面粘着シートを吸音材接着用シートとして用いる場合、シートの厚みは、好ましくは20μm〜100mm、より好ましくは50μm〜50mmである。厚みが前記範囲より厚いと、被着体への形状追従性が低下する場合があり、逆に前記範囲より薄いと上述した防音用制振材として用いようとした場合、機能しない可能性がある。
また、本発明の吸音材接着用シートは、伸縮性に富むため、例えば配管等の曲率の大きい被着体に対しても貼り付け、および貼り直し性が良好であり、吸音材を密着性よく被着体に接着させることができる。
本発明の吸音材接着用シートにより被着体に接着される吸音材としては、特に限定されるものではないが、吸音効果が高いことから高分子発泡体を用いることが好ましい。
高分子発泡体としては、例えば、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリプロピレン樹脂発泡体等のポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、軟質塩化ビニル系樹脂発泡体等の合成樹脂系発泡体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム発泡体、クロロプレンゴム発泡体等の合成ゴム系発泡体や天然ゴム系発泡体等のゴム系発泡体等が挙げられるが、中でもポリエチレン樹脂発泡体およびポリスチレン樹脂発泡体が好適に用いられる。これらの高分子発泡体は単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
高分子発泡体の発泡倍率は、好ましくは10〜250倍、より好ましくは20〜200倍である。発泡倍率が小さすぎると吸音効果が十分に得られない場合があり、逆に大きすぎると発泡体の変形や破断が生じ易くなる。高分子発泡体中の気泡の形状は、独立気泡形状であっても、連続気泡形状であってもよいが、吸音効果が高い点で、後者の方が好ましい。
吸音材の厚みは、用途に応じて適宜決定されるものであるが、好ましくは100μm〜200mm、より好ましくは1mm〜100mmである。吸音材が厚すぎると曲率の大きい被着体に対する貼り付け、および貼り直し性が低下する場合があり、逆に薄すぎると音によっては吸音効果が十分に得られない場合がある。
一方、前記吸音材を接着させる被着体としては、特に限定されるものではないが、例えば、マンション等の床材、壁材、天井、窓枠、シャッター、ドア、防音壁、屋根材、給水管・排水管等の配管などの建材;レコードの支持ターンテーブル、CDプレイヤーなどの音響機器;コピー機、FAX、プリンターなどのOA機器;などの不快音や共振音を低減したり、エアコンの室外機、ダクト内の音など、家電製品のモーター駆動によって生じる不快音や共振音;自動車のエンジンルームや自動車車内の騒音;を低減する目的に用いることができる。中でも、給水管や排水管等の曲率の大きい被着体に対する密着性が高いことから、これらの配管等に好適に使用できる。
さらに、本発明の両面粘着シートは、それ自体が制震材であるため、震動吸収シートとしても用いることができる。例えば、家具などを車で運搬する時など、震動を伴う場合、家具の下に本発明の両面粘着シートを接着させることにより、家具の揺れを防ぐと共に、転倒も抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない、前記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例、比較例および参考例中の部および%は、特に断りのないかぎり重量基準である。
(1)接着性
50cm×50cmである両面粘着シートの強粘着層側に、両面粘着シートと同じ大きさで、厚さ5mmの発泡倍率60倍である発泡スチロールを貼り付ける。この強粘着層側に発泡スチロールを張り付けた両面粘着シートの弱粘着層側を、垂直に保持したステンレス板に張り付けて、接着性評価用サンプルとした。
この接着性評価用サンプルを垂直にして1時間保持し、下記の条件で剥離の有無を確認して、接着性の評価とした。
○:剥離しない
×:剥離する
(2)貼り直し性
前記接着性評価用サンプルを作成した後、発泡スチロールを持って両面粘着シートと共にステンレス板より取り外した時、両面粘着シートが発泡スチロール側に接着しており、その後垂直に保持したステンレス板に再び貼り直して1時間保持し、下記の条件で剥離の有無を確認して、貼り直し性の評価とした。
○:剥離しない
×:剥離する
(3)選択剥離性
前記接着性評価用サンプルを作成して1ヶ月後、発泡スチロールを持って両面粘着シートとともにステンレス板より取り外した時、下記の条件で選択剥離性を評価した。
○:両面粘着シートが発泡スチロールと共にステンレス板から剥離できる。
△:発泡スチロールが破壊する箇所はあるが、両面粘着シートが発泡スチロールと共にステンレス板から剥離ができる。
×:発泡スチロールが破壊され、ステンレス板から発泡スチロールおよび両面粘着シートが剥離できない。
(4)永久伸び
JIS K 6301の永久伸び測定法に基づいて測定した。試験片を伸び率200%で10分間保持後、跳ね返ることなく急に収縮させて10分後、標線間距離を測定した。
永久伸び(%)=(L−L)/L×100
:標線間距離(mm)
:収縮させて規定時間放置後の標線間距離(mm)
(5)ステンレス板に対する接着力
厚さ25μmのポリエステルフィルムに、強粘着層および弱粘着層のエラストマー組成物を25μmの厚さで塗布して接着力評価用サンプルとした。被着体としてステンレス板を用い、PSTC−1(粘着テープ委員会(米)による180°剥離接着試験)に準じて剥離接着強さを23℃で測定した。
(参考例1)
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン(以降、「TMEDA」と略記する場合がある。)0.000728部およびスチレン11.7部を投入し、40℃で攪拌しているところに、重合開始剤n−ブチルリチウム0.0267部を添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。この時点でのスチレンの重合転化率は100%であった。反応液の一部を採取して、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレンブロックの重量平均分子量を測定した。測定結果を表1に示す。
引き続き、イソプレン36.3部を、反応温度が50℃から60℃の間になるように温度制御しながら1時間に渡り添加し、添加終了後さらに1時間重合した。この時点での重合転化率は100%であった。反応液の一部を採取して、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、スチレン−イソプレンジブロック共重合体((b)成分に相当する。)の重量平均分子量を測定した。測定結果を表1に示す。
次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン0.0242部を添加して2時間カップリング反応を行い、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体((a)成分に相当する。)を形成した。この後、反応器に重合停止剤としてメタノール0.04部を添加してよく混合し、(a)成分と(b)成分とからなる芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物(表中では「(a)+(b)成分」と記す。)Iを得た。反応液の一部を採取して、前記ブロック共重合体組成物I中のスチレン単位含有量を測定し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量、および(a)成分と(b)成分の重量比を測定した。その測定結果を表1に示す。なお、芳香族ビニル単量体単位含有量は、1H−NMR測定により求めた。
(参考例2および3)
重合処方を表1に示すように変更する以外は、参考例1と同様にして、(a)成分と(b)成分とからなる芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物IIおよびIIIを得た。結果を表1に示した。
Figure 2006152149
(参考例4)
耐圧反応器に、シクロヘキサン112部、TMEDA0.00364部およびn−ブチルリチウム0.134部を投入し、40℃で攪拌しているところにイソプレン48部を60℃に重合温度を上げながら1時間に渡り添加し、イソプレン添加終了後さらに60℃で1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、反応器に重合停止剤としてメタノール0.2部を加えてよく混合してポリイソプレン(i)を得た。ポリイソプレン(i)の重量平均分子量は40,000であった。
(実施例1)
芳香族ビニル−イソプレンブロック共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に、酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合した。得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃の温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、85℃で熱風乾燥した。
押出機先端部に水中ホットカット装置を備えた単軸押出機に前記粉砕物を供給し、平均直径が5mm程度のペレットを得た。
ここで得られたペレット100部に粘着付与剤(脂肪族系石油樹脂、クイントン S−195(商品名)、日本ゼオン社製)を表2に示す量でそれぞれ添加し、さらに各々に酸化防止剤(イルガノックス1010(商品名)、チバスぺシャリティーケミカル社製)1部を添加して、強粘着層および弱粘着層に用いる各粘着剤組成物を得た。これらの粘着剤組成物をTダイ押出し機を用いて共押し出しし、強粘着層および弱粘着層がともに膜厚300μmとなるようにして両面粘着シートを作成した。この両面粘着シートを用い、上述したようにして接着性評価用サンプルを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(実施例2、3および4)
配合量を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして両面粘着シートを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(実施例5)
ブロック共重合体組成物Iの30%シクロヘキサン溶液100部に、ポリイソプレン(i)の30%シクロヘキサン溶液45部、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を加えて混合した。ここで得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して、混合溶液中の溶媒を揮発させ、析出物を粉砕して85℃で熱風乾燥した。
押出機先端部に水中ホットカット装置を備えた単軸押出機に前記粉砕物を供給し、平均直径が5mm程度のペレットを得た。
ここで得られたペレット145部に粘着付与樹脂(脂肪族系石油樹脂、クイントン S−195(商品名)、日本ゼオン社製)を表2に示す量でそれぞれ添加し、さらに各々に酸化防止剤(イルガノックス1010(商品名)、チバスぺシャリティーケミカル社製)1部を添加して、強粘着層および弱粘着層に用いる各粘着剤組成物を得た。これらの粘着剤組成物をTダイ押出し機を用いて共押し出しし、強粘着層および弱粘着層がともに膜厚300μmとなるようにして両面粘着シートを作成した。この両面粘着シートを用い、上述したようにして接着性評価用サンプルを調整して各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(実施例6)
ブロック共重合体組成物Iに代えてIIを用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着シートを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(実施例7)
ブロック共重合体組成物Iに代えてIIを用い、粘着付与剤およびポリイソプレン(i)の配合量を表2に記載のように変更した以外は、実施例5と同様にして両面粘着シートを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(比較例1および2)
配合量を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして両面粘着シートを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(比較例3)
厚さ25μmのポリエステルフィルムの両面に、表2記載の強粘着層および弱粘着層それぞれの粘着剤組成物を厚さ25μmで塗布し、ポリエステルフィルムを基材とした両面粘着シートを得、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(比較例4)
ブロック共重合体組成物Iに代えてIIIを用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着シートを作成し、各評価を実施した。評価結果を表3に示す。
Figure 2006152149
Figure 2006152149
表2および表3から、次のようなことが分かる。
弱粘着層および強粘着層の粘着付与剤量の差が小さく、両層の粘着力の差が本発明規定の範囲外にある両面粘着シートは、貼り直し性および選択剥離性がないことが分かる(比較例1および2)。
基材に伸縮性のないポリエステルフィルを有する両面粘着シートは、一度伸ばすと伸びきって元に戻らず、貼り直し性がなく、さらに選択剥離性もないことが分かる(比較例3)。
永久伸びが本発明規定の範囲外にある両面粘着シートは、貼り直し性および選択剥離性がないことが分かる(比較例4)。
これに対し本発明規定の範囲にある両面粘着シートは、本発明の効果である接着性、貼り直し性および選択剥離性をいずれも満足することが分かる(実施例1〜7)。

Claims (6)

  1. 弱粘着層と、前記弱粘着層よりも粘着力が1.3倍以上高い強粘着層とを有し、前記弱粘着層と前記強粘着層とを実質的に基材を介さずに積層させてなることを特徴とする両面粘着シート。
  2. 前記両面粘着シートの永久伸びが7%以下であることを特徴とする請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 弱粘着層および強粘着層がエラストマーと粘着付与剤とを含んでなるエラストマー組成物からなるものであり、エラストマーを100重量部とした場合に、
    前記弱粘着層中の粘着付与剤量が0〜50重量部、
    前記強粘着層中の粘着付与剤量が20〜250重量部であり、
    さらに強粘着層中の粘着付与剤量が、弱粘着層中の粘着付与剤量よりも20重量部以上多いことを特徴とする請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記エラストマーが、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとからなるブロック共重合体組成物を含んでなることを特徴とする請求項3に記載の両面粘着シート。
  5. 前記エラストマーが、液状ジエン系ゴムを含んでなることを特徴とする請求項3または4に記載の両面粘着シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一に記載の両面粘着シートを用いたことを特徴とする吸音材接着用シート。
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